<電子素子実装用基板および電子装置の構成>
以下、本発明のいくつかの例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、電子素子実装用基板に電子素子が実装された構成を電子装置とする。また、電子素子実装用基板の上面側に位置するようにまたは電子装置を囲んで設けられた筐体または部材を有する構成を電子モジュールとする。電子素子実装用基板、電子装置およ
び電子モジュールは、いずれの方向が上方若しくは下方とされてもよいが、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方とする。
(第1の実施形態)
図1〜図6を参照して本発明の第1の実施形態における電子モジュール31、電子装置21、および電子素子実装用基板1について説明する。なお、本実施形態では図1、図2および図6では電子装置21を示しており、図2では電子装置21において蓋体12を省略した図を示している。図3では電子モジュール31を示している。また、図4〜図5に電子素子実装用基板1の要部Aの拡大断面図を示す。
電子素子実装用基板1は、基板2を有する。基板2は、上面に複数の電極パッド3を有する。基板2の上面には、複数の電極パッド3のそれぞれと連続した複数の第1導体5aを有する。基板2の上面に位置する複数の第1導体5aは第1導体5aのそれぞれと連続するとともに、複数の第1導体5aの端部に跨って位置した溝部6を有する。基板2は上面に溝部6のそれぞれと連続した複数の第2導体5bを有する。基板2は複数の第1導体5aの上面に位置した第1コート4aを有し、複数の第2導体5bの上面に位置する第2コート4bを有している。
基板2は、上面または下面に電子素子10が実装される実装領域を含んでいてもよい。ここで、実装領域とは少なくとも1つ以上の電子素子10が実装される領域であり、例えば後述する電極パッド3の最外周の内側、蓋体12が実装される領域、またはそれ以外等、適宜定めることが可能である。また、実装領域に実装される部品は電子素子10に限らず、例えばコンデンサ等の電子部品であってもよく、電子素子10または/および電子部品の個数は指定されない。
ここで、図1、図2および図6に示す例では、基板2は複数の絶縁層で構成されているが、例えばモールドで形成された構成、金型等の押圧で形成された構成またはその他の構成であってもよい。基板2を構成する絶縁層の材料は例えば、電気絶縁性セラミックスまたは樹脂が含まれる。
基板2を形成する絶縁層の材料として使用される電気絶縁性セラミックスとしては例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体またはガラスセラミック焼結体等が含まれる。基板2を形成する絶縁層の材料として使用される樹脂としては例えば、熱可塑性の樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂またはフッ素系樹脂等が含まれる。フッ素系樹脂としては例えば、四フッ化エチレン樹脂が含まれる。
基板2は、図1に示すように3層の絶縁層から形成されていてもよい。また、2層以下または4層以上の絶縁層から形成されていてもよい。絶縁層が2層以下の場合には、電子素子実装用基板1の薄型化を図ることができる。また、絶縁層が4層以上の場合には、電子素子実装用基板1の剛性を高めることができる。また、各絶縁層に開口部を設け、設けた開口部の大きさを異ならせた上面に段差部を形成していてもよく、後述する電極パッド3は段差部に設けられていてもよい。
電子素子実装用基板1は例えば、最外周の1辺の大きさは0.3mm〜10cmである。平面視において電子素子実装用基板1が四角形状あるとき、正方形であってもよいし長方形であってもよい。また例えば、電子素子実装用基板1の厚みは0.2mm以上である。
電子素子実装用基板1の基板2は、電極パッド3を有する。ここで、電極パッド3は、
例えば電子素子10または/および電子部品と電気的に接続されるパッドをさしている。また、基板2の上面には、複数の電極パッド3のそれぞれと連続した複数の第1導体5aを有する。さらに、基板2は上面に後述する溝部6のそれぞれと連続した複数の第2導体5bを有する。
また、電子素子実装用基板1は基板2の上面、側面または下面には、外部回路接続用電極が設けられていてもよい。外部回路接続用電極は、基板2と外部回路基板、あるいは電子装置21と外部回路基板とを電気的に接続していてもよい。
さらに基板2には、電極パッド3、第1導体5a、第2導体5bまたは/および外部回路接続用電極以外に、絶縁層間に形成される電極、内部配線導体および内部配線導体同士を上下に接続する貫通導体が設けられていてもよい。これら電極、内部配線導体または貫通導体は、基板2の表面に露出していてもよい。この電極、内部配線導体または貫通導体によって、電極パッド3、第1導体5a、第2導体5bまたは/および外部回路接続用電極はそれぞれ電気的に接続されていてもよい。
電極パッド3、第1導体5a、第2導体5b、外部回路接続用電極、電極、内部配線導体または/および貫通導体は、複数の絶縁層が電気絶縁性セラミックスから成る場合には、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)、銀(Ag)若しくは銅(Cu)またはこれらから選ばれる少なくとも1種以上の金属材料を含有する合金等が含まれる。また、銅からなっていてもよい。また、電極パッド3、第1導体5a、第2導体5b、外部回路接続用電極、内部配線導体または/および貫通導体は、複数の層が樹脂から成る場合には、銅(Cu)、金(Au)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)若しくはチタン(Ti)またはこれらから選ばれる少なくとも1種以上の金属材料を含有する合金等が含まれる。
電極パッド3、第1導体5a、第2導体5b、外部回路接続用電極、電極、内部配線導体または/および貫通導体の露出表面に、さらにめっき層を有していてもよい。この構成によれば、外部回路接続用の電極、導体層および貫通導体の露出表面を保護して酸化を低減することができる。また、この構成によれば、電極パッド3と電子素子10とをワイヤボンディング等の電子素子接続材13を介して良好に電気的接続することができる。めっき層は、例えば、厚さ0.5μm〜10μmのNiめっき層を被着させるか、またはこのNiめっき層および厚さ0.5μm〜3μmの金(Au)めっき層を順次被着させてもよい。
ここで、第1導体5aは電極パッド3と電気的に接続している。また、第2導体5bは第1導体5aとは後述する溝6を挟んで離れて位置している。
電子素子実装用基板1の基板2は第1導体5aと第2導体5bとのそれぞれに連続した溝6を有している。溝6は例えば第1導体5aまたは/および第2導体5bをレーザー等でカットした部分である。一般的に、電気めっき法を用いる場合、隣り合う複数の電子素子実装用基板同士をつなげる配線を側面に露出させる場合がある。側面に露出した配線は、電子素子実装用基板の表面または裏面に露出した電極パッドと電気的に導通しているため、電子素子を実装後は電気特性の低下をきたす原因となる場合がある。
これに対し、本実施形態では、電子素子実装用基板1の基板2は第1導体5aと第2導体5bとのそれぞれに連続した溝6を有している。この溝は、基板2の表面で各電極パッド3と導通する第1導体5aと、電気めっき導通用の第2導体5bとを設け、電気めっき法でめっきを被着後にレーザー等でその第1導体5aと第2導体5bとを絶縁することが可能となる。これにより、電子素子実装用基板1は基板2の側面に配線を側面に露出する
こと、または側面に露出した配線と電極パッド3と導通している内部配線とが導通することを低減させることが可能となる。よって、電子装置21において電子素子10を実装後の電気特性が低下することを低減させることが可能となる。
ここで、溝6とは第1導体5aおよび第2導体5bの間の領域であって、第1導体5aおよび第2導体5bが基板2の表面に位置していない部分のことである。溝6は上面視で基板2の上面が露出していてもよいし、後述するように凹部形状となっていてもよい。
溝6は表面に金属体が被着していてもよい。なおこの時、金属体を介して第1導体5aと第2導体5bとは接続していないことで本実施形態の効果を奏することが可能となる。溝6と連続する側の第1導体5aの端部からの仮想延長線と、溝6と連続する側の第2導体5bの端部からの仮想延長線とは、上面視において、交差して(重なって)いてもよい。
電子素子実装用基板1の基板2は複数の第1導体5aの上面に位置した第1コート4aを有し、複数の第2導体5bの上面に位置する第2コート4bを有している。上述したように、電界めっきを被膜後にレーザー等で溝6を形成することで、電子装置21において電子素子を実装後の電気特性が低下することを低減させることが可能となる。しかしながら、近年、電子素子実装用基板はますます小型化しており、絶縁する領域と電極パッドとの距離が小さくなっている。そのため、第1コート4aおよび第2コート4bがないと、例えば電子素子または電子部品を実装する工程において異方性導電性樹脂、半田、またはダストなどが絶縁領域に付着し、絶縁した第2導体と再度電気的に接続してしまう場合があり、電子素子を実装後に電気特性の低下が発生することが懸念されていた。
これに対し、本実施形態では電子素子実装用基板1の基板2は複数の第1導体5aの上面に位置した第1コート4aを有し、複数の第2導体5bの上面に位置する第2コート4bを有している。この構造により、電極パッド3と連続する第1導体5aと第2導体5bとの間の溝6の近傍に第1コート4aと第2コート4bとで簡易的な壁を設けることが可能となる。よって、溝6に電子素子10を実装する工程等で使用される異方性導電性樹脂、半田、またはダストなどが電極パッド3側から流れるまたはその他の要因で付着することを低減させることが可能となる。これにより、溝6で電気的に絶縁された第1導体5aと第2導体5bとの間が電気的に接続してしまうことを低減させることが可能となる。その結果、電子素子10を実装後に、電子装置21の電気特性が低下することを低減させることが可能となる。
また、本実施形態では第2導体5bの上面に第2コート4bが位置している。電子装置は上面に後述する蓋体を用いる場合がある。このとき、蓋体は後述する蓋体接合材を用いて接合される場合がある。このとき、この蓋体接合材が溝に流れ込むまたは、蓋体接合材を塗布する工程で発生するダスト等が溝に付着することが起因して絶縁した第1導体と再度電気的に接続してしまう場合がある。これにより、電子素子を実装後に電気特性の低下が発生することが懸念されていた。
これに対し、本実施形態のように第2導体5bの上面にも第2コート4bを有することで、蓋体接合材14またはそれを塗布するときに発生するダスト等が溝6に付着することを低減させることが可能となる。これにより、溝6で電気的に絶縁された第1導体5aと第2導体5bとの間が電気的に接続してしまうことを低減させることが可能となる。その結果、蓋体14を実装後に、電子装置21の電気特性が低下することを低減させることが可能となる。
以上のことにより、基板2の側面に配線が露出することまたは露出した配線と電極パッ
ド3が電気的に接続することを低減させ、電気特性を向上させることが可能となるとともに、電気メッキによりめっき被膜を被着することが可能となる。
図1に示す例のように、溝6は第1導体5aと第2導体5bとの間の1か所のみに設けられていてもよいが、例えば2か所以上設けられていてもよい。溝6が2か所以上設けられている時、第1コート5aは電極パッド3の近傍に位置している必要があるが、第2コート5bは第1コート5aと異なる場所であって第2導体5bの上面であればどこに位置していてもよい。
図1に示す例のように、複数の第1導体5aが並んで配置されているとき、第1コート4aは、複数の第1導体5aの上面にまたがって位置していてもよい。複数の第1導体5aの上面に第1コート4aが跨って位置していることで、第1コート4aを形成する工程を簡略化することが可能となる。また、各第1導体5aにそれぞれ第1コート4aが位置している場合、第1コート4aを形成する工程において工程誤差などで、第1コート4aの位置または大きさに誤差が生じ、第1導体5aの上面全体に設けられない場合がある。この時、第1コート4aが複数の第1導体5aを跨っていることで、第1コート4aを設ける工程で誤差が生じたとしても、第1コート4aが第1導体5aを覆えなくなることを低減させることが可能となる。よって本実施形態の効果をより向上させることが可能となる。
図1に示す例のように、複数の第2導体5bが並んで配置されているとき、第2コート4bは、複数の第2導体5bの上面にまたがって位置していてもよい。複数の第2導体5bの上面に第2コート4bが跨って位置していることで、第2コート4bを形成する工程を簡略化することが可能となる。また、各第2導体5bにそれぞれ第2コート4bが位置している場合、第2コート4bを形成する工程において工程誤差などで、第2コート4bの位置または大きさに誤差が生じ、第2導体5bの上面全体に設けられない場合がある。この時、第2コート4bが複数の第2導体5bを跨っていることで、第2コート4bを設ける工程で誤差が生じたとしても、第2コート4bが第2導体5bを覆えなくなることを低減させることが可能となる。よって本実施形態の効果をより向上させることが可能となる。
図1に示す例では、第2コート4bの外辺は基板2の外辺と上面視において重なって位置しているが、第2コート4bの外辺が基板2の外辺よりも上面視において内側に位置していてもよい。図1に示す例のように、電子素子実装用基板1の第2コート4bの外辺は基板2の外辺と上面視において重なって位置していことで、第2導体5bの露出部分を低減させることが可能となる。よって、本実施形態の効果をより向上させることが可能となるとともに、電気メッキで被着するめっき量を低減させることが可能となり、電子素子実装用基板1の低コスト化が可能となる。また、電子素子実装用基板1の第2コート4bの外辺が基板2の外辺よりも上面視において内側に位置していることで、第2コート4bを設ける工程において、第2コート4bが基板2の外辺から外側に突出または基板2の側面に垂れ込むことを低減させることが可能となる。よって、基板2の外寸が大きくなることを低減させることが可能となり、後述する筐体が設置できない、実装エリアに実装できない(入らない)という不具合を低減させることが可能となる。
第1コート4aまたは/および第2コート4bを構成する材料として、例えば電気絶縁性セラミックスまたは樹脂が含まれる。第1コート4aまたは/および第2コート4bを形成する絶縁層の材料として使用される電気絶縁性セラミックスとしては例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体またはガラスセラミック焼結体等が含まれる。基板2を形成する絶縁層の材料として使用される樹脂としては例えば、熱可塑性の樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂またはフッ素系樹脂等が含まれる。フッ素系樹脂としては例えば、四フッ化エチレン樹脂が含まれる。
第1コート4aまたは/および第2コート4bは、絶縁性のペーストからなる膜であってもよいし、絶縁層であってもよい。どちらの場合においても本発明の効果を奏することが可能となる。第1コート4aまたは/および第2コート4bが絶縁性のペーストからなる絶縁膜であることで基板2の薄型化が可能となる。第1コート4aまたは/および第2コート4bが絶縁層であることで、厚みを大きく設けることが可能となる。よって、溝6に電子素子10を実装する工程等で使用される異方性導電性樹脂、半田、またはダストなどが電極パッド3側から流れるまたはその他の要因で付着することをより低減させることが可能となる。これにより、溝6で電気的に絶縁された第1導体5aと第2導体5bとの間が電気的に接続してしまうことを低減させることが可能となり、電子素子10を実装後に、電子装置21の電気特性が低下することを低減させることが可能となる。
第1コート4aまたは/および第2コート4bの材料は基板2と同一であってよい。同一であることで、電子素子10、電子部品等を実装する工程または/および筐体を実装する工程等の加熱の工程において材料差による熱膨張係数の差を小さくすることが可能となる。よって、熱膨張の変化の差によるはがれまたはクラックを低減させることが可能となる。
基板2および第1コート4aまたは/および第2コート4bを構成する材料が、電気絶縁性セラミックスであるとき、基板2と第1コート4aまたは/および第2コート4bは焼結して一体化していてもよい。基板2と第1コート4aまたは/および第2コート4bが焼結して一体化していることで、第1コート4aまたは/および第2コート4bのはがれを低減させることが可能となる。よって、第1コート4aまたは/および第2コート4bが剥がれることで溝6に異物が付着し、溝6で電気的に絶縁された第1導体5aと第2導体5bとの間が電気的に接続してしまうことを低減させることが可能となる。よって、電子素子10を実装後に、電子装置21の電気特性が低下することを低減させることが可能となる。
第1導体5aと第2導体5bとの間の溝6の大きさ(幅)は例えば0.05mm以上であればよい。これにより、溝6をレーザー等で作製する場合の工程誤差が生じたとしても、第1導体5aと第2導体5bとの絶縁性を確保することが可能となる。また、例えば、0.5mm以下であれば、より小型化させることができる。
第1導体5aの端部と第1コート4aの端部および第2導体5bの端部と第2コート4bの端部とは上面視で重なっていてもよいし(面一であってもよいし)、第1コート4aまたは第2コート4bの端部が第1導体5aの端部または第2導体5bの端部よりも内側または外側に位置していてもよい。第1導体5aの端部と第1コート4aの端部および第2導体5bの端部と第2コート4bの端部とは上面視で重なっている場合、溝6をレーザー等で作製するときに同時に第1導体5aの端部と第1コート4aの端部および第2導体5bの端部と第2コート4bを作製することが可能となる。よって、電子素子実装用基板1の工程負荷を低減させることが可能となる。第1導体5aの端部と第1コート4aの端部および第2導体5bの端部と第2コート4bの端部が上面視で第1導体5aの端部または第2導体5bの端部よりも内側または外側に位置している。このことで、溝6をレーザー等で作製する場合において、レーザーが第1コート4aまたは第2コート4bに接触することを低減させることが可能となる。よって、第1コート4aまたは第2コート4bからダストが発生することを低減させることが可能となる。
電子素子実装用基板1の複数の第2導体5bの端部は、第2導体5bの他の箇所よりも
光沢度が小さくてもよい。この構造により、水分およびダスト等が発生し第2導体5bの端部に接触した場合においても腐食などが発生することを低減させることが可能となる。例えば、溝6を作成する工程においてレーザーを使用して溝6を作製するとき、レーザーにより、第2導体5bの端部は酸化し光沢度が小さくなる。これにより、第2導体5bの端部が保護される。よって、例えば電子素子10を実装する工程において、水分などのダストが発生した場合において第2導体5bの端部に接触し腐食などが発生することを低減させることが可能となる。また、レーザー等が基板2と接触すると、ガラス成分が溶融し、第2導体5bの端部に付着することによっても、光沢度が小さくなる。この場合においても、ガラス成分が第2導体5bの端部を覆うことで光沢が薄くなる。これにより、第2導体5bの端部が保護される。よって、例えば電子素子10を実装する工程において、水分などのダストが発生した場合において第2導体5bの端部に接触し腐食などが発生することを低減させることが可能となる。
図4および図5に電子素子実装用基板1の要部Aの拡大図を示す。電子素子実装用基板1の第2導体5bは図1に示す例のように、例えば基板2の外辺まで伸びていてもよいし、図4に示す例のように複数の第2導体5bが1点で重なり、貫通導体等と基板2の内部配線を介して側面に露出していてもよい。このような場合においても、第1導体5aと第2導体5bの上面に第1コート4aと第2コート4bを有していることで、本実施形態の効果を奏することが可能となる。
一般的に、電子素子実装用基板1の露出した電極パッド3の表面に電気めっき法にてめっきを被着する場合、各電極パッド3と接続した導体に直接端子を触れさせて電流を流す方法と、複数の電子素子実装用基板1を縦横に配列し各基板2が電気的に接続した多数個取配線基板の状態で電流を流す方法と、がある。例えば多数個取配線基板状態で電気めっき法にてめっきを被着する場合、図1に示す例のように、第2導体5bが基板2の外辺まで伸びていることで隣り合う電子素子実装用基板1間で直接第2導体5b同士を電気的に接続することができる。また、例えば多数個取配線基板状態で電気めっき法にてめっきを被着する場合、図4に示す例のように、複数の第2導体5bが1点で重なっていることで、基板2の側面を介して隣り合う電子素子実装用基板1間を電気的に接続することができる。この場合、第2導体5bの表面に露出している面積を低減させることが可能となるため、電気メッキで被着するめっき量を低減させることが可能となる。よって、電子素子実装用基板1の低コスト化が可能となる。また、第2導体5bが基板2の表面に露出する面積を低減させることが可能となるため、基板2を大型化することなく基板2の表面に実装する電子部品の数を増やすことが可能となる。よって電子装置21の高機能化および小型化が可能となる。
図4(a)では、隣り合う2つの第2導体5bが1点で重なっており、図4(b)では隣り合う3つの第2導体5bが1点で重なっている。このように、重ねる第2導体5bの数は適宜選択できる。電気めっき法は電流の大きさ(抵抗の大きさ)で被着するめっきの厚みが異なってくるため、めっき被膜の厚みに応じて、適宜重ねる第2導体5bの多さを調整してもよい。
図5に示す例では、複数の第2導体5bは第3導体5cと連続している。このような構造においても、第1導体5aと第2導体5bの上面に第1コート4aと第2コート4bを有していることで、本実施形態の効果を奏することが可能となる。また、面積の大きい第3導体5cに複数の第2導体5bが連続していることで、第2導体5bおよび溝6を形成する前の第1導体5aおよび電極パッド3への電流を均一とすることが可能となる。よって、安定した厚みのメッキを被着することが可能となる。
電子素子実装用基板1が大きい第3導体5cを有するとき、第2コート4b、第2導体
5bまたは/および第3導体5cの表表面を覆っていてもよい。この構造により、第3導体5cの表面に露出している面積を低減させることが可能となるため、電気メッキで被着するめっき量を低減させることが可能となる。よって、電子素子実装用基板1の低コスト化が可能となる。
第3導体5cが第1導体5aまたは/および第2導体5bと同じ材料で構成されていてもよい。
<電子装置の構成>
図1〜図2、図6に電子装置21の例を示す。電子装置21は、電子素子実装用基板1と、電子素子実装用基板1の上面または下面に実装された電子素子10を備えている。
電子装置21は、電子素子実装用基板1と、電子素子実装用基板1に実装された電子素子10を有している。電子素子10の一例としては、例えばCCD(Charge Coupled Device)型またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型等の撮像素子、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子、圧力、気圧、加速度、ジャイロ等のセンサー機能を有する素子、または集積回路等である。なお、電子素子10は、接着材を介して、基板2の上面に配置されていてもよい。この接着材は、例えば、銀エポキシまたは熱硬化性樹脂等が使用される。
電子素子10と電子素子実装用基板1とは例えばワイヤーボンディング、半田ボール、金バンプ等を含む電子素子接続材13で電気的に接続されていてもよい。
電子装置21は、電子素子10を覆うとともに、電子素子実装用基板1の上面に接合された蓋体12を有していてもよい。ここで、電子素子実装用基板1は基板2の枠状部分の上面に蓋体12を接続してもよいし、蓋体12を支え、基板2の上面であって電子素子10を取り囲むように設けられた枠状体を設けてもよい。また、枠状体と基板2とは同じ材料から構成されていてもよいし、別の材料で構成されていてもよい。
枠状体と基板2と、が同じ材料から成る場合、基板2は枠状体とは開口部を設けるなどして最上層の絶縁層と一体化するように作られていてもよい。また、別に設ける、ろう材等でそれぞれ接合してもよい。
また、基板2と枠状体とが別の材料から成る例として枠状体が蓋体12と基板2とを接合する蓋体接合材14と同じ材料から成る場合がある。このとき、蓋体接合材14を厚く設けることで、接着の効果と枠状体(蓋体12を支える部材)としての効果を併せ持つことが可能となる。このときの蓋体接合材14は例えば熱硬化性樹脂または低融点ガラスまたは金属成分から成るろう材等が挙げられる。また、枠状体と蓋体12とが同じ材料から成る場合もあり、このときは枠状体と蓋体12は同一個体として構成されていてもよい。
蓋体12は、例えば電子素子10がCMOS、CCD等の撮像素子、またはLEDなどの発光素子である場合ガラス材料等の透明度の高い部材が用いられる。また蓋体12は例えば、電子素子10が集積回路等であるとき、金属製材料、セラミック材料または有機材料が用いられていてもよい。
蓋体12は、蓋体接合材14を介して電子素子実装用基板1と接合している。蓋体接合材14を構成する材料として例えば、熱硬化性樹脂または低融点ガラスまたは金属成分からなる、ろう材等がある。
電子装置21が図1〜図2、図6に示すような電子素子実装用基板1を有することで、
電子素子10の電気特性が低くなることを低減させることが可能となる。
また、図6に示す例では、電子装置21は蓋体接合材14が溝6を覆っている。このように蓋体接合材14が溝6を覆っていることで、蓋体12を接合する工程のあと、外部からの振動などによってダストが舞い上がったとしても溝6に付着することを低減させることが可能となる。よって、溝6で電気的に絶縁された第1導体5aと第2導体5bとの間が電気的に接続してしまうことを低減させることが可能となり、電子素子10を実装後に、電子装置21の電気特性が低下することを低減させることが可能となる。
<電子モジュールの構成>
図3に電子素子実装用基板1を用いた電子モジュール31の一例を示す。電子モジュール31は、電子装置21と電子装置21の上面または電子装置21を覆うように設けられた筐体32とを有している。なお、以下に示す例では説明のため撮像モジュールを例に説明する。
電子モジュール31は筐体32(レンズホルダー)を有していてもよい。筐体32を有することでより気密性の向上または外部からの応力が直接電子装置21に加えられることを低減することが可能となる。筐体32は、例えば樹脂または金属材料等から成る。また、筐体32がレンズホルダーであるとき筐体32は、樹脂、液体、ガラスまたは水晶等からなるレンズが1個以上組み込まれていてもよい。また、筐体32は、レンズなどを上下左右の駆動を行う駆動装置等が付いていて、電子素子実装用基板1の表面に位置するパッド等と半田などの接合材を介して電気的に接続されていてもよい。
なお、筐体32は上面視において4方向の少なくとも一つの辺において開口部が設けられていてもよい。そして、筐体32の開口部から外部回路基板が挿入され電子素子実装用基板1と電気的に接続していてもよい。また筐体32の開口部は、外部回路基板が電子素子実装用基板1と電気的に接続された後、樹脂等の封止材等で開口部の隙間を閉じて電子モジュール31の内部が気密されていてもよい。
電子モジュール31が図3に示すような電子素子実装用基板1を有することで、電気特性が低くなることを低減させることが可能となる。
<電子素子実装用基板および電子装置の製造方法>
次に、本実施形態の電子素子実装用基板1および電子装置21の製造方法の一例について説明する。なお、下記で示す製造方法の一例は、多数個取り配線基板を用いた基板2の製造方法である。
(1)まず、基板2を構成するセラミックグリーンシートを形成する。例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)質焼結体である基板2を得る場合には、Al2O3の粉末に焼結助材としてシリカ(SiO2)、マグネシア(MgO)またはカルシア(CaO)等の粉末を添加し、さらに適当なバインダー、溶剤および可塑剤を添加し、次にこれらの混合物を混錬してスラリー状となす。その後、ドクターブレード法またはカレンダーロール法等の成形方法によって多数個取り用のセラミックグリーンシートを得る。
なお、基板2が、例えば樹脂から成る場合は、所定の形状に成形できるような金型を用いて、トランスファーモールド法またはインジェクションモールド法等で成形することによって基板2を形成することができる。また、基板2は、例えばガラスエポキシ樹脂のように、ガラス繊維から成る基材に樹脂を含浸させたものであってもよい。この場合には、ガラス繊維から成る基材にエポキシ樹脂の前駆体を含浸させ、このエポキシ樹脂前駆体を所定の温度で熱硬化させることによって基板2を形成できる。
(2)次に、スクリーン印刷法等によって、上記(1)の工程で得られたセラミックグリーンシートに電極パッド3、第1導体5a、第2導体5b、外部回路接続用電極、内部配線導体および貫通導体となる部分に、金属ペーストを塗布または充填する。この金属ペーストは、前述した金属材料から成る金属粉末に適当な溶剤およびバインダーを加えて混練することによって、適度な粘度に調整して作製される。なお、金属ペーストは、基板2との接合強度を高めるために、ガラスまたはセラミックスを含んでいても構わない。
また、基板2が樹脂から成る場合には、電極パッド3、第1導体5a、第2導体5b、外部回路接続用電極、内部配線導体および貫通導体は、スパッタ法、蒸着法等によって作製することができる。また、表面に金属膜を設けた後に、めっき法を用いて作製してもよい。なおこの時、第1導体5aと第2導体5bとは連続して作成することて後述する電気めっき法にて電極パッド3にメッキを被着することが可能となる。なおこの工程において第1コート4aと第2コート4bを所定の部分に、絶縁ペーストを塗布することで作製することが可能となる。
(3)次に、前述のグリーンシートを金型等によって加工する。ここで基板2が開口部またはノッチ等を有する場合、基板2となるグリーンシートの所定の箇所に、開口部またはノッチ等を形成してもよい。また、この時、グリーンシートを第1コート4aと第2コート4bの形に、金型、パンチング、またはレーザー等を用いて第1コート4aと第2コート4bとなる絶縁層を作製していてもよい。
(4)次に基板2の各絶縁層となるセラミックグリーンシートを積層して加圧する。このことにより各絶縁層となるグリーンシートを積層し、基板2(電子素子実装用基板1)となるセラミックグリーンシート積層体を作製してもよい。また、この時、先ほどの工程で作製しておいた第1コート4aと第2コート4bとなる絶縁層を最上層のグリーンシートの上面に積層することで第1コート4aと第2コート4bを設けてもよい。
(5)次に、このセラミックグリーンシート積層体を約1500℃〜1800℃の温度で焼成して、基板2(電子素子実装用基板1)が複数配列された多数個取り配線基板を得る。なお、この工程によって、前述した金属ペーストは、基板2(電子素子実装用基板1)となるセラミックグリーンシートと同時に焼成され、電極パッド3、外部回路接続用電極、内部配線導体および貫通導体となる。
(6)次に、多数個取り配線基板を複数の基板2(電子素子実装用基板1)に分割する前に、それぞれ電気めっき法を用いて、電極パッド3、外部接続用パッドおよび露出した配線導体にめっきを被着させる。
(7)次に、第1導体5aと第2導体5bとの間の溝6となる部分に例えばレーザー等を用いて溝6を作製する。この工程により、溝6が形成され、第1導体5aと第2導体5bとを電気的に絶縁することが可能となる。溝6を形成する方法としては、例えばレーザーで削り取る方法、または薬剤にて溶融させる方法等が挙げられる。また、例えばミニターで溝6となる部分をカットする、スライシング法などで表面をカットする等の機械加工でも作成することが可能となる。
(8)次に、得られた多数個取り配線基板を複数の基板2(電子素子実装用基板1)に分断する。この分断においては、基板2(電子素子実装用基板1)の外縁となる箇所に沿って多数個取り配線基板に分割溝を形成しておき、この分割溝に沿って破断させて分割する方法またはスライシング法等により基板2(電子素子実装用基板1)の外縁となる箇所に沿って切断する方法等を用いることができる。なお、分割溝は、焼成後にスライシング装置により多数個取り配線基板の厚みより小さく切り込むことによって形成することができるが、多数個取り配線基板用のセラミックグリーンシート積層体にカッター刃を押し当てたり、スライシング装置によりセラミックグリーンシート積層体の厚みより小さく切り込んだりすることによって形成してもよい。
(9)次に、電子素子実装用基板1の上面または下面に電子素子10を実装する。電子素子10はワイヤボンディング等の電子素子接続材13で電子素子実装用基板1と電気的に接合させる。またこのとき、電子素子10または電子素子実装用基板1に接着材等を設け、電子素子実装用基板1に固定しても構わない。また、電子素子10を電子素子実装用基板1に実装した後、蓋体12を蓋体接合材14で接合してもよい。
以上(1)〜(9)の工程のようにして電子素子実装用基板1を作製し、電子素子10を実装することで、電子装置21を作製することができる。なお、上記(1)〜(9)の工程順番は指定されない。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態による電子素子実装用基板1について、図7〜図9を参照しつつ説明する。なお、図7は本実施形態における電子素子実装用基板1および蓋体12を省略した電子装置21の形状を示している。図8および図9は図7の要部Bの拡大平面図およびその拡大断面図を示している。
本実施形態における電子素子実装用基板1において、第1の実施形態の電子素子実装用基板1と異なる点は、断面視において基板2は溝6と重なる位置に凹みを有している点である。
図8に図7の要部Bの拡大変形図を示す。図8に示す例では、電子素子実装用基板1は、断面視において基板2が溝6と重なる位置の一部に凹みを有している。例えば、電極パッド、第1導体、および第2導体は1μm〜50μmの厚みが使用される場合がある。このとき、溝も同様の厚みになるが、溝の厚みが薄ければ薄いほど、例えば電子素子または電子部品を実装する工程において異方性導電性樹脂、半田、またはダストなどの量が多い場合においてそれらが溝に付着し、第1導体と第2導体とが導電しやすくなる場合があった。
これに対して、本実施形態では断面視において基板2が溝6と重なる位置の一部に凹みを有している。このことで、例えば第1コート4aまたは/および第2コート4bを超えて異方性導電性樹脂、半田、またはダストなどが溝6に付着したとしても、基板2に凹み部があることでその凹み部でトラップすることが可能となる。よって溝6で電気的に絶縁された第1導体5aと第2導体5bとの間が電気的に接続してしまうことを低減させることが可能となり、電子素子10を実装後に、電子装置21の電気特性が低下することを低減させることが可能となる。
基板2が複数の電気絶縁性セラミックスからなるとき凹み部の深さは複数の絶縁層のうち最上層の1層分以上あってもよい。また、断面視において最上層の途中まで設けられていてもよい。
図8に示す例では、溝6の外縁は基板2の凹み部の外縁よりも外側に位置している。言い換えると、基板2の凹み部の幅よりも第1導体5aと第2導体5bの間の距離が大きい。これにより、凹み部にトラップされた異方性導電性樹脂、半田、またはダスト等が起因して、第1導体5aと第2導体とが導通することを低減させることが可能となる。
図8に示す電子素子実装用基板1を作製する方法として、例えば第1の実施形態の製造方法に加えて、基板2となるセラミックグリーンシートに金型での押圧方法等がある。押圧などで基板2の凹み部となる位置に凹み部をあらかじめ設けておくことで作製することが可能となる。
図9に示す例では、溝6と基板2の凹み部の外縁は上面視において重なって位置している。この場合、溝6をレーザー等で作製するときに同時に基板2の凹み部を作製することが可能となる。よって、工程負荷を低減させることが可能となる。また、溝6と同時に基板2の凹み部を作製することで、溝6の位置と基板2の凹み部の位置の工程誤差を低減させることが可能となる。よって、本実施形態の効果をより向上させることが可能となる。
図9に示す電子素子実装用基板1を作製する方法として、例えば第1の実施形態の製造方法に加えて、第1導体5aおよび第2導体5bをレーザー等で削る工程においてその出力を上げて、レーザー等で基板2を削ることで作製することが可能となる。また、例えばミニターで溝6となる部分をカットする、スライシング法などで表面をカットする等の機械加工でも溝6と基板2の凹み部作成することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態による電子素子実装用基板1について、図10〜図12を参照しつつ説明する。なお、図10〜図12は図7の要部Bの変形した拡大平面図およびその変形した拡大断面図を示している。本実施形態における電子素子実装用基板1において、第2の実施形態の電子素子実装用基板1と異なる点は、断面視において溝6と基板2の凹み部は傾斜を有している点である。
図10〜図12に示す例では、溝部の端部には、傾斜面を有している。このことにより、例えば第1コート4aまたは/および第2コート4bを超えて異方性導電性樹脂、半田、またはダストなどが溝6に付着したとしても、基板2に凹み部があることでその凹み部でトラップすることが可能となる。また、溝6および第1導体5a第2導体5bおよび基板2の凹み部がそれぞれと連続した傾斜を有している。よって、異方性導電性樹脂、半田、またはダストが溝6にとどまらず基板2の凹み部まで到達しやすくなる。よって溝6で電気的に絶縁された第1導体5aと第2導体5bとの間が電気的に接続してしまうことを低減させることが可能となり、電子素子10を実装後に、電子装置21の電気特性が低下することを低減させることが可能となる。
図10に示す例では、溝6、第1導体5a、第1コート4a、第2導体5b、第2コート4bおよび基板2の凹み部がそれぞれと連続した傾斜を有している。図11に示す例では、溝6、第1導体5a、第2導体5bおよび基板2の凹み部がそれぞれと連続した傾斜を有している。図12に示す例では、基板2に設けられた溝6のみ傾斜を有している。これら図10〜図12のいずれの場合にも、本実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。また、傾斜は大きければ大きいほど、言い換えると図10または図11に示す例のような形状であることで、本発明の効果をより向上させることが可能となる。また、図12に示す例のように、傾斜を有するのが基板2の凹み部だけであるとき、傾斜を作製する過程で第1導体5a、第1コート4a、第2導体5bおよび第2コート4bに係る応力を低減させることが可能となる。よって、第1導体5a、第1コート4a、第2導体5bおよび第2コート4bがはがれることを低減させることが可能となる。
図10〜図12に示す電子素子実装用基板1を作製する方法として、例えば第1の実施形態の製造方法に加えて、レーザーで削るまたは金型で押圧することで作製することができる。例えば、図10または図11に示す電子素子実装用基板1を作製する場合は、レーザーを用いて溝6を作成する工程において、側面が傾斜となるよう削ることで作製するこ
とができる。図12示す電子素子実装用基板1を作製する方法としては例えば、基板2となるセラミックグリーンシートを準備する工程または積層する工程において、金型等で押圧し、またはレーザー等で削ることで基板2に位置する凹み部の傾斜を作成することが可能となる。その前後で第1導体5a等を作成することで図12に示す電子素子実装用基板1を作製することが可能となる。
なお、本発明は上述の実施形態の例に限定されるものではなく、数値などの種々の変形は可能である。また、例えば、各図に示す例では、電極パッド3の形状は上面視において矩形状であるが、円形状やその他の多角形状であってもかまわない。また、本実施形態における電極パッド3の配置、数、形状および電子素子の実装方法などは指定されない。また、コートの厚さ、幅は一定でなくてもよく、直線状でなくてもよい。なお、本実施形態における特徴部の種々の組み合わせは上述の実施形態の例に限定されるものではない。