JP7327863B1 - 硬化性人工爪組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化塗膜表面に未硬化成分が残存しないノンワイプ型のジェルネイル用組成物を構成することができ、臭気の問題がなく、破断点の応力が大きい硬化塗膜を形成することができる硬化性人工爪組成物を提供すること。【解決手段】(a)(メタ)アクリレート化合物、(b)多官能チオール化合物、(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸、及び(d)重合開始剤、を含有する、硬化性人工爪組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性人工爪組成物に関する。
手や足の自爪に装飾を施したり、人工爪を接着してこれに装飾を施したりするネイルアートの人気が高まっている。また、外力による爪の割れ・剥がれを防止するための補強のために、爪の上に人工爪を形成することが行われている。
このような爪の装飾や補強のためには、いわゆるマニキュア、ペディキュア、スカルプチュアと呼ばれる樹脂含有の材料が爪に塗布されている。
最近、爪の装飾又は補強のために使用される材料としては、ジェルネイルと呼ばれる光硬化性人工爪組成物が注目を集めている。ジェルネイルは、光硬化性のジェル状爪被覆材料(光硬化性人工爪組成物)であって、例えば、(メタ)アクリレート系オリゴマーと(メタ)アクリル系モノマーを含むものが知られている。ジェルネイルは、爪に塗布し、紫外線を照射して硬化することで、ラジカル重合反応により、架橋した高分子被膜を形成するため、爪から剥がれにくい強靱な被膜を形成できるとされている。
ジェルネイルとしては、爪上に設けられるベースコート層、ベースコート層とトップコート層との間に設けられるカラーコート層、最表面に設けられるトップコート層の3層から構成されるものが広く知られている。
ジェルネイルのトップコート層は、最表面に設けられるものであり、艶等の意匠性の調整や、ジェルネイルの保護の役割を担う層である。トップコート層は、(メタ)アクリレート系化合物を含むトップコート層形成用組成物を塗布し、紫外線等のエネルギー線を照射して硬化することで、ラジカル重合反応により架橋した硬化塗膜として形成される。その際、未硬化の(メタ)アクリレート系化合物が残存するため、硬化塗膜を溶剤で拭くことで、未硬化成分の除去を行うことが必要であった。このため、最近は、連鎖移動剤を含むトップコート層形成用組成物とし、酸素阻害を受けにくい硬化反応機構とすることで、未硬化成分の発生を抑制し、施術後に硬化塗膜表面の未硬化成分を拭き取る必要がない「ノンワイプ型」のトップコート層形成用組成物のニーズが高まっている。
ノンワイプ型のジェルネイル用組成物としては、以下のものが知られている。
特許文献1には、(A)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物、(B)1分子内に2個以上のチオール基を有する多官能チオール化合物、及び(C)光重合開始剤、を含む人工爪原料組成物が開示されている。
特許文献2には、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレートモノマー、多官能チオール化合物、重合開始剤、及びトコフェロール化合物を含有し、該トコフェロール化合物の含有量が1,000~5,000ppmである光硬化性人工爪組成物が開示されている。
特許文献3には、(A)1分子内に、少なくとも1個以上の(メタ)アクリレート基及び少なくとも1個以上のウレタン結合を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、(B)1分子内に2個以上のチオール基を有する多官能チオール化合物と、(C)(A)成分及び(B)成分に該当しない、1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物と、(D)光重合開始剤と、(E)連鎖移動剤と、を含有する光硬化性人工爪組成物が開示されている。
特開2014-5260号公報 特許第6755544号公報 特開2019-6689号公報
ノンワイプ型のジェルネイル用組成物は、連鎖移動反応を引き起こすチオール化合物と、反応性を高めるための多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましいとされている。一方で、チオール化合物として汎用されている単官能チオール化合物である長鎖アルキルメルカプタンを用いる場合、使用者にとって不快なメルカプト臭に起因する臭気の問題があった。また、チオール化合物として多官能チオール化合物を用いた場合、多官能チオール化合物の分子構造に由来して、硬化塗膜の強度が低下する問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、硬化塗膜表面に未硬化成分が残存しないノンワイプ型のジェルネイル用組成物を構成することができ、臭気の問題がなく、破断点の応力が大きい硬化塗膜を形成することができる硬化性人工爪組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の組成の硬化性人工爪組成物とすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には以下の通りである。
[項1]
(a)(メタ)アクリレート化合物、
(b)多官能チオール化合物、
(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸、及び
(d)重合開始剤、
を含有する、硬化性人工爪組成物。
[項2]
前記(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸が、硬化性人工爪組成物全量に対して0質量%を超え2.0質量%以下である、項1に記載の硬化性人工爪組成物。
[項3]
前記(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸が、メルカプトプロピオン酸及び/又はメルカプトブタン酸を含む、項1又は2に記載の硬化性人工爪組成物。
本発明により、硬化塗膜表面に未硬化成分が残存しないノンワイプ型のジェルネイル用組成物を構成することができ、臭気の問題がなく、破断点の応力が大きい硬化塗膜を形成することができる硬化性人工爪組成物が提供される。
破断点の応力が大きい硬化塗膜は、破断点の応力が小さい硬化塗膜と比べて、外部の衝撃で破壊されにくい。
本発明者は、機構等は不明であるものの、(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸が、長鎖アルキルメルカプタンや多官能チオールと比較して、分子量が小さく立体障害も少ないことから、硬化性人工爪組成物の重合初期に連鎖移動反応を効果的に進めることが可能であるため、破断点の応力が大きい硬化塗膜を形成することができるものと推察している。なお、本発明は、この推察に限定されるものではない。
以下に本発明の硬化性人工爪組成物について説明する。
[(a)(メタ)アクリレート化合物]
本発明の硬化性人工爪組成物の構成成分である(a)(メタ)アクリレート化合物は、分子内に(メタ)アクリロイル基を1つ以上有し、光等のエネルギー線を照射することで硬化し得る化合物である。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレートオリゴマー」は、アクリレートオリゴマー及びメタクリレートオリゴマーを指し、「(メタ)アクリレートモノマー」は、アクリレートモノマー及びメタクリレートモノマーを指す。
(a)(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリレートオリゴマー及び(メタ)アクリレートモノマーからなる群より選ばれる1種類以上を含んでいてもよい。
本発明の硬化性人工爪組成物の構成成分である(a)(メタ)アクリレート化合物は、6官能(メタ)アクリレート化合物を含んでいることが好ましい。6官能(メタ)アクリレート化合物としては、6官能(メタ)アクリレートオリゴマーであってもよく、6官能(メタ)アクリレートモノマーであってもよい。6官能(メタ)アクリレートの質量平均分子量は、特に限定されない。例えば6,000以下、好ましくは5,000以下、より好ましくは4,000以下である。
<(メタ)アクリレートオリゴマー>
(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子内に(メタ)アクリロイル基を1個以上有するとともに繰返し単位を複数有するオリゴマーであれば、特に制限されない。一分子内に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は特に制限されないが、硬化性人工爪組成物の硬化性、硬化塗膜の硬度等の観点から、1~10個、好ましくは2~8個である。
(メタ)アクリロイル基の数は、赤外吸収分光法(IR)、核磁気共鳴法(NMR)、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)等を用いて分析することによって確認できる。
(メタ)アクリレートオリゴマーの質量平均分子量は、特に限定されない。例えば1,000以上、好ましくは2,000以上、より好ましくは3,000以上であり、例えば100,000以下、好ましくは50,000以下、より好ましくは35,000以下である。質量平均分子量の範囲をこのような範囲とすることで、低粘度を保持しつつ、硬化塗膜の耐久性を向上できる。
(メタ)アクリレートオリゴマーは、特に限定されないが、例えば、
(i)主骨格(主鎖)にウレタン結合、エポキシ基の開環反応によって生じる結合、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合、カーボネート結合、アミド結合からなる群より選ばれる1種類以上を有する(メタ)アクリレートオリゴマー、(ii)主骨格(主鎖)がスチレン系、(メタ)アクリル系、オレフィン系、ジエン系モノマーからなる群より選ばれる1種類以上のモノマーの重合により分子鎖を有する(メタ)アクリレートオリゴマー、等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
これらのうち、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(ウレタン結合を主骨格に有する(メタ)アクリレートオリゴマー)、エポキシ基の開環反応によって生じた分子鎖を有するエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル(メタ)アクリレートオリゴマー(エステル結合を主骨格に有する(メタ)アクリレートオリゴマー)、エーテル(メタ)アクリレートオリゴマー(エーテル結合を主骨格に有する(メタ)アクリレートオリゴマー)等からなる群より選ばれる1種類以上を用いると、密着性等の点で有利である。本発明においては、特にウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく用いられる。
(メタ)アクリレートオリゴマーは、市販品又は合成品のいずれを使用してもよい。また、本発明においては、硬化性人工爪組成物及び/又はその硬化塗膜の密着性や耐久性等の観点から、1種類以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含んでいることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとの反応によりイソシアネート基又は水酸基含有ウレタンプレポリマーを形成し、イソシアネート基又は水酸基含有ウレタンプレポリマーに対し、分子内に活性水素含有基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等)又は分子内にイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させること等により合成できるが、この方法に限定されるものではない。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを硬化性人工爪組成物に使用すると、伸縮性、密着性、強度に優れる硬化塗膜を得ることができる。
本発明にて使用できる1種類以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格、ポリエステル骨格、アクリル骨格、ポリオレフィン骨格からなる群より選ばれる1種類以上を有するものから選択して使用できる。中でも、ポリエーテル骨格を有するポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又はポリカーボネート骨格を有するポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの1種類以上が好ましい。
例えば、ポリエーテル骨格の1種類以上を有するポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリオキシプロピレンポリオール等のポリオキシアルキレンポリオールと、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、これらのイソシアヌレート化物、ビューレット化物等のポリイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート基含有ポリエーテルウレタンプレポリマーに、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を加えて、前記ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基総数の10%以上のイソシアネート基に、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物により付加反応させて得ることができる。
例えば、ポリカーボネート骨格の1種類以上を有するポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと同様に、ポリカーボネートポリオールと、ポリイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート基含有ポリカーボネートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を加えて、前記ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基総数の10%以上のイソシアネート基に、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物により付加反応させて得ることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、AH-600、AT-600、UA-306H、UF-8001G(共栄社化学社製)や、RUA-071、RUA-003VE、RUA-075、RUA-048(亜細亜化学工業社製)、SUA-TH1、SUA-TH2、SUA-16N(ケーエスエム社製)、UV-3310B(三菱ケミカル社製)、アートレジン UN-6303、UN-6304、UN-6305、UN-9000PEP、UN-9200A、UN-353、UN-333、UN-352(根上工業社製)、AU-2040(トクシキ社製)、KUA-PC2I(ケーエスエム社製)等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられるが、これらに限定されない。
エポキシ基の開環反応によって生じた分子鎖を有するエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、多官能エポキシ樹脂に対して、エポキシ基と反応する官能基を有する(メタ)アクリレートを反応させることによって合成できるが、この方法に限定されるものではない。
市販品は、例えば、EBECRYL 1259、605、1606(ダイセル・サイテック社製)、EPOXY ESTER 3000A、3000MK、3002A(N)、3002M(N)、40EM(共栄社化学社製)等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エステル結合を有するエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、ポリオールと多価カルボン酸との反応により得られたエステル系オリゴマーが有するカルボキシル基及び/又は水酸基に対し、分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物及び/又は(メタ)アクリル酸やカルボキシル基を有するアクリル化合物を付加することにより合成できるが、この方法に限定されるものではない。
市販品は、例えば、アロニックス(登録商標)M-6100、M-6200、M-6250、M-6500、M-7100、M-7300K、M-8030、M-8060、M-8100、M-8530、M-8560、M-9050(東亞合成社製)や、UV-3500BA、UV3520TL、UV-3200B、UV-3000B(三菱ケミカル社製)等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エーテル結合を有するエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、脂肪族系のポリエーテルポリオールの水酸基や、ビスフェノール等を原料とする芳香族系のポリエーテルポリオールの水酸基に対し、分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物、(メタ)アクリル酸、及び、分子内にカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物等からなる群より選ばれる1種類以上を付加させることにより合成できるが、この方法に限定されるものではない。
市販品は、例えば、UV-6640B、UV-6100B、UV-3700B(三菱ケミカル社製)、ライトアクリレート(登録商標)3EG-A、4EG-A、9EG-A、14EG-A、PTMGA-250、BP-4EA、BP-4PA、BP-10EA、ライトエステル4EG、9EG、14EG(共栄社化学社製)、EBECRYL(登録商標)3700(ダイセル・サイテック社製)等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<(メタ)アクリレートモノマー>
(メタ)アクリレートモノマーは、前記(メタ)アクリレートオリゴマー以外の化合物であって、分子内に(メタ)アクリロイル基を1個以上有する化合物である。一分子内に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は特に制限されないが、硬化性人工爪組成物の硬化性、硬化塗膜の硬度等の観点から、1~10個、好ましくは1~8個、より好ましくは1~6個である。
本発明においては、(メタ)アクリレートモノマーとして、(メタ)アクリロイル基を1個有する(メタ)アクリレートモノマーより選ばれる1種類以上を用いることができる。また、(メタ)アクリロイル基を1個有する(メタ)アクリレートモノマーより選ばれる1種類以上と、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーより選ばれる1種類以上との混合物を用いてもよい。
(メタ)アクリロイル基を1個有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の一価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物;アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジヘプチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ-tert-オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジドデシル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジオクタデシル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリロイル基含有アミド化合物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレート;リン酸(メタ)アクリロイルオキシエチル、リン酸(メタ)アクリロイルオキシプロピル、カプロラクトン変性リン酸(メタ)アクリロイルオキシエチル、リン酸(メタ)アクリル酸ヘキサン酸エチル、リン酸(メタ)アクリル酸プロパン酸ペンチル等のリン酸エステル系(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、4-(メタ)アクリロイルオキシメチル-2-シクロヘキシル-1,3-ジオキソラン、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、(2-イソブチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、(2-エチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカン-2-イル)メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラフルフリルアルコールオリゴ(メタ)アクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、(メタ)アクリロイルモルホリン、N-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレ-ト、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリアジントリ(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリルオキシスクシンイミド、N-(メタ)アクリルオキシフタルイミド等の複素環含有(メタ)アクリレート等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
これらの(メタ)アクリロイル基を1個有する(メタ)アクリレートモノマーのうち、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル基含有(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート等の脂環式モノ(メタ)アクリレートモノマー;ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリロイル基含有アミド化合物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルモルホリン、N-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレートの含有量等の複素環含有(メタ)アクリレート等からなる群より選ばれる1種類以上が好ましい。
(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(イソピリデンジフェニルビス(メタクリル酸オキシヒドロキシプロピル)等)、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、リン酸ジ(メタ)アクリロイルオキシエチル、リン酸ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピル、カプロラクトン変性リン酸ジ(メタ)アクリロイルオキシエチル、リン酸ジ(メタ)アクリル酸ヘキサン酸エチル、リン酸ジ(メタ)アクリル酸プロパン酸ペンチル等のリン酸エステル系ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレートモノマー;グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のトリ(メタ)アクリレートモノマー;ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレートモノマー;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトール(メタ)アクリレート等のポリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の(メタ)アクリレート基を4個以上有する(メタ)アクリレートモノマー;等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
これらの(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーのうち、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等からなる群より選ばれる1種類以上を使用することが好ましい。
<(a)(メタ)アクリレート化合物の構成及び含有量>
本発明の硬化性人工爪組成物において、(a)(メタ)アクリレート化合物の含有量は、特に限定されない。硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、例えば20.0質量%以上、好ましくは40.0質量%以上、より好ましくは50.0質量%以上、さらに好ましくは60.0質量%以上であり、例えば95.0質量%以下、好ましくは90.0質量%以下、より好ましくは88.0質量%以下とすることができる。
本発明の硬化性人工爪組成物において、(a)(メタ)アクリレート化合物における「ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種類以上」の含有量は、特に限定されない。(a)(メタ)アクリレート化合物全量100質量%に対して、例えば3.0質量%以上、好ましくは5.0質量%以上であり、例えば12.0質量%以下、好ましくは10.0質量%以下とすることができる。
本発明の硬化性人工爪組成物において、(a)(メタ)アクリレート化合物における6官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、特に限定されない。(a)(メタ)アクリレート化合物全量100質量%に対して、例えば10.0質量%以上、好ましくは15.0質量%以上、より好ましくは20.0質量%以上であり、例えば50.0質量%以下、好ましくは45.0質量%以下、より好ましくは40.0質量%以下、さらに好ましくは35.0質量%以下とすることができる。
本発明においては、(a)(メタ)アクリレート化合物として、(メタ)アクリレートオリゴマーと(メタ)アクリレートモノマーを混合して用いることが好ましい。
硬化性人工爪組成物全量を100質量%とした場合における(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、例えば10質量%以上、好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、例えば80質量%以下、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下とすることができる。(メタ)アクリレートオリゴマーが10質量%未満である場合には、硬化性人工爪組成物の硬化性が低下するおそれがあり、粘度が低くなりすぎるおそれがある。(メタ)アクリレートオリゴマーが80質量%を超える場合には、硬化性人工爪組成物の硬化性が低下するおそれがあり、粘度が高くなりすぎるおそれがある。
硬化性人工爪組成物全量を100質量%とした場合における(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、例えば50質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下とすることができる。
[(b)多官能チオール化合物]
本発明の硬化性人工爪組成物の構成成分である(b)多官能チオール化合物は、分子内にチオール基を2つ以上有する化合物であれば、特に限定されない。(b)多官能チオール化合物は、硬化性人工爪組成物の連鎖移動剤、硬化性調整剤、架橋剤及び粘度調整剤として配合される。多官能チオール化合物を硬化性人工爪組成物に配合することで、硬化塗膜の表面における未硬化成分の残留を抑制することができる。
多官能チオール化合物としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、エチレングリコール等のポリオール化合物の水酸基に、チオール基又は反応してチオール基になる基を有する化合物が反応して得られたもの等が挙げられる。例えば、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5-トリス[2-(3-メルカプトブチリルオキシ)エチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、トリス[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,2-エタンジチオール、1,3-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、1,6-へキサンジチオール、1,8-オクタンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール、デカンジチオール、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネレート、エチレングリコールビスチオグリコレート(EGTG)、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート(BDTG)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2,4,6-トリメルカプト-s-トリアジン、
2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン等の多官能チオール基含有モノマー等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。これらの中でも、3官能又は4官能のチオール化合物が好ましく、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)からなる群より選ばれる1種類以上が好ましい。
本発明の硬化性人工爪組成物において、(b)多官能チオール化合物の含有量は、特に限定されない。硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、例えば0.5質量%以上、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上であり、例えば15.0質量%以下、好ましくは12.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。(b)多官能チオール化合物の含有量が15.0質量%を超えると、硬化性人工爪組成物の貯蔵安定性が低下し、硬化性人工爪組成物の臭気の点で問題が発生するおそれがある。(b)多官能チオール化合物の含有量が0.5質量%未満であると、硬化性人工爪組成物が十分に硬化せず、硬化塗膜表面に未硬化成分が残存しノンワイプ型の硬化性人工爪組成物とすることができないおそれがある。
[(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸]
本発明の硬化性人工爪組成物の構成成分である(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸としては、例えば、メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプト酪酸、4-メルカプト酪酸、2-メルカプトイソ酪酸、3-メルカプトイソ酪酸、3-メルカプト-3-メチル酪酸、2-メルカプト吉草酸、4-メルカプト吉草酸等からなる1種類以上が挙げられる。好ましくは炭素数2~5のメルカプトアルカン酸、より好ましくは炭素数2~4のメルカプトアルカン酸である。
本発明においては、メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトブタン酸、4-メルカプト酪酸からなる群より選ばれる炭素数2~4のメルカプトアルカン酸の1種類以上が好ましく、3-メルカプトプロピオン酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプト酪酸からなる群より選ばれる1種類以上がより好ましく、3-メルカプトプロピオン酸がさらに好ましい。
本発明の硬化性人工爪組成物において、(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸の含有量は、特に限定されない。硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、例えば0.0001質量%以上、好ましくは0.0005質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上であり、例えば2.0質量%以下、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、さらに好ましくは0.8質量%以下である。(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸の含有量が2.0質量%を超えると、硬化性人工爪組成物の臭気の点で問題が発生するおそれがある。(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸の含有量が0.0001質量%未満であると、硬化性人工爪組成物の硬化物の硬度が不十分となり、爪上に形成した硬化塗膜に割れ・欠けが発生しやすくなるおそれがある。
[(d)重合開始剤]
本発明の硬化性人工爪組成物の構成成分である(d)重合開始剤は、光(例えば、紫外線)や熱の照射等によりエネルギーが与えられることで、ラジカルを発生するものであって、前記(a)(メタ)アクリレート化合物の重合を開始し得るものであれば、特に制限されない。例えば、アシルフォスフィンオキシド系、α-ヒドロキシアルキルフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシッドエステル系、α-アミノアルキルフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、チタノセン系、キノン系、過酸化物系、アゾ系、過硫酸塩系等からなる群より選ばれる1種類以上の重合開始剤が挙げられる。
例えば、光重合開始剤を用いると、硬化性人工爪組成物に対して、UV-LED光源を含む各種の光源を用いて光を照射した場合であっても、良好な硬化性を付与することができる。
例えば、アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤は、一般的に用いられるUV-LED光源から発せられる365~405nmの波長の紫外線の照射によりラジカルを発生する。このため、UV-LED光源を含む各種の光源を用いて光を照射して硬化させる場合であっても、良好な硬化性を硬化性人工爪組成物に付与できる。さらに、UV-LED光源を用いて光を照射して硬化させる場合には、硬化塗膜の黄変を防止できる。
アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。特に、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド(OMNIRAD TPO)は、皮膚コンディショニング剤としても機能することから、本発明において好ましく用いることができる。
アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤以外の重合開始剤としては、例えば、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(OMNIRAD 184)、1-(4-(フェニルチオ)-2,2-(O-ベンゾイルオキシム))1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロピルチオキサントン、3-[3,4-ジメチル-9-オキソ-9H-チオキサントン-2-イル-オキシ]-2-ヒドロキシプロピル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロライド、フルオロチオキサントン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-(1-メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルスルフィド、1,2-オクタンジオン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン、イソフタルフェノン、フェニルグリオキシ酸メチル、ブチルアントラキノンエチルアントラキノン、フェナントレンキノン、カンファーキノン、ベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、1,1-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(メチルイソブチレ-ト)、t-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジアセチルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジサクシニックアシッドパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキサイドパレレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、n-ブチル-4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)バレレート、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、ジセチルパーオキシジカーボネート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
本発明の硬化性人工爪組成物においては、硬化時に照射する紫外線波長405nm付近及び365nm付近において、ラジカルを発生し重合を開始することができる重合開始剤を用いることが好ましく、アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤を含む重合開始剤を用いることがより好ましい。また、アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤に加えて、α-ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤を含む重合開始剤を用いてもよく、アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤及び過酸化物系重合開始剤を含む重合開始剤組成物を用いることもできる。
本発明の硬化性人工爪組成物において、(d)重合開始剤の含有量は、硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、例えば0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、例えば15.0質量%以下、好ましくは12.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。(d)重合開始剤の含有量が15.0質量%を超えると、硬化性人工爪組成物の硬化塗膜が脆くなるおそれや黄変(黄ばみ)するおそれがある。(d)重合開始剤の含有量が0.05質量%未満であると、硬化性人工爪組成物の硬化に時間がかかるおそれがあり、また、硬化不良となるおそれがある。
本発明の硬化性人工爪組成物において、(d)重合開始剤としてアシルフォスフィンオキシド系重合開始剤とα-ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤を含む重合開始剤を用いる場合、アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤の含有量は、硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、例えば0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、α-ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤の含有量は、硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、例えば1.0質量%以上、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上であり、例えば15.0質量%以下、好ましくは12.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤とα-ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤の含有量合計は、例えば1.05質量%以上、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、さらに好ましくは4.0質量%超であり、例えば15.0質量%以下、好ましくは12.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤の含有量が15.0質量%を超えると、硬化性人工爪組成物の硬化塗膜が脆くなるおそれや黄変(黄ばみ)するおそれがある。アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤の含有量が0.05質量%未満であると、硬化性人工爪組成物の硬化熱が高くなり、硬化時上昇温度が大きくなるおそれがある。
[(e)その他成分]
本発明の硬化性人工爪組成物には、貯蔵安定性、硬化性、硬化塗膜の色調、硬化塗膜耐久性、硬化塗膜接着性、粘度、取扱性、塗布性等に悪影響を与えない範囲で、前記(a)~(d)に加え、各種の成分を「(e)その他成分」として配合することができる。
(e)その他成分としては、例えば、重合禁止剤、着色剤、前記(a)(メタ)アクリレート化合物以外のラジカル重合性化合物、前記(a)以外の樹脂、ポリオール化合物、溶剤、香料、アルミナ等の沈降防止剤、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、第3級アミン等の重合促進剤、表面張力調整剤、難燃剤、酸化防止剤、イオン吸着体、低応力化剤、防腐剤、抗菌剤、可撓性付与剤、ワックス類、ハロゲントラップ剤、レベリング剤、濡れ改良剤、装飾用材料等の各種の添加剤からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
重合禁止剤としては、例えば、トコフェロール化合物、キノン化合物、フェノール系化合物、カテコール系化合物、オキシジフェニルアミン系化合物、ニトロソ系化合物、ニトロン系化合物、ニトリル系化合物、ヒドラジル系化合物、フェノチアジン系化合物等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
トコフェロール化合物としては、例えば、トコール、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、η-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノール、酢酸-α-トコフェロール、酢酸-β-トコフェロール、酢酸-γ-トコフェロール、酢酸-δ-トコフェロール等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。キノン化合物としては、例えば、ハイドロキノン、2-tert-ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、ジ-t-ブチルハイドロキノン、ベンゾキノン、2,6-ジクロロ-p-ベンゾキノン、2,5-ジクロロ-p-ベンゾキノン等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。フェノール系化合物としては、例えば、3,5-t-ジブチル-6-ヒドロキシトルエン等が挙げられる。カテコール系化合物としては、例えば、カテコール、4-t-ブチルカテコール等が挙げられる。オキシジフェニルアミン系化合物としては、例えば、2-オキシジフェニルアミン、その水酸基位置異性体、フェニル基置換体、アミノ基のアルキル置換体等が挙げられる。ニトロソ系化合物としては、例えば、カルボニル化合物のα炭素にニトロソ基を有する化合物(メチル-α-ニトロソイソプロピルケトン等)、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン化合物(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等)等が挙げられる。ニトロン系化合物としては、例えば、フェニル-t-ブチルニトロン等が挙げられる。ニトリル系化合物としては、例えば、ニトリル基が共役している化合物(フルフリリデンマロノニトリル等)等が挙げられる。ヒドラジル系化合物としては、例えば、1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジルが好ましい。フェノチアジン系化合物としては、例えば、フェノチアジン又は芳香環部分に1つ以上の置換基を有する化合物等が挙げられる。
本発明の硬化性人工爪組成物において、重合禁止剤の含有量は、特に限定されない。例えば、硬化性人工爪組成物全量に対し、0質量%を超え0.7質量%以下とすることができる。好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上とすることができる。重合禁止剤の含有量が0.7質量%を超えると、硬化性人工爪組成物の効果塗膜表面に未硬化成分が残存するおそれがあり、経時的に増粘して塗布性や取扱性等が低下するおそれがある。重合禁止剤を含有していない場合、貯蔵安定性が低下するおそれがある。
着色剤は、顔料、光輝材、染料からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられ、任意の量用いて、硬化性人工爪組成物に所望の色調を付与する。また、ブルーイング剤として、硬化性人工爪組成物の黄色味を消すために用いることができる。特に、爪用被覆材に使用されている無機顔料、光輝材、有機顔料及び染料からなる群より選ばれる1種類以上であって、紫外線照射(光照射)等による硬化を大きく阻害しないものである。
硬化前の硬化性人工爪組成物には、顔料等のみではなく樹脂粒子や、公知の硬化性人工爪組成物に配合できる装飾用材料等を配合しておくことも可能である。
着色剤としては、例えば、褐色201号、黒色401号、紫色201号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色202号、青色203号、青色204号、青色205号、青色403号、青色404号、緑色201号、緑色202号、緑色204号、緑色205号、緑色3号、緑色401号、緑色402号、黄色201号、黄色202号-(1)、黄色202号-(2)、黄色203号、黄色204号、黄色205号、黄色4号、黄色401号、黄色402号、黄色403号-(1)、黄色404号、黄色405号、黄色406号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、橙色206号、橙色207号、橙色401号、橙色402号、橙色403号、赤色102号、赤色104号-(1)、赤色105号-(1)、赤色106号、赤色2号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色223号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号-(1)、赤色230号-(2)、赤色231号、赤色232号、赤色3号、赤色401号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号、赤色506号、酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、カーボンブラック、金属粉、金属フレーク、金属酸化物フレーク、ガラスフレーク等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基含有重合性化合物以外のラジカル重合性化合物としては、特に限定されない。例えば、ビニル基含有化合物、アリル基含有化合物等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。具体的には、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、α-クロルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、N-ビニルピロリドン、ビニルピリジン、アリルグリシジルエーテル、ビニル基含有オリゴマー、アリル基含有オリゴマー等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
樹脂は、重合性ではなく、ポリオール化合物でもない樹脂であれば、特に限定されない。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、オレフィン系樹脂、芳香族オレフィン系樹脂、芳香族炭化水素系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、コアシェルポリマー、グラフト系樹脂、ブロック系樹脂等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
ポリオール化合物は、硬化性人工爪組成物の希釈剤、密着性向上剤としての機能を有している。ポリオール化合物としては、例えば、アルキルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、フェノリックポリオール等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。中でも、アルキルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールが好ましい。
アルキルポリオールとしては、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、縮合型ポリエステルポリオール、付加重合ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。縮合型ポリエステルポリオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,4-ヘキサンジメタノール、ダイマー酸ジオール、ポリエチレングリコール等からなる群より選ばれる1種類以上のジオール化合物と、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸等からなる群より選ばれる1種類以上の有機多塩基酸との縮合反応によって得られ、分子量は100~100,000が好ましい。付加重合ポリエステルポリオールとしては、ポリカプロラクトンが挙げられ、分子量は100~100,000が好ましい。ポリカーボネートポリオールはポリオールの直接ホスゲン化、ジフェニルカーボネートによるエステル交換法などによって合成され、分子量は100~100,000が好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、アルキレンオキシドの開環重合により得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
溶剤は、希釈により塗布時の粘度を調整し得るものであれば、特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチルセロソルブ等のセロソルブ類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類:プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ジアセトンアルコール等からなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
[硬化性人工爪組成物の粘度]
本発明の硬化性人工爪組成物は、25℃での粘度を、例えば0.1Pa・s以上60.0Pa・s以下とすることができる。好ましくは0.5Pa・s以上、より好ましくは0.7Pa・s以上であり、好ましくは50.0Pa・s以下、より好ましくは40.0Pa・s以下である。このような粘度範囲とすることで、筆やインクジェット等の塗布具による塗布作業性に優れる硬化性人工爪組成物にできる。
[硬化性人工爪組成物の用途]
本発明の硬化性人工爪組成物は、いわゆる一般のマニキュアやペディキュアのように、爪の表面に被覆を行うための組成物である。
本発明の硬化性人工爪組成物は、レベリング性に優れていることから、平滑な硬化塗膜を形成することが可能であり、硬化塗膜の硬さが適度であることから塗膜割れの発生が抑制されており、硬化塗膜が実用的な基材への密着性と塗膜耐久性を有している。
本発明の硬化性人工爪組成物の硬化塗膜を形成する際には、ラジカル重合性の硬化性組成物を硬化させる際に用いるのと同様の設備、例えば、一般の紫外線硬化用の設備やマニキュア硬化用の設備を用いることができる。
本発明の硬化性人工爪組成物は、特にジェルネイルとして好適に使用でき、例えば、使用者の爪に直接塗布されるベースコート層、該ベースコート層の上に塗布されるカラーコート層、さらにその上に塗布されるトップコート層のいずれの層の形成に用いても、長期間(例えば、硬化後少なくとも2週間)硬化塗膜が欠けることなく、剥がれず、また下層や使用者の爪に対して浮きが発生することを抑制できる。特に、トップコート層として用いた場合において、ノンワイプ型でありながら高い貯蔵安定性を保持することができる。
本発明の硬化性人工爪組成物は、特に、所望の色調としたカラートップコート層、所望の色調が付与されていてもよいクリア系トップコート層、金属粉、金属フレーク、金属酸化物フレーク、ガラスフレーク等の光輝材を含むラメ入りクリア系トップコート層として、好適に用いることができる。また、本発明の硬化性人工爪組成物を塗布後、硬化前に小さな飾りや粉体等を、硬化性人工爪組成物の塗膜表面に付着させ、意匠性を高めることも可能である。
[硬化性人工爪組成物を用いた爪の被覆]
本発明の硬化性人工爪組成物を用いて被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫等の動物の爪でもよい。さらに、ネイルチップ(つけ爪)等の人工の爪であってもよい。
本発明の硬化性人工爪組成物を、爪又は爪に設けられた(未)硬化塗膜の上に塗布して被覆する際、塗布面にサンディングを施してもよく、施さなくてもよい。硬化性人工爪組成物の塗布方法は、特に限定されず、例えば、筆等の塗布具や、インクジェット等の塗布方法を用いることができる。
本発明の硬化性人工爪組成物を用い、シートの少なくとも一方の面に、爪等の形状を有する未硬化の塗膜層を作製し、この層を爪表面と接触(転写)させた後に、シートを剥離するか又は剥離せずに、紫外線を照射して硬化させることもできる。
シート表面に予め硬化性人工爪組成物を用いて未硬化の塗膜層を設け、これを転写する方法によれば、筆等の塗布具を使用することなく、爪の表面に均一かつ正確な模様を被覆することが可能であり、使用後においても該塗布具を洗浄等する必要がない。
塗布後の硬化性人工爪組成物の硬化手段については、硬化性人工爪組成物の硬化を生起させるエネルギーを付与し得る手段であれば、特に限定されない。例えば、光(紫外線(UV)等)、電子線、熱等のエネルギー線照射等が挙げられる。特に、紫外線(UV)照射による硬化は、比較的迅速に、簡便に行うことができることから、好ましく用いることができる。紫外線等の光を照射することで硬化させる際には、公知の紫外線硬化用の装置を用いられる。硬化性人工爪組成物の組成によって、硬化に必要なエネルギー量は異なるものの、例えば、紫外線等の光照射により硬化する際には、光照射による照射エネルギー(積算光量)は、例えば5mJ/cm以上、好ましくは10mJ/cm以上であり、例えば1000mJ/cm以下、好ましくは800mJ/cm以下である。照射エネルギーがこの範囲内であれば、十分な密着性及び耐擦性を有するネイルアートを得ることができる。
光を照射する際の光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV-LED)、紫外線レーザーダイオード(UV-LD)等の公知の紫外線の光源を用いることができる。その中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV-LED;波長385~415nm;ピーク波長約405nm)及び紫外線レーザーダイオード(UV-LD)が好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
[実施例1~11、比較例1~12]
表1及び表2に示す成分を、表1及び表2に示す量比(質量部)となるように容器内に投入し、ディゾルバーにより室温で30分撹拌し、硬化性人工爪組成物を得た。これらの工程は、全て遮光下にて行った。
<成分>
表1及び表2中の成分は、それぞれ以下のとおりである。
PUA1:2官能ポリエーテル系ポリウレタン(メタ)アクリレート
PUA2:6官能脂環族系ポリウレタン(メタ)アクリレート(質量平均分子量3,000)
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
PETA:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
PEMP:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
PEMB:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)
3-MPA:3-メルカプトプロピオン酸
1-BTO:1-ブタンチオール
1-OTO:1-オクタンチオール
HCPK:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
TPL:トコフェロール
BluAgt:ブルーイング剤(紫201/HEMA=0.1質量%/99.9質量%)
<表面硬化性評価>
得られた硬化性人工爪組成物を、硬質塩化ビニル板上に塗布して、膜厚100μmの塗膜を形成し、36WのLEDランプ(照射波長405nm)を30秒照射して硬化して硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜の表面を手指で触り、表面の粘着性の有無により以下の基準に基づき表面硬化性評価を行った。Aは合格であり、Cは不合格である。表面硬化性評価の結果を表1及び表2に併せて示す。
A:硬化塗膜表面に粘着性(べたつき)を感じない。
C:硬化塗膜表面に粘着性(べたつき)を感じる。
<臭気評価>
得られた硬化性人工爪組成物を、硬質塩化ビニル板上に塗布して、膜厚160μmの塗膜を形成した。得られた塗膜から10cm離れたところで、どの程度臭気を感じるか、下記の基準に基づき臭気評価を行なった。A、Bは合格であり、Cは不合格である。臭気評価の結果を表1及び表2に併せて示す。
(評価基準)
A:臭気をほとんど感じない。
B:臭気をわずかに感じる。
C:強烈な臭気を感じる。
<硬化塗膜評価及び破断点>
得られた硬化性人工爪組成物を、硬質塩化ビニル板上に塗布して、36WのLEDランプ(照射波長405nm)を30秒照射して硬化して厚さ100μmの硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜を剥離し、硬化塗膜の引張試験をJIS K 7161:2014に準じて実施し、硬化塗膜の破断点の応力(MPa)を測定するとともに、以下の基準に基づき硬化塗膜評価を行なった。A、Bは合格であり、Cは不合格である。臭気評価の結果を表1及び表2に併せて示す。
(評価基準)
A:破断点の応力が30MPa以上である。
B:破断点の応力が30MPa未満28.5MPa以上である。
C:破断点の応力が28.5MPa未満である。
Figure 0007327863000001
Figure 0007327863000002
表1及び表2に示すように、実施例1~11の硬化性人工爪組成物は、いずれも、表面硬化性評価に優れ、臭気評価も問題なく、破断点の応力が大きく硬化塗膜評価に優れたものであった。一方、比較例1~12の硬化性人工爪組成物は、いずれも、破断点の応力が小さく硬化塗膜評価に問題があるものであり、さらに、比較例2~4、7、8、11、12の硬化性人工爪組成物は、表面硬化性評価に問題があり、比較例5~12の硬化性人工爪組成物は、臭気評価に問題があった。

Claims (2)

  1. (a)(メタ)アクリレート化合物、
    (b)多官能チオール化合物、
    (c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸、及び
    (d)重合開始剤、
    を含有
    前記(a)(メタ)アクリレート化合物の含有量が、硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、20.0質量%以上95.0質量%以下であり、
    前記(b)多官能チオール化合物の含有量が、硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、0.5質量%以上15.0質量%以下であり、
    前記(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸の含有量が、硬化性人工爪組成物全量に対して0質量%を超え2.0質量%以下であり、
    前記(d)重合開始剤の含有量が、硬化性人工爪組成物全量100質量%に対して、0.05質量%以上15.0質量%以下である、
    硬化性人工爪組成物。
  2. 前記(c)炭素数2~6のメルカプトアルカン酸が、メルカプトプロピオン酸及び/又
    はメルカプトブタン酸を含む、請求項1に記載の硬化性人工爪組成物。
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