JP2020055771A - 硬化性ジェルネイル組成物、ジェルネイルベース層、及び、ジェルネイルを設ける方法 - Google Patents

硬化性ジェルネイル組成物、ジェルネイルベース層、及び、ジェルネイルを設ける方法 Download PDF

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拓昭 竹岡
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Abstract

【課題】爪表面に対し濡れ広がりやすく、爪と硬化塗膜との密着性に優れ、持ちのよいジェルネイルを構成することのできる硬化性ジェルネイル組成物を得ること、また、爪の上にジェルネイルを設ける方法において、爪表面に対し濡れ広がりやすく、爪と硬化塗膜との密着性に優れ、持ちのよいジェルネイルを構成するための方法を得ること。【解決手段】以下の構成とする。(1) 硬化塗膜の水接触角が77°以上であり、粘度が35Pa・s以下である硬化性ジェルネイル組成物(2) 硬化塗膜の水接触角が77°以上のジェルネイルベース層(3) 爪の上に設けられる硬化塗膜の水接触角を77°以上とする、爪の上にジェルネイルを設ける方法【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性ジェルネイル組成物、ジェルネイルベース層、及び、ジェルネイルを設ける方法に関する。
手や足の自爪に装飾を施したり、人工爪を接着してこれに装飾を施したりというネイルアートの人気が高まっている。また、装飾や、外力による爪の割れ・剥がれを防止するための補強の目的で、いわゆるマニキュア、ペディキュア、スカルプチュアと呼ばれる樹脂含有の材料を爪に塗布することもなされている。
ここで、装飾又は補強のために使用される爪装飾材料としては、ニトロセルロース系のラッカーを有機溶剤に溶解し、これに各種色調の顔料を加えたものがある。これらは、爪や人工爪に塗布した後、有機溶剤を揮発させて、光沢に優れた被膜を形成するものである。そして、この被膜はアセトン等の有機溶剤を用いて容易に拭き取ることができる。
特に最近、ウレタンアクリレート系オリゴマーとアクリル系モノマーを含むジェル状の爪被覆材料を爪に塗布し、紫外線を照射して硬化させる、ジェルネイルと呼ばれる光硬化性ジェルネイル組成物が注目を集めている。
これらは、ラジカル重合反応により、架橋した高分子被膜(硬化塗膜)を形成するため、爪から剥がれにくい強靱な被膜を形成できるとされている。
ジェルネイルは、一般的に、表面側に設けられ艶出しや保護のために設けられるトップジェル層、爪側に設けられ爪との密着性を確保するために設けられるベースジェル層、トップジェル層とベースジェル層の間に設けられる発色のためのカラー層、の3層から構成されている。
このようなジェルネイルを構成し得る光硬化性ジェルネイル組成物として、特許文献1〜特許文献5に記載されているようなものが知られている。
特許文献1には、爪の上に形成され、複数の硬化層を有する爪装飾であって、前記硬化層のうち、少なくとも前記爪に接する第1硬化層は、(A)(メタ)アクリロイル基を有する質量平均分子量600〜50,000の化合物、(B)分子内にエチレン性不飽和基を1個有する(A)成分以外の化合物、(C)光ラジカル重合開始剤、及び、(D)ラジカル重合抑制剤を含有する第1組成物を硬化させて形成され、前記(D)成分の含有量が前記第1組成物全体の0.3〜5質量%である爪装飾が開示されている。
特許文献2には、人工爪形成用組成物であって、紫外線硬化型樹脂としてのウレタンアクリレートオリゴマー及び紫外線硬化型樹脂としてのヒドロキシエチルアクリレートを含有し、人体に安全なUVAにより短時間で十分に硬化させることができる、自爪に塗布する人工爪形成用組成物が開示されている。
特許文献3には、放射線硬化性ゲル状ネイルコーティング組成物であって、ジ−[ヒドロキシエチルメタクリリック]トリメチルヘキシルジカルバメート、メタクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート及び溶剤をそれぞれ特定量比で含有し、さらに配合し得る成分としてポリウレタンアクリレートオリゴマーが例示される、哺乳類の爪に接触させて適用する放射線硬化性ゲル状ネイルコーティング組成物が開示されている。
特許文献4には、1分子内にラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物、およびチオール化合物を含有する光硬化性の人工爪原料組成物が開示されている。この光硬化性人工爪原料組成物は、光を遮蔽した室温下にて保管の問題を発生させず、硬化後においても、人工爪内に未硬化の組成物が残存しないものであるとされている。
特許文献5には、疎水性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリル系モノマー及び光重合開始剤を含有する自爪塗布用光硬化性人工爪組成物が開示されている。この自爪塗布用光硬化性人工爪組成物から得られた硬化塗膜は、耐水性が良好であり、密着性は悪くても硬化塗膜が若干欠損する程度であって、疎水性と密着性のバランスが取れた硬化塗膜であるとされており、爪へのベース層(ベースコート層・下地層)として使用することもできるものである。
特開2011−229725号公報 特開2010−105967号公報 特許第5756604号公報 特開2014−005260号公報 特開2017−210457号公報
上記のように、公知のジェルネイルを構成する光硬化性人工爪組成物は、硬化性に優れ、かつ塗布し硬化した後に形成される硬化塗膜の各種特性に優れたものであるが、硬化塗膜の水接触角については何ら言及されておらず、そして、これら先行技術文献に記載されている光硬化性人工爪組成物は、親水性を有する成分を相当量含む構成となっていることから、その硬化塗膜はさほど高い疎水性を示すものではなく、自爪の表面に光硬化性人工爪組成物を塗布した際に爪への濡れ広がりが十分でなく、爪とジェルネイルの密着性や持ちの点で改良の余地があった。
爪への密着性については、種々の要因が影響を与えており、物理的な因子としては、硬化膜の伸びや応力、硬さなどがあげられ、化学的な因子としては、濡れ性や化学的結合などがあげられる。特に、密着性の化学的な因子である爪への濡れ広がりやすさが、ジェルネイルの密着性や持ちに大きく影響すること、そして、爪の表面が疎水的であることから、爪への濡れ広がりをよくするためには、ジェルネイルの疎水性を向上させることが必要であるとの知見を得た。
本発明は、(1)硬化性ジェルネイル組成物において、爪表面に対し濡れ広がりやすく、爪と硬化塗膜との密着性に優れ持ちのよいジェルネイルを構成することのできる硬化性ジェルネイル組成物を得ること、(2)爪と硬化塗膜との密着性に優れ持ちのよいジェルネイルを構成することのできるジェルネイルベース層を得ること、(3)爪表面に対し濡れ広がりやすく、爪と硬化塗膜との密着性に優れ持ちのよいジェルネイルを爪の上に設けること、を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、以下のような構成とすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には以下のとおりである。
(1)硬化塗膜の水接触角が77°以上であり、粘度が35Pa・s以下である硬化性ジェルネイル組成物。
(2)上記硬化性ジェルネイル組成物が、ウレタン(メタ)アクリレートと、単官能モノマー及び/又は多官能モノマーと、を含む、前記(1)に記載の硬化性ジェルネイル組成物。
(3)ウレタン(メタ)アクリレートを硬化性ジェルネイル組成物中に20質量%以上含む、前記(1)又は(2)に記載の硬化性ジェルネイル組成物。
(4)爪の上に直接塗布されるジェルネイルベース層形成用である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性ジェルネイル組成物。
(5)硬化塗膜の水接触角が77°以上のジェルネイルベース層。
(6)爪の上に設けられる硬化塗膜の水接触角を77°以上とする、爪の上にジェルネイルを設ける方法。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物によれば、硬化塗膜の水接触角が77°以上であり、粘度が35Pa・s以下であることにより、自爪表面への濡れ広がり性に優れ、自爪との密着性が高く、長期にわたって密着性に優れ持ちのよいジェルネイルを構成することのできる硬化性ジェルネイル組成物が提供される。さらに、硬化塗膜が疎水性となることから、爪表面から硬化塗膜に浸透する水分によって、該塗膜が柔軟化したり、膨潤したりすることがなく、そして、臭いが少なく伸縮性に優れ、硬化塗膜透明度が高く黄変せず、艶を有し、高い硬度の硬化塗膜を形成できる硬化性ジェルネイル組成物が提供される。
本発明のジェルネイルベース層によれば、硬化塗膜の水接触角を77°以上とすることにより、自爪表面への濡れ広がり性に優れ、自爪との密着性が高く、長期にわたって密着性に優れ持ちのよいジェルネイルを構成することのできるジェルネイルベース層が提供される。さらに、硬化塗膜が疎水性となることから、爪表面から硬化塗膜に浸透する水分によって、該塗膜が柔軟化したり、膨潤したりすることがなく、そして、臭いが少なく伸縮性に優れ、硬化塗膜透明度が高く黄変せず、艶を有し、高い硬度の硬化塗膜を形成できるジェルネイルベース層が提供される。
本発明の爪の上にジェルネイルを設ける方法によれば、爪の上に設けられる硬化塗膜の水接触角を77°以上とすることにより、爪表面に対し濡れ広がりやすく、爪と硬化塗膜との密着性に優れ、持ちのよいジェルネイルを構成するための方法が提供される。
1.硬化性ジェルネイル組成物
(1)硬化塗膜の水接触角が77°以上であり、粘度が35Pa・s以下である硬化性ジェルネイル組成物
本発明の硬化性ジェルネイル組成物の硬化塗膜の水接触角は、77°以上であり、上限値については特に制限されず目的に応じて適宜設定することができ、85°〜130°が好ましく、90°〜115°がより好ましい。
また、本発明の硬化性ジェルネイル組成物の粘度は、35Pa・s以下であり、下限値については特に制限されず適宜設定することができ、0.5Pa・s〜35Pa・sが好ましく、15Pa・s〜35Pa・sがより好ましい。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物においては、硬化塗膜の水接触角が77°以上であり、粘度が35Pa・s以下となるのであれば、その組成については特に限定されない。
硬化性ジェルネイル組成物の硬化塗膜の水接触角を調整する方法としては、周知の方法を採用することができ、例えば、硬化性ジェルネイル組成物を、疎水性成分を主成分とするものとすること、親水性成分を含まない又は含んだとしても少量であるものとすることがあげられる。ここでいう疎水性成分としては、例えば、分子量が大きい成分、疎水性基を有する成分が例示され、親水性成分としては、分子量が小さい成分、ヒドロキシル基、酸基、アミノ基等の親水性基を有する成分が例示される。
硬化性ジェルネイル組成物の粘度を調整する方法としては、周知の方法を採用することができ、例えば、分子量が小さい成分を使用すること、(反応性)希釈剤成分を使用すること、多官能チオール化合物等の粘度低下作用を有する成分を用いること、等があげられる。
好ましくは、以下のような組成の硬化性ジェルネイル組成物を用いることにより、相対的に疎水的な部分が増加することとなり、硬化塗膜を疎水的(水接触角77°以上)にすることができる。
(i)分子量が大きいウレタン(メタ)アクリレートを含む硬化性ジェルネイル組成物。
(ii)ヒドロキシル基、リン酸基等のリン原子含有基、アミノ基といった親水性基を含まないか含むとしても少量であるウレタン(メタ)アクリレート及び/又はモノマーを主たる成分として含む硬化性ジェルネイル組成物。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートと、単官能モノマー及び/又は多官能モノマーと、を含み、必要に応じて、重合開始剤、多官能チオール化合物、その他の添加剤を含むものが好ましい。
また、本発明の硬化性ジェルネイル組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートを硬化性ジェルネイル組成物中に20質量%以上含み、必要に応じて、重合開始剤、多官能チオール化合物、その他の配合成分を含むものが好ましい。
以下、硬化性ジェルネイル組成物の構成成分について説明する。
[ウレタン(メタ)アクリレート]
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリオール(a1)、ポリイソシアネート(a2)、及び、水酸基又はイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物(a3)を反応させて得られたものを用いることができる。
前記ポリオール(a1)としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ブタジエンポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリオレフィンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明では、これらの中でも、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールを用いることが好ましく、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールがより好ましい。
前記ポリイソシアネート(a2)としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,2−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環構造を有するジイソシアネート;これらポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ブタジエンポリオール等の活性水素含有化合物とを反応させて得られるポリイソシアネート化合物などを用いることができる。これらのポリイソシアネートは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、黄変し難いことから、脂肪族または脂環構造を有するポリイソシアネートを用いることが好ましい。
前記水酸基又はイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物(a3)は、ウレタン(メタ)アクリレート中に(メタ)アクリロイル基を導入する目的で用いるものである。
前記化合物(a3)として用いることができる水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する多官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートなどを用いることができる。これらの中でも、反応性に優れることから、水酸基を有するアクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましく、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミドを用いることがより好ましい。これらの水酸基を有する(メタ)アクリル化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、前記化合物(a3)として用いることができるイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、1,1−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等を用いることができる。これらのイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記化合物(a3)として水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を用いる場合の前記ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法としては、例えば、無溶剤下で、前記ポリオール(a1)と前記(メタ)アクリル化合物(a3)とを反応系中に仕込んだ後に、前記ポリイソシアネート(a2)を供給し、混合、反応させることによって製造する方法や、無溶剤下で、前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)とを反応させることによってイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得、次いで、水酸基を有する前記(メタ)アクリル化合物(a3)を供給し、混合、反応させることによって製造する方法等を用いることができる。
また、前記化合物(a3)としてイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物を用いる場合のウレタン(メタ)アクリレートの製造方法としては、例えば、無溶剤下で、前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)とを仕込み、反応させることによって水酸基を有するウレタンプレポリマーを得、次いで、イソシアネート基を有する前記(メタ)アクリル化合物(a3)を供給し、混合、反応させることによって製造する方法等を用いることができる。
前記化合物(a3)として水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を用いる場合における、前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)と前記(メタ)アクリル化合物(a3)との反応は、前記ポリイソシアネート(a2)中のイソシアネート基の当量数(NCO)と、前記ポリオール(a1)中の水酸基の当量数と前記(メタ)アクリル化合物(a3)中の水酸基の当量数とを合計した水酸基の当量数(OH)との当量比[(NCO)/(OH)]が、0.75〜1の範囲で行うことが、得られるウレタン(メタ)アクリレートの分子量を制御する上で好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートを製造する際には、必要に応じて、例えば、3,5−ビスターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル(メトキノン)、4−ターシャリーブチルカテコールメトキシフェノール、2,6−ジターシャリーブチルクレゾール、フェノチアジン、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジフェニルアミン、ジニトロベンゼン等の重合禁止剤、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の含窒素化合物;酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫等の金属塩;ジブチルチンラウレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機金属化合物などウレタン化触媒等を用いてもよい。これらの重合禁止剤やウレタン化触媒は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ウレタン(メタ)アクリレートは、光照射や加熱等によってラジカル重合を進行させる(メタ)アクリロイル基を有するものである。前記ウレタン(メタ)アクリレートの(メタ)アクリロイル基当量としては、作業性と柔軟性を両立できる点から、4000〜10,000g/eqの範囲であることが好ましく、5,000〜8,000g/eqの範囲であることが更に好ましい。なお、前記(メタ)アクリロイル基当量は、前記ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)と(メタ)アクリル化合物(a3)との合計質量を、前記ウレタン(メタ)アクリレート中に存在する(メタ)アクリル基の当量で除した値を示す。
前記ウレタン(メタ)アクリレートの質量平均分子量は、オリゴマーレベルから高分子量の範囲の質量平均分子量内で任意のものとすることができ、通常は、2,000〜100,000の範囲であるが、硬化塗膜の水接触角の調整を容易に行うことができる観点から、3,000〜70,000の範囲が好ましく、4,000〜50,000の範囲がより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートの質量平均分子量が上記下限値以上であると、得られる硬化塗膜の3次元加工適性が良好となる傾向にある。ウレタン(メタ)アクリレートの質量平均分子量が上記上限値以下であると、硬化性ジェルネイル組成物から得られる硬化塗膜の耐汚染性が良好となる傾向にある。
これらのウレタン(メタ)アクリレートは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
硬化性ジェルネイル組成物におけるウレタン(メタ)アクリレートの配合量としては、硬化性ジェルネイル組成物中に20質量%以上、好ましくは50質量%以上となるように含有させることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートの配合量の上限は特に限定されないが、99質量%以下であり、好ましくは80質量%以下となるように含有させることができる。
99質量%よりも多く含有すると硬化時に収縮が発生し、硬化塗膜にしわが発生する可能性がある。含有する量が20質量%よりも少ないと、硬化塗膜の水接触角を77°以上とすることが困難となり、また、十分な硬度の硬化塗膜を形成させることができずに硬化塗膜の表面に傷が付きやすくなる。
[単官能モノマー及び/又は多官能モノマー]
本発明の硬化性ジェルネイル組成物には、単官能モノマー及び/又は多官能モノマーを含有させることができる。
(単官能モノマー)
単官能モノマーとしては、硬化性ジェルネイル組成物の臭いを少なくし、透明であって、低刺激性であり、反応性に優れ、黄変しない性質を備えることが必要である。
そのような単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン等があげられる。
また、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和基含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレートを使用することもできる。
単官能アクリルアミド化合物としては、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド化合物等、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート、2−オキセパノンホモポリマー、2−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチルエステル等の酸性の重合性モノマーも使用することができる。
また、リン酸(メタ)アクリロイルオキシエチル、リン酸(メタ)アクリロイルオキシプロピル、カプロラクトン変性リン酸(メタ)アクリロイルオキシエチル、リン酸メタクリル酸ヘキサン酸エチル、リン酸メタクリル酸プロパン酸ペンチル等の単官能のリン酸エステル系メタクリレートも使用することができ、一方で、疎水性を高めるため、あえてこれらのリン原子を含むモノマーを使用しないこともできる。
これらのなかでも、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましく、硬化塗膜の硬度と屈曲性のバランスが良好になる。
これらの単官能モノマーは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
単官能モノマーは、硬化性ジェルネイル組成物の粘度を調整することで塗りやすくする等を目的として配合されるものであり、硬化性ジェルネイル組成物中に80質量%未満、好ましくは45質量%以下となるように含有させることができる。80質量%を超えて配合すると、硬化速度が減衰し、未硬化樹脂が残存する可能性がある。
(多官能モノマー)
多官能モノマーとしては、硬化性ジェルネイル組成物の臭いを少なくし、透明であって、低刺激性であり、反応性に優れ、黄変しない性質を備えることが必要である。
このような多官能モノマーとしては、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、等のトリ(メタ)アクリレート化合物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート等のエリスリトール類の(メタ)アクリレート類、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートを使用することができる。
また、リン酸ビス(メタクリル酸ヘキサン酸エチル)、リン酸ビス(メタクリル酸プロパン酸ペンチル)、リン酸トリ(メタクリル酸ヘキサン酸エチル)、リン酸トリ(メタクリル酸プロパン酸ペンチル)、リン酸ジ(メタ)アクリロイルオキシエチル、リン酸ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピル、リン酸ジ(メタ)アクリロイルオキシペンチル、リン酸トリ(メタ)アクリロイルオキシエチル、リン酸トリ(メタ)アクリロイルオキシプロピル、リン酸トリ(メタ)アクリロイルオキシペンチル、カプロラクトン変性リン酸ジ(メタ)アクリロイルオキシエチル、カプロラクトン変性リン酸トリ(メタ)アクリロイルオキシエチル等の多官能のリン酸エステル系(メタ)アクリレートも使用することができ、一方で、疎水性を高めるため、あえてこれらのリン原子を含むモノマーを使用しないこともできる。
これらの多官能モノマーは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
多官能モノマーは、硬化性ジェルネイル組成物の粘度を調整することで塗りやすくするとともに硬化塗膜の硬度や架橋度を調整する等を目的として配合されるものであり、硬化性ジェルネイル組成物中に80質量%未満、好ましくは45質量%以下となるように含有させることができる。80質量%を超えて配合すると、硬化速度が減衰し未硬化樹脂が残存したり、硬化塗膜の収縮が大きくなったりする可能性がある。
[重合開始剤]
本発明の硬化性ジェルネイル組成物に配合してもよい重合開始剤は、硬化性爪組成物の重合を開始するものであればどのようなものでも使用できるが、LEDを光源とした紫外線や365〜410nm付近の波長の光(可視光の一部)によっても十分に硬化塗膜を形成することができ、硬化時の発熱量を抑制することができるものが好ましい。
そのような光重合開始剤として、ベンゾインエーテル類、ベンジルケタール類、アシッドエステル類、α−アミノアルキルフェノン類、アシルフォスフィンオキシド類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、チタノセン類、を使用することができる。
これらの光重合開始剤として、具体的には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、フェニル酢酸、α−オキソ−オキシジ−2,1−エタンジイルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル、又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル、あるいはこれらの化合物の混合物、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノンなどが好適に用いられる。なかでも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンや2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドを使用することが好ましい。
これらの光重合開始剤は、染料、顔料や重合性化合物の光吸収によってもラジカル生成反応が阻害されず、またラジカル発生効率が高く、硬化性ジェルネイル組成物の硬化性を高めることができる点で好ましい。
これらの重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの重合開始剤は、硬化性ジェルネイル組成物中0.5〜20.0質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%となるように配合することができる。20.0質量%を超えると、過剰な量のラジカルが発生することになるので、ラジカル重合反応が多くの開始点からなされ、その結果、硬化後のポリマーの分子量が小さくなって硬化膜が脆くなり、膜を維持できない可能性がある。また、0.5質量%未満であると十分な量のラジカルが発生できないので、ラジカル重合反応が長時間に及ぶこととなり、硬化不良となる可能性が高い。
[多官能チオール化合物]
本発明の硬化性ジェルネイル組成物に配合してもよい多官能チオール化合物としては、1分子中にチオール基が2つ以上、好ましくは3つ以上存在する化合物であればどのようなものでも使用することができる。これらの多官能チオール化合物として、具体的には、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、3,6−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ジメルカプトジエチルスルフィド、1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、テトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン、トリチオシアヌル酸、1,2−ベンゼンジメタン、チオール、4,4’−チオビスベンゼンチオール、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、ビス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、1,1−ビス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)エタン、2,2−ビス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)ブタン、1,1−ビス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)イソブタン、2,2−ビス(4−(2−メルカプトプロポキシ)−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2−メルカプトプロポキシ)−5−メチルフェニル)プロパン、ビス(2−(2−メルカプトプロポキシ)−5−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−(2−メルカプトプロポキシ)−3−t−ブチルフェニル)プロパン、トリス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−(2−メルカプトプロポキシ)フェニル)エタン、ビス(4−(2−メルカプトブトキシ)フェニル)メタン、2,2−ビス(4−(2−メルカプトブトキシ)フェニル)プロパン、トリス(4−(2−メルカプトブトキシ)フェニル)メタン、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、のアルキルビニールエーテル付加物等があげられる。好ましくは、多官能チオール化合物として、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びジペンタエリスリトールが本来有する水酸基に、チオール基又は反応してチオール基になる基を有する化合物が反応して得たものがあげられ、特に好ましくは、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)があげられる。
これら多官能チオール化合物としては、各種の市販品を用いてもよく、適宜合成してもよい。市販品としては、昭和電工社製の商品名カレンズとして知られているシリーズのもの等があげられる。
これらの多官能チオール化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
このような多官能チオール化合物を含有させることによって、光硬化性人工爪組成物の粘度を調節することに加え、硬化した光硬化性人工爪組成物を拭き取って除去する際の拭き取り性を向上させることができる。
本発明の光硬化性人工爪組成物において、多官能チオール化合物を全光硬化性人工爪組成物中に1.0〜50.0質量%、好ましくは1.0〜25.0質量%、さらに好ましくは1.0〜10.0質量%となるように含有させることができる。50.0質量%よりも多く含有すると硬化時の硬化速度が速すぎて、爪表面への塗布や、硬化時の取り扱いが困難になる可能性があり、また、保存安定性が悪化する可能性もあり、一方、含有する量が1.0質量%よりも少ないと、硬化速度が低下して、硬化後においても未硬化成分を含有する可能性があり、また、十分な接着性を確保することができなくなる可能性もある。
[その他の配合成分]
本発明の硬化性ジェルネイル組成物には、光沢度、粘度や透明性、硬化性などに悪影響を与えない範囲で、各種ポリマー、他の各種モノマー、各種の添加剤を配合することができる。
各種ポリマーとしては、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等の硬化性樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の熱可塑性樹脂、天然高分子があげられる。
他の各種モノマーとしては、ビニルエーテル系モノマー等の単官能モノマー及び多官能モノマー以外のエチレン性不飽和基を1つ以上有する化合物があげられる。
添加剤としては、例えば、重合禁止剤、シランカップリング剤、色材、ポリオール類、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン等の体質顔料(充填剤)、表面張力調整剤、難燃剤、酸化防止剤、イオン吸着体、湿潤剤、増粘剤、低応力化剤、抗菌剤、防腐剤、可撓性付与剤、ワックス類、ハロゲントラップ剤、レベリング剤、濡れ改良剤等の各種の添加剤を1種以上配合することができる。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物に重合禁止剤を配合する場合には、メトキノン等のキノン化合物、α−トコフェロール等のトコフェロール化合物、サリチル酸ヒドラジドの1種以上を用いることが好ましい。硬化性ジェルネイル組成物中の重合禁止剤の含有量としては、質量の割合で500〜5000ppmが好ましく、より好ましくは1000〜2500ppm、更に好ましくは1300〜2300ppmである。5000ppmより含有量が多いときには、硬化性ジェルネイル組成物が黄変する可能性があり、500ppmよりも少ないときには、硬化性ジェルネイル組成物が保管時において不用意に硬化してしまう可能性が高くなる。
また、本発明において、重合禁止剤は重合開始剤による硬化を抑制する作用を有するので、重合開始剤の含有量に対する重合禁止剤の含有量の比率を一定範囲とすることもできる。
このため、重合開始剤1質量部に対して、好ましくは重合禁止剤を0.030〜0.100質量部、より好ましくは0.035〜0.080質量部の範囲とすることができる。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物にシランカップリング剤を配合する場合には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロイル系シランカップリング剤;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロイル系シランカップリング剤;ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト系シランカップリング剤;アミノエチルアミノプロピルメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤があげられるが、これらに限定されるものではない。
これらのシランカップリング剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物中のシランカップリング剤の含有量としては、通常、0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%。さらに好ましくは0.5〜3質量%である。シランカップリング剤の含有量を0.05〜10質量%の範囲とすることで、爪と硬化塗膜との密着性に優れ、持ちのよいジェルネイルを構成することができる。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物には、着色や美観を付与するために各種の色材を配合することができる。色材としては、着色剤として公知の顔料、光輝材、染料、着色樹脂粒子等を使用することができ、特に爪被覆用として使用されている無機顔料や有機顔料、光輝材、染料を使用することができる。
無機顔料としては、金属酸化物系顔料や金属錯塩系顔料例えば、酸化チタン、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、酸化コバルト、酸化亜鉛、マンガンバイオレット、群青、紺青、カーボンブラックを用いることができるが、これらに限定されない。
有機顔料としては、染料のレーキ顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、縮合多環系顔料、その他の有機顔料があげられ、例えば、褐色201号、黒色401号、紫色201号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色202号、青色203号、青色204号、青色205号、青色403号、青色404号、緑色201号、緑色202号、緑色204号、緑色205号、緑色3号、緑色401号、緑色402号、黄色201号、黄色202号−(1)、黄色202号−(2)、黄色203号、黄色204号、黄色205号、黄色4号、黄色401号、黄色402号、黄色403号−(1)、黄色404号、黄色405号、黄色406号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、橙色206号、橙色207号、橙色401号、橙色402号、橙色403号、赤色102号、赤色104号−(1)、赤色105号−(1)、赤色106号、赤色2号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色223号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号−(1)、赤色230号−(2)、赤色231号、赤色232号、赤色3号、赤色401号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号、赤色506号を用いることができるが、これらに限定されない。
これらの無機顔料又は有機顔料は、顔料の表面をフッ素化合物、シリコーン化合物、金属石鹸、アルミナ等の無機酸化物、樹脂等により表面処理を行ったものであってもよい。
光輝材としては、例えば、公知の天然及び合成雲母やそれらの雲母表面に金属や金属化合物を被覆してなるフレーク状顔料、表面がコーティングされていても良い金属粉、表面がコーティングされていても良い金属フレーク・箔、表面がコーティングされてもよいガラス等の無機化合物の粉やガラスフレーク、表面がコーティング・金属蒸着されていてもよい樹脂粉や樹脂片、各種貝殻粉末、その他のラメ素材を用いることができるが、これらに限定されない。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物には、顔料等のみではなく樹脂粒子や、公知の光硬化性ジェルネイル組成物に配合できる装飾用材料等を色材として配合しておくことも可能である。
これらの色材は、1種のみ用いてもよく、2種以上を用いてもよい。硬化性ジェルネイル組成物中の色材の含有量としては、紫外線照射等による硬化を阻害しない範囲において、所望の色彩を得るために任意に調整することができる。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物中の色材の含有量としては、通常、0.05〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%。さらに好ましくは0.5〜10質量%である。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物は、色材を添加しない場合や添加したとしても透明となる程度の量(透明カラーとなる量)、若しくは染料を添加することにより透明性がある光硬化性ジェルネイル組成物とすることもできる。
[硬化性ジェルネイル組成物の使用]
本発明の硬化性ジェルネイル組成物は、公知の硬化性ジェルネイル組成物と同様の方法により爪の表面にジェルネイルを設ける際に、爪表面に直接設けられるベース層(ベースコート層・下地層)、中間層であるカラー層(カラーコート層)及び最表面のトップ層(トップコート層・表面層)のうちの少なくとも1層の硬化塗膜を形成するために用いることができるが、特に自爪の表面に直接塗布することで、ベース層を形成するために用いるのが好ましい。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物は、従来のラジカル重合性のマニキュア等と同様の設備、例えば、紫外線硬化用の照射設備を用いて爪表面を被覆する硬化塗膜を形成するものである。
ベース層を形成するために用いる際には、硬化塗膜が透明であってよく、また、僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することができる。
カラー層を形成するために用いる際には、ソリッドカラーやラメ調、金属光沢調、暗色や明色等多彩に着色することができる。
トップ層を形成するために用いる際には、ベース層と同様に、硬化塗膜が透明であってよく、また、僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することができ、硬化塗膜表面の光沢度に優れることから、ジェルネイルの艶を発揮させる作用も有する。
硬化後において、酸素による重合阻害等を原因とする未重合の光硬化性成分が仮に硬化塗膜中に存在するときには、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチルやアセトン等の溶剤、特にエタノールを用いて拭き取る工程が必要である。但し、十分な硬化性を備えるときには、このような工程を要しない。
いずれの層に関しても硬化後少なくとも2週間欠けることなく、剥がれず、また下層や使用者の爪に対して浮きが発生しない。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物を爪に塗布する際には、使用者自身の爪等の塗布面にサンディングを施して表面に凹凸を形成しなくてもよいが、必要に応じて、サンディングを施してもよい。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物は、筆等の塗布具によって十分に塗布することができる程度の粘度を有すればよい。もちろん、爪表面に本発明の硬化性ジェルネイル組成物を塗布後、硬化前に小さな飾りや粉体等を硬化塗膜表面に付着させることも可能である。
また、シート上に本発明の未硬化の硬化性ジェルネイル組成物の塗膜を爪等の所定の形状に設けておき、シート上の塗膜を爪表面に重ねて爪表面に付着させ、シートを除去した後に塗膜を硬化させることで爪表面に塗膜を設ける方法や、シート上の塗膜を爪表面に重ねて硬化させた後にシートを除去することで爪表面に塗膜を設ける方法も採用できる。このようにシート表面に予め硬化性ジェルネイル組成物からなる層を設けておけば、使用時に筆等の塗布具を使用することなく、爪の表面に均一かつ正確な模様を被覆することが可能である。そして使用後においても該塗布具を洗浄等する必要がない。
本発明の硬化性ジェルネイル組成物により被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪や人工爪であってもよい。
塗布後の硬化性ジェルネイル組成物の硬化は、公知の硬化手段を採用することができる。硬化手段としては、紫外線、可視光、赤外線等のエネルギー線の照射装置が用いられ、好ましくは、紫外線照射装置による硬化手段を用いることができる。紫外線照射装置の光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、紫外線レーザーダイオード(UV−LD)等の公知の紫外線の光源があげられ、その中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV−LED)および紫外線レーザーダイオード(UV−LD)を用いることが好ましい。
紫外線硬化の際に必要な照射エネルギーは、含有される化合物や顔料等の成分によって異なるものの、積算エネルギー量として、5mJ/cm〜1000mJ/cmであるのが好ましく、10mJ/cm〜800mJ/cmであるのがより好ましい。照射エネルギーの積算エネルギー量がこの範囲内であれば、十分な密着性および耐擦性を有するネイルアートを得ることができる。
2.爪の上にジェルネイルを設ける方法
本発明の爪の上にジェルネイルを設ける方法において、爪の上に設けられる硬化塗膜の水接触角が77°以上となるのであれば、爪の上に設けられる硬化塗膜を形成するために使用される材料としては特に限定されない。このような材料としては、好ましくは、上記「1.硬化性ジェルネイル組成物」に詳述した硬化性ジェルネイル組成物を用いることができる。
爪の上にベース層を設ける際には、公知のジェルネイル組成物と同様の方法により爪表面に塗布することができ、使用者自身の爪等の塗布面にサンディングを施して表面に凹凸を形成しなくてもよいが、必要に応じて、サンディングを施してもよい。
塗布手段としては、筆等の塗布具を用いてもよく、その際には、爪表面にベースジェル形成材料を塗布後、小さな飾りや粉体等を塗膜表面に付着させることも可能である。
また、シート上に本発明のベースジェル形成材料の塗膜を爪等の所定の形状に設けておき、シート上の塗膜を爪表面に重ねて爪表面に付着させ、シートを除去した後に塗膜を硬化させることで爪表面に塗膜を設ける方法や、シート上の塗膜を爪表面に重ねて硬化させた後にシートを除去することで爪表面に塗膜を設ける方法も採用できる。このようにシート表面に予めベースジェル形成材料からなる層を設けておけば、使用時に筆等の塗布具を使用することなく、爪の表面に均一かつ正確な模様を被覆することが可能である。そして使用後においても該塗布具を洗浄等する必要がない。
本発明の爪の上にジェルネイルを設ける方法において、ジェルネイルが設けられる爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪や人工爪であってもよい。
ベースジェル形成材料として硬化性ジェルネイル組成物を用いる場合、硬化性ジェルネイル組成物の硬化は、公知の硬化手段を採用することができる。硬化手段としては、紫外線、可視光、赤外線の照射装置が用いられ、好ましくは、紫外線照射装置による硬化手段を用いることができる。赤外線照射装置の光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、紫外線レーザーダイオード(UV−LD)等の公知の紫外線の光源があげられ、その中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV−LED)および紫外線レーザーダイオード(UV−LD)を用いることが好ましい。
紫外線硬化の際に必要な照射エネルギーは、含有される化合物や顔料等の成分によって異なるものの、積算エネルギー量として、5mJ/cm〜1000mJ/cmであるのが好ましく、10mJ/cm〜800mJ/cmであるのがより好ましい。照射エネルギーの積算エネルギー量がこの範囲内であれば、十分な密着性および耐擦性を有するジェルネイルを得ることができる。
以下に、限定的な例としての実施例をあげてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜9、比較例1〜5、参考例1)
表1に示す配合成分(表中数値は質量%)を容器内に投入し、50℃に加温しつつディゾルバーにより撹拌した。これらの工程を全て遮光下にて行った。
使用した成分は、以下のとおりである。
<ウレタン(メタ)アクリレート>
アートレジン UN−6303:ポリエーテル骨格を有し、質量平均分子量4,000の無黄変型ポリウレタン(メタ)アクリレート
アートレジン UN−9200A:ポリカーボネート骨格を有し、質量平均分子量15,000の無黄変型ポリウレタン(メタ)アクリレート
アートレジン UN−9000PEP:ポリカーボネート骨格を有し、質量平均分子量5,000の無黄変型ポリウレタン(メタ)アクリレート
<単官能モノマー又は多官能モノマー>
ライトエステルHOP(N):2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
IBXA:イソボルニルアクリレート
ライトエステルIB−X:イソボルニルメタクリレート
ライトエステル14EG:PEG#600ジメタクリレート
KAYAMER PM−21:リン酸エステル構造を持つ(メタ)アクリレート
ビスコート3PMA:リン原子含有多官能(メタ)アクリレート(大阪有機化学工業社製)
<重合開始剤>
OMNIRAD 184:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
OMNIRAD TPO:トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
<添加剤>
KBM−403:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
カレンズMT PE−1:ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)
ステアラーTOC:α―トコフェロール(重合禁止剤)
<接触角>
ガラス板の上にジェルをドクターを用いて手動で塗布し、膜厚75μmの塗膜を設けた後に、36WのLED―UVライトにより紫外線を照射し硬化塗膜を形成し、この硬化塗膜の表面の水接触角を、以下の条件で測定した。
結果を表1に併せて記載する。
・液滴:水(イオン交換水)
・液滴量:60μml
・測定機器:自動接触角計(協和界面科学株式会社製、CA−X)
<粘度>
TV−H型粘度計を用い、温度:20±1℃、回転数:5.0rpm、ローター:1°34‘×24R°、測定レンジ:U、測定時間:3min、の条件下で測定し、組成物の粘度を測定した。
<クロスカット試験>
ナイロン板の表面に硬化性ジェルネイル組成物を塗布し、下記のとおりテープ剥離試験を行い、残った碁盤目の個数を評価した。
結果を、表1に併せて記載する。
(1)
7cm×12cmのナイロン板を500番の紙やすりで磨き、水で洗い、溶剤で水分と油分を除去する。
(2)
遮光し、ナイロン板に100μmのドクター型アプリケータで硬化性ジェルネイル組成物1000mgを塗布し、LED照射機(SHINY GEL(32W LEDランプ;30秒照射)で塗膜を硬化させる。
(3)
溶剤を染み込ませたティッシュで塗膜を拭くことで、未硬化樹脂を除去する。
(4)
素地に達する6本の切込みをカッターナイフにより2mm間隔で入れ、25個の碁盤目を作成する。
(5)
1時間含水後クロスカット試験の場合は、塗膜を水道水に含浸して1時間放置後取り出し、水分を拭き取る。
(6)
SEKISUI製粘着テープ(14mm幅以上)を碁盤目に貼り、500gの分銅で一定方向に10回擦る。
(7)
テープの端を45°の角度で剥がし、碁盤目の残った数を数える。
(8)
各塗膜についてのクロスカット試験を2回行い下記評価基準により評価した。
※1 クロスカット試験の評価基準は以下のとおり
評価5:25個すべてが残る
評価4:18〜24個残る
評価3:12〜17個残る
評価2:6〜11個残る
評価1:0〜5個残る
※2 評価5の場合と評価4の場合が存在
※3 碁盤目を作成時点で剥離が発生
<モニター評価>
実施例1〜5及び比較例1〜4の硬化性ジェルネイル組成物をモニター10人 の爪上に塗布し、この塗膜に対してUVライトで紫外線を照射して厚さ75μm の硬化塗膜を形成した。次いで、市販のカラージェル、さらにトップジェルを塗布し、同条件で硬化してジェルネイルを形成した。
3週間後のジェルネイルの状態についてモニター評価を行い、ジェルネイルに問題がなかったモニターの割合により評価を行った。
表面接触角、粘度、及び、モニター評価試験の結果を、表2に示す。
上記実施例、参考例及び比較例の結果によると、硬化塗膜の水接触角が77°以上であるジェルネイル/ジェルネイルベース層とすることにより、爪への密着性に優れ、クロスカット試験及び1時間含水後のクロスカット試験の結果がいずれも良好であり、3週間以上剥離・カケ・割れ・浮き等の問題が生じない「持ち」がよいジェルネイルを形成することができる。
上記実施例及び比較例の結果によると、硬化塗膜の水接触角が77°以上であり、粘度が35Pa・s以下である硬化性ジェルネイル組成物を用いてジェルネイル/ジェルネイルベース層を構成することにより、爪への密着性に優れ、クロスカット試験及び1時間含水後のクロスカット試験の結果がいずれも良好であり、3週間以上剥離・カケ・割れ・浮き等の問題が生じない「持ち」がよいジェルネイルを形成することができる。
爪の表面は疎水性であり、また、瓦状となっていて隙間があることから、硬化塗膜の水接触角が77°以上であり、粘度が35Pa・s以下である硬化性ジェルネイル組成物は、いずれも爪表面に濡れやすく、爪表面の隙間の内部に浸透しやすいことから、アンカー効果を発揮し、密着性に優れ、持ちがよいジェルネイルを形成できたものと考えられる。

Claims (6)

  1. 硬化塗膜の水接触角が77°以上であり、粘度が35Pa・s以下である硬化性ジェルネイル組成物。
  2. 上記硬化性ジェルネイル組成物が、ウレタン(メタ)アクリレートと、単官能モノマー及び/又は多官能モノマーと、を含む、請求項1に記載の硬化性ジェルネイル組成物。
  3. ウレタン(メタ)アクリレートを硬化性ジェルネイル組成物中に20質量%以上含む、請求項1又は2に記載の硬化性ジェルネイル組成物。
  4. 爪の上に直接塗布されるジェルネイルベース層形成用である、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性ジェルネイル組成物。
  5. 硬化塗膜の水接触角が77°以上のジェルネイルベース層。
  6. 爪の上に設けられる硬化塗膜の水接触角を77°以上とする、爪の上にジェルネイルを設ける方法。
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