JP6673660B2 - 美爪料組成物 - Google Patents
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しかし、この種の爪装飾材料は、有機溶剤を含むため、使用時に揮発する有機溶剤を、使用者が直接吸引する恐れがある。また、形成される被膜は強靭な被膜とはなり得ず、擦れ、衝撃等の刺激により容易に剥離してしまう恐れがある。
これらは、ラジカル重合反応により、架橋した高分子被膜を形成するため、爪から剥がれにくい強靱な被膜を形成できるとされている。
しかしながら、実際には、爪の表面にヤスリ等でサンディングを行い、爪の表面に細かい凹凸を形成させることが必要であって、爪の表面に設けた凹凸に美爪料組成物が馴染むことにより、アンカー効果を発揮して爪表面に硬化した美爪料組成物が密着していた。そして、このときには、爪表面に凹凸を設けることを必要とするので、使用者自身の爪を傷つけることとなり、美爪料組成物を取り除いた後の使用者自身の爪が薄く、ボロボロになることがある。
このような美爪料組成物として、特許文献1に記載されているように、該組成物中に紫外線の照射により重合可能なポリウレタンアクリレートやモノマー成分を含有する、爪への密着性や除去性に優れた美爪料組成物は公知である。
また、特許文献2に記載されているように、人体に安全なUVAにより短時間で十分に硬化させることができる美爪料組成物も公知である。
しかし、これらの組成物の使用では、未だ硬化性が不十分であり、皮膚への刺激性を低くすると共に、未硬化のモノマーを拭き取ることが必要で、艶と硬度を十分に有する人工爪の塗膜を得ることができなかった。
本発明は美爪料組成物において、より積極的に爪表面との密着性を向上させ、さらに爪表面の油分の除去や、濡れ性を向上させることを課題とする。
具体的には以下の通りである。
1.リン酸エステル系(メタ)アクリレートを含有し、光重合開始剤を含有しない美爪料組成物。
2.上記リン酸エステル系(メタ)アクリレートが下記式で示される化合物である1に記載の美爪料組成物。
3.さらに溶剤を含有する1又は2に記載の美爪料組成物。
4.上記溶剤が揮発性溶剤である3に記載の美爪料組成物。
5.1〜4のいずれかに記載の美爪料組成物を爪表面に塗布し、乾燥後にエネルギー線硬化型爪用ベースコートを塗布し、エネルギー線を照射する美爪料組成物の塗布法。
そして、爪表面の油分を除去し、さらに濡れ性を向上させることにより、本発明の美爪料組成物の上に別の美爪料組成物を塗布したときに、爪と、該別の美爪料組成物との接着性向上効果を有する。
本発明の美爪料組成物は特にジェルネイルとして使用することもできる。その中でも使用者の爪に直接塗布されるプライマーコートとして使用でき、通常はその上に別の美爪料組成物からなるベースコート、該ベースコートの上に塗布されるカラーコート、さらにその上に塗布されるトップコートのいずれにも使用されるものである。なかでも特に本発明の美爪料組成物からなる層の上に、紫外線等硬化型の美爪料からなる層を形成し、紫外線等で硬化させることにより、各層を形成した後にそれぞれ硬化させた場合と比較して、特にこれらの層の間の密着性が向上する。このような効果は、本発明の美爪料が光重合開始剤を含有しないことによって、光重合開始剤を含有した場合とは異なり、本発明の美爪料を塗布後すぐに硬化する反応が進展することがないので、該上の層を形成させるに必要な時間を確保することができ、その後該上の層と共に硬化をさせることができる。
プライマーコート及びベースコートは一般的には透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。
カラーコートはソリッドカラーやラメ調、金属光沢調、暗色や明色等多彩に着色されるコートである。
トップコートは、ベースコートと同様に、透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。最上層であるため、ジェルネイルの艶を発揮させる作用を有する。
いずれの層に関しても硬化後少なくとも2週間、欠けることなく、剥がれず、また下層や使用者の爪に対して浮きが発生しない。
[リン酸エステル系(メタ)アクリレート]
本発明にて使用されるリン酸エステル系(メタ)アクリレートとしては、公知の各種のリン酸エステル系(メタ)アクリレートを使用することができるが、好ましくは下記式にて示される化合物である。
本発明の美爪料組成物中の上記式で示されるリン酸エステル系(メタ)アクリレートのうちの1種以上の配合量は1〜99重量%が好ましく、より好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは10〜80重量%である。配合量が1重量%未満では、美爪料組成物の使用者の爪に対する密着性が低くなる可能性があり、99重量%を超えると爪への濡れ性が低くなり、被膜を維持することが困難になる可能性がある。
本発明の美爪料組成物には、単官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物を配合することができる。その配合割合としては、本発明の美爪料組成物中0〜99重量%とすることができ、好ましくは0〜80重量%である。
また、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和基含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレートを使用することもできる。さらに、モノペンタエリスリトールアクリレート、ジペンタエリスリトールアクリレート、トリペンタエリスリトールアクリレート、テトラペンタエリスリトールアクリレートを使用することもできる。
このような一価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等の中でも2−ヒドロキシエチルメタクリレートや2−ヒドロキシプロピルメタクリレートが好ましい。
酸性のラジカル重合性不飽和基を有する化合物は、単官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物又は多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物に包含される化合物であり、(メタ)アクリロキシエチルフォスフェート、ビス((メタ)アクリロキシエチル)フォスフェート、(メタ)アクリロキシヘキシル)ホスホノアセテート、(メタ)アクリロキシエチルヘキサノエートフォスフェート、ビス((メタ)アクリロキシエチルヘキサノエート)フォスフェート、ホスホノアセテート、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等のα−β不飽和ジカルボン酸の部分エステル化合物、4−ビニル安息香酸等のビニル芳香環化合物、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、(メタ)アクリロイルオキシ基とカルボン酸基との間に直鎖炭化水素基が存在するカルボン酸化合物、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルナフタレン(ポリ)カルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメリット酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸、(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸等の4−(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリメリット酸、4−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ]ブチルトリメリット酸等の水酸基を含有する化合物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート等のカルボキシベンゾイルオキシ基を有する化合物、N,O−ジ(メタ)アクリロイルオキシチロシン、O−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N,O−ジ(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン等のN−及び/又はO−位置換のモノ又はジ(メタ)アクリロイルオキシアミノ酸、N−(メタ)アクリロイル−4−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノ安息香酸、2−又は3−又は4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−又は5−(メタ)アクリロイルアミノサリチル酸等のN−及び/又はO−モノ又はジ(メタ)アクリロイル(アミノ又はオキシ)安息香酸系化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと、ピロメリット酸二無水物の付加生成物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと、無水マレイン酸又は3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の付加反応物のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと不飽和ポリカルボン酸無水物の付加反応物等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと不飽和ポリカルボン酸無水物の付加反応物、2−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン等のポリカルボキシベンゾイルオキシと(メタ)アクリロイルオキシを有する化合物、N−フェニルグリシン又はN−トリルグリシンとグリシジル(メタ)アクリレートとの付加物、4−{N−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]アミノ}フタル酸、3又は4−{N−メチル−N−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]アミノ}フタル酸等のN−アルキル−N−[ヒドロキシ(メタ)アクリロイルオキシアルキル]アミノフタル酸化合物等を使用することができる。
中でも(メタ)アクリロキシエチルヘキサノエートフォスフェート、ビス((メタ)アクリロキシエチルヘキサノエート)フォスフェートが好ましい。
本発明において、美爪料組成物中の酸性のラジカル重合性不飽和基を有する化合物の配合量としては、1〜99重量%が好ましく、より好ましくは5〜80重量%である。この範囲であれば、爪に対して十分な密着性を有すると共に、刺激性が低い。
酸性のラジカル重合性不飽和基を有する化合物の配合量が1重量%未満では、美爪料組成物の使用者の爪に対する密着性が低くなる可能性があり、99重量%を超えるとそれ以上に添加する効果を得ることがでない。
本発明の美爪料組成物には、多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物及び単官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物のなかでも、(メタ)アクリレート含有オリゴマーを配合させることができる。そのような(メタ)アクリレート含有オリゴマーとしてはウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーやエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられ、特に好ましくはウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を加えて、前記ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基総数の10%以上のイソシアネート基に、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を付加反応させて得ることができる。
このような(メタ)アクリレート含有オリゴマーを配合することにより、臭いが少なく伸縮性に優れ、かつ被膜の透明度が高く黄変せず、艶を有する高い硬度の美爪料組成物の被膜を得ることができる。
美爪料組成物に(メタ)アクリレート含有オリゴマーを配合する場合の配合割合としては、0〜99重量%、好ましくは0〜10重量%である。99重量%を超えて配合すると、プライマーとしての密着性に対する効果が低くなる。
(メタ)アクリレート含有オリゴマーを除く、多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物は、ラジカル重合しうる不飽和基を1分子中に2以上有する化合物であって、本発明の組成物が含有し得る光重合性化合物の1種である。ラジカル重合しうる不飽和基としては、炭素−炭素間二重結合をもつ官能基であり(重合性二重結合ともいう)、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、アリル基等を挙げることができる。
そしてこれらの化合物を使用した場合には、美爪料組成物の臭いを少なくし、透明であって、低刺激性であり、適度な重合性を備えつつ硬化膜を収縮させず、かつ使用者の爪に対する密着性を備えることができる。
このような溶剤を使用することによって、美爪料組成物を爪表面に塗布する際の塗布性が向上し、爪表面の油をより除去することができ、爪表面との濡れ性も向上するので均一な塗布を行うことができる。
美爪料組成物に溶剤を含有させる際の溶剤の含有量としては1.0〜99.0重量%である。99.0重量%を超えると爪表面への美爪料組成物の密着性が悪化する可能性がある。
使用できる顔料、光輝材及び染料の種類、及びそれらの含有量としては、紫外線の照射による硬化を阻害しない程度のものとすることが必要である。
本発明の美爪料組成物は、使用者自身の爪の表面にサンディングを施して、爪表面に凹凸を形成させる必要がない他は、公知の美爪料組成物と同様の方法により、好ましくはプライマー層用として爪表面に塗布することができる。また、爪への下地層として、あるいは中間層としても使用することができる。また、本発明の美爪料をプライマーとして使用する場合には、その上層との密着性を得るために、膜厚が小さい層とすることもできる。
そのため、本発明の美爪料組成物は筆等の塗布具によって十分に塗布することができる程度の粘度を有すればよい。もちろん、爪表面に本発明の美爪料組成物を塗布後、必要に応じて小さな飾りや粉体等を被膜表面に付着させることも可能である。
被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪でも良い。
その後、得られた本発明の美爪料組成物による塗布層を、溶媒を含有する場合には溶媒を除去した後に、その上に別の美爪料組成物を塗布して上層とすることが好ましい。
そのときに使用する別の美爪料組成物としては、光重合開始剤及びラジカル重合型の光硬化性モノマー及び/又はオリゴマーを含有してなる紫外線等のエネルギー線硬化型の美爪料組成物であり、本発明中のリン酸エステル系(メタ)アクリレートと同じ化合物を含有することができる。
このような組成物の別の美爪料組成物を用いて、本発明の美爪料組成物からなる層の上に別の層を形成し、揮発性溶剤を含有する場合にはその溶剤を揮発させた後に、所要の強度でエネルギー線を照射して、別の美爪料組成物からなる層を硬化させることができる。
このときには、通常の各層を形成する毎に硬化を行う方法と比較して、本発明の美爪料組成物からなる層と、その上層である別の美爪料組成物からなる層との間にて光重合性成分同士が重合することができ、結果的にこれらの層が強固に密着してなる構造が得られる。
上層である別の美爪料組成物からなる層のみに光重合開始剤が含有されていても、該光重合開始剤の一部は、本発明の美爪料組成物層中に浸透したり、その境界面に存在したりすることによって、本発明の美爪料組成物層も十分に硬化される。
光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、紫外線レーザーダイオード(UV−LD)等の公知の紫外線の光源を用いることができる。
その中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV−LED)および紫外線レーザーダイオード(UV−LD)が好ましい。
但し、本発明の美爪料組成物の上層に位置し、より表面に近い層であることから、装飾するための顔料は粒等の素材を併用することもできる。
上記の別の美爪料組成物に配合される光重合開始剤は、LEDを光源とした紫外線や365〜410nm付近の波長の光(可視光の一部)によっても十分に硬化することができ、硬化時の発熱量を抑制することができるものが好ましい。
そのような光重合開始剤として、ベンゾインエーテル類、ベンジルケタール類、アシッドエステル類、α−アミノアルキルフェノン類、アシルフォスフィンオキシド類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、チタノセン類等を使用することができる。
これらの光重合開始剤として、具体的には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、フェニル酢酸、α−オキソ−オキシジ−2,1−エタンジイルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル、又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル、あるいはこれらの化合物の混合物、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル) −フェニルフォスフィンオキシド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))−1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、および1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノンなどが好適に用いられる。これらの開始剤は、染料、顔料や光重合性化合物の光吸収によってもラジカル生成反応が阻害されず、またラジカル発生効率が高く、美爪料組成物の硬化性を高めることができる点で好ましい。
これらの光重合開始剤は別の美爪料組成物中0.5〜20.0重量%、好ましくは5.0〜15.0重量%となるように配合することができる。20.0重量%を超えると、過剰な量のラジカルが発生することになるので、ラジカル重合反応が多くの開始点からなされ、その結果、硬化後のポリマーの分子量が小さくなって硬化膜が脆くなり、膜を維持できない可能性がある。また、0.5重量%未満であると十分な量のラジカルが発生できないので、ラジカル重合反応が長時間に及ぶこととなり、硬化不良となる可能性が高い。
実施例1では、PEHPを溶剤であるEtOAtに溶解したものをプライマーとして爪上に塗布、乾燥して溶剤を除去した後、ラッキートレンディ社製ポリジェリカを塗布して紫外線を照射することにより硬化した。
比較例1は実施例1にて使用したプライマーをビューティーネイラー社製ウルトラボンドに変更した以外は実施例1と同様にした。
比較例2は爪の上にプライマーを塗布することなくラッキートレンディ社製ポリジェリカを塗布し、硬化した。
これらの結果によれば、本発明の美爪料組成物を塗布し、その上にベースジェルを塗布すると、プライマーを塗布しない場合はもちろん、市販のプライマーであるビューティーネイラー社製ウルトラボンドを塗布した場合と比べても、明らかに爪上でのベースジェルの密着性が向上することがわかる。
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