JP2020012485A - クラッチ装置および制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制動対象物の制動安定性を向上できるクラッチ装置を提供する。【解決手段】クラッチ装置は、接触面61dの摩擦力によって駆動部で発生させた力を出力部に伝達または切断する。クラッチ装置は、当該接触面61dに残留物の滞留を抑制する抑制部69を備える。【選択図】図13

Description

本発明は、力の伝達を切り替えるクラッチ装置および制動装置に関する。
クラッチ装置を備える制動装置として、特許文献1に記載の技術が知られている。
制動装置は、ピストンの動力に移動する動力伝達部材(特許文献1では、ガイドチューブ)と、動力伝達部材の力を受けて移動する出力部(特許文献1では、ねじ軸)とを備える。ブレーキ時に出力部が移動すると、ブレーキレバーが動作する。ブレーキレバーに設けられるブレーキパッドがディスクに当接すると、その反力により、ブレーキレバーを介して出力部が押し返される。このようにブレーキが作用しているとき、出力部に設けられるクラッチナットの面と動力伝達部材の面とが強い力で接触する。
国際公開第2013/077273号
ところで、制動装置内には、磨耗抑制及び動作の円滑性のため、部品の表面に潤滑剤が塗られている。潤滑剤は、出力部のクラッチナットの面及動力伝達部材の面にも進入し得る。クラッチナットの面及び動力伝達部材の面に潤滑剤の残留物が滞留すると、両者の摩擦力が低下し、クラッチナットが回転し易くなる。そうすると、ブレーキ時に出力部が押し返されるとき、出力部の移動停止状態が不安定になるおそれがある。このような事情を鑑み、本発明の目的は、制動対象物の制動安定性を向上できるクラッチ装置及び制動装置を提供することにある。
(1)上記課題を解決するクラッチ装置は、接触面の摩擦力によって駆動部で発生させた力を出力部に伝達または切断するクラッチ装置であって、当該接触面に残留物の滞留を抑制する抑制部を備える。
この構成によれば、クラッチ装置の接触面に残留物の滞留が抑制されるようになるため、制動時における出力部の位置が安定、制動対象物の制動安定性が向上する。
(2)上記クラッチ装置において、前記抑制部は、前記接触面および前記接触面に接触する被接触面の少なくとも一方に形成される溝である。
この構成によれば、接触面および被接触面の少なくとも一方に設けられる溝に、残留物を導くことができるため、接触面に残留物が滞留することを抑制できる。
(3)上記クラッチ装置において、前記溝は、前記接触面と前記被接触面とが接触する接触部から外れた位置まで延びている。
この構成によれば、溝に流れ込む残留物を接触部以外のところに排出できるため、接触部に残留物が滞留することを抑制できる。
(4)上記クラッチ装置において、前記抑制部は、前記接触面および前記被接触面の少なくとも一方に形成される主溝と、前記主溝に交差する副溝を含む。
この構成によれば、主溝から離れた部分に存在する残留物が、副溝に流れ込み、その後、主溝に導かれる。これによって、主溝の周辺の広い範囲にわたって残留物の滞留を抑制できる。
(5)上記クラッチ装置において、前記接触面の周囲には、前記接触面において前記残留物となって滞留する潤滑剤の進入を抑制する進入抑制部が設けられる。
この構成によれば、接触面に潤滑剤が進入することを抑制できる。これによって、接触面における潤滑剤の滞留が抑制できる。
(6)上記クラッチ装置において、前記抑制部に代えて、前記接触面の周囲には、前記接触面において前記残留物となって滞留する潤滑剤の進入を抑制する進入抑制部が設けられる。この構成によれば、接触面に潤滑剤が進入することを抑制できる。これによって、接触面における潤滑剤の滞留が抑制できる。
(7)上記課題を解決する制動装置は、前記残留物を形成する潤滑剤で潤滑される部品を含む制動装置であって、上記いずれかのクラッチ装置を備える。
この構成によれば、制動装置内の潤滑剤がクラッチ装置の接触面に滞留することが抑制できるため、制動対象物の制動安定性を向上できる。
(8)上記課題を解決する制動装置は、駆動部に対して移動することにより制動対象物に力を加える出力部と、前記出力部に設けられるクラッチナットと接触することによって前記駆動部からの動力を出力部に伝達する伝達部材と、前記出力部に設けられる前記クラッチナットの接触面および前記伝達部材の被接触面の少なくとも一方に潤滑剤が残留することを抑制する抑制部とを備える。
この構成によれば、クラッチナットを備える制動装置において、クラッチナットの接触面および伝達部材の被接触面の少なくとも一方に潤滑剤が残留することを抑制できるため、制動対象物の制動安定性を向上できる。
上記クラッチ装置および制動装置によれば、制動対象物に対する制動安定性を向上できる。
キャリパ装置の斜視図。 制動装置の斜視図。 図2のX−X線に沿う制動装置の断面図。 図2のY−Y線に沿う制動装置の断面図。 ガイドチューブ及びその周辺の斜視図。 スピンドルを含む構造体の分解斜視図。 ガイドチューブ及びガイドチューブ内に収容される構造体の分解斜視図。 通常動作時における、図5のY−Y線に沿うキャリパ装置の部分断面図。 ガイドチューブが規定位置に位置するときの、図5のY−Y線に沿うキャリパ装置の部分断面図。 拡大動作時における、図5のY−Y線に沿うキャリパ装置の部分断面図。 制動時における、クラッチナットに加わる力の方向を示す拡大断面図。 制動解除時における、クラッチナットに加わる力の方向を示す拡大断面図。 実施形態に係るクラッチナットの斜視図。 クラッチナット付近の拡大断面図。 第1変形例のクラッチナットの斜視図。 第2変形例のクラッチナットについて、被接触面の拡大図。 第3変形例のクラッチナットについて、被接触面の拡大図。 第4変形例のクラッチナットについて、被接触面の拡大図。 第5変形例のクラッチナットについて、被接触面の拡大図。 図19について、クラッチナットの断面図。 第6変形例のクラッチナットの斜視図。
図1〜図21を参照して、キャリパ装置を説明する。
鉄道車両のディスクブレーキ装置は、ブレーキディスクを制動するキャリパ装置1を含む。ブレーキディスクは、車輪の回転とともに回転するように車輪と同軸に取り付けられる。キャリパ装置1は、鉄道車両においてブレーキディスクの近傍に配置される。キャリパ装置1は、ブレーキディスク(制動対象物)を挟むことにより、車輪を制動する。
図1に示されるように、キャリパ装置1は、キャリパボディ10と、バックプレート14,14と、一対のブレーキパッド15,15と、制動装置20とを備えている。
キャリパボディ10は、車両本体の底面に固定されるブラケット11と、ブラケット11に取り付けられる支持部材12と、支持部材12に取り付けられる一対のブレーキレバー13A,13Bとを備える。
支持部材12は、ブラケット11に対して車両の移動方向に沿う軸の軸周りに揺動可能なように支持ピン12rを介して取り付けられる。支持部材12は、本体部12aと、本体部12aから延びる一対の腕部12bと、本体部12aから車両側に向かって延びる吊下部12cとを有する。一対の腕部12bは、車軸の延長方向に配列される。腕部12bには、後述の支点ピン12sを内挿するピン受部12dが設けられている。吊下部12cには、支持ピン12rを内挿するピン受部12eが設けられている。
一対のブレーキレバー13A,13Bは、支持部材12を間に挟むようにして配置される。各ブレーキレバー13A,13Bは、支点ピン12sを介して揺動可能に支持部材12に取り付けられる。支点ピン12sは、支持ピン12rの軸方向及び車輪の軸方向に対して垂直な方向に沿って延びる。
ブレーキレバー13A,13Bは、第1レバー13aと、第2レバー13bと、第1レバー13aと第2レバー13bとを繋ぐ連結部13cと、第1レバー13aと第2レバー13bの先端部を繋ぎかつバックプレート用ピン12tを内挿するピン受部13dとを有する。第1レバー13aと第2レバー13bとは、支点ピン12sの中心軸線に沿う方向に配列される。支点ピン12sは、第1レバー13aの支点部13xにある貫通孔と第2レバー13bの支点部13yにある貫通孔とを挿通する。第1レバー13aと第2レバー13bとの先端部を繋ぐピン受部13dには、バックプレート14が取り付けられる。バックプレート14は、ピン受部13dに挿通するバックプレート用ピン12tを介して揺動自在にブレーキレバー13A,13Bの先端部に取り付けられている。バックプレート用ピン12tは、支点ピン12sと同じ方向に延びる。各バックプレート14には、ブレーキパッド15が取り付けられる。
一方のブレーキレバー13Aにおいて、第1レバー13aの基端部13eと第2レバー13bの基端部13fとの間には、制動装置20の駆動部30がピン16aを介して回転可能に取り付けられる。
他方のブレーキレバー13Bにおいて、第1レバー13aの基端部(不図示)と第2レバー13bの基端部(不図示)との間には、制動装置20の接続部材90(図2参照)がピン16bを介して回転可能に取り付けられる。具体的には、接続部材90の一端部90aが、一方の第1レバー13aの基端部に回転可能に接続され、接続部材90の他端部90bが、他方の第2レバー13bの基端部に回転可能に接続される。
図2及び図3に示されるように、接続部材90の中間部には、後述のスピンドル50の先端部が接続される。接続部材90には、スピンドル50が中心軸線CSを回転中心として回転可能に取り付けられている。具体的には、接続部材90の中間部には嵌合孔91が設けられる。スピンドル50の接続部50aには、フランジ92aを有するアダプタ92が取り付けられる。スピンドル50の接続部50aとアダプタ92とは、接続部材90の嵌合孔91に収容される。接続部材90の嵌合孔91の端面とアダプタ92のフランジ92aとの間に転動部材94が配置され、かつアダプタ92のフランジ92aは付勢部材93により接続部材90の嵌合孔91の端面に押圧される。付勢部材93の他方側の端部(嵌合孔91の端面を押す側とは反対側の端部)は、嵌合孔91の開口部に取り付けられる留金95に当接する。
制動装置20は、駆動部30に対するスピンドル50の移動により、制動対象物に対して制動と非制動とを切り替える。
制動装置20において、後述するように駆動部30に対してスピンドル50は進退する。スピンドル50の進退動作により、駆動部30と接続部材90とが接近及び離間し、これに伴い、一対のブレーキレバー13A,13Bの基端側が互いに接近及び離間する。このような動作により、一対のブレーキレバー13A,13Bが支点ピン12sを支軸として回転し、ブレーキパッド15でブレーキディスクを挟持及び解放する。このようにして、ブレーキディスクの回転が制動される。
<制動装置の構成>
図2〜図21を参照して、制動装置20について説明する。図2は、制動装置20の外観を示す。図2におけるX−X線と中心軸線Cとを含む平面は、図5におけるX−X線と中心軸線Cとを含む平面と一致する。図2におけるY−Y線と中心軸線Cとを含む平面は、図5におけるY−Y線と中心軸線Cとを含む平面と一致する。制動装置20の中心軸線Cは、制動装置20として組み立てられたスピンドル50の中心軸線CS及びクラッチナット61の回転中心軸CNに一致する。
制動装置20の説明において、制動装置20のスピンドル50が移動する方向(以下、「前後方向DR」という。)において、駆動部30からスピンドル50が出る方向を「前方DA」といい、駆動部30内にスピンドル50が入る方向を「後方DB」という。スピンドル50の中心軸線CSを回転中心とする円周に沿う方向を「周方向」という。
また、制動装置20の各構成要素は、特別に記載した場合を除いて、金属で構成される。例えば、制動装置20の各構成要素は、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金等により形成される。なお、これら構成要素の一部は、樹脂層を有する場合もある。例えば、後述のシリンダ31の外表面は塗装され得る。
図3及び図4に示されるように、制動装置20は、駆動部30と、クラッチ装置39と、駆動部30に対して移動する出力部としてのスピンドル50と、を備える。クラッチ装置39は、駆動部30の動力で移動することによって駆動部30の力をスピンドル50に伝達するガイドチューブ40(伝達部材)と、ガイドチューブ40とスピンドル50との間に介在して両者間の動力を伝達するクラッチナット61とを備える。スピンドル50は、駆動部30に対して移動することによりブレーキディスク(制動対象物)に力を加える。スピンドル50は、ガイドチューブ40を通る。スピンドル50の先端部には、上述のように接続部材90が接続される。
駆動部30は、ガイドチューブ40を移動させる。駆動部30は、シリンダ31と、シリンダ31内で移動するピストン35と、ピストン35の動力を増大させる増力機構36とを備える。
シリンダ31は、前面部32aと後面部32bとを有する外筒32と、内筒33とを有する。なお、本実施形態では、前面部32aと内筒33とが一体に構成される。後面部32bは、前面部32aと内筒33とが一体となった物とは別部品に構成される。
内筒33は、外筒32の前面部32aを貫くように外筒32に設けられる。内筒33の内筒前部33aは、外筒32から出ている。内筒33の内筒後部33bは、外筒32に内挿される。内筒33には、ガイドチューブ40が内挿される。
外筒32と内筒後部33bとの間には、環状空間SPが構成される。ピストン35は、前後方向DRに移動可能に環状空間SPに配置される。ピストン35は、環状であり、環状空間SPを、前面部32a側の圧力室SAと、後面部32b側の後部収容室SBとに区画する。圧力室SAの圧力は、圧力室SAに流体(例えば、空気)の給排により制御される。後部収容室SBには、増力機構36が配置される。
また、内筒33の内周面には、後述の規制部64の突出部64bが係合する当接部34(図4参照)が設けられている。当接部34は、規制部64が当接位置(後述参照)から前方DAへ移動することを規制する。
図3〜図5を参照して、増力機構36を説明する。増力機構36は、ピストン35の押圧力を増大させてガイドチューブ40に伝達する。増力機構36は、1または複数の増力レバー37を備える。増力レバー37は、ピストン35からガイドチューブ40へまたはガイドチューブ40からピストン35へ動力を伝達する。増力レバー37は、ピストン35及びガイドチューブ40の後方DBに配置される。増力レバー37は、支軸37dを有するレバー本体37aと、支軸37dを間に挟んで一方の端部に設けられる第1ローラ37bと、他方の端部に設けられる第2ローラ37cとを有する。第1ローラ37bは、ピストン35のローラ受部35aに当接する。第2ローラ37cは、ガイドチューブ40のローラ受部40aに当接する。支軸37dから第1ローラ37bまでの距離は、支軸37dから第2ローラ37cまでの距離よりも長い。この構成により、増力レバー37は、第1ローラ37bに加えられる力を増大して第2ローラ37cから出力する。
駆動部30の動作を説明する。
圧力室SAに空気が供給されてピストン35が後方DBに移動すると、ピストン35が増力レバー37の第1ローラ37bを後方DBに押す。これにより、増力レバー37が回転して、第2ローラ37cがガイドチューブ40を前方DAに押す。ガイドチューブ40は、増力レバー37に押されることにより第1付勢部材41(後述参照)の力に抗して前方DAに移動する。ガイドチューブ40の前方DAへの動力はクラッチナット61を介してスピンドル50に伝達されるため、ガイドチューブ40と共にスピンドル50が前方DAに移動する(後述参照)。そうすると、一対のブレーキレバー13A,13Bの基端側が互いに離間するとともに一対のブレーキレバー13A,13Bのブレーキパッド15が互いに近づいてブレーキディスクを挟む。これにより、車輪の回転が制動される。
圧力室SAから空気が排出されると、ガイドチューブ40を押す増力レバー37の押圧力が弱められるため、第1付勢部材41(後述参照)の力によりガイドチューブ40が後方DBに移動する。ガイドチューブ40の後方DBへの動力は、クラッチナット61を介してスピンドル50に伝達されるため、ガイドチューブ40と共にスピンドル50が後方DBに移動する。そうすると、一対のブレーキレバー13A,13Bの基端側が互いに接近するとともに一対のブレーキレバー13A,13Bのブレーキパッド15が離間してブレーキディスクから離れる。このようにして、車輪の回転制動が解放される。
図5〜図8を参照して、ガイドチューブ40について説明する。
ガイドチューブ40は、シリンダ31の内筒33に対して移動する。ガイドチューブ40は、前側の前部材40Aと、後側の後部材40Bとを備える(図5参照)。前部材40Aと後部材40Bとは相対移動不能に締結される。
ガイドチューブ40は、第1付勢部材41により後方DBに付勢される。第1付勢部材41は、内筒33とガイドチューブ40との間に配置される。第1付勢部材41は例えばコイルばねにより構成される(図5参照)。第1付勢部材41の前方端41aは、内筒33のばね受部(不図示)に当接する。第1付勢部材41の後方端41bは、ガイドチューブ40の後方DB側のばね受部40bに当接する(図5参照)。
図5及び図7に示されるように、ガイドチューブ40において前後方向DRの中間部分には、2つの貫通孔43が設けられている。貫通孔43には、後述の規制部64の突出部64bが通る。貫通孔43の周方向の幅長は、規制部64の突出部64bが通り得る長さに設定され、規制部64がスピンドル50周りに回転しないように構成されている。また、規制部64が前方移動して当接位置(後述参照)に配置されるとき、突出部64bが内筒33の当接部34に係合するように構成されている(図9及び後述参照)。
図5及び図7に示されるように、ガイドチューブ40の前端開口部には、ガイドチューブ40とスピンドル50との間の隙間を塞ぐ蓋体44が取り付けられる。蓋体44は、スピンドル50を通す貫通孔44a(図7参照)が設けられている。蓋体44は、ガイドチューブ40に対して前後方向DR及び周方向に移動しないように固定される。
ガイドチューブ40において、蓋体44の後方DBには、後述のクラッチナット61の接触面61dと接触する被接触面45aが設けられる。被接触面45aは、前方DAに向く。蓋体44と被接触面45aとの間には、クラッチナット61の係合部61b(後述参照)が収容される空間が設けられる。被接触面45aは、被接触部45の面として構成される。被接触部45は、ガイドチューブ40に対して前後方向DR及び周方向に移動しないように固定される。
図6を参照して、スピンドル50の支持構造について説明する。スピンドル50(出力部)は、クラッチナット61を介してガイドチューブ40に対して位置決めされる。
スピンドル50(出力部)は、軸心51により支持され、第2付勢部材52(出力部付勢部材)により前方DAに付勢される。
軸心51は、その長手方向が制動装置20の中心軸線Cに沿うように、シリンダ31の外筒32の後面部32bに固定されている(図3参照)。軸心51は、筒状に構成され、前方DA側が開口する。軸心51内には、第2付勢部材52が収容されている。第2付勢部材52は、コイルばねで構成される。第2付勢部材52は、その長手方向が軸心51の中心軸線に沿うように、軸心51内に配置される。軸心51の断面は、後述の回転止め部材55に係合するように、非円形(例えば、概略六角形)に構成される。また、軸心51の後端部には、スピンドル50の後方移動を規制するためのストッパ53が取り付けられている。
スピンドル50は、軸心51に対して前後方向DRに移動可能で、かつ軸心51に対して回転しないように、軸心51に取り付けられる。
スピンドル50は、中空であり、後側が開口する。スピンドル50の後端部には、スピンドル50が回転しないようにする回転止め部材55が装着されている。回転止め部材55は、軸心51を通す孔55aを有する。孔55aは、軸心51に対して周方向に係合可能であり、軸心51の長手方向には移動可能に構成される。例えば、孔55aの断面は、軸心51の断面の相似形(例えば、概略六角形)に構成される。これにより、スピンドル50の回転が規制される。
スピンドル50内には、ガイド棒54が収容されている。ガイド棒54は、第2付勢部材52を案内する。ガイド棒54は、スピンドル50の中心軸線CSに沿うように後方DBに延びる。スピンドル50内には、ガイド棒54を囲む筒状の収容室SRが構成される。スピンドル50の収容室SRに、軸心51が内挿される。スピンドル50の収容室SR内にあるガイド棒54は、第2付勢部材52であるコイルばねの中心部に挿通する。第2付勢部材52の前端は、スピンドル50の収容室SRの前端面50c(ガイド棒54のフランジ部)に接触する。第2付勢部材52の後端は、軸心51の軸心内室STの後端面51aに接触する(図8参照)。このようにして、スピンドル50は、第2付勢部材52により前方DA側に付勢される。
スピンドル50の前方DA側の端部には、接続部50aが設けられる。上述したように、スピンドル50の接続部50aには、接続部材90がスピンドル50に対して回転可能に取り付けられる。スピンドル50の外周面には、クラッチナット61(後述参照)の雌ねじ61fに係合する雄ねじ50bが設けられる。
図7及び図8を参照して、クラッチナット61及びクラッチナット61の位置調整機構62について説明する。
クラッチナット61は、ガイドチューブ40とスピンドル50との間に介在して、ガイドチューブ40の動力をスピンドル50に伝達する。
クラッチナット61は、孔61cを有する筒部61aと、筒部61aの外側に設けられる係合部61b(図13参照)とを有する。孔61cにスピンドル50が通る。クラッチナット61の孔61cには、スピンドル50の雄ねじ50bに係合する雌ねじ61fが設けられている。
クラッチナット61の係合部61bの外周には、ガイドチューブ40の被接触面45aに接触可能な接触面61dが設けられている。接触面61dは、後方DBに向き、被接触面45aに対向するように配置される。クラッチナット61の後端部には、規制部64の前歯64c(後述参照)に係合する歯(以下、「後歯61e」)が設けられている。
クラッチナット61の前端面は、蓋体44の後面に対向する。クラッチナット61の前端面と蓋体44の後面との間にはスラスト軸受47が介在する。クラッチナット61は、蓋体44の後面により前方DAに移動規制され、ガイドチューブ40の被接触面45aにより後方DBに移動規制される。このように、クラッチナット61は、ガイドチューブ40に対して所定位置に配置され、かつ回転可能に支持される。
位置調整機構62は、所定条件において、スピンドル50に対して軸方向にクラッチナット61の位置を調整する。
具体的には、位置調整機構62は、制動移動距離が、予め設定された設定距離よりも長くなることに基づいて、スピンドル50に対するクラッチナット61の位置を後方DBに移動させる。制動移動距離とは、ガイドチューブ40が最も後方DBの位置(以下、「最後方位置」)から、一対のブレーキパッド15,15がブレーキディスクを挟むことでスピンドル50に後方DBへの力が加えられるようになる位置までの、ガイドチューブ40の移動距離である。
位置調整機構62は、クラッチナット61が回転しないように拘束する拘束部材63と、スピンドル50を前方DAに付勢する第2付勢部材52(上述参照)とにより、構成される。拘束部材63は、例えば、次の規制部64により構成される。
規制部64は、ガイドチューブ40とスピンドル50との間の空間に配置されて、かつ、クラッチナット61よりも後方DBに配置される。規制部64は、スピンドル50を通す孔64aを有する。規制部64の前端部には、クラッチナット61の後歯61eに係合する歯(以下、「前歯64c」)が設けられている。規制部64の胴部には、2つの突出部64bが設けられる。突出部64bは、スピンドル50の中心軸線CSを中心とする円の径方向外方に延びる。突出部64bは、上述したように、ガイドチューブ40の貫通孔43を通る。貫通孔43の周方向の幅長は、突出部64bが挿通し得る程度であるため、規制部64とクラッチナット61とが係合するとき、クラッチナット61についてスピンドル50周りの回転が規制される。
また、規制部64は、第3付勢部材65により、ガイドチューブ40に対して前方DAに付勢される。第3付勢部材65は、ガイドチューブ40内であって規制部64の後方DBに配置される。第3付勢部材65の前端は、規制部64の後端面に当接し、第3付勢部材65の後端は、ガイドチューブ40の内周面の後部に設けられるばね受部46(図8参照)に当接する。
図9を参照して、規制部64の動作を説明する。
ガイドチューブ40が最後方位置に配置されているとき、規制部64は、第3付勢部材65により前方DAに付勢されてクラッチナット61と係合する。この係合により、クラッチナット61の回転は規制される。
ガイドチューブ40が前方DAに移動すると、ガイドチューブ40内の規制部64もガイドチューブ40とともに前方DAに移動する。ガイドチューブ40が最後方位置から設定距離だけ前方DAに移動し規定位置(内筒33に対して予め設定された位置)に至ると、規制部64の突出部64bが内筒33の当接部34に当接する。これにより、規制部64は、突出部64bと内筒33の当接部34とが当接する位置(内筒33に対する位置。以下、「当接位置」)で前方移動が規制される。ガイドチューブ40が規定位置から更に前方DAに移動すると、ガイドチューブ40とクラッチナット61とが共に移動する一方、規制部64は当接位置で制止されるため、クラッチナット61の後端と規制部64の前端とが離間して両者の係合が解除される。そうすると、クラッチナット61が回転可能になる。ガイドチューブ40が、規定位置よりも前方DAのところから後方DBに移動し、規定位置に至ると、クラッチナット61の後歯61eと規制部64の前歯64cとが係合して、クラッチナット61と規制部64とが係合する。
以上を纏めると、規制部64の動作は次のようになる。規制部64は、ガイドチューブ40が規定位置よりも後方の位置にあるとき、クラッチナット61の回転を規制する。また、規制部64は、ガイドチューブ40が規定位置よりも前方DAの位置にあるとき、クラッチナット61の回転を許容する。
図8〜図12を参照して、スピンドル50及びクラッチナット61の動作を説明する。
スピンドル50及びクラッチナット61の動作には、2つの態様がある。第1は、ガイドチューブ40が最後方位置と規定位置との間の範囲(以下、「通常範囲」)で往復するときの動作(以下、「通常動作」)である。第2は、ガイドチューブ40が最後方位置と規定位置よりも前方DAの位置との間の範囲(以下、「拡大範囲」)で往復するときの動作(以下、「拡大動作」)である。拡大動作においては、位置調整機構62が働き、スピンドル50に対してクラッチナット61の位置が調整される。
まず、通常動作について説明する。
ブレーキパッド15の磨耗が少ないとき、制動時においてブレーキパッド15がブレーキディスクに接触するまでのスピンドル50の制動移動距離は当初の距離から大きく変化しない。このため、スピンドル50の制動移動距離も当初の距離から殆ど変わらないことから、ガイドチューブ40は通常範囲内で移動する(図8及び図9参照)。このとき、ガイドチューブ40において、通常範囲内での前後方向DRの全範囲にわたって、クラッチナット61と規制部64とは係合状態で維持される。クラッチナット61と規制部64とが係合している状態では、スピンドル50は次のように動作する。
ガイドチューブ40とともにスピンドル50が前方DAに移動し、ブレーキパッド15がブレーキディスク(制動対象物)に接触し、スピンドル50に反力が加わると、スピンドル50が後方DBに押される。そうすると、クラッチナット61の接触面61dがガイドチューブ40の被接触面45aを押圧する。ガイドチューブ40にはピストン35の力が前方DAに作用しているため、ピストン35の力で反力が受け止められてスピンドル50の後方移動が阻止される。このようにして、制動力がブレーキディスク(制動対象物)に加えられ続けられる。ピストン35の力が弱められてガイドチューブ40が後方DBに移動すると、ガイドチューブ40とともにスピンドル50が後方DBに移動するため、ブレーキパッド15がブレーキディスクから離間して、車輪の制動が解除される。
図10〜図12を参照して、拡大動作について説明する。図11及び図12の矢印は力が作用する方向を示す。
ブレーキパッド15の磨耗が大きいとき、制動時においてブレーキパッド15がブレーキディスクに接触するまでのスピンドル50及びガイドチューブ40の制動移動距離は当初の距離から拡大する。ガイドチューブ40が規定位置よりも前方DAに位置するとき、クラッチナット61と規制部64との係合が解除される(図10参照)。このとき、スピンドル50及びクラッチナット61は次のように動作する。
クラッチナット61と規制部64との係合が解除された状態でガイドチューブ40が前方DAに移動すると、これに伴いクラッチナット61とスピンドル50が前方DAに移動する。その後、スピンドル50が前方DAに移動してブレーキパッド15がブレーキディスクに接触すると、スピンドル50に反力が加わり、スピンドル50が後方DBに押される。そうすると、クラッチナット61の接触面61dがガイドチューブ40の被接触面45aを押圧する。ガイドチューブ40にはピストン35の力が前方DAに作用しているため、ピストン35の力で反力が受け止められてスピンドル50の後方移動が阻止される(図11参照)。このようにして、制動力がブレーキディスクに加えられ続けられる。
その後、ピストン35の力が弱められてガイドチューブ40が後方DBに移動するとき、スピンドル50が第2付勢部材52で前方DAに付勢されていることにより、クラッチナット61に作用する力の方向とガイドチューブ40に作用する力の方向とが反対方向になる(図12参照)。これによって、クラッチナット61の接触面61dとガイドチューブ40の被接触面45aとの間に作用する押圧力が低下し、クラッチナット61が回転するようになる。このため、ガイドチューブ40の後方移動に伴って蓋体44から後方DBに向かう力がクラッチナット61に加えられると、クラッチナット61は、スピンドル50に対して回転しつつ後方DBに移動する。この間、クラッチナット61とスピンドル50との間で中心軸線CSに沿う方向において力が伝達されないため、スピンドル50は後方に移動しない。ガイドチューブ40が規定位置に至ると、クラッチナット61と規制部64とが係合する。そうすると、クラッチナット61の回転が規制されるため、スピンドル50に対してクラッチナット61の位置が固定されるようになる。クラッチナット61と規制部64との係合後においては、ガイドチューブ40とともにスピンドル50がともに後方DBに移動する。これにより、ブレーキパッド15がブレーキディスクから離間して、車輪の制動が解除される。
以上のように、位置調整機構62は、ガイドチューブ40が拡大動作するときに動作する。位置調整機構62によれば、次の効果がある。制動装置20のスピンドル50に取り付けられるブレーキパッド15(制動部材)が磨耗したり、ブレーキディスクが制動装置20のブレーキパッド15から離間したりすると、制動移動距離が当初の距離よりも長くなる。そうすると、制動装置20の動作開始から制動までの応答性が低下する。この点、上記構成では、制動移動距離が設定距離よりも長くなることに応じて、スピンドル50に対するクラッチナット61の位置を後方DBに移動させる。この位置調整により、ガイドチューブ40に対してスピンドル50が前方DAに再配置されるようになる。このようにして、制動移動距離が長くなることが抑制され、制動装置20の動作開始から制動までの応答性の低下が抑制される。
次に、制動時に、スピンドル50に加わる反力を受け止める被接触面45a及び接触面61dについて説明する。
通常動作及び拡大動作のいずれにおいても、制動時においてブレーキパッド15がブレーキディスクに接触するとき、その反力がスピンドル50に加わる。スピンドル50に加わる力は、クラッチナット61を介してガイドチューブ40に伝達される。この伝達において、ガイドチューブ40の被接触面45aとクラッチナット61の接触面61dとが接触する。この接触において、接触面61dと被接触面45aとの間の摩擦力が小さいと、クラッチナット61が回転し、この回転に伴ってスピンドル50が僅かに前後に移動するため、制動力が不安定になる。スピンドル50とクラッチナット61との間には潤滑剤が塗布されており、また蓋体44とクラッチナット61との間にも潤滑剤が塗られている。潤滑剤は流動性があるため、環境変化(昼夜または季節における温度または湿度の変化)の繰り返しにより潤滑剤が接触面61dと被接触面45aとの間に拡散し得る。接触面61dと被接触面45aとの間に潤滑剤が過剰に溜まると、接触面61dと被接触面45aとの間の摩擦力が小さくなり、制動が不安定になるおそれがある。特に、拡大動作時においては、クラッチナット61は、規制部64により拘束されていないため、回転し易い状態にあり、接触面61dと被接触面45aとの間に潤滑剤が過剰に溜まっていると、クラッチナット61の回転量も大きくなり、スピンドル50の変動も大きくなる。
このような課題を解決するため、本実施形態では、抑制部69を有する。抑制部69は、接触面61dに残留物の滞留を抑制する。
具体的には、被接触面45a及び接触面61dの少なくとも一方には、抑制部69が設けられている。抑制部69は、接触面61dと被接触面45aとが接触したときに接触面61dと被接触面45aとの間に空間を構成する。抑制部69の例としては、溝70として構成される。抑制部69は、溝70のほか、貫通孔、および窪みのいずれかであってもよい。
図13及び図14を参照して、抑制部69について説明する。なお、図13は、図面においては、下を前方としてクラッチナット61が記載されている。図15〜図21において図13と同様に下が前方である。図14では、図1等と同様に、図面において、上を前方として断面図が記載されている。
上述したように、クラッチナット61は、筒部61aと、係合部61bとを有する。係合部61bは、基部61rと、基部61rから後方DBに向かって径方向に小さくなるように構成される円錐台形部61sとを有する。円錐台形部61sの後端は、筒部61aの途中に接続される。なお、筒部61aにおいて円錐台形部61sよりも後側部分を「筒後部61x」という。筒後部61xの表面は、接触面61dと被接触面45aとが接触するときを含めていずれの状態でも、他の部品と押圧状態で接触しない。接触面61dは、円錐台形部61sの外周面に構成される。
本実施形態では、接触面61dに抑制部69が設けられる。具体的には、抑制部69は、接触面61dから窪む主溝71と、接触面61dから窪む副溝72とを含む。主溝71は、接触面61dにおける前縁から後方DBに延びて、筒後部61xの途中まで延びる。主溝71は、クラッチナット61の回転中心軸CNを含む平面と接触面61dとの交線に沿うように延びる。
主溝71は、接触面61dと被接触面45aとの接触のとき、接触面61dと被接触面45aとの間に空間SIを構成する。また、主溝71は、接触面61dから外れた位置まで延びるため、空間SIは、接触面61dと被接触面45aとの接触部74の周りの空間SXに繋がる。接触面61dには、複数の主溝71が設けられる。複数の主溝71は、周方向に等間隔に配列される。主溝71の幅長は、副溝72の幅長よりも長くかつ、主溝71の深さは、副溝72の深さよりも深い。
主溝71において回転中心軸CNに直交する平面における断面は、例えば、円弧、V字、U字、W字、矩形から一辺を除いた形状、三角形から一辺を除いた形状、等に構成される。クラッチナット61に複数の主溝71が設けられる場合、各主溝71の断面は、異なる場合もある。クラッチナット61に設けられる主溝71の数は、1以上であればよい。クラッチナット61に設けられる主溝71の数は、例えば、1以上60以下である。隣接する2つの主溝71の間の周方向における距離(主溝71の間隔から主溝71の幅長を引いた距離)は、主溝71の幅長よりも長いことが好ましい。これは、接触面61dと被接触面45aとの接触面積が減少し過ぎると、摩擦力が低下し、クラッチナット61が回転し易くなるからである。主溝71において周方向の幅長は、例えば、0.1mm以上である。主溝71の深さは、例えば、0.1mm以上である。
副溝72は、主溝71に交差するように接触面61dに設けられる。副溝72は、主溝71に繋がる。例えば、副溝72は、周方向に延びて2つの主溝71を繋ぐ。接触面61dには、複数の副溝72が設けられる。複数の副溝72は、接触面61dにおける前後方向DRに沿って等間隔に配列される。周方向の配列される主溝71の間のそれぞれの領域に、複数の副溝72が設けられることが好ましい。
副溝72において回転中心軸CNを含む平面における断面は、例えば、円弧、V字、U字、W字、矩形から一辺を除いた形状、三角形から一辺を除いた形状、等に構成される。クラッチナット61に複数の副溝72が設けられる場合、各副溝72の断面は、異なる場合もある。クラッチナット61に設けられる副溝72の数は、1以上であればよい。クラッチナット61に設けられる副溝72の数は、1以上である。隣接する2つの副溝72の間で回転中心軸CNに沿う方向における距離(副溝72の間隔から副溝72の幅長を引いた距離)は、副溝72の幅長よりも長いことが好ましい。これは、接触面61dと被接触面45aとの接触面積が減少し過ぎると、摩擦力が低下し、クラッチナット61が回転し易くなるからである。副溝72において、回転中心軸CNを含む平面と接触面61dとの交線に沿う方向の幅長は、例えば、0.1mm以上である。副溝72の深さは、例えば、0.1mm以上である。
次に、抑制部69の作用について説明する。
クラッチナット61の接触面61dとガイドチューブ40の被接触面45aとが接触すると、抑制部69により接触面61dと被接触面45aとの間に空間SIが形成される。このため、接触面61dと被接触面45aとの接触時において、被接触面45aまたは接触面61dに残留した潤滑剤が、接触面61dと被接触面45aとの間に抑制部69により形成された空間SIに押し出されるように流れ込む。このようにして、接触面61dと被接触面45aとの間から潤滑剤を円滑に排除でき、潤滑剤が残留または滞留することが抑制される。また、潤滑剤の残留物が滞留することが抑制される。これにより、制動時において、接触面61dと被接触面45aとが接触するときクラッチナット61の滑りの回転が抑制され、制動時におけるスピンドル50の位置が安定し、制動対象物に対する制動の安定性(制動安定性)が向上する。
また、上述のように、接触面61dと被接触面45aとの接触により構成される空間SIは、接触面61dと被接触面45aとの接触部74の周りの空間SXに繋がる(以下、「外部接続構造」)。このため、潤滑剤の排除量に制限がなく、潤滑剤が過剰に接触面61dと被接触面45aとの間に存在するときでも、制動対象物の制動安定性が低下しない。
抑制部69により形成される空間SIが外部の空間SXに対して閉じた空間である場合、潤滑剤が過剰に残留していると、当該空間内に入り切らない潤滑剤が接触面61dと被接触面45aとの間に残るようになり、潤滑剤の排除効果に限界が生じる。抑制部69の容積を大きくすると、クラッチナット61が大型化する。これに対して、上記構成すなわち外部接続構造によれば、潤滑剤の排除量に制限がないことから、クラッチナット61の大型化の抑制に貢献する。
更に、抑制部69は、主溝71に交差するように延びて主溝71に繋がる副溝72を含む。このため、接触面61dと被接触面45aとの接触部74において、主溝71から離れた部分に存在する潤滑剤が、副溝72に流れ込み、その後、主溝71に導かれて、接触面61dと被接触面45aとの接触部74の外部に排出される。これにより、副溝72を有しない構成に比べて、主溝71の周辺の広い範囲にわたって潤滑剤を効率的に外部に排除できる。
本実施形態の効果を説明する。
(1)クラッチ装置39は、接触面61dの摩擦力によって駆動部30で発生させた力をスピンドル50(出力部)に伝達または切断するクラッチ装置39であって、当該接触面61dに残留物の滞留を抑制する抑制部69を備える。この構成によれば、クラッチ装置39の接触面61dに残留物の滞留が抑制されるようになるため、制動時におけるスピンドル50(出力部)の位置が安定、制動対象物の制動安定性が向上する。
(2)上記クラッチ装置39において、抑制部69は、接触面61dおよび接触面61dに接触する被接触面45aの少なくとも一方に形成される溝70である。溝70は、例えば、上述の主溝71である。この構成によれば、接触面61dおよび被接触面45aの少なくとも一方に設けられる溝70に、残留物を導くことができるため、接触面61dに残留物が滞留することを抑制できる。
(3)上記クラッチ装置39において、例えば、溝70は、接触面61dと被接触面45aとが接触する接触部74から外れた位置まで延びている。この構成によれば、溝70に流れ込む残留物を接触部74以外のところに排出できるため、接触部74に残留物が滞留することを抑制できる。
(4)上記クラッチ装置39において、抑制部69は、接触面61dおよび被接触面45aの少なくとも一方に形成される主溝71と、主溝71に交差する副溝72を含む。この構成によれば、主溝71から離れた部分に存在する残留物が、副溝72に流れ込み、その後、主溝71に導かれる。これによって、主溝71の周辺の広い範囲にわたって残留物の滞留を抑制できる。
(5)制動装置20は、残留物を形成する潤滑剤で潤滑される部品を含む装置であって、上記構成のクラッチ装置39を備える。部品は、例えば、スピンドル50である。この構成によれば、制動装置20内の潤滑剤がクラッチ装置39の接触面61dに滞留することが抑制できるため、制動対象物の制動安定性を向上できる。
(6)制動装置20は、スピンドル50(出力部)と、クラッチナット61と接触することによって駆動部30からの動力をスピンドル50に伝達するガイドチューブ40(伝達部材)と、抑制部69とを備える。抑制部69は、スピンドル50に設けられるクラッチナット61の接触面61dおよびガイドチューブ40(伝達部材)の被接触面45aの少なくとも一方に潤滑剤が残留することを抑制する。この構成によれば、クラッチナット61を備える制動装置20において、クラッチナット61の接触面61dおよびガイドチューブ40の被接触面45aの少なくとも一方に潤滑剤が残留することを抑制できるため、制動対象物の制動安定性を向上できる。
図15を参照して、クラッチナット61の第1変形例を説明する。
本変形例では、接触面61dに設けられる抑制部69は、螺旋溝81を含む。螺旋溝81は、接触面61dにおける前縁から後方DBに延びて、筒後部61xの途中まで延びる。螺旋溝81は、クラッチナット61の回転中心軸CNを含む平面と接触面61dとの交線に交差するように延びる。接触面61dと被接触面45aとの接触のときに螺旋溝81によって構成される空間SIは、接触面61dと被接触面45aとの接触部74の周りの空間SXに繋がる。このような構成によっても、実施形態に示された抑制部69に準じた効果が得られる。
図16を参照して、クラッチナット61の第2変形例を説明する。
本変形例では、接触面61dに設けられる抑制部69は、主溝71を含み、副溝72を含まない。主溝71は、実施形態に示された主溝71と同じ構造を有する。このような構成によっても、実施形態に示された抑制部69に準じた効果が得られる。この変形例では、クラッチナット61の製造工程が簡略化される。
図17を参照して、クラッチナット61の第3変形例を説明する。
本変形例では、接触面61dに設けられる抑制部69は、周溝82を有する。周溝82は、クラッチナット61の回転中心軸CNに垂直な面と接触面61dとの交線(円形)に沿うように延びる。接触面61dと被接触面45aとの接触のときにこのような周溝82によって構成される空間SIは環状になる。周溝82と接触面61dとの境界にあるエッジは、クラッチナット61の回転方向に沿うため、接触面61dと被接触面45aとの接触のときの磨耗が抑制される。このような構成によっても、実施形態に示された抑制部69に準じた効果が得られる。なお、本変形例では、複数の周溝82は通路により連結されてもよい。また、周溝82を連結する通路は、接触面61dから外れた位置まで延ばされ得る。これにより、潤滑剤は、接触面61dと被接触面45aとの接触部74の周りの空間SXに排出され得る。
図18を参照して、クラッチナット61の第4変形例を説明する。
本変形例では、接触面61dに設けられる抑制部69は、複数の窪み83として構成される。窪み83は、接触面61dの全面に設けられる。このような構成によっても、実施形態に示された抑制部69に準じた効果が得られる。なお、本変形例では、複数の窪み83は通路により連結されてもよい。また、窪み83を連結する通路は、接触面61dから外れた位置まで延ばされ得る。これにより、潤滑剤は、接触面61dと被接触面45aとの接触部74の周りの空間SXに排出され得る。
図19及び図20を参照して、クラッチナット61の第5変形例を説明する。
本変形例では、接触面61dに設けられる抑制部69は、第3変形例と同様の周溝82と、貫通孔84とを含む。貫通孔84は、周溝82と、接触面61dと被接触面45aとの接触部74の周りの空間SXとを繋げる。すなわち、接触面61dと被接触面45aとの接触により構成される空間SIは、接触部74の周りの空間SXに繋がる。これにより、周溝82に流れ込んだ潤滑剤は、貫通孔84を通じて外部に排出される。このため、実質的に、潤滑剤の排除量に制限がなくなるため、接触面61dと被接触面45aとの間に存在する潤滑剤が多い場合でも、接触面61dと被接触面45aとの間に潤滑剤が残ることが抑制される。
図21を参照して、クラッチナット61の第6変形例を説明する。
本変形例では、抑制部69が設けられる。接触面61dに設けられる抑制部69は、実施形態と同様の構造を有する。更に、接触面61dの周囲には、当該接触面61dにおいて潤滑剤の進入を抑制する進入抑制部79が設けられる。例えば、接触面61dと被接触面45aとの接触部74から外れた位置に、潤滑剤が接触部74に進入することを抑制する進入抑制部79として、溝が設けられる。溝は、例えば、次のような外部通路85,86として構成される。
具体的には、第1の外部通路85は、筒後部61xの外周面に溝として設けられる。第2の外部通路86は、基部61rの外周面に溝として設けられる。第1の外部通路85には、主溝71が接続される。このような構成によれば、潤滑剤が、外部通路85,86に溜まるようになり、接触面61dと被接触面45aとの間の間に潤滑剤が残ることが抑制される。また、クラッチナット61の後歯61eに潤滑剤が残留することが抑制される。また、なお、第1の外部通路85及び第2の外部通路86のいずれかが設けられる場合、主溝71及び副溝72を省略してもよい。
また、進入抑制部79は、潤滑剤が接触部74に進入することを阻止する障壁(不図示)として構成される。例えば、障壁は、筒後部61xの外周面から径方向(回転中心軸CNを中心とする円の径方向)に突出する環状の壁として構成され、または、筒後部61xの後歯61eを囲む環状の壁として構成される。または、障壁は、基部61rの外周面から突出する環状の壁(フランジ)もしくは基部61rから前方DAに延びる環状の壁として構成される。壁の高さ(回転中心軸CNを中心とする円の径方向外方における高さ)は、潤滑剤が超え難い高さとされる。鉄道車両にキャリパ装置1が取り付けられると、クラッチナット61の回転中心軸CNは、略水平になり、障壁は鉛直方向に延びる。したがって、潤滑剤は、障壁に遮られると、下方に向かって流れ、潤滑剤が接触部74に進入しないようになる。さらに、ガイドチューブ40において障壁の近くに潤滑剤の通路を設けてもよい。そうすると、障壁に遮られた潤滑剤は、ガイドチューブ40の通路に伝って拡散する。このようにして、潤滑剤が、接触部74に進入しないようなり、接触面61dと被接触面45aとの間の間に潤滑剤が溜まることが抑制される。
本変形例は次の効果を有する。
(1)本変形例にかかるクラッチ装置39において、接触面61dの周囲には、進入抑制部79が設けられる。進入抑制部79は、接触面61dにおいて残留物となって滞留する潤滑剤の進入を抑制する。この構成によれば、接触面61dに潤滑剤が進入することを抑制できる。これによって、接触面61dにおける潤滑剤の滞留が抑制できる。
(2)実施形態のクラッチ装置39において、抑制部69に代えて、本変形例に係る進入抑制部79が設けてもよい。この構成によれば、接触面61dに潤滑剤が進入することを抑制できる。これによって、接触面61dにおける潤滑剤の滞留が抑制できる。
<その他の実施形態>
・上記抑制部69は、ガイドチューブ40の被接触面45aにも設けられ得る。この場合、クラッチナット61の接触面61dの抑制部69は省略可能である。
・上記抑制部69の構造は、上記実施形態及び各変形例に限定されない。例えば、抑制部69は、被接触部45が2分割されることにより構成され得る。抑制部69は、被接触部45を構成する一対の半体の間の隙間として構成され得る。このような隙間は、接触面61dと被接触面45aとの接触により構成される空間SIであり、潤滑剤が流れる通路になる。
・更に別の例として、抑制部69は、クラッチナット61の接触面61dから孔61cまで延びる貫通孔として構成され得る。または、抑制部69はガイドチューブ40の被接触面45aから外部の空間SXまで延びる貫通孔として構成され得る。
・本実施形態では、クラッチナット61の接触面61dとガイドチューブ40の被接触面45aとはともにスピンドル50の中心軸線CSに対して傾斜する円錐台形の側面として構成されているが、両面の構造はこれに限定されない。例えば、両面とも、スピンドル50の中心軸線CSに対して垂直な平面として構成され得る。
・本実施形態において、位置調整機構62を構成する拘束部材63は、実施形態に示した規制部64に限定されない。拘束部材63は、ガイドチューブ40が規定位置よりも前方DAの位置にあるとき、クラッチナット61の回転を許容するものであればよい。例えば、規制部64の突出部64bと内筒33の当接部34との係合は、次のように変更され得る。規制部64の突出部64bに代えて、内筒33には、ガイドチューブ40の貫通孔43を挿通する突出係合部が設けられ、突出係合部が、規制部64のストッパ部に当接するように構成され得る。
・上記抑制部69は、位置調整機構62がない制動装置20にも適用され得る。位置調整機構62がない制動装置20の一例は、ガイドチューブ40と、クラッチナット61と、スピンドル50とを備え、かつ、規制部64が省略される。そして、クラッチナット61は、スピンドル50に対して回転し難いように、蓋体44とクラッチナット61との間のスラスト軸受47が省略される。スラスト軸受47が存在すると、制動解除でガイドチューブ40が後方移動するとき、ガイドチューブ40の後方移動に伴ってスピンドル50に対してクラッチナット61が後方に移動し続けてしまうからである。このような制動装置20においても、本実施形態で説明した通常動作において、クラッチナット61の接触面61dとガイドチューブ40の被接触面45aとが接触するため、抑制部69の存在により、実施形態に準じた効果が得られる。
・本実施形態において、駆動部30は、ガイドチューブ40を前後方向DRに移動させることが可能な駆動装置であればよい。例えば、駆動部30は、油圧によりピストン35を移動させる油圧駆動装置、電動アクチュエータで直接ガイドチューブ40を駆動させる機構として構成され得る。
本発明は、各種のクラッチ、制動対象物を制動する制動装置に対して適用できる。
1…キャリパ装置、10…キャリパボディ、11…ブラケット、12…支持部材、12a…本体部、12b…腕部、12c…吊下部、12e…ピン受部、12d…ピン受部、12r…支持ピン、12s…支点ピン、12t…バックプレート用ピン、13A…ブレーキレバー、13B…ブレーキレバー、13a…第1レバー、13b…第2レバー、13c…連結部、13d…ピン受部、13e…基端部、13f…基端部、13x…支点部、13y…支点部、14…バックプレート、15…ブレーキパッド、16a…ピン、16b…ピン、20…制動装置、30…駆動部、31…シリンダ、32…外筒、32a…前面部、32b…後面部、33…内筒、33a…内筒前部、33b…内筒後部、34…当接部、35…ピストン、35a…ローラ受部、36…増力機構、37…増力レバー、37a…レバー本体、37b…第1ローラ、37c…第2ローラ、37d…支軸、39…クラッチ装置、40…ガイドチューブ、40A…前部材、40B…後部材、40a…ローラ受部、40b…ばね受部、41…第1付勢部材、41a…前方端、41b…後方端、43…貫通孔、44…蓋体、44a…貫通孔、45…被接触部、45a…被接触面、46…ばね受部、47…スラスト軸受、50…スピンドル、50a…接続部、50b…雄ねじ、50c…前端面、51…軸心、51a…後端面、52…第2付勢部材、53…ストッパ、54…ガイド棒、55…回転止め部材、55a…孔、61…クラッチナット、61a…筒部、61b…係合部、61c…孔、61d…接触面、61e…後歯、61f…雌ねじ、61r…基部、61s…円錐台形部、61x…筒後部、62…位置調整機構、63…拘束部材、64…規制部、64a…孔、64b…突出部、64c…前歯、65…第3付勢部材、69…抑制部、70…溝、71…主溝、72…副溝、74…接触部、79…進入抑制部、81…螺旋溝、82…周溝、83…窪み、84…貫通孔、85…外部通路、86…外部通路、90…接続部材、90a…一端部、90b…他端部、91…嵌合孔、92…アダプタ、92a…フランジ、93…付勢部材、94…転動部材、95…留金、SP…環状空間、SA…圧力室、SB…後部収容室、SR…収容室、ST…軸心内室、SI…空間、SX…空間、C…中心軸線、CS…中心軸線、CN…回転中心軸。

Claims (8)

  1. 接触面の摩擦力によって駆動部で発生させた力を出力部に伝達または切断するクラッチ装置であって、
    当該接触面に残留物の滞留を抑制する抑制部を備えるクラッチ装置。
  2. 前記抑制部は、前記接触面および前記接触面に接触する被接触面の少なくとも一方に形成される溝である
    請求項1に記載のクラッチ装置。
  3. 前記溝は、前記接触面と前記被接触面とが接触する接触部から外れた位置まで延びている
    請求項2に記載のクラッチ装置。
  4. 前記抑制部は、前記接触面および前記被接触面の少なくとも一方に形成される主溝と、前記主溝に交差する副溝を含む
    請求項2または3に記載のクラッチ装置。
  5. 前記接触面の周囲には、前記接触面において前記残留物となって滞留する潤滑剤の進入を抑制する進入抑制部が設けられる
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のクラッチ装置。
  6. 前記抑制部に代えて、前記接触面の周囲には、前記接触面において前記残留物となって滞留する潤滑剤の進入を抑制する進入抑制部が設けられる
    請求項1に記載のクラッチ装置。
  7. 前記残留物を形成する潤滑剤で潤滑される部品を含む制動装置であって、請求項1〜6のいずれか一項に記載のクラッチ装置を備える制動装置。
  8. 駆動部に対して移動することにより制動対象物に力を加える出力部と、前記出力部に設けられるクラッチナットと接触することによって前記駆動部からの動力を出力部に伝達する伝達部材と、前記出力部に設けられる前記クラッチナットの接触面および前記伝達部材の被接触面の少なくとも一方に潤滑剤が残留することを抑制する抑制部とを備える
    制動装置。
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