JP2024001559A - 硬化性人工爪組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材への粘着性(爪への密着性・接着性)及び密着持続性に優れた硬化塗膜を形成することができ、硬化性に優れ、ピールオフ性を有する等の特性を有する硬化性人工爪組成物を得ること。【解決手段】下記(A)~(C);(A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物、(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物、(C)重合開始剤、を含む硬化性人工爪組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性人工爪組成物に関する。
手や足の自爪に装飾を施したり、人工爪を接着してこれに装飾を施したりするネイルアートの人気が高まっている。また、外力による爪の割れ・剥がれを防止するための補強のために、爪の上に人工爪を形成することが行われている。
このような爪の装飾や補強のためには、いわゆるマニキュア、ペディキュア、スカルプチュアと呼ばれる樹脂含有の材料が爪に塗布されている。
爪の装飾又は補強のために使用される材料としては、ジェルネイルと呼ばれる硬化性人工爪組成物が注目を集めている。ジェルネイルは、硬化性のジェル状爪被覆材料(硬化性人工爪組成物)であって、例えば、(メタ)アクリレート系オリゴマーと(メタ)アクリル系モノマーを含むものが知られている。ジェルネイルは、爪に塗布し、紫外線照射等により硬化することで、ラジカル重合反応により、架橋した高分子被膜を形成するため、爪から剥がれにくい強靱な被膜を形成できるとされている。これまで、ジェルネイル等の硬化性人工爪組成物は、硬化塗膜の基材への粘着性(爪への密着性・接着性)、密着持続性、硬化性、硬化塗膜の美感等の観点からの検討が主に進められてきた。
一方、最近は、爪の装飾又は補強において、ネイルサロンだけでなく、使用者自身が自宅等でネイルを行うセルフネイルの需要も高まっている。しかしながら、これまでの硬化性人工爪組成物を用いたジェルネイルは、通常の除光液を用いたオフが困難である。このため、ジェルネイルは、オフに際して高い技術と専用のリムーバが必要であり、セルフネイルとするハードルが高いことから、使用者自身が、自宅等で簡単に既存のネイルをオフできるジェルネイルとして使用される硬化性人工爪組成物が求められていた。
特許文献1には、容易に補修、除去できるジェルネイルを得ることができる光硬化性爪化粧料が記載されている。
特許文献2には、硬化塗膜が良好なソークオフ性(溶剤による剥離性)を有する光硬化性人工爪組成物が記載されている。
特許文献3には、使用後には簡単に剥離が可能となる光硬化性ジェルネイル用組成物が記載されている。
特開2019-85394号公報 特開2019-1750号公報 特開2022-21394号公報
特許文献1~3においては、ジェルネイルのオフ(硬化塗膜の剥離・除去)の際に、いずれもアセトンを用いる必要があった。このため、ジェルネイルをセルフネイルとするハードルが依然として高く、使用者自身が、自宅等で簡単に既存のネイルをオフできるジェルネイルであるとはいえなかった。
硬化性人工爪組成物の硬化塗膜を、使用者自身が自宅等でオフできるようにするためには、ジェルネイルのベース(ベースコート塗膜)をピールオフ可能とする必要がある。硬化性人工爪組成物の硬化塗膜をピールオフ可能とするためには、硬化塗膜を引張った際にちぎれない高い柔軟性が必要である。一方で、硬化性人工爪組成物をジェルネイルのベースコート層として好適に使用するためには、高い硬化性と、爪に持続性良く密着する密着持続性も必要である。しかしながら、これまでの硬化性人工爪組成物は、高い硬化性、硬化塗膜の高い柔軟性、硬化塗膜の高い密着性の全てを満たすことは困難であった。
本発明が解決しようとする課題は、基材への粘着性(爪への密着性・接着性)及び密着持続性に優れた硬化塗膜を形成することができ、硬化性に優れ、ピールオフ性を有する等の特性を有する硬化性人工爪組成物を得ることである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の組成の硬化性人工爪組成物とすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には以下の通りである。
[項1]
下記(A)~(C);
(A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物、
(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物、
(C)重合開始剤、
を含む硬化性人工爪組成物。
[項2]
前記(A)が、ポリエーテル系ポリウレタン(メタ)アクリレート化合物である、項1に記載の硬化性人工爪組成物。
[項3]
前記(B)が、単独重合体のガラス転移温度が0℃以下のモノ(メタ)アクリレート化合物である、項1又は2に記載の硬化性人工爪組成物。
[項4]
前記(B)が、分子内にポリアルキレンアルキルエーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレート化合物である、項1~3のいずれか1項に記載の硬化性人工爪組成物。
[項5]
硬化性人工爪組成物の硬化塗膜の伸びが、90%以上である、項1~4のいずれか1項に記載の硬化性人工爪組成物。
[項6]
前記(A)の含有量が、硬化性人工爪組成物中のラジカル重合性化合物全量100質量%に対して、40質量%以上95質量%以下である、項1~5のいずれか1項に記載の硬化性人工爪組成物。
本発明により、基材への粘着性(爪への密着性・接着性)及び密着持続性に優れた硬化塗膜を形成することができ、硬化性に優れ、ピールオフ性を有する等の特性を有する硬化性人工爪組成物が提供される。
本発明の硬化性人工爪組成物は、下記(A)~(C);
(A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物、(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物、(C)重合開始剤、
を含む硬化性人工爪組成物である。
本発明者は、本発明の硬化性人工爪組成物に(A)成分(特定のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物)が配合されていることにより、硬化塗膜を引張った際に、破断することなく伸びる特性が付与され、これにより硬化塗膜のオフ性を示すものと推察している。
また、本発明者は、本発明の硬化性人工爪組成物に(B)成分(特定のモノ(メタ)アクリレート化合物)が配合されていることにより、硬化性人工爪組成物の硬化性(特に、光硬化性)が低下することなく、基材に対する粘着性(爪への密着性・接着性)が高い硬化塗膜を形成し得るものと推察している。
なお、本発明は、この推察に限定されるものではない。
以下、下記(A)~(C);
(A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物、
(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物、(C)重合開始剤、
を含む硬化性人工爪組成物について詳細に説明する。
本明細書においては、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートの両者を意味する。
[(A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物]
(A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物は、分子内にポリウレタン繰返し単位と(メタ)アクリレート基をそれぞれ1個以上有し、重量平均分子量が10,000以上のものであれば特に限定されず、1種類以上を使用することができる。
本発明の硬化性人工爪組成物に、(A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物を配合することにより、硬化性人工爪組成物の硬化塗膜に高い伸び性を付与することができ、硬化塗膜を引張る際に、硬化塗膜が引きちぎれることがなく、これにより硬化塗膜のオフ性を向上させることが可能となる。
本発明において使用することができる1種類以上の(A)重量平均分子量10,000以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物は、ポリウレタン繰返し単位、(メタ)アクリレート基に加えて、ポリマー骨格(ポリエーテル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート等)を有していることが好ましい。ポリマー骨格としては、例えば、脂肪族系ポリエーテル骨格、芳香族系ポリエーテル骨格、脂肪族系ポリカーボネート骨格、芳香族系ポリカーボネート骨格、脂肪族系ポリエステル骨格、及び芳香族系ポリエステル骨格からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。中でも脂肪族系ポリエーテル骨格、脂肪族系ポリカーボネート骨格、芳香族系ポリカーボネート骨格の1種類以上を有するものが好ましい。
(A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物の分子内に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は特に限定されない。硬化性人工爪組成物の硬化性、塗膜の硬度等の観点から、1個以上、好ましくは2個以上であり、例えば10以下、好ましくは8以下である。(メタ)アクリロイル基は、ポリウレタン(メタ)アクリレート化合物の分子末端又は側鎖のいずれに存在していてもよい。好ましくは分子末端である。(メタ)アクリロイル基の数は、赤外吸収分光法(IR)、核磁気共鳴法(NMR)、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)等を用いて分析することによって確認できる。
(A)ポリウレタン(メタ)アクリレート化合物は、重量平均分子量が10,000以上である。好ましくは30,000以上、より好ましくは40,000以上である。重量平均分子量の上限値は、特に限定されないが、通常200,000以下、好ましくは150,000以下、より好ましくは100,000以下、さらに好ましくは80,000以下である。
(A)ポリウレタン(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量が10,000未満の場合、硬化塗膜の伸び性が不足し、硬化塗膜をオフする際に硬化塗膜が引きちぎれ、オフ性が低下するおそれがある。また、(A)ポリウレタン(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量が大きい場合、硬化塗膜の伸び性が低下するおそれがあり、硬化塗膜の粘着性が低下するおそれがある。
(A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物は、市販品又は合成品のいずれを使用してもよい。
(A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物の市販品としては、例えば、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H(共栄社化学社製)や、RUA-071、RUA-003VE、RUA-075、RUA-048(亜細亜化学工業社製)、UV-7550B、UV-6630B、UV-7000B、UV-2000B、UV-2750B、UV-3000B、UV-3200B、UV-3300B、UV-3310B、UV-3700B、UV-6640B(三菱ケミカル社製)、UN-9000PEP、UN-9200A、AU-2040(トクシキ社製)、KUA-PC2I、SUA TH1、SUA TH2(ケーエスエム社製)、アートレジン UN-6207、UN-6304、UN-6305、UN-350、UN-7600、UN-7700、UN-9200A、UN-5500(根上工業社製)等からなる群より選ばれる1種類以上があげられるが、これらに限定されるものではない。
(A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物は、ポリオール、ポリイソシアネート及び(メタ)アクリレート基を有する化合物を少なくとも反応させることで合成品を得ることができる。例えば、
(i)ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを形成し、さらに、分子内に活性水素含有基と(メタ)アクリレート基を有する化合物を反応させる方法、
(ii)ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて水酸基含有ウレタンプレポリマーを形成し、さらに、分子内にイソシアネート基と(メタ)アクリレート基を有する化合物を反応させる方法、
等で合成できるが、この方法のみに限定されない。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物の合成に際して用いることができるポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリレートポリオール(アクリルポリオール)、ポリウレタンポリオール、ポリオレフィンポリオール、アルキレンポリオール等からなる群より選ばれる1種類以上があげられるが、これらに限定されるものではない。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物の合成に際して用いることができるポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート等)、脂環族ポリイソシアネート(イソボルニルジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等)、芳香族ポリイソシアネート(ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等)、芳香脂肪族ポリイソシアネート(キシリレンジイソシアネート等)、これらのポリイソシアネートのダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、クルード化合物等からなる群より選ばれる1種類以上があげられるが、これらに限定されるものではない。
(メタ)アクリレート基を有する化合物としては、例えば、イソシアネート基と反応する基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基等)を有する(メタ)アクリレート基含有化合物(例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アクリル酸等)、イソシアネート基含有(メタ)アクリレート基含有化合物(例えば、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレート等)等からなる群より選ばれる1種類以上があげられるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物が、ポリエーテル系ポリウレタン(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
ポリエーテル系ポリウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィンポリオールからなる群より選ばれる1種類以上のポリオールと、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、クルード化合物等からなる群より選ばれる1種類以上のポリイソシアネートと、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート基含有化合物の1種類以上から得られるものであることが特に好ましい。
本発明の硬化性人工爪組成物において、(A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物の含有量は、硬化性人工爪組成物中のラジカル重合性化合物全量100質量%に対して、40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。含有量が95質量%を超えると、硬化性人工爪組成物の粘度が高くなりすぎ、塗布性や取扱性が悪くなるおそれがある。含有量が40質量%未満であると、硬化性人工爪組成物の粘度が低くなりすぎ、塗布性や取扱性等が悪くなるおそれがあり、硬化塗膜をピールオフすることができなくなるおそれがある。
[(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物]
(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物は、分子量が7,000以下であって、分子内にエーテル結合を1個以上有するものであれば特に限定されず、1種類以上を使用することができる。
本発明の硬化性人工爪組成物に、(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物を配合することにより、硬化性人工爪組成物の硬化性を低下させることなく、硬化塗膜に高い粘着性を付与することができ、これにより基材への粘着性(爪への密着性・接着性)及び密着持続性に優れた硬化塗膜を形成することが可能となる。
本発明において使用することができる1種類以上の(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物に含有されるエーテル結合の数は、特に限定されない。例えば、1個以上、好ましくは2個以上であり、例えば100個以下、好ましくは50個以下、より好ましくは10個以下である。
(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物の分子内に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は1つである。(メタ)アクリロイル基は、ポリウレタン(メタ)アクリレート化合物の分子末端又は側鎖のいずれに存在していてもよい。好ましくは分子末端である。(メタ)アクリロイル基の数は、赤外吸収分光法(IR)、核磁気共鳴法(NMR)、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)等を用いて分析することによって確認できる。
(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物の分子量は、好ましくは5,000以下、より好ましくは3,000以下、より好ましくは1,000以下、さらに好ましくは500以下である。分子量の下限値は、特に限定されないが、通常100以上、好ましくは150以上である。なお、(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物の「分子量」は、分子量500を超える場合は重量平均分子量を意味する。(B)のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物の分子量が7,000を超える場合、硬化塗膜の基材への粘着性が不足し、硬化塗膜の密着持続性が低下するおそれがある。
(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物は、市販品又は合成品のいずれを使用してもよい。
(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、下記式(1);
CH=CHR-COO-(-R-O-)-R ・・・(1)
(式(1)中、Rはメチル基又は水素、Rは2価の有機基、Rは1価の有機基。nは1以上の整数。)で表される化合物、エーテル(メタ)アクリレートオリゴマー等からなる群より選ばれる1種類以上があげられるが特に限定されない。
上記の式(1)で表される化合物において、Rは、置換されていてもよい2価の脂肪族炭化水素基、置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基及び置換されていてもよい2価の芳香脂肪族炭化水素基から選ばれる1種類以上であり、好ましくは、置換されていてもよい炭素数1~12の2価の脂肪族炭化水素基及び置換されていてもよい炭素数6~20の2価の芳香族基からなる群より選ばれる1種類以上の基である。
上記の式(1)で表される化合物において、Rは、置換されていてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基及び置換されていてもよい1価の複素環基から選ばれる1種類以上であり、好ましくは、置換されていてもよい炭素数1~12の1価の脂肪族炭化水素基及び置換されていてもよい炭素数6~20の1価の芳香族基からなる群より選ばれる1種類以上の基である。
上記の式(1)で表される化合物において、nは、1以上の整数であり、nの上限値は、100以下、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは6以下である。
エーテル(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、脂肪族系のポリエーテルモノオールの水酸基や、ビスフェノール等を原料とする芳香族系のポリエーテルモノオールの水酸基に対し、分子内に水酸基と反応する官能基(カルボキシル基、ハロゲン基、水酸基等)と(メタ)アクリレート基を有する化合物や(メタ)アクリル酸等からなる群より選ばれる1種類以上を付加させることにより合成できるが、この方法に限定されるものではない。
本発明においては、上記式(1)で表される化合物及びエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー以外の、エーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物を用いてもよい。このようなエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、アルコキシ化テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、グリシジル(メタ)アクリレート、4-(メタ)アクリロイルオキシメチル-2-シクロヘキシル-1,3-ジオキソラン、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、(2-イソブチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4イル)メチル(メタ)アクリレート、(2-エチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4イル)メチル(メタ)アクリレート、(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカン-2イル)メチル(メタ)アクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等からなる群より選ばれる1種類以上があげられるが、特に限定されない。
本発明においては、(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物が、単独重合体のガラス転移温度が0℃以下のモノ(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
また、本発明においては、(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物が、分子内にポリアルキレンアルキルエーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。特に、前記式(1)で表される化合物が好ましく、式(1)において、Rがメチル基又は水素、Rが炭素数2~6のアルキレン基、Rが炭素数1~12のアルキル基、である化合物がより好ましく、式(1)において、Rがメチル基又は水素、Rが炭素数2~4のアルキレン基、Rが炭素数1~6のアルキル基である化合物がさらに好ましく、アルキルカルビトール(メタ)アクリレート及びアルコキシアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種類以上が特に好ましい。
本発明の硬化性人工爪組成物において、(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物の含有量は、硬化性人工爪組成物中のラジカル重合性化合物全量100質量%に対して、5質量%以上、好ましくは7質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、50質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。含有量が50質量%を超えると、硬化性人工爪組成物の粘度が低くなりすぎ、塗布性や取扱性等が悪くなるおそれがある。含有量が5質量%未満であると、硬化性人工爪組成物の粘度が高くなりすぎ、硬化塗膜の粘着性が低くなる恐れがある。
[(C)重合開始剤]
(C)重合開始剤は、光源から特定の波長を有する光が照射されると、ラジカルを発生するものである。例えば、アシルフォスフィンオキシド系、α-ヒドロキシアルキルフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシッドエステル系、α-アミノアルキルフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、チタノセン系、キノン系等からなる群より選ばれる1種類以上の重合開始剤があげられる。
(C)重合開始剤を用いることで、UV-LED光源を含む各種の光源から特定の波長の光を硬化性人工爪組成物に照射した際に、良好な硬化性を付与することができる。
これらのうち、アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤は、一般的に用いられるUV-LED光源から発せられる365nm以上405nm以下の波長の紫外線の照射によりラジカルを発生する。このため、UV-LED光源を含む各種の光源を用いて光を照射して硬化させる場合であっても、良好な硬化性を付与することができる。さらに、UV-LED光源を用いて光を照射して硬化させる場合には、硬化塗膜の黄変を防止することができる。
アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
特に、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドは、皮膚コンディショニング剤としても機能することから好ましく用いることができる。
本発明の(C)重合開始剤は、アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤に加えて、「アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤以外の重合開始剤」を含むことが好ましい。
アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤以外の重合開始剤としては、α-ヒドロキシアルキルフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシッドエステル系、α-アミノアルキルフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、チタノセン系、キノン系等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。例えば、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロピルチオキサントン、3-[3,4-ジメチル-9-オキソ-9H-チオキサントン-2-イル-オキシ]-2-ヒドロキシプロピル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロライド、フルオロチオキサントン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-(1-メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルスルフィド、1,2-オクタンジオン、1-(4-(フェニルチオ)-2,2-(O-ベンゾイルオキシム))1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IRGACURE184)、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン、ベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、フェニルグリオキシ酸メチル、エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、及びカンファーキノン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
本発明においては、(C)重合開始剤が、アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤を含むことが好ましい。また、本発明においては、(C)重合開始剤が、アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤及びα-ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤を含むことがより好ましい。
本発明の硬化性人工爪組成物において、(C)重合開始剤の含有量は、特に限定されない。硬化性人工爪組成物の構成成分全量に対して、例えば0.05質量%以上、好ましくは0.07質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、例えば10.0質量%以下、好ましくは7.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下である。含有量が10.0質量%を超えると、硬化塗膜の分子量が低下し硬化塗膜が脆くなるおそれがあり、また、硬化性人工爪組成物の硬化塗膜が黄変するおそれがある。含有量が0.05質量%未満であると、硬化性人工爪組成物の硬化に時間がかかるおそれがあり、また、硬化不良となるおそれがある。
[(D)その他成分]
本発明の硬化性人工爪組成物には、粘度、塗布性、取扱性、硬化塗膜耐久性などに悪影響を与えない範囲で、前記(A)~(C)に加え、各種の成分を「(D)その他成分」として配合することができる。
(D)その他成分としては、例えば、ラジカル重合性化合物(前記(A)及び前記(B)以外のもの)、着色剤、多官能チオール化合物、ポリオール化合物、香料、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、第3級アミン等の光重合促進剤、連鎖移動剤、充填剤、表面張力調整剤、重合禁止剤、難燃剤、酸化防止剤、イオン吸着体、低応力化剤、防腐剤、抗菌剤、可撓性付与剤、ワックス類、ハロゲントラップ剤、レベリング剤、濡れ改良剤、樹脂粒子、装飾用材料等の各種の添加剤からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
<ラジカル重合性化合物(前記(A)及び前記(B)以外のもの)>
ラジカル重合性化合物(前記(A)及び前記(B)以外のもの)としては、特に限定されない。例えば、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリレート基以外のラジカル重合性不飽和基を有する化合物等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
((メタ)アクリレート化合物)
(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリレート基を1個以上有する化合物であり、前記(A)及び前記(B)以外のものであれば特に制限されない。低分子量のものから高分子量のものまで、制限なく用いることができる。一分子中に含まれる(メタ)アクリレート基の数は特に制限されないが、硬化性人工爪組成物の硬化性、硬化塗膜の硬度等の観点から、1個以上であり、例えば10個以下、好ましくは8個以下、より好ましくは6個以下である。
(メタ)アクリレート化合物としては、(メタ)アクリレート基を1個有する(メタ)アクリレート化合物の1種類以上があげられる。(メタ)アクリレート基を1個有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の一価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物;アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピル(メタ)アクリルミド、N,N-ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジヘプチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ-tert-オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジドデシル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジオクタデシル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリレート基含有アミド化合物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレート;N-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレ-ト、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリアジントリ(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリルオキシスクシンイミド、N-(メタ)アクリルオキシフタルイミド等の複素環含有(メタ)アクリレート等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
これらの(メタ)アクリレート基を1個有する(メタ)アクリレート化合物のうち、(i)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の一価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、
(ii)2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート、
からなる群より選ばれる1種類以上が好ましい。
(メタ)アクリレート化合物としては、(メタ)アクリレート基を2個以上有する(メタ)アクリレート化合物の1種類以上があげられる。(メタ)アクリレート基を2個以上有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(イソピリデンジフェニルビス(メタクリル酸オキシヒドロキシプロピル)等)、下記式


で表されるプロポキシ化ビスフェノールAジメタクリレート等のジ(メタ)アクリレートモノマー;グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のトリ(メタ)アクリレートモノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレートモノマー;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトール(メタ)アクリレート等のポリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の(メタ)アクリレート基を4個以上有する(メタ)アクリレートモノマー;等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
これらの(メタ)アクリレート基を2個以上有する(メタ)アクリレート化合物のうち、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等からなる群より選ばれる1種類以上を使用することが好ましい。
(メタ)アクリレート化合物としては、アクリレート基を有するラジカル重合性リン酸化合物の1種類以上があげられる。アクリレート基を有するラジカル重合性リン酸化合物は、分子内にアクリレート基と、リン酸基(-P(=O)(OH)基又は-P(=O)(OH)-基)を有するラジカル重合性リン酸化合物であれば、特に限定されない。
例えば、下記式;
CH=CH-COO-R11-P(=O)(OH)
CH=CH-COO-R12-P(=O)(OH)-R13-OCO-CH=CH
(式中R11、R12及びR13は、2価の有機基を表す。)
で表される化合物からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
このようなアクリレート基を有するラジカル重合性リン酸化合物としては、例えば、リン酸2-アクリロイルオキシエチル、リン酸2-アクリロイルオキシプロピル、リン酸2-アクリロイルオキシブチル、リン酸2-アクリロイルオキシペンチル、リン酸2-アクリロイルオキシヘキシル、リン酸吉草酸アクリロイルオキシエチル、リン酸吉草酸アクリロイルオキシプロピル、リン酸吉草酸アクリロイルオキシブチル、リン酸吉草酸アクリロイルオキシペンチル、リン酸吉草酸アクリロイルオキシヘキシル、リン酸カプロン酸アクリロイルオキシエチル、リン酸カプロン酸アクリロイルオキシプロピル、リン酸カプロン酸アクリロイルオキシブチル、リン酸カプロン酸アクリロイルオキシペンチル、リン酸カプロン酸アクリロイルオキシヘキシル、リン酸カプリル酸アクリロイルオキシエチル、リン酸カプリル酸アクリロイルオキシプロピル、リン酸カプリル酸アクリロイルオキシブチル、リン酸カプリル酸アクリロイルオキシペンチル、リン酸カプリル酸アクリロイルオキシヘキシル、リン酸ビス(2-アクリロイルオキシエチル)、リン酸ビス(2-アクリロイルオキシプロピル)、リン酸ビス(2-アクリロイルオキシブチル)、リン酸ビス(2-アクリロイルオキシペンチル)、リン酸ビス(2-アクリロイルオキシヘキシル)、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノアクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジアクリレート、プロピレンオキサイド変性リン酸ジアクリレート、リン酸変性エポキシアクリレート等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。アクリレート基を有するラジカル重合性リン酸化合物としては、例えば、アクリレート基を有するラジカル重合性リン酸エステル化合物を用いることができる。
(メタ)アクリレート化合物としては、(メタ)アクリレートオリゴマーの1種類以上があげられる。例えば、エステル結合を有するエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、分子量が7,000以下のポリウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、分子量が7,000を超えるエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
エステル結合を有するエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、ポリオールと多価カルボン酸との反応により得られたエステル系オリゴマーが有するカルボキシル基及び/又は水酸基に対し、分子内に水酸基と(メタ)アクリレート基を有する化合物及び/又は(メタ)アクリル酸やカルボキシル基を有するアクリル化合物を付加することにより合成できるが、この方法に限定されるものではない。
ポリウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、前記(A)と同様のもので、分子量が7,000以下のものがあげられる。
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、ビスフェノール型エポキシ化合物とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等とを反応させて得られるもの等があげられる。
本発明では、(メタ)アクリレートモノマーとして、(メタ)アクリレート基を1個有する(メタ)アクリレートモノマーより選ばれる1種類以上を用いることが好ましい。また、(メタ)アクリレート基を1個有する(メタ)アクリレートモノマーより選ばれる1種類以上と、(メタ)アクリレート基を2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーより選ばれる1種類以上との混合物を用いることが好ましい。
((メタ)アクリレート基以外のラジカル重合性不飽和基を有する化合物)
(メタ)アクリレート基以外のラジカル重合性不飽和基を有する化合物としては、例えば、ビニル基、ビニルエーテル基、アリル基等のラジカル重合し得る不飽和基(重合性の炭素-炭素間二重結合を持つ官能基)を持つ化合物があげられる。
このような化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、α-クロルスチレン、酢酸ビニル等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
本発明の硬化性人工爪組成物におけるラジカル重合性化合物(前記(A)及び前記(B)以外のもの)の含有量は、例えば、例えば50質量%以下、好ましくは35質量%以下となるように含有させることができる。
また、硬化性人工爪組成物に含有させるラジカル重合性化合物(前記(A)及び前記(B)以外のもの)の種類や量を調整することで、硬化性人工爪組成物の反応性や硬化熱を調整することができる。
本発明においては、ラジカル重合性化合物(前記(A)及び前記(B)以外のもの)として、水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー等の官能基を有するラジカル重合性モノマーや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の分子内に環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物を用いることが、硬化性人工爪組成物の硬化塗膜の基材への粘着性(爪への密着性・接着性)、密着持続性、硬化性、硬化塗膜の美感等の点で好ましい。
<着色剤>
着色剤は、所望の色調を付与する機能を有するものであり、硬化性人工爪組成物に任意の量で配合することができる。着色剤としては、顔料、光輝材、染料、着色樹脂粒子等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。特に、爪用被覆材に使用されている無機顔料、光輝材、有機顔料、染料及び着色樹脂粒子からなる群より選ばれる1種類以上であって、紫外線照射(光照射)による硬化性人工爪組成物の硬化を大きく阻害しないものである。
着色剤としては、例えば、褐色201号、黒色401号、紫色201号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色202号、青色203号、青色204号、青色205号、青色403号、青色404号、緑色201号、緑色202号、緑色204号、緑色205号、緑色3号、緑色401号、緑色402号、黄色201号、黄色202号-(1)、黄色202号-(2)、黄色203号、黄色204号、黄色205号、黄色4号、黄色401号、黄色402号、黄色403号-(1)、黄色404号、黄色405号、黄色406号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、橙色206号、橙色207号、橙色401号、橙色402号、橙色403号、赤色102号、赤色104号-(1)、赤色105号-(1)、赤色106号、赤色2号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色223号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号-(1)、赤色230-(2)、赤色231号、赤色232号、赤色3号、赤色401号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号、赤色506号、酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、カーボンブラック、金属粉、金属フレーク、金属酸化物フレーク、ガラスフレーク、着色樹脂粒子、メッキ樹脂粒子等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
<多官能チオール化合物>
多官能チオール化合物は、硬化性人工爪組成物の硬化性調整剤、架橋剤及び粘度調整剤として配合される。また、多官能チオール化合物を硬化性人工爪組成物に配合することで、硬化塗膜を拭き取って除去する際の拭き取り性を向上させることができる。
多官能チオール化合物としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリオール化合物の水酸基に、チオール基又は反応してチオール基になる基を有する化合物が反応して得られたもの等があげられる。例えば、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリス[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
多官能チオール化合物を硬化性人工爪組成物に配合する場合には、硬化性人工爪組成物全体に対して、例えば1.0質量%以上10.0質量%以下の範囲とすることができる。
<ポリオール化合物>
ポリオール化合物は、硬化性人工爪組成物の希釈剤、密着性向上剤としての機能を有している。ポリオール化合物としては、例えば、アルキルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、フェノリックポリオール等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。中でも、アルキルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールが好ましい。
アルキルポリオールとしては、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
ポリエステルポリオールとしては、縮合型ポリエステルポリオール、付加重合ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。縮合型ポリエステルポリオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,4-ヘキサンジメタノール、ダイマー酸ジオール、ポリエチレングリコール等からなる群より選ばれる1種類以上のジオール化合物と、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸等からなる群より選ばれる1種類以上の有機多塩基酸との縮合反応によって得られ、重量平均分子量は100以上100,000以下が好ましい。付加重合ポリエステルポリオールとしては、ポリカプロラクトンがあげられ、重量平均分子量は100以上100,000以下が好ましい。ポリカーボネートポリオールはポリオールの直接ホスゲン化、ジフェニルカーボネートによるエステル交換法などによって合成され、重量平均分子量は100以上100,000以下が好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、アルキレンオキシドの開環重合により得られるポリエーテルポリオールがあげられる。
<重合禁止剤>
重合禁止剤は、例えば、キノン化合物、サリチル酸ヒドラジド、トコフェロール化合物等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
重合禁止剤を硬化性人工爪組成物に配合する場合には、硬化性人工爪組成物全体に対して、例えば500ppm以上、好ましくは1,000ppm以上であり、例えば5,000ppm以下、好ましくは4,500ppm以下の範囲とすることができる。
[硬化性人工爪組成物の用途・物性等]
本発明の硬化性人工爪組成物は、硬化性に優れており、その硬化塗膜は、基材に対する密着性に優れ、基材への密着性が長期間持続し、塗膜を引っ張ってもちぎれない高い柔軟性を有している。
本発明の硬化性人工爪組成物は、いわゆる一般のマニキュアやペディキュアのように、爪の表面に被覆を行うための組成物であり、使用者自身の爪の表面を、必要に応じてサンディングする等して凹凸を設けた表面に被覆してもよい。特にジェルネイルとして好適に使用でき、例えば、使用者の爪に直接塗布されるベースコート層、該ベースコート層の上に塗布されるカラーコート、さらにその上に塗布されるトップコート層のいずれにも使用できる。
なお、カラーコートとして用いる場合は、着色剤を用いて、ソリッドカラーやラメ調、金属光沢調、暗色や明色等多彩に調色して用いることができる。
本発明の硬化性人工爪組成物の硬化塗膜を形成する際には、例えば、従来の紫外線等により硬化されるラジカル重合性のマニキュア等と同様の設備、又は一般の紫外線硬化用の設備を用いることができる。
本発明の硬化性人工爪組成物は、筆等の塗布具によって十分に塗布することができる程度の粘度を有すればよい。また、インクジェット等により塗布することができる粘度とすることもできる。
硬化性人工爪組成物は、硬化塗膜の引張試験による破断時の応力(最大応力)が15.0MPa以上であることが好ましく、18.0MPa以上がより好ましく、20.0MPa以上であることがさらに好ましい。15.0MPa未満であると、擦りにより剥離し易くなるおそれがある。
また、硬化塗膜の破断時の歪率が95.0%以上であることが好ましく、97.0%以上がより好ましく、100.0%以上がさらに好ましい。
[硬化性人工爪組成物を用いた爪の被覆]
本発明の硬化性人口爪組成物を用いて被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪でもよい。
本発明の硬化性人工爪組成物を、爪又は爪に設けられた(未)硬化塗膜の上に塗布して被覆する際、塗布面にサンディングを施してもよく、施さなくてもよい。硬化性人工爪組成物の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、筆等の塗布具や、インクジェット等の塗布方法を用いることができる。
本発明の硬化性人工爪組成物は、ジェルネイルにおける、ベースコート層(ジェルベース;下地層)、中間層(カラー層)又はトップコート層のいずれとしても用いることができる。特に、基材に対する密着性が優れていることから、ベースコート層(ジェルベース;下地層)として用いることが好適である。
本発明の硬化性人工爪組成物を塗布後、硬化前に小さな飾りや粉体等を、硬化性人工爪組成物の塗膜表面に付着させ、意匠性を高めることも可能である。
本発明の硬化性人工爪組成物は、特にベース層形成用として用いることにより、基材に対する密着性に優れ、基材への密着性が長期間持続し、塗膜を引っ張ってもちぎれない高い柔軟性を有する硬化塗膜を形成することができる。このため、使用者がセルフでネイルをピールオフすることが可能であるジェルネイルを提供することができる。
本発明の硬化性人工爪組成物を用いて、シートの片面に爪等の形状を有する層を作製し、この層を爪表面と接触(転写)させた後に、シートを剥離するか又は剥離せずに、紫外線を照射して硬化させることもできる。
シート表面に予め硬化性人工爪組成物を用いて層を設け、これを転写する方法によれば、筆等の塗布具を使用することなく、爪の表面に均一かつ正確な模様を被覆することが可能であり、使用後においても該塗布具を洗浄等する必要がない。
塗布後の硬化性人工爪組成物の硬化は、例えば公知の紫外線硬化用の装置を用いて行うことができる。硬化性人工爪組成物の組成によって、硬化に必要な照射エネルギーは異なるものの、その光照射による照射エネルギー(積算光量)は、5mJ/cm以上、好ましくは10mJ/cm以上であり、1000mJ/cm以下、好ましくは800mJ/cm以下である。照射エネルギーがこの範囲内であれば、十分な密着性及び耐擦性を有するネイルアートを得ることができる。
光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV-LED)、紫外線レーザーダイオード(UV-LD)等の紫外線の光源を用いることができる。
その中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV-LED)及び紫外線レーザーダイオード(UV-LD)が好ましい。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量部を意味する。
[実施例1~5、比較例1~7]
表1に示す成分を、表1に示す量比(質量部)となるように容器内に投入し、ディゾルバーにより撹拌しつつ50℃に加温し撹拌した。撹拌後80℃で2時間静置し脱泡し、硬化性人工爪組成物を得た。これらの工程は、全て遮光下にて行った。
<成分>
表1中の成分は、それぞれ以下のとおりである。
(ポリウレタン(メタ)アクリレート)
PUA1:ヒドロキシアルキルアクリレート、イソホロンジイソシアネート及びポリオキシアルキレングリコールから得られるポリエーテル系ポリウレタンアクリレート(重量平均分子量70,000)
PUA2:ヒドロキシアルキルアクリレート、イソホロンジイソシアネート及びポリオキシアルキレングリコールから得られるポリエーテル系ポリウレタンアクリレート(重量平均分子量50,000)
PUA3:ヒドロキシアルキルメタクリレート、イソホロンジイソシアネート及びポリオキシアルキレングリコールから得られるポリエーテル系ポリウレタンアクリレート(重量平均分子量7,000)
PUA4:ヒドロキシアルキルアクリレート、イソホロンジイソシアネート及びアルキレンジオールから得られるポリウレタンアクリレート(重量平均分子量3,000)
((メタ)アクリレート化合物)
EEEA:エトキシエトキシエチルアクリレート(単独重合体Tg:-67℃)
2-MTE:2-メトキシエチルアクリレート(単独重合体Tg:-50℃)
TEGDMA:テトラエチレングリコールジメタクリレート
IBXA:イソボルニルアクリレート(単独重合体Tg:97℃)
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート(単独重合体Tg:55℃)
HBMA:2-ヒドロキブチルメタクリレート
BA:ブチルアクリレート(単独重合体Tg:-55℃)
(重合開始剤)
TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
HCHPK:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
<評価>
(粘着性)
硬化性人工爪組成物を塩化ビニル板の上に塗布した。30W-LEDライトを30秒照射し、厚さ200μm、2cm×5cmの硬化塗膜を作製し、その後、未硬化の成分を、エタノールを用いて拭取り除去した。
硬化塗膜の上に、同サイズの塩化ビニルフィルムを載せ、500gfの荷重を掛けて圧着して試験片を作製した。
試験片から、塩化ビニルフィルムを90℃方向に引張速度200mm/minで剥がし、測定された力を粘着力(N)とした。また、測定された粘着力に基づき、粘着力5N以上の場合をA評価、5N未満の場合をC評価とした。結果を表1に併せて示す。
本発明においては、粘着力が5N以上の場合、ジェルネイルとして必要な粘着性(爪への密着性・接着性)を十分に備えるものとなることから、合格と評価した。
(塗膜伸び)
硬化性人工爪組成物を、薬包紙の上に塗布し、30W-LEDライトを30秒照射し、厚さ1mm、1cm×5cmの硬化塗膜を作製し、その後、未硬化の成分を、エタノールを用いて拭取り除去した。
硬化塗膜の長手方向両端1cmを固定し、速度200mm/minで引張り、切断した時の塗膜伸び(%)を測定した。また、測定された塗膜伸びに基づき、塗膜伸び100%以上の場合をA評価、塗膜伸び100%未満50%以上の場合をB評価、塗膜伸び50%未満の場合をC評価とした。結果を表1に併せて示す。
本発明においては、塗膜伸びが50%以上の場合、ジェルネイル(ジェルネイルベースコート)が良好なピールオフ機能を発揮することから、合格と評価した。なお、塗膜伸びは、ピールオフ機能の観点から、塗膜伸びは100%以上であることがより好ましい。
表1の実施例1~5及び比較例1~2より、(A)ポリウレタン(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量が10,000以上であると、粘着性及び塗膜伸びの点で優れた硬化性人工爪組成物を得ることできるのに対し、(A)ポリウレタン(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量が10,000未満であると、粘着性及び塗膜伸びの点で劣る硬化性人工爪組成物となることがわかる。
表1の実施例1~5及び比較例3より、(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有(メタ)アクリレート化合物中の(メタ)アクリレート基が1つであると、粘着性及び塗膜伸びの点で優れた硬化性人工爪組成物を得ることできるのに対し、(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有(メタ)アクリレート化合物中の(メタ)アクリレート基が2以上であると、塗膜伸びの点で劣る硬化性人工爪組成物となることがわかる。
表1の実施例1~5及び比較例4~7より、(B)分子量7,000以下のエーテル結合含有(メタ)アクリレート化合物中の(メタ)アクリレート基が1つであると、粘着性及び塗膜伸びの点で優れた硬化性人工爪組成物を得ることできるのに対し、(B)分子量7,000以下のアクリレート化合物がエーテル結合を有さないと、粘着性及び/又は塗膜伸びの点で劣る硬化性人工爪組成物となることがわかる。

Claims (6)

  1. 下記(A)~(C);
    (A)重量平均分子量10,000以上のポリウレタン(メタ)アクリレート化合物、
    (B)分子量7,000以下のエーテル結合含有モノ(メタ)アクリレート化合物、
    (C)重合開始剤、
    を含む硬化性人工爪組成物。
  2. 前記(A)が、ポリエーテル系ポリウレタン(メタ)アクリレート化合物である、請求項1に記載の硬化性人工爪組成物。
  3. 前記(B)が、単独重合体のガラス転移温度が0℃以下のモノ(メタ)アクリレート化合物である、請求項1又は2に記載の硬化性人工爪組成物。
  4. 前記(B)が、分子内にポリアルキレンアルキルエーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレート化合物である、請求項1又は2に記載の硬化性人工爪組成物。
  5. 硬化性人工爪組成物の硬化塗膜の伸びが、90%以上である、請求項1又は2に記載の硬化性人工爪組成物。
  6. 前記(A)の含有量が、硬化性人工爪組成物中のラジカル重合性化合物全量100質量%に対して、40質量%以上95質量%以下である、請求項1又は2に記載の硬化性人工爪組成物。
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