JP2017124098A - 光硬化性人工爪組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、この種の爪装飾材料は、有機溶剤を含むため、使用時に揮発する有機溶剤を、使用者が直接吸引する恐れがある。また、形成される被膜は強靭な被膜とはなり得ず、擦れ、衝撃等の刺激により容易に剥離してしまう恐れがある。
特に最近、ウレタンアクリレート系オリゴマーとアクリル系モノマーを含むジェル状の爪被覆材料を爪に塗布し、紫外線を照射して硬化させる、ジェルネイルと呼ばれる光硬化性人工爪組成物が注目を集めている。
これらは、ラジカル重合反応により、架橋した高分子被膜を形成するため、爪から剥がれにくい強靱な被膜を形成できるとされている。
また、特許文献2に記載されているように、ウレタンアクリレートオリゴマー及びヒドロキシエチルアクリレートを含有し、人体に安全なUVAにより短時間で十分に硬化させることができる人工爪組成物も公知である。
特許文献3には、ネイル用の除去可能なゲル硬化性の組成物であって、ジ−[ヒドロキシエチルメタクリリック]トリメチルヘキシルジカルバメート、メタクリル酸エステル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート及び溶剤を含有する組成物であり、さらに配合し得る成分のうちの一種としてポリウレタンアクリレートオリゴマーも例示されているが、浸漬による除去性に関する具体的な結果は何ら示されていない。
しかしながら、このような光硬化性人工爪組成物を用いてジェルネイルを施す際に、求められる意匠性がより高度になるにつれ、さらに微細な模様や線を描くことが要求されているが、これまで十分に微細な模様や線を描くことが困難であり、求められる意匠性に応えることが困難であった。
つまり、これまでのジェルネイルでは微細な模様や線を描く場合であっても、描く線が滲んだり、低粘度であることによって拡がったりして、求める模様や線を描くことができなかった。
インクジェット印刷技術を応用して微細な線を描くことが可能であるとしても、人が直接筆を用いて描くには、これまでの筆で描くための光硬化性人工爪組成物では、その描く模様や線の微細さには実質的に限界があり、十分に微細に描くことは困難であった。
本発明は、より微細な模様や線を描くことができる光硬化性人工爪組成物を得ることを課題とする。
具体的には以下の通りである。
1.ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレートモノマー、光硬化性人工爪組成物中6.0重量%以上のアルミナ微粒子または/及び親水性シリカ、及び光重合開始剤を含有する光硬化性人工爪組成物。
本発明の光硬化性人工爪組成物は特にジェルネイルとして使用することができる。その中でも使用者の爪に直接塗布されてなるベースコート層や、爪の上に設けられたベースコート等のコート層の上に塗布される模様層として使用されるものである。
本発明の光硬化性人工爪組成物を使用する際に、ベースコートやカラーコート、トップコート層を併用することもできる。
ベースコートは一般的には透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。
カラーコートはソリッドカラーやラメ調、金属光沢調、暗色や明色等多彩に着色されるコートである。
トップコートは、ベースコートと同様に、透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。最上層であるため、ジェルネイルの艶を発揮させる作用を有する。
本発明の光硬化性人工爪組成物を使用して模様層を形成し、硬化した後には、酸素による重合阻害等を原因とする未重合の光重合性成分が本発明の人工爪組成物中に存在するが、本発明の人工爪の組成によって、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチルやアセトン等の溶剤、特にエタノールを用いて拭き取り、艶を出すことができる。
[ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー]
本発明の光硬化性人工爪組成物には、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを配合させる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を加えて、前記ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基総数の10%以上のイソシアネート基に、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物により付加反応させて得ることができる。
このようなウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを配合することにより、臭いが少なく伸縮性に優れ、艶を有する高い硬度の硬化した光硬化性人工爪組成物の被膜を得ることができる。
光硬化性人工爪組成物中のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの配合比率は、1〜99重量%、好ましくは1〜70重量%である。99重量%を超えて配合すると、硬化時の被膜が剥離し易くなる可能性がある。また1重量%未満であると塗膜が形成されにくくなったり、傷が付きやすくなったりする可能性がある。
なお、被膜の架橋密度を過度に低下させない範囲で、重量平均分子量が1,000を超えるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーも選択することができる。
本発明の光硬化性人工爪組成物に含有させる(メタ)アクリレートモノマーとしては、単官能のものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン等を採用することができる。中でも、ヒドロキシエチルメタアクリレート及びアクリロイルモルフォリン等の単官能(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
特にヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートを含有させることが好ましい。
このような(メタ)アクリレートモノマーを含有させることにより、光硬化性人工爪組成物の粘度を被膜形成のために適切な範囲とすることができ、硬化後の被膜の密着性を向上させることができる。
この(メタ)アクリレートモノマーの配合比率としては、光硬化性人工爪組成物中1.0〜99重量%であり、好ましくは3.0〜60重量%である。1.0重量%未満であると他の層との間の密着性が低くなる可能性があり、99重量%を超えると硬化した被膜が脆くなり、膜を維持することが困難になる可能性がある。
上記(メタ)アクリレートモノマーと共に、多官能(メタ)アクリレートモノマーを使用することができる。そのような多官能(メタ)アクリレートモノマーは、ラジカル重合しうる不飽和基を1分子中に2つ有する2官能か、3つ以上有する3官能以上の化合物であって、本発明の光硬化性人工爪組成物に配合できる化合物の1種である。ラジカル重合しうる不飽和基としては、炭素−炭素間二重結合をもつ官能基であり(重合性二重結合ともいう)、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、アリル基等を挙げることができる。
そしてこれらの化合物を使用した場合には、光硬化性人工爪組成物の臭いを少なくし、透明であって、低刺激性であり、反応性に優れ、黄変しない性質を備え、さらに硬化後の被膜強度を調整することができる。
そして、これらの2官能(メタ)アクリレートモノマーの中でもプロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレートを使用することが好ましい。
このような2官能の(メタ)アクリレートモノマーは被膜の硬度を調整するために配合することができ、光硬化性人工爪組成物中の配合比率としては、1.0〜99.0重量%、好ましくは3.0〜60.0重量%で好ましい。99.0重量%を超えて配合すると、硬化された被膜が脆くなり膜を維持できなくなる可能性がある。また、1.0重量%未満であると硬化された被膜の硬度が低くなる可能性がある。
これらの3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの中でもポリペンタエリスリトールアクリレートを使用することが好ましい。
このような3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーは被膜の硬度を調整するために配合することができ、光硬化性人工爪組成物中の配合比率としては、1.0〜99.0重量%、好ましくは3.0〜30.0重量%である。99.0重量%を超えて配合すると、硬化された被膜が脆くなり膜を維持できなくなる可能性がある。また、1.0重量%未満であると硬化された被膜の硬度が低くなる可能性がある。
微粒子は、微細な模様や線を描くために、光硬化性人工爪組成物に配合して十分にチキソトロピー性を発揮できるものであることが必要であり、さらに、光硬化性人工爪組成物に他の着色剤を配合して任意の色を得るためには、無色又は白色を呈するものであることが好ましく、無機及び有機のいずれも使用し得る。
このような微粒子として、アルミナ微粒子または/及び親水性シリカを使用する必要がある。
さらにその他に、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機微粒子や、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を併用することができる。なお疎水性シリカを使用すると、容器内から意図する量の組成物をすくい取ることが困難になるときがある。
光硬化性人工爪組成物に対する微粒子の配合比率は6.0〜20.0重量%であり、好ましくは7.0〜15.0重量%であり、さらに好ましくは7.0〜10.0重量%である。20.0重量%を超える場合には、光硬化性人工爪組成物の静止時の粘度が高くなりすぎて、使用時における伸びが悪化する可能性があり、6.0重量%未満であると組成物の静止時の粘度が低くなりすぎて、光硬化性人工爪組成物の使用時において滲みが発生する可能性がある。
微粒子は、比表面積が50〜500m2/gであることを特徴とする。
本発明の光硬化性人工爪組成物に配合される光重合開始剤は、LEDを光源とした紫外線や365〜405nm付近の波長の光(可視光の一部)によっても十分に硬化することができ、硬化時の発熱量を抑制することができるものが好ましい。
そのような光重合開始剤として、ベンゾインエーテル類、ベンジルケタール類、アシッドエステル類、α−アミノアルキルフェノン類、アシルフォスフィンオキシド類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、チタノセン類等を使用することができる。
これらの光重合開始剤として、具体的には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、フェニル酢酸、α-オキソ-, オキシジ−2,1−エタンジイルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル、又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル、あるいはこれらの化合物の混合物、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル) −フェニルフォスフィンオキシド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノンなどが好適に用いられる。なかでも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンや2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドを使用することが好ましい。
これらの光重合開始剤は、染料、顔料や重合性化合物の光吸収によってもラジカル生成反応が阻害されず、またラジカル発生効率が高く、光硬化性人工爪組成物の硬化性を高めることができる点で好ましい。
これらの光重合開始剤は本発明の光硬化性人工爪組成物中0.5〜20.0重量%、好ましくは0.5〜15.0重量%となるように配合することができる。20.0重量%を超えると、過剰な量のラジカルが発生することになるので、ラジカル重合反応が多くの開始点からなされ、その結果、硬化後のポリマーの分子量が小さくなって硬化膜が脆くなり、膜を維持できない可能性がある。また、0.5重量%未満であると十分な量のラジカルが発生できないので、ラジカル重合反応が長時間に及ぶこととなり、硬化不良となる可能性が高い。
本発明の光硬化性人工爪組成物に配合できるその他の重合性化合物としては、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーやジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルトリメチルヘキシルジカルバメートを挙げることができる。
また、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和基含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレートを使用することもできる。
また、単官能アクリルアミド化合物としては、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド化合物等、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート、2-オキセパノンホモポリマー、2−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチルエステル等の酸性の重合性モノマーも使用することができる。
但し、特にジ−[ヒドロキシエチルメタクリリック]トリメチルヘキシルジカルバメートを使用する必要はない。
使用できる顔料及び染料の種類、及びそれらの含有量としては、紫外線の照射による硬化を阻害しない程度のものとすることが必要である。
本発明の光硬化性人工爪組成物は、上記に示す各成分の配合割合を調整することによって、その粘度の応力依存性を調整することができる。調整の結果得られる粘度としては、場合によっては、光硬化性人工爪組成物に対して応力τ=400 (N/m)をかけた時の20℃での粘度をηa (Pa・s)とし、及びτ=10,000 (N/m)の時の20℃での粘度をηb (Pa・s)とした時に、好ましくはηa-ηb≧10、さらに好ましくはηa-ηb≧20となる範囲として示すことができる。この範囲が示す意味は、光硬化性人工爪組成物として、かける応力を小さくした場合よりも大きくした場合の粘度が一定幅以上低下することを意味する。
このような動粘度とすることによって、微細な模様や微細な線を確実に描くことができ、滲むことなく精緻な意匠のネイルとすることができる。動粘度が小さすぎると、微細ではない模様や線を描くには問題を生じないとしても、微細な模様や微細な線を描くことが困難となる。動粘度が大きすぎると光硬化性人工爪組成物の伸びが悪化して、微細ではない模様や線を描くには問題を生じないとしても、微細な模様や微細な線を描く際に、基材に対して組成物を十分に付着させながら描くことが困難になる可能性がある。
本発明の光硬化性人工爪組成物は、使用者自身の爪の表面又は爪表面に設けた層等にサンディングを施して、爪表面に凹凸を形成させる必要がない他は、公知の紫外線硬化型の光硬化性人工爪組成物と同様の方法により、爪表面に塗布することができる。そして爪表面に微細模様や線を描くための用途に使用することが最も好ましいが、爪への下地層として、あるいは中間層、さらにトップコート層として使用することもできる。
なお微細模様や線は、その線部分の幅がおよそ250μm以下のものを指している。
そして、本発明の光硬化性人工爪組成物は細筆等の微細な模様や線を描くための塗布具によって十分に塗布することができる程度の粘度を有すればよい。もちろん、爪表面に本発明の光硬化性人工爪組成物を塗布後、硬化前に小さな飾りや粉体等を被膜表面に付着させることも可能である。
被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪でも良い。
塗布後の光硬化性人工爪組成物の硬化に関しても公知の紫外線硬化用の装置を用いて行うことができる。含有される化合物や顔料等の成分によって、硬化に必要な照射エネルギーは異なるものの、その光照射による照射エネルギー(積算光量)は、5mJ/cm2以上1000mJ/cm2以下であるのが好ましく、10mJ/cm2以上800mJ/cm2以下であるのがより好ましい。照射エネルギーがこの範囲内であれば、十分な密着性および耐擦性を有するネイルアートが得られる。
光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、紫外線レーザーダイオード(UV−LD)等の公知の紫外線の光源を用いることができる。
その中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV−LED)および紫外線レーザーダイオード(UV−LD)が好ましい。
<組成物の評価>
(掬い取り)
ネイル筆の10/0号を用いて、組成物を掬い取った時に適切量を掬い取れるかを評価する。
○:意図した量を掬い取ることができる。
△:意図した量に僅かな誤差がある。
×:意図した量と明らかに異なる。
(滲み)
ネイルチップの上に縦3本、横3本の平行な線を0/10号の太さの筆で描き、10分後の状態を観察する。
○:滲まずに、引いたときの線の太さを維持している。
△:僅かな滲みがみられる。
×:滲むことによって元の線よりも明らかに太くなった。
IBXA :イソボルニルアクリレート
PPEOA :ポリペンタエリスリトールオクタアクリレート
184 :ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
TPO :トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
ALU :アルミナ
SILICA:親水性シリカ
SDS :疎水性シリカ
本発明に沿った例である実施例1〜6によれば、光硬化性人工爪組成物を使用する際の掬い取り性に優れるので、施用者による使用感が向上し、さらに滲みがないので、目的とする幅の線を描くことができた。
これに対し、比較例1〜4によれば、微粒子が疎水性であったり、光硬化性人工爪組成物の動粘度の範囲が適切でないために、掬い取り性が不良であったり、滲みが発生したりした。
Claims (1)
- ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレートモノマー、光硬化性人工爪組成物中6.0重量%以上のアルミナ微粒子または/及び親水性シリカ、及び光重合開始剤を含有する光硬化性人工爪組成物。
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