JPS5918583B2 - 液圧ブレ−キ作動装置の隙間調節装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、液圧ブレーキ作動装置のピストンの引込位置
を規定するための隙間調節装置に関し、特に、ピストン
と共軸に非回転ストランドと非可逆ねじで結合され、ピ
スト／に対し相対的に軸方向変位可能および回転可能な
、かつ上記ピストンと共軸なナンド、上記ピストンと軸
方向に係合して該ピストンの引込位置を規定する、上記
ナンドを囲む駆動リング、該駆動リングと上記ナンド又
は上記ピストンのいづれ力・との間に有効な可逆ねじ結
合、上記駆動リングと上記ピストン又は上記ナンドのい
づれかとの間に有効な互に協働する二つの摩擦面、およ
び該二つの摩擦面を互に押しつける方向に上記駆動リン
グを軸方向に偏倚する弾性装置を有する型式の隙間調節
装置に関するものである。

上述の型式の隙間調節装置は、西独特許出願公開明細書
第２２３９６０２号（又は対応する特開昭４８−２７１
７３号公報）に記載されているとおり、ピストンで作動
されるブレーキ摩擦素子、例えば摩擦バンドが摩耗する
と、ブレーキ作動時にピストンのストラットに対する相
対的な軸方向変位が過大となるので、それに応じ、駆動
リングとナンドとの間、又は駆動リングとピストンとの
間の可逆ねじの作用によって、ナンドのストラントに対
する１方向の回転を生じ、従って、ナンドとストラット
との間の非可逆ねじの作用により、ナンドのストラット
に対する１方向の軸方向の変位を生じることにより、ナ
ツトのストラットに対する軸方向位置が規定するピスト
ンの引込位置を逐次前進させて正常なブレーキ隙間を維
持しようとするものである。

ナンドはストラットと非可逆ねじで連結されている力・
ら、ピストンに作用する引込方向の荷重力瀞的な力であ
る限り、ナンドがピストン力・ら伝達される軸方向荷重
により回転を生じることはないので、ピストンが、ナン
ドのストラットに対する軸方向位置により規定される所
定の引込位置からさらに押込まれることは阻止される。

２つの部材の間の可逆ねじ結合とは、両部材間に作用す
る軸方向の静的な力が両部材の相対的な回転を生じるよ
うなねじ結合であり、２部材間の非可逆ねじ結合とは、
両部材間に作用する軸方向の静的な力が両部材の相対的
回転を生じ得ないようなねじ結合である。

ねし結合が可逆であるか非可逆である力・は、ねじのピ
ンチ、フランク角および両部材間の螺合面の摩擦係数に
よってき箇る。

非可逆ねじ結合された２部材も、両部材間に作用する軸
方向の力が静的な力でなく衝撃力である場合は、両部材
間の反発現象により螺合面の摩擦抵抗が減じるため、両
部材の相対的な回転を生じる。

従来の上述の型式の隙間調節装置（西独特許出願公開明
細書第２２３９６０２号又は対応する特開昭４８−２７
１７３号公報参照）では、ブレーキが作動されていない
時にピストンが引込方向の衝撃力、即ち「ノンクバンク
」力を受けると、ストランドと該ストラットに非可逆ね
じ結合されたナンドとの間にも衝撃力が作用し、ナンド
がストラットに対し引込方向の軸方向変位を生じるよう
に回転するので、ピストンが所定の引込位置力・ら更に
押込１れる「ノンクバソク」の現象が生じる欠点があっ
た。

本発明の目的は、上述の型式の隙間調節装置に積極的力
・つ確実なノンクバノク防止機能を付与することである
。

本発明は、上述の型式の隙間調節装置にお（・て、上記
ピストンに対し相対的に回転し得ない第１の制御部材と
、上記ナンドに対し相対的に回転し得ない第２の制御部
材と、上記両制御部材の、互に噛合う半径方向のセレー
ションが設けられたそれぞれの表面を互に押付けるよう
に偏倚するばねと力・ら成り、上記ナンドに隙間調節の
ための１方向の回転を許し該ナツトの逆方向の回転を阻
止する滑りラチントクランチを有することを特徴とする
隙間調節装置を提供するものである。

本発明の隙間調節装置は、ピストンにノンクバンクカが
作用してもナンドは隙間調節方向の逆方向の回転が阻止
される力・ら、ピストンの引込位置ヲ規定するナンドの
ストランドに対する軸方向位置はノックバック力の影響
を受けないので、ピストンは、所定の引込位置力・ら更
に押込まれるノンクバソクを生じるおそれがない。

以下、図面を参照して本発明の詳細な説明する。

図面を参照すると、ディスクブレーキの為の液圧作動装
置の中空ピストン１０がシリンダ一本体（図示せず）の
孔の中を摺動可能である。

隙間調節装置のナンド１１はピストン１０の端壁１４の
当り面１３と当る当り面１２を有する。

ナツト１１の雌ねじ１５はストラット（図示せず）の雄
ねじに嵌合し右ねじの非可逆ねじ結合を形成する。

上記ストランドはシリンダ一本体又はピストン１０に対
向する今一つのピストンに支承したカムに押しつけられ
ピストンの直径より小さい直径の部分でシリンダ一本体
又はピストンに封止状態で摺動可能である。

、上記カムは手動ブレーキ作動の為の機械的作動装置と
して作用し手動ブレーキを作動させない時ストラットの
為のストツバ−７１７提供する。

此のストラットと手動ブレーキカムとの詳細な説明につ
いては西独特許出願公開明細書第２２３９６０２号（又
は対応する特開昭４８−２７１７３号公報）及び英国特
許明細書第１１７９２３５号を参照されたい。

隙間調節装置はナンド１１を囲む駆動リング１６と、ピ
ストンの環状溝にスナップ嵌合したばねリング１９に強
いばね１８で偏倚されてピストン１０内に固定された固
定リング１７とを有する。

３本のビン２０と３本のビン２１とがそれぞれピストン
１０の内側の縦溝２２及び２３に嵌められて居り、固定
リング１７はビン２０及び２１の右端乞受入れた切欠き
２４を有する。

従ってビンＺＯ及び２１は固定リング１１の回転を阻止
するキ一部材として作用する。

駆動リング１６はナンド１１の雄ねじ２６と螺合する雌
ねじ２５を有し可逆左ねじ結合２７を形成している。

駆動リング１６は固定リング１７の内側の円錐台摩擦面
２９と係合する外側の円錐台摩擦面２８を有する。

ばね当接ワッシャー３１かばね１８の右端と固定リング
１７との間に配置されその屈曲フィンガー３２がピン２
０及び２１の間で固定リング１７に押しつけられている
。

ばね１８より弱い波形ワンシャーばね３７がワンシャー
３１と駆動リング１６との間で摩擦面２８及び２９を互
に押しつけて液圧作動装置が休止している状態に於て互
に係合した状態に保持する如く作用する。

調節装置は、ブレーキを作動しない時にピストン１４７
１−ら受けるピストン後退方向の衝撃的な力即ちノック
・バソクカによりナツト１１が一方向に回転するの乞積
極的に、力・つ確実に阻止すると共に、隙間調節時に駆
動リング１６との間の可逆ねじの作用によりナンド１１
が反対方向に回転するの乞許す為の滑りラチェントクラ
ッチを含む。

此の滑りラチェントクランチは３つの切欠３５を外周に
有し該切欠に３つのビン２０が嵌って回転乞阻止してい
る第１の制御ワッシャー３４と、ナツト１１に対し固定
された第２の制御ワンシャー３６とを含む。

制御ワッシャー３４及び３６はナツト１１乞囲み、半径
方向のセレーション又は波を形成された組合う正面３７
及び３８を有し第１制御ワンシヤー３４に左端が押しつ
けられた強いばね１８により互に押しつけられている。

第２の制御ワンシャー３６は、ナツト１１の外周の溝に
嵌められたばねリング３９にばね１８の偏倚力により保
持されると共にナンド１１にスプライン嵌合している。

もちろん、制御ワッシャー３６をナンド１１と一体に作
ることも出来る。

ばね１８は当り面１２と同１３とを互に押しつける作用
もすることに注意されたい。

作動装置に液圧を加えると、ピストン１０が左方へ押さ
れ図示されていないストラットハ右方へ押される。

ブレーキライニングが摩耗していない限り、ストラット
と、ばね１８作用下にピストンと共に動くナツト１１と
の間の相対的な移動はストランドとナツト１１との間の
非可逆ねじ結合に於ける雌ねじのねじ山の左フランク側
の軸方向の隙間を取り去るには不充分である。

もしブレーキライニングの摩耗が生ずると、此の雌ねじ
左フランク側の隙間が取り去られストラットに右方へ作
用する液圧はばね１８の力に逆ってナツト１１をピスト
ン１０に対し相対的に右方へ動力・シ当り面１２と同１
３との間を引き離す。

駆動リング１６はばねワンシャー３３の作用下に摩擦ブ
レーキとして作用する円錐摩擦面２８及び２９により回
転を阻止される。

従ってナツト１１がピストン１０に対し相対的に右方へ
移動すると可逆ねじ結合２７の作用によりナツト１１が
ストラット力・ら僅かにねじ戻す方向に回される。

ブレーキを解除すると、ばね１８は右方へ即ち摩擦面２
８及び２９を引離す方向にナツト１１を動力・シ、それ
により駆動リング１６の回転に抵抗する摩擦トルクを比
較的低い値即ちナンド１１の回転に抵抗する摩擦トルク
より小さい値迄減する。

従って、可逆ねじ結合２７はナツト１１のピストン１０
に対する相対的な左方への運動の下に駆動リング１６を
回転させ当り面１２及び１３がナツト１１と共に新たに
調節された位置に来る。

調節装置は単一の調節サイクルの間に行われる調節は調
節サイクルを生ずるライニング摩耗より小さいと云う点
で所謂インクリメンタル（逐次歩進）型に属する。

所要の調節は引続く何回７）６Ｄブレ一キ作動の間に完
了する。

制御ワンシャー３４および３６の半径方向のセレーショ
ンは、円周方向の断面がのこぎり刃の形状をなし、ワッ
シャー３４とワンシャー３６とが互に相対的な回転を阻
止されない方向に回転する時、回転角がセレーションの
１山分を越えない間は、セレーションの斜面のカム作用
により、両ワンシャー３４．３６はばね１８の偏倚力に
抗して軸方向に互に離れる方向に漸次移動する。

ピストン１０がノンクバソクカ即ち後退方向の衝撃力を
受けると、ねじ結合部の隙間のため、表面１２と表面１
３とは衝撃力による反発現象として、瞬間的に互に離れ
る。

表面１２と表面１３とが互に離れると、振動のため（ノ
ンクバソクは自動車の走行中に起り、自動車走行中は、
ブレーキも振動にさらされる）ナンド１１が隙間調節方
向に回転する可能性もあるが、表面１２と表面１３とが
離れるのは瞬間的であって、従って、ナンド１１のＤＯ
転角も制御ワッシャー３４，３６のセレジョンの１山分
を越えない極〈僅力・な角度だけである力・ら、表面１
２と表面１３とが互に当接する位置へ戻る時、ばね１８
の偏倚力および制御ワンシャー３４，３６のセレーショ
ンのカム作用により、ナツト１１は逆方向に回転させら
れて元の位置へ復帰する。

このようにしてノンクバソクカによる隙間不良調節が避
けられる。

なお前述の正常な隙間調節のためには、ナンド１１は、
制御ワンシャー３４．３６のセレーションの少くとも１
山分を越える角度の回転をしなければならないことが理
解されよう。

従って制御ワンシャー３４及び３６は、ナツト１１が調
節サイクルの適当な部分に於てのみ回転するのを可能と
する滑りラチェントクラッチとして作用する。

アンチ・ノンクバンク機能を果す制御ワッシャー３４及
び３６は調節サイクルのうちの駆動リング１１が回され
る部分に於てナンド１１の回転傾抵抗するのにも役立っ
ている。

溝２２及び２３の中のビ／２０及び２１はビン２０と同
２１とが交互に円周方向に等間隔配置されている。

３本のビン２１はビン２０より相当短く、ナンド１１が
例えばブレーキバンドが外れた状態でブレーキ作動が行
われた時の如く異常状態で著しく移動する場合にばね１
８の圧縮を制限する為のワッシャー３４．のストンパー
として役立つ。

図示実施例ではナンド１１と駆動リング１６との間に可
逆ねじを設け、駆動リング１６と固定リング１１との間
に円錐摩擦面を設けているが、ナンド１１と駆動リング
１６との間に円錐摩擦面を設け、駆動リング１６と固定
リング１７との間に可逆ねじ？設けてもよい（西独出願
公開明細書第２２３９６０２号又は対応する特開昭４８
−２７１７３号公報の第１図参照）。

更に今一つの代替案では、円錐摩擦面２８及び２９は反
対方向に傾斜しばねワンシャー３３は駆動リングの右側
に配置され該リングに左方へ作用し可逆ねじ結合２７は
非可逆ねじ結合と同じねじ方向を有する。

此の場合、ｌ調節サイクルの間に駆動リングはブレーキ
作動中に回転しナンドはブレーキ解除中に回転する。

手動ブレーキ作動中に、カムはストラットに、従って非
可逆ねじ結合を介してナツト１１及びピストン１００当
り面１２及び１３に作用してブレーキを機械的に加える
。

手動ブレーキカムを省くならば、ストラットはシリンダ
一本体又はカウンターピストンに取りつける力・それら
と一体に作ることが出来る。

・ 図面の簡単な説明 図面は本発明に依る隙間調節装置を備える液圧ブレーキ
作動装置のピストンの縦断面図。

１０・・・・・・ピストン、１１・・・・・・ナンド、
１２，１３・・・・・・当り面、１５・・・・・・非可
逆ねじ結合、１６・・・・・・駆動リング、１８・・・
・・・ばね、２Ｔ・・・・・・可逆ねじ結合、２８，２
９・・・・・・摩擦面、３３・・・・・・弾性装置、３
４．３６・・・・・・制御部材、３７，３８・・・・・
・セレーション付表面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 液圧ブレーキ作動装置のピストン１０の引込位置を
   規定するための隙間調節装置であって、ピストン１０ど
   共軸に非回転ストランドと非可逆ねじ１５で結合され、
   該ピストンに対し相対的に軸方向変位可能および回転可
   能な、力・つ上記ピストンと軸方向に係合して該ピスト
   ンの引込位置を規定するナンド１１、上記ピストンと共
   軸に上記ナンドを囲む駆動リング１６、該駆動リングと
   上記ナンド又は上記ピストンのいづれ力・との間に有効
   な可逆ねじ結合２５、上記駆動リングと上記ピストン又
   は上記ナンドのいづれ力・との間に有効な互に協働する
   二つの摩擦面２８，２９、および該二つの摩擦面を互に
   押しつける方向に上記駆動リング１６を軸方向に偏倚す
   る弾性装置３３を有する隙間調節装置において、上記ピ
   ストン１０に対し相対的に回転し得ない第１の制御部材
   ３４と、上記ナンド１１に対し相対的に回転し得ない第
   ２の制御部材３６と、上記両制御部材３４．３６の、互
   に噛合う半径方向のセレーションが設けられたそれぞれ
   の表面３７．３８を互に押付けるように偏倚するばね１
   ８と力・ら成り、上記ナツト１１に隙間調節のための一
   方向の回転を許し、該ナンドの逆方向の回転を阻止する
   滑りラチェソトクランチを有することを特徴とする隙間
   調節装置。