本発明のロック機構、シフトレバー装置及びシフトロックユニットを添付の図面に基づき詳細に説明する。
まず、第1の実施の形態に係るシフトレバー装置10を図1乃至図21に基づき説明する。
図1に示す如く、本実施の形態に係るシフトレバー装置10は、所謂ゲート式のものであり、車内の床面に設置されている。
シフトレバー装置10は、シフト操作部80を構成する箱状のカバー14を備えており、カバー14は車内の床面に固定されている。カバー14は、上面が開口した箱状のベースプレート82と板状のカバー部材84とにより構成されており、ベースプレート82の上面にカバー部材84が固定されている。
ベースプレート82内の下部には、シフト操作部80を構成する略円柱状の回転軸86が設けられており、回転軸86は車両左右方向に平行とされて中心軸を中心に回転自在とされている。回転軸86には、操作部材としてシフト操作部80を構成するシフトレバー12の基端が支持されており、シフトレバー12は回転軸86に対し車両左右方向に回動自在とされている。このため、シフトレバー12は、車両前後方向(所定方向)及び車両左右方向(所定方向の両側方)へ旋回可能とされている。また、シフトレバー12は車両の自動変速機(図示省略)に接続されている。
図18にも示す如く、カバー部材84には案内孔16が形成されており、案内孔16は所定の屈曲形状とされている。案内孔16にはシフトレバー12が挿通されており、シフトレバー12が案内孔16に案内されて車両前後方向や車両左右方向へ旋回されることで、シフト位置(本実施の形態では、特定位置及び特定シフト位置としての「P」シフト位置、「R」シフト位置、「N」シフト位置、第1シフト位置としての「D」シフト位置、第3シフト位置としての「4」シフト位置、「3」シフト位置、第2シフト位置としての「2」シフト位置及び第4シフト位置としての「L」シフト位置)が変更される。
すなわち、シフトレバー12を「P」シフト位置から「R」シフト位置へ変更する際にはシフトレバー12を車両左方、車両後方及び車両右方へこの順で旋回させる必要があり、シフトレバー12を「R」シフト位置から「N」シフト位置へ変更する際にはシフトレバー12を車両後方及び車両右方へこの順で旋回させる必要があり、シフトレバー12を「N」シフト位置から「D」シフト位置へ変更する際にはシフトレバー12を車両後方へ旋回させる必要があり、シフトレバー12を「D」シフト位置から「4」シフト位置へ変更する際にはシフトレバー12を車両右方(所定方向の一側方)へ旋回させる必要があり、シフトレバー12を「4」シフト位置から「3」シフト位置へ変更する際にはシフトレバー12を車両後方へ旋回させる必要があり、シフトレバー12を「3」シフト位置から「2」シフト位置へ変更する際にはシフトレバー12を車両左方及び車両後方へこの順で旋回させる必要があり、シフトレバー12を「2」シフト位置から「L」シフト位置へ変更する際にはシフトレバー12を車両左方(所定方向の他側方)へ旋回させる必要がある。
このため、シフトレバー12の車両前後方向における旋回位置は、「P」シフト位置と、「R」シフト位置と、「N」シフト位置と、「D」シフト位置及び「4」シフト位置と、「3」シフト位置と、「2」シフト位置及び「L」シフト位置とで異なっている。
シフトレバー12は、図8に示す第1検出部としての所謂NSS(ニュートラル・スタート・スイッチ)18に接続されており、NSS18はシフトレバー12の車両前後方向における旋回位置を検出する。これにより、シフトレバー12が、「P」シフト位置と、「R」シフト位置と、「N」シフト位置と、「D」シフト位置または「4」シフト位置と、「3」シフト位置と、「2」シフト位置または「L」シフト位置と、の何れに位置するかが検出される。
NSS18には、「P」端子、「R」端子、「N」端子、「D」端子、「2」端子及び「L」端子が設けられている。シフトレバー12が「P」シフト位置に位置すると「P」端子から信号が送信され、シフトレバー12が「R」シフト位置に位置すると「R」端子から信号が送信され、シフトレバー12が「N」シフト位置に位置すると「N」端子から信号が送信され、シフトレバー12が「D」シフト位置または「4」シフト位置に位置すると「D」端子から信号が送信され、シフトレバー12が「3」シフト位置が位置すると「2」端子から信号が送信され、シフトレバー12が「2」シフト位置または「L」シフト位置に位置すると「L」端子から信号が送信される。
NSS18はメータ20に直接接続されており、メータ20には「P」ランプ、「R」ランプ、「N」ランプ、「D」ランプ、「4」ランプ、「3」ランプ、「2」ランプ及び「L」ランプが設けられている。
メータ20の「P」ランプ、「R」ランプ、「N」ランプまたは「3」ランプは、それぞれNSS18の「P」端子、「R」端子、「N」端子または「2」端子に接続されており、「P」端子、「R」端子、「N」端子または「2」端子から信号が送信されると、それぞれ「P」ランプ、「R」ランプ、「N」ランプまたは「3」ランプが点灯される。
メータ20の「D」ランプ及び「4」ランプとNSS18の「D」端子とは、「D−4」スイッチ22が介在された状態で接続されており、「D−4」スイッチ22は、「D」端子からの信号の送信方向を「D」ランプ側と「4」ランプ側とで切り替え可能とされている。
メータ20の「2」ランプ及び「L」ランプとNSS18の「L」端子とは、「2−L」スイッチ24が介在された状態で接続されており、「2−L」スイッチ24は、「L」端子からの信号の送信方向を「2」ランプ側と「L」ランプ側とで切り替え可能とされている。
図5に示す如く、シフトレバー12の基端側には、半円状の切替板26が一体に設けられており、切替板26はシフトレバー12から車両右方へ突出している。切替板26には円柱状の切替棒28が一体に設けられており、切替棒28は切替板26から車両後方へ突出している。
図1に示す如く、ベースプレート82内には、シフトレバー12の車両右方において、シフトロックユニット88が設けられており、シフトロックユニット88は、箱状のハウジング88Aを備えている。図3に示す如く、ハウジング88A内には回路基板90が固定されており、回路基板90の車両後側端部には、コネクタ92が設けられている。さらに、回路基板90の車両前側部位にはシフト位置検出部94が取り外し可能に設けられており、シフト位置検出部94は回路基板90を介してコネクタ92に接続されている。シフト位置検出部94は、弾性を有する薄板状の接触板94Aを一対有しており、一対の接触板94Aは互いに非接触とされている。一対の接触板94Aはハウジング88Aの車両左側側面から突出しており、シフトレバー12が「P」シフト位置に位置する際にはシフトレバー12が一方の接触板94Aを車両前方へ押圧して一対の接触板94Aが互いに接触する。これにより、シフトレバー12が「P」シフト位置に位置することがシフト位置検出部94によって検出される。
図2にも示す如く、ハウジング88Aの上面には、三角形板状の突出部96が立設されており、突出部96の車両左側(シフトレバー12側)側面には、略円柱状の支持軸98が設けられている。支持軸98の中心には、突出部96をも貫通する断面円状の貫通孔100が形成されており、貫通孔100の斜め上部及び斜め下部にはそれぞれ、突出部96をも貫通する断面四角状の挿入孔100Aが互いに対向して形成されている。
支持軸98には、検知機構を構成するリンク30が組み付けられており、リンク30は、シフトレバー12の切替板26及び切替棒28に対応してシフトレバー12の車両右方に設置されている。
リンク30は、長板状のリンク本体30Aを備えている。図4に詳細に示す如く、リンク本体30A上部の支持軸98側側壁には、嵌合凹部102が円筒状に突設されており、嵌合凹部102の中央には円柱状の貫通軸104が突設されている。貫通軸104の先端には、断面四角状の係止突起104Aが一対互いに対向して設けられている。
ここで、各係止突起104Aを各挿入孔100Aに挿入して貫通軸104を貫通孔100に貫通嵌合させた後にリンク本体30Aの下部を車両前方へ回転させることで、嵌合凹部102の内周面に支持軸98の周面が嵌合された状態で、各係止突起104Aが貫通孔100周辺の突出部96に係止されると共に嵌合凹部102の底面が支持軸98の側面に当接する。これにより、リンク本体30A(リンク30)が、支持軸98に支持されて、支持軸98の中心線(シフトレバー12の「D」シフト位置と「2」シフト位置との間に配置された図5の一点鎖線)を回転中心軸線Pとして、車両前後方向に沿った垂直面(シフトレバー12の所定方向への旋回面)に平行に回転可能とされている。また、後述の如くシフトレバー12の旋回によってリンク30が回転する範囲においては、各係止突起104Aの回転位置が各挿入孔100Aに一致しない構成にされており、これにより、支持軸98によるリンク30の支持が解除されることが阻止されている。さらに、突出部96、支持軸98、貫通孔100、嵌合凹部102、貫通軸104及び係止突起104Aはガイド部として機能し、貫通軸104の貫通孔100への嵌合、嵌合凹部102内周面への支持軸98周面の嵌合、係止突起104Aの突出部96への係止及び嵌合凹部102底面の支持軸98側面への当接によって、リンク30の回転が案内される。
リンク本体30Aと突出部96との間には、復帰部材としての捩りコイルスプリング106が架け渡されており、これにより、リンク本体30A(リンク30)が、図5の矢印Aの反対方向へ付勢されている。リンク本体30Aの下部に対応してハウジング88Aの車両左側側面には、弾性を有するゴム製の弾性部材108が取り外し可能に設けられており、弾性部材108はリンク本体30Aの下部(車両後方)へ向けて三角錐状に突出している。弾性部材108には捩りコイルスプリング106に付勢されたリンク本体30Aの下部が当接しており、これにより、リンク本体30A(リンク30)が略起立されて初期回転位置に位置されている。
リンク本体30Aの下部に対応してハウジング88Aの車両左側側面には、ガイド部を構成する案内壁110Aと案内突部110Bとが形成されており、案内壁110Aが車両左側に配置されると共に案内突部110Bが車両左側に配置された状態で両者が互いに対向している。ここで、後述の如くシフトレバー12の旋回によってリンク30が回転する範囲において、リンク本体30Aの下部が案内壁110Aと案内突部110Bとの間に両者に当接した状態で挿入されて、リンク30の回転が案内壁110Aと案内突部110Bとによって案内される。
図5に詳細に示す如く、シフトレバー12の「4」シフト位置に対応してリンク本体30A上部には第1腕32が一体に設けられており、第1腕32はリンク本体30Aから車両前方へ延伸している。第1腕32の先端には板状の受部32Aが一体に設けられており、受部32Aの上面は車両左方に向けて車両下方へ傾斜されている。ここで、シフトレバー12が「D」シフト位置から「4」シフト位置へ変更されて切替板26が車両右方へ移動される際には、受部32Aの上面が切替板26に押圧されて第1腕32が車両下方(シフトレバー12の基端側)へ変位され、これにより、リンク30が図5の矢印Aの方向(特定方向)へ回転される。
シフトレバー12の「L」シフト位置に対応してリンク本体30A上部には第2腕34が一体に設けられており、第2腕34は、リンク本体30AからL字状に突出して先端側が車両左方へ延伸している。第2腕34の先端は屈曲されて屈曲部34Aが形成されており、屈曲部34Aの下面は車両左方に向けて車両下方へ傾斜されている。ここで、シフトレバー12が「2」シフト位置から「L」シフト位置へ変更されて切替棒28が車両左方へ移動される際には、屈曲部34Aの下面が切替棒28に押圧されて第2腕34が車両上方(シフトレバー12の先端側)へ変位され、これにより、リンク30が図5の矢印Aの方向へ回転される。
リンク本体30Aの下部には切欠部36が形成されており、切欠部36は、車両上下方向に平行とされて下端が開放されている。
リンク30の車両右方には、検知機構の第2検出部を構成するスライダ38が配置されており、スライダ38はハウジング88A内に収容されている。スライダ38は矩形板状のスライダ本体40を備えており、スライダ本体40の車両左側側面には円柱状の嵌入棒42が一体に設けられている。嵌入棒42に対応してハウジング88Aの車両左側側面には、上記案内突部110Bの直下において挿通孔78が形成されており、挿通孔78は車両前後方向に沿って長尺とされている。嵌入棒42は、挿通孔78に挿通されてリンク本体30Aの切欠部36内にスライド可能に嵌入されており、これにより、スライダ38は、リンク30の回転に伴い車両前後方向へスライドする。
スライダ本体40の車両右側側面には、薄板状のコンタクトプレート44が所定数(本実施の形態では4つ)取り付けられている。所定数のコンタクトプレート44は車両上下方向へ並べられており、図6に示す如く、各コンタクトプレート44の先端は後記検出部材48の車両左側側面に接触している。
スライダ本体40の上端及び下端には、それぞれ案内突起46が一体に設けられており、両案内突起46は、それぞれスライダ本体40から車両右方へL字状に突出して互いに対向している。
スライダ38の車両右方には、検知機構の第2検出部を構成する矩形板状の検出部材48が設置されており、検出部材48は上記回路基板90に固定されてハウジング88A内に収容されている。検出部材48の上端及び下端には、それぞれ案内凹部50が形成されており、各案内凹部50にスライダ38の各案内突起46が嵌入されることで、スライダ38の車両前後方向へのスライドが案内される。
検出部材48の車両左側側面には、それぞれ薄板状とされた「D」ターミナル52A、「4」ターミナル52B、「D−4」ターミナル52C、「2−L」ターミナル52D、「2」ターミナル52E及び「L」ターミナル52Fが車両前後方向に沿って設けられて、それぞれ回路基板90を介して上記コネクタ92に接続されている。図7に詳細に示す如く、「D」ターミナル52Aは検出部材48の車両前側端部から車両前後方向中央に亘って設けられ、「4」ターミナル52Bは「D」ターミナル52Aの車両後方において検出部材48の車両後側端部に設けられ、「D−4」ターミナル52Cは「D」ターミナル52A及び「4」ターミナル52Bの直下において検出部材48の車両前側端部から車両後側端部に亘って設けられ、「2−L」ターミナル52Dは「D−4」ターミナル52Cの直下において検出部材48の車両前側端部から車両後側端部に亘って設けられ、「2」ターミナル52Eは「2−L」ターミナル52Dの直下において検出部材48の車両前側端部から車両前後方向中央に亘って設けられ、「L」ターミナル52Fは「2」ターミナル52Eの車両後方において検出部材48の車両後側端部に設けられている。
ここで、シフトレバー12が「D」シフト位置及び「2」シフト位置に位置する際には、各コンタクトプレート44の先端はそれぞれ「D」ターミナル52A、「D−4」ターミナル52C、「2−L」ターミナル52D、「2」ターミナル52Eに接触している。
シフトレバー12が「D」シフト位置から「4」シフト位置へ変更される際及びシフトレバー12が「2」シフト位置から「L」シフト位置へ変更される際には、リンク30の図5の矢印Aの方向への回転に伴うスライダ38の車両後方へのスライドと一体に各コンタクトプレート44が車両後方へスライドしてそれぞれ「4」ターミナル52B、「D−4」ターミナル52C、「2−L」ターミナル52D、「L」ターミナル52Fに接触する。
これにより、シフトレバー12が、「D」シフト位置または「2」シフト位置と、「4」シフト位置または「L」シフト位置と、の何れに位置するかが検出される。
検出部材48の「D」ターミナル52A、「4」ターミナル52B及び「D−4」ターミナル52Cは、図8に示す上記「D−4」スイッチ22に相当する一方、検出部材48の「2−L」ターミナル52D、「2」ターミナル52E及び「L」ターミナル52Fは、図8に示す上記「2−L」スイッチ24に相当している。
ここで、シフトレバー12が「D」シフト位置または「2」シフト位置に位置する際には、各コンタクトプレート44の先端がそれぞれ検出部材48の「D」ターミナル52A、「D−4」ターミナル52C、「2−L」ターミナル52D、「2」ターミナル52Eに接触することで、「D−4」スイッチ22においてNSS18の「D」端子からの信号の送信方向がメータ20の「D」ランプ側にされると共に、「2−L」スイッチ24においてNSS18の「L」端子からの信号の送信方向がメータ20の「2」ランプ側にされる。このため、「D」端子または「L」端子から信号が送信されることで、それぞれ「D」ランプまたは「2」ランプが点灯される。
また、シフトレバー12が「4」シフト位置または「L」シフト位置に位置する際には、各コンタクトプレート44の先端がそれぞれ検出部材48の「4」ターミナル52B、「D−4」ターミナル52C、「2−L」ターミナル52D、「L」ターミナル52Fに接触することで、「D−4」スイッチ22においてNSS18の「D」端子からの信号の送信方向がメータ20の「4」ランプ側に切り替えられると共に、「2−L」スイッチ24においてNSS18の「L」端子からの信号の送信方向がメータ20の「L」ランプ側に切り替えられる。このため、「D」端子または「L」端子から信号が送信されることで、それぞれ「4」ランプまたは「L」ランプが点灯される構成である。
さらにまた、図1に示す如く、シフトレバー12の基端側には、連動部材及び被ロック部としての略円柱状のレバー112が一体に設けられており、レバー112はシフトレバー12から車両前方へ突出している。レバー112は断面が車両左下方へ向けて斜めに突出した形状とされており、レバー112の下面は平面状とされている。レバー112はシフトレバー12の旋回操作に連動すると共に、レバー112の車両左下部位は、係止面及び係止解除面とを兼用する当接面112Aとされている。
シフトロックユニット88は、シフトレバー12が「P」シフト位置に配置された際のレバー112の位置に対応して、車両前側部位において、ロック機構としてのシフトロック機構118(シフトロックソレノイドと同義)を備えている。
図9及び図13に詳細に示す如く、シフトロック機構118は、下面が開口した略箱状のケース120を備えると共に、ケース120の下面は板状のキャップ122によって閉鎖されており、ケース120及びキャップ122は、上記ハウジング88Aの一部を構成している。ケース120の上面には解除リンク124が固定され、また、ケース120の上方にはシフトレバー12が「P」シフト位置に配置された際にレバー112が配置される。
ケース120内には、ロック部材の係止部材としてのストッパ126が設けられている。ストッパ126は板状の垂直壁128を有しており、垂直壁128は、垂直に配置されて上部の車両前後方向両端部に傾斜面128Aが形成されている。垂直壁128は、ケース120の上面から突出して、シフトレバー12が「P」シフト位置に配置された際のレバー112の車両左方に配置されており、垂直壁128の車両右側側面は係止面128Bとされている。ストッパ126(垂直壁128)は、車両上下方向へ移動可能とされると共に、キャップ122との間に架け渡された圧縮コイルスプリング130(ばね)により車両上方へ付勢されており、これにより、ストッパ126はロック位置(上側の位置)に配置されている。
ストッパ126は略板状の水平壁132を有しており、水平壁132は、水平に配置されると共に垂直壁128と一体とされている。水平壁132の下面には一対の保持爪134が設けられており、一対の保持爪134は、それぞれ車両下方(後記マグネット150側)に断面L字状に突出すると共に互いに対向している。また、水平壁132の下面には所定数の係止爪(図示省略)が設けられており、各係止爪は車両下方へ突出している。
一対の保持爪134間には四角形板状のヨーク136がスライド挿入されて、各保持爪134がヨーク136の端部を支持しており、これにより、ヨーク136の下面(吸着面136A)が開放された状態でストッパ126にヨーク136が設けられている。ヨーク136の肉厚は、水平壁132下面と各保持爪134先端との隙間よりも小さくされており、これにより、ヨーク136はストッパ126に対し傾動自在とされている。
ヨーク136には所定数(本実施の形態では4つ)の係止孔138が形成されており、係止孔138に上記係止爪が挿入されることで、ヨーク136がストッパ126から脱落することが阻止されている。
水平壁132にはクッション140が取り付けられており、クッション140はゴム製とされて弾性を有している。クッション140には、上端及び下端に円錐状部位が設けられており、両円錐状部位は中央の円柱状部位によって連結されている。クッション140下端の円錐状部位はヨーク136の中央に当接しており、これにより、クッション140はヨーク136を車両下方(後記マグネット150側)に押圧している。
ケース120内には、ロック部材の解除部材としてのスライダ142が設けられている。スライダ142は板状のスライド壁144を有しており、スライド壁144は垂直に配置されている。スライド壁144は、ストッパ126の水平壁132の基端に挿通されて、ストッパ126の垂直壁128に当接している。また、スライド壁144の上面は、係止解除面144Aとされて、車両右下方へ向けて傾斜されている。さらに、スライド壁144の上部は、ケース120の上面から突出して、シフトレバー12が「P」シフト位置に配置された際のレバー112の車両左方に配置されている。
スライド壁144の下部には、上面が開口した箱状の固定部146が一体に設けられており、固定部146はヨーク136の下方に配置されている。スライダ142(固定部146)は、上下方向へ移動可能とされると共に、キャップ122との間に架け渡された圧縮コイルスプリング148(ばね)により上方へ付勢されて係合可能状態Cにされている。
固定部146内には、電磁石としてのマグネット150が固定されており、このため、マグネット150は、スライダ142と常に一体に移動すると共にヨーク136の下方に配置されている。マグネット150は、上記回路基板90及びコネクタ92を介してブレーキ(図示省略)に接続されており、ブレーキは操作されることで車両を制動する。また、マグネット150の固定鉄心150Aは、シフトレバー12が「P」シフト位置から「R」シフト位置側へ旋回される際にブレーキが操作されると、磁力を発生してヨーク136に付着(吸着)可能とされている。
ここで、シフトレバー12が「P」シフト位置から「R」シフト位置側へ旋回される際(シフトレバー12が車両左方へ旋回される際)には、レバー112がスライド壁144の上面に当接してスライド壁144を下方へ押し下げ、これにより、スライダ142及びマグネット150が下方へ移動される。
さらに、この際にブレーキが操作されないと、図10に示す如くマグネット150が磁力を発生せずにヨーク136がマグネット150に付着しない。このため、ストッパ126が下方へ移動せずにロック位置に配置される(レバーロック状態A)。これにより、レバー112の移動がストッパ126の垂直壁128に阻止され、シフトレバー12を充分に車両左方へ旋回させることができずにシフトレバー12を車両後方へ旋回不能となって、シフトレバー12の「P」シフト位置から「R」シフト位置への変更が阻止される。
一方、この際にブレーキが操作されると、図11に示す如くマグネット150が磁力を発生してこの磁力によってヨーク136がマグネット150に付着する。このため、ストッパ126が下方へ移動して解除位置(下側の位置)に配置される(レバーアンロック状態B)。これにより、レバー112の移動がストッパ126の垂直壁128に阻止されず、シフトレバー12を充分に車両左方へ旋回できてシフトレバー12を車両後方へ旋回可能となり、したがって、シフトレバー12の「P」シフト位置から「R」シフト位置への変更が許可される。
また、シフトレバー12が「R」シフト位置から「P」シフト位置へ変更される場合でシフトレバー12が車両前方へ旋回される際には、レバー112の移動によりストッパ126の垂直壁128の傾斜面128Aが押圧されることで、ストッパ126が下方へ移動して解除位置に配置されると共に、ストッパ126と共に移動するヨーク136がマグネット150を押圧してスライダ142が下方へ移動される。これにより、レバー112の移動がストッパ126の垂直壁128及びスライダ142のスライド壁144に阻止されず、シフトレバー12を充分に車両前方へ旋回できてシフトレバー12を車両右方へ旋回でき、したがって、シフトレバー12を「R」シフト位置から「P」シフト位置へ変更できる構成である。
さらにまた、シフトロックユニット88は、上記コネクタ92を介して、ロック機構としてのキーインターロック機構200(図14参照)に接続されている。
キーインターロック機構200では、図17に示すキー操作部202においてボディ204の表側にはキー挿脱孔206が形成されている。図14に示すように、このボディ204の裏側には連動部材及び被ロック部材としてのロックカム208が回動可能に支持されている。前記キー挿脱孔206にイグニッションキー210(操作部材)を挿入して回動操作すると、前記ロックカム208はこのイグニッションキー210に連動して回動中心線208Aを中心に一定回動範囲で回動し得る。このロックカム208の外周には凹部212が形成され、この凹部212には係止面と係止解除面を兼用する当接面212Aが形成されている。
前記ボディ204には前記ロックカム208に隣接してケース214が一体に形成されている。このケース214内には電磁石216が固着されているほか、係止部材218と解除部材220とを有するロック部材222がケース214及び電磁石216に対し移動可能に収容されている。このロック部材222の係止部材218においては、ストッパ部224がロックカム208に面して形成されているとともに、このストッパ部224に対し電磁石216を挟んだ反対側にはヨーク226を有する吸着部228が電磁石216の固定鉄心216Aに面して形成されている。このロック部材222の解除部材220においては、係止部材218のストッパ部224と電磁石216との間で当接部230が形成されているとともに、電磁石216との間で係止部材218の吸着部228を挟む押圧部232が形成されている。この係止部材218と解除部材220とは、この係止部材218のヨーク226の吸着面226Aに対し働く電磁石216の固定鉄心216Aの吸着力F(図16参照)の方向Xへ相対移動可能となっている。
前記ロック部材222は、係止部材218及び解除部材220のほかに、解除部材220の押圧部232とケース214との間に連結された圧縮コイルばね234(ばね)と、解除部材220の当接部230と係止部材218の吸着部228との間に連結された圧縮コイルばね236(ばね)とを備えている。この圧縮コイルばね234の弾性力により、係止部材218及び解除部材220は前記ロックカム208へ向けて付勢されるとともに、この圧縮コイルばね236の弾性力により、解除部材220は係止部材218に対し前記ロックカム208の反対側へ向けて付勢されている。この係止部材218のストッパ部224には係止面224Aが形成されているとともに、この解除部材220の当接部230には係止解除面230Aがこの係止面224Aに隣接して形成され、この係止面224A及び係止解除面230Aの移動方向(電磁石216の吸着力Fの方向X)はロックカム208の当接面212Aの回動軌跡の方向Yに対し交差している。
図14に示す状態では、図18に示すシフト操作部80においてシフトレバー12が「P」シフト位置(駐車位置P)に操作され、図17に示すイグニッションキー210がキー回動操作位置238(ACC位置とON位置とSTとのうち例えばACC位置)に操作されている。前記ロック部材222の係止部材218と解除部材220とはいずれも前記圧縮コイルばね234の弾性力によりロックカム208に向けて付勢され、この係止部材218の吸着部228が消磁状態の電磁石216に当接しているとともに、この解除部材220の押圧部232がこの吸着部228に当接している。また、この係止部材218のストッパ部224とこの解除部材220の当接部230とが互いに当接され、このストッパ部224の係止面224Aがロックカム208の当接面212Aの回動軌跡に入り込んでいるとともに、この当接部230の係止解除面239Aも係合可能状態Cにあってロックカム208の当接面212Aの回動軌跡に入り込んでいる。
図14に示す状態から、図17に示すイグニッションキー210をキー挿脱可能位置240(LOCK位置)へ回動させようとする場合には、前記電磁石216の消磁状態が維持されてその吸着力Fが解除されるように、電気的に構成されている。そのため、ロックカム208の当接面212Aが解除部材220の当接部230の係止解除面230Aを押さえると、図15に示すように、解除部材220が圧縮コイルばね234の弾性力に抗して移動してその係止解除面230Aが係合可能状態Cから退避するとともに、係止部材218も圧縮コイルばね236を介して解除部材220により押されて退避し、キーアンロック状態A(アンロック状態)となる。このキーアンロック状態Aでは、ロックカム208の当接面212Aが係止部材218のストッパ部224の係止面224Aに当接せずに通過し得るので、イグニッションキー210をキー回動操作位置238(ACC位置)からキー挿脱可能位置240(LOCK位置)へ操作して抜くことができる。
図18に示すシフト操作部80においてシフトレバー12が「P」シフト位置以外の位置242へ操作されている状態で、図17に示すイグニッションキー210をキー挿脱可能位置240(LOCK位置)へ回動させようとする場合には、消磁状態の電磁石216の励磁されてその吸着力Fが生じるように、電気的に構成されている。そのため、ロックカム208の当接面212Aが解除部材220の当接部230の係止解除面230Aを押さえると、図16に示すように、解除部材220のみが圧縮コイルばね234の弾性力に抗して移動してその係止解除面230Aが係合可能状態Cから退避するが、係止部材218はそのヨーク226の吸着面226Aで電磁石216の固定鉄心216Aに吸着され、キーロック状態B(ロック状態)となる。このキーロック状態Bでは、ロックカム208の当接面212Aが係止部材218のストッパ部224の係止面224Aに当接するので、イグニッションキー210をキー回動操作位置238(ACC位置)からキー挿脱可能位置240(LOCK位置)へ操作できず抜くことができない。
図15に示すキーアンロック状態Aで、イグニッションキー210をキー挿脱可能位置240(LOCK位置)からキー回動操作位置238(ACC位置)へ回動させた場合には、前記電磁石216が消磁状態が維持されてその吸着力Fが解除されたまま、図14に示す状態に戻る。また、図16に示すキーロック状態Bで、イグニッションキー210をキー回動操作位置238(ACC位置)へ回動させた場合には、励磁状態の電磁石216が消磁されてその吸着力Fが解除され、図14に示す状態に戻る。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
以上の構成のシフトレバー装置10では、シフトレバー12が「P」シフト位置から「R」シフト位置側へ旋回される際にブレーキが操作されないと、シフトロック機構118のマグネット150が磁力を発生しない。このため、図10に示す如く、ヨーク136がマグネット150に付着せずに、ストッパ126がロック位置に配置され、これにより、シフトレバー12の「P」シフト位置から「R」シフト位置への変更がストッパ126によって阻止される。
一方、シフトレバーが「P」シフト位置から「R」シフト位置側へ旋回される際にブレーキが操作されると、マグネット150が磁力を発生する。このため、図11に示す如く、この磁力によってヨーク136がマグネット150に付着することで、ストッパ126が解除位置へ移動され、これにより、シフトレバーの「P」シフト位置から「R」シフト位置への変更が許可される。
このシフトロック機構118によれば、レバーロック状態Aとレバーアンロック状態Bとの間の切換えにマグネット150の固定鉄心150Aの吸着力を利用したので、電磁ソレノイドのプランジャ(可動鉄心)を利用した従来の場合と比較して、鉄心150Aの出没をなくして機構を小型化することができるとともに、鉄心150Aの動きを抑えて電力を節減することができる。
さらに、ブレーキを踏んでいないレバーロック状態Aでマグネット150を非通電にしたので、電力をより一層節減することができる。
また、ロック部材を構成するストッパ126とスライダ142とにより、レバーロック状態Aとレバーアンロック状態Bとの間の切換えをマグネット150の固定鉄心150Aの吸着力を利用して円滑に行うことができる。
さらに、ロック部材を構成するストッパ126とスライダ142とをコンパクトにまとめて機構を小型化することができる。
また、ストッパ126をレバーアンロック状態Bからレバーロック状態Aに戻すように付勢する圧縮コイルスプリング130により、レバーロック状態Aとレバーアンロック状態Bとの間の切換えをマグネット150の固定鉄心150Aの吸着力を利用してより一層円滑に行うことができる。
さらに、スライダ142を前記係合可能状態Cに戻すように付勢する圧縮コイルスプリング148により、レバーロック状態Aとレバーアンロック状態Bとの間の切換えをマグネット150の固定鉄心150Aの吸着力を利用してより一層円滑に行うことができる。
またここで、ヨーク136がストッパ126に傾動自在に設けられている。このため、ケース120、キャップ122、ストッパ126、ヨーク136、スライダ142またはマグネット150等における寸法のバラツキやこれらの組み付けのバラツキが生じたこと等が原因で、ヨーク136がマグネット150に付着する際にヨーク136に対しマグネット150が傾く場合でも、図12に示す如くマグネット150の傾きに対応してヨーク136が傾動することでヨーク136とマグネット150との間に隙間があくことが防止される。このため、ヨーク136とマグネット150との密着性の低下を防止して、ヨーク136とマグネット150との付着力が低下することを防止できる。
さらに、ストッパ126に設けられた一対の保持爪134が、それぞれマグネット150側に断面L字状に突出してヨーク136の端部を支持することで、ヨーク136をストッパ126に対し傾動自在としている。このため、簡単な構造でヨーク136をストッパ126に対し傾動自在に設けることができる。
また、ストッパ126に設けられたクッション140が、弾性を有してヨーク136をマグネット150側に押圧するため、ヨーク136のガタツキを抑制できると共に、ヨーク136がマグネット150に付着する際の両者の当接音が共振することを防止できる。
なお、本実施の形態では、シフトレバー装置10をゲート式のものにした構成としたが、シフトレバー装置を、図19に示す如き所謂ティプトロタイプのゲート式や図20に示す如き所謂ストレート式(ティプトロタイプのものを含む)のものとした構成としてもよい。
ここで、図20に示すストレート式のシフトレバー装置152では、シフトレバーを案内孔154に案内させて車両前後方向のみへ旋回させることでシフト位置を変更できる。
また、一般にストレート式のシフトレバー装置152では、シフトレバーの先端にノブボタンが設けられると共にシフトレバーの基端近傍にディテントピンが設けられており、ノブボタンが押圧されることでディテントピンがシフトレバー軸方向へスライドする。さらに、シフトレバーの近傍には、所定のディテント溝が形成されたディテントプレートが設置されており、シフトレバーが「P」シフト位置に位置する際には、ノブボタンを押圧しないと、ディテントピンがディテント溝を乗り越えることができずに、シフトレバーの「R」シフト位置への変更が阻止される構成とされている。
このため、ストレート式のシフトレバー装置152にシフトロック機構118を装備するためには、例えばシフトレバーが「P」シフト位置に配置された際のディテントピンの位置に対応してシフトロック機構118を設けた構成とすればよい。すなわち、シフトレバーが「P」シフト位置から「R」シフト位置側へ旋回される際にブレーキが操作されないと、ロック位置に配置されたストッパ126の垂直壁128がディテントピンのスライドを阻止し、このため、ノブボタンを押圧できずにシフトレバーの「R」シフト位置への変更が阻止される一方、この際にブレーキが操作されると、ストッパ126の垂直壁128が解除位置に配置されてディテントピンのスライドが阻止されず、このため、ノブボタンを押圧できてシフトレバーの「R」シフト位置への変更が許可されるような位置にシフトロックソレノイド18を設置した構成とすればよい。
さらにまた、本実施の形態では、シフトレバーが「P」シフト位置(所定のシフト位置)から「R」シフト位置(他のシフト位置)側へ旋回される際にブレーキが操作されるとマグネット150が磁力を発生する構成としたが、他の所定の条件によりマグネットが磁力を発生する構成としてもよく、また、特定の条件(例えばシフトレバーが所定のシフト位置から他のシフト位置側へ旋回される際のブレーキ操作)によりマグネットが磁力を消磁する構成としてもよい。
さらに、本実施の形態では、マグネット150が磁力を発生しない際にストッパ126がロック位置に配置される一方マグネット150が磁力を発生した際にストッパ126が解除位置に配置される構成としたが、マグネットが磁力を発生しない際にストッパが解除位置に配置される一方マグネットが磁力を発生した際にストッパがロック位置に配置される構成としてもよい。
また、本実施の形態では、ストッパ126にヨーク136を設けると共にスライダ142にマグネット150を設けた構成としたが、ヨークやマグネットを他の部品に設けた構成(例えばストッパにマグネットを設けると共にスライダにヨークを設けた構成)としてもよい。さらにまた、スライダを設けずにストッパ(係止部材)のみを設け、かつ、このストッパにマグネット及びヨークの何れか一方を設けると共に、ケースにマグネット及びヨークの何れか他方を固着した構成としてもよい。この場合、マグネットが磁力を発生しない際に付勢力によりストッパがロック位置に配置される一方、マグネットが磁力を発生した際にストッパがこの磁力により解除位置に移動する。
さらに、本実施の形態では、ストッパ126に保持爪134を一対設けた構成としたが、ストッパに保持爪を1つのみまたは3つ以上設けた構成としてもよい。
また、シフトロック機構118を設置する向きや場所を変えて配置した場合、レバー112に該当する被ロック部については、シフトレバー12に対し一体に設ける必要もまた回転軸86である回動支点を設ける必要もなく、シフトレバー12に対しリンク機構等を介して連動させてもよい。
さらにまた、図18に示す如く、シフトレバー装置10では、シフトレバー12の車両前後方向における旋回位置が変更されることで、シフトレバー12の「D」シフト位置と「2」シフト位置とが変更される。
また、シフトレバー12は「D」シフト位置から車両右方に旋回されることで「4」シフト位置へ変更され、この際には、シフトレバー12によってシフトロックユニット88のリンク30が図5の矢印Aの方向へ回転される。一方、シフトレバー12は「2」シフト位置から車両左方に旋回されることで「L」シフト位置へ変更され、この際にも、シフトレバー12によってリンク30が図5の矢印Aの方向へ回転される。
さらにまた、図8に示すNSS18によってシフトレバー12の車両前後方向における旋回位置が検出される。これにより、本実施の形態の如くシフトレバー12の車両前後方向における旋回位置が「D」シフト位置と「4」シフト位置とで同じでありかつ「2」シフト位置と「L」シフト位置とで同じである場合には、シフトレバー12が、「D」シフト位置または「4」シフト位置と、「2」シフト位置または「L」シフト位置と、の何れに位置するかが検出される。
また、図5に示すスライダ38及び検出部材48によってリンク30の回転位置が検出され、これにより、シフトレバー12が、「D」シフト位置または「2」シフト位置と、「4」シフト位置または「L」シフト位置と、の何れに位置するかが検出される。
したがって、NSS18、スライダ38及び検出部材48によってシフトレバー12が「D」シフト位置と「4」シフト位置と「2」シフト位置と「L」シフト位置との何れに位置するかを検出できる。
ここで、シフトレバー12が「D」シフト位置から「4」シフト位置へ変更される際とシフトレバー12が「2」シフト位置から「L」シフト位置へ変更される際とでリンク30が同一の図5の矢印Aの方向へ回転される。このため、リンク30の回転位置を検出するスライダ38のスライド方向が一方のみになってスライド量が小さくなり、これにより、検出部材48の配置サイズ(図5の幅W)を小さくすることができて、検出部材48の配置スペースのコンパクト化ひいては装置の小型化を図ることができる。
またここで、リンク30の回転中心軸線Pがシフトレバー12の「D」シフト位置と「2」シフト位置との間に配置されて、リンク30は車両前後方向に沿った垂直面(シフトレバー12の所定方向への旋回面)に平行に回転可能とされている。
さらに、シフトレバー12が「D」シフト位置から「4」シフト位置へ変更される際には、シフトレバー12の切替板26がリンク30の第1腕32を車両下方へ変位させることで、リンク30が図5の矢印Aの方向へ回転される。
一方、シフトレバー12が「2」シフト位置から「L」シフト位置へ変更される際には、シフトレバー12の切替棒28がリンク30の第2腕34を車両上方へ変位させることで、リンク30が図5の矢印Aの方向へ回転される。
このため、リンク30が常に同一方向へ回転される構成を容易に実現することができる。
また、シフトレバー12が「D」シフト位置から「4」シフト位置へ変更される際とシフトレバー12が「2」シフト位置から「L」シフト位置へ変更される際とでシフトレバー12の旋回量が異なる構成の場合でも、第1腕32先端の受部32Aの傾斜角度や第2腕34先端の屈曲部34A下面の傾斜角度を調整することで、リンク30の回転量を常に同一にすることができる。
さらにここで、図8に示す如く、NSS18が検出したシフトレバー12の車両前後方向における旋回位置についての信号を検出部材48に送信し、検出部材48が受信した信号の送信方向を検出したリンク30の回転位置に基づいて切り替える。このため、NSS18が検出したシフトレバー12の車両前後方向における旋回位置についての信号と検出部材48が検出したリンク30の回転位置についての信号とが多重に送信される場合に比し、シフトレバー12のシフト位置検出機構を簡単な構成にすることができる。
さらにまた、図1に示す如く、シフトロックユニット88によれば、シフトロック機構118と、検知機構としてのリンク30、スライダ38及び検出部材48と、を一体に備えているため、シフトロック機構と検知機構とが別々に設けられた場合に比し、小型化を図ることができる。
さらに、図3や図4に示す如く、リンク30の貫通軸104のハウジング88Aの貫通孔100への嵌合、リンク30の嵌合凹部102内周面へのハウジング88Aの支持軸98周面の嵌合、リンク30の係止突起104Aのハウジング88Aの突出部96への係止及び嵌合凹部102底面の支持軸98側面への当接によって、リンク30の回転が案内される。しかも、ハウジング88Aの案内壁110Aと案内突部110Bとの間にリンク本体30Aの下部が両者に当接した状態で挿入されて、案内壁110Aと案内突部110Bとにリンク30の回転が案内される。これにより、リンク30の回転が、回転垂直方向(車両左右方向)へぶれることを防止できる。
また、リンク30の各係止突起104Aの回転位置がハウジング88Aの各挿入孔100Aに一致するまでリンク30を回転させることで、リンク30をハウジング88Aの支持軸98から取り外すことができる。このため、本実施の形態と異なり図19に示す如きティプトロタイプのゲート式や図20に示す如きストレート式(ティプトロタイプのものを含む)のシフトレバー装置でリンク30が不要な場合には、リンク30を容易にシフトロックユニット88から取り外すことができて、シフトロックユニット88をこれらのシフトレバー装置にも共用することができる。
さらに、リンク30がシフトレバー12によって図5の矢印Aの方向へ回転された際には、捩りコイルスプリング106がリンク30に矢印Aの反対方向への回転力を付与して、リンク30を初期回転位置へ復帰させると共に、初期回転位置へ復帰されるリンク30は弾性を有する弾性部材108に当接する。このため、リンク30が初期回転位置へ復帰される際の当接音の発生を防止できる。
なお、本実施の形態では、シフトレバー12が「D」シフト位置(第1シフト位置)から「4」シフト位置(第3シフト位置)へ変更される際に第1腕32が車両下方(シフトレバー12の基端側)へ変位される一方、シフトレバー12が「2」シフト位置(第2シフト位置)から「L」シフト位置(第4シフト位置)へ変更される際に第2腕34が車両上方(シフトレバー12の先端側)へ変位される構成としたが、シフトレバーが第1シフト位置から第3シフト位置へ変更される際に第1腕がシフトレバーの先端側へ変位される一方、シフトレバーが第2シフト位置から第4シフト位置へ変更される際に第2腕がシフトレバーの基端側へ変位される構成としてもよい。
さらに、本実施の形態では、NSS18をメータ20に直接接続した構成としたが、図21に示す如く、NSS18(第1検出部)を所謂エンジン制御装置54を介してメータ20に間接的に接続した構成としてもよい。
すなわち、この構成の場合、エンジン制御装置54には「P」中間端子、「R」中間端子、「N」中間端子、「D」中間端子、「4」中間端子、「3」中間端子、「2」中間端子及び「L」中間端子が設けられている。
エンジン制御装置54の「P」中間端子、「R」中間端子、「N」中間端子、「D」中間端子、「3」中間端子または「2」中間端子は、それぞれNSS18の「P」端子、「R」端子、「N」端子、「D」端子、「2」端子または「L」端子に配線されている。
エンジン制御装置54の「D」中間端子とNSS18の「D」端子との間の配線とエンジン制御装置54の「4」中間端子とは、「D−4」スイッチ56が介在された状態で接続されている。「D−4」スイッチ56は、「D」端子と「4」中間端子との接続をON・OFF可能とされている。
エンジン制御装置54の「2」中間端子とNSS18の「L」端子との間の配線とエンジン制御装置54の「L」中間端子とは、「2−L」スイッチ58が介在された状態で接続されている。「2−L」スイッチ58は、「L」端子と「L」中間端子との接続をON・OFF可能とされている。
ここで、NSS18の「P」端子、「R」端子、「N」端子または「2」端子から信号が送信されると、この信号をそれぞれエンジン制御装置54の「P」中間端子、「R」中間端子、「N」中間端子または「3」中間端子が受信し、メータ20の「P」ランプ、「R」ランプ、「N」ランプまたは「3」ランプが点灯される。
また、上記「D−4」スイッチ56は、検出部材48の「D」ターミナル52A、「4」ターミナル52B及び「D−4」ターミナル52Cに相当する一方、上記「2−L」スイッチ58は、検出部材48の「2−L」ターミナル52D、「2」ターミナル52E及び「L」ターミナル52Fに相当している。
シフトレバー12が「D」シフト位置または「2」シフト位置に位置する際には、各コンタクトプレート44の先端がそれぞれ検出部材48の「D」ターミナル52A、「D−4」ターミナル52C、「2−L」ターミナル52D、「2」ターミナル52Eに接触することで、「D−4」スイッチ56においてNSS18の「D」端子とエンジン制御装置54の「4」中間端子との接続がOFFされると共に、「2−L」スイッチ58においてNSS18の「L」端子とエンジン制御装置54の「L」中間端子との接続がOFFされる。このため、「D」端子または「L」端子から信号が送信されることで、この信号をそれぞれ「D」中間端子のみまたは「2」中間端子のみが受信し、メータ20の「D」ランプまたは「2」ランプが点灯される。
また、シフトレバー12が「4」シフト位置または「L」シフト位置に位置する際には、各コンタクトプレート44の先端がそれぞれ検出部材48の「4」ターミナル52B、「D−4」ターミナル52C、「2−L」ターミナル52D、「L」ターミナル52Fに接触することで、「D−4」スイッチ56においてNSS18の「D」端子とエンジン制御装置54の「4」中間端子との接続がONされると共に、「2−L」スイッチ58においてNSS18の「L」端子とエンジン制御装置54の「L」中間端子との接続がONされる。このため、「D」端子または「L」端子から信号が送信されることで、この信号をそれぞれ「D」中間端子及び「4」中間端子または「2」中間端子及び「L」中間端子が受信し、メータ20の「4」ランプまたは「L」ランプが点灯される。
さらにまた、図14に示すキーインターロック機構200では、シフトレバー12が「P」シフト位置に操作されたことがシフトロックユニット88のシフト位置検出部94(図2等参照)によって検出され、図17に示すイグニッションキー210がキー回動操作位置238(ACC位置)に操作された状態から、イグニッションキー210をキー挿脱可能位置240(LOCK位置)へ回動させようとする場合には、電磁石216が消磁状態とされてその吸着力Fが解除されている。そのため、ロックカム208の当接面212Aが解除部材220の当接部230の係止解除面230Aを押さえると、図15に示すように、解除部材220が圧縮コイルばね234の弾性力に抗して移動してその係止解除面230Aが係合可能状態Cから退避するとともに、係止部材218も圧縮コイルばね236を介して解除部材220により押されて退避し、キーアンロック状態Aとなる。このキーアンロック状態Aでは、ロックカム208の当接面212Aが係止部材218のストッパ部224の係止面224Aに当接せずに通過し得るので、イグニッションキー210をキー回動操作位置238(ACC位置)からキー挿脱可能位置240(LOCK位置)へ操作して抜くことができる。
一方、シフトレバー12が「P」シフト位置以外の位置242へ操作されている状態で、イグニッションキー210をキー挿脱可能位置240(LOCK位置)へ回動させようとする場合には、消磁状態の電磁石216の励磁されてその吸着力Fが生じる。そのため、ロックカム208の当接面212Aが解除部材220の当接部230の係止解除面230Aを押さえると、図16に示すように、解除部材220のみが圧縮コイルばね234の弾性力に抗して移動してその係止解除面230Aが係合可能状態Cから退避するが、係止部材218はそのヨーク226の吸着面226Aで電磁石216の固定鉄心216Aに吸着され、キーロック状態Bとなる。このキーロック状態Bでは、ロックカム208の当接面212Aが係止部材218のストッパ部224の係止面224Aに当接するので、イグニッションキー210をキー回動操作位置238(ACC位置)からキー挿脱可能位置240(LOCK位置)へ操作できず抜くことができない。
ここで、このキーインターロック機構200によれば、キーロック状態Bとキーアンロック状態Aとの間の切換えに電磁石216の固定鉄心216Aの吸着力Fを利用したので、電磁ソレノイドのプランジャ(可動鉄心)を利用した従来の場合と比較して、鉄心216Aの出没をなくして機構を小型化することができるとともに、鉄心216Aの動きを抑えて電力を節減することができる。
さらに、イグニッションキー210を抜くことができるキーアンロック状態Aで電磁石216を非通電にしたので、電力をより一層節減することができる。
また、ロック部材222を構成する係止部材218と解除部材220とにより、キーロック状態Bとキーアンロック状態Aとの間の切換えを電磁石216の固定鉄心216Aの吸着力Fを利用して円滑に行うことができる。
さらに、ロック部材222を構成する係止部材218と解除部材220とをコンパクトにまとめて機構を小型化することができる。
また、係止部材218をキーロック状態Bからキーアンロック状態Aに戻すように付勢するロック部材222の圧縮コイルばね236により、キーロック状態Bとキーアンロック状態Aとの間の切換えを電磁石216の固定鉄心216Aの吸着力Fを利用してより一層円滑に行うことができる。
さらに、解除部材220を前記係合可能状態Cに戻すように付勢するロック部材222の圧縮コイルばね234により、キーロック状態Bとキーアンロック状態Aとの間の切換えを電磁石216の固定鉄心216Aの吸着力Fを利用してより一層円滑に行うことができる。
また、シフトロックユニット88にはシフトレバー12が「P」シフト位置に位置することを検出するシフト位置検出部94が設けられているため、シフト位置検出部がシフトロックユニットと別々に設けられた場合に比し、一層の小型化を図ることができる。
さらに、シフト位置検出部94がシフトロックユニット88から取り外し可能とされている。このため、キーインターロック機構200が電気的に作動する本実施の形態と異なりキーインターロック機構が機械的に作動する場合等でシフト位置検出部94が不要なシフトレバー装置では、シフト位置検出部94をシフトロックユニット88から取り外してシフトロックユニット88をこのシフトレバー装置にも共用することができる。
なお、本実施の形態では、電磁石216がケース214に固着されているとともに、ロック部材222の係止部材218及び解除部材220が共にケース214に対し移動し得る。この構成に代えて、ロック部材の係止部材及び解除部材を共にケースに対し移動可能にする点は同様であるが、この係止部材と電磁石とを一体的に移動可能にする。この場合には、ケースに電磁石に対する吸着面を固着する。
また、ロック部材222として係止部材218及び解除部材220の何れか一方のみを設け、この係止部材218及び解除部材220の何れか一方をロックカム208の反対側へ付勢すると共にロックカム208側に移動可能とした構成としてもよい。この場合、この係止部材218及び解除部材220の何れか一方に電磁石216及び吸着面226Aの何れか一方を設けると共に、ケース214に電磁石216及び吸着面226Aの何れか他方を固着する。これにより、電磁石216が励磁される際に、係止部材218及び解除部材220の何れか一方がロックカム208側に移動して、ロックカム208の当接面212Aに当接可能にする。
さらに、本実施の形態において、キーインターロック機構200を設けた構成としたが、上記シフトロック機構118をキーインターロック機構として用いた構成としてもよい。
この構成では、図14に示すロックカム208に隣接してシフトロック機構118のケース120がボディ204に一体に形成されている。さらに、シフトロック機構118のスライダ142は、スライド壁144の先端傾斜面においてロックカム208の当接面212Aの回動軌跡に入り込んでいる。また、シフトロック機構118のストッパ126はケース120に固定されている。
ここで、この構成では、シフトレバー12が「P」シフト位置に操作されたことがシフトロックユニット88のシフト位置検出部94によって検出され、図17に示すイグニッションキー210がキー回動操作位置238(例えばACC位置)に操作された状態から、イグニッションキー210をキー挿脱可能位置240(LOCK位置)へ回動させようとする場合には、マグネット150が消磁状態とされてその吸着力が解除されている。そのため、ロックカム208の当接面212Aがスライド壁144の先端傾斜面を押さえると、スライダ142が圧縮コイルばね48の弾性力に抗して移動して係合可能状態Cから退避し、キーアンロック状態A(アンロック状態)となる。このキーアンロック状態Aでは、ロックカム208の当接面212Aがスライド壁144の先端傾斜面に阻害されずに通過し得るので、イグニッションキー210をキー回動操作位置238(ACC位置)からキー挿脱可能位置240(LOCK位置)へ操作して抜くことができる。
一方、シフトレバー12が「P」シフト位置以外の位置242へ操作されている状態で、イグニッションキー210をキー挿脱可能位置240(LOCK位置)へ回動させようとする場合には、消磁状態のマグネット150の励磁されてその吸着力が生じる。そのため、ストッパ126に設けられたヨーク136の吸着面136Aがマグネット150の固定鉄心150Aに吸着されてスライダ142が移動できなくなり、キーロック状態B(ロック状態)となる。このキーロック状態Bでは、ロックカム208の当接面212Aがスライド壁144の先端傾斜面に当接するので、イグニッションキー210をキー回動操作位置238(ACC位置)からキー挿脱可能位置240(LOCK位置)へ操作できず抜くことができない。
また、本実施の形態では、シフトレバー装置10を車内の床面に設置した構成としたが、シフトレバー装置を車内のインストルメントパネルに設置した構成であってもよい。
次に、第2の実施の形態にかかるシフトロック機構300(ロック機構)を図22乃至図26に基づき説明する。
図22及び図23に示すように、このシフトロック機構300は、ケース本体302Aとこのケース本体302Aの上端部に対し底部の反対側で被せられたカバー302Bとからなるケース302と、このケース302内で移動可能に収容される係止部材304と解除部材306とを有するロック部材308と、この係止部材304内に収容される電磁石310とを備えている。
前記ロック部材308の係止部材304は、前記電磁石310が下方から挿着されて電磁石310の固定鉄心310A(図26参照)が下向きに開放される収容部312と、この電磁石310の収容状態で電磁石310の配線310B側を塞ぐようにこの収容部312の一側に当てがわれるキャップ314と、この収容部312の上方へ突出するストッパ部316と、この収容部312の両側で下向きに設けられたばね支持部318とを備えている。
前記ロック部材308の解除部材306は、L状をなし、上下方向へ延びる枠状のスライダ320と、このスライダ320の下端から突設された載置台部322とを備えている。このスライダ320の上端部には当接部324が形成されている。この載置台部322にヨーク326が嵌め込まれ、このヨーク326上の吸着面326Aが上方へ開放されている。
図24に示すように、前記ロック部材308の係止部材304と解除部材306とがケース本体302A内で移動可能に収容された状態では、この解除部材306の載置台部322に係止部材304の収容部312が載せられてこの載置台部322のヨーク326の吸着面326Aに前記電磁石310の固定鉄心310Aが図26に示すように対向するととともに、この載置台部322の両側に係止部材304の両ばね支持部318が隣接する。さらに、この収容状態では、解除部材306の枠状スライダ320に係止部材304が並べられてこの係止部材304の収容部312の一部がこの枠状スライダ320内に挿入されるとともに、このスライダ320の当接部324にこの係止部材304のストッパ部316が隣接する。前記電磁石310は前記係止部材304とともに移動し、この係止部材304及び電磁石310と前記解除部材306とはこの解除部材306のヨーク326の吸着面326Aに対し働く電磁石310の固定鉄心310Aの吸着力F(図26参照)の方向Yへ相対移動可能になっている。
前記ロック部材308は、係止部材304及び解除部材306のほかに、この解除部材306を圧接する大径圧縮コイルばね328(ばね)と、この係止部材304を圧接する一対の小径圧縮コイルばね330(ばね)とを備えている。この大径圧縮コイルばね328は、前記ケース本体302A内でその底部上に載せられ、解除部材306の載置台部322の下側に当てがわれている。この両小径圧縮コイルばね330は、前記ケース本体302A内でその底部上に載せられ、係止部材304の両ばね支持部318に挿入されている。これらの圧縮コイルばね328、330の弾性力により、係止部材304及び解除部材306は上方へ付勢され、この係止部材304のストッパ部316とこの解除部材306の当接部324とがケース302のカバー302Bから上方へ突出し得る。この係止部材304のストッパ部316にあって解除部材306の当接部324に面する側には係止面316Aが前記吸着力方向Yに沿って形成されている。この解除部材306の当接部324にはこのストッパ部316に対する反対側で係止解除面324Aが形成されている。
この係止解除面324Aは、上方から下方へ向かうに従いこのストッパ部316の係止面316Aから離れるように前記吸着力方向Yに対し傾斜している。
図25に示す自動車のゲート式のシフト操作部332においてシフトレバー334(操作部材)は、図26で一部を概略的に示すように、前記係止部材304及び解除部材306の付近で支軸334Aを中心に回動可能に支持され、この係止部材304のストッパ部316とこの解除部材306の当接部324との付近に連動部材及び被ロック部としての突起336を有している。この突起336の先端部には、係止面と係止解除面とを兼用する当接面336Aが形成されている。この係止部材304のストッパ部316の係止面316Aとこの解除部材306の当接部324の係止解除面324Aとにおいてそれらの移動方向(前記電磁石310の吸着力Fの方向Y)は、シフトレバー334の駐車位置P(特定位置)でこの突起336の当接面336Aが前記支軸334Aを中心に回動する回動軌跡の方向Xに対し交差している。
図26(A)に示す状態では、図25に示すシフトレバー334が駐車位置Pに操作されている。前記ロック部材308の係止部材304と解除部材306とはいずれも各圧縮コイルばね328、330(図24参照)により上方へ付勢されて停止し、この係止部材304内で消磁状態にある電磁石310の固定鉄心310Aとこの解除部材306のヨーク326の吸着面326Aとが互いに当接している。この場合、解除部材306は、係合可能状態Cにあり、このシフトレバー334の突起336はこの解除部材306の当接部324の係止解除面324Aに面して停止している。
発進時にブレーキ(図示せず)を踏まない状態で、図25に示すシフトレバー334を駐車位置Pから駐車位置P以外の位置338へ操作しようとした場合には、前記電磁石310の消磁状態が維持されてその吸着力Fが解除されるように、電気的に構成されている。そのため、シフトレバー334の突起336の当接面336Aが解除部材306の当接部324の係止解除面324Aを押さえると、図26(B)に示すように、解除部材306のみが圧縮コイルばね328の弾性力に抗して下方へ移動して電磁石310の固定鉄心310Aとヨーク326の吸着面326Aとが互いに離間するレバーロック状態A(ロック状態)となる。このレバーロック状態Aでは、シフトレバー334の突起336の当接面336Aが係止部材304のストッパ部316の係止面316Aに当接するので、シフトレバー334を駐車位置Pから駐車位置P以外の位置338へ操作することができない。
発進時にブレーキ(図示せず)を踏んだ状態で、図25に示すシフトレバー334を駐車位置Pから駐車位置P以外の位置338へ操作しようとした場合には、前記電磁石310が励磁されてその吸着力Fが生じるように、電気的に構成されている。そのため、シフトレバー334の突起336の当接面336Aが解除部材306の当接部324の係止解除面324Aを押さえると、図26(C)に示すように、電磁石310の固定鉄心310Aとヨーク326の吸着面326Aとが互いに吸着されて解除部材306と係止部材304とが一体的に各圧縮コイルばね328、330の弾性力に抗して下方へ移動するレバーアンロック状態B(アンロック状態)となる。レバーアンロック状態Bでは、シフトレバー334の突起336の当接面336Aが係止部材304のストッパ部316の係止面316Aに当接せずに通過し得るので、シフトレバー334を駐車位置Pから駐車位置P以外の位置338へ操作することができる。
図26(C)に示すレバーアンロック状態Bで、シフトレバー334を駐車位置Pへ回動させた場合には、励磁状態の電磁石310が消磁されてその吸着力Fが解除され、図26(A)に示す状態に戻る。また、図26(B)に示すレバーロック状態Aで、シフトレバー334を駐車位置Pへ回動させた場合には、前記電磁石310の消磁状態が維持されてその吸着力Fが解除されたまま、図26(A)に示す状態に戻る。
このシフトロック機構300によれば、レバーロック状態Aとレバーアンロック状態Bとの間の切換えに電磁石310の固定鉄心310Aの吸着力Fを利用したので、電磁ソレノイドのプランジャ(可動鉄心)を利用した従来の場合と比較して、鉄心310Aの出没をなくして機構を小型化することができるとともに、鉄心310Aの動きを抑えて電力を節減することができる。
さらに、ブレーキを踏んでいないレバーロック状態Aで電磁石310を非通電にしたので、電力をより一層節減することができる。
また、ロック部材308を構成する係止部材304と解除部材306とにより、レバーロック状態Aとレバーアンロック状態Bとの間の切換えを電磁石310の固定鉄心310Aの吸着力Fを利用して円滑に行うことができる。
さらに、ロック部材308を構成する係止部材304と解除部材306とをコンパクトにまとめて機構を小型化することができる。
また、係止部材304をレバーアンロック状態Bからレバーロック状態Aに戻すように付勢するロック部材308の圧縮コイルばね330により、レバーロック状態Aとレバーアンロック状態Bとの間の切換えを電磁石310の固定鉄心310Aの吸着力Fを利用してより一層円滑に行うことができる。
さらに、解除部材306を前記係合可能状態Cに戻すように付勢するロック部材308の圧縮コイルばね328により、レバーロック状態Aとレバーアンロック状態Bとの間の切換えを電磁石310の固定鉄心310Aの吸着力Fを利用してより一層円滑に行うことができる。
なお、本実施の形態では、ロック部材308の係止部材304及び解除部材306が共にケース302に対し移動し得るとともに、この係止部材304と電磁石310とが一体的に移動し得る。この構成は同様であるが、本機構を設置する向きや場所を変えて配置した場合、前記突起336に該当する被ロック部については、シフトレバー334に対し一体に設ける必要もまた支軸334Aである回動支点を設ける必要もなく、シフトレバー334に対しリンク機構等を介して連動させてもよい。
さらに、本実施の形態では、シフトロック機構300をゲート式のシフト操作部332に適用した構成としたが、このシフトロック機構をティプトロタイプのゲート式やストレート式(ティプトロタイプのものを含む)のシフト操作部に適用した構成としてもよい。