JP2015528771A - 自動車両用のサスペンションアームとその製造方法 - Google Patents

Abstract

本発明の方法は優れており、この方法においては、外側と内側の周辺縁(10.1)の間の中空部の全体または一部の上の構造部品(10)の少なくとも１つの表面に、硬質金属材料を用いて形成された少なくとも１つのカバーシート(11-12)を結合し、たとえば構造部品の周辺縁のエッジ(10.7)に結合されたカバーシートを機械的に固定し、カバーシート(11-12)は部品の開口側に形成された内穴(10.2)(10.3)を全体的にあるいは部分的に覆い、カバーシートは、構造部品の剛性を増加させる、部品と共に全体が残っている間、それらの平面における変形による衝撃を吸収する、構造部品の質量を低減して質量／性能比の最適化を可能とする、の３つの機能を有する。【選択図】図３

Description

本発明は、サスペンションアーム、ピボット、および他の類似の部品等の自動車構造部品に関する。
本発明はまた、材料を鋳造または鍛造してアルミニウムおよび類似のタイプの軽合金とする技術分野、並びに、鋳造および鍛造の操作を組み合わせる技術分野に関する。
本発明はより具体的には、上記構造部分の考慮される機能性に関して、高度で特有の仕様を満たす自動車の構造部品の製造に関する。

これらは実際、自動車両、大型車両、および他の類似の車両の分野におけるそれらの適用に関する限り、非常に厳しい技術的なおよび環境的な負荷と制約を受ける。その仕様はたとえば、耐久、衝突、および座屈による負荷、並びに、溶接の品質要求レベルのために意図される。これらの構造部品の負荷はまた、特に車両の場合には、土壌状態、車両回転、振動中で増加するその速度によって顕著となる。車両衝突の場合、これらの部品はしばしば変形で生じる慣性効果あるいは単にクラックによって非常に容易にダメージを受ける。

これらの仕様を満たすために、製造業者、主に鋳造および／または鍛造を専門とする会社は、衝撃およびより一般的な負荷に対する耐性の高いこれらの構造部品の特別形態を探索するであろう。例えば、公知方法において、構造部品は「Ｈ」と示される断面を有し、その断面の母線は負荷の方向に対して垂直方向である。

図１および図２に、「Ｈ」断面を有する従来技術のタイプのサスペンションアームの構造部品の例を示してある。
前側および後側にある部品(1)を、最も高い負荷の方向を示す矢印(F1)と共に、示してある。

この上記部品(1)は、最終的な所望形状を直接的に取得する１つの鋳造および／または鍛造の工程によって、あるいは、鋳造とそれに続く鍛造の２つの連続操作を組み合わせる「コバプレス（COBAPRESS）」と称される工程の実施によって、得られることを留意すべきであろう。このことは、1983年以来、出願人によって開発され遂行された欧州特許第119365号明細書に述べられている。

部品(1)の外形はたとえば、その適用に応じて多少の高さを有する補剛端(1a)を示すことができる。特に機能を有しない穴(1b)はたとえば、部品(1)の長手方向の中央平面のいずれかの側に形成される。部品の末端(1c)、(1d)は、公知の変更方法で、スリーブ(1e)あるいは固定リング、および固定部品(1f)を有して設計される。

「Ｈ」部品におけるこれらの幾何学的形状の最適化は、より良い質量／性能比を有する部品を提供することができる。加えて、固体力学の基本的な考えによれば、等質量であれば、筒は完全断面のロッドよりも大きな剛性を有することが知られている。

このタイプの構造部品の製造業者の探索はたとえば、部品の質量は可能な限り最小化しつつ、２次時間、負荷に対する耐性に関する性能の向上を最適化するために、中空断面、あるいは慣性力が中心軸から離れる領域を有する構造部品を設計することである。

しかしながら、この構造部品の形態の最適化の探索は、その質量を低減する一方で部品の優れた剛性を確保し、上記した技術的なおよび環境的な負荷と制約を考慮しなければならない。換言すれば、課題は、材料を追加することなく、部品の軽量と剛性という逆説的な互いに相反する要求を満たすことであった。

出願人によって提供される解決手段は、鋳造、並びに、登録商標「コバプレス（COBAPRESS）」および欧州特許第119365号明細書の下で公知の鋳造および鍛造の組合せプロセスによって得られるいずれの構造部品においても、上記の要求を充分に満たす。

また、韓国特許第2012 0030852号明細書において、サスペンション部品の末端固定部に関して、固体ボディの外表面にあり、破断現象を制限するあるいは防止するために関連した露出補剛部品を有する自動車両用のサスペンション部品の製造が知られている。

独国特許第10217209号明細書において、ホイールサスペンション用の軽合金アームからのアームの生成が知られている。実際に、この文献によれば、アームは、末端部品(5および11)上に中空の内体積を規定して固定された２つの平行なプレートの追加を含んでいる。そのような組立品の製造は、複数の部品間の接続を確実化するために、 多くの操作を伴い、複雑である。

さらに、この文献には、複雑な形態で低減された部分を有する部品について記載されており、それは、高機械的特性を有する軽キャスト鉄合金を用いる鋳造プロセスによって容易に得ることはできない。

これら文献のいずれも、鍛造あるいは鋳造の単一プロセスによって得られる単一部品の製造を実現できない。

本発明の第１の特徴による、少なくとも鋳造および／または鍛造の操作によって得られ、タイプＨあるいはＵに限定されないオープン断面形状を有する中空構造部品の製造方法は優れており、この方法において、外側と内側の周辺縁(10.1)の間の中空部の全体または一部の上の前記構造部品(10)の少なくとも１つの表面に、硬質金属材料を用いて形成された少なくとも１つのカバーシート(11-12)を結合し、前記カバーシート(11-12)は前記部品の開口側に形成された内穴(10.2)(10.3)を全体的にあるいは部分的に覆い、前記カバーシートは、前記構造部品の剛性を増加させる、前記部品と共に全体が残っている間、それらの平面における変形による衝撃を吸収する、記構造部品の質量を低減して質量／性能比の最適化を可能とする、の３つの機能を有する。

これらのおよび他の特徴は、以下の説明から明らかとなるであろう。

本発明は以下の図面によって示されるが、これら図面に限定されるものではない。
図１および図２は、矢印(F1)による同一の負荷領域を有する従来技術に係る構造部品の一例の上面図である。 図１および図２は、矢印(F1)による同一の負荷領域を有する従来技術の構造部品の一例の上面図である。 「Ｈ」断面を有する例において、カバーシートの受けおよび固定前の本発明に係る構造部品のプレ組立斜視図である。 図３の構造部品の組立およびカバーシート固定後の図である。 図４のAA線断面図である。 複雑で図３に示す構造部品とは異なる形態の部分斜視図である。 図７、図８、図９はそれぞれ、図６の構造部品がカバーシートによって部分的に被覆され、さらに、このカバーシートによって完全に被覆された状態の上面図である。 図７、図８、図９はそれぞれ、図６の構造部品がカバーシートによって部分的に被覆され、さらに、このカバーシートによって完全に被覆された状態の上面図である。 図７、図８、図９はそれぞれ、図６の構造部品がカバーシートによって部分的に被覆され、さらに、このカバーシートによって完全に被覆された状態の上面図である。

ここで、本発明の内容をより具体化するために、図面に示された内容を非網羅的な方法で説明しよう。

本発明は、特に制限されないが、たとえば自動車両、重量トラック、およびこのタイプの他の車両の構成要素として使用される、接地接続を含む中空構造部品の設計および製造に関する。

これらの中空構造部品はたとえば、非網羅的に、サスペンションアーム、ピボット、ロッド、ウィッシュボーンを含み、技術的におよび環境的に非常に大きな負荷を受ける。これらの部品(10)は鋳造または鍛造によって作製される。あるいは、上記欧州特許によって提供される情報に基づいて、鋳造およびそれに続く鍛造を組み合わせたコバプレス（COBAPRESS）法によって得られる。それらの外形はオープンであり（横に広がっている）、特に制限されないが、たとえばＵタイプあるいはＨタイプである。これらは、「Ｈ」断面の場合、たとえば中央接続部(10.4)の一方の側に、周辺縁(10.1)と１つまたはそれ以上の中空内部あるいは穴(10.2)(10.3)を有する。末端(10.5)(10.6)は、その要求および適用に応じて、リングあるいはスリーブからなる固定領域を有して設計される。

本発明において、中空構造部品(10)は、前側および／または後ろ側の開口を有する表面上に、構造部品の外形に付加する外形を有する１つまたはそれ以上のカバーシート(11-12)を受ける。カバーシート(11-12)は、重ねによって、内側および外側の周辺縁のそれぞれのエッジ(10.7)上に配置され固定される。カバーシート(11-12)はたとえば、構造部品の（前側および後ろ側の）オープン表面上に形成された内穴を全体的にあるいは部分的に覆う。

例として、図４、図８に部分カバーを示し、図９にフルカバーを示しておく。

その形状および適用に応じて、中空構造部品は、特定機能のための１つまたはそれ以上の開口(10.8)を有することができ、この場合、プレートは必要に応じて同一線上に１つまたはそれ以上の開口(11.1)(12.1)を有することができる。

中空構造部品は好ましくは金属材料からなり、特に好ましくはアルミニウム合金からなる。

カバーシート(11-12)は、組立、溶接、ねじ込み、接着、リベット締め、ろう付け等の任意の方法を用いて配置され固定され、手段(13)による機械的な接続を確実化するために、構造部品の材料に対応した金属材料からなる。それらはたとえば、平坦なあるいは成形されたシートである。例として、溶接ビード(13)がたとえば構造部品の周辺縁のエッジ上に取り付けられ、あるいは構造部品の形状に応じて決定される。

本発明の他の態様において、カバーシートは、間に空間を残した１つまたはそれ以上の 部材からなるものでもよい。上記シートの位置は、プレート接続の仕様および部品に要求される性能を考慮して、製造業者によって決定される。

本発明は、受ける構造部品の多少複雑な形状に対して広く適応性を残しておくことが好ましい。

カバーシート(11-12)は、構造部品に対して堅く取り付けられ、溶接される。これらのシートは３つの機能を有する。すなわち：

−それらは、構造部品の剛性を増加させることができる、
−それらは、部品全体が残っている間、構造領域が破壊するまで、それら平面における変形による非日常的なおよび／または偶発的な負荷に対して、本質的に衝撃を吸収することができる、
−それらはまた、質量／性能比の最適化を可能とする。

少なくとも鋳造、鍛造、あるいは鋳造と鍛造の複合操作によって得られ、オープン断面形状を有する中空構造部品の製造方法は優れており、この方法において、外側と内側の周辺縁の間の中空部の全体または一部の上の構造部品の少なくとも１つの表面に、硬質金属材料を用いて形成された少なくとも１つのカバーシートを結合し、たとえば構造部品の周辺縁のエッジに結合されたカバーシートを機械的に固定する。カバーシートは、構造部品の補剛を確実化し、それらの平面における変形による衝撃を吸収する。

利点は本発明から明らかである。第１に、この製造の革新的な性質、比較的シンプルな製造を強調する。なお、構造部品とカバーシートの間は充分良好に接続する必要がある。
それは質量／性能比の最適化を強調する。

このように、本発明によって開発および実現された解決手段は、鋳造および／または鍛造によって得られる単一の部品を提供する。この部品は、機械的特性を有する軽キャスト鉄合金を用いて、上記のコバプレス（COBAPRESS）法によって実現することができる。この部品は、剛性を増加するシートを受ける領域を含む。この解決手段では、シートの付加によって補剛されるので、必要最少量の材料を用いて部品のすべての機能領域を同時に鋳造することが可能となる。

従来技術の文献は、この課題を満たしておらず、また、本発明の解決手段を示唆していない。

Claims (6)

1. 少なくとも鋳造および／または鍛造の操作によって得られ、タイプＨあるいはＵに限定されないオープン断面形状を有する中空構造部品の製造方法であって、
   外側と内側の周辺縁(10.1)の間の中空部の全体または一部の上の前記構造部品(10)の少なくとも１つの表面に、硬質金属材料を用いて形成された少なくとも１つのカバーシート(11-12)を結合し、
   たとえば前記構造部品の前記周辺縁のエッジ(10.7)に結合された前記カバーシートを機械的に固定し、
   前記カバーシート(11-12)は前記部品の開口側に形成された内穴(10.2)(10.3)を全体的にあるいは部分的に覆い、
   前記カバーシートは、前記構造部品の剛性を増加させる、前記部品と共に全体が残っている間、それらの平面における変形による衝撃を吸収する、記構造部品の質量を低減して質量／性能比の最適化を可能とする、の３つの機能を有することを特徴とする、中空構造部品の製造方法。
2. 少なくとも鋳造および／または鍛造の操作によって得られ、タイプＨあるいはＵに制限されないオープン外形状を有し、周辺縁(10.1)と中空の内穴(10.2)(10.3)とを有し、末端(10.5)(10.6)が固定領域に配置された中空構造部品であって、
   前記構造部品(10)の少なくとも１つの表面は、当該オープン表面に、前記部品に付加する形状を有し、接続手段(13)を重ね固定することによって、内側と外側の前記周辺縁のそれぞれのエッジ(10.7)上に配置および固定される１つまたはそれ以上のカバーシート(11-12)を受け、
   前記カバーシート(11-12)は前記部品の開口側に形成された内穴(10.2)(10.3)を全体的にあるいは部分的に覆い、
   前記カバーシートは、前記構造部品の剛性を増加させる、前記部品と共に全体が残っている間、それらの平面における変形による衝撃を吸収する、記構造部品の質量を低減して質量／性能比の最適化を可能とする、の３つの機能を有することを特徴とする、中空構造部品。
3. 前記構造部品は、開口(10.8)と、開口(11.1)(12.1)を有する前記シート(11-12)とを有することを特徴とする、請求項２に記載の中空構造部品。
4. 前記カバーシート(11-12)は、前記構造部品の材料に対応した金属材料からなることを特徴とする、請求項２に記載の中空構造部品。
5. 前記カバーシート(11-12)は、機械的な接続を確実化するために、組立、溶接、ねじ込み、接着、リベット締め、ろう付け等の任意の方法によって、前記構造部品に固定されたことを特徴とする、請求項２に記載の中空構造部品。
6. 車両用であることを特徴とする、請求項２〜５のいずれかに記載の中空構造部品。

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