JP2020032929A - シフトレバー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】強制解除レバーの移動距離が充分確保できない場合でも、シフトロックを強制的に解除できるようにする。【解決手段】シフトレバー7がパーキング位置で、ポジションピン45の下方への移動を規制するシフトロックレバー49と、シフトロックレバー49に対し、第2アーム49cを押圧することで強制的に回転させ、ポジションピン45の下方への移動を許容させる強制解除レバー55とを有する。強制解除レバー55は、第2アーム49cを押圧する押圧部55a4が、シフトロックレバー49の回転中心から離れた位置を押圧する第1角部Pと、第1角部Pが押圧する位置よりもシフトロックレバー49の回転中心から近い位置を押圧する第2角部Qとを備える。押圧部55a4が第2アーム49cを押圧するときに、第2アーム49cに対し、第1角部Pが先に当接し、第2角部Qが後に当接する。【選択図】図6
Description
本発明は、シフトロック機構を備えたシフトレバー装置に関する。
シフトレバーをパーキング位置にした状態で、シフトレバーの操作ボタンを操作できないようにして、シフトレバーを操作不能とするシフトロック機構を備えたシフトレバー装置が知られている(特許文献1参照)。シフトロックが解除された状態では、操作ボタンの操作によってシフトレバー内のコンプレッションロッドがポジションピンと共に下降する。シフトロックされた状態では、ポジションピンがシフトロックレバーに当接することで、コンプレッションロッドの下降を規制する。
ところで、シフトロック機構は、エンジン始動状態でブレーキペダルが踏まれていることによって、アクチュエータによりシフトロックが解除される。しかし、アクチュエータとは別にリリースロッドを手動で押し込むことで、強制的にシフトロックを解除する場合がある。この場合、シフトレバー装置の構造によっては、リリースロッドの移動距離が充分確保できないことがあり、強制的にシフトロックを解除するのが困難となる。
そこで、本発明は、強制解除レバーの移動距離が充分確保できない場合であっても、シフトロックを強制的に解除できるようにすることを目的としている。
本発明は、シフトレバーに設けた操作部を操作することによって、ハウジングに設けたポジションゲート内を下方に移動し、前記シフトレバーのシフト操作が可能となるポジションピンと、前記ハウジングに回転自在に取り付けられ、前記シフトレバーがパーキング位置にあるときに、前記ポジションピンが上方から当接して下方への移動を規制するシフトロックレバーと、前記シフトロックレバーの回転中心側から離れる方向に延出する被押圧部を押圧することで、前記シフトロックレバーを強制的に回転させ、前記ポジションピンの下方への移動を許容させる強制解除レバーと、を有し、前記強制解除レバーは、前記被押圧部を押圧する押圧部が、前記シフトロックレバーの回転中心から離れた位置を押圧する第1押圧部と、前記第1押圧部が押圧する位置よりも前記シフトロックレバーの回転中心から近い位置を押圧する第2押圧部と、を備え、前記押圧部が前記被押圧部を押圧するときに、前記第1押圧部が前記被押圧部に当接した後に、前記第2押圧部が前記被押圧部に当接する。
本発明によれば、強制解除レバーの移動距離が充分確保できない場合であっても、シフトロックを強制的に解除することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、自動車に使用されるシフトレバー装置1の内部構造を示す。なお、以下の説明で「前後方向」及び「左右方向」は、シフトレバー装置1を取り付けた状態の自動車の前後方向及び左右方向に相当する。シフトレバー装置1は、ハウジング3が、図2に示すベース5に、固定ピン6を介して取り付けられる。ベース5は、図示しない自動車の車体に取付部5aを介して固定される。ハウジング3内には、シフトレバー7の下部が挿入される。ハウジング3の左右方向の一方の開口部にはカバー8が取り付けられる。
ハウジング3は、図2に示すように、上面部9が前後方向に円弧形状となる凸曲面形状である。上面部9には、カバーパネル11が取り付けられる。カバーパネル11には、オートマチック変速操作用のオートモードシフト路11aと、マニュアル変速操作用のマニュアルモードシフト路11bとが形成されている。オートモードシフト路11aのD(ドライブ)レンジとマニュアルモードシフト路11bの中立位置とは、セレクト操作用シフト路11cによりつながっている。
オートモードシフト路11aは前後方向に長く、マニュアルモードシフト路11bは、オートモードシフト路11aの後部付近に位置してオートモードシフト路11aよりも前後方向の長さが短い。ハウジング3の上面部9には、オートモードシフト路11a、マニュアルモードシフト路11b及びセレクト操作用シフト路11cに対応して、開口9aが形成されている。
シフトレバー7は、軸方向全長にわたり中空で円筒形状のレバー本体7Aと、レバー本体7Aの下部側外周に、樹脂により一体成形された樹脂成形体7Bとを備えている。レバー本体7Aの内部にコンプレッションロッド13が軸方向に移動自在に挿入される。樹脂成形体7Bは、下端部に円筒部17が形成され、円筒部17の上部に隣接して球状部19が形成されている。
樹脂成形体7Bは、球状部19より上方の側部に、斜めに形成された筒部21が設けられている。筒部21には、チェックスプリング23と、チェックスプリング23により上方の突出方向に押し付けられるチェックピン25とが収容されている。チェックピン25は、ハウジング3の内部に形成されている図示しないチェック溝に係合する。
樹脂成形体7Bは、セレクトブロック27に支持される。セレクトブロック27は、前壁部29と後壁部31と底壁部33とを備えている。底壁部33には、球状部19を受け入れる球状受部35が形成されている。球状受部35の中心に形成された貫通孔部を貫通するようにして円筒部17が挿入されている。球状受部35の貫通孔部は、シフトレバー7がセレクト操作用シフト路11cを左右に移動するときに、円筒部17が左右に移動可能なように、円筒部17の外径よりも大きく形成されている。
レバー本体7Aの下端は、球状部19の中心位置まで達している。樹脂成形体7Bの円筒部17内の円筒形状の空間は球状部19内にも連続して形成してあり、これら空間はレバー本体7A内の空間につながっている。シフトレバー7は、球状部19が球状受部35に対して前後及び左右に摺動回転することで、前後方向(シフト方向)及び左右方向(セレクト方向)に移動する。
球状受部35の左右両側には、左右方向に延在する軸部37a,37bが形成されている。セレクトブロック27は、軸部37a,37bがハウジング3の軸孔39にブッシュ36を介して回転自在に支持されている。これにより、セレクトブロック27は、軸部37a,37bを中心として前後方向に揺動可能となる。
シフトレバー7は、前述したように球状部19を中心として左右方向(セレクト方向)に移動するが、オートモードシフト路11aから左方向に移動してマニュアルモードシフト路11bに移動したときに、樹脂成形体7Bとセレクトブロック27との嵌合が解除される。逆に、シフトレバー7が、マニュアルモードシフト路11bから右方向に移動してオートモードシフト路11aに移動したときに、樹脂成形体7Bがセレクトブロック27に対して嵌合する。樹脂成形体7Bとセレクトブロック27との嵌合は、セレクトブロック27の前壁部29と後壁部31との間に、樹脂成形体7Bの上部を入り込ませることで行う。
樹脂成形体7Bがセレクトブロック27に嵌合した状態で、シフトレバー7を前後に移動させることで、セレクトブロック27も一体となって軸部37a,37bを中心として前後に移動する。これにより、オートモードでのシフトチェンジが可能となる。セレクトブロック27の前壁部29の上端には、図示しないケーブルの一端が、ケーブルピン38を介して連結されるケーブル連結部40が設けられている。ケーブルの他端は、図示しない自動変速機に連結される。
シフトレバー7の上部には図示しない操作ノブが設けられ、操作ノブに設けてある操作部となる操作ボタンを押すことで、コンプレッションロッド13が下方に移動する。コンプレッションロッド13は、ロッド上部13aとロッド上部13aより長さが短いロッド下部13bとに分割され、ロッド上部13aとロッド下部13bとの間に、左右方向に延在するポジションピン45が取り付けられている。ポジションピン45は、左右方向中央の上部及び下部に、挿入突起45a,45bが形成され、これら挿入突起45a,45bがロッド上部13a及びロッド下部13bの内部にそれぞれ挿入される。
シフトレバー7の樹脂成形体7Bに対応する部位には、上下方向に長い貫通孔7aが形成されている。貫通孔7aは、球状部19より上方の位置で、レバー本体7A及び樹脂成形体7Bを貫通している。貫通孔7aにポジションピン45が上下方向に移動自在に挿入される。ポジションピン45は、貫通孔7aから樹脂成形体7Bの外部に突出し、突出した先端付近がハウジング3のポジションゲート47に挿入される。ポジションピン45は、シフトレバー7の操作によってポジションゲート47内を移動する。図1は、シフトレバー7をパーキング位置とした状態であり、このときポジションピン45はポジションゲート47内で前後方向の移動が規制されている。
シフトレバー7の内部において、コンプレッションロッド13のロッド下部13bの下方には、弾性体としてのコイルスプリング41が収容されている。コイルスプリング41は、コンプレッションロッド13を上方に向けて押し付けている。このとき、コイルスプリング41の上部には、ロッド下部13bの下端から下方に突出する突部13b1が挿入される。コイルスプリング41は、シフトレバー7の下端に取り付けた支持部材としてのストッパ43によって、下方への抜け止めがなされる。
ハウジング3におけるポジションゲート47の下部には、シフトロックレバー49が取り付けられている。シフトロックレバー49は、自動車を駐車したときに、シフトレバー7をパーキング位置から動かすことができないようにするためのものである。シフトロックレバー49は、ハウジング3の側壁から左右方向に突出する回転支持軸51に回転自在に支持されている。シフトロックレバー49は、図3A〜図3Cにも示すように、回転支持軸51に回転支持される円筒形状の軸挿入部49aを備えている。
軸挿入部49aの周囲の異なる位置において、第1アーム49b、第2アーム49c及び第3アーム49dが、それぞれ軸挿入部49aの中心軸線から離れる方向に延出している。第1アーム49bは、図1の組み付け状態において、軸挿入部49aの上部から上方でかつ、やや斜め前方に傾斜するように延出している。第1アーム49bは、全体として上下方向に長い略直方体形状であり、上端部にポジションピン45が上方から当接するポジションピン当接部49b1を備えており、シフトロック部を構成する。第1アーム49bは、ポジションゲート47の下部に形成してある斜壁53に、軸挿入部49a近傍の後壁が対向している。
第2アーム49cは、上下方向が板厚方向となるような略板状に形成されており、図1の組み付け状態において、軸挿入部49aの前部から前方に向けて略水平に延出している。第2アーム49cの上面49c1は平面となっている。上面49c1の図1中で奥側の側縁には、上面49c1から立ち上がるフランジ49c2が形成されている。第2アーム49cの上面49c1に、後述する強制解除レバー55の押圧アーム55aが上方から押し付けられることで、シフトロックレバー49が回転する。すなわち、第2アーム49cは、押圧アーム55aに押される被押圧部としての上面49c1を備えている。
第3アーム49dは、図3Bに示すように、左右方向が板厚方向となるような略板状に形成されており、軸挿入部49a近傍に図3B中で左方向に向けて突出するピン57を備えている。ピン57に、ソレノイド59から前後方向に進退移動するプランジャー61が連結されている。プランジャー61の先端には連結孔61aが形成され、連結孔61aにピン57が挿入されている。
ソレノイド59は、非通電時に押圧スプリング63によってプランジャー61が前進位置にあり、図1のシフトロック状態が維持される。エンジン始動状態でブレーキペダルが踏まれていることによって、ソレノイド59が通電され、プランジャー61が押圧スプリング63に抗して後退移動する。これにより、シフトロックレバー49が回転し、第1アーム49bのポジションピン当接部49b1がポジションピン45に対向する位置から外れてシフトロックが解除される。
第3アーム49dは、図1の組み付け状態において、軸挿入部49aの下部から下方でかつ、やや斜め前方に傾斜するように延出している。第3アーム49dは、先端に弾性変形可能なゴム等からなるダンパ65が取り付けられている。第3アーム49dの先端は側面視で略円形に形成され、ダンパ65は、当該円形の直径より大きい直径を備える円形に形成されている。第3アーム49dの先端は、図1に示すように、ハウジング3に形成してある一対の回転規制壁部67,69相互間に位置している。
プランジャー61が図1のように前進位置にあるときには、ダンパ65は前側の回転規制壁部69に当接している。このとき、ダンパ65と後側の回転規制壁部67とは離間している。一対の回転規制壁部67,69は互いに対向する位置にあり、そのうち後方の回転規制壁部67は、軸孔39の外周側に円弧状に形成されている。シフトロックレバー49が回転することによって、円形のダンパ65の外周面が回転規制壁部67,69のいずれかに当接し、当接音(作動音)が減少する。
ダンパ65は、図4A、図4Bに示すように、中心に取付孔65aが貫通して形成されている。取付孔65aに図3Cに示す第3アーム49dの取付突起49d1が嵌入されて、ダンパ65が第3アーム49dに取り付けられる。取付孔65aは、中心に円形孔部65a1を有し、円形孔部65a1の図4B中で左右両側から左右方向に突出する角孔部65a2が形成されている。
取付孔65aを間に挟んで図4B中で上下両側には、紙面表側及び裏側に向けてそれぞれ突出する円弧形状の突出部65b,65cが形成されている。突出部65b,65cは、内周縁が円形孔部65a1を形成し、両端が角孔部65a2の側縁に達している。図4A、図4Bに示すように、突出部65b,65cの取付孔65aと反対の外周側には、円弧形状のスリット65d,65eが貫通して形成されている。
ダンパ65は、第3アーム49dの取付突起49d1に取り付けた状態では、スリット65d,65eが図1に示した一対の回転規制壁部67,69に対向する位置にある。したがって、シフトロックレバー49が回転し、ダンパ65が一対の回転規制壁部67,69に当接したときには、スリット65d,65eによってダンパ65が容易に弾性変形する。これにより、当接音(作動音)をより効率よく減少させることができる。
強制解除レバー55は、ハウジング3の前側に形成された解除レバー取付部71に取り付けられる。解除レバー取付部71は、図2に示すように、下方に凹む凹所71aが形成されている。強制解除レバー55は、図5に示すように、ブロック状の本体部55bを有し、本体部55bが凹所71aに上方から移動自在に挿入される。強制解除レバー55は、本体部55bから後方に向けて突出する前述した押圧アーム55aを備えている。押圧アーム55aは、ハウジング3の前壁73に形成してある長孔73aに挿入される。押圧アーム55aは、上下方向に長い長孔73a内を上下方向に移動自在である。
強制解除レバー55は、下部に下方に向けて突出するガイドピン55cを備えている。ガイドピン55cは、本体部55bが凹所71aに挿入配置された状態で、解除レバー取付部71の下壁71bを貫通している。本体部55bと下壁71bとの間のガイドピン55cには、本体部55bを上方に向けて押し付けるリターンスプリング75が設けられている。
したがって、本体部55bを下方に押すことで、強制解除レバー55の全体が、ハウジング3に対しリターンスプリング75に抗して下降する。本体部55bを下方に押すことを止めれば、強制解除レバー55の全体がリターンスプリング75に押されて上昇する。本体部55bの側部には上下方向に長いガイド突起55dが設けられている。一方、解除レバー取付部71の側壁71cには上下方向に長いガイド孔71c1が形成されている。ガイド突起55dは、ガイド孔71c1に挿入されて上下方向に移動し、強制解除レバー55が上下動する際のガイドとなる。
押圧アーム55aは、図5にも示すように、本体部55bから後方へ向けて突出しており、図5中で紙面に直交する方向が板厚方向となるような略板状となっている。図5に示すように、押圧アーム55aは、本体部55bから後方へ向けて延出するアーム部55a1を備えている。アーム部55a1は、下縁55a2が略水平であり、上縁55a3が、本体部55b側よりも先端側が下方となるよう傾斜している。すなわち、アーム部55a1は、先端側ほど上下方向の寸法が小さくなっている。
アーム部55a1の先端側には、アーム部55a1から下方に向けて屈曲する押圧部55a4を備えている。押圧部55a4は、先端下部に押圧面55a5を備えている。押圧面55a5は、図6中で右側の先端側が図6中で左側の基端側よりも、上方となるように僅かに傾斜する傾斜面となっている。したがって、シフトロックレバー49が図1、図6のシフトロック位置では、第2アーム49cの上面49c1と押圧面55a5との間隔が、図6中で右側ほど大きく、図6中で左側ほど小さくなっている。
押圧部55a4は、アーム部55a1の下縁55a2の端部から下方に延びる第1縦壁55a6を有し、第1縦壁55a6と押圧面55a5の一方の端部とは、第1傾斜壁55a7によりつながっている。押圧面55a5の他方の端部からは上方に延びる第2縦壁55a8が形成され、第2縦壁55a8の上端とアーム部55a1の上縁55a3の端部とは第2傾斜壁55a9によりつながっている。
図6の状態で、強制解除レバー55が下方に押されると、押圧面55a5と第1傾斜壁55a7との間の第1押圧部となる第1角部Pが上面49c1に最初に当接する(図7A)。その後、さらに強制解除レバー55が押されると、押圧面55a5が上面49c1に徐々に接触していき、押圧面55a5と第2縦壁55a8との間の第2押圧部となる第2角部Qが、上面49c1に最後に当接する(図7B)。
このとき、シフトロックレバー49は、図6中で回転支持軸51を中心として反時計回り方向に回転し、図7Bの状態となる。図7Bの状態では、上面49c1は、図1、図6、図7Aの水平に対し、回転支持軸51側が先端側よりも上方となるよう傾斜している。その後、さらに強制解除レバー55が押されると、第1角部Pは上面49c1から離れ、第2角部Qのみで上面49c1を押し付けることになる(図7C)。
シフトロックレバー49は、上記した反時計回り方向の回転により、第1アーム49bのポジションピン当接部49b1がポジションピン45に対して前方へずれた位置となる。これにより、ポジションピン45は、第1アーム49bに規制されることなく、図1の位置から下方に移動させることができる。すなわち、このときシフトロックレバー49のシフトロックが解除されているので、シフトレバー7の上部の操作ボタンを押すことで、コンプレッションロッド13をポジションピン45と共に下降させることができる。これにより、シフトレバー7をパーキング位置から後方に移動させる等のシフト操作を行うことができる。
次に、シフトレバー装置1の動作を説明する。
シフトレバー7がオートモードシフト路11aのP(パーキング)レンジにあるときに、エンジン始動状態でブレーキペダルが踏まれていることによって、ソレノイド59が作動し、シフトロックレバー49のシフトロックが解除される。この状態で、シフトレバー7上部の操作ボタンを押すことで、コンプレッションロッド13がポジションピン45と共に下降する。これにより、ポジションピン45がポジションゲート47内を後方に移動でき、シフトレバー7をオートモードシフト路11a内で前後に移動させることができる。コンプレッションロッド13が下降するときには、コイルスプリング41が圧縮される。操作ボタンを押す操作を止めると、コンプレッションロッド13はコイルスプリング41に押されて上昇する。
シフトレバー7をオートモードシフト路11a内で前後に移動させることで、オートモードにおける各レンジを選択できる。シフトレバー7がオートモードシフト路11aのD(ドライブ)レンジにあるときに、シフトレバー7を、セレクト操作用シフト路11cを介してマニュアルモードシフト路11bに移動させると、マニュアルモードに移行する。マニュアルモードでは、シフトレバー7を前後に移動させることでシフアップもしくはシフトダウンを手動で行うことができる。
シフトレバー7が、オートモードシフト路11a内で前後に移動するときは、セレクトブロック27と共に、軸部37a,37bを中心として前後に揺動する。シフトレバー7が、マニュアルモードシフト路11b内で前後に移動するとき、及び、セレクト操作用シフト路11cを左右に移動するときは、球状部19がセレクトブロック27の球状受部35に対して摺動回転する。
例えば、ソレノイド59が故障し、エンジン始動状態でブレーキペダルが踏まれていてもシフトロックレバー49のシフトロックが解除できない場合には、強制解除レバー55を下方に押し込む。強制解除レバー55が下方に押し込まれることで、押圧アーム55aが第2アーム49cを下方に押し付ける。これにより、シフトロックレバー49が図1中で反時計回り方向に回転し、シフトロックが解除される。
次に作用効果を説明する。
本実施形態は、シフトレバー7に設けた操作ボタンを操作することによって、ハウジング3に設けたポジションゲート47内で下方に移動し、シフトレバー7のシフト操作が可能となるポジションピン45と、ハウジング3に回転自在に取り付けられ、シフトレバー7がパーキング位置にあるときに、ポジションピン45が上方から当接して下方への移動を規制するシフトロックレバー49と、シフトロックレバー49の回転中心側から離れる方向に延出する第2アーム49cを押圧することで、シフトロックレバー49を強制的に回転させ、ポジションピン45の下方への移動を許容させる強制解除レバー55と、を有する。
強制解除レバー55は、第2アーム49cを押圧する押圧部55a4が、シフトロックレバー49の回転中心から離れた位置を押圧する第1角部Pと、第1角部Pが押圧する位置よりもシフトロックレバー49の回転中心から近い位置を押圧する第2角部Qと、を備える。押圧部55a4が第2アーム49cを押圧するときに、第1角部Pが第2アーム49cに当接した後に、第2角部Qが第2アーム49cに当接する。
この場合、押圧部55a4が第2アーム49cを押圧するときに、押圧面55a5の第2アーム49cに対する押し付け位置が、シフトロックレバー49の回転中心に徐々に近づく。シフトロックレバー49は、下方への押し付けストロークが同等として、回転中心により近い位置を押し付けられるほうが、回転中心からより遠い位置を押し付けられる場合に比較して、回転角度はより大きくなる。このとき、第1角部Pがシフトロックレバー49の回転中心からより遠い位置の第2アーム49cを最初に押圧することで、シフトロックレバー49の回転初期の動作がより円滑となる。
したがって、本実施形態は、シフトロック解除を行う際に、シフトロックレバー49の回転角度を同等とした場合に、第1角部Pでのみシフトロックレバー49を押す場合に比較して、強制解除レバー55の押圧面55a5と、シフトロックレバー49の上面49c1との間隔をより小さくすることができる。図7Cに示す角度位置までシフトロックレバー49を回転させる場合に、第1角部Pでのみ第2アーム49cを押し付けるとすると、さらに下方に押し付けるストロークが必要となる。
このように、押圧面55a5と上面49c1との間隔をより小さくすることで、強制解除レバー55の上下方向の移動距離(ストローク)が小さくて済む。このため、本実施形態では、強制解除レバー55の移動距離が充分確保できない場合であっても、シフトロックを強制的に解除することができる。
本実施形態は、押圧部55a4及び第2アーム49cは、互いに対向する部位がそれぞれ平面に形成され、第1角部Pと第2アーム49cとの間隔が、第2角部Qと第2アーム49cとの間隔よりも狭い。このため、強制解除レバー55を下降させたときに、第1角部Pが第2アーム49cに対してより確実に最初に当接し、その後第2角部Qを第2アーム49cに当接させることができる。
本実施形態のシフトロックレバー49は、ポジションピン45の下方への移動を規制するシフトロック状態で、第2アーム49cの押圧部55a4に対向する面が水平面であり、押圧部55a4の前記水平面に対向する押圧面55a5は、前記水平面に対して傾斜する傾斜面である。この場合、押圧部55a4は、第2アーム49cの水平面となっている上面49c1を下方に向けて押し付けるので、上面49c1が水平面に対して傾斜している場合に比較して、シフトロックレバー49は回転初期の動作が円滑になされる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含む。
例えば、強制解除レバー55における押圧部55a4の第1角部Pと第2角部Qとの間の押圧面55a5が、図6中で上方に向けて凹む凹部となっていてもよい。この場合、図7Bのように第1角部P及び第2角部Qの両方が第2アーム49cに当接した状態では、凹部となっている第1角部Pと第2角部Qとの間の部分が、第2アーム49cに対して当接せず離間した状態となる。
すなわち、強制解除レバー55の押圧部55a4は、少なくとも第1角部Pに相当する部分と第2角部Qに相当する部分とを備えていればよい。したがって、押圧部55a4は、第1角部Pに相当する部分及び第2角部Qに相当する部分に、それぞれ上下方向に延びるピン状部分が形成される構成であってもよい。
この場合、シフトロックを解除する際に、第1角部Pに相当する部分に形成されるピン状部分の先端(下端)が第2アーム49cに最初に当接する(図7Aに相当)。その後、第2角部Qに相当する部分に形成されるピン状部分の先端(下端)が第2アーム49cに当接する(図7B、図7Cに相当)。
また、図6では、シフトロック解除前の状態において、シフトロックレバー49の上面49c1を水平面とし、押圧面55a5を傾斜面としているが、これとは逆の構成でもよい。すなわち、シフトロック解除前の状態において、押圧面55a5を水平面とし、シフトロックレバー49の上面49c1を傾斜面としてもよい。
上面49c1を傾斜面とする場合には、上面49c1は、シフトロックレバー49の回転中心側ほど下方となるように傾斜する。これにより、シフトロックレバー49の上面49c1と押圧面55a5との間隔が、図6中で右側ほど大きく、図6中で左側ほど小さくなる。上面49c1を傾斜面とした場合でも、第1角部Pと第2角部Qとの間の押圧面55a5が、図6中で上方に向けて凹む凹部となっていてもよい。
3 ハウジング
7 シフトレバー
45 ポジションピン
47 ポジションゲート
49 シフトロックレバー
49c1 第2アームの上面(水平面、被押圧部)
55 強制解除レバー
55a4 強制解除レバーの押圧部
55a5 強制解除レバーの押圧面(傾斜面)
P 強制解除レバーの第1角部(第1押圧部)
Q 強制解除レバーの第2角部(第2押圧部)
7 シフトレバー
45 ポジションピン
47 ポジションゲート
49 シフトロックレバー
49c1 第2アームの上面(水平面、被押圧部)
55 強制解除レバー
55a4 強制解除レバーの押圧部
55a5 強制解除レバーの押圧面(傾斜面)
P 強制解除レバーの第1角部(第1押圧部)
Q 強制解除レバーの第2角部(第2押圧部)
Claims (3)
- シフトレバーに設けた操作部を操作することによって、ハウジングに設けたポジションゲート内を下方に移動し、前記シフトレバーのシフト操作が可能となるポジションピンと、
前記ハウジングに回転自在に取り付けられ、前記シフトレバーがパーキング位置にあるときに、前記ポジションピンが上方から当接して下方への移動を規制するシフトロックレバーと、
前記シフトロックレバーの回転中心側から離れる方向に延出する被押圧部を押圧することで、前記シフトロックレバーを強制的に回転させ、前記ポジションピンの下方への移動を許容させる強制解除レバーと、を有し、
前記強制解除レバーは、前記被押圧部を押圧する押圧部が、前記シフトロックレバーの回転中心から離れた位置を押圧する第1押圧部と、前記第1押圧部が押圧する位置よりも前記シフトロックレバーの回転中心から近い位置を押圧する第2押圧部と、を備え、
前記押圧部が前記被押圧部を押圧するときに、前記第1押圧部が前記被押圧部に当接した後に、前記第2押圧部が前記被押圧部に当接することを特徴とするシフトレバー装置。 - 前記押圧部及び前記被押圧部は、互いに対向する部位がそれぞれ平面に形成され、前記第1押圧部と前記被押圧部との間隔が、前記第2押圧部と前記被押圧部との間隔よりも狭いことを特徴とする請求項1に記載のシフトレバー装置。
- 前記シフトロックレバーは、前記ポジションピンの下方への移動を規制するシフトロック状態で、前記被押圧部の前記押圧部に対向する面が水平面であり、前記押圧部の前記水平面に対向する面は、前記水平面に対して傾斜する傾斜面であることを特徴とする請求項2に記載のシフトレバー装置。
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