JP2018070498A - セピオライト含有光硬化性人工爪組成物 - Google Patents

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Abstract


【課題】人工爪組成物において、その保存安定性を向上させること。
【解決手段】光重合性化合物、セピオライト及び/又はベントナイトを含有する人工爪組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は人工爪組成物に関する。
手や足の自爪に装飾を施したり、人工爪を接着してこれに装飾を施すというネイルアートの人気が高まっている。また、装飾や、外力による爪の割れ・剥がれを防止するための補強の目的で、いわゆるマニキュア、ペディキュア、スカルプチュアと呼ばれる樹脂含有の材料を爪に塗布することもなされている。
ここで、装飾又は補強のために使用される爪装飾材料としては、ニトロセルロース系のラッカーを有機溶剤に溶解し、これに各種色調の顔料を加えたものがある。これらは、爪や人工爪に塗布した後、有機溶剤を揮発させて、光沢に優れた被膜を形成するものである。そして、この被膜はアセトン等の有機溶剤を用いて容易に拭き取ることができる。
特に最近、ウレタンアクリレート系オリゴマーとアクリル系モノマーを含むジェル状の爪被覆材料を爪に塗布し、紫外線を照射して硬化させる、ジェルネイルと呼ばれる光硬化性人工爪組成物が注目を集めている。
これらは、ラジカル重合反応により、架橋した高分子被膜を形成するため、爪から剥がれにくい強靱な被膜を形成できるとされている。
このような光重合性人工爪組成物として、特許文献1に記載されているように、該組成物中に紫外線の照射により重合可能な重量平均分子量3,000〜50,000のポリウレタンアクリレートやモノマー成分を含有する、爪への密着性や除去性に優れた光重合性人工爪組成物は公知である。
また、特許文献2に記載されているように、ウレタンアクリレートオリゴマー及びヒドロキシエチルアクリレートを含有し、人体に安全なUVAにより短時間で十分に硬化させることができる光重合性人工爪組成物も公知である。
特許文献3には、ネイル用の除去可能なゲル硬化性の組成物であって、ジ−[ヒドロキシエチルメタクリリック]トリメチルヘキシルジカルバメート、メタクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート及び溶剤を含有する組成物であり、さらに配合し得る成分のうちの一種としてポリウレタンアクリレートオリゴマーも例示されている。
これらの文献に加えて、特許文献4に記載されるように、1分子内にラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物、およびチオール化合物を含有する光重合性人工爪原料組成物とすることによって、光を遮蔽した室温下にて保管の問題を発生させず、硬化後においても、人工爪内に未硬化の組成物が残存しないようにすることが記載されている。
さらに、特許文献5には、人工爪組成物の保存安定性を向上させるために、活性エネルギー線照射により重合反応し得る官能基を含む重合体の水性エマルジョン及びポリエチレングリコールを含有させることが記載されているが、その保存安定性は該水性エマルジョン中の重合体以外に、顔料等の不溶性成分を含有し、それらの沈降を考慮したものではない。
特開2011−229725号公報 特開2010−105967号公報 特許第5756604号公報 特開2014−005260号公報 特開2011−121867号公報
人工爪組成物の保存安定性は、それが光重合性である場合には特に、光重合性化合物が意図せずに反応することを防止することを検討するものであった。
しかしながら、保存安定性を考慮する指標としては、組成物の反応性の他に、顔料を含有する場合の顔料の分散性がある。顔料の分散性を向上させ、沈降防止を図って、保存安定性を向上させるために、人工爪組成物の粘度を高くすることもできるが、それでも、場合によってはさらに保存安定性を向上させる必要があった。
本発明は特に人工爪組成物において、その保存安定性を向上させること、さらにより低粘度であっても保存安定性に優れることを課題としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の組成物からなる光硬化性人工爪組成物とすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には以下の通りである。
1.光重合性化合物、セピオライト及び/又はベントナイトを含有する人工爪組成物。
2.粘度が0.5〜130Pa・sである1に記載の人工爪組成物。
3.光重合性化合物が(メタ)アクリル基含有化合物である1又は2に記載の人工爪組成物。
4.ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリル系モノマー、光重合開始剤を含有する1〜3のいずれかに記載の人工爪組成物。
5.着色顔料及び/又は光輝材を含有する1〜4のいずれかに記載の人工爪組成物。
6.シリカを含有する1〜5のいずれかに記載の人工爪組成物。
本発明によれば、長期にわたって保存安定性が良好な人工爪組成物を得ることができる。
そのため、人工爪組成物購入後、室内において長期にわたり保管していても、固体が生成して沈降したり、顔料等の不溶性成分が沈殿したりすることがない。特に20℃での粘度が200Pa・s以下の人工爪組成物であっても沈殿を発生させることがない。
本発明の人工爪組成物は、いわゆる一般のマニキュアやペディキュア、ジェルネイルのように、爪やチップの表面に、ベースコート層、中間層であるカラーコート層、あるいはトップコート層として被覆を行うための組成物とするこができる。
そして、従来の紫外線等により硬化されるラジカル重合性のマニキュア等と同様の設備、紫外線硬化用の設備を用いて爪表面を被覆するものである。
本発明の人工爪組成物は特にジェルネイルとして使用することもできる。その中でも使用者の爪に直接塗布されるベースコート、該ベースコートの上に塗布されるカラーコート、さらにその上に塗布されるトップコートのいずれにも使用され得るものである。
自爪表面に直に塗布するベースコートは、僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することもできる。
カラーコートはソリッドカラーやラメ調、金属光沢調、暗色や明色等多彩に着色されるコートである。
トップコートは、ベースコートと同様に、僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがあるが、本発明の組成物とすることにより、経時劣化をさらに防止することができる。最上層であるため、ジェルネイルの艶を発揮させる作用を有する。
硬化後にも酸素による重合阻害等を原因とする、仮に未重合の光重合性成分が被膜内に存在するときには、エタノール、イソプロパノール等の溶剤、特にエタノールを用いて拭き取る工程が必要である。但し、十分な硬化性を備えるときには、このような工程を要しない。
いずれの層に関しても、退色・変色を防止でき、かつ硬化後少なくとも2週間、欠けることなく、剥がれず、また下層や使用者の爪に対して浮きが発生しない。
また本発明の人工爪組成物は、水性溶媒や油性溶媒を含有することもできる。
そして、本発明の粘土鉱物を含有する人工爪組成物の粘度は、0.5〜130Pa・sである。この範囲の粘度であって、顔料や光輝材等の固形分が沈降しやすい場合であっても、耐沈降性に優れることができる。そして好ましい粘度は0.8〜25Pa・sである。粘度が0.5Pa・s未満であると耐沈降性に劣る可能性があり、130Pa・s以上であれば、顔料の沈降防止のために、必ずしも粘土鉱物を含有させる必要がない。
以下に本発明の光硬化性人工爪組成物の具体的組成について説明する。
−光重合性化合物−
本発明中の光重合性化合物として、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、さらに、単官能や多官能の(メタ)アクリレートモノマーをはじめとする光重合性モノマーから任意のものを選択し使用できる。
[ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー]
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を加えて、前記ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基総数の10%以上のイソシアネート基に、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を付加反応させて得ることができる。なお、ここで、該イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基と反応するジオール化合物やジアミン化合物が分岐を含み炭素数5以上の炭素鎖セグメントとしてのアルキレン基、好ましくは炭素数6以上のアルキレン基を有することが必要である。
またなかでも、重量平均分子量が400〜30,000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましい。また、重量平均分子量が400〜30,000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、このようにして得られた各種の重量平均分子量(場合により一部は重量平均分子量が400未満又は30,000を超える)を有する複数種のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを合計して、全体として平均アクリル当量が100〜15,000としてもよい。
[エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー]
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、グリシジル基を含むオリゴマーであり、グリシジル基を有し環状構造を持つ化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させることにより製造することができる。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、エポキシ系、変性エポキシ系、ビスフェノール系の各種オリゴマーを用いることができる。
[ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー]
本発明の人工爪組成物において、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを全組成物中に0〜99重量%、好ましくは0〜70重量%、さらに好ましくは10〜70重量%となるように含有させても良い。99重量%よりも多く含有すると硬化時に収縮が発生し、硬化後の被膜にしわが発生する可能性がある。
このようなウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを配合することにより、臭いが少なく伸縮性に優れ、かつ被膜の透明度が高く黄変せず、艶を有する高い硬度に硬化した人工爪組成物の被膜を得ることができる。そのため、場合によっては、トップコート用に適した光硬化性人工爪組成物とすることができる。
使用されるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、その全てのオリゴマーの平均アクリル当量が好ましくは100〜8000、さらに好ましくは100〜3000、より好ましくは400〜2000となるようにすることが好ましい。そのような平均アクリル当量とすることによって、硬化後に残存する未硬化樹脂を削減し屈曲性を向上させることができる。
なお、平均アクリル当量が100〜8000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、その全体のアクリロイル基に基づく官能基数が2〜6であることが好ましい。
同時に、平均アクリル当量が100〜8000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの中の全て又は一種として、重量平均分子量が500以上のものを使用することが好ましく、さらに好ましくは2000以上のものである。このような重量平均分子量が500以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを使用し、多官能チオール化合物と併用することによって、人工爪組成物の硬化速度を十分に速くでき、かつ硬化後において、被膜内に未硬化樹脂を残すことがない。
さらに、全ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー中重量平均分子量が500以上のものの含有比率は50重量%以上であること、及び/又は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー全体の重量平均分子量が500以上であることが好ましい。
なお、平均アクリル当量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量を、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーが有するアクリロイル基の数で除した値である。
なかでも、重量平均分子量が500以上で 平均アクリル当量が100〜8000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーとして、アクリロイル基に基づく官能基数が2〜4のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを含有させるか、もしくは、このオリゴマーに加えて、さらに重量平均分子量が500以上で アクリル当量が8000以下のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーとして、アクリロイル基に基づく官能基数が6のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを併用することがより好ましい。このようなウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを使用することにより、未硬化樹脂を残さない反応速度を保ちつつ、十分な屈曲性をもつ被膜が得られる。
また、本発明による硬化を阻害しない範囲において、疎水性ではないウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを含有させることができる。
あるいは、平均アクリル当量が100未満又は8000を超えるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを併用することも可能であるが、例えば全ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー中にこのようなウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを30重量%以上となるように多く併用すると、硬化後の被膜の硬度が高すぎて、衝撃を受けることにより割れやすくなる可能性がある。
なお、このようなウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを含有させることによる作用を阻害しない範囲において含有させることができる。
[単官能(メタ)アクリレートモノマー]
本発明の光硬化性人工爪組成物にさらに含有させることが可能な、(メタ)アクリル系モノマーの中でも単官能(メタ)アクリレートモノマーは、人工爪組成物の臭いを少なくし、組成物の粘度を調整でき、透明であって、低刺激性であり、反応性に優れ、黄変しない性質を備えることが必要である。
そのような単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
また、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和基含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレートを使用することもできる。
この単官能(メタ)アクリレートモノマーを配合しないこともでき、配合するときの配合比率としては、全光硬化性人工爪組成物中に1〜99.0重量%であり好ましくは3〜60重量%、さらに好ましくは10〜50.0重量%、より好ましくは15〜40.0重量%となるように含有させることができる。99.0重量%を超えて配合すると、硬化膜が脆くなり膜を維持できない可能性があり、1重量%未満であると隣接する表面との密着性が悪化したり、拭き取り性が悪化したりする可能性がある。
なお、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び/又はイソボルニル(メタ)アクリレートを配合することが好ましく、このときに硬化後の被膜の硬度と屈曲性のバランスが良好になる。これらの化合物を配合する場合には、好ましくはその合計の配合量を40重量%以下とする。
[多官能(メタ)アクリレートモノマー]
本発明の人工爪組成物にさらに含有させることが可能な、上記のモノマー以外の(メタ)アクリレートモノマーの中でも多官能の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ラジカル重合しうる不飽和基を1分子中に2以上有する化合物であって、本発明の光硬化性人工爪組成物に配合できる化合物である。ラジカル重合しうる不飽和基としては、炭素−炭素間二重結合をもつ官能基であり(重合性二重結合ともいう)、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、アリル基等を挙げることができる。
そしてこれらの多官能(メタ)アクリレートモノマーには、粘着剤含有人工爪組成物の臭いを少なくし、塗膜強度の調整ができ、透明であって、低刺激性であり、反応性に優れ、黄変しない性質を備えることが必要である。
このような多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、等のトリ(メタ)アクリレート化合物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート等のエリスリトール類の(メタ)アクリレート類、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートを使用することができる。
また、リン酸ビス(メタクリル酸ヘキサン酸エチル)、リン酸ビス(メタクリル酸プロパン酸ペンチル)、リン酸トリ(メタクリル酸ヘキサン酸エチル)、リン酸トリ(メタクリル酸プロパン酸ペンチル)等の多官能のリン酸エステル系メタクリレートも使用することができる。
これらの多官能(メタ)アクリル系モノマーの中でもビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが好ましく、さらに3官能以上のものを含有させても良く、4官能以上、さらに好ましくは6官能以上ものを含有させることができる。3官能以上のものを含有させることによって、光照射したときの硬化性が向上する。2官能(メタ)アクリル系モノマーは適度な重合性があり、硬化膜を収縮させない効果を発揮させ、3官能以上の(メタ)アクリル系モノマーは爪への密着性に優れる効果を発揮させる。そして、多官能(メタ)アクリル系モノマーとしては匂いが少なく、透明で、低刺激性に優れるものである。
2官能(メタ)アクリル系モノマーと、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーはそれぞれ被膜の強度を調整するために配合することができ、配合するときの配合比率としては、それぞれが、1.0〜99.0重量%、好ましくは3.0〜30.0重量%である。99.0重量%を超えて配合すると、硬化時において被膜の収縮が大きくなる可能性がある。また、多官能(メタ)アクリレートモノマーが1重量%未満では硬化膜の硬度が低くなる可能性がある。
[多官能チオール化合物]
本発明の人工爪組成物にさらに含有させることが可能な、任意に添加できる多官能チオール化合物としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びジペンタエリスリトールが本来有する水酸基に、チオール基又は反応してチオール基になる基を有する化合物が反応して得られたものが好ましい。
このような多官能チオール化合物としては、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
このような多官能チオール化合物を含有させることによって、光硬化性人工爪組成物の粘度を調節することに加え、硬化した光硬化性人工爪組成物を拭き取って除去する際の拭き取り性を向上させることができる。
本発明の人工爪組成物において、多官能チオール化合物を全組成物中に含有させる場合には、好ましくは1.0〜50.0重量%、さらに好ましくは2.0〜20.0重量%、より好ましくは7.0〜18.0重量%となるように含有させることができる。50.0重量%よりも多く含有すると硬化時の硬化速度が速すぎて、爪表面への塗布や、硬化時の取り扱いが困難になる可能性があり、含有する量が1.0重量%よりも少ないと、硬化速度が低下して、硬化後においても未硬化成分を含有する可能性がある。
―非重合性微粒子―
本発明にて使用してもよい非重合性微粒子は、人工爪組成物にチキソトロピー性等を付与するものであり、その含有比率としては、人工爪組成物中0.1〜10.0重量%、好ましくは0.5〜5.0重量%である。10重量%を超えて含有すると、人工爪組成物の静止粘度が高くなり、爪に塗布した際の伸びが悪化する。また0.1重量%未満であると静止粘度が低くなりすぎて非溶解性成分が沈殿する可能性がある。
なお、非重合性微粒子としては、特に平均粒子径が2μm以下のものが好ましい。この範囲の大きさであると沈降防止効果をさらに向上できる。
非重合性微粒子としては、粘土鉱物等の無機粉体として、アルミナ、酸化亜鉛、酸化銅、酸化鉄、シリカ、ジメチルシリル化シリカ、ジルコニア、雲母、モンモリロナイト、ゼオライト、白土、活性白土、ケイソウ土、カオリン、木節粘土、ガイロメ粘土、石英、リン酸ジルコニウムを、光輝材として、金属及び/又は金属化合物により被覆された雲母やガラスフレーク、マイカ等の鱗片状物質、金属粉末、金属化合物粉末、銀やアルミニウム等の薄膜を挟み込んだり、表面に設けたりしてなるPET等の樹脂フィルム等の、公知の無機粉体や光輝材を、本発明による効果を阻害しない範囲にて併用することができる。
−光重合開始剤−
本発明の人工爪組成物に配合する光重合開始剤は、LEDを光源とした紫外線や365〜410nm付近の波長の光(可視光の一部)によっても十分に硬化することができ、硬化時の発熱量を抑制することができるものが好ましい。
そのような光重合開始剤として、ベンゾインエーテル類、ベンジルケタール類、アシッドエステル類、α−アミノアルキルフェノン類、アシルフォスフィンオキシド類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、チタノセン類、を使用することができる。
これらの光重合開始剤として、具体的には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、フェニル酢酸, α−オキソ−オキシジ−2,1−エタンジイルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル、又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル、あるいはこれらの化合物の混合物、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノンなどが好適に用いられる。なかでも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンや2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドを使用することが好ましい。
これらの光重合開始剤は、染料、顔料や重合性化合物の光吸収によってもラジカル生成反応が阻害されず、またラジカル発生効率が高く、人工爪組成物の硬化性を高めることができる点で好ましい。
これらの光重合開始剤は本発明の人工爪組成物中0.5〜20.0重量%、好ましくは0.5〜15.0重量%、さらに好ましくは5.0〜15.0重量%となるように配合することができる。20.0重量%を超えると、過剰な量のラジカルが発生することになるので、ラジカル重合反応が多くの開始点からなされ、その結果、硬化後のポリマーの分子量が小さくなって硬化膜が脆くなり、膜を維持できない可能性がある。また、0.5重量%未満であると十分な量のラジカルが発生できないので、ラジカル重合反応が長時間に及ぶこととなり、硬化不良となる可能性が高い。
−粘土鉱物−
本発明において使用される粘土鉱物としては、セピオライト及び/又はベントナイトであり、その平均繊維径は0.01〜0.5μmであり、平均繊維長は1〜20μmである。
本発明の人工爪組成物において、粘土鉱物の含有量は0.1〜8.0重量%、好ましくは0.3〜6.0重量%、さらに好ましくは0.5〜2.0重量%である。0.1重量%より少ないと、顔料の十分な耐沈降性を発揮することができず、8.0重量%を超えると、粘度が高くなりすぎる可能性がある。
また光輝材1重量部に対して、粘土鉱物を0.01〜0.8重量部、好ましくは0.03〜0.6重量部、さらに好ましくは0.05〜0.2重量部含有させることができる。含有量が0.01重量部よりも少ないと、顔料の十分な耐沈降性を発揮することができず、8.0重量%を超えると、粘度が高くなりすぎる可能性がある。
−シリカ−
本発明において、シリカを配合することができる。配合できるシリカとしては公知のものでよく、表面未処理又は処理のいずれでも良い。表面処理されたシリカとしては、ジメチルシリル化シリカ等を使用することができる。
また、これらのシリカは顔料として使用される範囲内での平均粒子径を有すればよい。
シリカの配合量としては、本発明の人工爪組成物中、好ましくは0.2〜3.0重量%、さらに好ましくは0.4〜1.5重量%であり、又は光輝材100重量部に対して好ましくは2.0〜30.0重量部配合することができ、さらに好ましくは4.0〜15.0重量部配合することができる。
また、セピオライト1重量部に対して、シリカやジメチルシリル化シリカを0.5〜1.5重量部、さらに0.75重量部〜1.25重量部併用することによって沈降防止性を向上させることができる。
これらのシリカを適切な量となるように配合することにより、耐沈降性をさらに向上させることができる。
−色素−
本発明において使用され得る色素としては、人工爪組成物用色素の中でも、紫外線によって退色や変色を発生させやすい、つまり、耐光性が強くない色素でもよい。そのような色素としては有機顔料、有機染料及び無機顔料のいずれから選択されてもよく、以下のものを採用することができる。
褐色201号、黒色401号、紫色201号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色202号、青色203号、青色204号、青色205号、青色403号、青色404号、緑色201号、緑色202号、緑色204号、緑色205号、緑色3号、緑色401号、緑色402号、黄色201号、黄色202号−(1)、黄色202号−(2)、黄色203号、黄色204号、黄色205号、黄色4号、黄色401号、黄色402号、黄色403号−(1)、黄色404号、黄色405号、黄色406号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、橙色206号、橙色207号、橙色401号、橙色402号、橙色403号、赤色102号、赤色104号−(1)、赤色105号−(1)、赤色106号、赤色2号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色223号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号−(1)、赤色230号−(2)、赤色231号、赤色232号、赤色3号、赤色401号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号、赤色506号、酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、カーボンブラック。
上記の色素のなかでも、赤色202号、赤色226号、赤色405号、赤色104号−(1)、黄色4号、黄色203号、青色1号、青色404号、紫色201号を使用することが好ましい。
本発明においては、上記の色素を始めとする色素を1種以上使用することができ、本発明の人工爪組成物中0〜30重量%となるように含有させることができ、好ましくは0.01〜15.0重量%である。30重量%を超えて含有させると紫外線による硬化性が悪化し、含有させないと着色できない。
色素としては、上記の他に、公知の顔料、光輝材、染料を使用することができ、特に爪被覆用として使用されている無機顔料、光輝材、有機顔料や染料を使用することができる。
特に光輝材としては公知の天然及び合成雲母やそれらの雲母表面に金属や金属化合物を被覆してなるフレーク状顔料、表面がコーティングされても良い金属粉、表面がコーティングされてもよいガラス等の無機化合物の粉やガラスフレーク、又は表面がコーティングされても良い樹脂粉や樹脂片、2枚の樹脂片間に金属層を有する樹脂片等を使用することができる。
そして本発明においては人工爪組成物の着色や美観を付与する目的で、組成物中に色素として顔料、光輝材等の固体の着色材を含有する。人工爪組成物中の固体の着色材の含有量は1.0〜30.0重量%が好ましく、2.0〜20.0重量%がさらに好ましい。光輝材を含有させる際には、その光輝材の人工爪組成物中の含有量は1.0〜30.0重量%、好ましくは3.0〜20.0重量%、さらに好ましくは5.0〜15.0重量%である。また、硬化前の人工爪組成物には、顔料等のみではなく樹脂粒子や、公知の光硬化性人工爪組成物に配合できる装飾用材料等を配合しておくことも可能である。
使用できる顔料及び染料の種類、及びそれらの含有量としては、紫外線の照射による硬化を阻害しない程度のものとすることが必要である。
−重合禁止剤−
本発明において人工爪組成物に含有させる重合禁止剤としては、キノン化合物、サリチル酸ヒドラジド、トコフェロール化合物である。
これらの重合禁止剤は本発明の人工爪組成物中500〜5000ppm、好ましくは1000〜4500ppmとなるように配合することができる。5000ppmを超えると、光重合時における反応性が悪化し、500ppm未満であると、硬化された光硬化性人工爪組成物の退色・変色が発生しやすくなる。
−粘着付与剤−
本発明において使用しても良い粘着付与剤としては、臭気が少ないもの、透明であって人工爪の層の着色に影響を与えないもの、低刺激性、黄変しないもの、及び組成物中にて析出しないものであることが必要である。
そのような粘着付与剤としては、ケトン樹脂、ロジン及び/又はロジン誘導体、さらには水添ロジン及び/又は水添ロジン誘導体として、ロジン、水添ロジン、水添ロジン酸グリセリル、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、水添ロジン酸メチル、(水添ロジン/ジイソステアリン酸)グリセリル、トリ水添ロジン酸グリセリル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ペンタエリスリチル、部分水添ロジン酸メチル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ロジン酸グリセリル、ロジン酸メチル、ロジン酸ナトリウムを使用することができる。
このような粘着付与剤を人工爪組成物に添加することによって、人工爪組成物に接着性を付与すること、及び有機溶剤による溶解性を向上させることができる。
本発明の光硬化性人工爪組成物全体における粘着付与剤の配合割合は3.0重量%以上であり、さらに好ましくは6.0重量%以上、より好ましくは10.0重量%以上、最も好ましくは15.0重量%以上である。3.0重量%未満では、硬化被膜が十分な密着性及び可溶解性を有しない。また配合割合の上限としては40.0重量%以下、より好ましく30.0重量%以下である。40.0重量%よりも多く含有すると硬化後の塗膜が硬くなり、脆くなる。
本発明の人工爪組成物には、本発明による効果を阻害しない範囲において、アクリロイル基を有しない上記の各樹脂以外の任意の樹脂を60重量%までの含有量の範囲で含有させることができる。このような樹脂としては、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等であり、それらの樹脂の重量平均分子量は5000〜40000である。
これらのなかでも、特にポリウレタン樹脂であれば、本発明による効果を阻害する可能性が低く好ましい。
本発明の人工爪組成物には、光沢度、粘度や透明性、硬化性などに悪影響を与えない範囲で各種の添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、ポリオール類、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、充填剤、表面張力調整剤、他の重合禁止剤、難燃剤、酸化防止剤、イオン吸着体、低応力化剤、抗菌剤、可撓性付与剤、ワックス類、ハロゲントラップ剤、レベリング剤、濡れ改良剤等の各種の添加剤を配合することができる。
[人工爪組成物による被覆方法]
本発明の人工爪組成物は、使用者自身の爪の表面にサンディングを施すことなく、又は施した上で塗布することができる。必ずしも爪表面に凹凸を形成させる必要がない他は、公知の紫外線硬化型の光硬化性人工爪組成物と同様の方法により爪表面に塗布することができる。また、爪へのベースコート層(下地層)として、あるいは中間層、さらにトップコート層として使用することができる。
そのため、本発明の人工爪組成物は筆等の塗布具によって十分に塗布することができる程度の粘度を有すればよい。もちろん、爪表面に本発明の光硬化性人工爪組成物を塗布後、硬化前に小さな飾りや粉体等を被膜表面に付着させることも可能である。
また、シートの片面に本発明の未硬化の人工爪組成物からなり、かつ爪の形状を有する層を設けておき、この層を爪表面に重ねるようにして付着させ、この人工爪組成物からなる層からシートを剥離するか又は剥離せずに、紫外線を照射して硬化することもできる。このようなシート表面に予め人工爪組成物からなる層を設けておけば、使用時に筆等の塗布具を使用することなく、爪の表面に均一かつ正確な模様を被覆することが可能である。そして使用後においても該塗布具を洗浄等する必要がない。
被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪でも良い。
塗布後の人工爪組成物の硬化に関しても公知の紫外線硬化用の装置を用いて行うことができる。含有される化合物や顔料等の成分によって、硬化に必要な照射エネルギーは異なるものの、その光照射による照射エネルギー(積算光量)は、5mJ/cm以上1000mJ/cm以下が好ましく、10mJ/cm以上800mJ/cm以下がより好ましい。照射エネルギーがこの範囲内であれば、十分な密着性および耐擦性を有するネイルアートが得られる。
光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、紫外線レーザーダイオード(UV−LD)等の公知の紫外線の光源を用いることができる。
その中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV−LED)および紫外線レーザーダイオード(UV−LD)が好ましい。
表1に示す全配合成分(表中数値は重量%)を容器内に投入し、ディゾルバーにより撹拌しつつ50℃に加温し撹拌し、フーバーマーラーを用いて分散した。これらの工程を全て遮光下にて行った。
人工爪組成物の評価
<粘度>
TV−H型粘度計を用い、1°34′×24R°のローターを用いて、20±1℃で組成物の粘度を測定した。
<耐沈降性>
実施例及び比較例で得た各サンプルを透明な瓶に入れ、遮光し、50℃の恒温槽内に1日間放置した。
評価
5:光輝材の濃度差が見られない。
4:光輝材の濃度差が僅かに見られる。
3:光輝材の多くが下から5割の位置以上までに存在する。
2:光輝材の多くが下から2割の位置以上までに存在する。
1:光輝材の多くが下から2割の位置以下に存在する。
Figure 2018070498
オリゴマーA:ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:3,000、アクリロイル基に基づく官能基数2)
オリゴマーB:ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:740、アクリロイル基に基づく官能基数6)
ポリマーA:ポリウレタン(重量平均分子量:23,000、アクリロイル基に基づく官能基数0)
IBXA:イソボルニルアクリレート
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
光輝材:銀を挟み込んだPETフィルム(0.1mm×0.1mm)
DMSS:ジメチルシリル化シリカ
本発明の通りの配合である実施例1〜11によれば、セピオライト又はベントナイトを含有するために、低粘度であっても耐沈降性に優れることがわかる。また、セピオライトに加えてシリカ又はDMSSを併用した実施例3及び4は、それらを併用しない実施例5よりも耐沈降性に優れる。
またセピオライトを含有し、かつシリカやDMSSを併用した実施例6によると、それらを併用せず、他の成分の組成が類似する実施例10よりも耐沈降性に優れる。さらにセピオライトを含有する実施例4は、ベントナイトを含有し、類似する組成を有する実施例11よりも対沈降性に優れる。
また実施例8は特に粘度が高い組成物の例であり、その粘度特性により本来保存安定性はある程度良好であるが、それでもさらに保存安定性を向上させることができる。
これに対し、セピオライト又はベントナイトを含有しない比較例1〜4によれば、たとえシリカを含有するとしても、耐沈降性に劣ることとなった。

Claims (6)

  1. 光重合性化合物、セピオライト及び/又はベントナイトを含有する人工爪組成物。
  2. 粘度が0.5〜130Pa・sである請求項1に記載の人工爪組成物。
  3. 光重合性化合物が(メタ)アクリル基含有化合物である請求項1又は2に記載の人工爪組成物。
  4. ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリル系モノマー、光重合開始剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の人工爪組成物。
  5. 着色顔料及び/又は光輝材を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の人工爪組成物。
  6. シリカを含有する請求項1〜5のいずれかに記載の人工爪組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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