JP2023012097A - 冷却装置、及び糸加工機 - Google Patents

冷却装置、及び糸加工機 Download PDF

Info

Publication number
JP2023012097A
JP2023012097A JP2021115543A JP2021115543A JP2023012097A JP 2023012097 A JP2023012097 A JP 2023012097A JP 2021115543 A JP2021115543 A JP 2021115543A JP 2021115543 A JP2021115543 A JP 2021115543A JP 2023012097 A JP2023012097 A JP 2023012097A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
unit
cooling
pair
duct
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021115543A
Other languages
English (en)
Inventor
昭仁 今中
Akihito Imanaka
重樹 北川
Shigeki Kitagawa
尭幸 堀本
Takayuki Horimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TMT Machinery Inc
Original Assignee
TMT Machinery Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TMT Machinery Inc filed Critical TMT Machinery Inc
Priority to JP2021115543A priority Critical patent/JP2023012097A/ja
Priority to CN202210677567.7A priority patent/CN115613174A/zh
Priority to TW111123832A priority patent/TW202302949A/zh
Priority to EP22181535.0A priority patent/EP4119707A3/en
Publication of JP2023012097A publication Critical patent/JP2023012097A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02GCRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
    • D02G1/00Producing crimped or curled fibres, filaments, yarns, or threads, giving them latent characteristics
    • D02G1/02Producing crimped or curled fibres, filaments, yarns, or threads, giving them latent characteristics by twisting, fixing the twist and backtwisting, i.e. by imparting false twist
    • D02G1/0206Producing crimped or curled fibres, filaments, yarns, or threads, giving them latent characteristics by twisting, fixing the twist and backtwisting, i.e. by imparting false twist by false-twisting
    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02GCRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
    • D02G1/00Producing crimped or curled fibres, filaments, yarns, or threads, giving them latent characteristics
    • D02G1/02Producing crimped or curled fibres, filaments, yarns, or threads, giving them latent characteristics by twisting, fixing the twist and backtwisting, i.e. by imparting false twist
    • D02G1/0206Producing crimped or curled fibres, filaments, yarns, or threads, giving them latent characteristics by twisting, fixing the twist and backtwisting, i.e. by imparting false twist by false-twisting
    • D02G1/0266Producing crimped or curled fibres, filaments, yarns, or threads, giving them latent characteristics by twisting, fixing the twist and backtwisting, i.e. by imparting false twist by false-twisting false-twisting machines
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01HSPINNING OR TWISTING
    • D01H13/00Other common constructional features, details or accessories
    • D01H13/28Heating or cooling arrangements for yarns
    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02JFINISHING OR DRESSING OF FILAMENTS, YARNS, THREADS, CORDS, ROPES OR THE LIKE
    • D02J13/00Heating or cooling the yarn, thread, cord, rope, or the like, not specific to any one of the processes provided for in this subclass
    • D02J13/001Heating or cooling the yarn, thread, cord, rope, or the like, not specific to any one of the processes provided for in this subclass in a tube or vessel

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

【課題】冷却風によって糸を冷却する冷却装置において、糸の冷却効率を向上させる。【解決手段】冷却装置14は、糸Yが走行する糸走行空間Sが形成された冷却ユニット31と、糸走行空間Sと接続された吸気空間Ssが形成された吸気ダクト32とを備える。吸気ダクト32は、冷却風が流れる流動方向において糸走行空間Sと吸気空間Ssとの間に配置され且つユニット長手方向に沿って延びた1以上の吸気スリット38、が形成されたダクト壁部34を有する。冷却ユニット31は、高さ方向においてダクト壁部34の一方側に配置された一対のユニット壁プレート51を有する。一対のユニット壁プレート51は、幅方向において、糸走行空間Sを隔てて互いに反対側に配置された一対のユニット壁面55を有する。一対のユニット壁面55の各々の高さ方向における長さは、30mm以下である。【選択図】図5

Description

本発明は、糸を冷却する冷却装置、及び当該冷却装置を備える糸加工機に関する。
特許文献1には、走行中の糸を仮撚加工する仮撚加工機(糸加工機)に設けられた冷却装置が開示されている。より具体的には、冷却装置は、糸に冷却風を供給するためのダクトと、ダクトの下側に設けられた一対のガイドとを有する。一対のガイドの間には、糸が走行する糸走行空間が形成されている、糸走行空間は、ダクトの下側部分に形成されたスリットを介して、ダクトの内部空間(ダクト内空間)と接続されている。ダクトの端部に設けられた排気ファン(負圧生成装置)が回転すると、ダクト内空間に負圧が生じる。これにより、ダクト内空間と接続された糸走行空間に気体が流れ込む。このような気体が、冷却風として糸を冷却する。
特開第2011-047074号公報
近年、例えば従来よりも太い糸を冷却すること等を目的として、糸の冷却効率をさらに高めることが求められている。上述した冷却装置において糸の冷却効率を向上させるためには、冷却風の速度(風速)の向上を可能とすることが望まれる。しかしながら、本願発明者は、単純に排気ファンの回転数(すなわち、負圧生成装置の出力)を大きくしてダクト内空間の負圧を大きくしても、風速が速くなりにくいという問題を見出した。
本発明の目的は、冷却風によって糸を冷却する冷却装置において、糸の冷却効率を向上させることである。
第1の発明の冷却装置は、走行している糸を冷却風によって冷却するように構成された冷却装置であって、前記糸が走行する糸走行空間が所定の長さ方向に延びるように形成された冷却ユニットと、前記糸走行空間と接続されたダクト内空間が形成されたダクトと、を備え、前記ダクトは、前記冷却風が流れる流動方向において前記糸走行空間と前記ダクト内空間との間に配置され且つ前記長さ方向に沿って延びた1以上のスリット、が形成されたダクト壁部を有し、前記冷却ユニットは、前記長さ方向と直交する高さ方向において前記ダクト壁部の一方側に配置された一対のユニット壁部を有し、前記一対のユニット壁部は、前記長さ方向及び前記高さ方向の両方と直交する幅方向において、前記糸走行空間を隔てて互いに反対側に配置された一対のユニット壁面を有し、前記一対のユニット壁面の各々の前記高さ方向における長さは、30mm以下であることを特徴とする。
本発明では、ダクト内空間に負圧(或いは正圧でも良い)が発生したときに、ダクト内空間と接続された糸走行空間(一対のユニット壁面の間に形成された空間)に冷却風が流れ込む。冷却風は、糸走行空間内を主に高さ方向に流れる。ここで、冷却風の流路を形成する一対のユニット壁面が高さ方向において長いと、冷却風が高さ方向に流れる際の流路抵抗(摩擦抵抗)が大きいため、大きな圧力損失が生じ、冷却風の速度(風速)が大きく低下してしまう。この点、本発明では、一対のユニット壁面の各々の高さ方向における長さ(以下、説明の便宜上、壁面高さとも呼ぶ)が30mm以下である。これにより、冷却風が流れる流路が短くなる。このため、流路抵抗を小さくし、圧力損失を低減することができるので、大きな風速を得ることができる。したがって、冷却風によって糸を冷却する冷却装置において、糸の冷却効率を向上させることができる。
第2の発明の冷却装置は、走行している糸を冷却風によって冷却するように構成された冷却装置であって、前記糸が走行する糸走行空間が所定の長さ方向に延びるように形成された冷却ユニットと、前記糸走行空間と接続されたダクト内空間が形成されたダクトと、を備え、前記ダクトは、前記冷却風が流れる流動方向において前記糸走行空間と前記ダクト内空間との間に配置され且つ前記長さ方向に沿って延びた1以上のスリット、が形成されたダクト壁部を有し、前記冷却ユニットは、前記長さ方向と直交する高さ方向において前記ダクト壁部の一方側に配置された一対のユニット壁部を有し、前記一対のユニット壁部は、前記長さ方向及び前記高さ方向の両方と直交する幅方向において、前記糸走行空間を隔てて互いに反対側に配置された一対のユニット壁面を有し、前記長さ方向において、前記一対のユニット壁面が配置された壁面配置領域内で、前記ダクト壁部のうち前記1以上のスリットが形成された1以上の形成領域の長さの総和が、前記1以上の形成領域を除く領域の長さの総和よりも長いことを特徴とする。
本発明では、長さ方向において、1以上の形成領域の長さの総和が、それ以外の領域の長さの総和よりも長い。これにより、1以上のスリットの断面積(つまり、開口面積)の総和を大きくすることができる。このため、流路抵抗を小さくし、圧力損失を低減することができるので、大きな風速を得ることができる。したがって、糸の冷却効率を向上させることができる。なお、1つのスリットが長さ方向において壁面配置領域の全域に亘って形成されている構成も、本発明に含まれる。
第3の発明の冷却装置は、前記第1の発明において、前記長さ方向において、前記一対のユニット壁面が配置された壁面配置領域内で、前記ダクト壁部のうち前記1以上のスリットが形成された1以上の形成領域の長さの総和が、前記1以上の形成領域を除く領域の長さの総和よりも長いことを特徴とする。
本発明では、第2の発明の構成と同様に、1以上の形成領域の長さの総和が長い。これにより、流路抵抗をさらに小さくし、圧力損失をさらに低減することができる。このため、さらに大きな風速を得ることができる。したがって、糸の冷却効率をさらに向上させることができる。
第4の発明の冷却装置は、前記第1又は第3の発明において、前記一対のユニット壁面のうち前記幅方向において互いに向かい合っている部分の、前記幅方向における間隔は、1mm以下であることを特徴とする。
本発明の「一対のユニット壁面のうち幅方向において互いに向かい合っている部分」は、一対のユニット壁面のうち、互いに略平行な部分であり、且つ、幅方向において一対のユニット壁面の間に他の部材が配置されていない部分を意味する。一般的に、流体の流量が同じであれば、流路の断面積が小さいと流体の流速が速くなる。但し、流路の幅が狭すぎると、流路を形成する壁面による圧力損失が大きくなり、流体の流量は少なくなってしまう。本発明では、壁面高さを低くすることにより一対のユニット壁面による圧力損失を低減できるため、一対のユニット壁面の幅方向における間隔を小さくしても、これによる圧力損失の増加を抑制できる。したがって、糸走行空間の、高さ方向に直交する断面の面積を小さくすることができ、風速をさらに速くすることができる。
第5の発明の冷却装置は、前記第1~第4のいずれかの発明において、前記冷却ユニットは、前記糸走行空間の中に配置され、前記糸の前記高さ方向における他方側への移動を規制するように構成された1以上の糸ガイドを有することを特徴とする。
本発明では、糸ガイドによって糸の高さ方向における他方側への移動を規制できるため、糸がダクト内空間に入り込むことを抑制できる。
第6の発明の冷却装置は、前記第5の発明において、前記高さ方向において、前記1以上の糸ガイドの前記一方側の端は、前記一対のユニット壁面の中央よりも前記一方側に配置されていることを特徴とする。
本発明では、糸ガイドが高さ方向においてダクトから遠い位置に配置されているため、糸を高さ方向において全体的にダクトから遠ざけることができる。したがって、糸がダクト内空間に入り込んでしまうことを確実に防止できる。
第7の発明の冷却装置は、前記第1~第6のいずれかの発明において、前記冷却ユニットは、前記一対のユニット壁面の一方の一部に設けられた、前記糸を接触させるための第1接触部と、前記一対のユニット壁面の他方の一部に設けられ、且つ、前記長さ方向において前記第1接触部と異なる位置に配置された、前記糸を接触させるための第2接触部と、を有することを特徴とする。
本発明では、糸を第1接触部又は第2接触部に接触させながら走行させることができる。これにより、糸の幅方向における移動が規制される。また、冷却風によって冷却された第1接触部又は第2接触部に糸が接触することによって、糸をさらに効果的に冷却できる。
第8の発明の冷却装置は、前記第1~第7のいずれかの発明において、前記ダクト内空間に負圧を発生させるように構成された負圧生成装置を備えることを特徴とする。
一般的に、糸には、糸をスムーズに走行させるための油剤が付与されている。このため、例えば、ダクト内空間から糸走行空間に向かって冷却風が供給される構成では、油剤が外部空間に飛散するおそれがある。本発明では、冷却風をダクト内空間に吸い込ませることができるので、油剤の飛散の問題を回避できる。
第9の発明の冷却装置は、前記第8の発明において、前記負圧生成装置は、回転するように構成された羽根車と、前記羽根車を回転駆動するように構成されたモータと、前記モータの回転軸の回転数を変更することが可能に構成された回転数変更部と、を有することを特徴とする。
本発明の冷却装置においては、負圧生成装置によって生成される負圧が従来よりも小さくても、大きな風速を得ることができる。ここで、負圧生成装置がモータの回転軸の回転数に応じて負圧を変更可能に構成されている場合、一般的に、モータの消費電力は当該回転数の3乗に比例することが知られている。したがって、当該回転数を従来よりも少なくすることにより、所望の風速を得つつ、負圧生成装置の消費電力を大きく削減できる。
第10の発明の糸加工機は、前記第1~第9のいずれかの発明の冷却装置と、前記糸に変形を付与するように構成された糸変形付与装置と、前記冷却装置及び前記糸変形付与装置に前記糸を送るように構成された、前記糸を走行させるための糸送り装置と、を備え、前記糸を走行させながら加工するように構成されていることを特徴とする。
本発明では、糸を効率的に冷却しつつ、冷却装置の小型化及び/又は消費電力の低減を図ることができる。したがって、糸加工機によって加工される糸の良好な品質を確保しつつ、糸加工機全体の小型化及び/又は消費電力の低減を図ることができる。
本実施形態に係る仮撚加工機の側面図である。 糸の経路に沿って仮撚加工機を展開した模式図である。 図1のIII矢視図である。 (a)は、図3の一部の拡大図であり、(b)は、図3の一部の拡大図において冷却ユニットを点線で示した図である。 図4(a)のV-V線断面図である。 冷却ユニットをさらに模式化した図である。 図4(b)の一部の拡大図である。 冷却風の風速及び冷却装置の消費電力の評価結果を示す表である。 冷却風の風速と負圧との関係を示すグラフである。 冷却装置の消費電力と冷却風の風速との関係を示すグラフである。 冷却装置の構成の違いと冷却風の風速との関係を示すグラフである。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1の紙面垂直方向を機台長手方向とする。説明の便宜上、図1の紙面手前側及び図2の紙面左側を機台長手方向における一方側とし、図1の紙面奥側及び図2の紙面右側を機台長手方向における他方側とする。図1の紙面左右方向を機台幅方向とする。機台長手方向及び機台幅方向の両方と直交する方向を、重力の作用する上下方向(鉛直方向)とする。複数の糸Y(後述)が並んで走行する方向を糸走行方向とする。
(仮撚加工機の全体構成)
まず、本実施形態の仮撚加工機1(本発明の糸加工機)の全体構成について、図1~図3を参照しつつ説明する。図1は、仮撚加工機1の側面図である。図2は、糸Yの経路(糸道)に沿って仮撚加工機1を展開した模式図である。図3は、図1のIII矢視図である。
仮撚加工機1は、合成繊維(例えばポリエステル)からなる糸Yを仮撚加工可能に構成されている。糸Yは、例えば複数のフィラメントからなるマルチフィラメント糸である。或いは、糸Yは、1本のフィラメントによって構成されていても良い。仮撚加工機1は、給糸部2と、加工部3と、巻取部4とを備える。給糸部2は、糸Yを供給可能に構成されている。加工部3は、給糸部2から糸Yを引き出して仮撚加工するように構成されている。巻取部4は、加工部3によって加工された糸Yを巻取ボビンBwに巻き取るように構成されている。給糸部2、加工部3及び巻取部4が有する各構成要素は、機台長手方向において複数配列されている(図2参照)。機台長手方向は、給糸部2から加工部3を通って巻取部4に至る糸道によって形成される、糸Yの走行面(図1の紙面)と直交する方向である。
給糸部2は、複数の給糸パッケージPsを保持するクリールスタンド7を有し、加工部3に複数の糸Yを供給する。加工部3は、給糸部2から複数の糸Yを引き出して加工するように構成されている。加工部3は、糸走行方向における上流側から順に、例えば、第1フィードローラ11(本発明の糸送り装置)、撚止ガイド12、第1加熱装置13、冷却装置14、仮撚装置15(本発明の糸変形付与装置)、第2フィードローラ16、交絡装置17、第3フィードローラ18、第2加熱装置19、第4フィードローラ20が配置された構成となっている。巻取部4は、複数の巻取装置21を有する。各巻取装置21は、加工部3で仮撚加工された糸Yを巻取ボビンBwに巻き取って巻取パッケージPwを形成する。
仮撚加工機1は、機台幅方向に間隔を置いて配置された主機台8及び巻取台9を有する。主機台8及び巻取台9は、機台長手方向に略同じ長さに延びるように設けられている。主機台8及び巻取台9は、機台幅方向において互いに対向するように配置されている。主機台8と巻取台9との間には、作業者が糸掛け等の作業を行うための作業空間Swが形成されている(図1参照)。仮撚加工機1は、1組の主機台8及び巻取台9を含む、スパンと呼ばれる単位ユニットを有する。1つのスパンにおいては、機台長手方向に並んだ状態で走行する複数の糸Yに対して、同時に仮撚加工を施すことができるように各装置が配置されている。仮撚加工機1は、このスパンが、主機台8の機台幅方向の中心線Cを対称軸として、紙面左右対称に配置されている(主機台8は、左右のスパンで共通のものとなっている)。また、複数のスパンが、機台長手方向に配列されている。
(加工部の構成)
加工部3の構成について、図1及び図2を参照しつつ説明する。第1フィードローラ11は、給糸部2に装着された給糸パッケージPsから糸Yを解舒して第1加熱装置13へ送るように構成されている。第1フィードローラ11は、例えば、図2に示すように、1本の糸Yを第1加熱装置13へ送るように構成されている。或いは、第1フィードローラ11は、隣り合う複数の糸Yをそれぞれ糸走行方向における下流側へ送ることが可能に構成されていても良い。撚止ガイド12は、仮撚装置15で糸Yに付与された撚りが、撚止ガイド12よりも糸走行方向上流側に伝播しないように構成されている。
第1加熱装置13は、第1フィードローラ11から送られてきた糸Yを加熱するように構成されている。第1加熱装置13は、例えば、図2に示すように、2本の糸Yを加熱可能に構成されているが、これには限られない。第1加熱装置13は、例えば1本の糸Yを加熱可能に構成されていても良い。或いは、第1加熱装置13は、3本以上の糸Yを加熱可能に構成されていても良い。
冷却装置14は、冷却風によって複数の糸Yを冷却する非接触式の装置である。図3に示すように、冷却装置14は、複数の冷却ユニット31と、複数の冷却ユニット31が取り付けられた吸気ダクト32(本発明のダクト)と、負圧生成装置33とを有する。冷却装置14は、負圧生成装置33によって吸気ダクト32の内部空間(吸気空間Ss。本発明のダクト内空間)に負圧を発生させることにより、複数の冷却ユニット31にそれぞれ形成された複数の糸走行空間Sに冷却風を供給する。なお、負圧とは、大気圧(より具体的に言えば、本実施形態においては、冷却装置14の外側の空間における気圧)よりも低い圧力を意味する。
図3に示すように、複数の冷却ユニット31は、機台長手方向に並べて配置されている。複数の冷却ユニット31は、吸気ダクト32に取り付けられている。複数の冷却ユニット31の各々は、機台長手方向と交差する方向(概ね直交する方向)に延びている。本実施形態では、各冷却ユニット31は略直線状に延びている。しかしながら、これには限られない(例えば、各冷却ユニット31は湾曲等していても良い)。各冷却ユニット31は、1本の糸Yが走行する糸走行空間Sを有する。糸走行空間S内を走行する糸Yは、冷却風によって冷却される。複数の冷却ユニット31は、機台長手方向において隣り合うように配置された2つの冷却ユニット31A、31Bを含む。冷却ユニット31Aと冷却ユニット31Bの機台長手方向における間隔は、例えば、糸走行方向における下流側へ向かうほど大きくなっている。2つの冷却ユニット31A、31Bは、所定の直線Lを対称軸として、互いに線対称に構成されている。
吸気ダクト32は、複数の冷却ユニット31に冷却風を供給するように構成されたダクトである。図3に示すように、吸気ダクト32は、機台長手方向に延びている。吸気ダクト32内には、機台長手方向に延びた吸気空間Ssが形成されている。吸気空間Ssは、複数の糸走行空間Sと接続されている。吸気ダクト32には、複数の冷却ユニット31が取り付けられている。より具体的には、吸気ダクト32には、機台長手方向に延びたダクト壁部34が形成されている。複数の冷却ユニット31は、例えば、ダクト壁部34にねじ止めされている。ダクト壁部34には、複数の吸気スリット38(図4(b)参照。本発明のスリット。詳細については後述)が形成されている。
負圧生成装置33は、例えば公知のブロワである。負圧生成装置33は、例えば、吸気ダクト32の機台長手方向における一方側又は他方側(例として、図3においては一方側)の端部に配置されている。負圧生成装置33は、例えば、回転可能な羽根車35と、羽根車35を回転駆動するモータ36と、モータ36の回転軸(不図示)の回転数を変更可能なインバータ装置37(本発明の回転数変更部)とを有する。モータ36は、例えば、公知の交流モータである。負圧生成装置33は、モータ36によって羽根車35を回転駆動することにより、吸気空間Ssに負圧を発生させる。冷却装置14のより詳細については後述する。
仮撚装置15は、冷却装置14の糸走行方向下流側に配置され、糸Yに撚りを付与するように構成されている。仮撚装置15は、例えば、公知のディスクフリクション式の仮撚装置又は公知のベルト式の仮撚装置であるが、これには限られない。第2フィードローラ16は、仮撚装置15で処理された糸Yを交絡装置17へ送るように構成されている。第2フィードローラ16による糸Yの搬送速度は、第1フィードローラ11による糸Yの搬送速度よりも速い。これにより、糸Yは、第1フィードローラ11と第2フィードローラ16との間で延伸仮撚される。
交絡装置17は、糸Yに交絡を付与するように構成されている。交絡装置17は、例えば、空気流によって糸Yに交絡を付与する公知のインターレースノズルを有する。
第3フィードローラ18は、交絡装置17よりも糸走行方向における下流側を走行している糸Yを第2加熱装置19へ送るように構成されている。第3フィードローラ18は、例えば、図2に示すように、1本の糸Yを第2加熱装置19へ送るように構成されている。或いは、第3フィードローラ18は、隣り合う複数の糸Yをそれぞれ糸走行方向における下流側へ送ることが可能に構成されていても良い。なお、第3フィードローラ18による糸Yの搬送速度は、第2フィードローラ16による糸Yの搬送速度よりも遅い。このため、糸Yは、第2フィードローラ16と第3フィードローラ18との間で弛緩される。第2加熱装置19は、第3フィードローラ18から送られてきた糸Yを加熱するように構成されている。第2加熱装置19は、鉛直方向に沿って延びており、1つのスパンに1つずつ設けられている。第4フィードローラ20は、第2加熱装置19によって加熱された糸Yを巻取装置21へ送るように構成されている。第4フィードローラ20は、例えば、図2に示すように、1本の糸Yを巻取装置21へ送ることが可能に構成されている。或いは、第4フィードローラ20は、隣り合う複数の糸Yをそれぞれ糸走行方向における下流側へ送ることが可能に構成されていても良い。第4フィードローラ20による糸Yの搬送速度は、第3フィードローラ18による糸Yの搬送速度よりも遅い。このため、糸Yは、第3フィードローラ18と第4フィードローラ20との間で弛緩される。
以上のように構成された加工部3では、第1フィードローラ11と第2フィードローラ16との間で延伸された糸Yが、仮撚装置15によって撚られる。仮撚装置15により形成される撚りは、撚止ガイド12までは伝播するが、撚止ガイド12よりも糸走行方向上流側には伝播しない。延伸されつつ撚りが付与された糸Yは、第1加熱装置13で加熱されて熱固定された後、冷却装置14で冷却される。仮撚装置15よりも糸走行方向下流側では糸Yは解撚されるが、上記の熱固定によって糸Yが波状に仮撚りされた状態が維持される(すなわち、糸Yの捲縮が維持される)。
仮撚りが施された糸Yは、第2フィードローラ16と第3フィードローラ18との間で弛緩されながら、交絡装置17によって交絡が付与された後、糸走行方向下流側へ案内される。さらに、糸Yは、第3フィードローラ18と第4フィードローラ20との間で弛緩されながら、第2加熱装置19で熱処理される。最後に、第4フィードローラ20から送られた糸Y巻取装置21によって巻き取られる。
(巻取部の構成)
巻取部4の構成について、図2を参照しつつ説明する。巻取部4は、複数の巻取装置21を有する。各巻取装置21は、1つの巻取ボビンBwに糸Yを巻取可能に構成されている。巻取装置21は、支点ガイド41と、トラバース装置42と、クレードル43とを有する。支点ガイド41は、糸Yが綾振りされる際の支点となるガイドである。トラバース装置42は、トラバースガイド45によって糸Yを綾振りすることが可能に構成されている。クレードル43は、巻取ボビンBwを回転自在に支持するように構成されている。クレードル43の近傍には、接触ローラ46が配置されている。接触ローラ46は、巻取パッケージPwの表面に接触して接圧を付与する。以上のように構成された巻取部4では、上述した第4フィードローラ20から送られた糸Yが各巻取装置21によって巻取ボビンBwに巻き取られ、巻取パッケージPwが形成される。
ここで、近年、例えば従来よりも太い糸Yを冷却すること等を目的として、糸Yの冷却効率をさらに高めることが求められている。ここで、「冷却効率を高める」は、様々な意味を有しうる。例えば、「短時間で糸Yを急速に冷却可能にすること」「小さい負圧で大きな風速を得ること」及び「所望の風速を得るための負圧生成装置33の消費電力を削減すること」のいずれも、冷却効率を高めることに相当する。このうち、「短時間で糸Yを急速に冷却可能にする」ためには、冷却風の速度(風速)の向上を可能とすることが望まれる。しかしながら、本願発明者は、単純に羽根車35の回転数(すなわち、負圧生成装置33の出力)を大きくして吸気ダクト32内の負圧を大きくしても風速が速くなりにくいという問題を見出した。そこで、本実施形態では、糸Yの冷却効率を向上させるために、冷却装置14がさらに以下の構成を有する。
(冷却装置の詳細構成)
冷却装置14のさらなる詳細について、図4(a)~図7を参照しつつ説明する。図4(a)は、図3の一部の拡大図である。図4(b)は、図3の一部の拡大図において冷却ユニット31Aを点線で示した図である。図5は、図4のV-V線断面図である。図6は、糸走行空間Sを見やすくするため、冷却ユニット31Aをさらに模式化した図である。図7は、図4(b)の一部の拡大図である。図6及び図7の紙面上下方向は、後述するユニット長手方向と平行である。
上述したように、冷却ユニット31Aと冷却ユニット31Bは互いに線対称に構成されている(図3参照)。したがって、以下、冷却ユニット31については冷却ユニット31Aのみを詳細に説明し、冷却ユニット31Bの説明は省略する。
図4(a)、(b)の紙面垂直方向を高さ方向とする。高さ方向は、図5の紙面上下方向と平行である。高さ方向は、機台長手方向と直交する方向である。また、本実施形態では、高さ方向は、少なくとも上下方向の成分を有する。本実施形態では、高さ方向における一方側は、概ね下側と言い換えることができる。また、高さ方向における他方側は、概ね上側と言い換えることができる。但し、高さ方向と上下方向との関係は、冷却装置14が配置される向きに応じて変わりうることに留意されたい。
また、機台長手方向及び高さ方向の両方と直交する方向を、説明の便宜上、直交方向とする(図4(a)参照)。冷却ユニット31A及び冷却ユニット31Bは、少なくとも直交方向に延びている。本実施形態では、冷却ユニット31A及び冷却ユニット31Bの各々は、直交方向から少し傾いた方向に延びている。また、冷却ユニット31Aの延びる方向をユニット長手方向(本発明の長さ方向)と呼ぶ。ユニット長手方向及び高さ方向の両方と直交する方向を、説明の便宜上、幅方向と呼ぶ(図5参照)。図5の紙面左側が、幅方向における一方側である。図5の紙面右側が、幅方向における他方側である。
本実施形態では、ユニット長手方向は、直交方向の成分を有する所定の一方向である(図4(a)、(b))参照)。言い換えると、本実施形態では、ユニット長手方向は、冷却ユニット31の直交方向における位置によらず同じである。なお、高さ方向から見たときに冷却ユニット31が湾曲等している場合には、ユニット長手方向は、冷却ユニット31の直交方向における位置に応じて変化する。
(冷却ユニットの構成)
図4(a)~図7に示すように、冷却ユニット31Aは、一対のユニット壁プレート51(本発明の一対のユニット壁部)を有する。一対のユニット壁プレート51は、吸気ダクト32の高さ方向における一方側に(より詳細には、ダクト壁部34の高さ方向における一方側に)配置されている。一対のユニット壁プレート51の各々(ユニット壁プレート51a、51b)は、糸走行空間Sを形成するための長尺の部材である。幅方向において、一対のユニット壁プレート51に設けられた一対のユニット壁面55(後述)の間に糸走行空間Sが形成されている。ユニット壁プレート51a、51bは、ユニット長手方向に沿って長く延びている。ユニット壁プレート51aは、糸走行空間Sの幅方向における一方側に配置されている。ユニット壁プレート51bは、糸走行空間Sの幅方向における他方側に配置されている。
ユニット壁プレート51aは、例えば、金属製の平板部材を板金加工して形成された、略C字状の断面を有する部材である(図5参照)。ユニット壁プレート51aは、例えばダクト壁部34に固定されていても良い。或いは、ユニット壁プレート51aは、ユニット壁プレート51bに対して少なくとも幅方向に移動可能に構成されていても良い。ユニット壁プレート51aが移動可能である場合、例えば、冷却ユニット31Aのメンテナンス時に、後述する糸ガイド58等の清掃作業が容易になる。ユニット壁プレート51aは、基端部52aと、中間部53aと、先端部54aとを有する(図5参照)。
基端部52aは、ユニット壁プレート51aの高さ方向における他方側の端部に配置され、幅方向に延びた部分である。中間部53aは、基端部52aの幅方向における他方側の端部から、高さ方向における一方側へ延びた部分である。中間部53aの幅方向における他方側の端には、少なくとも高さ方向に延びたユニット壁面55aが形成されている。ユニット壁面55aは、一対のユニット壁面55の一方である。ユニット壁面55aは、板金加工時に中間部53aの高さ方向における両端部に形成される湾曲面を含む面である(図5の太線参照)。ユニット壁面55aは、冷却ユニット31Aにおいて糸走行空間Sを形成するための面である。ユニット壁面55aには、例えば、ユニット長手方向において互いに離れて配置された複数の接触体56a(本発明の第1接触部。図5及び図6参照)が設けられている。接触体56aは、走行中の糸Yを接触体56aに積極的に接触させるように構成されている。これにより、糸Yが、ユニット壁面55aのうち接触体56aが設けられていない部分に意図せず接触することが防止される。接触体56aの厚み(すなわち、幅方向における長さ)は、例えば0.35mmである。先端部54aは、中間部53aの高さ方向における一方側の端部から、幅方向における一方側へ延びた部分である。
ユニット壁プレート51bは、例えば、金属製の平板部材を板金加工して形成された、ユニット壁プレート51aとは逆向きの略C字状の断面を有する部材である(図5参照)。ユニット壁プレート51bは、例えば不図示のねじによって、ダクト壁部34に固定されている。ユニット壁プレート51bは、図5に示す断面において、基端部52bと、中間部53bと、先端部54bとを有する。
基端部52bは、ユニット壁プレート51bの高さ方向における他方側の端部に配置され、幅方向に延びた部分である。中間部53bは、基端部52bの機台長手方向における一方側の端部から、高さ方向における一方側へ延びた部分である。中間部53bの幅方向における一方側の端には、少なくとも高さ方向に延びたユニット壁面55bが形成されている。ユニット壁面55bは、一対のユニット壁面55の他方である。ユニット壁面55bは、幅方向において糸走行空間Sを隔ててユニット壁面55aの反対側に配置されている。言い換えれば、一対のユニット壁面55は、幅方向において糸走行空間Sを隔てて互いに反対側に配置されている。ユニット壁面55bは、ユニット壁面55aと同様、中間部53bの高さ方向における両端部に形成される湾曲面を含む(図5の太線参照)。ユニット壁面55bは、ユニット壁面55aとともに糸走行空間Sを形成するための面である。ユニット壁面55bには、例えば、ユニット長手方向において互いに離れて配置された複数の接触体56b(本発明の第2接触部。図5及び図6参照)が設けられている。これにより、糸Yが、ユニット壁面55bのうち接触体56bが設けられていない部分に意図せず接触することが防止される。接触体56bの厚み(すなわち、幅方向における長さ)は、例えば0.35mmである。接触体56bは、ユニット長手方向において接触体56aと異なる位置に配置されている(図6参照)。先端部54bは、中間部53bの高さ方向における一方側の端部から、幅方向における他方側へ延びた部分である。
幅方向において、ユニット壁面55aとユニット壁面55bとの間には、例えば、複数の板状のスペーサ57(図5においては1つのみ図示されている)が設けられている。複数のスペーサ57は、ユニット長手方向において間隔を空けて配置されている(図示省略)。複数のスペーサ57は、ユニット壁面55aとユニット壁面55bとの幅方向における距離(すなわち、幅方向における間隔)を規定するように構成されている。スペーサ57の厚み(すなわち、幅方向における長さ)は、例えば1mm以下である。これにより、一対のユニット壁面55のうち幅方向において互いに向かい合っている部分の幅方向における間隔G(図5参照)は、1mm以下となっている。本実施形態では、「一対のユニット壁面55のうち幅方向において互いに向かい合っている部分」は、一対のユニット壁面55のうち、互いに略平行な部分であり、且つ、幅方向において一対のユニット壁面55の間に他の部材が配置されていない部分を意味する。言い換えれば、ユニット壁面55aとユニット壁面55bの両方が高さ方向に沿って延びた部分において、ユニット壁面55aとユニット壁面55bとの幅方向における間隔(間隔G)が、1mm以下になっている。なお、本実施形態では、一対のユニット壁面55のうち、高さ方向における両端部(屈曲しており、互いに略平行でない部分)は、「一対のユニット壁面55のうち幅方向において互いに向かい合っている部分」には含まれない。また、例えば、ユニット壁面55aと接触体56bとの幅方向における間隔は0.65mmであるが、当該間隔は、「一対のユニット壁面55のうち幅方向において互いに向かい合っている部分の幅方向における間隔」には含まれない。ユニット壁面55bと接触体56aとの幅方向における間隔についても同様である。
幅方向において、ユニット壁面55aとユニット壁面55bとの間には、例えば、複数の糸ガイド58が設けられている(図5及び図6参照)。或いは、糸ガイド58は、1つのみ設けられていても良い。1以上の糸ガイド58は、糸Yが吸気空間Ss内に吸い込まれてしまうことを防止するための部材である。各糸ガイド58は、糸走行空間Sの中に配置されている。例として、本実施形態においては、3つの糸ガイド58が設けられている。各糸ガイド58は、例えば、高さ方向において、スペーサ57よりも一方側に配置されている。各糸ガイド58は、糸Yが各糸ガイド58の高さ方向における一方側の端部に接触するように構成されている。これにより、各糸ガイド58は、糸Yの高さ方向における他方側への移動を規制する。したがって、糸Yが吸気空間Ss内に吸い込まれてしまうことが防止される。各糸ガイド58は、高さ方向において、一対のユニット壁面55の中央よりも一方側に配置されていることが好ましい。これにより、糸Yが吸気空間Ss内に吸い込まれてしまうことを確実に防止できる。
糸走行空間Sは、上述した複数の吸気スリット38(図4(b)及び図5参照)を介して、吸気ダクト32に形成された吸気空間Ssと接続されている。複数の吸気スリット38は、例えば、ダクト壁部34を高さ方向に貫通し(図5参照)且つユニット長手方向に延びている(図4(b)参照)。複数の吸気スリット38は、冷却風が流れる流動方向において、糸走行空間Sの下流側且つ吸気空間Ssの上流側に配置されている。
以上のような冷却装置14において、負圧生成装置33によって吸気空間Ssに負圧が発生すると、冷却風は、糸走行空間S内を主に高さ方向における一方側から他方側へ(図5の矢印参照)流れる。さらに、冷却風は、吸気スリット38を通って吸気空間Ssに吸い込まれる。本願発明者は、冷却装置14における糸Yの冷却効率を向上させるために、以下のように、冷却風が流れる流路の摩擦抵抗(流路抵抗)を小さくすることに着目した。
(冷却効率を向上させるための構成)
冷却効率を向上させるために有効な2つの構成について説明する。第1の構成として、一対のユニット壁面55の各々の高さ方向における長さ(以下、単に壁面高さとも呼ぶ)は、30mm以下である。言い換えると、高さ方向において、糸走行空間Sの入口59から吸気スリット38の一方側の端までの長さは、30mm以下である。入口59の高さ方向における位置は、一対のユニット壁面55の高さ方向における一方側の端の位置と同じである(図5参照)。なお、従来の壁面高さは、例えば34mmである。したがって、冷却装置14における壁面高さは、従来と比べて低い。これにより、糸走行空間Sを冷却風の流路と見なしたとき、主に高さ方向に流れる冷却風の流路が、高さ方向において短くなる。このため、流路抵抗を小さくし、圧力損失を低減することにより、負圧生成装置33の出力を高めなくても、従来の構成と比べて冷却風の風速を速くすることができる。なお、本実施形態のように、糸走行空間S内にスペーサ57及び糸ガイド58が設けられる場合には、スペーサ57及び糸ガイド58の設置領域の確保の観点から、壁面高さが10mm以上であると好ましい。
次に、第2の構成について説明する。ユニット長手方向において、一対のユニット壁面55が配置された領域を、説明の便宜上、壁面配置領域R(図4参照)と呼ぶ。ユニット長手方向において、壁面配置領域R内で、ダクト壁部34のうち複数の吸気スリット38が形成された複数の領域を、説明の便宜上、形成領域R1(図7参照)と呼ぶ。また、壁面配置領域R内で、形成領域R1を除く複数の領域を、説明の便宜上、非形成領域R2(図7参照)と呼ぶ。ユニット長手方向において、複数の形成領域R1の長さの総和は、非形成領域R2の長さの総和よりも長い(図4(b)参照)。言い換えると、ユニット長手方向において、複数の形成領域R1の長さの総和は、壁面配置領域Rの長さの半分よりも長い。これにより、複数の吸気スリット38の断面積(つまり、開口面積)の総和を大きくすることができる。このため、複数の吸気スリット38における流路抵抗を小さくし、圧力損失を低減することにより、冷却風の風速を速くすることができる。
第2の構成の具体例について説明する。例えば、壁面配置領域Rのユニット長手方向における長さは、550mmである。図4(b)に示すように、1つの冷却ユニット31に対応して5つの吸気スリット38が形成されている。つまり、1つの壁面配置領域R内に5つの形成領域R1が存在する。各形成領域R1のユニット長手方向における長さは、例えば90mmである。5つの形成領域R1のユニット長手方向における長さの総和は、450mmである。なお、各形成領域R1の幅(幅方向における長さ)は、例えば3mmである。また、例えば、1つの壁面配置領域R内に、5つの形成領域R1以外に6つの非形成領域R2が存在する。各非形成領域R2のユニット長手方向における長さは、略等しい。6つの非形成領域R2のユニット長手方向における長さの総和は、100mmになるように設計されている。
以上のような第1及び第2の構成により、圧力損失を低減し、冷却風の風速を速くすることができると本願発明者は考えた。
(冷却効率の向上に関する効果確認)
本願発明者は、上述した第1の構成及び/又は第2の構成を有する各種冷却装置の冷却効率の向上に関する以下の評価を行った。評価内容及び評価結果について、図8~図11を参照しつつ説明する。図8は、冷却風の風速及び各種冷却装置の消費電力の評価結果を示す表である。図9は、冷却風の風速と負圧との関係を示すグラフである。図10は、各種冷却装置の消費電力と冷却風の風速との関係を示すグラフである。図11は、各種冷却装置の構成の違いと冷却風の風速との関係を示すグラフである。
本願発明者は、主に2つの評価を行った。第1の評価として、冷却装置14と同様に第1の構成及び第2の構成を有する冷却装置(図8~図10における「実施例」)と、第1の構成及び第2の構成を有しない冷却装置(図8~図10における「比較例」)との間で、各種物性値の比較が行われた。第2の評価として、第1の構成及び第2の構成のうち一方のみを有する冷却装置(不図示)においても、冷却効果が向上するか否かの確認が行われた(図11参照)。
第1の評価の内容及び結果について説明する。本願発明者は、実施例に係る冷却装置(不図示)と、比較例に係る冷却装置(不図示)を準備した。実施例に係る冷却装置の構成は、以下のとおりである。第1の構成に関し、壁面高さ(一対のユニット壁面55の高さ方向における長さ)は、27mmである。第2の構成に関し、上述した具体例と同様、5つの形成領域R1が設けられている。複数の形成領域R1のユニット長手方向における長さの総和は、450mmである。複数の非形成領域R2のユニット長手方向における長さの総和は、100mmである。
一方、比較例に係る冷却装置の構成は、以下のとおりである。第1の構成に関し、一対のユニット壁面(不図示)の高さは34mmである。上述した第2の構成に関し、9つの形成領域(不図示)が設けられている。各形成領域のユニット長手方向における長さは、30mmである。複数の形成領域のユニット長手方向における長さの総和は、270mmである。また、10個の非形成領域(不図示)が設けられている。複数の非形成領域のユニット長手方向における長さの総和は、280mmである。つまり、比較例において、複数の形成領域ユニット長手方向における長さの総和は、複数の非形成領域のユニット長手方向における長さの総和と同等か、それよりも短い。
本願発明者は、実施例に係る冷却装置及び比較例に係る冷却装置において、公知のブロワ(負圧生成装置33)を作動させ、吸気空間Ss内に生成される負圧(静圧)の条件振りを行った。より具体的には、本願発明者は、所定の負圧を得るために、インバータ(インバータ装置37)を用いて、モータ(モータ36)に送られる信号の周波数を切り換えた。信号の周波数は、モータの回転軸の回転数に比例する。本願発明者は、各条件において、糸走行空間Sの入口59近傍の風速の時間平均値(平均風速)及びブロワの消費電力値を取得した(図8参照)。冷却風の風速は、日本カノマックス株式会社製の風速計であるアネモマスター(同社の登録商標)を用いて計測された。より具体的には、風速計のプローブの先端部は、糸走行空間Sのユニット長手方向における中央部の近傍に配置された。ブロワの消費電力の情報は、上記インバータを用いて取得された。吸気空間Ssの負圧の大きさは、公知の圧力計を用いて計測された。図8には、実施例及び比較例について、上記負圧の絶対値(単位はkPa)、上記周波数(単位はHz)、上記平均風速(単位はm/s)及び上記消費電力(単位はkW)が示されている。以下、負圧の値は絶対値で示されている。当該絶対値が大きいほど、ブロワによる吸引力は強くなる。
負圧の設定値は、実施例及び比較例の両方において、0.3kPa、0.6kPa及び1.0kPaの3条件の間で切り換えられた。負圧の設定値が大きくなるほど、上述した周波数が大きくなった(つまり、モータの回転軸の回転数が大きくなった)。なお、負圧が大きくなると、実施例と比較例との間で、当該周波数の差が徐々に大きくなった。具体的には、負圧の設定値が0.3kPaのとき、実施例における周波数及び比較例における周波数は、いずれも22Hzであった。一方、負圧の設定値が1.0kPaのとき、実施例における周波数は42Hzであり、比較例における周波数は46Hzであった。すなわち、実施例においては、比較例と比べてモータの回転軸の回転数が小さくても、同じ大きさの負圧を生成できるという結果が得られた。この結果によれば、実施例に係る冷却装置においては、上述した第1の構成及び第2の構成によって圧力損失が低減したことが原因で、モータへの負荷が少なくなったと推定される。
図9のグラフにおいては、図8の表に基づいて、実施例及び比較例における平均風速と負圧との関係が示されている。横軸が負圧を示し、縦軸が平均風速を示している。負圧の設定値が0.3kPaのとき、比較例における平均風速が0.96m/sであり、実施例における平均風速が1.77m/sであった。負圧の設定値が0.6kPaのとき、比較例における平均風速が1.19m/sであり、実施例における平均風速が2.57m/sであった。負圧の設定値が1.0kPaのとき、比較例における平均風速が1.35m/sであり、実施例における平均風速が3.07m/sであった。それぞれの負圧の条件において、実施例における平均風速は、比較例における平均風速の約2倍であった。これにより、実施例において、大きな風速が得られる(すなわち、冷却効率が向上する)ことが分かった。
なお、上述したように、実施例に係る冷却装置において、負圧の設定値が0.3kPaのときの平均風速は1.77m/sである。この値は、比較例に係る冷却装置において、負圧の設定値が1.0kPaのときの平均風速(1.35m/s)よりも大きい。このように、実施例においては、負圧が小さくても非常に大きな風速が得られた(すなわち、冷却効率が大きく向上した)。
図10のグラフにおいては、図8の表に基づいて、実施例及び比較例における消費電力と平均風速との関係が示されている。横軸が平均風速を示し、縦軸がブロワ(特に、モータ)の消費電力を示している。例えば、比較例においては、1.35m/sの風速を得るために必要な消費電力が、3.05kWである。このときの上記周波数は46Hzである。これに対し、実施例においては、1.77m/sの風速を得るために必要な消費電力が、わずか0.34kWである。このときの上記周波数は22Hzである。つまり、実施例においては、従来と同程度の風速を得るために必要な消費電力が、従来と比べて約90%近く削減されている。一般的に、回転軸の回転数を変更可能なモータの消費電力は、当該回転数の3乗に比例することが知られている。したがって、このように顕著な消費電力の低減効果が得られた(すなわち、冷却効率が大きく向上した)と考えられる。
以上のように、実施例に係る冷却装置において、負圧を大きくしなくても、風速を大きくすることができ、且つ、消費電力を低減できることが分かった。これらの効果は、いずれも、冷却効率の向上を意味する。なお、実施例においては壁面高さが27mmに設定されたが、壁面高さが従来の34mmよりも低ければ(例えば、30mm以下であれば)、冷却効率が大きく向上すると見込まれる。また、当該高さが27mmよりも低ければ、さらに冷却効率が向上すると見込まれる。
次に、第2の評価の内容及び結果について説明する。本願発明者は、冷却装置14が、第1の構成(壁面高さが30mm以下)及び第2の構成(形成領域R1の上記長さの総和が、非形成領域R2の上記長さの総和よりも長い)のうち一方のみを有する場合にも、冷却効率が向上するか否か評価した。本願発明者は、以下の4種類の冷却装置を準備した。第1の種類の冷却装置は、上述した実施例に係る冷却装置であり、第1の構成及び第2の構成の両方を有する。第2の種類の冷却装置は、第1の構成(ここでは、壁面高さが27mm)のみを有する。つまり、第2の種類の冷却装置において、形成領域R1の上記長さの総和は、上述した比較例と同様である。第3の種類の冷却装置は、第2の構成のみを有する。つまり、第3の種類の冷却装置において、壁面高さは、上述した比較例と同様である。第4の種類の冷却装置は、上述した比較例に係る冷却装置である。
本願発明者は、吸気空間Ssの負圧を一定の条件に設定し、第1~第4の種類の冷却装置のそれぞれについて、冷却風の風速の情報を得た。その結果が、図11の棒グラフに示されている。縦軸は、風速を示している。概要として、第1~第3の種類の冷却装置のいずれにおいても、比較例と比べて大きな風速(つまり、高い冷却効率)が得られた。つまり、上述した第1の構成及び第2の構成のうち少なくとも一方を有していれば、冷却効率を向上させることが可能であることが分かった。
以上のように、一対のユニット壁面55の各々の高さ方向における長さ(壁面高さ)が30mm以下である。これにより、冷却風が流れる流路が短くなる。このため、流路抵抗を小さくし、圧力損失を低減することができるので、大きな風速を得ることができる。したがって、糸Yの冷却効率を向上させることができる。
また、形成領域R1のユニット長手方向における長さの総和が、非形成領域R2のユニット長手方向における長さの総和よりも長い。これにより、吸気スリット38の断面積(つまり、開口面積)を大きくすることができる。このため、流路抵抗を小さくし、圧力損失を低減することができるので、大きな風速を得ることができる。したがって、糸Yの冷却効率を向上させることができる。
また、一対のユニット壁面55のうち幅方向において互いに向かい合っている部分の幅方向における間隔Gは、1mm以下である。一般的に、流体の流量が同じであれば、流路の断面積が小さいと流体の流速が速くなる。但し、流路の幅が狭すぎると、流路を形成する壁面による圧力損失が大きくなり、流体の流量は少なくなってしまう。この点、本実施形態においては、壁面高さを低くすることにより一対のユニット壁面55による圧力損失を低減できる。このため、間隔Gを小さくしても、これによる圧力損失の増加を抑制できる。したがって、糸走行空間Sの、高さ方向に直交する断面の面積を小さくすることができ、風速をさらに速くすることができる。
また、冷却ユニット31は、1以上の糸ガイド58を有する。当該糸ガイド58により糸Yの高さ方向における他方側への移動を規制できるため、糸Yが吸気ダクト32に入り込むことを抑制できる。さらに、糸ガイド58が高さ方向において吸気ダクト32から遠い位置に配置されているため、糸Yを高さ方向において全体的に吸気ダクト32から遠ざけることができる。したがって、糸Yが吸気空間Ssに入り込んでしまうことを確実に防止できる。
また、本実施形態では、糸Yを接触体56a及び接触体56bに交互に接触させながら走行させることができる。これにより、糸Yの幅方向における移動が規制される。また、冷却風によって冷却された接触体56a又は接触体56bに糸Yが接触することによって、糸Yをさらに効果的に冷却できる。
また、負圧生成装置33によって、糸走行空間Sから吸気空間Ssに向かう冷却風が生成される。一般的に、糸Yには、糸Yをスムーズに走行させるための油剤が付与されている。このため、例えばダクト内空間から糸走行空間Sに向かって冷却風が供給される構成では、油剤が外部空間(より具体的には作業空間Sw)に飛散するおそれがある。この点、本実施形態では、冷却風が吸気空間Ssに吸い込まれるため、油剤の飛散の問題を回避できる。
また、負圧生成装置33は、羽根車35と、モータ36と、インバータ装置37とを有する。冷却効率が向上した冷却装置14において、インバータ装置37によってモータ36の回転軸の回転数を従来よりも少なくすることにより、所望の風速を得つつ、負圧生成装置33の消費電力を大きく削減できる。
また、冷却装置14によって糸Yを効率的に冷却しつつ、冷却装置14の小型化及び/又は消費電力の低減を図ることができる。仮撚加工機1によって加工される糸Yの良好な品質を確保しつつ、したがって、仮撚加工機1全体の小型化及び/又は消費電力の低減を図ることができる。
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(1)前記実施形態において、一対のユニット壁面55のうち幅方向において互いに向かい合っている部分の幅方向における間隔Gは、1mm以下であるものとした。しかしながら、これには限られない。間隔Gが、1mmよりも大きくても良い。
(2)前記までの実施形態において、冷却ユニット31は接触体56a及び接触体56bを有するものとした。しかしながら、これには限られない。接触体56a及び接触体56bは、必ずしも設けられていなくても良い。
(3)前記までの実施形態において、高さ方向において、1以上の糸ガイド58の一方側の端は、一対のユニット壁面55の中央よりも一方側に配置されているものとした。しかしながら、これには限られない。1以上の糸ガイド58の一方側の端が、一対のユニット壁面55の中央よりも他方側に配置されていても良い。
(4)前記までの実施形態において、冷却ユニット31は1以上の糸ガイド58を有するものとした。しかしながら、これには限られない。糸ガイド58は、必ずしも設けられていなくても良い。このような構成においては、糸ガイド58を設けるための領域を確保する必要がない。したがって、上述した壁面高さは、10mmよりも低くても良い。壁面高さは、例えば、5mmであっても良い。なお、このような構成においては、糸Yが吸気空間Ssに吸い込まれてしまうことを防止するために、何らかの工夫が施されていることが好ましい。
(5)前記までの実施形態において、冷却ユニット31はスペーサ57を有するものとした。しかしながら、これには限られない。スペーサ57の代わりに、位置決め部材(不図示)によって、ユニット壁面55aとユニット壁面55bとの幅方向における位置関係が規定されても良い。
(6)前記までの実施形態において、冷却ユニット31は、板金加工された一対のユニット壁プレート51を有するものとした。しかしながら、これには限られない。本発明の一対のユニット壁部に相当する構成として、一対のユニット壁プレート51の代わりに、例えば、切削加工された一対のブロック部材(不図示)が設けられていても良い。一対のユニット壁面55に相当する一対の壁面が、一対のブロック部材に形成されていても良い。この場合、当該一対の壁面は、一対のユニット壁面55のように湾曲面を有さず、ユニット長手方向に直交する断面において略直線状になるように形成されていても良い。
或いは、一対のユニット壁面55に相当する一対の壁面は、例えば1つのブロック状の部材を切削加工することにより形成されていても良い。この場合、上述したスペーサ57又は位置決め部材(不図示)は、設けられていなくても良い。
或いは、一対のユニット壁面55に相当する一対の壁面は、例えば、ダクト壁部34の一部を切削加工することにより形成されていても良い。この場合、壁面高さはさらに低くても良い。壁面高さは、例えば、1mmであっても良い。この場合も、スペーサ57又は位置決め部材(不図示)は、設けられていなくても良い。
(7)前記までの実施形態において、1つの冷却ユニット31に対応して、ダクト壁部34に複数の吸気スリット38が設けられているものとした。しかしながら、これには限られない。例えば、1つの冷却ユニット31に対応して、1つの細長い吸気スリット(不図示)が設けられていても良い。さらに、当該1つの吸気スリットは、ユニット長手方向において、壁面配置領域Rの全体に亘って形成されていても良い。このような構成も、本発明の「1以上の形成領域の長さの総和が、1以上の形成領域を除く領域の長さの総和よりも長い」構成に含まれる。
(8)前記までの実施形態において、負圧生成装置33は、交流モータであるモータ36と、インバータ装置37とを有するものとした。しかしながら、これには限られない。モータ36の代わりに、例えば不図示の直流モータが設けられていても良い。その上で、直流モータに印加される電圧の大きさを変更することによって、モータの回転軸の回転数が変更されても良い。
(9)前記までの実施形態において、負圧生成装置33は、モータ36(又は不図示の直流モータ)の回転軸の回転数を変更可能に構成されているものとした。しかしながら、これには限られない。負圧生成装置33は、例えば、羽根車に動力が伝達される伝達方向において、回転軸と羽根車35との間に配置された動力伝達機構(不図示)を有していても良い。動力伝達機構は、例えば、不図示の複数のギアを有しており、ギア比を切換可能に構成されていても良い。このような構成によって、羽根車35の回転数が切り換えられることにより、生成される負圧の大きさが変更されても良い。
(10)前記までの実施形態において、負圧生成装置33は、ブロワであるものとした。しかしながら、これには限られない。本発明の負圧生成装置として、例えば不図示のファン又は不図示のアスピレータが設けられていても良い。
(11)前記までの実施形態において、負圧生成装置33によって吸気空間Ss(ダクト内空間)に負圧を発生させることにより、糸走行空間Sに冷却風が供給されるものとした。しかしながら、これには限られない。負圧生成装置33の代わりに、ダクト内空間に正圧(冷却装置14の外側の空間の気圧よりも高い圧力)を発生させる装置が設けられていても良い。この場合、ダクト内空間から糸走行空間Sに向かって冷却風が供給される。この場合にも、流路抵抗を小さくすることによって圧力損失を低減できる。なお、このような構成においては、冷却風が作業空間Swに向かって噴き出る。冷却風が作業空間Swに向かって噴き出ると、上述したように、油剤が作業空間Swに飛散するおそれがある。したがって、このような構成においては、作業空間Swへの油剤の飛散を防止するように構成された飛散防止装置(不図示)が設けられていると良い。
(12)上述した冷却装置14は、仮撚加工機1に限らず、他の構成を有する公知の仮撚加工機(不図示)にも適用可能である。例えば、本発明は、特開2009-74219号公報に記載の仮撚加工機(不図示)に適用されても良い。当該仮撚加工機は、2本の糸を合糸して1本の糸を形成することが可能に構成されている。当該仮撚加工機は、合糸された1本の糸又は合糸されていない2本の糸を単一のクレードルに巻き取ることが可能に構成されている。例として、このような仮撚加工機に本発明が適用されても良い。或いは、冷却装置14は、仮撚加工機の他に、例えば公知のエア加工機(不図示)等、糸(不図示)を走行させながら加工する糸加工機にも適用可能である。
1 仮撚加工機(糸加工機)
11 第1フィードローラ(糸送り装置)
14 冷却装置
15 仮撚装置(糸変形付与装置)
31 冷却ユニット
31A 冷却ユニット
32 吸気ダクト(ダクト)
33 負圧生成装置
34 ダクト壁部
35 羽根車
36 モータ
37 インバータ装置(回転数変更部)
38 吸気スリット(スリット)
51 ユニット壁プレート(ユニット壁部)
51a ユニット壁プレート(ユニット壁部)
51b ユニット壁プレート(ユニット壁部)
55 ユニット壁面
55a ユニット壁面
55b ユニット壁面
56a 接触体(第1接触部)
56b 接触体(第2接触部)
58 糸ガイド
G 間隔
R 壁面配置領域
R1 形成領域
R2 非形成領域
S 糸走行空間
Ss 吸気空間(ダクト内空間)
Y 糸
仮撚りが施された糸Yは、第2フィードローラ16と第3フィードローラ18との間で弛緩されながら、交絡装置17によって交絡が付与された後、糸走行方向下流側へ案内される。さらに、糸Yは、第3フィードローラ18と第4フィードローラ20との間で弛緩されながら、第2加熱装置19で熱処理される。最後に、第4フィードローラ20から送られた糸Yは、巻取装置21によって巻き取られる。
次に、第2の構成について説明する。ユニット長手方向において、一対のユニット壁面55が配置された領域を、説明の便宜上、壁面配置領域R(図4参照)と呼ぶ。ユニット長手方向において、壁面配置領域R内で、ダクト壁部34のうち複数の吸気スリット38が形成された複数の領域を、説明の便宜上、形成領域R1(図7参照)と呼ぶ。また、ユニット長手方向において、壁面配置領域R内で、形成領域R1を除く複数の領域を、説明の便宜上、非形成領域R2(図7参照)と呼ぶ。ユニット長手方向において、複数の形成領域R1の長さの総和は、非形成領域R2の長さの総和よりも長い(図4(b)参照)。言い換えると、ユニット長手方向において、複数の形成領域R1の長さの総和は、壁面配置領域Rの長さの半分よりも長い。これにより、複数の吸気スリット38の断面積(つまり、開口面積)の総和を大きくすることができる。このため、複数の吸気スリット38における流路抵抗を小さくし、圧力損失を低減することにより、冷却風の風速を速くすることができる。

Claims (10)

  1. 走行している糸を冷却風によって冷却するように構成された冷却装置であって、
    前記糸が走行する糸走行空間が所定の長さ方向に延びるように形成された冷却ユニットと、
    前記糸走行空間と接続されたダクト内空間が形成されたダクトと、を備え、
    前記ダクトは、
    前記冷却風が流れる流動方向において前記糸走行空間と前記ダクト内空間との間に配置され且つ前記長さ方向に沿って延びた1以上のスリット、が形成されたダクト壁部を有し、
    前記冷却ユニットは、前記長さ方向と直交する高さ方向において前記ダクト壁部の一方側に配置された一対のユニット壁部を有し、
    前記一対のユニット壁部は、前記長さ方向及び前記高さ方向の両方と直交する幅方向において、前記糸走行空間を隔てて互いに反対側に配置された一対のユニット壁面を有し、
    前記一対のユニット壁面の各々の前記高さ方向における長さは、30mm以下であることを特徴とする冷却装置。
  2. 走行している糸を冷却風によって冷却するように構成された冷却装置であって、
    前記糸が走行する糸走行空間が所定の長さ方向に延びるように形成された冷却ユニットと、
    前記糸走行空間と接続されたダクト内空間が形成されたダクトと、を備え、
    前記ダクトは、
    前記冷却風が流れる流動方向において前記糸走行空間と前記ダクト内空間との間に配置され且つ前記長さ方向に沿って延びた1以上のスリット、が形成されたダクト壁部を有し、
    前記冷却ユニットは、前記長さ方向と直交する高さ方向において前記ダクト壁部の一方側に配置された一対のユニット壁部を有し、
    前記一対のユニット壁部は、前記長さ方向及び前記高さ方向の両方と直交する幅方向において、前記糸走行空間を隔てて互いに反対側に配置された一対のユニット壁面を有し、
    前記長さ方向において、前記一対のユニット壁面が配置された壁面配置領域内で、前記ダクト壁部のうち前記1以上のスリットが形成された1以上の形成領域の長さの総和が、前記1以上の形成領域を除く領域の長さの総和よりも長いことを特徴とする冷却装置。
  3. 前記長さ方向において、前記一対のユニット壁面が配置された壁面配置領域内で、前記ダクト壁部のうち前記1以上のスリットが形成された1以上の形成領域の長さの総和が、前記1以上の形成領域を除く領域の長さの総和よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  4. 前記一対のユニット壁面のうち前記幅方向において互いに向かい合っている部分の、前記幅方向における間隔は、1mm以下であることを特徴とする請求項1又は3に記載の冷却装置。
  5. 前記冷却ユニットは、
    前記糸走行空間の中に配置され、前記糸の前記高さ方向における他方側への移動を規制するように構成された1以上の糸ガイドを有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の冷却装置。
  6. 前記高さ方向において、前記1以上の糸ガイドの前記一方側の端は、前記一対のユニット壁面の中央よりも前記一方側に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の冷却装置。
  7. 前記冷却ユニットは、
    前記一対のユニット壁面の一方の一部に設けられた、前記糸を接触させるための第1接触部と、
    前記一対のユニット壁面の他方の一部に設けられ、且つ、前記長さ方向において前記第1接触部と異なる位置に配置された、前記糸を接触させるための第2接触部と、を有することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の冷却装置。
  8. 前記ダクト内空間に負圧を発生させるように構成された負圧生成装置を備えることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の冷却装置。
  9. 前記負圧生成装置は、
    回転するように構成された羽根車と、前記羽根車を回転駆動するように構成されたモータと、前記モータの回転軸の回転数を変更することが可能に構成された回転数変更部と、を有することを特徴とする請求項8に記載の冷却装置。
  10. 請求項1~9のいずれかに記載の冷却装置と、
    前記糸に変形を付与するように構成された糸変形付与装置と、
    前記冷却装置及び前記糸変形付与装置に前記糸を送るように構成された、前記糸を走行させるための糸送り装置と、を備え、
    前記糸を走行させながら加工するように構成されていることを特徴とする糸加工機。
JP2021115543A 2021-07-13 2021-07-13 冷却装置、及び糸加工機 Pending JP2023012097A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021115543A JP2023012097A (ja) 2021-07-13 2021-07-13 冷却装置、及び糸加工機
CN202210677567.7A CN115613174A (zh) 2021-07-13 2022-06-15 冷却装置以及丝线加工机
TW111123832A TW202302949A (zh) 2021-07-13 2022-06-27 冷卻裝置以及絲線加工機
EP22181535.0A EP4119707A3 (en) 2021-07-13 2022-06-28 Cooler and yarn processor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021115543A JP2023012097A (ja) 2021-07-13 2021-07-13 冷却装置、及び糸加工機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023012097A true JP2023012097A (ja) 2023-01-25

Family

ID=82608306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021115543A Pending JP2023012097A (ja) 2021-07-13 2021-07-13 冷却装置、及び糸加工機

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP4119707A3 (ja)
JP (1) JP2023012097A (ja)
CN (1) CN115613174A (ja)
TW (1) TW202302949A (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11107084A (ja) * 1997-10-01 1999-04-20 Toray Eng Co Ltd 仮撚加工機
JP4486115B2 (ja) 2007-08-30 2010-06-23 Tmtマシナリー株式会社 糸巻取装置、及び仮撚加工機
JP2011047074A (ja) 2009-08-27 2011-03-10 Tmt Machinery Inc 仮撚加工機
CN105401280B (zh) * 2014-09-04 2019-04-23 日本Tmt机械株式会社 假捻加工机
JP6407749B2 (ja) * 2015-02-06 2018-10-17 Tmtマシナリー株式会社 合糸仮撚加工機

Also Published As

Publication number Publication date
EP4119707A3 (en) 2023-04-05
TW202302949A (zh) 2023-01-16
EP4119707A2 (en) 2023-01-18
CN115613174A (zh) 2023-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI425127B (zh) Clamp type false twisting device
JP2011047074A (ja) 仮撚加工機
JP5599286B2 (ja) 仮撚加工機
JP6914664B2 (ja) 仮撚加工機
JPH0224933B2 (ja)
JP2023012097A (ja) 冷却装置、及び糸加工機
JP2007277751A (ja) 仮撚加工機
TWI822994B (zh) 假撚加工機
TWI825311B (zh) 假撚加工機
JP2007308833A (ja) 合糸仮撚加工機
EP4102934B1 (en) Heater and yarn processor
JP3826291B2 (ja) 紡績機械及び紡績方法
JP2022189739A (ja) 仮撚加工機
JP2024079595A (ja) 糸加熱装置及び仮撚加工機
JP2024078822A (ja) 糸加熱装置
JP2004060104A (ja) 仮撚機の冷却装置
JP2024079612A (ja) 糸加熱装置
AU721962B2 (en) Reducing end breaks in the spinning or twisting of yarn
JP2002294527A (ja) 合糸仮撚加工機
JPS61194232A (ja) 仮撚加工機
JP2001295150A (ja) 延伸仮撚機における糸条加熱装置
JPS5947734B2 (ja) 仮撚加工装置
JPH01132836A (ja) 結束紡績糸を製造する方法
JPH08284041A (ja) 繊維機械における糸加工装置
JPH09273034A (ja) 合成繊維糸条の熱処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220610

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240318