JP2017088560A - 光硬化性人工爪組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】光硬化性人工爪組成物において、可視光により硬化させることにより、硬化時の発熱を抑制し、臭気を低減し、日焼けの発生を防止でき、かつ皮膚刺激性が低い組成物を得、さらに被覆後においては、内部及び表面共に硬化されることにより、強固な被膜を得て欠けることがなく、また使用者自身の爪表面に対してサンディングを行う必要がなく、かつ爪への密着性が高く、その表面にシワが発生することを防止する。【解決手段】光重合性化合物と(A)アシッドエステル系光重合開始剤と(B)アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤を含有する光硬化性人工爪組成物。【選択図】なし

Description

本発明は光硬化性人工爪組成物に関する。
近年、手や足の自爪に装飾を施したり、人工爪を接着してこれに装飾を施すというネイルアートの人気が高まっている。また、装飾や、外力による爪の割れ・剥がれを防止するための補強の目的で、いわゆるマニキュア、ペディキュア、スカルプチュアと呼ばれる樹脂含有の材料を爪に塗布することもなされている。
ここで、装飾又は補強のために使用される爪装飾材料としては、ニトロセルロース系のラッカーを有機溶剤に溶解し、これに各種色調の顔料を加えたものがある。これらは、爪や人工爪に塗布した後、有機溶剤を揮発させて、光沢に優れた被膜を形成するものである。そして、この被膜はアセトン等の有機溶剤を用いて容易に拭き取ることができる。
しかし、この種の爪装飾材料は、有機溶剤を含むため、使用時に揮発する有機溶剤を、使用者が直接吸引する恐れがある。また、形成される被膜は強靭な被膜とはなり得ず、擦れ、衝撃等の刺激により容易に剥離してしまう恐れがある。
特に最近、ウレタンアクリレート系オリゴマーとアクリル系モノマーを含むジェル状の爪被覆材料を爪に塗布し、紫外線を照射して硬化させる、ジェルネイルと呼ばれる光硬化性人工爪組成物が注目を集めている。
これらは、ラジカル重合反応により、架橋した高分子被膜を形成するため、爪から剥がれにくい強靱な被膜を形成できるとされている。
しかしながら、実際には、爪の表面にヤスリ等によってサンディングを行い、爪の表面に細かい凹凸を形成させることが必要であり、これにより爪の表面に設けた凹凸に光硬化性人工爪組成物が馴染むことにより、アンカー効果を発揮して爪表面に硬化された光硬化性人工爪組成物が密着していた。
しかし、これらの組成物の使用は、ラジカル開始剤やモノマーによる臭気、及び皮膚刺激あるいは皮膚感作性(アレルギー)などの安全上の課題を有している。すなわち、ネイルサロンのような屋内空間では、施術中に強い臭気を伴う可能性がある。また、紫外線照射後も未反応の開始剤やモノマーが残存する場合、継続的に臭気が発生する可能性もある。また、それらが皮膚に触れると、炎症やアレルギーを起こす危険性がある。さらに、指先に紫外線を照射することにより、照射部位の皮膚が日焼けすることもある。
さらに、ラジカル重合反応は酸素による重合阻害を受けやすいため、表面未硬化となる可能性が高いことも、これらの問題点を助長する要因の一つとなっている。
加えて、爪表面に凹凸を設けることを必要とするので、使用者自身の爪を傷つけることとなり、光硬化性人工爪組成物を取り除いた後の使用者自身の爪が薄く、ボロボロになることがある。
特許文献1に記載されているように、該組成物中に紫外線の照射により重合可能なイオン性モノマーを含有することを特徴とする上記人工爪組成物は公知であるが、使用される材料としてはイオン性モノマーに限定されている。
さらに、特許文献2にはラジカル重合又はカチオン重合によって、硬化されるアクリル酸エステルモノマーを含有する爪装飾用組成物が記載されている。
また、特許文献3には、分子内に少なくとも1個のラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物、分子内に少なくとも1個のラジカル重合性不飽和二重結合を有する酸性リン化合物、およびラジカル重合開始材を含む人工爪化合物が記載されている。
特許文献4には、不飽和カルボキシル酸を含有する爪への被覆材料が記載されており、特許文献5には、ポリエーテル骨格ウレタンメタアクリレートオリゴマー、脂環式(メタ)アクリレートモノマー、25℃において液体であるアクリルアミド系モノマー、分子内にエチレンオキサイドを有する2官能(メタ)アクリレートモノマー、3官能以上の多官能モノマー、光重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化型ジェルネイル用下地剤が記載されている。
特開2009−126833号公報 特開2002−225496号公報 特開2010−53097号公報 特開平2−1779号公報 特開2013−43853号公報
上記各特許文献には光硬化性の人工爪組成物が記載されているものの、紫外線による硬化のために、硬化時に発熱して爪に熱さを感じたり、指先に日焼けを起こしたり、また、使用時に臭気を発生し、皮膚に対して刺激性を有していたり、使用者の爪の表面をサンディングして凹凸を形成する必要があったり、硬化後において強固な被膜を得るものの、欠けることやシワが発生することがあり、また爪への密着性に劣る等の支障が発生していた。
本発明は光硬化性人工爪組成物において、可視光により硬化させることにより、硬化時の発熱を抑制し、臭気を低減し、日焼けの発生を防止でき、かつ皮膚刺激性が低い組成物を得、さらに被覆後においては、内部及び表面共に硬化されることにより、強固な被膜を得て欠けることがなく、使用者自身の爪表面に対してサンディングを行う必要がなく、かつ爪への密着性が高く、その表面にシワが発生することを防止することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の組成物からなる光硬化性人工爪組成物とすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には以下の通りである。
1.光重合性化合物と
(A)アシッドエステル系光重合開始剤と
(B)アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤と、
光重合性化合物として(C)リン酸エステルモノマーを
含有する光硬化性人工爪組成物。
2.(D)多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物を含有する1に記載の光硬化性人工爪組成物。
3.(D)多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物が多官能のウレタンアクリレート化合物である2に記載の光硬化性人工爪組成物。
4.多官能のウレタンアクリレート化合物がウレタンアクリレートオリゴマーである3に記載の光硬化性人工爪組成物。
5.(D)多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物がジエポキシ化合物のジアクリレート化物である2に記載の光硬化性人工爪組成物。
6.ジエポキシ化合物のジアクリレート化物が下記の(化1)で示される化合物である5に記載の光硬化性人工爪組成物。
Figure 2017088560
本発明によれば、有機溶媒を使用することなく、装飾や補強の目的でも爪表面を長期にわたり、確実に被覆することができる。しかも硬化時の発熱を抑制できて心地よくネイルケアを行うことができ、酸素により硬化が阻害されることがないので、ラジカル重合性の光硬化性人工爪組成物と比較して、未硬化の成分を残存することなく硬化させることができる。
さらに使用者自身の爪の表面をサンディングして凹凸を形成させる必要がないので、使用者自身の爪をボロボロにすることがない。
また、被覆後において、残存する有機溶媒や未硬化成分等による臭気の発生を防止でき、かつ爪から有機溶剤や未硬化成分が体内に浸透することがなく、皮膚を刺激することがない。
本発明の光硬化性人工爪組成物は、いわゆる一般のマニキュアやペディキュアのように爪の表面に被覆を行うための組成物であり、使用者自身の爪の表面をサンディングする等して凹凸がある表面とする必要がなく、従来の紫外線等により硬化されるラジカル重合性のマニキュア等と同様の設備、紫外線硬化用の設備を用いて爪表面を被覆するものである。さらに、硬化後の表面にシワが発生することを防止できる。
本発明の光硬化性人工爪組成物はジェルネイルとして使用することができる。その中でも使用者の爪に直接塗布されるベースコート、該ベースコートの上に塗布されるカラーコート、さらにその上に塗布されるトップコートのいずれにも使用されるものである。
ベースコートは一般的には透明又は僅かに黄色、たまに微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。
カラーコートはソリッドカラーやラメ調、金属光沢調、暗色や明色等多彩に着色されるコートである。
トップコートは、ベースコートと同様に、透明又は僅かに黄色、たまに微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。最上層であるため、ジェルネイルの艶を発揮させる作用を有するが、硬化後には酸素による重合阻害を原因として未重合層がトップコートに存在するので、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチルやアセトン等の溶剤を用いて拭き取り、艶をだすことが必要である。
いずれの層に関しても硬化後少なくとも2週間、欠けることなく、剥がれず、また下層や使用者の爪に対して浮きが発生しないことが必要である。
以下に本発明の光硬化性人工爪組成物の具体的組成について説明する。
本発明の光硬化性人工爪組成物は、光重合性化合物と(A)アシッドエステル系光重合開始剤及び(B)アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤を含有する組成物を基本としている。
(A)アシッドエステル系光重合開始剤としては、フェニル酢酸、 α-オキソ−,オキシジ−2,1-エタンジイルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル、又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル、あるいはこれらの化合物の混合物(イルガキュア754:BASF社製)を使用することができ、好ましくはこれらの混合物である。
(A)アシッドエステル系光重合開始剤は、下記の(B)アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤が可視光に応答して発生したラジカルを連鎖的に受け取ることができる。その結果、(A)アシッドエステル系光重合開始剤も反応を開始でき、特に臭気の発生を抑制しながら硬化を進めることができる。
これらの(A)アシッドエステル系光重合開始剤は、下記の(B)アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤と合わせて、本発明の光硬化性人工爪組成物中0.5〜20.0重量%、好ましくは、0.5〜15.0重量%、さらに好ましくは1.0〜8.0重量%となるように配合することができる。この範囲の配合量であれば、過剰にラジカルを発生させることがなく、硬化された樹脂の分子量が小さくなりすぎない。また十分な量のラジカルを発生させることができるので、十分な伸長反応を所定時間内に終了できる。また、LED硬化性を光源とした紫外線によっても十分に硬化することができ、硬化時の発熱量を抑制することができる。
(B)アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド等であり、一般的に用いられる光源から発せられる365〜405nmの波長の光が照射されることによりラジカルを発生することができる光重合開始剤である。なかでも、トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが好ましい。
これらの(B)アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤は本発明の光硬化性人工爪組成物中0.5〜20.0重量%、好ましくは0.5〜4.0重量%となるように配合することができる。この範囲の配合量であれば、(A)アシッドエステル系光重合開始剤による反応を開始できる程度に、可視光の照射によってラジカルを発生させることができる。
[その他のラジカル重合開始剤]
本発明にて併用できるその他のラジカル重合開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンジルケタール類、α−アミノアルキルフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、チタノセン類である。
具体的には、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル) −フェニルフォスフィンオキシド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、および1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノンなどが好適に用いられる。これらの開始剤は、染料、顔料や重合性化合物の光吸収によってもラジカル生成反応が阻害されず、またラジカル発生効率が高く、光硬化性人工爪組成物の硬化性を高めることができる点で好ましい。
本発明においては、光重合性化合物としてさらに下記一般式で示される(C)リン酸エステル系モノマーを配合させることができる。
このようなリン酸エステル系モノマーとしては、下記一般式に示すメタクリロキシエチルヘキサノエートフォスフェートやビス(メタクリロキシエチルヘキサノエートフォスフェート)を採用することができる。
一般式
Figure 2017088560
このようなリン酸エステル系モノマーを配合することによって、硬化後の爪表面との親和性が向上し、密着性がさらに良好になる。
[(D)多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物]
(D)多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物は、ラジカル重合しうる不飽和基を1分子中に2以上有する化合物であって、本発明中の光重合性化合物の1種である。ラジカル重合しうる不飽和基としては、炭素−炭素間二重結合をもつ官能基であり(重合性二重結合ともいう)、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、アリル基等を挙げることができる。
そしてこれらの化合物を使用した場合には、光硬化性人工爪組成物の臭いを少なくし、透明であって、低刺激性であり、かつ使用者の爪に対する密着性を備えることができる。
このような(D)多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物の具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物;グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のトリ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート化合物;その他、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが挙げられる。さらに、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン化合物や、(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ樹脂、(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル樹脂、下記のようなジエポキシ化合物の(メタ)アクリル酸アルキルエステルのジエーテル化合物等が挙げられる。
これらの(D)多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物のなかでも、アクリレートモノマーを使用することによって、適度な重合性を備え、硬化時に臭気が生じにくく、低刺激性であり、硬化被膜が透明で、収縮せず、かつ適切な硬度を付与でき各種着色剤を配合させやすくなる。
また、中でもビスフェノールAのジメタクリレートや、下記(化1)で示されるイソピリデンジフェニルビス(メタクリル酸オキシヒドロキシプロピル)等のプロポキシ化ビスフェノールAジメタクリレートを使用することが好ましい。(D)多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物を使用する際の含有量としては、光硬化性人工爪組成物に対して1〜99重量%であり、好ましくは3〜60重量%である。1〜99重量%の範囲内とすることにより硬化被膜の硬度を適切な範囲に調整することができる。
1重量%未満であると硬化被膜が脆くなり、硬化被膜が脆くなると使用者の爪に対する光硬化性人工爪組成物の密着性が低下し、99重量%を超えると硬化した組成物の硬度が低くなる可能性がある。
Figure 2017088560
[(メタ)アクリレート含有オリゴマー]
本発明の光硬化性人工爪組成物には、(D)多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物のなかでも、(メタ)アクリレート含有オリゴマーを配合させることができる。そのような(メタ)アクリレート含有オリゴマーとしてはウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーやエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられ、特に好ましくはウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を加えて、前記ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基総数の10%以上のイソシアネート基に、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物により付加反応させて得ることができる。
このような(メタ)アクリレート含有オリゴマーを配合することにより、臭いが少なく伸縮性に優れ、かつ艶を有する高い硬度の硬化した光硬化性人工爪組成物の被膜を得ることができる。そのため、トップコート用に適した光重合性化合物とすることができる。
光硬化性人工爪組成物において(メタ)アクリレート含有オリゴマーを配合する場合の配合比率としては、10〜99重量%、好ましくは30〜70重量%である。99重量%を超えて配合すると、硬化後において被膜が剥離しやすくなる。
[単官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物]
本発明中の光重合性化合物の1種として、単官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物はラジカル重合性不飽和基を1分子中に1個有する化合物であり、その具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和基含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレートを使用することもできる。
このような一価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等の中でもヒドロキシエチルメタクリレートやヒドロキシプロピルメタクリレートが好ましく、本発明の光硬化性人工爪組成物中に1〜99重量%含有させることができ、好ましくは3〜60重量%である。1重量%未満であると使用者の爪に対する光硬化性人工爪組成物の密着性が低下し、99重量%を超えると硬化した組成物が脆くなって、塗布後の被膜を維持することが困難になる。
単官能アクリルアミド化合物としては、アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド化合物等が挙げられる。
これらの重合性アミド化合物を使用する際の含有量としては、光硬化性人工爪組成物に対して1〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。1重量%未満であると使用者の爪に対する光硬化性人工爪組成物の密着性が低下し、40重量%を超えると硬化した組成物が脆くなって、塗布後の被膜を維持することが困難になる。
[酸性のラジカル重合性不飽和基を有する化合物]
酸性のラジカル重合性不飽和基を有する化合物は、上記単官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物又は多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物に包含される化合物であり、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロキシエチルフォスフェート、ビス((メタ)アクリロキシエチル)フォスフェート)、(メタ)アクリロキシヘキシルホスホノアセテート、(メタ)アクリロキシエチルヘキサノエートフォスフェート、ビス((メタ)アクリロキシエチルヘキサノエート)フォスフェート等の(メタ)アクリル酸、マレイン酸等のαβ不飽和カルボン酸のエステル化合物、4−ビニル安息香酸等のビニル基含有芳香族カルボン酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸(以下アクリロイルオキシ基等の(メタ)アクリロイルオキシ基とカルボン酸基の間に直鎖又は分岐炭化水素基が存在するカルボン酸化合物、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルナフタレン(ポリ)カルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリメリット酸、4−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ]ブチルトリメリット酸等の水酸基を有する化合物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート等のカルボキシベンゾイルオキシ基を有する化合物、N,O−ジ(メタ)アクリロイルオキシチロシン、O−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン、O−(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン、N,O−(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン等のN−及び/又はO−位置換のモノ又はジ(メタ)アクリロイルオキシアミノ酸、N−(メタ)アクリロイル−4−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノ安息香酸、2−又は3−又は4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−又は5−(メタ)アクリロイルアミノサリチル酸等のN−及び/又はO−モノ又はジ(メタ)アクリロイル(アミノ又はオキシ)安息香酸系化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとピロメリット酸二無水物の付加生成物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと無水マレイン酸又は3,3’4,4’−ベンゾフェノン酸二無水物又は3,3’−、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の付加反応物等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと不飽和ポリカルボン酸二無水物等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと不飽和ポリカルボン酸無水物の付加反応物、2−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン等のポリカルボキシベンゾイルオキシと(メタ)アクリロイルオキシを有する化合物、N−フェニルグリシン又はN−トリルグリシンとグリシジル(メタ)アクリレートとの付加物、4−[N−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、3又は4−[N−メチル−N−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸等のN−アルキル−N−(ヒドロキシ(メタ)アクリロイルオキシアルキル)アミノフタル酸化合物等、であり、なかでも、(メタ)アクリロキシエチルヘキサノエートフォスフェートやビス((メタ)アクリロキシエチルヘキサノエート)フォスフェートが好ましい。
本発明において、光硬化性人工爪組成物中の酸性のラジカル重合性不飽和基を有する化合物の配合量としては、1〜99重量%が好ましく、より好ましくは1〜70重量%である。酸性のラジカル重合性不飽和基を有する化合物の配合量が1重量%未満では、硬化した光硬化性人工爪組成物の使用者の爪に対する密着性が低くなる可能性があり、99重量%を超えると硬化が困難になり未硬化樹脂が増え、その結果、光硬化性人工爪組成物が脆くなって、被膜を維持することが困難になる可能性がある。
本発明の光硬化性人工爪組成物には、粘度や透明性、硬化性などに悪影響を与えない範囲で各種の添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、ポリオール類、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、充填剤、表面張力調整剤、重合禁止剤、難燃剤、酸化防止剤、イオン吸着体、着色剤、顔料、低応力化剤、抗菌剤、重合禁止剤、可撓性付与剤、ワックス類、ハロゲントラップ剤、レベリング剤、濡れ改良剤等の、これまでに光硬化性人工爪組成物に慣用されている各種の添加剤を配合することができる。
上記のポリオール類には、希釈剤としての機能に加えて本発明の組成物において接着性を向上させる働きもある。例えばアルキルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、フェノリックポリオール等が挙げられる。中でも、アルキルポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールが好ましく、特にポリエーテルポリオールが好ましい。接着性を向上させるために用いるときは、ポリオールを除いたその他のエポキシ樹脂成分100重量部に対してポリオールを0.1〜40重量部、好ましくは2〜15重量部で配合する。
アルキルポリオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、縮合型ポリエステルポリオール、付加重合ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。縮合型ポリエステルポリオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−ヘキサンジメタノール、ダイマー酸ジオール、ポリエチレングリコール等のジオール化合物と、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸等の有機多塩基酸との縮合反応によって得られ、分子量は100〜100,000が好ましい。付加重合ポリエステルポリオールとしては、ポリカプロラクトンが挙げられ、分子量は100〜100,000が好ましい。ポリカーボネートポリオールはポリオールの直接ホスゲン化、ジフェニルカーボネートによるエステル交換法などによって合成され、分子量は100〜100,000が好ましい。
着色剤としては公知の顔料、光輝材、染料を使用することができ、特に爪被覆用として使用されている無機顔料、光輝材有機顔料や染料を使用することができる。また、これらの着色剤を添加しない場合や、透明となる程度の量、若しくは染料を添加することにより透明性がある光硬化性人工爪組成物とすることもできる。また、硬化前の光硬化性人工爪組成物には、顔料等のみではなく樹脂粒子や、公知の光硬化性人工爪組成物に配合できる装飾用材料等を配合しておくことも可能である。
使用できる顔料及び染料の種類、及びそれらの含有量としては、紫外線の照射による硬化を阻害しない程度のものとすることが必要である。
[光硬化性人工爪組成物による被覆方法]
本発明の光硬化性人工爪組成物は、使用者自身の爪の表面にサンディングを施すことなく、爪表面に凹凸を形成させる必要がない他は、公知の紫外線硬化型の光硬化性人工爪組成物と同様の方法により爪表面に塗布することができる。そのため、本発明の光硬化性人工爪組成物は筆等の塗布具によって十分に塗布することができる程度の粘度を有すればよい。もちろん、爪表面に本発明の光硬化性人工爪組成物を塗布後、硬化前に小さな飾りや粉体等を被膜表面に付着させることも可能である。
また、シートの片面に本発明の未硬化の光硬化性人工爪組成物からなり、かつ爪の形状を有する層を設けておき、この層を爪表面に重ねるようにして付着させ、この光硬化性人工爪組成物からなる層からシートを剥離するか又は剥離せずに、紫外線を照射して硬化することもできる。このようなシート表面に予め光硬化性人工爪組成物からなる層を設けておけば、使用時に筆等の塗布具を使用することなく、爪の表面に均一かつ正確な模様を被覆することが可能である。そして使用後においても該塗布具を洗浄等する必要がない。
被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪でも良
い。
塗布後の光硬化性人工爪組成物の硬化に関しても公知の紫外線硬化用の装置を用いて行うことができる。含有される化合物や顔料等の成分によって、硬化に必要な照射エネルギーは異なるものの、その光照射による照射エネルギー(積算光量)は、5mJ/cm以上1000mJ/cm以下であるのが好ましく、10mJ/cm以上800mJ/cm以下であるのがより好ましい。照射エネルギーがこの範囲内であれば、十分な密着性および耐擦性を有するネイルアートが得られる。
光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、紫外線レーザーダイオード(UV−LD)等の公知の紫外線の光源を用いることができる。
その中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV−LED)および紫外線レーザーダイオード(UV−LD)が好ましい。
光重合開始剤、低粘度(メタ)アクリレート等の全ての原料を秤量し、ディゾルバーに投入して撹拌した。
均一に撹拌・混合した後、80℃にて1時間撹拌した。
撹拌後に80℃で2時間静置し、脱泡した。
<組成物の評価>
(硬化性評価)
硬質塩化ビニル板にアプリケーターを用いて一定膜厚となるように光硬化性人工爪組成物を塗布した。32W LED-UV(405nm)20秒照射し硬化しているかどうかを指触して評価を行った。
(黄変性評価)
硬化された光硬化性人工爪組成物を有する硬質塩化ビニル板の裏に白い紙を当てて、硬化物の色味を目視にて確認した。
(密着性評価)
爪の代替品として、表面の汚れを落とし、脱脂した6−ナイロンシートを準備し、この一面に厚さ100μmとなるように光硬化性人工爪組成物を塗布した。
この塗膜に32W LED-UV(405nm)120秒照射し硬化させ、未硬化分をエタノールと酢酸エチル混合溶媒で除去した。
得られた硬化塗膜に対して、クロスカット法に基づき、2mm×2mmのマスを25マス形成し、これに粘着テープを張った後に該粘着テープを剥離した。
該25マスのうち残ったマスの数によって密着性を評価した。
UA:ウレタンアクリレートオリゴマー
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタアクリレート
IBXA:イソボルニルアクリレート
TCD:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
MEHP:メタクリロキシエチルヘキサエートフォスフェートとビス(メタクリロキシエチルヘキサエート)フォスフェートの混合物
754:オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル、及びオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルの混合物
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
Figure 2017088560
実施例1〜7の結果によると、本発明の光硬化性人工爪組成物は、その硬化性が良好であり、かつ爪への密着性に優れており、黄変はみられなかった。
これに対し、アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤を含有しない比較例1によれば、405nmの可視光線では硬化せず、かつ密着性にも劣る結果となった。アシッドエステル系光重合開始剤を含有しない比較例2によれば、硬化性及び密着性に優れていたものの、組成物が淡黄色を示した。リン酸エステルモノマーを含有しない比較例3によれば、硬化性に優れ、かつ黄変しないものの、密着性に劣っていた。

Claims (6)

  1. 光重合性化合物と
    (A)アシッドエステル系光重合開始剤と
    (B)アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤と、
    光重合性化合物として(C)リン酸エステルモノマーを
    含有する光硬化性人工爪組成物。
  2. (D)多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物を含有する請求項1に記載の光硬化性人工爪組成物。
  3. (D)多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物が多官能のウレタンアクリレート化合物である請求項2に記載の光硬化性人工爪組成物。
  4. 多官能のウレタンアクリレート化合物がウレタンアクリレートオリゴマーである請求項3に記載の光硬化性人工爪組成物。
  5. (D)多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物がジエポキシ化合物のジアクリレート化物である請求項2に記載の光硬化性人工爪組成物。
  6. ジエポキシ化合物のジアクリレート化物が下記の(化1)で示される化合物である請求項5に記載の光硬化性人工爪組成物。
    Figure 2017088560
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