JP2020155618A - 基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スループットを向上させつつ処理液の温度に起因する基板処理のばらつきの増大を抑制することが可能な基板処理装置を提供する。【解決手段】現像液供給源1から供給される現像液が配管p2を通してバッファタンクBT1に貯留される。配管p2のうち少なくとも一部においては、その内部を流れる現像液の温度が現像処理のために予め設定された設定温度に一致するかまたは近づくように調整される。バッファタンクBT1に貯留された現像液が配管p1を通して現像ユニットSDに供給される。バッファタンクBT1においては、その内部に貯留された現像液の温度が設定温度に一致するかまたは近づくように調整される。現像ユニットSDにおいては、供給された現像液を用いて基板Wに現像処理が行われる。【選択図】図1

Description

本発明は、基板に所定の処理を行う基板処理装置に関する。
従来より、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等の各種基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられる。
基板処理装置は、例えば基板に現像処理を行う現像装置を含む。現像処理においては、基板上の露光処理後のレジスト膜に現像液が供給される。現像処理により基板上に形成されるレジスト膜のパターンの線幅は、現像液の温度に依存して変化する。そこで、パターンの線幅のばらつきの増大を防止するために、基板に供給される現像液の温度を予め定められた設定温度に調整する現像装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載された現像装置においては、現像液供給源から現像液バッファタンクに現像液が供給される。現像液バッファタンクに貯留された現像液が現像液配管を通して現像液吐出ノズルに供給される。このとき、現像液配管を流れる現像液の温度が、現像液配管を取り囲むように設けられた恒温水配管を流れる恒温水により調整される。
特開2000−182926号公報
現像処理では、1枚の基板に対して比較的多量の現像液が供給される。そのため、現像処理のスループットを向上させると、現像装置において単位時間当たりに使用されるべき現像液の消費量が増加する。この場合、現像液バッファタンクから現像液吐出ノズルに供給される現像液の温度を迅速に調整しなければならない。しかしながら、特許文献1に記載された現像装置では、求められる現像液の消費量に対して十分な温度調整能力が得られるとは限らない。
特に、現像液バッファタンクに貯留される現像液の温度は、現像液の供給源から現像液バッファタンクに至る現像液の経路の周囲の温度に依存する。そのため、季節の変化等により現像液の経路の周囲の温度が設定温度から大きくずれると、現像液の温度調整が困難になる。
本発明の目的は、スループットを向上させつつ処理液の温度に起因する基板処理のばらつきの増大を抑制することが可能な基板処理装置を提供することである。
(1)本発明に係る基板処理装置は、処理液を用いて基板に所定の処理を行う処理部と、処理部に処理液を供給する処理液供給系と、処理液供給系において処理液の温度を調整する調整部とを備え、処理液供給系は、処理液を貯留する第1の貯留部と、第1の貯留部から処理部に至る第1の処理液流路と、処理液供給源から供給される処理液を第1の貯留部に供給する第2の処理液流路とを含み、調整部は、所定の処理を行うために設定された設定温度に一致するかまたは近づくように、第1の貯留部に貯留された処理液の温度を調整する第1の温度調整装置と、設定温度に一致するかまたは近づくように、第2の処理液流路のうち少なくとも一部を流れる処理液の温度を調整する第2の温度調整装置とを含む。
その基板処理装置においては、処理液供給源から供給される処理液が第2の処理液流路を通して第1の貯留部に貯留される。第2の処理液流路のうち少なくとも一部においては、その内部を流れる処理液の温度が設定温度に一致するかまたは近づくように調整される。また、第1の貯留部に貯留された処理液が第1の処理液流路を通して処理部に供給される。第1の貯留部においては、その内部に貯留された処理液の温度が設定温度に一致するかまたは近づくように調整される。処理部においては、処理液を用いて基板に所定の処理が行われる。
上記の構成によれば、処理液供給源から処理部に至る処理液供給経路において、第1および第2の温度調整装置により段階的に処理液の温度調整が行われる。それにより、第1および第2の温度調整装置のうちいずれか一方のみが用いられる場合に比べて、処理液の温度調整能力が向上する。また、第1および第2の温度調整装置を個別に制御することにより、段階的な処理液の温度調整をより適切に行うことが可能である。これにより、基板処理装置の周囲の温度等に起因して処理液の温度が設定された温度からずれることを抑制することができる。
これらの結果、スループットを向上させつつ処理液の温度に起因する基板処理のばらつきの増大を抑制することが可能になる。
(2)第1の温度調整装置は、設定温度に一致するかまたは近づくように、第1の処理液流路のうち少なくとも一部を流れる処理液の温度をさらに調整してもよい。
この場合、第1の処理液流路のうち少なくとも一部を流れる処理液の温度が設定温度に一致するかまたは近づく。それにより、処理液の温度が設定温度からずれることに起因する基板処理のばらつきの増大がさらに抑制される。
(3)基板処理装置は、処理液供給源から供給される処理液を貯留する第2の貯留部をさらに備え、第2の処理液流路は、第2の貯留部と第1の貯留部とをつなぐように設けられ、第2の温度調整装置は、設定温度に一致するかまたは近づくように、第2の貯留部に貯留された処理液の温度をさらに調整してもよい。
この場合、第2の貯留部に貯留される処理液の温度が設定温度に一致するかまたは近づく。それにより、処理液の温度が設定温度からずれることに起因する基板処理のばらつきの増大がさらに抑制される。
(4)基板処理装置は、処理部および第1の貯留部を含む主本体部と、主本体部とは別体として配置され、第2の貯留部を含む副本体部とを備えてもよい。
この場合、第1および第2の貯留部において独立して処理液の温度を調整することができる。したがって、処理部に供給される処理液の温度を適切に調整することができる。
(5)主本体部と副本体部とは互いに離間するように設けられ、第2の処理液流路の少なくとも一部は、主本体部と副本体部との間の部分を含んでもよい。
この場合、第2の処理液流路のうち主本体部と副本体部との間に位置する部分を流れる処理液の温度が調整される。それにより、第2の処理液流路を流れる処理液が主本体部および副本体部の外部の温度の影響を受けることが抑制される。
(6)主本体部は、下降気流が形成された空間内に設けられ、第1の貯留部は、処理部よりも上方に設けられてもよい。
この場合、処理部において発生する熱は下降気流により下方に流れる。それにより、第1の貯留部に貯留される処理液が処理部で発生する熱の影響を受けることが抑制される。
(7)基板処理装置は、主本体部を収容する第1の収容室と、副本体部を収容する第2の収容室とをさらに備えてもよい。
この場合、第2の処理液流路が長くなる場合でも、第2の処理液流路のうち少なくとも一部を流れる処理液の温度が調整される。したがって、レイアウトの自由度が確保されつつ、基板処理のばらつきの増大が抑制される。
(8)所定の処理は現像処理を含み、処理部は、処理液として現像液を基板に供給する現像装置を含んでもよい。
この場合、より高い精度で基板に現像処理が行われる。
本発明によれば、スループットを向上させつつ処理液の温度に起因する基板処理のばらつきの増大を抑制することが可能になる。
本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成を示す模式的ブロック図である。 図1の第1および第2の温度調整部の構成の一例を示す図である。 図1の基板処理装置に示される各構成要素のレイアウトの一例を示す模式的平面図である。 図3の基板処理装置の模式的側面図である。 他の実施の形態に係る基板処理装置の構成を示す模式的ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態に係る基板処理装置について図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、基板とは、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。
[1]基板処理装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成を示す模式的ブロック図である。図1に示すように、基板処理装置100は、クリーンルームCL内で露光装置500に隣接して設けられ、装置本体部200および薬液キャビネット300を備える。装置本体部200および薬液キャビネット300は互いに別体として設けられる。
装置本体部200は、制御装置210、塗布処理部220、現像処理部230、複数の熱処理部240、複数の搬送部250、第1の温度調整部260および複数のバッファタンクBT1を含む。また、薬液キャビネット300は、第2の温度調整部310および一のバッファタンクBT2を含む。
制御装置210は、例えばCPUおよびメモリ、またはマイクロコンピュータを含み、塗布処理部220、現像処理部230、熱処理部240、搬送部250、第1の温度調整部260および第2の温度調整部310の動作を制御する。
装置本体部200は複数の搬送部250を含み、各搬送部250は基板Wを搬送する搬送ロボットを有する。複数の搬送部250は、基板Wを装置本体部200の外部に設けられる他の搬送ロボット、塗布処理部220、現像処理部230、熱処理部240および露光装置500の間で搬送する。
塗布処理部220は、複数の塗布ユニットを含む。各塗布ユニットは、未処理の基板Wの一面上にレジスト膜を形成する(塗布処理)。レジスト膜が形成された塗布処理後の基板Wには、露光装置500において露光処理が行われる。
現像処理部230は、複数の現像ユニットSDを含む。各現像ユニットSDは、スピンチャック91および現像ノズル92を含む。スピンチャック91は、露光装置500による露光処理後の基板Wを水平姿勢で回転可能に保持する。現像ノズル92には、基板処理装置100の外部に設けられる現像液供給源1から、複数の配管p1,p2,p3および複数のバッファタンクBT1,BT2を通して現像液が供給される。現像ノズル92は、供給された現像液をスピンチャック91により保持された基板Wの上面に吐出する(現像処理)。
この現像処理に関して、基板処理装置100においては基板Wに供給されるべき現像液の温度が予め設定される。この設定は例えば使用者が図示しない操作部を操作することにより行われる。設定内容は制御装置210に記憶される。以下の説明では、基板Wに供給されるべき予め設定された現像液の温度を設定温度と呼ぶ。本実施の形態では、基板処理装置100において処理される複数の基板Wについて共通の温度が設定されているものとする。
装置本体部200は複数の熱処理部240を含む。複数の熱処理部240は、塗布処理部220による塗布処理、現像処理部230による現像処理、および露光装置500による露光処理の前後に基板Wの熱処理を行う。
なお、塗布処理部220は、基板Wに反射防止膜を形成してもよい。この場合、熱処理部240には、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるための密着強化処理を行うための処理ユニットが設けられてもよい。また、塗布処理部220は、基板W上に形成されたレジスト膜を保護するためのレジストカバー膜を基板Wに形成してもよい。
現像ユニットSDに現像液を供給する現像液供給系に関して、図1の例においては、現像液供給源1と薬液キャビネット300のバッファタンクBT2との間に、配管p3が設けられている。配管p3は、現像液供給源1からバッファタンクBT2に現像液を流通させる。それにより、現像液供給源1から薬液キャビネット300に流入する現像液がバッファタンクBT2に一時的に貯留される。
また、薬液キャビネット300のバッファタンクBT2と装置本体部200の複数のバッファタンクBT1との間に、複数の配管p2が設けられている。複数の配管p2は、バッファタンクBT2から複数のバッファタンクBT1に現像液をそれぞれ流通させる。それにより、薬液キャビネット300から装置本体部200に流入する現像液が複数のバッファタンクBT1に一時的に貯留される。
複数のバッファタンクBT1は、現像処理部230に設けられる複数の現像ユニットSDにそれぞれ対応する。装置本体部200においては、各バッファタンクBT1とそのバッファタンクBT1に対応する現像ユニットSDとの間に、配管p1が設けられている。各配管p1は、バッファタンクBT1から現像ノズル92に現像液を流通させる。
なお、複数のバッファタンクBT1,BT2および複数の配管p1〜p3のうち少なくとも一部には、複数の現像ノズル92における現像液の供給状態を制御するための流体関連機器(図示せず)が設けられる。
第1の温度調整部260は、図1に点線の矢印で示すように、複数のバッファタンクBT1にそれぞれ貯留された現像液の温度を、設定温度に一致するかまたは近づくように調整する。また、第1の温度調整部260は、図1に点線の矢印およびハッチングで示すように、複数の配管p1を流れる現像液の温度を、設定温度に一致するかまたは近づくように調整する。なお、第1の温度調整部260は、各配管p1の一部を流れる現像液の温度を調整してもよい。あるいは、第1の温度調整部260は、複数のバッファタンクBT1内の現像液の温度を調整し、複数の配管p1を流れる現像液の温度を調整しなくてもよい。
第2の温度調整部310は、図1に点線の矢印およびドットパターンで示すように、複数の配管p2を流れる現像液の温度を、設定温度に一致するかまたは近づくように調整する。なお、第2の温度調整部310は、各配管p2の一部を流れる現像液の温度を調整してもよい。また、第2の温度調整部310は、図1に点線の矢印で示すように、バッファタンクBT2に貯留された現像液の温度を、設定温度に一致するかまたは近づくように調整する。なお、第2の温度調整部310は、複数の配管p2を流れる現像液の少なくとも一部の温度を調整し、バッファタンクBT2に貯留された現像液の温度を調整しなくてもよい。
[2]第1の温度調整部260および第2の温度調整部310の構成
図2は、図1の第1および第2の温度調整部260,310の構成の一例を示す図である。図2では、図1の配管p1,p2,p3が太い実線で示される。また、図2では、図1の装置本体部200と薬液キャビネット300との境界部分が一点鎖線で示される。
図2に示すように、第1の温度調整部260は、恒温槽c1、循環装置c2および循環配管L1を含む恒温水循環系を備える。恒温槽c1には、例えば上記の設定温度に保たれた恒温水が貯留される。また、恒温槽c1には、恒温水の温度を調整する温度調整装置(図示せず)が設けられている。循環配管L1の一端および他端は恒温槽c1に接続されている。循環配管L1には、ポンプ等の循環装置c2が設けられている。
循環配管L1の一部分lp1は、バッファタンクBT1の外表面の広い範囲に接触するように設けられている。なお、循環配管L1の一部分lp1は、バッファタンクBT1の外周面に代えて、バッファタンクBT1の内部を通過するように設けられてもよい。また、循環配管L1の他の部分lp2は、配管p1の一部を覆うように設けられる。これにより、配管p1を内管とし、循環配管L1の他の部分lp2を外管とする二重配管が形成される。配管p1の外周面と循環配管L1の内周面との間には、恒温水を流通させることが可能な空間が形成されている。
上記の構成においては、循環装置c2が動作することにより、図2に点線の矢印で示すように、恒温水が恒温槽c1および循環配管L1内を流通する。この場合、バッファタンクBT1内に貯留される現像液の温度が、バッファタンクBT1の外表面を通る恒温水により設定温度に一致するかまたは近づくように調整される。また、配管p1内に存在する現像液の温度が、配管p1の外周面を通る恒温水により設定温度に一致するかまたは近づくように調整される。
第2の温度調整部310は、第1の温度調整部260と同じ構成を有する。具体的には、第2の温度調整部310は、恒温槽c11、循環装置c12および循環配管L11を含む恒温水循環系を備える。恒温槽c11には、例えば上記の設定温度に保たれた恒温水が貯留される。また、恒温槽c11には、恒温水の温度を調整する温度調整装置(図示せず)が設けられている。循環配管L11の一端および他端は恒温槽c11に接続されている。循環配管L11には、循環装置c12が設けられている。
循環配管L11の一部分lp11は、バッファタンクBT2の外表面の広い範囲に接触するように設けられている。また、循環配管L11の他の部分lp12は、配管p2の一部を覆うように設けられる。これにより、配管p2を内管とし、循環配管L11の他の部分lp12を外管とする二重配管が形成される。循環装置c12が動作することにより、恒温水が恒温槽c11および循環配管L11内を流通する。この場合、バッファタンクBT2内に貯留される現像液の温度が、バッファタンクBT2の外表面を通る恒温水により設定温度に一致するかまたは近づくように調整される。また、配管p2内に存在する現像液の温度が、配管p2の外周面を通る恒温水により設定温度に一致するかまたは近づくように調整される。
ここで、第1の温度調整部260において使用される恒温水の温度と、第2の温度調整部310において使用される恒温水の温度とは互いに同じであってもよいし、互いに異なってもよい。例えば、現像液供給源1における現像液の温度(以下、現像液初期温度と呼ぶ。)が設定温度よりも高い場合を想定する。この場合、第1の温度調整部260において使用される恒温水の温度を設定温度とし、第2の温度調整部310において使用される恒温水の温度を現像液初期温度と設定温度との間の中間温度をしてもよい。この場合、現像液の段階的な温度調整をより適切に行うことが可能となる。
段階的に温度調整を行う場合、各温度調整部で調整すべき温度は、例えばバッファタンクBT1,BT2の容量および複数の配管p1,p2の長さ等に応じて適宜定めることが望ましい。
なお、図2の構成において、バッファタンクBT1および配管p1の一部には、現像液の温度を検出する温度センサが設けられてもよい。この場合、第1の温度調整部260は、温度センサにより検出される温度に基づいて、配管p1を流れる現像液の温度がより設定温度に近づくように恒温水の温度を変更してもよい。
また、図2の構成において、バッファタンクBT2および配管p2の一部にも、現像液の温度を検出する温度センサが設けられてもよい。この場合、第2の温度調整部310は、温度センサにより検出される温度に基づいて、配管p2を流れる現像液の温度がより設定温度に近づくように恒温水の温度を変更してもよい。
[3]基板処理装置100における複数のバッファタンクBT1のレイアウト
図3は図1の基板処理装置100に示される各構成要素のレイアウトの一例を示す模式的平面図であり、図4は図3の基板処理装置100の模式的側面図である。図3に示すように、基板処理装置100は露光装置500とともにクリーンルームCL内に設けられる。現像液供給源1は、クリーンルームCLの外部に配置される。
本例の装置本体部200は、4個のブロックB1,B2,B3,B4を備える。ブロックB1,B2,B3,B4は、この順で一方向に並ぶように設けられている。ブロックB4に隣り合うように露光装置500が設けられている。
ブロックB1は搬送部250を含む。ブロックB1において、搬送部250は基板Wの搬入搬出部として機能する。ブロックB2は、塗布処理部220、熱処理部240および搬送部250を含む。塗布処理部220と熱処理部240とは搬送部250を挟んで対向するように設けられる。ブロックB3は、現像処理部230、熱処理部240、搬送部250および第1の温度調整部260(図4)を含む。現像処理部230および第1の温度調整部260と熱処理部240とは搬送部250を挟んで対向するように設けられる。ブロックB4は搬送部250を含む。ブロックB4において、搬送部250はブロックB2,B3と露光装置500との間で基板の受け渡しを行う受渡部として機能する。
図4に示すように、クリーンルームCLには、グレーチングにより構成される床部FLが設けられている。それにより、クリーンルームCL内には、上部室と下部室が形成されている。図3および図4の例においては、基板処理装置100の装置本体部200は、第1の温度調整部260を含み、クリーンルームCL内の床部FL上に設けられている。すなわち、装置本体部200は上部室に収容されている。一方、薬液キャビネット300は、第2の温度調整部310を含み、クリーンルームCL内の床部FLの下方に設けられている。すなわち、薬液キャビネット300は下部室に収容されている。
ここで、装置本体部200に設けられる複数のバッファタンクBT1は、ブロックB3の上端部に設けられている。クリーンルームCLの内部には、図示しない気流発生装置により下降気流が形成されている。そのため、上記のように、複数のバッファタンクBT1が複数の現像ユニットSDよりも上方に設けられる場合には、複数のバッファタンクBT1の周辺の温度が、複数の現像ユニットSDから発生される熱の影響を受けにくい。それにより、複数のバッファタンクBT1に貯留される現像液が複数の現像ユニットSDから発生される熱の影響を受けることが抑制される。
図3および図4に示される基板処理装置100の例では、装置本体部200と薬液キャビネット300とは互いに離間するように設けられている。ここで、薬液キャビネット300から装置本体部200に現像液を供給する複数の配管p2は、装置本体部200と薬液キャビネット300との間に位置する。
この場合、第2の温度調整部310は、各配管p2のうち少なくとも装置本体部200と薬液キャビネット300との間に位置する部分の内部に存在する現像液の温度を調整することが望ましい。それにより、各配管p2内に存在する現像液が装置本体部200および薬液キャビネット300の外部、すなわちクリーンルームCL内の温度の影響を受けることが抑制される。
[4]効果
上記の基板処理装置100においては、現像液供給源1から供給される現像液が、配管p3、バッファタンクBT2および複数の配管p2を通して複数のバッファタンクBT1に貯留される。また、各バッファタンクBT1に貯留された現像液が、配管p1を通して現像ユニットSDに供給され、基板Wに現像処理が行われる。
ここで、バッファタンクBT1に貯留された現像液および配管p1内に存在する現像液の温度は、第1の温度調整部260により設定温度に近づくように調整される。また、バッファタンクBT2に貯留された現像液および配管p2内に存在する現像液の温度は、第2の温度調整部310により設定温度に近づくように調整される。
このように、上記の構成によれば、現像液供給源1から現像ユニットSDに至る現像液供給系において、段階的に現像液の温度調整が行われる。それにより、第1および第2の温度調整部260,310のうちいずれか一方のみが用いられる場合に比べて、現像液の温度調整能力が向上する。また、第1および第2の温度調整部260,310を個別に制御することにより、段階的な現像液の温度調整をより適切に行うことが可能である。これにより、基板処理装置100の周囲の温度等に起因して、基板Wに供給される現像液の温度が設定温度からずれることを抑制することができる。
これらの結果、スループットを向上させつつ現像液の温度に起因する現像処理のばらつきの増大を抑制することが可能になる。
本発明者は、上記の効果を確認するために、実施例として、図3および図4の基板処理装置100を用いて第1および第2の温度調整部260,310による現像液の温度調整を行いつつ25枚の基板Wについて連続的に現像処理を行った。その後、25枚の全ての基板Wについて、現像処理により得られたパターンの線幅を測定した。その結果、処理枚数の増加に伴ってパターンの線幅が変化する(線幅が大きくなる)という傾向は確認されなかった。これは、基板処理のばらつきの増大が抑制されたことを意味する。
一方、本発明者は、比較例として、図3および図4の基板処理装置100を用いて第1の温度調整部260のみによる現像液の温度調整を行いつつ25枚の基板Wについて連続的に現像処理を行った。その後、25枚の全ての基板Wについて、現像処理により得られたパターンの線幅を測定した。その結果、処理枚数の増加に伴ってパターンの線幅が変化する(線幅が大きくなる)という傾向が確認された。これは、基板Wが連続して処理されることにより、基板処理のばらつきが漸次大きくなることを意味する。パターンの線幅が変化する(線幅が大きくなる)という傾向は、十分に温度調整されていない現像液が基板Wに供給されたことに起因すると考えられる。
[5]他の実施の形態
(1)上記実施の形態においては、現像ユニットSDに供給される現像液の温度が第1および第2の温度調整部260,310により調整されるが、本発明はこれに限定されない。第1および第2の温度調整部260,310は、現像液以外の処理液の温度を調整してもよい。
基板Wに供給される処理液として、現像液の他に、現像処理に付随して用いられるリンス液の温度が調整されてもよい。図5は、他の実施の形態に係る基板処理装置100の構成を示す模式的ブロック図である。図5の基板処理装置100について、上記実施の形態に係る図1の基板処理装置100と異なる点を説明する。
図5の基板処理装置100においては、各現像ユニットSDは、スピンチャック91および現像ノズル92に加えて、リンスノズル99を含む。リンスノズル99には、基板処理装置100の外部に設けられるリンス液供給源12から、複数の配管p31,p32,p33および複数のバッファタンクBT11,BT12を通してリンス液が供給される。リンス液は、例えば純水または界面活性剤である。リンスノズル99は、現像処理の開始直前に、供給されたリンス液をスピンチャック91により保持された基板Wの上面に吐出する。それにより、現像処理時に基板Wの上面上で現像液が拡散しやすくなる。また、リンスノズル99は、現像処理の停止時に、供給されたリンス液をスピンチャック91により保持された基板Wの上面に吐出する。それにより、現像処理が停止される。
ここで、図5の例においては、リンス液供給源12と薬液キャビネット300のバッファタンクBT12との間に、配管p33が設けられている。配管p33は、リンス液供給源12からバッファタンクBT12にリンス液を流通させる。それにより、リンス液供給源12から薬液キャビネット300に流入するリンス液がバッファタンクBT12に一時的に貯留される。
また、薬液キャビネット300のバッファタンクBT12と装置本体部200の複数のバッファタンクBT11との間に、複数の配管p32が設けられている。複数の配管p32は、バッファタンクBT12から複数のバッファタンクBT11にリンス液をそれぞれ流通させる。それにより、薬液キャビネット300から装置本体部200に流入するリンス液が複数のバッファタンクBT11に一時的に貯留される。
複数のバッファタンクBT11は、現像処理部230に設けられる複数の現像ユニットSDにそれぞれ対応する。装置本体部200においては、各バッファタンクBT11とそのバッファタンクBT11に対応する現像ユニットSDとの間に、配管p31が設けられている。各配管p31は、バッファタンクBT11からリンスノズル99に現像液を流通させる。
なお、複数のバッファタンクBT11,BT12および複数の配管p31〜p33のうち少なくとも一部には、複数のリンスノズル99におけるリンス液の供給状態を制御するための流体関連機器(図示せず)が設けられる。
本例の第1の温度調整部260は、図5に点線の矢印で示すように、現像液の温度に加えて、複数のバッファタンクBT11にそれぞれ貯留されたリンス液の温度を、現像液の設定温度に一致するかまたは近づくように調整する。また、第1の温度調整部260は、図5に点線の矢印およびハッチングで示すように、複数の配管p31を流れるリンス液の温度を、現像液の設定温度に一致するかまたは近づくように調整する。
一方、第2の温度調整部310は、図5に点線の矢印およびドットパターンで示すように、現像液の温度に加えて、複数の配管p32を流れるリンス液の温度を、現像液の設定温度に一致するかまたは近づくように調整する。また、第2の温度調整部310は、図5に点線の矢印で示すように、バッファタンクBT12に貯留されたリンス液の温度を、現像液の設定温度に一致するかまたは近づくように調整する。
上記の構成によれば、現像処理の直前および現像処理の終了時に基板Wに供給されるリンス液の温度が現像液の設定温度に一致するかまたはほぼ等しくなる。それにより、現像処理の開始時および終了時における基板Wの温度がリンス液の温度によって変化することが抑制される。その結果、現像処理の開始時および終了時における基板Wの処理状態が安定化する。
基板Wに供給される処理液として、上記の例の他、基板W上にレジスト膜、反射防止膜またはレジストカバー膜等を形成するための塗布液の温度が調整されてもよい。
(2)上記実施の形態に係る装置本体部200においては、複数の現像ユニットSDにそれぞれ対応するように複数のバッファタンクBT1が設けられるが、本発明はこれに限定されない。装置本体部200においては、複数の現像ユニットSDに対して共通の一のバッファタンクBT1が設けられてもよい。この場合、一のバッファタンクBT1から複数の現像ユニットSDに延びるように複数の配管p1が設けられる。それにより、第1の温度調整部260は、バッファタンクBT1および複数の配管p1内に存在する洗浄液の温度を調整する。
(3)上記実施の形態に係る薬液キャビネット300においては、複数の現像ユニットSDに共通に用いられる一のバッファタンクBT2が設けられるが、本発明はこれに限定されない。薬液キャビネット300においては、複数の現像ユニットSDにそれぞれ対応するように複数のバッファタンクBT2が設けられてもよい。この場合、複数のバッファタンクBT2から複数のバッファタンクBT1にそれぞれ延びるように複数の配管p2が設けられる。それにより、第2の温度調整部310は、複数のバッファタンクBT2および複数の配管p2内に存在する洗浄液の温度を調整する。
(4)上記実施の形態に係る基板処理装置100においては、装置本体部200と薬液キャビネット300とが別体として配置されるが、本発明はこれに限定されない。薬液キャビネット300またはその内部構成は、装置本体部200内に設けられてもよい。
(5)図4の例では、薬液キャビネット300は装置本体部200の下方に設けられるが、本発明はこれに限定されない。薬液キャビネット300は装置本体部200と同じ床部FL上に設けられてもよい。
[6]請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明する。上記実施の形態では、現像ユニットSDが処理部の例であり、現像液供給源1、リンス液供給源12、配管p1〜p3,p31〜p33、バッファタンクBT1,BT2,BT11,BT12が処理液供給系の例であり、第1の温度調整部260および第2の温度調整部310が調整部の例である。
また、複数のバッファタンクBT1,BT11が第1の貯留部の例であり、複数の配管p1,p31が第1の処理液流路の例であり、配管p2,p32が第2の処理液流路の例であり、第1の温度調整部260が第1の温度調整装置の例であり、第2の温度調整部310が第2の温度調整装置の例であり、基板処理装置100が基板処理装置の例である。
また、バッファタンクBT2,BT12が第2の貯留部の例であり、装置本体部200が主本体部の例であり、薬液キャビネット300が副本体部の例であり、クリーンルームCLの上部室が第1の収容室の例であり、クリーンルームCLの下部室が第2の収容室の例であり、現像ユニットSDが現像装置の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
1…現像液供給源,12…リンス液供給源,91…スピンチャック,92…現像ノズル,99…リンスノズル,100…基板処理装置,200…装置本体部,210…制御装置,220…塗布処理部,230…現像処理部,240…熱処理部,250…搬送部,260…第1の温度調整部,300…薬液キャビネット,310…第2の温度調整部,500…露光装置,B1,B2,B3,B4…ブロック,BT1,BT2,BT11,BT12…バッファタンク,c1,c11…恒温槽,c2,12…循環装置,CL…クリーンルーム,FL…床部,L1,L11…循環配管,p1〜p3,p31〜p33…配管,SD…現像ユニット,W…基板

Claims (8)

  1. 処理液を用いて基板に所定の処理を行う処理部と、
    前記処理部に処理液を供給する処理液供給系と、
    前記処理液供給系において処理液の温度を調整する調整部とを備え、
    前記処理液供給系は、
    処理液を貯留する第1の貯留部と、
    前記第1の貯留部から前記処理部に至る第1の処理液流路と、
    処理液供給源から供給される処理液を前記第1の貯留部に供給する第2の処理液流路とを含み、
    前記調整部は、
    前記所定の処理を行うために設定された設定温度に一致するかまたは近づくように、前記第1の貯留部に貯留された処理液の温度を調整する第1の温度調整装置と、
    前記設定温度に一致するかまたは近づくように、前記第2の処理液流路のうち少なくとも一部を流れる処理液の温度を調整する第2の温度調整装置とを含む、基板処理装置。
  2. 前記第1の温度調整装置は、前記設定温度に一致するかまたは近づくように、前記第1の処理液流路のうち少なくとも一部を流れる処理液の温度をさらに調整する、請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記処理液供給源から供給される処理液を貯留する第2の貯留部をさらに備え、
    前記第2の処理液流路は、前記第2の貯留部と前記第1の貯留部とをつなぐように設けられ、
    前記第2の温度調整装置は、前記設定温度に一致するかまたは近づくように、前記第2の貯留部に貯留された処理液の温度をさらに調整する、請求項1または2記載の基板処理装置。
  4. 前記処理部および前記第1の貯留部を含む主本体部と、
    前記主本体部とは別体として配置され、前記第2の貯留部を含む副本体部とを備える、請求項3記載の基板処理装置。
  5. 前記主本体部と前記副本体部とは互いに離間するように設けられ、
    前記第2の処理液流路の少なくとも一部は、前記主本体部と前記副本体部との間の部分を含む、請求項4記載の基板処理装置。
  6. 前記主本体部は、下降気流が形成された空間内に設けられ、
    前記第1の貯留部は、前記処理部よりも上方に設けられる、請求項4または5記載の基板処理装置。
  7. 前記主本体部を収容する第1の収容室と、
    前記副本体部を収容する第2の収容室とをさらに備える、請求項4〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記所定の処理は現像処理を含み、
    前記処理部は、前記処理液として現像液を基板に供給する現像装置を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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