JP2017210456A - 光硬化性人工爪組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
特に最近、ウレタンアクリレート系オリゴマーとアクリレートモノマーを含むジェル状の爪被覆材料を爪に塗布し、紫外線を照射して硬化させる、ジェルネイルと呼ばれる光硬化性人工爪組成物が注目を集めている。
これらは、ラジカル重合反応により、架橋した高分子被膜を形成するため、爪から剥がれにくい強靱な被膜を形成できるとされている。
また、特許文献2に記載されているように、ウレタンアクリレートオリゴマー及びヒドロキシエチルアクリレートを含有し、人体に安全なUVAにより短時間で十分に硬化させることができる光硬化性人工爪組成物も公知である。
特許文献3には、ネイル用の除去可能なゲル硬化性の組成物であって、ジ−[ヒドロキシエチルメタクリリック]トリメチルヘキシルジカルバメート、メタクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート及び溶剤を含有する組成物であり、さらに配合し得る成分のうちの一種としてポリウレタンアクリレートオリゴマーも例示されている。
これらの文献に加えて、特許文献4に記載されるように、1分子内にラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物、およびチオール化合物を含有する光硬化性人工爪原料組成物とすることによって、光を遮蔽した室温下にて保管の問題を発生させず、硬化後においても、人工爪内に未硬化の組成物が残存しないようにすることが記載されている。
本発明は、このような支障の発生を防止するために、一旦開封した光硬化性人工爪組成物入り容器を長期間にわたって保存しても、硬化することがなく、粘度が上昇して、塗布性に劣ることがない光硬化性人工爪組成物を得ることを課題とする。
具体的には以下の通りである。
1.ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレートモノマー、多官能チオール化合物、重合開始剤、及び重合禁止剤を含有し、該重合禁止剤の含有量が500〜5,000ppmである光硬化性人工爪組成物。
2.重合禁止剤が、キノン化合物、トコフェロール化合物、サリチル酸ヒドラジド、の中から選ばれる1種以上の化合物である1に記載の光硬化性人工爪組成物。
3.光重合開始剤1重量部に対して重合禁止剤を0.030〜0.100重量部含有する1又は2に記載の光硬化性人工爪組成物。
本発明の光硬化性人工爪組成物は特にジェルネイルとして使用することもできる。その中でも使用者の爪に直接塗布されるベースコート、該ベースコートの上に塗布されるカラーコート、さらにその上に塗布されるトップコートのいずれにも使用されるものである。
ベースコートは一般的には透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。
カラーコートはソリッドカラーやラメ調、金属光沢調、暗色や明色等多彩に着色されるコートである。
トップコートは、ベースコートと同様に、透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。最上層であるため、ジェルネイルの艶を発揮させる必要がある。本発明の光硬化性人工爪組成物は被膜表面の光沢度に優れるので、特にトップコート用として使用することが好ましい。
硬化後にも酸素による重合阻害等を原因とする未重合の光硬化性成分が被膜内に存在することがない。そのため、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチルやアセトン等の溶剤、特にエタノールを用いて拭き取る工程が不要である。
いずれの層に関しても硬化後少なくとも2週間、欠けることなく、剥がれず、また下層や使用者の爪に対して浮きが発生しない。
[ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー]
本発明中のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであれば特に限定されないが、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を加えて、前記ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基総数の10%以上のイソシアネート基に、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を付加反応させて得ることができる。
なかでも、平均アクリル当量が400〜2000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましい。また、本発明中の平均アクリル当量が400〜2000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、このようにして得られた各種の平均アクリル当量(場合により一部はアクリル当量が400未満又は2000を超える)を有する複数種のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを合計して、全体として平均アクリル当量が400〜2000としてもよい。また、アクリロイル基に基づく官能基数は2〜6の範囲であることが好ましい。
本発明の光硬化性人工爪組成物において、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを全光硬化性人工爪組成物中に10〜99重量%、好ましくは30〜70重量%となるように含有させることができる。99重量%よりも多く含有すると硬化時に収縮が発生し、硬化後の被膜にしわが発生する可能性がある。含有する量が10重量%よりも少ないと、十分な硬度の被膜を形成させることができず、被膜表面に傷が付きやすくなる。
このようなウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを配合することにより、臭いが少なく伸縮性に優れ、かつ被膜の透明度が高く黄変せず、艶を有する高い硬度に硬化した光硬化性人工爪組成物の被膜を得ることができる。そのため、トップコート用に適した光硬化性人工爪組成物とすることができる。
使用されるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、その全てのウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの平均アクリル当量が400〜2000となるようにすることがより好ましい。そのような平均アクリル当量とすることによって、硬化後に残存する未硬化樹脂を削減し屈曲性を向上させることができる。
同時に、平均アクリル当量が400〜2000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの中の全て又は一種として、重量平均分子量が3000以上のものを使用することが好ましく、重量平均分子量が3000〜10,000ものがより好ましくい、さらに好ましくは3000〜5000のものである。このような重量平均分子量が3000以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを使用し、多官能チオール化合物と併用することによって、光硬化性人工爪組成物の硬化速度を十分に速くでき、かつ硬化後において、被膜内に未硬化樹脂を残すことがない。
全ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー中重量平均分子量が3000以上のものの含有比率は50重量%以上であること及び/又はウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー全体の重量平均分子量が3000以上であることが好ましい。
なお、アクリル当量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量を、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが有するアクリロイル基の数で除した値である。
なかでも、重量平均分子量が3000以上で平均アクリル当量が400〜2000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして、アクリロイル基に基づく官能基数が2〜4のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有させるか、もしくは、このオリゴマーに加えて、さらに重量平均分子量が3000以上で アクリル当量が2000以下のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして、アクリロイル基に基づく官能基数が6のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを併用することがより好ましい。このようなウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを使用することにより、未硬化樹脂を残さない反応速度を保ちつつ、十分な屈曲性をもつ被膜が得られる。一方重量平均分子量が3000未満で、アクリル当量が400以下のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして、アクリロイル基に基づく官能基数が6のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを多く使用した場合、未硬化樹脂を残さない反応速度は得られるが、十分な屈曲性をもつ被膜は得られない可能性がある。
このようなウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、平均アクリル当量が2000を超えるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーやアクリル当量が400未満のものが挙げられるが、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有させることによる作用を阻害しない範囲において含有させることができる。
本発明の光硬化性人工爪組成物に含有される多官能チオール化合物は、1分子中にチオール基が2つ以上、好ましくは3つ以上存在する化合物であって本発明の光硬化性人工爪組成物に紫外線を照射した際にこれを硬化させる作用を発揮する。
このような多官能チオール化合物としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びジペンタエリスリトールが本来有する水酸基に、チオール基又は反応してチオール基になる基を有する化合物が反応して得たものが好ましい。
このような多官能チオール化合物としては、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
このような多官能チオール化合物を含有させることによって、光硬化性人工爪組成物の粘度を調節できることに加え、硬化した光硬化性人工爪組成物を拭き取って除去する際の拭き取り性を向上させることができる。
本発明の光硬化性人工爪組成物において、多官能チオール化合物を全光硬化性人工爪組成物中に1.0〜50.0重量%、好ましくは2.0〜20.0重量%、さらに好ましくは7.0〜18.0重量%となるように含有させることができる。50.0重量%よりも多く含有すると硬化時の硬化速度が速すぎて、爪表面への塗布や、硬化時の取り扱いが困難になる可能性があり、含有する量が1.0重量%よりも少ないと、硬化速度が低下して、硬化後においても未硬化成分を含有する可能性がある。
本発明の光硬化性人工爪組成物にさらに含有させることが可能な、(メタ)アクリレートモノマーの中でも単官能(メタ)アクリレートモノマーは、光硬化性人工爪組成物の臭いを少なくし、透明であって、低刺激性であり、反応性に優れ、黄変しない性質を備えることが必要である。
そのような単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
また、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和基含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレートを使用することもできる。
単官能アクリルアミド化合物としては、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド化合物等、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート、2−オキセパノンホモポリマー、2−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチルエステル等の酸性の重合性モノマーも使用することができる。
この単官能(メタ)アクリレートモノマーを配合しないこともでき、配合するときの配合比率としては、全光硬化性人工爪組成物中に30.0重量%以下、好ましくは20.0重量%以下となるように含有させることができ、さらには含有しないことが好ましい。30.0重量%を超えて配合すると、硬化速度が減衰し、未硬化樹脂が残存する可能性がある。
なお、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び/又はイソボルニル(メタ)アクリレートを配合することが好ましく、このときに硬化後の被膜の硬度と屈曲性のバランスが良好になる。これらの化合物を配合する場合、好ましくはその合計の配合量を20重量%以下とすることが好ましい。
本発明の光硬化性人工爪組成物にさらに含有させることが可能な、上記のモノマー以外の(メタ)アクリル系モノマーの中でも多官能の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ラジカル重合しうる不飽和基を1分子中に2以上有する化合物であって、本発明の光硬化性人工爪組成物に配合できる化合物の1種である。ラジカル重合しうる不飽和基としては、炭素−炭素間二重結合をもつ官能基であり(重合性二重結合ともいう)、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、アリル基等を挙げることができる。
そしてこれらの多官能(メタ)アクリレートモノマーには、光硬化性人工爪組成物の臭いを少なくし、透明であって、低刺激性であり、反応性に優れ、黄変しない性質を備えることが必要である。
このような多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、等のトリ(メタ)アクリレート化合物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート等のエリスリトール類の(メタ)アクリレート類、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートを使用することができる。
このような多官能(メタ)アクリレートモノマーは被膜の強度を調整するために配合することができ、配合するときの配合比率としては、0〜30.0重量%、好ましくは0〜25.0重量%である。30.0重量%を超えて配合すると、硬化時において被膜の収縮が大きくなる可能性がある。また、多官能(メタ)アクリレートモノマーを含まない場合においても、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの比率で補える可能性がある。
本発明の光硬化性人工爪組成物に配合してもよい光重合開始剤は、LEDを光源とした紫外線や365〜410nm付近の波長の光(可視光の一部)によって、十分に硬化することができ、硬化時の発熱量を抑制することができるものが好ましい。
そのような光重合開始剤として、ベンゾインエーテル類、ベンジルケタール類、アシッドエステル類、α−アミノアルキルフェノン類、アシルフォスフィンオキシド類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、チタノセン類等を使用することができる。
これらの光重合開始剤として、具体的には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、フェニル酢酸、α−オキソ−, オキシジ−2,1−エタンジイルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル、又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル、あるいはこれらの化合物の混合物、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル) −フェニルフォスフィンオキシド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノンなどが好適に用いられる。なかでも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンや2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドを使用することが好ましい。
これらの開始剤は、染料、顔料や重合性化合物の光吸収によってもラジカル生成反応が阻害されず、またラジカル発生効率が高く、光硬化性人工爪組成物の硬化性を高めることができる点で好ましい。
これらの光重合開始剤は本発明の光硬化性人工爪組成物中0.5〜20.0重量%、好ましくは0.5〜5.0重量%となるように配合することができる。20.0重量%を超えると、過剰な量のラジカルが発生することになるので、ラジカル重合反応が多くの開始点からなされ、その結果、硬化後のポリマーの分子量が小さくなって硬化膜が脆くなり、膜を維持できない可能性がある。また、0.5重量%未満であると十分な量のラジカルが発生できないので、ラジカル重合反応が長時間に及ぶこととなり、硬化不良となる可能性が高い。
本発明の光硬化性人工爪組成物に配合される重合禁止剤としては、メトキノン等のキノン化合物、α−トコフェロール等のトコフェロール化合物、サリチル酸ヒドラジドが好ましく、キノン化合物とトコフェロール化合物を併用することがより好ましい。
本発明の光硬化性人工爪組成物中の重合禁止剤の含有量としては、重量の割合で500〜5000ppmが好ましく、より好ましくは1000〜2500ppm、さらに好ましくは1300〜2300ppmである。5000ppmより含有量が多いときには、光硬化性人工爪組成物が黄変する可能性があり、500ppmよりも少ないときには、光硬化性人工爪組成物が保管時において不用意に硬化してしまう可能性が高くなる。
また、本発明において、重合禁止剤は光重合開始剤による硬化を抑制する作用を有するので、光重合開始剤の含有量に対する重合禁止剤の含有量の比率を一定範囲とすることが望ましい。
このため、光重合開始剤1重量部に対して、重合禁止剤の含有量を、好ましくは0.030〜0.150重量部、より好ましくは0.030〜0.100重量部、さらに好ましくは0.035〜0.080重量部の範囲とすることが望ましい。
多官能チオール化合物1重量部に対して、重合禁止剤の含有量を好ましくは0.010〜0.100重量部、より好ましくは0.015〜0.050重量部の範囲とすることが望ましい。
本発明の光硬化性人工爪組成物には、光沢度、粘度や透明性、硬化性などに悪影響を与えない範囲で各種の添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、ポリオール類、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、充填剤、表面張力調整剤、難燃剤、酸化防止剤、イオン吸着体、着色剤、顔料、低応力化剤、抗菌剤、可撓性付与剤、ワックス類、ハロゲントラップ剤、レベリング剤、濡れ改良剤等の各種の添加剤を配合することができる。
使用できる顔料及び染料の種類、及びそれらの含有量としては、紫外線の照射による硬化を阻害しない程度のものとすることが必要である。
本発明の光硬化性人工爪組成物は、使用者自身の爪の表面にサンディングを施してく、爪表面に凹凸を形成させる必要がない他は、公知の紫外線硬化型の光硬化性人工爪組成物と同様の方法により爪表面に塗布することができる。また、爪へのベースコート層(下地層)として、あるいは中間層、さらにトップコート層として使用することができる。
そのため、本発明の光硬化性人工爪組成物は筆等の塗布具によって十分に塗布することができる程度の粘度を有すればよい。もちろん、爪表面に本発明の光硬化性人工爪組成物を塗布後、硬化前に小さな飾りや粉体等を被膜表面に付着させることも可能である。
また、シートの片面に本発明の未硬化の光硬化性人工爪組成物からなり、かつ爪の形状を有する層を設けておき、この層を爪表面に重ねるようにして付着させ、この光硬化性人工爪組成物からなる層からシートを剥離するか又は剥離せずに、紫外線を照射して硬化することもできる。このようなシート表面に予め光硬化性人工爪組成物からなる層を設けておけば、使用時に筆等の塗布具を使用することなく、爪の表面に均一かつ正確な模様を被覆することが可能である。そして使用後においても該塗布具を洗浄等する必要がない。
被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪でも良い。
塗布後の光硬化性人工爪組成物の硬化に関しても公知の紫外線硬化用の装置を用いて行うことができる。含有される化合物や顔料等の成分によって、硬化に必要な照射エネルギーは異なるものの、その光照射による照射エネルギー(積算光量)は、5mJ/cm2以上1000mJ/cm2以下であるのが好ましく、10mJ/cm2以上800mJ/cm2以下であるのがより好ましい。照射エネルギーがこの範囲内であれば、十分な密着性および耐擦性を有するネイルアートが得られる。
光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、紫外線レーザーダイオード(UV−LD)等の公知の紫外線の光源を用いることができる。
その中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV−LED)および紫外線レーザーダイオード(UV−LD)が好ましい。
<組成物の評価>
(保存安定性)
撹拌後の光硬化性人工爪組成物の初期粘度をTV―H粘度計を用い、20±1℃の条件下で、5.0rpmの回転数で、1°34‘×24R°ローターで測定し、これを遮光容器に2.0g充填し、50℃の条件で2週間放置した。
放置後の光硬化性人工爪組成物の粘度を測定し、初期粘度の測定結果に対する変化を評価した。
評価5:粘度の増加がみられない
4:僅かに粘度が増加した
3:大幅に粘度が増加した
2:部分的に硬化した
1:完全に硬化した
硬化後の光硬化性人工爪組成物の膜厚が100μmの膜厚になるように組成物を塗布し、32W―LEDライトで20秒硬化させ、硬化物の表面を指触し、未硬化物が残っているかどうかを確認した。
評価5:未硬化物がない
4:未硬化物がほんのわずかだけある
1:未硬化物がある
オリゴマーB :ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:3000、アクリ ロイル基に基づく官能基数2、平均アクリル当量:3000/2=15 00)
オリゴマーC :ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:3500、アクリ ロイル基に基づく官能基数2、平均アクリル当量:3500/2=17 50)
HEMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレート
IBXA :イソボルニルアクリレート
PEMP :ペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)
PPEOA :ポリペンタエリスリトールオクタアクリレート
光重合開始剤A:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
光重合開始剤B:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
重合禁止剤A :メトキノン
重合禁止剤B :サリチル酸ヒドラジド誘導体
重合禁止剤C :トコフェロール
これに対し、比較例1〜9によれば、硬化性及び保存安定性のうちの一方が良好ではなかった。
Claims (3)
- ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレートモノマー、多官能チオール化合物、重合開始剤、及び重合禁止剤を含有し、該重合禁止剤の含有量が500〜5,000ppmである光硬化性人工爪組成物。
- 重合禁止剤が、キノン化合物、トコフェロール化合物、サリチル酸ヒドラジド、の中から選ばれる1種以上の化合物である請求項1に記載の光硬化性人工爪組成物。
- 光重合開始剤1重量部に対して重合禁止剤を0.030〜0.100重量部含有する請求項1又は2に記載の光硬化性人工爪組成物。
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