JP2020193403A - 仮撚加工機 - Google Patents

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Abstract

【課題】5軸仮撚装置が機台長手方向に並べて配置された仮撚加工機において、第1の糸と第2の糸との間における糸品質のばらつきを抑制する。【解決手段】5軸仮撚装置15は、軸方向から見たときに、第1三角形201の頂点を形成する第1個別回転軸72、73と共通回転軸71とを有し、糸Y1に撚りを付与する第1仮撚部51と、第2三角形202の頂点を形成する第2個別回転軸74、75と共通回転軸71とを有し、糸Y2に撚りを付与する第2仮撚部52とを備える。第1個別回転軸72、73と第2個別回転軸74、75とは、機台長手方向において共通回転軸71を挟んで互いに反対側に配置されている。軸方向から見たときに、第1三角形201の重心221と第2三角形の重心222とを通る直線223が、機台長手方向に沿って延びている。【選択図】図8

Description

本発明は、仮撚加工機に関する。
合成繊維からなる糸を仮撚加工する仮撚加工機が、特許文献1に記載されている。仮撚加工機は、所定の機台長手方向に並べられた、走行中の複数の糸にそれぞれ撚りを付与する複数の仮撚装置を備える。仮撚装置として、例えば特許文献2に記載された3軸型のフリクション方式の仮撚装置(3軸仮撚装置)が多く用いられている。3軸仮撚装置は、機台長手方向と略直交する所定の軸方向に延びた3つの回転軸と、各回転軸に設けられた複数の摩擦円板(円板部材)とを有する。3つの回転軸の軸中心は、軸方向から見たときに、仮想的な三角形の頂点を形成している。円板部材を所定の向きに回転させると、円板部材と接触しつつ上記三角形の内側を走行している糸に撚りが付与される。
ここで、仮撚加工機の大型化を抑制しつつより多くの糸を加工するため、3軸仮撚装置の代わりに、5つの回転軸を有し、2本の糸に一度に撚りを付与できる5軸仮撚装置(特許文献3参照)を設けることが考えられる。5軸仮撚装置においては、第1の糸に撚りを付与する第1仮撚部と、第2の糸に撚りを付与する第2仮撚部とが設けられ、これらの仮撚部は、5つの回転軸のうち1つを共通回転軸として共有している。つまり、5軸仮撚装置においては、軸方向から見たときに、共通回転軸を共通の頂点とした仮想的な三角形が2つ形成されており、これらの三角形の内側をそれぞれ走行する2本の糸に撚りが付与される。このように、5軸仮撚装置によって、3軸仮撚装置を2つ設ける構成と比べて回転軸の数を少なくすることができるため、装置の大型化を抑制しつつ多くの糸を加工できる。
特開2016−141912号公報 特開昭62−199826号公報 特開昭53−2656号公報
特許文献3には、5軸仮撚装置の向き(第1仮撚部と第2仮撚部との位置関係等)に関する明確な記載がされておらず、平面図(特許文献3の図2参照)においては、5軸仮撚装置が紙面に対して傾いた状態で記載されている。仮に、5軸仮撚装置がこのように傾いた状態で配置された構成では、仮撚加工機を機台長手方向から見たときに、第1仮撚部の位置と第2仮撚部の位置とが互いにずれることとなる。すると、第1の糸の屈曲角度・糸道の長さ等と、第2の糸の屈曲角度・糸道の長さ等とが互いに異なる。これに起因して、第1の糸の撚られ方と第2の糸の撚られ方とが互いに異なり、その結果、第1の糸と第2の糸との間で糸品質がばらつきうる。このため、例えば、第1の糸及び第2の糸を染色したときに、両者の色合いに差が生じうるという問題がある。
本発明の目的は、5軸仮撚装置が機台長手方向に並べて配置された仮撚加工機において、第1の糸と第2の糸との間における糸品質のばらつきを抑制することである。
第1の発明の仮撚加工機は、所定の機台長手方向に並べて配置された、前記機台長手方向と交差する軸方向に延びる5つの回転軸に設けられた複数の円板部材によって一度に2本の糸に撚りを付与可能な複数の5軸仮撚装置、を備える仮撚加工機であって、各5軸仮撚装置は、前記5つの回転軸のうち、前記軸方向から見たときに仮想的な第1三角形の頂点を形成する2つの第1個別回転軸及び1つの共通回転軸を有し、前記第1三角形の内側を走行している第1の糸に撚りを付与する第1仮撚部と、前記5つの回転軸のうち、前記軸方向から見たときに仮想的な第2三角形の頂点を形成する2つの第2個別回転軸及び前記1つの共通回転軸を有し、前記第2三角形の内側を走行している第2の糸に撚りを付与する第2仮撚部と、を備え、前記2つの第1個別回転軸と、前記2つの第2個別回転軸とは、前記機台長手方向において、前記共通回転軸を挟んで互いに反対側に配置され、前記軸方向から見たときに、前記第1三角形の重心と前記第2三角形の重心とを通る直線が、前記機台長手方向に沿って延びていることを特徴とするものである。
本発明では、5軸仮撚装置において、共通回転軸を有する第1仮撚部及び第2仮撚部が設けられている。第1仮撚部では、第1三角形の内側を走行している第1の糸に撚りが付与され、第2仮撚部では、第2三角形の内側を走行している第2の糸に撚りが付与される。これにより、仮撚加工機の設置スペースの増大を抑制でき、且つ、多くの糸に撚りを付与できる。
さらに、本発明では、第1三角形の重心と第2三角形の重心とを通る直線が機台長手方向に沿って延びている。これにより、機台長手方向から見たときに、第1仮撚部を走行する第1の糸の糸道と、第2仮撚部を走行する第2の糸の糸道とを実質的に重ならせることができる。このため、第1の糸の屈曲角度・糸道の長さ等と、第2の糸の屈曲角度・糸道の長さ等とを実質的に同一にすることができる。したがって、5軸仮撚装置が機台長手方向に並べて配置された仮撚加工機において、第1の糸と第2の糸との間における糸品質のばらつきを抑制することができる。
第2の発明の仮撚加工機は、所定の機台長手方向に並べて配置された、前記機台長手方向と交差する軸方向に延びる5つの回転軸に設けられた複数の円板部材によって一度に2本の糸に撚りを付与可能な複数の5軸仮撚装置、を備える仮撚加工機であって、各5軸仮撚装置は、前記5つの回転軸のうち、前記軸方向から見たときに仮想的な第1三角形の頂点を形成する2つの第1個別回転軸及び1つの共通回転軸を有し、前記第1三角形の内側を走行している第1の糸に撚りを付与する第1仮撚部と、前記5つの回転軸のうち、前記軸方向から見たときに仮想的な第2三角形の頂点を形成する2つの第2個別回転軸及び前記1つの共通回転軸を有し、前記第2三角形の内側を走行している第2の糸に撚りを付与する第2仮撚部と、を備え、前記2つの第1個別回転軸と、前記2つの第2個別回転軸とは、前記機台長手方向において、前記共通回転軸を挟んで互いに反対側に配置され、前記軸方向から見たときに、前記第1三角形の内側に形成される、前記2つの第1個別回転軸及び前記1つの共通回転軸に設けられた前記複数の円板部材のうち最も前記軸方向先端側に設けられた前記円板部材の外縁と、その次に前記軸方向先端側に設けられた前記円板部材の外縁とが交差する点を第1交点とし、且つ、前記軸方向から見たときに、前記第2三角形の内側に形成される、前記2つの第2個別回転軸及び前記1つの共通回転軸に設けられた前記複数の円板部材のうち最も前記軸方向先端側に設けられた前記円板部材の外縁と、その次に前記軸方向先端側に設けられた前記円板部材の外縁とが交差する点を第2交点としたとき、前記軸方向から見たときに、前記第1交点と前記第2交点とを通る直線が、前記機台長手方向に沿って延びていることを特徴とするものである。
本発明では、機台長手方向から見たときに、糸が走行する糸走行方向において、少なくとも、第1の糸のうち第1交点の上流側に位置する部分と第2の糸のうち第2交点の上流側に位置する部分とを実質的に重ならせることができる。つまり、最も軸方向先端側に配置された円板部材の糸走行方向上流側において、2本の糸の糸道を実質的に同一にすることができる。したがって、5軸仮撚装置が機台長手方向に並べて配置された仮撚加工機において、第1の糸と第2の糸との間における糸品質のばらつきを抑制することができる。
第3の発明の仮撚加工機は、前記第1又は第2の発明において、前記第1仮撚部は、前記複数の円板部材のうち、前記第1の糸が走行する第1糸走行方向における最も上流側の円板部材のさらに上流側に配置された第1糸ガイドを有し、前記第2仮撚部は、前記複数の円板部材のうち、前記第2の糸が走行する第2糸走行方向における最も上流側の円板部材のさらに上流側に配置された第2糸ガイドを有し、前記第1糸ガイド及び前記第2糸ガイドのうち少なくとも一方は、他方に対して位置調整が可能な可動糸ガイドであることを特徴とするものである。
一般的に、各仮撚部において、複数の円板部材は螺旋を描くように配置される。ここで、糸が走行する方向における最も上流側の円板部材がどの回転軸に設けられるかによって、第1糸ガイドによって案内される第1の糸の糸道、及び、第2糸ガイドによって案内される第2の糸の糸道が変わりうる。この場合、第1の糸の糸道と第2の糸の糸道とが大きく異なると、糸の屈曲角度等の相違に起因して第1の糸の撚られ方と第2の糸の撚られ方とが互いに異なり、その結果、第1の糸の糸品質と第2の糸の糸品質とがばらつくおそれがある。
本発明では、可動糸ガイドの位置を調整することにより、第1糸ガイドによって案内される第1の糸の糸道と第2糸ガイドによって案内される第2の糸の糸道との違いを小さく抑えることができる。したがって、第1の糸と第2の糸との間で糸品質のばらつきを抑制できる。
第4の発明の仮撚加工機は、前記第3の発明において、前記第1糸ガイドと前記第2糸ガイドとは、前記機台長手方向に並べて配置され、前記可動糸ガイドは、前記軸方向から見たときに、前記機台長手方向と交差する方向に移動可能であることを特徴とするものである。
例えば、第1糸ガイド及び第2糸ガイドのうち一方を機台長手方向に沿って移動させるような構成では、第1糸ガイド及び第2糸ガイドのうち他方との干渉を避けるために、可動範囲が狭くなるおそれがある。本発明では、2つの糸ガイド同士の干渉を抑制しつつ、可動糸ガイドの可動範囲を広くすることができるので、糸道を効果的に調整できる。
第5の発明の仮撚加工機は、前記第1〜第4のいずれかの発明において、各5軸仮撚装置は、前記5つの回転軸を共通駆動するための共通駆動源を有し、前記5つの回転軸のうち、糸の処理に用いられていない回転軸には、前記円板部材の代わりに重りが設けられていることを特徴とするものである。
5軸仮撚装置においては、第1仮撚部及び第2仮撚部の両方によって一度に2本の糸に撚りが付与される場合もあれば、第1仮撚部及び第2仮撚部のいずれか一方によって1本の糸のみに撚りが付与される場合もある。このように、1本の糸のみに撚りが付与されている場合、コスト削減等の観点より、糸の処理に用いられていない回転軸から不要な円板部材を取り外しておくことが好ましい。但し、ある5軸仮撚装置において一部の回転軸から単純に円板部材を取り外すだけでは、当該5軸仮撚装置の共通駆動源への負荷が、他の5軸仮撚装置の共通駆動源への負荷と比べて小さくなる。そうすると、一部の円板部材が取り外された5軸仮撚装置において、5つの回転軸が意図せず速く回転する。その結果、当該5軸仮撚装置によって処理された糸の糸品質が、他の5軸仮撚装置によって処理された糸の糸品質と大きく異なるおそれがある。
本発明では、不要な円板部材の代わりに重りが設けられているので、この重りが負荷となり、回転軸が意図せず速く回転することを防止できる。したがって、円板部材よりも安価な部材を重りとして適用することで、コスト増大を抑えつつ、5軸仮撚装置間での糸品質のばらつきを抑制できる。
第6の発明の仮撚加工機は、前記第1〜第5のいずれかの発明において、前記複数の5軸仮撚装置のうちの1つである第1の5軸仮撚装置は、糸にZ撚りを施すことが可能に構成され、前記機台長手方向において前記第1の5軸仮撚装置と隣接して配置された第2の5軸仮撚装置は、糸にS撚りを施すことが可能に構成され、前記第1の5軸仮撚装置の前記第1仮撚部によってZ撚りを付与された糸と、前記第2の5軸仮撚装置の前記第2仮撚部によってS撚りを付与された糸とを合糸する合糸装置を備えることを特徴とするものである。
5軸仮撚装置は、上述したように共通回転軸を有しているため、第1の糸及び第2の糸に対して必ず同じ向きに撚りを付与するように構成される。つまり、1つの5軸仮撚装置においては、2本の糸の両方にZ撚りを施し、或いは両方にS撚りを施すことができる。ここで、例えばZ撚りの1本の糸とS撚りの1本の糸とを合糸して1本の糸を形成したい場合、以下のような方法を用いることが考えられる。すなわち、互いに隣り合う2つの5軸仮撚装置のうち一方(第1の5軸仮撚装置)でZ撚りを行い、他方(第2の5軸仮撚装置)でS撚りを行って、さらに、Z撚りが施されたZ撚糸とS撚りが施されたS撚糸とを合糸することにより、1本の糸を形成できる。これにより、Z撚糸のトルクとS撚糸のトルクとが互いに打ち消されたノントルク糸が形成される。しかしながら、Z撚糸の糸品質とS撚糸の糸品質とが互いに大きく異なる場合、Z撚糸のトルクとS撚糸のトルクとを完全に打ち消し合うことができず、不完全なノントルク糸が形成されるおそれがある。
本発明では、上述したように、第1の糸と第2の糸との間で糸品質がばらつくことを抑制できる。これは、隣り合う2つの5軸仮撚装置の間でも同様である。したがって、Z撚糸のトルクとS撚糸のトルクとを確実に打ち消し合うことができ、高品質のノントルク糸を形成できる。
第7の発明の仮撚加工機は、前記第1〜第6のいずれかの発明において、走行する糸を巻取ボビンに巻き取って巻取パッケージを形成する複数の巻取装置を備え、各巻取装置は、1以上の前記巻取ボビンを回転自在に支持可能な単一のクレードルと、複数の糸をそれぞれトラバースするための複数のトラバースガイドが取付可能なトラバース装置と、を有し、1つの前記巻取ボビンに糸を巻き取る第1モードと、複数の前記巻取ボビンにそれぞれ糸を同時に巻き取る第2モードとの間で動作モードを切換可能であることを特徴とするものである。
本発明では、上述したように、5軸仮撚装置によって、仮撚加工機の設置スペースの増大を抑制しつつ多くの糸に撚りを付与できる。但し、各巻取装置が1つの巻取ボビンのみを支持可能に構成されている場合、2本の糸を1本の糸に合糸して巻き取る場合と、各糸を合糸せずにそのまま巻き取る場合とで、必要な巻取装置の数が異なる。このような場合、仮に、各糸を合糸せずにそのまま巻取可能とするために巻取装置を増設する必要が生じると、仮撚加工機が大型化するという問題がある。
本発明では、上述した第1モードと第2モードとの間で巻取装置の動作モードを切り換えることができる。これにより、巻取装置の増設(すなわち、仮撚加工機の大型化)を回避しつつ、2本の糸を1本の糸に合糸して巻き取るか、各糸を合糸せずにそのまま巻き取るか選択することができる。さらに、本発明では、上述したように第1の糸と第2の糸との間で糸品質のばらつきを抑制できるので、品質ばらつきの少ないパッケージを省スペースで大量に生産できる。
第8の発明の仮撚加工機は、前記第1〜第7のいずれかの発明において、糸が走行する糸走行方向における前記5軸仮撚装置の上流側に配置され、前記第1の糸及び前記第2の糸を冷却する冷却装置を備え、前記冷却装置は、前記第1の糸が走行する、外部空間と連通した第1走行空間を形成する第1ガイド部材と、前記第2の糸が走行する、前記外部空間と連通した第2走行空間を形成する第2ガイド部材と、前記第1走行空間及び前記第2走行空間の両方と連通し且つ前記機台長手方向に延びる内部空間、が形成され、吸引源により吸引される気体が前記内部空間を流れる共通ダクトと、を有することを特徴とするものである。
本発明の冷却装置は、共通ダクトの内部空間の気体を吸引することにより内部空間に負圧を生成し、第1走行空間及び第2走行空間に外気を流れ込ませ、糸を気流によって冷却できる。これにより、例えばプレートに糸を接触させて冷却する構成と比べて冷却効率を向上できるため、糸道を短くすることができ、その結果として冷却装置をコンパクト化できる。それとともに、冷却装置を構成する部材の糸との接触部分を少なくすることができるため、糸の走行抵抗(糸に接触する部材により糸の走行が阻害される力)を小さくすることができ、糸の走行速度を速めることができる。また、上記冷却装置は共通ダクトを有するため、機台長手方向から見たときに、第1走行空間と第2走行空間とを互いに重ならせることができる。つまり、冷却装置における第1の糸の糸道と第2の糸の糸道を互いに重ならせることができる。したがって、第1の糸の屈曲角度・糸道の長さ等と、第2の糸の屈曲角度・糸道の長さ等とを揃えることができる。
但し、5軸仮撚装置によって撚りを付与される第1の糸の糸道と第2の糸の糸道とが互いに異なっている場合、上記冷却装置を適用できない。この点、本発明では、上述したように、5軸仮撚装置によって撚りを付与される第1の糸の屈曲角度・糸道の長さ等と、第2の糸の屈曲角度・糸道の長さ等とを実質的に同一にすることができるため、上記冷却装置を適用できる。したがって、上述したような冷却装置のコンパクト化等の効果を得ることができる。
第9の発明の仮撚加工機は、前記第1〜第8のいずれかの発明において、前記第1仮撚部の、前記第1の糸が走行する第1糸走行方向における最も上流側に配置された円板部材と、前記第2仮撚部の、前記第2の糸が走行する第2糸走行方向における最も上流側に配置された円板部材とが、前記軸方向と直交する同一の第1平面内に配置され、前記第1仮撚部の、前記第1糸走行方向における最も下流側に配置された円板部材と、前記第2仮撚部の、前記第2糸走行方向における最も下流側に配置された円板部材とが、前記軸方向と直交する同一の第2平面内に配置されていることを特徴とするものである。
第1糸走行方向における最も上流側の円板部材と、第2糸走行方向における最も上流側の円板部材とが軸方向において互いにずれて配置される構成では、少なくとも一部の回転軸を長くする必要が生じる。その結果、第1に、前記第1の糸の糸道と前記第2の糸の糸道とが変わりえる。第1の糸の糸道と第2の糸の糸道とが大きく異なると、糸の屈曲角度等の相違に起因して第1の糸の撚られ方と第2の糸の撚られ方とが互いに異なり、その結果、第1の糸の糸品質と第2の糸の糸品質とがばらつくおそれがある。第2に、装置が軸方向に大型化しうる。第1糸走行方向における最も下流側の円板部材と第2糸走行方向における最も下流側の円板部材との位置関係に関しても、同様である。本発明では、第1の糸の糸道と第2の糸の糸道とが実質的に変わることなく、円板部材の軸方向における配置をコンパクトにすることができる。したがって、装置の軸方向における大型化を抑制できる。また、本発明では、機台長手方向から見たときの第1の糸の糸道の形と第2の糸の糸道の形とを、いっそう同一に近づけることができる。
第10の発明の仮撚加工機は、前記第1〜第9のいずれかの発明において、ナイロンからなる前記糸を仮撚加工することを特徴とするものである。
一般的に、ナイロン(ポリアミド系繊維)からなる糸に関しては、ポリエステルからなる糸等と比べて上述した走行抵抗が大きいため、糸の生産速度を向上させにくいという問題を有する。走行抵抗は、一例として、糸の屈曲角度が大きいほど大きくなる。例えば、第1の糸と第2の糸との間で糸の屈曲角度が大きく異なる場合、糸を走行させることが可能な最大速度が、第1の糸と第2の糸との間で大きく異なりうる。通常、第1の糸の走行速度及び第2の糸の走行速度は、生産速度を合わせるためにいずれか遅い方に合わせられるので、第1の糸の最大速度と第2の糸の最大速度とが大きく異なると、糸の生産性の向上が阻害されるという問題がある。
本発明では、上述したように、第1の糸の屈曲角度等と、第2の糸の屈曲角度等とを実質的に同一にすることができる。これにより、第1の糸の走行抵抗と第2の糸の走行抵抗とを実質的に等しくすることができる。したがって、第1の糸の走行速度及び第2の糸の走行速度を等しく速くすることができ、生産性を向上できる。このような生産性の向上は、ナイロンからなる走行抵抗の大きい糸を加工する場合において、特に効果的である。
本実施形態に係る仮撚加工機の側面図である。 糸の経路に沿って仮撚加工機を展開した模式図である。 図1のIII矢視図である。 冷却装置の断面図である。 5軸仮撚装置の斜視図である。 5軸仮撚装置を機台長手方向及び軸方向の両方と直交する方向から見た図である。 (a)及び(b)は、糸にZ撚りを付与する5軸仮撚装置を軸方向から見た図である。 (a)及び(b)は、糸にS撚りを付与する5軸仮撚装置を軸方向から見た図である。 (a)は、5軸仮撚装置の配置に関する参考図であり、(b)は、糸道に関する参考図である。 本実施形態に係る糸道に関する説明図である。 (a)は、ガイド支持部を示す説明図であり、(b)及び(c)は、糸道を示す説明図である。 (a)及び(b)は、変形例に係る5軸仮撚装置を示す説明図である。 (a)は、別の変形例に係る5軸仮撚装置の配置を示す説明図であり、(b)は、当該変形例に係る糸道を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。なお、図1の紙面垂直方向を機台長手方向とし、紙面左右方向を機台幅方向とする。機台長手方向及び機台幅方向の両方と直交する方向を、重力の作用する上下方向(鉛直方向)とする。
(仮撚加工機の全体構成)
まず、仮撚加工機の全体構成について、図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る仮撚加工機1の側面図である。図2は、糸Yの経路(糸道)に沿って仮撚加工機1を展開した模式図である。図3は、図1のIII矢視図である。
仮撚加工機1は、例えばナイロン(ポリアミド系繊維)等の合成繊維からなる糸Yを仮撚加工可能に構成されている。仮撚加工機1は、糸Yを供給するための給糸部2と、給糸部2から供給された糸Yを仮撚加工する加工部3と、加工部3によって加工された糸Yを巻取ボビンBwに巻き取る巻取部4とを備える。給糸部2、加工部3及び巻取部4が有する各構成要素は、給糸部2から加工部3を通って巻取部4に至る糸道が配置される糸の走行面(図1の紙面)と直交する機台長手方向において、複数配列されている(図2参照)。
給糸部2は、複数の給糸パッケージPsを保持するクリールスタンド7を有し、加工部3に複数の糸Yを供給する。加工部3は、糸走行方向の上流側から順に、第1フィードローラ11、撚止ガイド12、第1加熱装置13、冷却装置14、5軸仮撚装置15、第2フィードローラ16、合糸装置17、第3フィードローラ18、第2加熱装置19、第4フィードローラ20が配置された構成となっている。巻取部4は、加工部3で仮撚加工された糸Yを巻取装置21で巻取ボビンBwに巻き取って巻取パッケージPwを形成する。
また、仮撚加工機1は、機台幅方向に間隔を置いて配置された主機台8及び巻取台9を有する。主機台8及び巻取台9は、機台長手方向に略同じ長さに延設されており、互いに対向するように配置されている。主機台8の上部と巻取台9の上部とは、支持フレーム10によって連結されている。加工部3を構成する各装置は、主に主機台8や支持フレーム10に取り付けられている。主機台8と巻取台9と支持フレーム10とによって、作業者が各装置に対して糸掛け等の作業を行うための作業空間22が形成されている。糸道は、糸Yが主に作業空間22の周りを走行するように形成されている。
仮撚加工機1は、互いに対向配置された1組の主機台8及び巻取台9を含むスパンと呼ばれる単位ユニットを有する。1つのスパンでは、機台長手方向に並んだ状態で走行する複数の糸Yに対して、同時に仮撚加工を施すことができるように各装置が配置されている。一例として、1つの巻取台9に12個の巻取装置21が設けられている(図3参照)。また、後述するように、1つの巻取装置21は、1本又は2本の糸Yを同時に巻取可能に構成されている。すなわち、本実施形態では、1つのスパンにおいて、最大24本の糸Yを同時に巻き取ることができる。そして、仮撚加工機1は、このスパンが、主機台8の機台幅方向の中心線Cを対称軸として、紙面左右対称に配置される(主機台8は左右のスパンで共通のものとなっている)とともに、機台長手方向に複数配列された構成となっている。
(加工部の構成)
次に、加工部3の構成について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
第1フィードローラ11は、給糸部2から供給された糸Yを第1加熱装置13へ送るためのものである。第1フィードローラ11は、巻取台9の上方に配置されている(図1参照)。第1フィードローラ11は、機台長手方向に1列に配列されている。第1フィードローラ11は、例えば、図2に示すように、2本の糸Yを第1加熱装置13へ送ることが可能に構成されているが、これに限られるものではない。
撚止ガイド12は、後述する5軸仮撚装置15で糸Yに付与された撚りが、撚止ガイド12よりも糸走行方向上流側に伝播しないようにするためのものである。撚止ガイド12は、第1フィードローラ11の糸走行方向下流側、且つ、第1加熱装置13の糸走行方向上流側に配置されている。撚止ガイド12は、例えば、給糸部2から供給される複数の糸Yに対して個別に設けられており、機台長手方向に1列に配列されている。
第1加熱装置13は、第1フィードローラ11から送られてきた糸Yを加熱するためのものであり、支持フレーム10に設置されている(図1参照)。第1加熱装置13は、給糸部2から供給される複数の糸Yに対して複数設けられており、機台長手方向に1列に配列されている。各第1加熱装置13は、例えば、図2に示すように、4本の糸Yを加熱可能に構成されているが、これに限られるものではない。
冷却装置14は、第1加熱装置13で加熱された糸Yを冷却するためのものである。冷却装置14は、第1加熱装置13の糸走行方向下流側、且つ、5軸仮撚装置15の糸走行方向上流側に配置されている。冷却装置14は、例えば、特開2011−47074号公報に記載されているように、気流により糸Yを冷却可能に構成されている。冷却装置14は、給糸部2から供給される複数の糸Yに対して複数設けられており、機台長手方向に1列に配列されている。各冷却装置14は、例えば、図2に示すように、4本の糸Yを冷却可能に構成されているが、これに限られるものではない。
ここで、冷却装置14のより詳細について、図4を参照しつつ説明する。図4は、冷却装置14を機台幅方向から見た図である。なお、説明の簡単化のため、図4においては、冷却装置14のうち、2本の糸Y(糸Y1、Y2)を冷却する部分のみ示している。
図4に示すように、冷却装置14は、糸Y1を冷却する第1冷却部23aと、糸Y2を冷却する第2冷却部23bと、第1冷却部23a及び第2冷却部23bの両方と接続された共通ダクト24とを有する。第1冷却部23aと第2冷却部23bは、機台長手方向に並べて配置されている。第1冷却部23aは、機台長手方向と略直交する方向に延びた、糸Y1を案内するための2つのガイド部材25a、26a(本発明の第1ガイド部材)を有する。ガイド部材25a、26aは、例えば平板状の部材であっても良いが、これには限られない。ガイド部材25aとガイド部材26aは、機台長手方向において互いに向かい合うように配置されている。これにより、ガイド部材25aとガイド部材26aとの間に、糸Y1が走行する第1走行空間27aが形成されている。第1走行空間27aは、作業空間22(本発明の外部空間)と連通している。同様に、第2冷却部23bは、機台長手方向と略直交する方向に延び且つ機台長手方向において互いに向かい合うように配置された、糸Y2を案内するための2つのガイド部材25b、26b(本発明の第2ガイド部材)を有する。ガイド部材25bとガイド部材26bとの間に、糸Y2が走行する第2走行空間27bが形成されている。第2走行空間27bは、作業空間22と連通している。
共通ダクト24は、機台長手方向に沿って延在しており、例えば、第1冷却部23a及び第2冷却部23bの上側に配置されている。上述したように、共通ダクト24は、第1冷却部23a及び第2冷却部23bと接続されており、共通ダクト24の内部空間28は、第1走行空間27a及び第2走行空間27bと連通している。共通ダクト24は、吸引源29に接続されている。吸引源29は、例えば公知のブロアであが、これには限られない。吸引源29が動作すると、共通ダクト24の内部空間28において吸引源29により気体が吸引され(図4の矢印参照)、内部空間と連通した第1走行空間27a及び第2走行空間27bに負圧が発生する。これにより、作業空間22から第1走行空間27a及び第2走行空間27bに外気が流れ込み、気流によって糸Y1及び糸Y2が冷却される。このため、冷却装置14においては、例えばプレートに糸Yを接触させて冷却する構成と比べて冷却効率を向上できるので、糸道を短くすることができ、その結果として装置をコンパクト化できる。それとともに、冷却装置14を構成する部材の糸Yとの接触部分を少なくすることができるため、糸Yの走行抵抗(糸に接触する部材により糸の走行が阻害される力)を小さくすることができ、糸Yの走行速度を速めることができる。また、冷却装置14が共通ダクト24を有し、第1冷却部23aと第2冷却部23bが機台長手方向に並べて配置されているため、機台長手方向から見たときに、第1走行空間27aと第2走行空間27bとを互いに重ならせることができる。つまり、冷却装置14における糸Y1の糸道と糸Y2の糸道を互いに重ならせることができる。
図1及び図2に戻って、5軸仮撚装置15について説明する。5軸仮撚装置15は、いわゆるディスクフリクション方式の仮撚装置の一種であり、2本の糸Y、すなわち糸Y1(本発明の第1の糸)及び糸Y2(本発明の第2の糸)に対して一度に同じ向きに撚りを付与する。5軸仮撚装置15は、冷却装置14の糸走行方向におけるすぐ下流側に配置されている。5軸仮撚装置15は、機台長手方向において複数配列されている。なお、機台長手方向における端部に配置された5軸仮撚装置15には、糸Yが1本のみ掛けられている(図2の紙面左側端部の5軸仮撚装置15を参照)。図示は省略するが、5軸仮撚装置15は、例えば、1つのスパンにつき13個設けられている。5軸仮撚装置15のより詳細については後述する。
第2フィードローラ16は、5軸仮撚装置15で処理された糸Yを合糸装置17へ送るためのものである。第2フィードローラ16は、主機台8の上側部分に配置されている(図1参照)。第2フィードローラ16は、機台長手方向に1列に配列されている。第2フィードローラ16は、例えば、図2に示すように、2本の糸Yを合糸装置17へ送ることが可能に構成されているが、これに限られるものではない。なお、第2フィードローラ16による糸Yの搬送速度は、第1フィードローラ11による糸Yの搬送速度よりも速く、糸Yは、第1フィードローラ11と第2フィードローラ16との間で延伸される。
合糸装置17は、糸Y1と糸Y2を合糸可能に構成されている。本実施形態では、合糸装置17は、ある5軸仮撚装置15で処理された糸Y1と、機台長手方向において当該5軸仮撚装置15に隣接配置された5軸仮撚装置15で処理された糸Y2とを合糸可能であるが、これには限られない。合糸装置17は、第2フィードローラ16の下方に配置されている(図1参照)。合糸装置17は、2つのインターレースノズル31、32を有する(図2参照)。合糸装置17は、例えばインターレースノズル31の内部を通っている糸Y1及び糸Y2(図2の紙面左側部分参照)に対して空気を噴射し、糸Y1と糸Y2を空気流で絡める空気交絡(インターレース)によって合糸する。なお、合糸装置17は、糸Y1と糸Y2とを合糸せずに、2本の糸Yをそのまま糸走行方向における下流側へ案内することも可能である。この場合、糸Y1はインターレースノズル31の内部を通り、糸Y2はインターレースノズル32の内部を通る(図2の紙面右側部分参照)。
第3フィードローラ18は、合糸装置17よりも糸走行方向における下流側を走行している糸Yを第2加熱装置19へ送るためのものである。第3フィードローラ18は、合糸装置17の下方に配置されている(図1参照)。第3フィードローラ18は、機台長手方向に1列に配列されている。第3フィードローラ18は、例えば、図2に示すように、2本の糸Yを第2加熱装置19へ送ることが可能に構成されているが、これに限られるものではない。なお、第3フィードローラ18による糸Yの搬送速度は、第2フィードローラ16による糸Yの搬送速度よりも遅く、糸Yは、第2フィードローラ16と第3フィードローラ18との間で弛緩される。
第2加熱装置19は、第3フィードローラ18から送られてきた糸Yを加熱するためのものである。第2加熱装置19は、第3フィードローラ18の下方に配置されている(図1参照)。第2加熱装置19は、鉛直方向に沿って延びており、1つのスパンに1つずつ設けられている。
第4フィードローラ20は、第2加熱装置19によって加熱された糸Yを巻取装置21へ送るためのものであり、作業空間22の下方に配置されている(図1参照)。第4フィードローラ20は、機台長手方向に1列に配列されている。第4フィードローラ20は、例えば、図2に示すように、2本の糸Yを巻取装置21へ送ることが可能に構成されているが、これに限られるものではない。第4フィードローラ20による糸Yの搬送速度は、第3フィードローラ18による糸Yの搬送速度よりも遅く、糸Yは、第3フィードローラ18と第4フィードローラ20との間で弛緩される。
以上のように構成された加工部3では、第1フィードローラ11と第2フィードローラ16との間で延伸された糸Yが、1つの5軸仮撚装置15につき2本ずつ撚られる。5軸仮撚装置15により形成される撚りは、撚止ガイド12までは伝播するが、撚止ガイド12よりも糸走行方向上流側には伝播しない。延伸されつつ撚りが付与された糸Yは、第1加熱装置13で加熱されて熱固定された後、冷却装置14で冷却される。5軸仮撚装置15から下流では糸Yは解撚されるが、上記の熱固定によって各フィラメントが波状に仮撚りされた状態が維持される。さらに、5軸仮撚装置15によって仮撚りが施された2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)は、第2フィードローラ16と第3フィードローラ18との間で弛緩されながら、合糸装置17によって合糸された後、又は、合糸されずにそのまま、糸走行方向における下流側へ案内される。さらに、糸Yは、第3フィードローラ18と第4フィードローラ20との間で弛緩されながら、第2加熱装置19で熱固定される。最後に、第4フィードローラ20から送られた糸Yは、巻取装置21によって巻き取られ、巻取パッケージPwが形成される。
(巻取部の構成)
次に、巻取部4の構成について図2及び図4を参照しつつ説明する。巻取部4は、糸Yを巻取ボビンBwに巻き取る複数の巻取装置21を有する。各巻取装置21は、例えば特開2009−74219号公報に記載されているように、1つ又は2つの巻取ボビンBwに糸Yを巻取可能に構成されている。各巻取装置21は、糸Yがトラバースされる際の支点となる支点ガイド41と、糸Yをトラバースするトラバース装置42と、巻取ボビンBwを回転自在に支持する単一のクレードル43と、制御部44(図3参照)とを有する。
支点ガイド41は、上述したように、糸Yがトラバースされる際の支点となるガイドである。支点ガイド41は、例えば、機台長手方向に沿って並ぶように、各巻取装置21に3つずつ設けられている(図2参照)。例えば、合糸装置17により合糸されて1本になった糸Yを案内する場合には、3つの支点ガイドのうち中央に配置された支点ガイド41に糸Yが掛けられる(図2の紙面左側部分参照)。また、合糸されずにそのまま送られてきた2本の糸Yを案内する場合には、3つの支点ガイド41のうち両端の2つの支点ガイド41にそれぞれ糸Yが掛けられる(図2の紙面右側部分参照)。
トラバース装置42は、例えば、モータにより往復駆動される無端ベルトに取り付けられたトラバースガイド45によって、糸Yをトラバース可能に構成されている。無端ベルトに取り付けられるトラバースガイド45の数は、トラバースされる糸Yの数に応じて変更可能である。例えば、合糸装置17により合糸されて1本になった糸Yをトラバースするトラバース装置42においては、1つのトラバースガイド45が設けられている(図2の紙面左側部分参照)。また、合糸されずにそのまま送られてきた2本の糸Yをトラバースするトラバース装置42においては、2つのトラバースガイド45が設けられている(図2の紙面右側部分参照)。トラバースガイド45の移動範囲は、トラバースされる糸Yの数に応じて変更可能である。トラバースされる糸Yの数やトラバースガイド45の移動範囲等の設定に関する情報は、例えば、制御部44に記憶されている。
クレードル43は、1以上(1又は2)の巻取ボビンBw(巻取パッケージPw)を回転自在に支持可能に構成されている。言い換えると、クレードル43は、1つの巻取ボビンBwを支持している状態と、2つの巻取ボビンBwを支持している状態との間で状態を切換可能である。クレードル43は、複数の巻取装置21に1つずつ設けられている。また、巻取パッケージPwの糸走行方向におけるすぐ上流側には、巻取パッケージPwの表面に接触する接触ローラ46が配置されている。クレードル43に支持されている巻取ボビンBwは、例えば、不図示のモータによって回転駆動される。このような構成では、巻取パッケージPwの表面に接触している接触ローラ46が、摩擦によって従動回転しつつ巻取パッケージPwに接圧を付与する。或いは、巻取ボビンBwをモータで回転駆動する代わりに、接触ローラ46が不図示のモータによって回転駆動されても良い。このような構成では、接触ローラ46に接触している巻取パッケージPwが、摩擦によって従動回転する。
制御部44は、トラバース装置42の動作及び巻取ボビンBwを回転駆動するモータの動作を制御する。制御部44は、巻取装置21に巻き取る糸Yの数に関する設定を変更可能に構成されている。すなわち、制御部44は、1つの巻取ボビンBwに1本の糸Yを巻き取る(図2の紙面左側部分参照)第1モードと、2つの巻取ボビンBwに2本の糸Yをそれぞれ巻き取る(図2の紙面右側部分参照)第2モードとの間で動作モードを切換可能である。
以上のように構成された巻取部4では、上述した第4フィードローラ20から送られた糸Yが各巻取装置21によって巻取ボビンBwに巻き取られ、巻取パッケージPwが形成される。合糸装置17によって2本の糸Yを合糸する場合には、対応する巻取装置21の動作モードは第1モードに設定される。また、2本の糸Yを合糸せずにそのまま糸走行方向における下流側へ案内する場合には、対応する巻取装置21の動作モードは第2モードに設定される。
(仮撚装置の構成)
次に、5軸仮撚装置15の構成について、図5〜図8を参照しつつ説明する。図5は、5軸仮撚装置15の斜視図である。図6は、5軸仮撚装置15を機台長手方向及び後述する回転軸53の軸方向(以下、単に軸方向)の両方と直交する方向から見た図である。図7(a)、(b)は、糸YにZ撚りを付与する5軸仮撚装置15を軸方向から見た図である。図8(a)、(b)は、糸YにS撚りを付与する5軸仮撚装置15を軸方向から見た図である。図7(b)及び図8(b)においては、後述する支持台54〜56が見えるように、後述する円板部材57を二点鎖線で示している。なお、図5〜図8に示すように、機台長手方向における一方側及び他方側を定義する。また、5軸仮撚装置15において作業空間22(図1参照)に近い側を手前側と定義し(図1、図5、図7及び図8参照)、作業空間22から遠い側を奥側と定義する(図5、図7及び図8参照)。また、図7(a)〜図8(b)においては、後述する糸ガイド61の図示を省略している。
5軸仮撚装置15は、2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)を一度に同じ向きに撚る(Z撚り又はS撚りを施す)ことが可能に構成されている。すなわち、図5〜図8に示すように、5軸仮撚装置15には、糸Y1に撚りを付与する第1仮撚部51と、糸Y2に撚りを付与する第2仮撚部52とが設けられている。5軸仮撚装置15は、機台長手方向において複数配列されている(図2参照)。
図5〜図8に示すように、5軸仮撚装置15は、第1仮撚部51及び第2仮撚部52を構成する構成要素として、5つの回転軸53と、支持台54、55、56と、複数の円板部材57と、駆動機構58と、糸ガイド61、62、63とを有する。5つの回転軸53(共通回転軸71、第1個別回転軸72、73、第2個別回転軸74、75)は、機台長手方向と略直交する軸方向に延びた軸部材である。なお、軸方向は、必ずしも機台長手方向と略直交していなくても良い。5つの回転軸53のうち、機台長手方向における中央に配置された共通回転軸71と、共通回転軸71の機台長手方向における一方側に配置された2つの第1個別回転軸72、73とが、第1仮撚部51に含まれる。共通回転軸71と、共通回転軸71の機台長手方向における他方側に配置された2つの第2個別回転軸74、75とが、第2仮撚部52に含まれる。言い換えると、共通回転軸71は、第1仮撚部51及び第2仮撚部52に共通に設けられている。図7(a)及び図8(a)に示すように、回転軸53は、軸方向から見たときに、軸中心が仮想的な2つの正三角形(第1三角形201及び第2三角形202)の頂点を形成するように配置されている。共通回転軸71及び第1個別回転軸72、73が、第1三角形201の頂点を形成している。共通回転軸71及び第2個別回転軸74、75が、第2三角形202の頂点を形成している。第1個別回転軸72、73と第2個別回転軸74、75とは、機台長手方向において、共通回転軸71を挟んで互いに反対側に配置されている。
支持台54、55、56は、不図示のベアリングを介して回転軸53を回転可能に支持する台である。支持台54は、共通回転軸71と、第1個別回転軸72、73のうち奥側に配置された第1個別回転軸72と、第2個別回転軸74、75のうち奥側に配置された第2個別回転軸74とを回転可能に片持ち支持している。支持台55は、支持台54に取り付けられて支持台54の手前側に配置され、手前側の第1個別回転軸73を回転可能に片持ち支持している。支持台56は、支持台54に取り付けられて支持台54の手前側に配置され、手前側の第2個別回転軸75を回転可能に片持ち支持している。図5及び図6における紙面上側が軸方向における先端側であり、紙面下側が軸方向における基端側である。糸Yは、回転軸53の軸方向における先端側から基端側へ走行する。すなわち、軸方向における先端側が、糸走行方向における上流側である。軸方向における基端側が、糸走行方向における下流側である。また、糸Y1の走行方向を第1糸走行方向、糸Y2の走行方向を第2糸走行方向と定義する(図6参照)。また、支持台54、55、56の軸方向における基端側部分は、それぞれ、駆動機構58の一部を覆うカバー54a、55a、56aである(図5、図6参照)。
複数の円板部材57は、各回転軸53に装着された、糸Yに接触することで糸Yに撚りを付与するための部材である。なお、本実施形態では、説明の簡単化のため、全ての5軸仮撚装置15の全ての回転軸53に円板部材57が装着されているものとして説明を進める。また、本実施形態では、各回転軸53に3つ或いは4つの円板部材57が装着されている(図5等参照)が、各回転軸53に装着される円板部材57の数はこれに限られない。
まず、複数の円板部材57のうち、共通回転軸71、第1個別回転軸72、73に装着された複数の円板部材57は、第1仮撚部51に含まれ、軸方向に延びる螺旋を描くように配置されている。円板部材57によって描かれる螺旋の向きは、糸Yに施す撚りの向きによって決まる。すなわち、糸YにZ撚りを施す5軸仮撚装置15(5軸仮撚装置15a。図7(a)、(b)参照)を軸方向における先端側から見たとき、第1仮撚部51の円板部材57は、反時計回りに螺旋を描くように配置されている。一方、糸YにS撚りを施す5軸仮撚装置15(5軸仮撚装置15b。図8(a)、(b)参照)を軸方向における先端側から見たとき、第1仮撚部51の円板部材57は、時計回りに螺旋を描くように配置されている。5軸仮撚装置15aは、本発明の第1の5軸仮撚装置に相当する。5軸仮撚装置15bは、本発明の第2の5軸仮撚装置に相当する。
また、共通回転軸71、第2個別回転軸74、75に装着された円板部材57は、第2仮撚部52に含まれ、軸方向に延びる螺旋を描くように配置されている。第2仮撚部52に含まれる円板部材57によって描かれる螺旋の向きは、第1仮撚部51に含まれる円板部材57によって描かれる螺旋の向きと同じである。
図6に示すように、第1仮撚部51の、第1糸走行方向における最も上流側に配置された円板部材57(円板部材81)と、第2仮撚部52の、第2糸走行方向における最も上流側に配置された円板部材57(円板部材82)とは、軸方向と直交する同一の第1平面203内に配置されている。言い換えると、円板部材81の軸方向における位置及び円板部材82の軸方向における位置は、略同じである。また、第1仮撚部51の、第1糸走行方向における最も下流側に配置された円板部材57(円板部材83)と、第2仮撚部52の、第2糸走行方向における最も下流側に配置された円板部材57(円板部材84)とは、軸方向と直交する同一の第2平面204内に配置されている。言い換えると、円板部材83の軸方向における位置及び円板部材84の軸方向における位置は、略同じである。これにより、円板部材81及び円板部材82の軸方向における位置が互いに異なり又は円板部材83及び円板部材84の軸方向における位置が互いに異なる場合と比べて、回転軸53が長くなることが抑制される。
また、第1仮撚部51の円板部材57と第2仮撚部52の円板部材57は、軸方向から見たときに、共通回転軸71を対称中心として互いに点対称に配置されている。具体例として、5軸仮撚装置15a(図7(a)、(b)参照)において、第1仮撚部51の円板部材81は、手前側の第1個別回転軸73に装着され、第2仮撚部52の円板部材82は、奥側の第2個別回転軸74に装着されている。
複数の円板部材57の糸Yとの接触部分は、例えばポリウレタンで形成されている。本実施形態では、糸Yとの接触部分がポリウレタンで形成された円板部材57が、各回転軸53に少なくとも1つ装着されている。但し、走行中の糸Yが最初に接触する円板部材57(円板部材81、82)及び最後に接触する円板部材57(円板部材83、84)は、一般的に摩耗しやすいことが知られている。そこで、円板部材81、82、83、84の糸Yとの接触部分は、例えば、ポリウレタンよりも耐摩耗性の高い部材であるセラミックで形成されている。これにより、円板部材81、82、83、84の摩耗が抑制される。しかしながら、これに限られるものではなく、全ての円板部材57の糸Yとの接触部分がポリウレタンで形成されていても良い。
駆動機構58は、5つの回転軸53を同じ向きに回転駆動する機構である。駆動機構58は、モータ85(図5参照。本発明の共通駆動源)と、モータ85の動力を各回転軸に伝達するためのベルト86、87、88、89(図6参照)等を有する。糸YにZ撚りを施す5軸仮撚装置15(5軸仮撚装置15a)の駆動機構58は、軸方向における先端側から見たときに、回転軸53を反時計回りに回転駆動する(図7(a)、(b)の矢印参照)。糸YにS撚りを施す5軸仮撚装置15(5軸仮撚装置15b)の駆動機構58は、軸方向における先端側から見たときに、回転軸53を時計回りに回転駆動する(図8(a)、(b)の矢印参照)。
糸ガイド61、62、63は、図6に示すように、第1仮撚部51及び第2仮撚部52に対応して2つずつ設けられている。まず、第1仮撚部51の糸ガイド61(糸ガイド61a。本発明の第1糸ガイド)は、円板部材81の第1糸走行方向におけるすぐ上流側に配置されている。第1仮撚部51の糸ガイド62(糸ガイド62a)は、円板部材83の第1糸走行方向におけるすぐ下流側に配置されている。第1仮撚部51の糸ガイド63(糸ガイド63a)は、糸ガイド62aの第1糸走行方向におけるすぐ下流側に配置され、支持台55の機台長手方向における一方側端部に設けられている。また、第2仮撚部52の糸ガイド61(糸ガイド61b。本発明の第2糸ガイド)は、円板部材82の第2糸走行方向におけるすぐ上流側に配置されている。第2仮撚部52の糸ガイド62(糸ガイド62b)は、円板部材84の第2糸走行方向におけるすぐ下流側に配置されている。第2仮撚部52の糸ガイド63(糸ガイド63b)は、糸ガイド62bの第2糸走行方向におけるすぐ下流側に配置され、支持台56の機台長手方向における他方側端部に設けられている。
以上のような構成を有する5軸仮撚装置15において、糸Yは、以下のような経路(糸道)を描くように配置される。図6に示すように、まず、糸Y1は、糸ガイド61aを経由し、第1仮撚部51の複数の円板部材57に接触しつつ螺旋を描くように配置される。円板部材57に接触している糸Y1は、軸方向から見たときに、第1三角形201の内側に収まるように配置され(図7(a)参照)、第1三角形201の内側を走行する。さらに、糸Y1は、糸ガイド62a、63aを経由して第1糸走行方向における下流側へ走行する。また、糸Y2は、糸ガイド61bを経由し、第2仮撚部52の複数の円板部材57に接触しつつ螺旋を描くように配置される。円板部材57に接触している糸Y2は、軸方向から見たときに、第2三角形202の内側に収まるように配置され(図7(a)参照)、第2三角形202の内側を走行する。さらに、糸Y2は、糸ガイド62b、63bを経由して第2糸走行方向における下流側へ走行する。
このように糸Yを走行させながら、駆動機構58によって5つの回転軸53を同じ向きに回転駆動することにより、回転中の円板部材57に接触している糸Yに撚りが付与される。具体的には、Z撚り用の5軸仮撚装置15a(図7(a)、(b)参照)においては、糸Y1、糸Y2の両方にZ撚りが付与される。S撚り用の5軸仮撚装置15b(図8(a)、(b)参照)においては、糸Y1、糸Y2の両方にS撚りが付与される。
ここで、上述したように、仮撚加工機1は、合糸装置17と、動作モードを切換可能な巻取装置21とを備えている(図1、図2参照)。これにより、糸Yを様々な形式で巻取ボビンBwに巻き取ることができる。例えば、5軸仮撚装置15aによってZ撚りが付与された糸Yと、5軸仮撚装置15aに隣接配置された5軸仮撚装置15bによってS撚りが付与された糸Yとを合糸装置17によって合糸することで、Z撚糸のトルクとS撚糸のトルクとが互いに打ち消された1本のノントルク糸を形成できる。このようなノントルク糸は、動作モードが第1モードに設定された巻取装置21によって巻き取ることができる。或いは、いずれもZ撚りが施された2本の糸Y、又は、いずれもS撚りが施された2本の糸Yを合糸装置17によって合糸しても良い。この場合、撚りが付与された1本の糸をそのまま巻き取る場合と比べて、捲縮性や風合いが優れた糸を作ることができる。或いは、2本の糸Yを合糸せずにそのまま糸走行方向における下流側へ案内しても良い。この場合には、動作モードが第2モードに設定された巻取装置21によって、2本の糸Yを一度に巻き取ることができる。
ところで、上述した5軸仮撚装置15がどのような向きで配置されているかによって、糸Y1の糸道と糸Y2の糸道は大きく異なりうる。例えば、図9(a)の参考図に示すように、作業空間22に対して第1仮撚部51が手前側に配置され、第2仮撚部52が奥側に配置されている場合、図9(b)の参考図に示すように、機台長手方向から見たときに、糸Y1の糸道と糸Y2の糸道とが互いにずれている。すると、糸Y1の屈曲角度・糸道の長さ等と、糸Y2の屈曲角度・糸道の長さ等とが互いに異なる。これに起因して、糸Y1の撚られ方と糸Y2の撚られ方とが互いに異なり、その結果、糸Y1と糸Y2との間で糸品質がばらつきうる。このため、例えば、糸Y1及び糸Y2を染色したときに、両者の色合いに差が生じうるという問題がある。そこで、本実施形態では、糸Y1と糸Y2の間における糸品質のばらつきを抑制するため、5軸仮撚装置15は以下のように配置されている。
(5軸仮撚装置の向き)
図7(a)、図8(a)に戻って、5軸仮撚装置15が配置されている向きについて説明する。図7(a)及び図8(a)に示すように、第1三角形201の重心221と、第2三角形202の重心222とを通る直線223が、機台長手方向に沿って延びている。ここで、「機台長手方向に沿って」とは、必ずしも機台長手方向と略平行である場合に限られない。すなわち、直線223は、機台長手方向に対して多少傾いていても良い。本実施形態では、軸方向から見たときに、直線223の機台長手方向に対する傾きが10°以下である場合、直線223が機台長手方向に沿って延びていると見なして良い。なお、直線223の機台長手方向に対する傾きは、小さければ小さいほど好ましい。例えば、上記傾きが5°以下であれば、より好ましい。
上述したように、直線223が機台長手方向に沿って延びているため、5軸仮撚装置15の周辺における糸道は、図10に示すようになっている。すなわち、機台長手方向から見たときに、第1仮撚部51と第2仮撚部52とが互いに実質的に重なっている。これにより、第1仮撚部51を走行する糸Y1の糸道と、第2仮撚部52を走行する糸Y2の糸道とを実質的に重ならせることができる。このため、5軸仮撚装置15及びその周辺において、糸Y1の屈曲角度・糸道の長さ等と、糸Y2の屈曲角度・糸道の長さ等とを実質的に同一にすることができる。さらに、複数の5軸仮撚装置15を一直線上に配列することにより、例えば隣り合う2つの5軸仮撚装置15の間でも、機台長手方向から見たときに、糸Y1の糸道と糸Y2の糸道とを実質的に重ならせることができる。
次に、5軸仮撚装置15のその他の構成について、図11(a)〜(c)等を参照しつつ具体的に説明する。図11(a)は、ガイド支持部90(後述)を軸方向における先端側から見た図である。図11(b)は、糸ガイド61a、61bの位置調整前の、機台長手方向から見たときの糸道を示す説明図である。図11(c)は、糸ガイド61a、61bの位置調整後の、機台長手方向から見たときの糸道を示す説明図である。
(糸ガイドの周辺の構成)
糸ガイド61a、61bの周辺の構成について説明する。図5及び図11(a)に示すように、5軸仮撚装置15は、糸走行方向における上流側に配置された糸ガイド61a、61bを支持するガイド支持部90を有する。ガイド支持部90は、例えば、第1支持部材91と、第2支持部材92とを有する。第1支持部材91は、支持台54の奥側の端部且つ機台長手方向における一方側の端部に取り付けられ、軸方向に延びた部材である。第2支持部材92は、第1支持部材91の軸方向先端部に取り付けられた部材である。第2部材は、5軸仮撚装置15の機台長手方向における内側に向かって延びる延在部93と、延在部93と一体的に設けられ、軸方向及び機台長手方向の両方と略垂直な方向に延びた1対のガイド取付部94a、94bとを有する。ガイド取付部94aは、5軸仮撚装置15の機台長手方向における一方側(第1仮撚部51側)に配置さている。ガイド取付部94bは、5軸仮撚装置15の機台長手方向における他方側(第2仮撚部52側)に配置されている。
図5に示すように、ガイド取付部94aには、糸ガイド61aを取り付けるための取付穴95aが形成され、ガイド取付部94bには、糸ガイド61bを取り付けるための取付穴95bが形成されている。また、図11(a)に示すように、糸ガイド61aは、取付穴95aを通過している不図示のネジを有する固定具96aによって、ガイド取付部94aに取り付けられている。同様に、糸ガイド61bは、固定具96bによってガイド取付部94bに取り付けられている。また、取付穴95a、95bは、軸方向及び機台長手方向の両方と略垂直な方向に延びている(図5参照)。これにより、糸ガイド61a、61bは、軸方向から見たときに、機台長手方向と略垂直な方向に位置調整可能な可動糸ガイドとなっている。具体的には、固定具96aを緩めることにより糸ガイド61aを取付穴95aに沿って移動させることができる。そして、固定具96aを締めることにより糸ガイド61aの位置を固定することができる。糸ガイド61bについても同様である。
ここで、上述したように、第1仮撚部51の円板部材81と第2仮撚部52の円板部材82とは互いに点対称に配置されている(図7(a)参照)。つまり、機台長手方向から見たときに、円板部材81の位置と円板部材82の位置とが互いに異なる。このため、仮に図11(b)に示すように、機台長手方向から見たときに糸ガイド61a、61bが互いに重なるように配置されている場合、糸ガイド61aを経由して走行する糸Y1の屈曲角度と、糸ガイド62を経由して走行する糸Y2の屈曲角度とが互いに異なる。このような場合、糸Y1の糸品質と糸Y2の糸品質とがばらつくおそれがある。この点、本実施形態では、糸ガイド61a、61bが可動糸ガイドであるため、糸ガイド61aと糸ガイド61bとの相対的な位置関係を調整できる。このため、糸ガイド61a、61bの位置を適切に調整することで、糸Y1の屈曲角度と糸Y2の屈曲角度との差を小さくできる(図11(c)参照)。
このように、機台長手方向から見たときに複数の糸Yの糸道が実質的に重なっている(糸道が揃っている)ことは、ナイロンからなる糸Yを仮撚加工するためには特に有効である。すなわち、一般的に、ナイロンからなる糸に関しては、ポリエステルからなる糸等と比べて、上述した走行抵抗が大きい。走行抵抗が大きいと、糸Yの生産速度を向上させにくいという問題がある。走行抵抗は、一例として、糸の屈曲角度が大きいほど大きくなる。例えば、糸Y1と糸Y2との間で屈曲角度が大きく異なる場合、糸を走行させることが可能な最大速度が、糸Y1と糸Y2との間で大きく異なりうる。通常、糸Y1の走行速度及び糸Y2の走行速度は、生産速度を合わせるためにいずれか遅い方に合わせられるので、糸Y1の最大速度と糸Y2の最大速度とが大きく異なると、糸の生産性の向上が阻害されるという問題がある。この点、本実施形態では、糸Y1の屈曲角度等と糸Y2の屈曲角度等と実質的に同一にすることができる。これにより、糸Y1の走行抵抗と糸Y2の走行抵抗とを実質的に等しくすることができる。
以上のように、第1三角形201の重心221と第2三角形202の重心222とを通る直線223が、機台長手方向に沿って延びている。これにより、機台長手方向から見たときに、第1仮撚部51を走行する糸Y1の糸道と、第2仮撚部52を走行する糸Y2の糸道とを実質的に重ならせることができる。このため、糸Y1の屈曲角度・糸道の長さ等と、糸Y2の屈曲角度・糸道の長さ等とを実質的に同一にすることができる。したがって、5軸仮撚装置15が機台長手方向に並べて配置された仮撚加工機1において、糸Y1と糸Y2との間における糸品質のばらつきを抑制することができる。
また、糸ガイド61a、61bの位置を調整することにより、糸ガイド61aによって案内される糸Y1の糸道と糸ガイド61bによって案内される糸Y2の糸道との違いを小さく抑えることができる。したがって、糸Y1と糸Y2との間で糸品質のばらつきを抑制できる。
また、糸ガイド61a、61bは、軸方向から見たときに、機台長手方向と略直交する方向に移動可能である。したがって、糸ガイド61a、61bが互いに干渉することを抑制しつつ、糸ガイド61a、61bの可動範囲を広くすることができるので、糸道を効果的に調整できる。
また、隣り合う2つの5軸仮撚装置15の間でも、機台長手方向から見たときに、糸Y1の糸道と糸Y2の糸道とを実質的に重ならせることができ、これにより、糸Y1と糸Y2との間で糸品質がばらつくことを抑制できる。したがって、合糸装置17によってZ撚糸とS撚糸とを合糸する場合に、Z撚糸のトルクとS撚糸のトルクとを確実に打ち消し合うことができ、高品質のノントルク糸を形成できる。また、2本のZ撚糸を合糸する場合或いは2本のS撚糸を合糸する場合には、同じ物性値である糸Y同士を合糸できる。
また、第1モードと第2モードとの間で巻取装置21の動作モードを切り換えることができる。これにより、巻取装置21の増設(すなわち、仮撚加工機1の大型化)を回避しつつ、2本の糸Y1、Y2を1本の糸Yに合糸して巻き取るか、各糸Yを合糸せずにそのまま巻き取るか選択することができる。さらに、本実施形態では、上述したように糸Y1と糸Y2との間で糸品質のばらつきを抑制できるので、品質ばらつきの少ないパッケージを省スペースで大量に生産できる。
また、仮に、5軸仮撚装置15によって撚りを付与される糸Y1の糸道と糸Y2の糸道とが互いに異なっている場合、上記冷却装置14を仮撚加工機1に適用できない。この点、本実施形態では、上述したように、5軸仮撚装置15によって撚りを付与される糸Y1の屈曲角度・糸道の長さ等と、糸Y2の屈曲角度・糸道の長さ等とを実質的に同一にすることができるため、冷却装置14を適用できる。したがって、上述したような冷却装置14のコンパクト化等の効果を得ることができる。
また、第1仮撚部51の第1糸走行方向における最も上流側の円板部材81と、第2仮撚部52の第2糸走行方向における最も上流側の円板部材82とが、同一の第1平面203内に配置されている。さらに、第1仮撚部51の第1糸走行方向における最も下流側の円板部材83と、第2仮撚部52の第2糸走行方向における最も下流側の円板部材84とが、同一の第2平面204内に配置されている。これにより、円板部材57の軸方向における配置をコンパクトにすることができる。したがって、装置の軸方向における大型化を抑制できる。
また、糸Y1の屈曲角度等と、糸Y2の屈曲角度等とを実質的に同一にすることができるため、糸Y1の走行抵抗と糸Y2の走行抵抗とを実質的に等しくすることができる。したがって、糸Y1の走行速度及び糸Y2の走行速度を等しく速くすることができ、生産性を向上できる。このような生産性の向上は、ナイロンからなる走行抵抗の大きい糸Yを加工する場合において、特に効果的である。
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(1)前記実施形態においては、仮撚加工機1において、全ての5軸仮撚装置15の全ての回転軸53に円板部材57が装着されているものとしたが、これには限られない。例えばコスト削減等を目的として、糸Yの処理に用いられていない回転軸53(例えば、図2において最も紙面左側に配置された5軸仮撚装置15の、一部の回転軸53)からは、不要な円板部材57が取り外されていても良い。但し、5つの回転軸53を上述のモータ85によって共通駆動する構成においては、以下のような問題が生じる。すなわち、ある5軸仮撚装置15において一部の回転軸53から単純に円板部材57を取り外すだけでは、当該5軸仮撚装置15のモータ85への負荷が、他の5軸仮撚装置15のモータ85への負荷と比べて小さくなる。そうすると、一部の円板部材57が取り外された5軸仮撚装置15において、5つの回転軸53が意図せず速く回転する。その結果、当該5軸仮撚装置15によって処理された糸の糸品質が、他の5軸仮撚装置15によって処理された糸の糸品質と大きく異なるおそれがある。そこで、図12(a)、(b)に示すように、一部の円板部材57が取り外された5軸仮撚装置15において、取り外された円板部材57の代わりに重りが設けられていても良い。例えば、図12(a)に示すように、第1個別回転軸72、73から円板部材57が取り外された5軸仮撚装置15cにおいて、円板部材57の代わりに重り110が設けられていても良い。同様に、図12(b)に示すように、第2個別回転軸74、75から円板部材57が取り外された5軸仮撚装置15dにおいても、円板部材57の代わりに重り110が設けられていても良い。これにより、これらの重り110が負荷となるため、回転軸53が意図せず速く回転することを防止できる。したがって、円板部材57よりも安価な部材を重り110として適用することで、コスト増大を抑えつつ、5軸仮撚装置15間での糸品質のばらつきを抑制できる。
或いは、重り110を設ける代わりに、一部の円板部材57が取り外された5軸仮撚装置15が、モータ85の回転数をフィードバック制御するように構成されていても良い。例えば、当該5軸仮撚装置15は、5つの回転軸53を共通駆動するモータ85の回転数を制御するための、不図示のインバータ装置を有していても良い。或いは、別の手段として、一部の円板部材57が取り外された5軸仮撚装置15は、各回転軸53を個別に回転駆動する5つの不図示のモータを有していても良い。
(2)前記までの実施形態において、糸Yとの接触部分がポリウレタンで形成された円板部材57が、全ての回転軸53に装着されているものとしたが、これには限られない。すなわち、共通回転軸71に設けられた円板部材57には、原則として糸Y1及び糸Y2の両方が接触するため、これらの円板部材57は、他の回転軸53に設けられた円板部材57と比べて早く摩耗しうる。そこで、例えば、共通回転軸71に装着された全ての円板部材57の糸Yとの接触部分が、ポリウレタンよりも耐摩耗性の高いセラミックにより形成されていても良い。つまり、共通回転軸71に装着された円板部材57の糸Yとの接触部分の耐摩耗性が、共通回転軸71以外の回転軸53に装着された円板部材57の糸Yとの接触部分の耐摩耗性よりも高くても良い。これにより、共通回転軸71に設けられた円板部材57のみが早く摩耗してしまうことを抑制できる。したがって、一部の円板部材57のみを早期交換する必要が生じることを回避できる。なお、円板部材57の糸Yとの接触部分の材質は、上述したポリウレタンやセラミックに限定されるものではない。
(3)前記までの実施形態において、第1仮撚部51の円板部材81と第2仮撚部52の円板部材82とが、同一の第1平面203内に配置されるものとしたが、これには限られない。円板部材81及び円板部材82は、必ずしも同一平面内に配置されていなくても良い。同様に、第1仮撚部51の円板部材83と第2仮撚部52の円板部材84とは、必ずしも同一の第2平面204内に配置されていなくても良い。
(4)前記までの実施形態において、回転軸53をベルト駆動するものとしたが、これには限られない。例えば、駆動源の動力を各回転軸53に伝達する伝達部材として、ベルトの代わりにギア又はチェーンが設けられていても良い。
(5)前記までの実施形態において、糸ガイド61a、61bは、軸方向から見たときに、機台長手方向に略直交する方向に移動可能であるものとしたが、これには限られない。糸ガイド61a、61bの移動可能な方向は、機台長手方向に略直交する方向から傾いていても良い。言い換えると、糸ガイド61a、61bは、機台長手方向と交差する方向に移動可能であっても良い。
(6)前記までの実施形態において、糸ガイド61a、61bの両方が位置調整可能に構成されているものとしたが、これには限られない。すなわち、糸ガイド61a、61bのうち、一方のみが他方に対して位置調整可能であっても良い。言い換えると、糸ガイド61a、61bのうち少なくとも一方が、他方に対して位置調整可能であっても良い。
(7)前記(6)の変形例において、糸ガイド61a、61bのうち少なくとも一方が、他方に対して位置調整可能であっても良いものとしたが、これには限られない。糸ガイド61a及び糸ガイド61bは、必ずしも位置調整可能に構成されていなくても良い。
(8)前記までの実施形態において、仮撚加工機1は合糸装置17を備えるものとしたが、仮撚加工機1は、必ずしも合糸装置17を備えていなくても良い。
(9)前記までの実施形態において、巻取装置21は1つの巻取ボビンBwに糸Yを巻き取る第1モードと、2つの巻取ボビンBwに糸Yを巻き取る第2モードとの間で動作モードを切換可能に構成されているものとしたが、これには限られない。例えば、巻取装置21は、さらに、3つ以上の巻取ボビンBwに糸Yを巻き取る動作モードを選択可能に構成されていても良い。或いは、巻取装置21は、1つの巻取ボビンBwにのみ糸Yを巻き取るように構成されていても良い。
(10)前記までの実施形態において、重心221と重心222とを結ぶ直線223が機台長手方向に沿って延びているものとしたが、これには限られない。以下、図13(a)、(b)を参照しつつ説明する。第1個別回転軸72、73及び共通回転軸71に設けられた複数の円板部材57のうち最も軸方向先端側に設けられた円板部材57は、上述したように、円板部材81(図13(a)参照)である。円板部材81の次に軸方向先端側に設けられた円板部材57を円板部材231(図13(a)参照)とする。円板部材231は、共通回転軸71に設けられている。軸方向から見たときに、円板部材81の外縁と円板部材231の外縁との交点のうち、第1三角形201の内側に形成される交点を第1交点232とする。さらに、2つの第2個別回転軸74、75及び共通回転軸71に設けられた複数の円板部材57のうち最も軸方向先端側に設けられた円板部材57は、上述したように、円板部材82である。また、上述した円板部材231は、円板部材82の次に軸方向先端側に設けられている。軸方向から見たときに、円板部材82の外縁と円板部材231の外縁との交点のうち、第2三角形202の内側に形成される交点を第2交点233とする。このとき、第1交点232と第2交点233とを結ぶ直線234が、機台長手方向に沿って延びていても良い。ここで、「機台長手方向に沿って」とは、必ずしも機台長手方向と略平行である場合に限られない。すなわち、軸方向から見たときに、直線234の機台長手方向に対する傾きが10°以下である場合、直線234が機台長手方向に沿って延びていると見なして良い。なお、直線234の機台長手方向に対する傾きは、小さければ小さいほど好ましい。例えば、上記傾きが5°以下であれば、より好ましい。これにより、機台長手方向から見たときに、第1交点232と第2交点233とを実質的に重ならせることができる。つまり、機台長手方向から見たときに、糸走行方向において、少なくとも、糸Y1のうち第1交点232の上流側に位置する部分と糸Y2のうち第2交点233の上流側に位置する部分とを実質的に重ならせることができる。さらに言い換えると、円板部材81の糸走行方向上流側の糸Y1の糸道と、円板部材82の糸走行方向上流側の糸Y2の糸道とを実質的に同一にすることができる(図13(b)参照)。したがって、5軸仮撚装置15が機台長手方向に並べて配置された仮撚加工機1において、糸Y1と糸Y2との間における糸品質のばらつきを抑制することができる。
(11)前記までの実施形態において、仮撚加工機1は、ナイロンからなる糸Yを仮撚加工するものとしたが、これには限られない。仮撚加工機1は、例えば、ポリエステルからなる糸等を仮撚加工しても良い。
1 仮撚加工機
14 冷却装置
15 5軸仮撚装置
15a 5軸仮撚装置(第1の5軸仮撚装置)
15b 5軸仮撚装置(第2の5軸仮撚装置)
17 合糸装置
21 巻取装置
22 作業空間(外部空間)
24 共通ダクト
25a ガイド部材(第1ガイド部材)
25b ガイド部材(第2ガイド部材)
26a ガイド部材(第1ガイド部材)
26b ガイド部材(第2ガイド部材)
27a 第1走行空間
27b 第2走行空間
28 内部空間
29 吸引源
42 トラバース装置
43 クレードル
45 トラバースガイド
51 第1仮撚部
52 第2仮撚部
53 回転軸
57 円板部材
61a 糸ガイド(第1糸ガイド)
61b 糸ガイド(第2糸ガイド)
71 共通回転軸
72 第1個別回転軸
73 第1個別回転軸
74 第2個別回転軸
75 第2個別回転軸
81 円板部材
82 円板部材
83 円板部材
84 円板部材
85 モータ(共通駆動源)
110 重り
201 第1三角形
202 第2三角形
203 第1平面
204 第2平面
221 重心
222 重心
223 直線
231 円板部材
232 第1交点
233 第2交点
234 直線
Bw 巻取ボビン
Pw 巻取パッケージ
Y 糸
Y1 糸(第1の糸)
Y2 糸(第2の糸)

Claims (10)

  1. 所定の機台長手方向に並べて配置された、前記機台長手方向と交差する軸方向に延びる5つの回転軸に設けられた複数の円板部材によって一度に2本の糸に撚りを付与可能な複数の5軸仮撚装置、を備える仮撚加工機であって、
    各5軸仮撚装置は、
    前記5つの回転軸のうち、前記軸方向から見たときに仮想的な第1三角形の頂点を形成する2つの第1個別回転軸及び1つの共通回転軸を有し、前記第1三角形の内側を走行している第1の糸に撚りを付与する第1仮撚部と、
    前記5つの回転軸のうち、前記軸方向から見たときに仮想的な第2三角形の頂点を形成する2つの第2個別回転軸及び前記1つの共通回転軸を有し、前記第2三角形の内側を走行している第2の糸に撚りを付与する第2仮撚部と、を備え、
    前記2つの第1個別回転軸と、前記2つの第2個別回転軸とは、前記機台長手方向において、前記共通回転軸を挟んで互いに反対側に配置され、
    前記軸方向から見たときに、前記第1三角形の重心と前記第2三角形の重心とを通る直線が、前記機台長手方向に沿って延びていることを特徴とする仮撚加工機。
  2. 所定の機台長手方向に並べて配置された、前記機台長手方向と交差する軸方向に延びる5つの回転軸に設けられた複数の円板部材によって一度に2本の糸に撚りを付与可能な複数の5軸仮撚装置、を備える仮撚加工機であって、
    各5軸仮撚装置は、
    前記5つの回転軸のうち、前記軸方向から見たときに仮想的な第1三角形の頂点を形成する2つの第1個別回転軸及び1つの共通回転軸を有し、前記第1三角形の内側を走行している第1の糸に撚りを付与する第1仮撚部と、
    前記5つの回転軸のうち、前記軸方向から見たときに仮想的な第2三角形の頂点を形成する2つの第2個別回転軸及び前記1つの共通回転軸を有し、前記第2三角形の内側を走行している第2の糸に撚りを付与する第2仮撚部と、を備え、
    前記2つの第1個別回転軸と、前記2つの第2個別回転軸とは、前記機台長手方向において、前記共通回転軸を挟んで互いに反対側に配置され、
    前記軸方向から見たときに、前記第1三角形の内側に形成される、前記2つの第1個別回転軸及び前記1つの共通回転軸に設けられた前記複数の円板部材のうち最も前記軸方向先端側に設けられた前記円板部材の外縁と、その次に前記軸方向先端側に設けられた前記円板部材の外縁とが交差する点を第1交点とし、且つ、
    前記軸方向から見たときに、前記第2三角形の内側に形成される、前記2つの第2個別回転軸及び前記1つの共通回転軸に設けられた前記複数の円板部材のうち最も前記軸方向先端側に設けられた前記円板部材の外縁と、その次に前記軸方向先端側に設けられた前記円板部材の外縁とが交差する点を第2交点としたとき、
    前記軸方向から見たときに、前記第1交点と前記第2交点とを通る直線が、前記機台長手方向に沿って延びていることを特徴とする仮撚加工機。
  3. 前記第1仮撚部は、
    前記複数の円板部材のうち、前記第1の糸が走行する第1糸走行方向における最も上流側の円板部材のさらに上流側に配置された第1糸ガイドを有し、
    前記第2仮撚部は、
    前記複数の円板部材のうち、前記第2の糸が走行する第2糸走行方向における最も上流側の円板部材のさらに上流側に配置された第2糸ガイドを有し、
    前記第1糸ガイド及び前記第2糸ガイドのうち少なくとも一方は、他方に対して位置調整が可能な可動糸ガイドであることを特徴とする請求項1又は2に記載の仮撚加工機。
  4. 前記第1糸ガイドと前記第2糸ガイドとは、前記機台長手方向に並べて配置され、
    前記可動糸ガイドは、
    前記軸方向から見たときに、前記機台長手方向と交差する方向に移動可能であることを特徴とする請求項3に記載の仮撚加工機。
  5. 各5軸仮撚装置は、前記5つの回転軸を共通駆動するための共通駆動源を有し、
    前記5つの回転軸のうち、糸の処理に用いられていない回転軸には、前記円板部材の代わりに重りが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の仮撚加工機。
  6. 前記複数の5軸仮撚装置のうちの1つである第1の5軸仮撚装置は、糸にZ撚りを施すことが可能に構成され、
    前記機台長手方向において前記第1の5軸仮撚装置と隣接して配置された第2の5軸仮撚装置は、糸にS撚りを施すことが可能に構成され、
    前記第1の5軸仮撚装置の前記第1仮撚部によってZ撚りを付与された糸と、前記第2の5軸仮撚装置の前記第2仮撚部によってS撚りを付与された糸とを合糸する合糸装置を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の仮撚加工機。
  7. 走行する糸を巻取ボビンに巻き取って巻取パッケージを形成する複数の巻取装置を備え、
    各巻取装置は、
    1以上の前記巻取ボビンを回転自在に支持可能な単一のクレードルと、
    複数の糸をそれぞれトラバースするための複数のトラバースガイドが取付可能なトラバース装置と、を有し、
    1つの前記巻取ボビンに糸を巻き取る第1モードと、複数の前記巻取ボビンにそれぞれ糸を同時に巻き取る第2モードとの間で動作モードを切換可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の仮撚加工機。
  8. 糸が走行する糸走行方向における前記5軸仮撚装置の上流側に配置され、前記第1の糸及び前記第2の糸を冷却する冷却装置を備え、
    前記冷却装置は、
    前記第1の糸が走行する、外部空間と連通した第1走行空間を形成する第1ガイド部材と、
    前記第2の糸が走行する、前記外部空間と連通した第2走行空間を形成する第2ガイド部材と、
    前記第1走行空間及び前記第2走行空間の両方と連通し且つ前記機台長手方向に延びる内部空間、が形成され、吸引源により吸引される気体が前記内部空間を流れる共通ダクトと、を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の仮撚加工機。
  9. 前記第1仮撚部の、前記第1の糸が走行する第1糸走行方向における最も上流側に配置された円板部材と、前記第2仮撚部の、前記第2の糸が走行する第2糸走行方向における最も上流側に配置された円板部材とが、前記軸方向と直交する同一の第1平面内に配置され、
    前記第1仮撚部の、前記第1糸走行方向における最も下流側に配置された円板部材と、前記第2仮撚部の、前記第2糸走行方向における最も下流側に配置された円板部材とが、前記軸方向と直交する同一の第2平面内に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の仮撚加工機。
  10. ナイロンからなる前記糸を仮撚加工することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の仮撚加工機。
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