JP2019202776A - 自動車両用のサスペンションアームとその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】材料を追加することなく、部品の軽量と剛性という逆説的な互いに相反する要求を満たすサスペンションアームを提供する。【解決手段】開放断面形状を有する前記部品は、構造部品(10)の少なくとも１つの表面上で、外側と内側の周縁(10.1)との間の見かけ上の中空部分の全部または一部に、硬質金属材料を用いて作られた少なくとも１つのカバーシート(11-12)を結合し、このようにしてカバーシートを構造部品の周縁部の端部(10.7)に結合させて機械的に固定し、前記部品の開口側に形成された内部空洞の全部または一部を覆う。前記カバーシートは、構造部品の剛性を高める、前記部品と一体のまま、それらの平面内で変形することによって衝撃を吸収する、構造部品の質量の減少を可能にし、質量／性能比の最適化を可能にする、３つの機能を有する点で優れている。【選択図】図３

Description

本発明は、サスペンションアーム、ピボット、および他の類似の部品等の自動車構造部品に関する。
本発明はまた、アルミニウムおよび類似のタイプの軽合金からなる材料を鋳造または鍛造する技術分野、並びに、鋳造および鍛造の操作を組み合わせる技術分野に関する。
本発明はより具体的には、上記構造部品の考慮される機能性に関して、高度で特有の仕様を満たす自動車の構造部品の製造に関する。

自動車両、大型車両、および他の類似の車両の分野におけるそれらの用途に関する限り、非常に厳しい技術的なおよび環境的な応力と制約を受けることは事実である。その仕様はたとえば、耐久、衝突、および座屈による応力への耐性、並びに、溶接の品質要求レベルを意図している。これらの構造部品の応力は、特に車両の場合、土壌状態、車両の横揺れ、スピードの増加に伴う振動の増加によっても顕著となる。車両衝突の場合、これらの部品は変形または破損で生じる慣性効果によって非常に容易に損傷することがよくある。

これらの仕様を満たすために、製造業者、主に鋳造および／または鍛造を専門とする会社は、衝撃およびより一般的な応力に対する耐性の高いこれらの構造部品の特定の形態を探求している。例えば、公知方法において、構造部品は「Ｈ」として定められる断面を有し、その断面の母線は応力の方向に対して垂直方向である。

図１および図２に、「Ｈ」断面を有する従来技術のタイプのサスペンションアームの構造部品の例を示す。前側および後側にある部品（１）を、最も高い応力の方向を示す矢印(F1)と共に、示す。

この上記部品(1)は、最終的な所望形状を直接的に取得する１つの鋳造および／または鍛造の工程によって、あるいは、鋳造とそれに続く鍛造の２つの連続操作を組み合わせる「コバプレス（COBAPRESS）」と称される工程の実施によって、得られることを留意すべきであろう。このことは、1983年以来、出願人によって開発され遂行された欧州特許第119365号明細書に述べられている。

部品（１）の構成はたとえば、その用途に応じて高さが増減する補剛端（１ａ）を決定する助けになる。特定の機能を有しない穴（１ｂ）はたとえば、部品（１）の長手方向の中央平面のいずれかの側に形成される。部品の末端（１ｃ）、（１ｄ）は、公知の変更方法で、スリーブ（１ｅ）あるいは固定リング、および固定部品（１ｆ）を有して設計される。

「Ｈ」部品におけるこれらの幾何学的形状の最適化は、より良い質量／性能比を有する部品を提供することができる。加えて、固体力学の基本的な考えによれば、等質量であれば、筒は断面が全て満たされたロッドよりも大きな剛性を有することが知られている。

このタイプの構造部品の製造業者の探求はたとえば、慣性が中立軸から遠く離れている部分または中空領域を有する構造部品を設計して、部品の質量を最小にしつつ、二次モーメントの最適化と、作業に対するより取扱い性能の向上である。

しかしながら、この構造部品の形態の最適化の探求は、その質量を低減する一方で部品の優れた剛性を確保し、上記技術的なおよび環境的な応力と制約を考慮しなければならない。換言すれば、課題は、材料を追加することなく、部品の軽量と剛性という逆説的な互いに相反する要求を満たすことであった。

出願人によって提供される解決手段は、鋳造、並びに、登録商標「コバプレス（COBAPRESS）」および欧州特許第119365号明細書の下で公知の鋳造および鍛造の組合せプロセスによって得られるいずれの構造部品においても、上記の要求を充分に満たす。

また、韓国特許第2012 0030852号明細書において、サスペンション部品の末端固定部に関して、固体ボディの外表面にあり、破断現象を制限するあるいは防止するために関連した露出補剛部品を有する自動車両用のサスペンション部品の製造が知られている。

独国特許第10217209号明細書において、ホイールサスペンション用の軽合金アームからのアームの生成が知られている。実際に、この文献によれば、アームは、末端部品(5および11)上に中空の内体積を規定して固定された２つの平行なプレートの追加を含んでいる。そのような組立品の製造は、複数の部品間の接続を確実化するために、 多くの操作を伴い、複雑である。

さらに、この文献には、複雑な形態で低減された部分を有する部品について記載されており、それは、高機械的特性を有する軽鋳鉄合金を用いる鋳造プロセスによって容易に得ることはできない。

これら文献のいずれも、鍛造あるいは鋳造の単一プロセスによって得られる単一部品の製造を実現できない。

本発明の第１の特徴によれば、少なくとも鋳造および／または鍛造の操作によって得られる中空構造部品の製造方法であって、ＨあるいはＵの型に限定されない開口断面形状を有する中空構造部品は、開放断面形状を有する前記部品は、構造部品の少なくとも１つの表面上で、外側と内側の周縁との間の見かけ上の中空部分の全部または一部に、硬質金属材料を用いて作られた少なくとも１つのカバーシートを結合し、このようにしてカバーシートを構造部品の周縁部の端部に結合させて機械的に固定し、前記部品の開口側に形成された内部空洞の全部または一部を覆っているカバーシート、および前記カバーシートは、構造部品の剛性を高める、前記部品と一体のまま、それらの平面内で変形することによって衝撃を吸収する、構造部品の質量の減少を可能にし、質量／性能比の最適化を可能にする、３つの機能を有する点で注目に値する。

これらのおよび他の特徴は、以下の説明から明らかとなるであろう。

本発明は以下の図面によって示されるが、これら図面に限定されるものではない。
図１および図２は、矢印(F1)による同一の応力領域を有する従来技術に係る構造部品の一例の上面図である。 図１および図２は、矢印(F1)による同一の応力領域を有する従来技術の構造部品の一例の上面図である。 「Ｈ」断面を有する例において、カバーシートの受けおよび固定前の本発明に係る構造部品のプレ組立斜視図である。 図３の構造部品の組立およびカバーシート固定後の図である。 図４のAA線断面図である。 複雑で図３に示す構造部品とは異なる形態の部分斜視図である。 図７、図８、図９はそれぞれ、図６の構造部品がカバーシートによって部分的に被覆され、さらに、このカバーシートによって完全に被覆された状態の上面図である。 図７、図８、図９はそれぞれ、図６の構造部品がカバーシートによって部分的に被覆され、さらに、このカバーシートによって完全に被覆された状態の上面図である。 図７、図８、図９はそれぞれ、図６の構造部品がカバーシートによって部分的に被覆され、さらに、このカバーシートによって完全に被覆された状態の上面図である。

ここで、本発明の内容をより具体化するために、図面に示された内容を非網羅的な方法で説明しよう。

本発明は、たとえば自動車両、重量トラック、およびこのタイプの他の車両の構成要素として使用されるがこれらに限定されない、接地を含む中空構造部品の設計および製造に関する。

これらの中空構造部品はたとえば、非網羅的に、サスペンションアーム、ピボット、ロッド、ウィッシュボーンを含み、技術的におよび環境的に非常に大きな応力を受ける。これらの部品(10)は鋳造または鍛造によって作製される，または前述の欧州特許によって提供される情報に基づく，鋳物鋳造法とそれに続く鍛造との組み合わせたCOBAPRESS法により得られる。それらの形状及び外形は（横方向で）開口しており、例えば，Ｈ部分の場合，例えば中央接続物(10.4)の両側に、周縁(10.1)、１つまたは複数の中空内部または空洞(10.2)(10.3)を有するが，特にＵ型あるいはＨ型に限定されない。末端(10.5)(10.6)は、その要求および用途に応じて、リングあるいはスリーブからなる固定領域を設けられる。

本発明によれば、中空構造部品(10)は、前側および／または後ろ側の開口を有する表面上に、構造部品の内と外の周縁部の端部（１０．７）に重ね合わせて位置決め固定し，構造部品に追加する形状を有する，１つまたはそれ以上のカバーシート(11-12)を受ける。カバーシート(11-12)はたとえば、構造部品の（前側および後ろ側の）開口表面上に形成された内部空洞を全体的にあるいは部分的に覆う。

例として、図４及び図８に部分カバーを示し、図９にフルカバーを示す。

中空構造部品は、形状および用途に応じて、特定機能のための１つまたはそれ以上の開口(10.8)を有することができ、この場合、プレートは必要に応じて列をなして、１つまたはそれ以上の開口(11.1)(12.1)を有することができる。

中空構造部品は好ましくは金属材料からなり、特に好ましくはアルミニウム合金からなる。

カバーシート(11-12)は、位置決め、及び、組立、溶接、ねじ込み、接着、リベット締め、ろう付け等の任意の方法を用いた固定及び、手段(13)による機械的な接続を確実にするために、構造部品の材料に対応した金属材料からなる。それらはたとえば、平坦なあるいは成形されたシートである。例として、溶接ビード(13)がたとえば構造部品の周辺縁の端部上に取り付けられ、あるいは構造部の形状に応じて定められる。

本発明の他の態様において、カバーシートは、間に空間を残した１つまたはそれ以上の 部材からなるものでもよい。上記シートの位置は、プレート接続の仕様および部品に要求される性能を考慮して、製造業者によって決定される。

本発明は、受ける構造部品の多少複雑な形状に対して広く適応性を残しておくことが好ましい。

カバーシート(11-12)は、構造部品に対して堅く取り付けられ、溶接される。これらのシートは３つの機能を有する。すなわち：

−それらは、構造部品の剛性を増加させることができる、
−それらは、構造領域が破壊するまで、部品に不可欠な状態（integral）を保ちながら、それらの平面の変形により、異常なおよび／または偶発的な応力に対する、固有の衝撃を吸収することができる、
−それらはまた、質量／性能比の最適化を可能とする。

少なくとも鋳造、鍛造または鋳造-鍛造のハイブリッド操作によって得られる中空構造部品の製造方法において、開放断面形状を有する前記部品は、構造部品の少なくとも１つの表面上で、外周縁と内周縁との間の見かけ上の中空部分の全部または一部に、硬質金属材料を用いて作られた少なくとも１つのカバーシートを結合し、そして、このように前記カバーシートが構造部品の周縁部分の端部に結合してカバーシートを機械的に固定し、前記カバーシートが、構造部品の剛性を確実にし、それらの平面内で変形することによって衝撃を吸収する点で注目に値する。

利点は本発明から明らかであり、最初にこの製造の革新的な特質、構造部品とカバーシートとの間の接続を完全に制御し，作成が比較的シンプルであることを強調する。質量／性能比の最適化を強調する。

このように、本発明によって開発および実現された解決手段は、すべての機械特性の軽鋳鉄合金を用い，上記のコバプレス（COBAPRESS）法によって実施可能な鋳造および／または鍛造によって得られる単一の部品を提供し，この部品は，剛性を高めるシートを受ける区域を含む。この解決手段では、シートの追加によって補剛される必要最少限の材料を係合させることにより、部品のすべての機能領域を同時に鋳造できる。

従来技術の文献は、この課題に対応しておらず、また、本発明の解決手段を示唆していない。

Claims (6)

1. 少なくとも鋳造および／または鍛造の操作によって得られる中空構造部品の製造方法であって、ＨあるいはＵ型に限定されない開口断面形状を有する中空構造部品の製造方法であって、
   構造部品の少なくとも１つの表面上で、外側と内側の周縁(10.1)の間の中空部分の全体または一部に、硬質金属材料を用いて作られた少なくとも１つのカバーシート(11-12)を結合し、
   このようにしてカバーシートを前記構造部品の前記周縁の端部(10.7)に結合させて機械的に固定し、
   前記カバーシート(11-12)は前記部品の開口側に形成された内部空洞(10.2)(10.3)を全体的にあるいは部分的に覆い、
   前記カバーシートは、前記構造部品の剛性を増加させる、前記部品と一体のまま、それらの平面内で変形することによって衝撃を吸収する、記構造部品の質量を低減して質量／性能比の最適化を可能とする、の３つの機能を有することを特徴とする、中空構造部品の製造方法。
2. 少なくとも鋳造および／または鍛造の操作によって得られ、ＨあるいはＵ型に制限されない開口形状を有し、周縁(10.1)と中空空洞(10.2)(10.3)とを有し、端部(10.5)(10.6)が固定領域に配置された中空構造部品であって、
   前記構造部品(10)の少なくとも１つの表面は、当該開口表面に、前記部品に付加する形状を有し、接続手段(13)を重ね固定することによって、内側と外側の前記周辺縁のそれぞれのエッジ(10.7)上に配置および固定される１つまたはそれ以上のカバーシート(11-12)を受け、
   前記カバーシート(11-12)は前記部品の開口側に形成された内部空洞(10.2)(10.3)を全体的にあるいは部分的に覆い、
   前記カバーシートは、前記構造部品の剛性を増加させる、前記部品と一体のまま、それらの平面内で変形することによって衝撃を吸収する、記構造部品の質量を低減して質量／性能比の最適化を可能とする、の３つの機能を有することを特徴とする、中空構造部品。
3. 前記構造部品は、開口(10.8)と、開口(11.1)(12.1)を有する前記シート(11-12)とを有することを特徴とする、請求項２に記載の中空構造部品。
4. 前記カバーシート(11-12)は、前記構造部品の材料に対応した金属材料からなることを特徴とする、請求項２に記載の中空構造部品。
5. 前記カバーシート(11-12)は、機械的な接続を確実化するために、組立、溶接、ねじ込み、接着、リベット締め、ろう付け等の任意の方法によって、前記構造部品に固定されたことを特徴とする、請求項２に記載の中空構造部品。
6. 車両用であることを特徴とする、請求項２〜５のいずれかに記載の中空構造部品。

Images