JP7327863B1 - 硬化性人工爪組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
このような爪の装飾や補強のためには、いわゆるマニキュア、ペディキュア、スカルプチュアと呼ばれる樹脂含有の材料が爪に塗布されている。
ジェルネイルとしては、爪上に設けられるベースコート層、ベースコート層とトップコート層との間に設けられるカラーコート層、最表面に設けられるトップコート層の3層から構成されるものが広く知られている。
特許文献1には、(A)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物、(B)1分子内に2個以上のチオール基を有する多官能チオール化合物、及び(C)光重合開始剤、を含む人工爪原料組成物が開示されている。
特許文献2には、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレートモノマー、多官能チオール化合物、重合開始剤、及びトコフェロール化合物を含有し、該トコフェロール化合物の含有量が1,000~5,000ppmである光硬化性人工爪組成物が開示されている。
特許文献3には、(A)1分子内に、少なくとも1個以上の(メタ)アクリレート基及び少なくとも1個以上のウレタン結合を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、(B)1分子内に2個以上のチオール基を有する多官能チオール化合物と、(C)(A)成分及び(B)成分に該当しない、1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物と、(D)光重合開始剤と、(E)連鎖移動剤と、を含有する光硬化性人工爪組成物が開示されている。
具体的には以下の通りである。
[項1]
(a)(メタ)アクリレート化合物、
(b)多官能チオール化合物、
(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸、及び
(d)重合開始剤、
を含有する、硬化性人工爪組成物。
[項2]
前記(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸が、硬化性人工爪組成物全量に対して0質量%を超え2.0質量%以下である、項1に記載の硬化性人工爪組成物。
[項3]
前記(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸が、メルカプトプロピオン酸及び/又はメルカプトブタン酸を含む、項1又は2に記載の硬化性人工爪組成物。
破断点の応力が大きい硬化塗膜は、破断点の応力が小さい硬化塗膜と比べて、外部の衝撃で破壊されにくい。
本発明の硬化性人工爪組成物の構成成分である(a)(メタ)アクリレート化合物は、分子内に(メタ)アクリロイル基を1つ以上有し、光等のエネルギー線を照射することで硬化し得る化合物である。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレートオリゴマー」は、アクリレートオリゴマー及びメタクリレートオリゴマーを指し、「(メタ)アクリレートモノマー」は、アクリレートモノマー及びメタクリレートモノマーを指す。
(a)(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリレートオリゴマー及び(メタ)アクリレートモノマーからなる群より選ばれる1種類以上を含んでいてもよい。
(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子内に(メタ)アクリロイル基を1個以上有するとともに繰返し単位を複数有するオリゴマーであれば、特に制限されない。一分子内に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は特に制限されないが、硬化性人工爪組成物の硬化性、硬化塗膜の硬度等の観点から、1~10個、好ましくは2~8個である。
(メタ)アクリロイル基の数は、赤外吸収分光法(IR)、核磁気共鳴法(NMR)、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)等を用いて分析することによって確認できる。
(メタ)アクリレートオリゴマーの質量平均分子量は、特に限定されない。例えば1,000以上、好ましくは2,000以上、より好ましくは3,000以上であり、例えば100,000以下、好ましくは50,000以下、より好ましくは35,000以下である。質量平均分子量の範囲をこのような範囲とすることで、低粘度を保持しつつ、硬化塗膜の耐久性を向上できる。
(i)主骨格(主鎖)にウレタン結合、エポキシ基の開環反応によって生じる結合、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合、カーボネート結合、アミド結合からなる群より選ばれる1種類以上を有する(メタ)アクリレートオリゴマー、(ii)主骨格(主鎖)がスチレン系、(メタ)アクリル系、オレフィン系、ジエン系モノマーからなる群より選ばれる1種類以上のモノマーの重合により分子鎖を有する(メタ)アクリレートオリゴマー、等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
これらのうち、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(ウレタン結合を主骨格に有する(メタ)アクリレートオリゴマー)、エポキシ基の開環反応によって生じた分子鎖を有するエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル(メタ)アクリレートオリゴマー(エステル結合を主骨格に有する(メタ)アクリレートオリゴマー)、エーテル(メタ)アクリレートオリゴマー(エーテル結合を主骨格に有する(メタ)アクリレートオリゴマー)等からなる群より選ばれる1種類以上を用いると、密着性等の点で有利である。本発明においては、特にウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく用いられる。
(メタ)アクリレートオリゴマーは、市販品又は合成品のいずれを使用してもよい。また、本発明においては、硬化性人工爪組成物及び/又はその硬化塗膜の密着性や耐久性等の観点から、1種類以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含んでいることが好ましい。
本発明にて使用できる1種類以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格、ポリエステル骨格、アクリル骨格、ポリオレフィン骨格からなる群より選ばれる1種類以上を有するものから選択して使用できる。中でも、ポリエーテル骨格を有するポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はポリカーボネート骨格を有するポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの1種類以上が好ましい。
市販品は、例えば、EBECRYL 1259、605、1606(ダイセル・サイテック社製)、EPOXY ESTER 3000A、3000MK、3002A(N)、3002M(N)、40EM(共栄社化学社製)等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
市販品は、例えば、アロニックス(登録商標)M-6100、M-6200、M-6250、M-6500、M-7100、M-7300K、M-8030、M-8060、M-8100、M-8530、M-8560、M-9050(東亞合成社製)や、UV-3500BA、UV3520TL、UV-3200B、UV-3000B(三菱ケミカル社製)等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
市販品は、例えば、UV-6640B、UV-6100B、UV-3700B(三菱ケミカル社製)、ライトアクリレート(登録商標)3EG-A、4EG-A、9EG-A、14EG-A、PTMGA-250、BP-4EA、BP-4PA、BP-10EA、ライトエステル4EG、9EG、14EG(共栄社化学社製)、EBECRYL(登録商標)3700(ダイセル・サイテック社製)等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(メタ)アクリレートモノマーは、前記(メタ)アクリレートオリゴマー以外の化合物であって、分子内に(メタ)アクリロイル基を1個以上有する化合物である。一分子内に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は特に制限されないが、硬化性人工爪組成物の硬化性、硬化塗膜の硬度等の観点から、1~10個、好ましくは1~8個、より好ましくは1~6個である。
本発明においては、(メタ)アクリレートモノマーとして、(メタ)アクリロイル基を1個有する(メタ)アクリレートモノマーより選ばれる1種類以上を用いることができる。また、(メタ)アクリロイル基を1個有する(メタ)アクリレートモノマーより選ばれる1種類以上と、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーより選ばれる1種類以上との混合物を用いてもよい。
本発明の硬化性人工爪組成物において、(a)(メタ)アクリレート化合物の含有量は、特に限定されない。硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、例えば20.0質量%以上、好ましくは40.0質量%以上、より好ましくは50.0質量%以上、さらに好ましくは60.0質量%以上であり、例えば95.0質量%以下、好ましくは90.0質量%以下、より好ましくは88.0質量%以下とすることができる。
本発明の硬化性人工爪組成物において、(a)(メタ)アクリレート化合物における6官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、特に限定されない。(a)(メタ)アクリレート化合物全量100質量%に対して、例えば10.0質量%以上、好ましくは15.0質量%以上、より好ましくは20.0質量%以上であり、例えば50.0質量%以下、好ましくは45.0質量%以下、より好ましくは40.0質量%以下、さらに好ましくは35.0質量%以下とすることができる。
硬化性人工爪組成物全量を100質量%とした場合における(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、例えば10質量%以上、好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、例えば80質量%以下、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下とすることができる。(メタ)アクリレートオリゴマーが10質量%未満である場合には、硬化性人工爪組成物の硬化性が低下するおそれがあり、粘度が低くなりすぎるおそれがある。(メタ)アクリレートオリゴマーが80質量%を超える場合には、硬化性人工爪組成物の硬化性が低下するおそれがあり、粘度が高くなりすぎるおそれがある。
硬化性人工爪組成物全量を100質量%とした場合における(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、例えば50質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下とすることができる。
本発明の硬化性人工爪組成物の構成成分である(b)多官能チオール化合物は、分子内にチオール基を2つ以上有する化合物であれば、特に限定されない。(b)多官能チオール化合物は、硬化性人工爪組成物の連鎖移動剤、硬化性調整剤、架橋剤及び粘度調整剤として配合される。多官能チオール化合物を硬化性人工爪組成物に配合することで、硬化塗膜の表面における未硬化成分の残留を抑制することができる。
多官能チオール化合物としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、エチレングリコール等のポリオール化合物の水酸基に、チオール基又は反応してチオール基になる基を有する化合物が反応して得られたもの等が挙げられる。例えば、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5-トリス[2-(3-メルカプトブチリルオキシ)エチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、トリス[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,2-エタンジチオール、1,3-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、1,6-へキサンジチオール、1,8-オクタンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール、デカンジチオール、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネレート、エチレングリコールビスチオグリコレート(EGTG)、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート(BDTG)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2,4,6-トリメルカプト-s-トリアジン、
2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン等の多官能チオール基含有モノマー等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。これらの中でも、3官能又は4官能のチオール化合物が好ましく、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)からなる群より選ばれる1種類以上が好ましい。
本発明の硬化性人工爪組成物の構成成分である(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸としては、例えば、メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプト酪酸、4-メルカプト酪酸、2-メルカプトイソ酪酸、3-メルカプトイソ酪酸、3-メルカプト-3-メチル酪酸、2-メルカプト吉草酸、4-メルカプト吉草酸等からなる1種類以上が挙げられる。好ましくは炭素数2~5のメルカプトアルカン酸、より好ましくは炭素数2~4のメルカプトアルカン酸である。
本発明においては、メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトブタン酸、4-メルカプト酪酸からなる群より選ばれる炭素数2~4のメルカプトアルカン酸の1種類以上が好ましく、3-メルカプトプロピオン酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプト酪酸からなる群より選ばれる1種類以上がより好ましく、3-メルカプトプロピオン酸がさらに好ましい。
本発明の硬化性人工爪組成物の構成成分である(d)重合開始剤は、光(例えば、紫外線)や熱の照射等によりエネルギーが与えられることで、ラジカルを発生するものであって、前記(a)(メタ)アクリレート化合物の重合を開始し得るものであれば、特に制限されない。例えば、アシルフォスフィンオキシド系、α-ヒドロキシアルキルフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシッドエステル系、α-アミノアルキルフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、チタノセン系、キノン系、過酸化物系、アゾ系、過硫酸塩系等からなる群より選ばれる1種類以上の重合開始剤が挙げられる。
例えば、光重合開始剤を用いると、硬化性人工爪組成物に対して、UV-LED光源を含む各種の光源を用いて光を照射した場合であっても、良好な硬化性を付与することができる。
アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。特に、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド(OMNIRAD TPO)は、皮膚コンディショニング剤としても機能することから、本発明において好ましく用いることができる。
本発明の硬化性人工爪組成物には、貯蔵安定性、硬化性、硬化塗膜の色調、硬化塗膜耐久性、硬化塗膜接着性、粘度、取扱性、塗布性等に悪影響を与えない範囲で、前記(a)~(d)に加え、各種の成分を「(e)その他成分」として配合することができる。
(e)その他成分としては、例えば、重合禁止剤、着色剤、前記(a)(メタ)アクリレート化合物以外のラジカル重合性化合物、前記(a)以外の樹脂、ポリオール化合物、溶剤、香料、アルミナ等の沈降防止剤、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、第3級アミン等の重合促進剤、表面張力調整剤、難燃剤、酸化防止剤、イオン吸着体、低応力化剤、防腐剤、抗菌剤、可撓性付与剤、ワックス類、ハロゲントラップ剤、レベリング剤、濡れ改良剤、装飾用材料等の各種の添加剤からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
硬化前の硬化性人工爪組成物には、顔料等のみではなく樹脂粒子や、公知の硬化性人工爪組成物に配合できる装飾用材料等を配合しておくことも可能である。
アルキルポリオールとしては、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、アルキレンオキシドの開環重合により得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
本発明の硬化性人工爪組成物は、25℃での粘度を、例えば0.1Pa・s以上60.0Pa・s以下とすることができる。好ましくは0.5Pa・s以上、より好ましくは0.7Pa・s以上であり、好ましくは50.0Pa・s以下、より好ましくは40.0Pa・s以下である。このような粘度範囲とすることで、筆やインクジェット等の塗布具による塗布作業性に優れる硬化性人工爪組成物にできる。
本発明の硬化性人工爪組成物は、いわゆる一般のマニキュアやペディキュアのように、爪の表面に被覆を行うための組成物である。
本発明の硬化性人工爪組成物は、レベリング性に優れていることから、平滑な硬化塗膜を形成することが可能であり、硬化塗膜の硬さが適度であることから塗膜割れの発生が抑制されており、硬化塗膜が実用的な基材への密着性と塗膜耐久性を有している。
本発明の硬化性人工爪組成物の硬化塗膜を形成する際には、ラジカル重合性の硬化性組成物を硬化させる際に用いるのと同様の設備、例えば、一般の紫外線硬化用の設備やマニキュア硬化用の設備を用いることができる。
本発明の硬化性人工爪組成物を用いて被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫等の動物の爪でもよい。さらに、ネイルチップ(つけ爪)等の人工の爪であってもよい。
本発明の硬化性人工爪組成物を、爪又は爪に設けられた(未)硬化塗膜の上に塗布して被覆する際、塗布面にサンディングを施してもよく、施さなくてもよい。硬化性人工爪組成物の塗布方法は、特に限定されず、例えば、筆等の塗布具や、インクジェット等の塗布方法を用いることができる。
シート表面に予め硬化性人工爪組成物を用いて未硬化の塗膜層を設け、これを転写する方法によれば、筆等の塗布具を使用することなく、爪の表面に均一かつ正確な模様を被覆することが可能であり、使用後においても該塗布具を洗浄等する必要がない。
光を照射する際の光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV-LED)、紫外線レーザーダイオード(UV-LD)等の公知の紫外線の光源を用いることができる。その中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV-LED;波長385~415nm;ピーク波長約405nm)及び紫外線レーザーダイオード(UV-LD)が好ましい。
表1及び表2に示す成分を、表1及び表2に示す量比(質量部)となるように容器内に投入し、ディゾルバーにより室温で30分撹拌し、硬化性人工爪組成物を得た。これらの工程は、全て遮光下にて行った。
表1及び表2中の成分は、それぞれ以下のとおりである。
PUA1:2官能ポリエーテル系ポリウレタン(メタ)アクリレート
PUA2:6官能脂環族系ポリウレタン(メタ)アクリレート(質量平均分子量3,000)
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
PETA:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
PEMP:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
PEMB:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)
3-MPA:3-メルカプトプロピオン酸
1-BTO:1-ブタンチオール
1-OTO:1-オクタンチオール
HCPK:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
TPL:トコフェロール
BluAgt:ブルーイング剤(紫201/HEMA=0.1質量%/99.9質量%)
得られた硬化性人工爪組成物を、硬質塩化ビニル板上に塗布して、膜厚100μmの塗膜を形成し、36WのLEDランプ(照射波長405nm)を30秒照射して硬化して硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜の表面を手指で触り、表面の粘着性の有無により以下の基準に基づき表面硬化性評価を行った。Aは合格であり、Cは不合格である。表面硬化性評価の結果を表1及び表2に併せて示す。
A:硬化塗膜表面に粘着性(べたつき)を感じない。
C:硬化塗膜表面に粘着性(べたつき)を感じる。
得られた硬化性人工爪組成物を、硬質塩化ビニル板上に塗布して、膜厚160μmの塗膜を形成した。得られた塗膜から10cm離れたところで、どの程度臭気を感じるか、下記の基準に基づき臭気評価を行なった。A、Bは合格であり、Cは不合格である。臭気評価の結果を表1及び表2に併せて示す。
(評価基準)
A:臭気をほとんど感じない。
B:臭気をわずかに感じる。
C:強烈な臭気を感じる。
得られた硬化性人工爪組成物を、硬質塩化ビニル板上に塗布して、36WのLEDランプ(照射波長405nm)を30秒照射して硬化して厚さ100μmの硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜を剥離し、硬化塗膜の引張試験をJIS K 7161:2014に準じて実施し、硬化塗膜の破断点の応力(MPa)を測定するとともに、以下の基準に基づき硬化塗膜評価を行なった。A、Bは合格であり、Cは不合格である。臭気評価の結果を表1及び表2に併せて示す。
(評価基準)
A:破断点の応力が30MPa以上である。
B:破断点の応力が30MPa未満28.5MPa以上である。
C:破断点の応力が28.5MPa未満である。
Claims (2)
- (a)(メタ)アクリレート化合物、
(b)多官能チオール化合物、
(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸、及び
(d)重合開始剤、
を含有し、
前記(a)(メタ)アクリレート化合物の含有量が、硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、20.0質量%以上95.0質量%以下であり、
前記(b)多官能チオール化合物の含有量が、硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、0.5質量%以上15.0質量%以下であり、
前記(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸の含有量が、硬化性人工爪組成物全量に対して0質量%を超え2.0質量%以下であり、
前記(d)重合開始剤の含有量が、硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、0.05質量%以上15.0質量%以下である、
硬化性人工爪組成物。 - 前記(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸が、メルカプトプロピオン酸及び/又
はメルカプトブタン酸を含む、請求項1に記載の硬化性人工爪組成物。
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