JP5535704B2 - スタータ - Google Patents

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この発明は、例えば、自動車に搭載されるスタータに関するものである。
従来から、自動車の始動用に用いられるスタータが知られている。このスタータとしては、電動機(モータ部)と、この電動機の回転軸と同軸上に配置された出力軸と、この出力軸に沿って移動可能に設けられ、エンジンのリングギヤに噛合うピニオンと、電動機への通電、および遮断を行ったり、電動機への通電時にピニオンの移動を規制したりする役割を有する電磁装置とを備えたスタータがある(例えば、特許文献1参照)。
電磁装置は、出力軸の周囲を取り囲むように形成された励磁コイルと、励磁コイル内に軸線方向に沿って往復動自在な二重円筒状に設けられた内側プランジャ(ギヤプランジャ)、および外側プランジャ(スイッチプランジャ)と、これらプランジャ同士を互いに弾発的に軸線方向に沿って離反させるべく両プランジャ間に介装されたコイルばねとを有している。
また、内側プランジャの軸線方向への移動がクラッチを介してピニオンに伝達されるように構成されている。ここで、このクラッチは、エンジンが始動し、リングギヤの回転速度がピニオンの回転速度を上回った際に、リングギヤによってピニオンが回されるのを防ぐオーバーランニング機能と、過大トルクが生じた際に滑ってトルクを逃がすトルクリミッタ機能を有している。
さらに、クラッチは、出力軸にヘリカルスプライン結合されており、出力軸と連れ回るようになっている。この連れ回りによって生じる慣性力により、クラッチがピニオンと一体となって軸線方向に沿って移動する。
このように構成された電磁装置を備えたスタータは、励磁コイルに電流が供給される前にあっては、リングギヤとピニオンとが噛合わないようになっている。
一方、励磁コイルに電流が供給されると、内側プランジャ、および外側プランジャを磁束が通る磁路が形成され、外側プランジャが軸線方向に沿って移動する。外側プランジャが移動することによって電動機が通電され、電動機の回転軸が回転し始める。
この回転軸の回転が出力軸に伝達され、出力軸が回転し始めると慣性力によってクラッチ、およびピニオンがリングギヤ側に向かって押し出される。そして、このリングギヤにピニオンが噛合い、出力軸の回転力がピニオン、およびリングギヤを介してエンジンに伝達される。エンジンに出力軸の回転力が伝達されると、エンジンが始動し、ピニオンの回転速度が出力軸の回転速度を上回ると、クラッチが作用してピニオンが空転する。
また、これと同時に、外側プランジャが移動することにより、両プランジャ間に介装されたコイルばねが圧縮変形され、このコイルばねの復元力と励磁コイルの磁束の吸引力とによって内側プランジャがリングギヤ側に向かって移動する。
ここで、ピニオンが連れ回りすると、出力軸の回転、およびヘリカルスプライン結合によるピニオンをリングギヤ側へ向かって移動させる慣性力が弱まることになる。しかしながら、内側プランジャにリングギヤ側へ向かう力が作用するので、ピニオンのリングギヤからの抜けが防止される。
特許第3223119号公報
ところで、上述の従来技術にあっては、リングギヤにピニオンが噛合う前にモータが回転するため、リングギヤにピニオンが噛合う瞬間、出力軸の回転力をピニオンを介してリングギヤに伝達させることになり、クラッチのトルクリミッタとしての機能が作用してしまい、クラッチにかかる負荷が大きくなる。このため、スタータの使用頻度が多くなるに従い、クラッチが摩耗してしまう虞がある。これにより、出力軸の回転力をピニオンを介してリングギヤに十分伝達できなくなる虞があり、すなわちスタータとしての耐久性を十分に保てないという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、耐久性を向上させることができるスタータを提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、モータ部と、前記モータ部の回転力を受けて回転する出力軸と、前記出力軸に螺合されたピニオンと、前記モータ部への通電、遮断を行うための電磁装置とを備え、前記電磁装置は、励磁コイルと、前記励磁コイルの通電に伴い、軸線方法に沿って移動するプランジャ機構と、前記プランジャ機構の軸線方向への移動に伴い断続される接点機構とを有し、前記プランジャ機構と前記ピニオンとの間に、クラッチを設けたスタータにおいて、前記プランジャ機構は、前記励磁コイルの通電に伴い、軸線方向に沿って移動する内側プランジャと、外側プランジャとを有し、前記外側プランジャの軸線方向への移動に伴い、前記モータ部に通電が行われ、前記内側プランジャ、および外側プランジャの何れか一方に、他方と係脱可能な係合部を設け、この係合部は、前記励磁コイルの通電に伴う前記外側プランジャの軸線方向への移動の際、前記外側プランジャと前記内側プランジャとが互いに係合するように構成され、前記内側プランジャと前記外側プランジャとが一体となって移動することにより、前記ピニオンに押圧力が付勢され、記ピニオンをエンジンのリングギヤ側に向かって押し出した後に、前記接点機構の接続に伴う前記モータ部への通電によって前記出力軸が回転し、この出力軸に対する前記ピニオンの慣性力により、さらに前記ピニオンを押し出すよう、前記押圧力、および前記慣性力によって、前記ピニオンを軸線方向に沿って移動させることを特徴とする。

このように構成することで、出力軸が回転するよりも先にプランジャ機構によってピニオンが押し出される。この後、出力軸が回転し始めてさらにピニオンが押し出され、このピニオンとエンジンのリングギヤとが互いに噛合う。つまり、出力軸が回転し始めてからのピニオンの移動距離が従来よりも短くなり、ピニオンとエンジンのリングギヤとが互いに噛合うまでの時間が従来よりも短くなる。
すなわち、出力軸の回転速度が上がりきる前、つまり、従来よりも出力軸の回転速度が遅い段階でピニオンとリングギヤとが互いに噛合うことになる。電動機の回転速度が減速される分、リングギヤにピニオンが噛合う瞬間のクラッチにかかる負荷が軽減される。
よって、クラッチの摩耗が低減され、使用頻度に関わらず、安定して出力軸の回転力をリングギヤに伝達させることが可能になり、スタータの耐久性を向上させることができる。
また、出力軸が回転するよりも先に内側プランジャ、および外側プランジャによってピニオンを押し出すことが可能になる。このため、簡素な構造で、かつ確実に励磁コイルが通電されてからピニオンとエンジンのリングギヤとが互いに噛合うまでの時間を短くすることができる。
請求項2に記載した発明は、前記内側プランジャおよび前記外側プランジャは、二重円筒状に形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、出力軸が回転するよりも先に内側プランジャ、および外側プランジャによってピニオンを押し出すことが可能になる。このため、簡素な構造で、かつ確実に励磁コイルが通電されてからピニオンとエンジンのリングギヤとが互いに噛合うまでの時間を短くすることができる。
請求項3に記載した発明は、前記係合部は、前記外側プランジャの内周面に設けられた環状部材であって、前記外側プランジャが軸線方向に沿って移動する際、前記環状部材が前記内側プランジャの軸線方向端面に当接することを特徴とする。
このように構成することで、簡素な構造で外側プランジャと内側プランジャとを一体化して軸線方向に沿って移動させることができる。このため、安価で、かつ使用頻度に関わらず、安定して出力軸の回転力をリングギヤに伝達させることが可能な電磁装置を提供することが可能になる。
本発明によれば、出力軸が回転するよりも先にプランジャ機構によってピニオンが押し出される。この後、出力軸が回転し始めてさらにピニオンが押し出され、このピニオンとエンジンのリングギヤとが互いに噛合う。つまり、出力軸が回転し始めてからのピニオンの移動距離が従来よりも短くなり、ピニオンとエンジンのリングギヤとが互いに噛合うまでの時間が従来よりも短くなる。
すなわち、出力軸の回転速度が上がりきる前、つまり、従来よりも出力軸の回転速度が遅い段階でピニオンとリングギヤとが互いに噛合うことになる。電動機の回転速度が減速される分、リングギヤにピニオンが噛合う瞬間のクラッチにかかる負荷が軽減される。
よって、クラッチの摩耗が低減され、使用頻度に関わらず、安定して出力軸の回転力をリングギヤに伝達させることが可能になり、スタータの耐久性を向上させることができる。
また、出力軸が回転するよりも先に内側プランジャ、および外側プランジャによってピニオンを押し出すことが可能になる。このため、簡素な構造で、かつ確実に励磁コイルが通電されてからピニオンとエンジンのリングギヤとが互いに噛合うまでの時間を短くすることができる。
本発明の実施形態におけるスタータの断面図である。 図1の要部拡大図であって、電磁装置の動作説明図であるである。 本発明の実施形態におけるピニオンのストローク量、励磁コイルへの印加電圧値、およびブラシ付直流モータに供給される電流値の変化を示し、従来と本実施形態との違いを比較したグラフである。 本発明の実施形態におけるブラシ付直流モータに供給される電流値、およびアーマチュアの回転数の変化を示すグラフであって、(a)は従来の場合、(b)は本実施形態の場合について示している。
(スタータ)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、スタータ1の断面図であって、中心線より上側に静止状態を示し、下側に通電状態を示している。
同図に示すように、スタータ1は、不図示のエンジンの始動に必要な回転力を発生するためのものであって、モータ部3と、モータ部3に連結されている出力軸4と、出力軸4上に摺動自在に設けられたクラッチ5、およびピニオン6と、モータ部3に対する電源供給路を開閉するスイッチユニット7と、スイッチユニット7の可動接点板8、およびピニオン6を軸線方向に沿って移動させるための電磁装置9とを有している。
モータ部3は、ブラシ付直流モータ51と、ブラシ付直流モータ51の回転軸52に連結され、この回転軸52の回転力を出力軸4に伝達するための遊星歯車機構2とにより構成されている。
ブラシ付直流モータ51は、略円筒状のヨーク53と、ヨーク53の径方向内側に配置され、ヨーク53に対して回転自在に設けられているアーマチュア54とを有している。ヨーク53の内周面には、複数(例えば、この実施形態では6つ)の永久磁石57が周方向に磁極が順番となるように配設されている。
ヨーク53の遊星歯車機構2とは反対側の一端には、ヨーク53の開口部53aを閉塞するエンドプレート55が設けられている。エンドプレート55の径方向中央には、回転軸52の一端を回転自在に支持するための滑り軸受け56が設けられている。
アーマチュア54は、回転軸52と、回転軸52の永久磁石57に対応する位置に外嵌固定されているアーマチュアコア58と、回転軸52のアーマチュアコア58よりも遊星歯車機構2側(図1における左側)に外嵌固定されているコンミテータ61とにより構成されている。
アーマチュアコア58は、放射状に形成された複数のティース(不図示)と、周方向に隣接する各ティース間に形成された複数のスロット(不図示)とを有している。周方向に所定間隔をあけた2つのスロット間には、コイル59が例えば波巻により巻装されている。コイル59の端末部は、コンミテータ61に向かって引き出されている。
コンミテータ61には、複数枚(例えば、この実施形態では26枚)のセグメント62が周方向に沿って、かつ互いに絶縁されるように所定間隔をあけた状態で配設されている。
各セグメント62のアーマチュアコア58側端には、折り返すように曲折形成されたライザ63が設けられている。このライザ63にアーマチュアコア58に巻装されているコイル59の端末部が接続されるようになっている。
ヨーク53の他端には、有底筒状のトッププレート12が設けられており、このトッププレート12のアーマチュアコア58側の内面に、遊星歯車機構2が配置されている。
遊星歯車機構2は、回転軸52に外嵌固定されているサンギヤ13と、サンギヤ13に噛合され、サンギヤ13を中心に公転する複数のプラネタリギヤ14と、これらプラネタリギヤ14の外周側に設けられた環状の内歯リングギヤ15とにより構成されている。
複数のプラネタリギヤ14は、キャリアプレート16により連結されている。キャリアプレート16には、各プラネタリギヤ14に対応する位置に支持シャフト16aが立設されており、ここにプラネタリギヤ14が回転自在に支持されている。また、キャリアプレート16の径方向中央には、出力軸4の一端が接合されている。
内歯リングギヤ15は、トッププレート12の内周面に一体成形されている。トッププレート12の底面には、径方向中央に滑り軸受け12aが設けられている。この滑り軸受け12aは、回転軸52と同軸上に配置されている出力軸4の一端を回転自在に支持するためのものである。
また、トッププレート12には、不図示のエンジンにスタータ1を固定するためのハウジング17が接合されている。ハウジング17は有底筒状に形成されており、開口部17a側に、トッププレート12が開口部17aを閉塞するように接合されている。
ハウジング17の開口部17a側外周面には、軸線方向に沿うように雌ネジ部17bが刻設されている。
一方、ブラシ付直流モータ51のヨーク53の一端側(図1における右端側)に配置されたエンドプレート55には、雌ネジ部17bに対応する位置にボルト孔55aが形成されている。このボルト孔55aにボルト91を挿入し、雌ネジ部17bにボルト91を螺入することによって、モータ部3とハウジング17とが一体化される。
さらに、ハウジング17には、底部17cの径方向中央に出力軸4の一端を回転自在に支持するための滑り軸受け17dが設けられている。
出力軸4の一端には、回転軸52の他端を挿入可能な凹部4aが形成されている。この凹部4aの内周面には、滑り軸受け4bが圧入されており、出力軸4と回転軸52とが相対回転可能に連結されるようになっている。
出力軸4の軸線方向略中央には、外周面にヘリカルスプライン19が形成されている。このヘリカルスプライン19には、クラッチ5を構成する略円筒状のクラッチアウタ18が噛合されている。クラッチアウタ18には、モータ部3側に縮径形成されたスリーブ18aが一体成形されており、このスリーブ18aの内周面にヘリカルスプライン19に噛合うヘリカルスプライン18bが形成されている。
出力軸4のヘリカルスプライン19よりも他端側(図1における左側)には、ストッパプレート20が設けられている。ストッパプレート20とクラッチアウタ18のスリーブ18aとの間には、出力軸4を取り囲むように形成された第2リターンスプリング21が圧縮変形した状態で設けられている。これにより、クラッチアウタ18は、常時モータ部3側へ向かって押し戻されるように付勢された状態になる。
ハウジング17の内壁には、クラッチアウタ18のモータ部3側への変位を規制するリング状のストッパ94が設けられている。このストッパ94は、樹脂やゴム等により形成され、クラッチアウタ18が当接した際の衝撃を緩和できるようになっている。
また、クラッチアウタ18には、クラッチ5を構成するクラッチインナ22がクラッチアウタ18に相対的に軸線方向に変位不能、かつ相対回転不能に係合されている。
ここで、クラッチ5は、クラッチアウタ18とクラッチインナ22との間に生じるトルク差、および回転速度差が所定値以内の場合、互いに回転力を伝達する一方、トルク差、および回転速度差が所定値を越えた場合、回転力の伝達が遮断されるように構成されている。
クラッチ5のクラッチインナ22は略円筒状に形成されており、出力軸4にスライド移動可能に外嵌されている。クラッチインナ22のストッパプレート20に対応する一端側には、ストッパプレート20との干渉を避けるように凹部22aが形成されている。
一方、クラッチインナ22の他端側には、ピニオン6がクラッチインナ22に対してスライド移動可能、かつ相対回転不能に外嵌されている。ピニオン6は、不図示のエンジンのリングギヤ23に噛合うことにより、モータ部3の回転力をリングギヤ23に伝達してエンジンを始動させるためのものである。
ピニオン6の内周面には、段差により拡径された拡径部6aが形成されており、クラッチインナ22とピニオン6との間に収納部6bが形成されるようになっている。また、クラッチインナ22の外周面には、収納部6bの開口部を閉塞するように段差により拡径された拡径部22bが形成されている。
そして、収納部6bには、クラッチインナ22の外周面を取り囲むように形成されたコイルスプリング11が収納されている。このコイルスプリング11は、ピニオン6とリングギヤ23との噛合い時に両者6,23の噛合わせ位相がずれている場合の衝撃を緩和するためのものである(詳細は後述する)。
コイルスプリング11は、収納部6bに収納された状態で、ピニオン6の拡径部6aの段差面と、クラッチインナ22の拡径部22bの段差面とにより圧縮変形されている。これによりピニオン6は、クラッチインナ22に対してリングギヤ23側に向かって付勢された状態になる。ここで、クラッチインナ22の外周面には、他端側にピニオン6の抜けを規制する止め輪22cが設けられている。
ハウジング17の内周面には、クラッチ5よりもモータ部3側に、略円筒状に形成された励磁コイル24が設けられている。この励磁コイル24は、径方向中央の大部分が大きく開口された有底筒状のヨーク25と、ヨーク25の底部25aとは反対側端に設けられた円環状のプランジャホルダ26とにより形成される収納凹部25bに収納されている。励磁コイル24は、スイッチユニット7に設けられたダイオード92、およびコネクタ93を介し、不図示のイグニションスイッチに電気的に接続されている。
励磁コイル24の内周面と出力軸4の外周面との間の空隙には、磁性材で形成された略円筒状のスイッチプランジャ27が励磁コイル24に対して軸線方向にスライド可能に設けられている。さらに、このスイッチプランジャ(外側プランジャ)27と出力軸4の外周面との間の空隙に略円筒状のギヤプランジャ(内側プランジャ)28が設けられている。
これらスイッチプランジャ27とギヤプランジャ28は、互いに同心円上に設けられ、軸線方向に相対移動可能に設けられている。
スイッチプランジャ27のモータ部3側端には、外フランジ部29が一体成形されている。この外フランジ部29の外周部側には、連結ロッド30が軸線方向に沿って立設されている。この連結ロッド30は、モータ部3のトッププレート12を貫通している。連結ロッド30のトッププレート12から突出した端部には、ブラシ付直流モータ51のコンミテータ61に隣接配置されたスイッチユニット7の可動接点板8が連結されている。
可動接点板8は、連結ロッド30に対して軸線方向に沿ってスライド移動可能に取り付けられていると共に、コイルバネ32によって浮動的に支持されている。そして、可動接点板8は、コンミテータ61の周囲に設けられたブラシステー33に固定されているスイッチユニット7の固定接点板34に対し、近接離反可能になっている。
固定接点板34は、連結ロッド30を挟んでコンミテータ61側である径方向内側に配置された第1固定接点板34aと、コンミテータ61とは反対側である径方向外側に配置された第2固定接点板34bとに分割構成されている。これら第1固定接点板34a、および第2固定接点板34bに可動接点板8が跨るように当接するようになっている。可動接点板8が第1固定接点板34a、および第2固定接点板34bに当接することにより、両者34a,34bが導通される。
また、スイッチプランジャ27は、外フランジ部29とハウジング17の内壁との間に圧縮した状態で設けられている第1リターンスプリング35によって、モータ部3側に向かって付勢された状態になっている。これにより、スイッチプランジャ27は、通常、接点間を開いた状態(図1における中心線よりも上側の状態)で静止している。
ここで、このスイッチプランジャ27の静止状態において、外フランジ部29とヨーク25の底部25aとの間に形成されている間隙K1がスイッチプランジャ27のストローク量となる。すなわち、スイッチプランジャ27がリングギヤ23側(図1における左側)に向かって一杯に移動すると、スイッチプランジャ27の外フランジ部29がヨーク25の底部25aに当接するようになっている。このため、スイッチプランジャ27のストローク量は、間隙K1に設定されていることになる。
また、スイッチプランジャ27が接点間を開いた状態において、固定接点板34と可動接点板8との間に形成されている間隙K2は、
K1>K2・・・(1)
を満たすように設定されている。すなわち、スイッチプランジャ27のフルストロークに対して早めに可動接点板8が固定接点板34に接触するようになっている。
さらに、スイッチプランジャ27が接点間を開いた状態において、ピニオン6とリングギヤ23との間に形成されている間隙K3は、
K1<K3・・・(2)
を満たすように設定されている。
ギヤプランジャ28は、樹脂で形成されたものであって、モータ部3側の外周面にリング状の鉄心28aが装着されている。また、ギヤプランジャ28のモータ部3側には、軸線方向平面視略円環状の凹部28bが形成されている。
この凹部28bが形成されることにより、ギヤプランジャ28の外周部に円筒部28cが形成された状態になる。そして、円筒部28cの外周面であって、かつモータ部3側に鉄心28aが装着された状態になる。
ここで、スイッチプランジャ27の内周面には、ギヤプランジャ28における円筒部28cのモータ部3側端部に当接・離反するリング部材71が一体成形されている。リング部材71は、スイッチプランジャ27がリングギヤ23側へ向かって移動する際、ギヤプランジャ28をリングギヤ23側に向かって押圧するためのものである。
すなわち、ギヤプランジャ28における円筒部28cのモータ部3側端部は、スイッチプランジャ27のリング部材71に当接する当接部28dとして機能している。
スイッチユニット7の固定接点板34が固定されているブラシステー33には、コンミテータ61の周囲に4つのブラシ41が進退可能に配置されている。
各ブラシ41の基端側には、コイルスプリング42が設けられている。このコイルスプリング42によって、各ブラシ41がコンミテータ61側に向かって付勢され、各ブラシ41の先端がコンミテータ61のセグメント62に摺接するようになっている。
4つのブラシ41は、2つの陽極側ブラシと2つの陰極側ブラシとで構成され、このうち2つの陽極側ブラシが不図示のピグテールを介して固定接点板34の第1固定接点板34aに接続されている。一方、固定接点板34の第2固定接点板34bには、ターミナルボルト44を介して不図示のバッテリの陽極が電気的に接続される。
すなわち、固定接点板34に可動接点板8が当接した際、ターミナルボルト44、固定接点板34、ピグテール(不図示)を介して4つのブラシ41のうちの2つの陽極側ブラシに電圧が印加され、コイル59に電流が供給されるようになっている。
ターミナルボルト44は、スタータ1に取り付けるためのカバー45を有している。カバー45は、ヨーク10、およびハウジング17に挟持された状態で固定されている。
また、4つのブラシ41のうち、2つの陰極側ブラシは、不図示のピグテールを介して後述のセンタープレート43に接続されている。そして、このセンタープレート43、ハウジング17、および不図示の車体を介して、バッテリの陰極に4つのブラシ41のうちの2つの陰極側ブラシが電気的に接続されるようになっている。
ブラシステー33とトッププレート12との間には、金属により形成されたリング状のセンタープレート43が介設されており、遊星歯車機構2とブラシ付直流モータ51との間を隔絶している。このセンタープレート43の径方向略中央には、円筒部43aがコンミテータ61側に向かって突設されている。
円筒部43aの内径は、回転軸52の直径よりもやや大きく設定されており、円筒部43aと回転軸52との間の微小間隙が形成されるようになっている。この円筒部43aの遊端は、コンミテータ61の端面に形成された凹部61aに臨まされ、遊星歯車機構2のグリスがコンミテータ61側へ漏洩することを防止している。
(スタータの動作)
次に、図1、図2に基づいて、スタータ1の動作について説明する。
図2は、図1の要部拡大図であって、電磁装置9の動作説明図である。
図1、図2における中心線の上側の状態に示すように、まず、励磁コイル24に電流を供給する前の静止状態にあっては、スイッチプランジャ27は、第1リターンスプリング35に付勢されてモータ部3側(図1、図2における右側)へ一杯に移動し、外フランジ部29がトッププレート12に当接した状態で停止している。そして、外フランジ部29に立設されている連結ロッド30に設けられている可動接点板8は、固定接点板34に対して離間している。
これと同時に、第2リターンスプリング21に付勢されたクラッチアウタ18が、ピニオン6と一体化されているクラッチインナ22、およびギヤプランジャ28をモータ部3側へ一杯に移動している。そして、クラッチ5のクラッチアウタ18がストッパ94に当接した位置で停止しており、ピニオン6とリングギヤ23との結合が断たれている。
この状態からイグニションスイッチをオンすると、励磁コイル24に電流が供給されて励磁される。すると、スイッチプランジャ27、およびギヤプランジャ28を磁束が通る磁路が形成され、これらスイッチプランジャ27、およびギヤプランジャ28がリングギヤ23側(図1における左側)へ向かって移動する(図1、図2における中心線の下側参照)。
ここで、スイッチプランジャ27がギヤプランジャ28の鉄心28aよりも励磁コイル24に近接しているので、ギヤプランジャ28に先行してスイッチプランジャ27が移動する。しかしながら、スイッチプランジャ27の内周面にリング部材71が一体成形されているので、このリング部材71がギヤプランジャ28の当接部28dを押圧し、スイッチプランジャ27、およびギヤプランジャ28が一体となってリングギヤ23側へ向かって移動する(図2における2点鎖線参照)。
スイッチプランジャ27がリングギヤ23側へ向かって移動すると共に、スイッチプランジャ27が移動した分、ギヤプランジャ28が移動する。すると、このギヤプランジャ28にクラッチ5のクラッチアウタ18が押圧される。このため、ギヤプランジャ28が移動した分、クラッチ5がリングギヤ23側へ向かって移動し、さらに、クラッチ5と一体化しているピニオン6がリングギヤ23側へ向かって押し出される。
ここで、クラッチ5を構成するクラッチアウタ18には、これに形成されているスリーブ18aのヘリカルスプライン18bと出力軸4のヘリカルスプライン19とが噛合っている。このため、出力軸4の回転方向を正回転としたとき、クラッチ5、およびピニオン6は、ヘリカルスプライン19に沿うように僅かに逆回転しながらリングギヤ23側へ向かって押し出される。
すなわち、イグニションスイッチをオンし、励磁コイル24に電流が供給された時点において、ピニオン6は、スイッチプランジャ27のフルストローク分、リングギヤ23側へ向かって移動した状態になる。
また、スイッチプランジャ27が接点間を開いた状態において、外フランジ部29とヨーク25の底部25aとの間に形成されている間隙K1、固定接点板34と可動接点板8との間に形成されている間隙K2、およびピニオン6とリングギヤ23との間に形成されている間隙K3は、それぞれ式(1)、式(2)を満たすように設定されている。
このため、スイッチプランジャ27のフルストロークに対して早めに可動接点板8が固定接点板34に接触し、かつ可動接点板8が連結ロッド30に対して軸線方向変位可能に浮動支持されているので、コイルばね32の押圧力が両接点板8,34間に加わることになる。さらに、リングギヤ23の直前でピニオン6が停止した状態になる。
固定接点板34に可動接点板8が接触すると、4つのブラシ41のうちの2つの陽極側ブラシにバッテリの電圧が印加され、コンミテータ61のセグメント62を介してコイル59が通電される。すると、アーマチュアコア58に磁界が発生し、この磁界とヨーク10に設けられている永久磁石57との間で磁気的な吸引力や反発力が生じる。これにより、アーマチュア54が継続的に回転する。
アーマチュア54が回転することにより、このアーマチュア54の回転軸52の回転力が遊星歯車機構2を介して出力軸4に伝達され、出力軸4が回転する。出力軸4が回転することにより、出力軸4のヘリカルスプライン19に噛合うクラッチアウタ18が連れ回り、クラッチ5に慣性力が作用する。そして、慣性力によってクラッチ5、およびピニオン6がヘリカルスプライン19に沿うように回転しながら、さらにリングギヤ23側へ向かって押し出される。
このとき、ピニオン6とリングギヤ23との噛合わせ位相がずれていると、リングギヤ23にピニオン6が歯当たりして噛合わない。この場合、ピニオン6とクラッチ5のクラッチインナ22との間に設けられているコイルスプリング11が圧縮変形し、ピニオン6のリングギヤ23に対する歯当たりの衝撃を吸収しつつ、ピニオン6にリングギヤ23側に向かう付勢力を付与する。
すなわち、リングギヤ23にピニオン6が歯当たりして噛み合いに失敗しても、コイルスプリング11を圧縮変形させながら、ピニオン6がリングギヤ23により軸線方向への移動を止められた状態において、可動接点板8が固定接点板34への接触によりアーマチュア54が回転することにより、ピニオン6が回転し、ピニオン6は、リングギヤ23との噛合わせ位相が合ったところで、リングギヤ23に確実に噛合う。
ここで、スイッチプランジャ27がリングギヤ23側へ向かって移動した状態において、スイッチプランジャ27とプランジャホルダ26との間に間隙が生じるようになっている。この間隙から励磁コイル24の磁束が漏れ(漏れ磁束)、この漏れ磁束によりギヤプランジャ28の鉄心28aが吸引され、ギヤプランジャ28にリングギヤ23側へ向かう力が作用する。
このため、クラッチ5、およびピニオン6がリングギヤ23側へ向かって移動すると、これらクラッチ5、およびピニオン6に追随するように、ギヤプランジャ28がスイッチプランジャ27から離反してリングギヤ23側へ向かって移動する(図2における矢印Y1参照)。
また、アーマチュア54の回転が安定し、加速が止まると、出力軸4の回転、およびヘリカルスプライン結合によるピニオン6をリングギヤ23側へ向かって移動させる慣性力が弱まることになる。しかしながら、ギヤプランジャ28にリングギヤ23側へ向かう力が作用するので、ピニオン6のリングギヤ23からの抜けを防止することができる。
さらに、ピニオン6がリングギヤ23に噛み合うと、出力軸4にヘリカルスプライン結合されているピニオン6が、出力軸4の回転に伴ってリングギヤ23へ十分に噛み合う位置までピニオン6が移動し得る。
ピニオン6の噛み合い位置では、ストッパプレート20にクラッチアウタ18が当接するようになっている。ストッパプレート20によってクラッチアウタ18の軸線方向への移動が規制されるので、出力軸4の回転力がヘリカルスプライン結合しているピニオン6を介してリングギヤ23に伝達され、これによってエンジンが起動する。
エンジンが起動し、ピニオン6の回転速度が出力軸4の回転速度を上回ると、クラッチ5が作用してピニオン6が空転する。
また、励磁コイル24への通電を停止すると、クラッチアウタ18に対する第2リターンスプリング21の付勢力、およびスイッチプランジャ27に対する第1リターンスプリング35の付勢力により、ピニオン6がリングギヤ23から離脱すると共に、可動接点板8が固定接点板34から離間してブラシ付直流モータ51が停止する。
(効果)
したがって、上述の実施形態によれば、スイッチプランジャ27の内周面に、ギヤプランジャ28の当接部28dに対して、当接・離反するリング部材71を一体成形しているので、スイッチプランジャ27がリングギヤ23側へ向かって移動する際、スイッチプランジャ27とギヤプランジャ28とを一体となって移動させることができる。このため、モータ部3に通電された時点でピニオン6をスイッチプランジャ27の移動分、リングギヤ23側へ押し、リングギヤ23にピニオン6を近接させることができる。
すなわち、各プランジャ27,28が移動することによってピニオン6(クラッチ5)に付勢される押圧力と、出力軸4が回転することによってピニオン6(クラッチ5)に生じる慣性力との2つの力でピニオン6を移動させるので、励磁コイル24が通電され、モータ部3が回転し始めてからピニオン6とリングギヤ23とが互いに噛合うまでの時間が従来よりも短くなる。
より詳しく、図3に基づいて説明する。
図3は、縦軸をピニオン6のストローク量(移動量)、励磁コイル24への印加電圧値、およびブラシ付直流モータ51に供給される電流値とし、横軸を時間とした場合のストローク量、印加電圧値、および電流値の変化を示し、従来と本実施形態との違いを比較したグラフである。
同図に示すように、イグニションスイッチがオンされ、励磁コイル24に電圧が印加されると、励磁コイル24に生じる磁気的吸引力によりスイッチプランジャ27が移動し、その後、ブラシ付直流モータ51に電流が供給されることが確認できる。また、ブラシ付直流モータ51に電流が供給されると、アーマチュア54が回転し始め、時間経過と共にアーマチュア54の回転速度が速くなり、これに従ってブラシ付直流モータ51に供給される電流値が減少することが確認できる。さらに、アーマチュア54の回転に伴い、ピニオン6のストローク量が徐々に増大していくのが確認できる。
なお、図3において、破線L1は、リングギヤ23にピニオン6が噛合う位置を示している。
ここで、従来の場合、アーマチュア54が回転し、クラッチ5(ピニオン6)に慣性力が作用して初めてピニオン6がリングギヤ23側へ向かって押し出されるので、ブラシ付直流モータ51に電流が供給されてからピニオン6がリングギヤ23に噛合うまでの時間T1が長い。
これに対し、本実施形態の場合、励磁コイル24に電圧が印加され、スイッチプランジャ27が移動し始めるとリング部材71がギヤプランジャ28の当接部28dを押圧し、ギヤプランジャ28を介してピニオン6が移動し始める。このため、ブラシ付直流モータ51に電流が供給された時点でピニオン6はリングギヤ23に近接している(図3におけるP1参照)。よって、ブラシ付直流モータ51に電流が供給されてからピニオン6がリングギヤ23に噛合うまでの時間T2が時間T1よりも短い。
図4は、縦軸をブラシ付直流モータ51に供給される電流値、およびアーマチュア54の回転数とし、横軸を時間とした場合の電流値、および回転数の変化を示すグラフであって、(a)は従来の場合、(b)は本実施形態の場合について示している。なお、図4(a)、図4(b)における直線L2は、リングギヤ23にピニオン6が噛合う時間を示している。
図4(a)に示すように、従来の場合、ブラシ付直流モータ51に電流が供給されてからピニオン6がリングギヤ23に噛合うまでの時間T1が長いので、この分アーマチュア54の回転数が増大してリングギヤ23にピニオン6が噛合されることが確認できる。
一方、図4(b)に示すように、本実施形態の場合、ブラシ付直流モータ51に電流が供給されてからピニオン6がリングギヤ23に噛合うまでの時間T2が従来と比較して短いので、この分アーマチュア54の回転数が減少したところでリングギヤ23にピニオン6が噛合されることが確認できる。
したがって、アーマチュア54の回転数が減少する分、リングギヤ23にピニオン6が噛合う瞬間のクラッチ5にかかる負荷が従来よりも軽減される。このため、クラッチ5の摩耗が低減され、使用頻度に関わらず、安定して出力軸4の回転力をリングギヤ23に伝達させることが可能になる。
また、上述の実施形態によれば、スイッチプランジャ27の内周面にリング部材71を設けるだけで、励磁コイル24の通電時にスイッチプランジャ27とギヤプランジャ28とを一体に移動させることができる。このように、簡素な構造でクラッチ5にかかる負荷を軽減することができるので、電磁装置9の製造コストを低減することが可能になる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、外フランジ部29とヨーク25の底部25aとの間の間隙K1(スイッチプランジャ27のストローク量)と、スイッチプランジャ27が接点間を開いた状態において、ピニオン6とリングギヤ23との間に形成されている間隙K3(図1参照)とを式(2)を満たすように設定し、スイッチプランジャ27のフルストローク状態では、リングギヤ23の直前でピニオン6が停止した状態になる場合について説明した。
しかしながら、これに限られるものではなく、間隙K1と間隙K3とを、
K1≧K3
を満たすように設定し、スイッチプランジャ27のフルストローク状態において、リングギヤ23にピニオン6が噛合うようにしてもよい。この場合、リングギヤ23とピニオン6との噛合い時におけるアーマチュア54の回転速度をさらに減速させることができる。このため、クラッチ5にかかる負荷をさらに軽減することが可能になる。
また、スイッチプランジャ27のフルストローク状態でリングギヤ23にピニオン6を噛合わせる場合、クラッチインナ22とピニオン6との間に形成された収納部6bに収納されているコイルスプリング11は、ピニオン6とリングギヤ23との噛合い時に両者6,23の噛合わせ位相がずれた場合、およびリングギヤ23とピニオン6との噛合い抵抗が大きい場合等、スイッチプランジャ27の移動を阻害しないようにするための阻害防止部として機能する。
すなわち、リングギヤ23にピニオン6が当接、または引っ掛かった状態の場合であってもスイッチプランジャ27の移動に伴ってコイルスプリング11が圧縮変形し、確実に固定接点板34と可動接点板8とを接触させてブラシ付直流モータ51に通電することができる。これにより、アーマチュア54が回転し始めるので、ピニオン6(クラッチ5)に慣性力が作用し、リングギヤ23とピニオン6とを確実に噛合わせることが可能になる。
また、上述の実施形態では、スイッチプランジャ27とギヤプランジャ28とを互いに係脱可能に構成するための係合部として、スイッチプランジャ27の内周面にリング部材71を一体形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、励磁コイル24の通電に伴うスイッチプランジャ27の移動と同時に、スイッチプランジャ27とギヤプランジャ28とを互いに係合する係合部をスイッチプランジャ27、およびギヤプランジャ28の何れか一方に設ければよい。また、スイッチプランジャ27、およびギヤプランジャ28の何れか他方に、一方に設けられた係合部と係合可能な部材を設けてもよい。
1 スタータ
3 モータ部
4 出力軸
5 クラッチ
6 ピニオン
7 スイッチユニット(接点機構)
9 電磁装置
24 励磁コイル
27 スイッチプランジャ(外側プランジャ)
28 ギヤプランジャ(内側プランジャ)
51 ブラシ付直流モータ
52 回転軸
54 アーマチュア
71 リング部材(環状部材)

Claims (3)

  1. モータ部と、
    前記モータ部の回転力を受けて回転する出力軸と、
    前記出力軸に螺合されたピニオンと、
    前記モータ部への通電、遮断を行うための電磁装置とを備え、
    前記電磁装置は、
    励磁コイルと、
    前記励磁コイルの通電に伴い、軸線方法に沿って移動するプランジャ機構と、
    前記プランジャ機構の軸線方向への移動に伴い断続される接点機構とを有し、
    前記プランジャ機構と前記ピニオンとの間に、クラッチを設けたスタータにおいて、
    前記プランジャ機構は、前記励磁コイルの通電に伴い、軸線方向に沿って移動する内側プランジャと、外側プランジャとを有し、
    前記外側プランジャの軸線方向への移動に伴い、前記モータ部に通電が行われ、
    前記内側プランジャ、および外側プランジャの何れか一方に、他方と係脱可能な係合部を設け、
    この係合部は、前記励磁コイルの通電に伴う前記外側プランジャの軸線方向への移動の際、前記外側プランジャと前記内側プランジャとが互いに係合するように構成され、
    前記内側プランジャと前記外側プランジャとが一体となって移動することにより、前記ピニオンに押圧力が付勢され、記ピニオンをエンジンのリングギヤ側に向かって押し出した後に、前記接点機構の接続に伴う前記モータ部への通電によって前記出力軸が回転し、この出力軸に対する前記ピニオンの慣性力により、さらに前記ピニオンを押し出すよう、前記押圧力、および前記慣性力によって、前記ピニオンを軸線方向に沿って移動させることを特徴とするスタータ。
  2. 前記内側プランジャおよび前記外側プランジャは、二重円筒状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスタータ。
  3. 前記係合部は、前記外側プランジャの内周面に設けられた環状部材であって、
    前記外側プランジャが軸線方向に沿って移動する際、前記環状部材が前記内側プランジャの軸線方向端面に当接することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスタータ。
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