JP2004340185A - ディスクブレーキ装置の間隙調整装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置の間隙調整装置 Download PDF

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明彦 小池
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Abstract

【課題】摩擦パッドの摩耗の調整時に簡単な構造でオーバーアジャストを防止することができ、また駐車ブレーキの作動時にも摩耗の調整機能が発揮されるディスクブレーキ装置の間隙調整装置を提供する。
【解決手段】駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキ装置は、摩擦パッド12,13をブレーキディスク11に係合させるピストン18と、前進後のピストン18を規定量だけロールバックさせるシール部材17と、ピストン18の背面に当接する出力伝達部材32と、出力伝達部材32に第1ねじ機構S1を介して係合する駐車ブレーキ作動用の入力部材25と、第1ねじ機構S1と逆ねじの第2ねじ機構S2を介して出力伝達部材32に係合するアジャスト部材33と、アジャスト部材35の回転を拘束するクラッチ機構35と、アジャスト部材33を後退方向に付勢するコイルスプリング36とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧で前進するピストンで摩擦パッドをブレーキディスクに係合させることで制動力を発生させるとともに、ピストンが規定量を超えて前進したときに、ピストンの後退位置を規制する後退位置規制手段を前進させて摩擦パッドの摩耗を調整するディスクブレーキ装置の間隙調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるディスクブレーキ装置の間隙調整装置は、例えば下記特許文献により公知である。
【0003】
このディスクブレーキ装置の間隙調整装置は、調整ボルトに多条ねじを介して係合する調整ナットをピストンの後面に当接可能に対向させ、摩擦パッドの摩耗によりピストンが通常のパッドクリアランスを超えて前進したときに、摩擦パッドの摩耗量だけ調整ボルトに対して調整ナットを前進させることで、ピストンを前方に押し出して前記摩耗を調整するようになっている。
【0004】
【特許文献】
実用新案登録第2559345号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のものは、ブレーキキャリパが変形するような大きな油圧でピストンが前進したときに、摩擦パッドの摩耗量を超える過剰な調整(オーバーアジャスト)が行われてブレーキの引きずりが発生するのを防止すべく、特別のオーバーアジャスト防止機構を設けており、そのために部品点数の増加や構造の複雑化を招く問題があった。また摩擦パッドの摩耗の調整機能が発揮されるには油圧による制動時だけであり、駐車ブレーキの作動時には前記調整機能が発揮されないという問題があった。
【0006】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、摩擦パッドの摩耗の調整時に簡単な構造でオーバーアジャストを防止することができ、また駐車ブレーキの作動時にも摩耗の調整機能が発揮されるディスクブレーキ装置の間隙調整装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、油圧で前進するピストンで摩擦パッドをブレーキディスクに係合させることで制動力を発生させるとともに、ピストンが規定量を超えて前進したときに、ピストンの後退位置を規制する後退位置規制手段を前進させて摩擦パッドの摩耗を調整するディスクブレーキ装置の間隙調整装置において、摩擦パッドの摩耗によりピストンが規定量を超えて前進するときに、後退位置規制手段を摩擦パッドの摩耗量に応じて前進させる調整機構と、後退位置規制手段を摩擦パッドの摩耗量に応じて後退させることで、調整機構による後退位置規制手段の前進を一部相殺する調整量修正機構とを備えたことを特徴とするディスクブレーキ装置の間隙調整装置が提案される。
【0008】
上記構成によれば、制動力を発生させるべく油圧でピストンで前進させるときに、摩擦パッドの摩耗によりピストンが規定量を超えて前進すると、ピストンの後退位置を規制する後退位置規制手段を、摩擦パッドの摩耗量に応じて調整機構が前進させるとともに調整量修正機構が後退させることで、調整機構による後退位置規制手段の前進が調整量修正機構により一部相殺される。
【0009】
その結果、1回の油圧制動で摩擦パッドの摩耗量の一部だけが調整され、油圧制動を繰り返すことでやがて摩擦パッドの摩耗量の全量が調整されるので、ピストンに過剰な油圧が作用した場合でも、特別のオーバーアジャスト防止機構を必要とせずにオーバーアジャストの発生を防止することができ、ディスクブレーキ装置の間隙調整装置の構造の簡素化を図ることができる。
【0010】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、駐車ブレーキ作動部材により前進・後退する駐車ブレーキ作動手段を備え、駐車ブレーキ作動手段で後退位置規制手段を前方に押圧することでピストンを前進させて制動力を発生させ、駐車ブレーキ作動手段で後退位置規制手段を後方に牽引する際に、規定量だけ後退するピストンに対して後退位置規制手段を更に後退させることで、調整機構が後退位置規制手段を摩擦パッドの摩耗量に応じて前進させるとともに、調整量修正機構が後退位置規制手段を摩擦パッドの摩耗量に応じて後退させることで、調整機構による後退位置規制手段の前進を調整量修正機構により一部相殺することを特徴とするディスクブレーキ装置の間隙調整装置が提案される。
【0011】
上記構成によれば、駐車ブレーキ作動部材で駐車ブレーキ作動手段を押圧してピストンを前進させ、ピストンで摩擦パッドを押圧して駐車ブレーキを作動させた後に、駐車ブレーキ作動手段を原位置まで後退させたとき、摩擦パッドの摩耗により規定量を超えて前進したピストンは規定量しか後退しないため、ピストンの後退位置を規制する後退位置規制手段を、摩擦パッドの摩耗量に応じて調整機構が前進させるとともに調整量修正機構が後退させることで、調整機構による後退位置規制手段の前進が調整量修正機構により一部相殺される。その結果、駐車ブレーキの1回の作動で摩擦パッドの摩耗量の一部だけが調整され、駐車ブレーキの作動を繰り返すことでやがて摩擦パッドの摩耗量の全量が調整される。
【0012】
このように駐車ブレーキの作動によっても摩擦パッドの摩耗の調整が可能になるので利便性が向上するだけでなく、摩擦パッドの摩耗量の全量を調整するのに要する時間が短縮される。しかも油圧制動時と同様に、ピストンに過剰な荷重が作用した場合でも、特別のオーバーアジャスト防止機構を必要とせずにオーバーアジャストの発生を防止することができ、ディスクブレーキ装置の間隙調整装置の構造の簡素化を図ることができる。
【0013】
また請求項3に記載された発明によれば、摩擦パッドをブレーキディスクに係合させるべく軸線方向に移動可能に配置されて油圧により前進するピストンと、ピストンが前進する際に摩擦力で弾性変形し、その弾性復元力で前進後のピストンを規定量だけ後退させるシール部材と、軸線まわりに回転不能に配置された入力部材と、軸線方向に移動可能かつ軸線まわりに回転可能に配置され、規定量に相当するバックラッシュを有する第1ねじ機構を介して入力部材に係合する出力伝達部材と、軸線方向に移動可能かつ軸線まわりに回転可能に配置され、第1ねじ機構と逆ねじの第2ねじ機構を介して出力伝達部材に係合するアジャスト部材と、アジャスト部材に後向きに設けた第1クラッチ面およびピストンに前向きに設けた第2クラッチ面で構成されて該アジャスト部材の軸線まわりの回転を拘束するクラッチ機構と、出力伝達部材に対してアジャスト部材を後退方向に付勢し、第1、第2クラッチ面が離間したときに出力伝達部材に対してアジャスト部材を相対回転させる付勢手段とを備えたことを特徴とするディスクブレーキ装置の間隙調整装置が提案される。
【0014】
上記構成によれば、制動力を発生させるべく油圧でピストンで前進させるときに、摩擦パッドの摩耗によりピストンが規定量を超えて前進しても、規定量に相当するバックラッシュを有する第1ねじ機構を介して入力部材に係合する出力伝達部材は規定量しか前進できないため、前進するピストンにクラッチ機構を介して係合するアジャスト部材が出力伝達部材を追い越して前進しようとすることで第2ねじ機構がスリップする。その結果、回転不能な入力部材に第1ねじ機構を介して係合する出力伝達部材が回転して相対的に前進することで摩擦パッドの摩耗が調整されるが、これと同時にクラッチ機構の係合により回転を拘束されたアジャスト部材に第2ねじ機構を介して係合する出力伝達部材が回転して相対的に後退することで、第1ねじ機構による摩擦パッドの摩耗の調整量の一部が第2ねじ機構により相殺される。
【0015】
その結果、1回の油圧制動で摩擦パッドの摩耗量の一部だけが調整され、油圧制動を繰り返すことでやがて摩擦パッドの摩耗量の全量が調整されるので、ピストンに過剰な油圧が作用した場合でも、特別のオーバーアジャスト防止機構を必要とせずにオーバーアジャストの発生を防止することができ、ディスクブレーキ装置の間隙調整装置の構造の簡素化を図ることができる。
【0016】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、入力部材が駐車ブレーキ作動部材に接続されて軸線方向に前進・後退可能であることを特徴とするディスクブレーキ装置の間隙調整装置が提案される。
【0017】
上記構成によれば、摩擦パッドが摩耗した状態で駐車ブレーキ作動部材により入力部材を前進させると、入力部材に第1ねじ機構を介して係合する出力伝達部材が前進することで、ピストンが規定量を超えて前進して駐車ブレーキが作動する。駐車ブレーキを解除すべく駐車ブレーキ作動部材により入力部材を後退させると、ピストンはシール部材の弾性復元力により規定量しか後退できないのに対して出力伝達部材は更に後退するために第2ねじ機構がスリップする。
【0018】
その結果、回転不能な入力部材に第1ねじ機構を介して係合する出力伝達部材が回転して相対的に前進することで摩擦パッドの摩耗が調整されるが、これと同時にクラッチ機構の係合により回転を拘束されたアジャスト部材に第2ねじ機構を介して係合する出力伝達部材が回転して相対的に後退することで、第1ねじ機構による摩擦パッドの摩耗の調整量の一部が第2ねじ機構により相殺される。
【0019】
このように駐車ブレーキの作動によっても摩擦パッドの摩耗の調整が可能になるので利便性が向上するだけでなく、摩擦パッドの摩耗量の全量を調整するのに要する時間が短縮される。しかも油圧制動時と同様に、ピストンに過剰な荷重が作用した場合でも、特別のオーバーアジャスト防止機構を必要とせずにオーバーアジャストの発生を防止することができ、ディスクブレーキ装置の間隙調整装置の構造の簡素化を図ることができる。
【0020】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項3または請求項4の構成に加えて、第2ねじ機構が矩形状のねじ山およびねじ溝を有することを特徴とするディスクブレーキ装置の間隙調整装置が提案される。
【0021】
上記構成によれば、第2ねじ機構が矩形状のねじ山およびねじ溝を有するので、第2ねじ機構の摺動摩擦抵抗を減少させてスムーズな作動を可能にすることができる。
【0022】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項5の構成に加えて、第2ねじ機構が合成樹脂製あるいはアルミニウム製であることを特徴とするディスクブレーキ装置の間隙調整装置が提案される。
【0023】
上記構成によれば、第2ねじ機構が合成樹脂製あるいはアルミニウム製であるので、矩形状のねじ山およびねじ溝を金型成形で容易に製造することができる。
【0024】
尚、実施例の第1、第2摩擦パッド12,13は本発明の摩擦パッドに対応し、実施例の駐車ブレーキケーブル24は本発明の駐車ブレーキ作動部材に対応し、実施例の入力部材25は本発明の駐車ブレーキ作動手段に対応し、実施例の出力伝達部材32は本発明の後退位置規制手段に対応し、実施例のコイルスプリング36は本発明の付勢手段に対応し、実施例の第1ねじ機構S1は本発明の調整機構に対応し、実施例の第2ねじ機構S2は本発明の調整量修正機構に対応し、実施例のパッドクリアランスXは本発明の規定量に対応する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0026】
図1〜図10は本発明の一実施例を示すもので、図1はディスクブレーキ装置の横断面図、図2は図1の2部拡大図、図3はピストンに油圧が作用する前の状態を示す図、図4は油圧が作用してピストンが前進した状態を示す図、図5は油圧を解除してピストンが後退した直後の状態を示す図、図6はピストンが後退して1回の調整が完了した状態を示す図、図7は駐車ブレーキを最初に作動させた後の状態を示す図、図8は駐車ブレーキを2回目に作動させた直後の状態を示す図、図9は駐車ブレーキの2回目の作動が完了した状態を示す図、図10は駐車ブレーキを解除した状態を示す図である。
【0027】
図1および図2に示すように、駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキ装置は、車輪と共に回転するブレーキディスク11の両側に第1摩擦パッド12および第2摩擦パッド13が対向して配置されており、これらの第1、第2摩擦パッド12,13は、ブレーキディスク11に当接可能なライニング12a,13aと、ライニング12a,13aの背面に固定された裏板12b,13bとで構成されるもので、その裏板12b,13bが車体に固定されたブラケット14に後記ピストン18の軸線L1方向に移動自在に支持される。またブラケット14には、第1、第2摩擦パッド12,13を跨ぐブレーキキャリパ15が軸線L1方向に移動自在に支持される。
【0028】
尚、本明細書中でピストン18の軸線L1方向の左側を前方とし、右側を後方と定義する。従って、ピストン18が左側に前進して第1摩擦パッド12を押圧すると制動力が発生し、ピストン18が右側に後退すると制動力が解除される。
【0029】
ブレーキキャリパ15は、第1摩擦パッド12の裏板12bに対向する第1挟み腕15aと、第2摩擦パッド13の裏板13bに対向する第2挟み腕15bとを備えており、第1、第2挟み腕15a,15bはブレーキディスク11の外周部を通る架橋部15cにより一体に連結される。第1挟み腕15aには軸線L1上に位置するようにシリンダ16が形成されており、このシリンダ16にシール部材17を介してカップ状のピストン18が摺動自在に嵌合する。第1摩擦パッド12の裏板12bに当接可能に対向するピストン18の先端部はベローズ状のダストカバー19によってシリンダ16の開口端に接続され、またピストン18の凹部に対向する油圧室20はポート15dを介してマスタシリンダ(図示せず)に接続される。
【0030】
尚、図2から明らかなように、シール部材17を保持するシール部材保持溝15fは、シール部材17の左側に隙間15gを持つことで該シール部材17の左側への弾性変形を許容し、シール部材17の右側に隙間を持たないことで該シール部材17の右側への弾性変形を規制している。
【0031】
ブレーキキャリパ15の第1挟み腕15aに紙面に垂直な軸線L2方向に延びる円形断面の凹部15eが形成されており、その内部にブッシュ21を介してレバー軸22が回転自在に収納される。レバー軸22の一端は凹部15eの開口から外部に突出しており、その突出部にレバー23の基端が固定される。レバー23の先端には駐車ブレーキケーブル24が接続されており、この駐車ブレーキケーブル24を牽引することにより、図示せぬリターンスプリングの弾発力に抗してレバー23は矢印A方向に回転する。
【0032】
第1挟み腕15aのシリンダ16の後方に段付きの中継シリンダ16aが同軸に形成されており、その中継シリンダ16aに入力部材25のピストン部25aがシール部材27を介して摺動自在に嵌合する。入力部材25のピストン部25aの後端に形成された凹部25cと、それに対向するレバー軸22の外周面に形成されたカム溝22aとが、軸線L1方向に延びる接続部材28を介して接続される。シリンダ16の右端にクリップ29で固定されたスプリングシート30と入力部材25のピストン部25aの前端との間にコイルスプリング31が配置されており、このコイルスプリング31で入力部材25は後方に、つまりその段部25bが中継シリンダ16aの段部16bに当接する方向に付勢される。
【0033】
入力部材25のピストン部25aの前端から軸線L1上に軸部25dが一体に延びており、その軸部25dの外周に雄ねじが形成される。軸部25dの外周に嵌合する出力伝達部材32の筒状部32aの内周に、前記雄ねじに噛み合う雌ねじが形成される。前記雄ねじおよび雌ねじで構成される第1ねじ機構S1は、概略三角形のねじ山およびねじ溝を有する一条右ねじであり、通常よりも大きめのバックラッシュを有している。出力伝達部材32の左端にフランジ状の押圧部32bが一体に形成されており、その押圧部32bはピストン18の内部底壁に当接可能である。
【0034】
出力伝達部材32の筒状部32aの外周に雄ねじが形成されており、その外周に配置されたアジャスト部材33の筒状部33aの内周に、前記雄ねじと噛み合う雌ねじが形成される。前記雄ねじおよび雌ねじで構成される第2ねじ機構S2は、矩形のねじ山およびねじ溝を有する多条左ねじであり、バックラッシュは殆ど有していない。
【0035】
アジャスト部材33と一体のフランジ部33bの後面に形成した第1クラッチ面33cと、ピストン18の内周に固定したクラッチ部材34の前面に形成した第2クラッチ面34aとは、相互に当接可能なクラッチ機構35を構成する。出力伝達部材32の押圧部32bの後面と、アジャスト部材33のフランジ部33bとの間に、圧縮されたコイルスプリング36とボールベアリング37とが直列に配置される。このコイルスプリング36によって出力伝達部材32に対してアジャスト部材33が後方に付勢され。またボールベアリング37によって出力伝達部材32とアジャスト部材33との相対回転が許容される。
【0036】
本実施例では、ピストン18および入力部材25は鉄製であり、出力伝達部材32はアルミニウム製であり、アジャスト部材33は合成樹脂製である。出力伝達部材32およびアジャスト部材33をアルミニウム製および合成樹脂製とすることで、それらの矩形状のねじ山およびねじ溝を有する雄ねじ部および雌ねじ部を容易に金型成形することができる。仮に、出力伝達部材32およびアジャスト部材33を鉄製とすると、鉄の溶融温度の関係で金型成形することができず、また切削で矩形状のねじ山およびねじ溝を製造しようとすると非常にコストが嵩んでしまう。
【0037】
本実施例では、便宜的に、制動時のピストン18のストローク量、つまり第1摩擦パッド12のライニング12aおよびブレーキディスク11間のクリアランスと、第2摩擦パッド13のライニング13aおよびブレーキディスク11間のクリアランスと和(つまりパッドクリアランスX)は、入力部材25および出力伝達部材32を相互に係合させる第1ねじ機構S1のバックラッシュ量に等しく設定される。
【0038】
但し、現実的には、ブレーキディスク11の回転面の軸線L1方向の振れを吸収するために、パッドクリアランスXは第1ねじ機構S1のバックラッシュ量よりも若干大きく設定される。
【0039】
次に、上記構成を備えた駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキ装置の作用を説明する。
【0040】
先ず、第1、第2摩擦パッド12,13が摩耗していないときの油圧による通常の制動作用を説明する。
【0041】
マスタシリンダに連なるポート15dを介して油圧室20に油圧が供給されると、その油圧を受けたピストン18がシール部材17を弾性変形させながら、図3の初期状態からシリンダ16内をパッドクリアランスXだけ左側に前進し、第1摩擦パッド12をブレーキディスク11の一側面に押し付ける。すると、その反作用でブレーキキャリパ15がピストン18の移動方向と逆方向の右側に移動し、第2挟み腕15bが第2摩擦パッド13をブレーキディスク11の他側面に押し付ける。その結果、第1、第2摩擦パッド12,13がブレーキディスク11の両面に均等な面圧で当接し、車輪を制動する制動力が発生する。
【0042】
ピストン18がパッドクリアランスXだけ左側に前進するとき、ピストン18にクラッチ機構35を介して係合するアジャスト部材33が一体で左側に前進し、このアジャスト部材33に第2ねじ機構S2を介して噛み合う出力伝達部材32も左側に前進する。つまり、ピストン18、アジャスト部材33および出力伝達部材32は一体のまま前進する。
【0043】
ピストン18が前進を開始する前の初期状態では、第1ねじ機構S1の入力部材25の雄ねじに対して出力伝達部材32の雌ねじはバックラッシュ量の範囲内の後退限(右方向の限界位置)にあるため、この初期状態から出力伝達部材32がパッドクリアランスXだけ左側に前進しても、出力伝達部材32の雌ねじはバックラッシュ量の範囲内で移動するだけで、入力部材25の雄ねじを左側に牽引することはなく、入力部材25はコイルスプリング31の弾発力で後退限(右方向の限界位置)に保持される。
【0044】
制動を解除すべく油圧室20に作用する油圧を減圧すると、シール部材17の弾性復元力でピストン18は図3に示す元位置に後退する。この後退量はロールバック量と呼ばれ、そのロールバック量の大きさは正規のパッドクリアランスX、つまり第1、第2摩擦パッド12,13が摩耗していないときのパッドクリアランスXに等しくなる。
【0045】
次に、第1、第2摩擦パッド12,13が摩耗しているときの油圧による制動作用を説明する。このとき、自動間隙調整機構が作動して第1、第2摩擦パッド12,13の摩耗を調整するように、第1ねじ機構S1を介して入力部材25に対して出力伝達部材32を前進させる。
【0046】
第1、第2摩擦パッド12,13の摩耗量をX′とすると、その摩耗量X′分だけピストン18は大きく前進することができるため、ピストンのストローク量はX+X′になる。図3に示す初期状態から油圧でピストン18がストローク量X+X′だけ前進するとき、先ずピストン12がストローク量X(つまり正規のパッドクリアランスX)だけ前進した段階で、入力部材25および出力伝達部材32間の第1ねじ機構S1のバックラッシュが消費され、出力伝達部材32の雌ねじが入力部材25の雄ねじに係合して該入力部材25を左側に前進させる荷重が作用する。しかしながら、入力部材25はばね定数の極めて大きいコイルスプリング31で後方に付勢されているために、出力伝達部材32に引かれて前進することはない。
【0047】
その結果、図4に示すように、ピストン18にクラッチ機構35を介して回転不能に係合したアジャスト部材33に第2ねじ機構S2を介して噛み合う出力伝達部材32が、第2ねじ機構S2をスリップさせながらアジャスト部材33に対して矢印R1方向に相対回転することにより、第1、第2摩擦パッド12,13の摩耗量をX′を調整すべく、移動不能な入力部材25に対して出力伝達部材32が左側に相対的に前進する。このとき、第1、第2摩擦パッド12,13の摩耗量をX′が完全に調整されれば、出力伝達部材32の押圧部32bはピストン18の内部底壁に当接するはずであるが、実際には、前記摩耗量をX′の一部しか補償されず、出力伝達部材32の押圧部32cとピストン18の内部底壁との間には隙間が残存する。
【0048】
なぜならば、出力伝達部材32が入力部材25に対して相対回転することで該入力部材25に対してLupだけ左側に前進しても、出力伝達部材32がアジャスト部材33に対して逆ねじの第2ねじ機構S2を介して噛み合っているため、出力伝達部材32がアジャスト部材33に対して相対回転することで該アジャスト部材33に対してLdnだけ右側に後退してしまうからである。従って、図4における出力伝達部材32の押圧部32bとピストン18の内部底壁との間の隙間の大きさは、出力伝達部材32のアジャスト部材33に対する後退量であるLdnに等しくなる。
【0049】
以下、上記作用を定量的に説明する。
【0050】
ピストン18の1回の作動で出力伝達部材32が入力部材25に対して左側に前進する距離をLupとし、ピストン18の1回の作動で出力伝達部材32がアジャスト部材33に対して右側に後退する距離をLdnとすると、本来必要とされる調整量X′(つまり第1、第2摩擦パッド12,13の摩耗量)は、
X′=Lup+Ldn
で表される。
【0051】
ここで、出力伝達部材32の回転数をnとし、第1ねじ機構S1のピッチをP1とし、第2ねじ機構S2のピッチをP2とし、条数をNとすると、
Lup=nP1
Ldn=nNP2
で表される。
【0052】
従って、ピストン18の1回の作動で調整される量の、本来必要とされる調整量X′に対する比率Rは、
Figure 2004340185
で表される。
【0053】
上式から明らかなように、前記比率Rは、1条ねじである第1ねじ機構S1のピッチP1が大きいほど、また多条ねじである第2ねじ機構S2のピッチP2および条数Nが小さいほど大きくなる。逆に、前記比率Rは、1条ねじである第1ねじ機構S1のピッチP1が小さいほど、また多条ねじである第2ねじ機構S2のピッチP2および条数Nが大きいほど小さくなる。
【0054】
さて、図4の状態から油圧室20の油圧を解除すると、ピストン18の左側への前進時に弾性変形したシール部材17が元の形状にロールバックすることで、ピストン18がロールバック量(つまりパッドクリアランスX)だけ右側に後退する。この後退の過程でピストン18が図4の隙間Ldnだけ後退したとき、図5に示すように、クラッチ機構35が距離Ldnだけ離間し、それに続いて出力伝達部材32が入力部材25に対して更に距離Ldnだけ後退する。その結果、入力部材25の雄ねじに当接していた出力伝達部材32の雌ねじが後方に距離X−Ldnだけ相対移動し、第1ねじ機構S1にX−Ldnの隙間が発生する。このとき、第2ばね機構S2は摩擦力が少ない矩形状のねじ山およびねじ溝を有しているため、スムーズにスリップしてアジャスト部材33および出力伝達部材32を相対回転させる。
【0055】
上述のようにしてシール部材17のロールバックでピストン18が後退する過程でクラッチ機構35が距離Ldnだけ離間すると、クラッチ機構35を係合させるべくコイルスプリング36の弾発力でアジャスト部材33が後方に押圧されて第2ねじ機構S2がスリップする。このとき、出力伝達部材32がピストン18に当接していて回転不能であるため、図6に示すように、アジャスト部材33だけが矢印R2方向に回転して右側に後退することでクラッチ面35が当接する。この状態で、入力部材25の雄ねじに対して、出力伝達部材32の雌ねじは距離X−Ldnだけ後退している。
【0056】
従って、2回目のピストン18の前進時に、ピストンが距離距離X−Ldnだけ前進したときに、入力部材25の雄ねじと出力伝達部材32の雌ねじとが係合し、その後にピストン18の残りの前進ストロークである距離Ldnを前進する間に、前述した1回目の作動時と同様に第1、第2摩擦パッド12,13の摩耗の調整が繰り返される。そして最終的に前記摩耗が完全に調整されたとき、図2に示す初期状態に戻り、入力部材25に対して出力伝達部材32が空動できる隙間はストローク量Xに等しくなる。
【0057】
以上のように、油圧によるピストン18の1回の作動で第1、第2摩擦パッド12,13の摩耗量の一部だけを調整し、ピストン18の作動を繰り返すことで最終的に第1、第2摩擦パッド12,13の摩耗量の全量を調整するので、ブレーキキャリパ15の第1、第2挟み腕15a,15bの間隔が広がるような非常に大きな油圧が作用した場合でも、第1、第2摩擦パッド12,13の摩耗量を超えるような過剰な調整が行われるのを防止することができる。その結果、従来必要であったオーバーアジャスト防止機構を廃止することが可能になり、構造の簡素化によるコストダウンを図ることができる。
【0058】
また第1、第2摩擦パッド12,13の摩耗を調整する第1、第2ねじ機構S1,S2の回転用駆動源が不要であり、入力部材25を軸線L1方向に前進および後退させるだけで調整が行われるため、電動モータのような回転用駆動源が不要になって汎用性が向上する。
【0059】
次に、駐車ブレーキによる制動作用を説明する。
【0060】
ディスクブレーキ装置を最初に組み立てたとき、第1、第2摩擦パッド12,13間にブレーキディスク11を挿入する作業が容易になるように、第1、第2摩擦パッド12,13のパッドクリアランスは正規のパッドクリアランスXに比べて遥かに大きく設定されているため、駐車ブレーキを作動させて間隙調整機能を発揮させることで、初期の大きなパッドクリアランスを詰める作業を行う。
【0061】
図7は駐車ブレーキを1回目の作動が完了した状態を示している。このとき、出力伝達部材32の押圧部32bとピストン18の内部底壁との間には隙間があり、入力部材25に対して出力伝達部材32は第1ねじ機構S1のバックラッシュの範囲の前進端に位置している。その理由は後から説明する。
【0062】
図8に示すように、駐車ブレーキを2回目に作動させるべく、駐車ブレーキケーブル24でレバー23を牽引してカム溝22aで接続部材28を左側に押圧することで、接続部材28に連なる入力部材25のピストン部25aと一体の軸部25dが左側に前進し、その軸部25dに第1ねじ機構S1を介して噛み合う出力伝達部材32が左側に前進する。その結果、出力伝達部材32に押圧されたピストン18が左側に前進し、第1、第2摩擦パッド12,13をブレーキディスク11の両面に当接させることで駐車ブレーキが作動する。
【0063】
出力伝達部材32が左側に前進する過程で、該出力伝達部材32に第2ねじ機構S2を介して係合するアジャスト部材33も一体に前進するため、クラッチ機構35が離間する。その結果、図9に示すように、コイルスプリング36の弾発力で出力伝達部材32に対してアジャスト部材33が矢印R3方向に相対回転して右側に後退し、クラッチ機構35が係合する。その後、入力部材25および出力伝達部材32に押圧されたピストン18が更に左側に前進することで駐車ブレーキが作動する。
【0064】
続いて、駐車ブレーキを解除すべく駐車ブレーキケーブル24を緩めると、図10に示すように、駐車ブレーキケーブル24に接続された入力部材25はコイルスプリング31の付勢力で右方向に大きく後退しようとするが、ピストン18はシール部材17のロールバック量(つまりパッドクリアランスX)しか後退することができないため、第1ねじ機構S1のバックラッシュが消費された後に入力部材25によって出力伝達部材32が右方向に牽引される。このときクラッチ機構35が係合したアジャスト部材33は右方向への移動が規制されているため、第2ねじ機構S2がスリップして出力伝達部材32は矢印R4方向に回転する。
【0065】
上記した出力伝達部材32の回転により、第1ねじ機構S1を介して入力部材25に係合する出力伝達部材32は、該入力部材25に対して距離Lupだけ相対的に左側に前進することで、摩擦パッド12,13の摩耗量の全量を調整しようとする。しかしながら、これと同時に出力伝達部材32はアジャスト部材33に対しても矢印R4方向相対回転することで該アジャスト部材33に対して距離Ldnだけ右側に相対移動するため、その移動量だけ出力伝達部材32の押圧部32bとピストン18の内部底壁との間に隙間が発生する。即ち、この2回目の作動の後も、摩擦パッド12,13の摩耗量の全量が調整されることはなく、距離Ldnに相当する未調整量が残存する。
【0066】
但し、図7および図10を比較すると明らかなように、摩擦パッド12,13の摩耗量の未調整量である距離Ldnは小さくなっている。従って、駐車ブレーキの操作を繰り返すことにより、やがて摩擦パッド12,13の摩耗量の全量が調整される。勿論、油圧による制動と駐車ブレーキの操作とを織りまぜながら実行しても、やがて摩擦パッド12,13の摩耗量の全量が調整される。
【0067】
以上のように、油圧による制動時に摩擦パッド12,13の摩耗量が調整されるだけでなく、駐車ブレーキの操作時にも同様の調整が行われるので、ディスクブレーキ装置の最初の組立時の大きな初期パッドクリアランスを駐車ブレーキを作動させるだけで調整することができる。しかも油圧による制動と駐車ブレーキの操作とを織りまぜながら実行することで、摩擦パッド12,13の摩耗量の全量を早期に調整することができる。
【0068】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0069】
例えば、実施例では第1ねじ機構S1を右ねじとし、第2ねじ機構S2を左ねじとしているが、それを逆にして第1ねじ機構S1を左ねじとし、第2ねじ機構S2を右ねじとしても良い。
【0070】
【発明の効果】
以上のように請求項1あるいは請求項3に記載された発明によれば、1回の油圧制動で摩擦パッドの摩耗量の一部だけが調整され、油圧制動を繰り返すことでやがて摩擦パッドの摩耗量の全量が調整されるので、ピストンに過剰な油圧が作用した場合でも、特別のオーバーアジャスト防止機構を必要とせずにオーバーアジャストの発生を防止することができ、ディスクブレーキ装置の間隙調整装置の構造の簡素化を図ることができる。
【0071】
また請求項2あるいは請求項4に記載された発明によれば、駐車ブレーキの作動によっても摩擦パッドの摩耗の調整が可能になるので利便性が向上するだけでなく、摩擦パッドの摩耗量の全量を調整するのに要する時間が短縮される。しかも油圧制動時と同様に、ピストンに過剰な荷重が作用した場合でも、特別のオーバーアジャスト防止機構を必要とせずにオーバーアジャストの発生を防止することができ、ディスクブレーキ装置の間隙調整装置の構造の簡素化を図ることができる。
【0072】
また請求項5に記載された発明によれば、第2ねじ機構が矩形状のねじ山およびねじ溝を有するので、第2ねじ機構の摺動摩擦抵抗を減少させてスムーズな作動を可能にすることができる。
【0073】
また請求項6に記載された発明によれば、第2ねじ機構が合成樹脂製あるいはアルミニウム製であるので、矩形状のねじ山およびねじ溝を金型成形で容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスクブレーキ装置の横断面図
【図2】図1の2部拡大図
【図3】ピストンに油圧が作用する前の状態を示す図
【図4】油圧が作用してピストンが前進した状態を示す図
【図5】油圧を解除してピストンが後退した直後の状態を示す図
【図6】ピストンが後退して1回の調整が完了した状態を示す図
【図7】駐車ブレーキを最初に作動させた後の状態を示す図
【図8】駐車ブレーキを2回目に作動させた直後の状態を示す図
【図9】駐車ブレーキの2回目の作動が完了した状態を示す図
【図10】駐車ブレーキを解除した状態を示す図
【符号の説明】
11 ブレーキディスク
12 第1摩擦パッド(摩擦パッド)
13 第2摩擦パッド(摩擦パッド)
17 シール部材
18 ピストン
24 駐車ブレーキケーブル(駐車ブレーキ作動部材)
25 入力部材(駐車ブレーキ作動手段)
32 出力伝達部材(後退位置規制手段)
33 アジャスト部材
33c 第1クラッチ面
34a 第2クラッチ面
35 クラッチ機構
36 コイルスプリング(付勢手段)
L1 軸線
S1 第1ねじ機構(調整機構)
S2 第2ねじ機構(調整量修正機構)
X パッドクリアランス(規定量)
X′ 摩擦パッドの摩耗量

Claims (6)

  1. 油圧で前進するピストン(18)で摩擦パッド(12,13)をブレーキディスク(11)に係合させることで制動力を発生させるとともに、ピストン(18)が規定量(X)を超えて前進したときに、ピストン(18)の後退位置を規制する後退位置規制手段(32)を前進させて摩擦パッド(12,13)の摩耗を調整するディスクブレーキ装置の間隙調整装置において、
    摩擦パッド(12,13)の摩耗によりピストン(18)が規定量(X)を超えて前進するときに、後退位置規制手段(32)を摩擦パッド(12,13)の摩耗量(X′)に応じて前進させる調整機構(S1)と、後退位置規制手段(32)を摩擦パッド(12,13)の摩耗量(X′)に応じて後退させることで、調整機構(S1)による後退位置規制手段(32)の前進を一部相殺する調整量修正機構(S2)とを備えたことを特徴とするディスクブレーキ装置の間隙調整装置。
  2. 駐車ブレーキ作動部材(24)により前進・後退する駐車ブレーキ作動手段(25)を備え、駐車ブレーキ作動手段(25)で後退位置規制手段(32)を前方に押圧することでピストン(18)を前進させて制動力を発生させ、駐車ブレーキ作動手段(25)で後退位置規制手段(32)を後方に牽引する際に、規定量(X)だけ後退するピストン(18)に対して後退位置規制手段(32)を更に後退させることで、調整機構(S1)が後退位置規制手段(32)を摩擦パッド(12,13)の摩耗量(X′)に応じて前進させるとともに、調整量修正機構(S2)が後退位置規制手段(32)を摩擦パッド(12,13)の摩耗量(X′)に応じて後退させることで、調整機構(S1)による後退位置規制手段(32)の前進を調整量修正機構(S2)により一部相殺することを特徴とする、請求項1に記載のディスクブレーキ装置の間隙調整装置。
  3. 摩擦パッド(12,13)をブレーキディスク(11)に係合させるべく軸線(L1)方向に移動可能に配置されて油圧により前進するピストン(18)と、
    ピストン(18)が前進する際に摩擦力で弾性変形し、その弾性復元力で前進後のピストン(18)を規定量(X)だけ後退させるシール部材(17)と、
    軸線(L1)まわりに回転不能に配置された入力部材(25)と、
    軸線(L1)方向に移動可能かつ軸線(L1)まわりに回転可能に配置され、規定量(X)に相当するバックラッシュを有する第1ねじ機構(S1)を介して入力部材(25)に係合する出力伝達部材(32)と、
    軸線(L1)方向に移動可能かつ軸線(L1)まわりに回転可能に配置され、第1ねじ機構(S1)と逆ねじの第2ねじ機構(S2)を介して出力伝達部材(32)に係合するアジャスト部材(33)と、
    アジャスト部材(33)に後向きに設けた第1クラッチ面(33c)およびピストン(18)に前向きに設けた第2クラッチ面(34a)で構成されて該アジャスト部材(33)の軸線(L1)まわりの回転を拘束するクラッチ機構(35)と、
    出力伝達部材(32)に対してアジャスト部材(33)を後退方向に付勢し、第1、第2クラッチ面(33c,34a)が離間したときに出力伝達部材(32)に対してアジャスト部材(33)を相対回転させる付勢手段(36)と、
    を備えたことを特徴とするディスクブレーキ装置の間隙調整装置。
  4. 入力部材(25)が駐車ブレーキ作動部材(24)に接続されて軸線(L1)方向に前進・後退可能であることを特徴とする、請求項3に記載のディスクブレーキ装置の間隙調整装置。
  5. 第2ねじ機構(S2)が矩形状のねじ山およびねじ溝を有することを特徴とする、請求項3または請求項4に記載のディスクブレーキ装置の間隙調整装置。
  6. 第2ねじ機構(S2)が合成樹脂製あるいはアルミニウム製であることを特徴とする、請求項5に記載のディスクブレーキ装置の間隙調整装置。
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