JP6804207B2 - 光硬化性人工爪組成物 - Google Patents
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Description
しかし、この種の爪装飾材料は、有機溶剤を含むため、使用時に揮発する有機溶剤を、使用者が直接吸引する恐れがある。また、形成される被膜は強靭な被膜とはなり得ず、擦れ、衝撃等の刺激により容易に剥離してしまう恐れがある。
特に最近、ウレタンアクリレート系オリゴマーとアクリル系モノマーを含むジェル状の爪被覆材料を爪に塗布し、紫外線を照射して硬化させる、ジェルネイルと呼ばれる光硬化性人工爪組成物が注目を集めている。
これらは、ラジカル重合反応により、架橋した高分子被膜を形成するため、爪から剥がれにくい強靱な被膜を形成できるとされている。
また、特許文献2に記載されているように、ウレタンアクリレートオリゴマー及びヒドロキシエチルアクリレートを含有し、人体に安全なUVAにより短時間で十分に硬化させることができる人工爪組成物も公知である。
特許文献3には、ネイル用の除去可能なゲル硬化性の組成物であって、ジ−[ヒドロキシエチルメタクリリック]トリメチルヘキシルジカルバメート、メタクリル酸エステル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート及び溶剤を含有する組成物であり、さらに配合し得る成分のうちの一種としてポリウレタンアクリレートオリゴマーも例示されているが、浸漬による除去性に関する具体的な結果は何ら示されていない。
しなしながら、このような光硬化性人工爪組成物を用いてジェルネイルを施す際に、溶解性のない例えば顔料などの成分を含む場合、事前に撹拌することが必要であった。また粘度の低い光硬化性人工爪組成物は塗布後硬化せずに置いておくと流動し、指などに垂れてしまうという問題があった。
また、ラメ等を配合した人工爪組成物も知られているが、ラメ自体の光輝性を求めて配合するのであって、塗布層内においてラメが沈降することもあり、そのようなときにはラメ自体が有する光輝性を反映した塗布層を形成させるに留まる。
そこで、本発明は、溶解性のない例えば顔料などの成分を含む場合、事前に撹拌することを必要とせず、塗布するときは滑らかに、硬化前の塗布後は出来る限り流動しない光硬化性人工爪組成物を得ることを課題とする。
具体的には以下の通りである。
1.ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレートモノマー、非重合性微粒子、及び、光重合開始剤を含有し、せん断応力τ=400(N/m 2 )の時の20℃での粘度をηa(Pa・s)及びτ=10,000(N/m 2 )の時の20℃での粘度をηb(Pa・s)とした時、ηa−ηb≧5(Pa・s)となるレオロジーを示し、かつηb≦500(Pa・s)であり、光硬化性人工爪組成物に対する非重合性微粒子の配合比率が6〜20重量%である光硬化性人工爪組成物。
本発明の光硬化性人工爪組成物は特にジェルネイルとして使用することができる。その中でも使用者の爪に直接塗布されるベースコート層、爪の上に設けられたベースコート等のコート層の上に塗布される模様層として使用されるものである。
本発明の光硬化性人工爪組成物を使用する際に、ベースコートやカラーコート、トップコートを併用することもできる。
ベースコートは一般的には透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。
カラーコートはソリッドカラーやラメ調、金属光沢調、暗色や明色等多彩に着色されるコートである。
トップコートは、ベースコートと同様に、透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。最上層であるため、ジェルネイルの艶を発揮させる作用を有する。
本発明の光硬化性人工爪組成物を使用して模様層を形成し、硬化した後には、酸素による重合阻害等を原因とする未重合の光重合性成分が本発明の人工爪組成物中に存在するが、本発明の人工爪組成物によれば、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチルやアセトン等の溶剤、特にエタノールを用いて拭き取り、艶を出すことができる。
[ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー]
本発明の光硬化性人工爪組成物には、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを配合させる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を加えて、前記ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基総数の10%以上のイソシアネート基に、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物により付加反応させて得ることができる。
このようなウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを配合することにより、臭いが少なく伸縮性に優れ、艶を有する高い硬度の硬化した光硬化性人工爪組成物の被膜を得ることができる。
光硬化性人工爪組成物中のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの配合比率は、1〜99重量%、好ましくは1〜70重量%である。99重量%を超えて配合すると、硬化時の被膜が剥離し易くなる可能性がある。また1重量%未満であると塗膜が形成されにくくなったり、傷が付きやすくなったりする可能性がある。
本発明の光硬化性人工爪組成物に含有させる(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン等を採用することができる。中でも、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びアクリロイルモルフォリン等の単官能(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
さらにヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートを含有させることが好ましい。
このような単官能(メタ)アクリレートモノマーを含有させることにより、光硬化性人工爪組成物の粘度を被膜形成のために適切な範囲とすることができ、硬化後の被膜の密着性を向上させることができる。
この単官能(メタ)アクリレートモノマーの配合比率としては、光硬化性人工爪組成物中1.0〜99重量%であり、好ましくは3.0〜60重量%である。1.0重量%未満であると他の層との間の密着性が低くなる可能性があり、99重量%を超えると硬化した被膜が脆くなり、膜を維持することが困難になる可能性がある。
上記単官能(メタ)アクリレートモノマーと共に、あるいは上記単官能(メタ)アクリレートモノマーに代えて、多官能(メタ)アクリレートモノマーを使用することができる。そのような多官能(メタ)アクリレートモノマーは、ラジカル重合しうる不飽和基を1分子中に2つ有する2官能か、3つ以上有する3官能以上の化合物であって、本発明の光硬化性人工爪組成物に配合できる化合物の1種である。ラジカル重合しうる不飽和基としては、炭素−炭素間二重結合をもつ官能基であり(重合性二重結合ともいう)、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、アリル基等を挙げることができる。
そしてこれらの化合物を使用した場合には、光硬化性人工爪組成物の臭いを少なくし、透明であって、低刺激性であり、反応性に優れ、黄変しない性質を備え、さらに硬化後の被膜強度を調整することができる。
そして、これらの2官能(メタ)アクリレートモノマーの中でもプロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレートを使用することが好ましい。
このような2官能の(メタ)アクリレートモノマーは被膜の硬度を調整するために配合することができ、光硬化性人工爪組成物中の配合比率としては、1.0〜99.0重量%、好ましくは3.0〜60.0重量%である。99.0重量%を超えて配合すると、硬化された被膜が脆くなり膜を維持できなくなる可能性がある。また、1.0重量%未満であると硬化された被膜の硬度が低くなる可能性がある。
これらの3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの中でもポリペンタエリスリトールアクリレートを使用することが好ましい。
このような3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーは被膜の硬度を調整するために配合することができ、光硬化性人工爪組成物中の配合比率としては、1.0〜99.0重量%、好ましくは3.0〜30.0重量%である。99.0重量%を超えて配合すると、硬化された被膜が脆くなり膜を維持できなくなる可能性がある。また、1.0重量%未満であると硬化された被膜の硬度が低くなる可能性がある。
本発明の光硬化性人工爪組成物に配合されても良い微粒子は、重合性官能基を有しない非重合性微粒子である。
このような微粒子を光硬化性人工爪組成物に配合して十分にチキソトロピー性を発揮できることが微細な模様や線を描くことができるために必要であり、さらに無色又は白色を呈するものであることが光硬化性人工爪組成物に他の着色剤を配合して任意の色を得るためには好ましく、無機及び有機のいずれも使用し得る。また、非重合性微粒子を配合することによって、本発明の光硬化性人工爪組成物が粗大粒子を含有する場合であっても、塗布前の組成物中から、塗布後の爪の上にいたるまで、粗大粒子が沈降せずに均一に分散される。
このような非重合性微粒子として、親水性シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機微粒子や、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を採用することができ、これらの中でも、特に親水性シリカやアルミナを使用することが好ましく、さらに好ましくはアルミナである。なお疎水性シリカを使用すると、組成物の粘度を意図する範囲にすることが困難になるときがある。
光硬化性人工爪組成物に対する非重合性微粒子の配合比率は6.0〜20.0重量%であり、好ましくは7.0〜15.0重量%であり、さらに好ましくは7.0〜10.0重量%である。20.0重量%を超える場合には、光硬化性人工爪組成物の静止時の粘度が高くなりすぎて、使用時における伸びが悪化する可能性があり、6.0重量%未満であると組成物の静止時の粘度が低くなりすぎて、かつ、光硬化性人工爪組成物に十分にチキソトロピー性を付与できないために、使用時において滲みが発生する可能性がある。
なお、なかでも、非重合性微粒子としてアルミナを採用し、その配合比率を7.0〜10.0重量%とするものが好ましい。
本発明の光硬化性人工爪組成物には、上記非重合性微粒子や下記の顔料とは別に粒子径が大きい、又は長さが長い粗大粒子を配合させることもできる。
このような粗大粒子は、爪の上での塗布層の面方向や、塗布層の厚さ方向に均一に分布されるものである。粗大粒子が配合された光硬化性人工爪組成物において、塗布層を爪の上方からみたときには、粗大粒子同士が重なり合ったり、塗布層の深さ方向に分散されて存在していたりするために、塗布層に明確な奥行き感を感じることができる。
また、各色の粗大粒子を配合することによるカラフルな塗膜を形成することができ、美観に優れたものとなる。
使用される粗大粒子としては、粒子径や長さを目視にて確認できる程度の大きさ以上、粒子径や一辺の長さが0.04mm以上であればよいが、大きすぎると光硬化を十分に行えない可能性があるので、平均粒子径は5mm以下、及び糸等の線状物である場合には10mm以下であることが好ましい。そのような粗大粒子としては、PETやポリエチレン等の着色又は無着色のフィルム、金属箔、雲母、マイカ等の任意のものを採用することができる。
また粗大粒子の形状として、フィルムや板状の他に、各種合成繊維や天然繊維からなる糸でもよく、フィルムや板状であるときには、動物やアニメ等のキャラクター、文字等の何らかのものを表現した形状でも良い。
糸等の線状物を含むこれらの粗大粒子の中でも、複数種の光沢や色を有するものを組み合わせて使用することもできる。
本発明の光硬化性人工爪組成物に配合される光重合開始剤は、LEDを光源とした紫外線や365〜405nm付近の波長の光(可視光の一部)によっても十分に硬化することができ、硬化時の発熱量を抑制することができるものが好ましい。
そのような光重合開始剤として、ベンゾインエーテル類、ベンジルケタール類、アシッドエステル類、α−アミノアルキルフェノン類、アシルフォスフィンオキシド類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、チタノセン類等を使用することができる。
これらの光重合開始剤として、具体的には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、フェニル酢酸、α-オキソ-, オキシジ−2,1−エタンジイルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル、又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル、あるいはこれらの化合物の混合物、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル) −フェニルフォスフィンオキシド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノンなどが好適に用いられる。なかでも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンや2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドを使用することが好ましい。
これらの光重合開始剤は、染料、顔料や重合性化合物の光吸収によってもラジカル生成反応が阻害されず、またラジカル発生効率が高く、光硬化性人工爪組成物の硬化性を高めることができる点で好ましい。
これらの光重合開始剤は本発明の光硬化性人工爪組成物中0.5〜20.0重量%、好ましくは0.5〜15.0重量%となるように配合することができる。20.0重量%を超えると、過剰な量のラジカルが発生することになるので、ラジカル重合反応が多くの開始点からなされ、その結果、硬化後のポリマーの分子量が小さくなって硬化膜が脆くなり、膜を維持できない可能性がある。また、0.5重量%未満であると十分な量のラジカルが発生できないので、ラジカル重合反応が長時間に及ぶこととなり、硬化不良となる可能性が高い。
本発明の光硬化性人工爪組成物に配合できるその他の重合性化合物としては、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーやジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルトリメチルヘキシルジカルバメートを挙げることができる。
また、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和基含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレートを使用することもできる。
また、単官能アクリルアミド化合物としては、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド化合物等、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート、2−オキセパノンホモポリマー、2−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチルエステル等の酸性の重合性モノマーも使用することができる。
但し、特にジ−[ヒドロキシエチルメタクリリック]トリメチルヘキシルジカルバメートを使用する必要はない。
使用できる顔料及び染料の種類、及びそれらの含有量としては、紫外線の照射による硬化を阻害しない程度のものとすることが必要である。
本発明の光硬化性人工爪組成物は、上記に示す各成分の配合割合を調整することによって、その粘度のせん断応力依存性を調整することができる。調整の結果得られる粘度としては、光硬化性人工爪組成物に対してせん断応力τ=400(N/m 2 )をかけた時の20℃での粘度をηa(Pa・s)とし、及びτ=10,000(N/m 2 )の時の20℃での粘度をηb(Pa・s)とした時に、好ましくはηa−ηb≧5(Pa・s)、さらに好ましくはηa−ηb≧10(Pa・s)となる範囲として示すことができる。この範囲が示す意味は、光硬化性人工爪組成物として、かけるせん断応力を小さくした場合よりも大きくした場合の粘度が一定幅以上低下することを意味する。また、ηa≧70(Pa・s)が好ましく、また、ηb≦500(Pa・s)とすることにより、レベリング性を良好とすることができ、さらに好ましくは、ηb≦400(Pa・s)、また下限として、ηb≧60(Pa・s)である。
このような粘度とすることによって、顔料などの非溶解性成分を沈降させず、また人工爪組成物として塗布しやすく、かつ硬化前の塗布後の流動性が低い為、思い通りの形状を維持させたまま、硬化させることができる。
本発明の光硬化性人工爪組成物は、使用者自身の爪の表面又は爪表面に設けた層等にサンディングを施すことなく、爪表面に凹凸を形成させる必要がない他は、公知の紫外線硬化型の光硬化性人工爪組成物と同様の方法により爪表面に塗布することができる。そして爪表面に微細模様や線を描くための用途に使用することが最も好ましいが、さらに爪への下地層として、あるいは中間層、さらにトップコート層として使用することもできる。
なお微細模様や線は、その線部分の幅がおよそ250μm以下のものを指している。
そして、本発明の光硬化性人工爪組成物は細筆等の微細な模様や線を描くための塗布具によって十分に塗布することができる程度の粘度を有すればよい。もちろん、爪表面に本発明の光硬化性人工爪組成物を塗布後、硬化前に小さな飾りや粉体等を被膜表面に付着させることも可能である。
また、シートの片面に本発明の未硬化の光硬化性人工爪組成物からなる微細模様や線を設けておき、この層を爪表面に重ねるようにして付着させ、この光硬化性人工爪組成物からなる層からシートを剥離するか又は剥離せずに、紫外線を照射して硬化することもできる。このようなシート表面に予め光硬化性人工爪組成物からなる層を設けておけば、爪への被覆時に筆等の塗布具を使用することなく、爪の表面に均一かつ正確な微細模様や線を被覆することが可能である。そして使用後においても該塗布具を洗浄等する必要がない。
被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪でも良い。
塗布後の光硬化性人工爪組成物の硬化に関しても公知の紫外線硬化用の装置を用いて行うことができる。含有される化合物や顔料等の成分によって、硬化に必要な照射エネルギーは異なるものの、その光照射による照射エネルギー(積算光量)は、5mJ/cm2以上1000mJ/cm2以下であるのが好ましく、10mJ/cm2以上800mJ/cm2以下であるのがより好ましい。照射エネルギーがこの範囲内であれば、十分な密着性および耐擦性を有するネイルアートが得られる。
光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、紫外線レーザーダイオード(UV−LD)等の公知の紫外線の光源を用いることができる。
その中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV−LED)および紫外線レーザーダイオード(UV−LD)が好ましい。
UA:ウレタンアクリレートオリゴマー
IBXA:イソボルニルアクリレート
PPEOA:ポリペンタエリスリトールオクタアクリレート
184:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
TPO:トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
ALU:アルミナ
SILICA:親水性シリカ
SDS:疎水性シリカ
ネイルチップに4号筆で掬い取り、塗布した後30秒後の表面を確認した。
評価
5:平滑面が得られている。
3:僅かに凹凸が見られる。
1:筆跡が見られる。
これに対して、本発明の粘度の範囲外である比較例1及び2によれば、固形分が沈降したり、レベリング性が十分ではなかったりした。このような性質の光硬化性人工爪組成物によると、十分に精緻なデザインを描くことが困難となる。
組成物1〜11に対して、粗大粒子1〜3を下記表2の割合で配合してなる光硬化性人工爪組成物を得て、沈降性及び奥行き感を確認した。
粗大粒子1:0.1mm×0.1mmのPETフィルム
粗大粒子2:長さ0.5mmの各色のナイロンー6繊維の混合物
粗大粒子3:酸化チタン被膜を有する粒子径が44〜150μmの合成雲母
3.6gの組成物1〜11に0.4gの粗大粒子1〜3のいずれかを加え撹拌し、得られた粗大粒子入り組成物4gを5gの容器に充填し、50℃で1週間保管し、沈降を促進させた。
沈降を促進させた組成物の上澄みを4号の筆で掬いネイルチップに塗布した。塗布後の粗大粒子の塗布量を、沈降を促進しなかった粗大粒子入り組成物による粗大粒子の塗布量に対して確認した。
評価
5:撹拌後と保管後の粗大粒子の塗布量に差なし。
3:撹拌後と保管後の粗大粒子の塗布量に差がある。
1:粗大粒子がほとんどみられない。
ネイルチップに4号筆で掬い取り、塗布した後30秒後の表面を確認した。
評価
5:デザインが立体的である。
3:デザインがわずかに立体的である。
1:デザインが平面的である。
Claims (1)
- ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレートモノマー、非重合性微粒子、及び、光重合開始剤を含有し、せん断応力τ=400(N/m 2 )の時の20℃での粘度をηa(Pa・s)及びτ=10,000(N/m 2 )の時の20℃での粘度をηb(Pa・s)とした時、ηa−ηb≧5(Pa・s)となるレオロジーを示し、かつηb≦500(Pa・s)であり、光硬化性人工爪組成物に対する非重合性微粒子の配合比率が6〜20重量%である光硬化性人工爪組成物。
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