JP3873641B2 - サスペンションアーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用サスペンションメンバとアクスルとの間に介装されて両者を連結し、且つ、略中央部にコイルスプリングの下端側を支持する支持筒部を有するサスペンションアームに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のサスペンションアームとしては、特開2000−108926号公報に記載されているような例えば図8〜図10に示すものが知られている。このサスペンションアームは鉄製のプレス成形品とされており、図において符号aは車両用サスペンションメンバに連結されるブッシュ取付部(メンバ側連結部)、bはアクスルに連結されるブッシュ取付部(アクスル側連結部)で、各ブッシュ取付部a,b間には車体とサスペンションアームとの間に介装されるコイルスプリングの下端側を支持する支持筒部cが設けられている。
【0003】
支持筒部cの上端には該支持筒部cの径方向に延びるフランジ部dが形成されており、また、支持筒部cの上端側にはフランジ部dに重合するフランジ部eを有する補強用筒部fが内嵌されてフランジ部d,e同士がスポット溶接等により接合され、これにより、剛性及び強度の向上を図るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、乗り心地を良好に保つためには、コイルスプリングは長い方が有利であるが、車高や居住空間、トランク容量の関係等からコイルスプリングを高い位置に配置することができないため、コイルスプリングを支持するサスペンションアームはできるだけ低い位置に配置することが望まれる。
【0005】
しかし、上記従来のサスペンションアームにおいては、低い位置に配置すると、車両走行中に支持筒部cの周壁が縁石等と干渉して変形し、この変形によりコイルスプリングの胴曲がり等の変形による他部品との干渉が発生したり、コイルスプリングの特性に悪影響を及ぼすという不都合がある。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、支持筒部の剛性の向上を図って該支持筒部が縁石等に干渉した際のコイルスプリングの変形や特性変化を回避することができ、しかも、軽量化及び低コスト化を図ることができると共に小型化を可能にしてレイアウトの自由度の向上を図ることができるサスペンションアームを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係るサスペンションアームは、車両用サスペンションメンバに連結されるメンバ側連結部を一端に有すると共に他端にアクスルに連結されるアクスル側連結部を有し、且つ、前記メンバ側連結部と前記アクスル側連結部との間にコイルスプリングの下端側を支持する支持筒部を有するサスペンションアームであって、前記コイルスプリングの受け座を外部から目視可能な窓を前記支持筒部の周壁に少なくとも1つ設けると共に、前記窓と前記受け座との間に該受け座の平面と略平行の平面部を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係るサスペンションアームは、請求項1において、前記支持筒部から該支持筒部の略径方向に延びる第1のフランジ部と、該第1のフランジ部の先端から前記支持筒部の略軸線方向に沿って延びる第2のフランジ部とを備え、該第2のフランジ部を前記支持筒部の保護壁として機能させる。
【0008】
請求項3に係るサスペンションアームは、請求項1又は2において、2つの前記窓を前記支持筒部の周方向に互いに離間配置して各窓を車両の車幅方向の両側に配置したことを特徴とする
【0011】
【発明の効果】
請求項1の発明では、コイルスプリングの着座部分を外部から容易に目で確認することが可能になって組み立て作業の容易化を図ることができると共に、窓の分だけ軽量化を図ることができ、しかもアームに長手方向の入力が作用したときの窓の形成部分での発生応力を平面部を設けることによって抑えることができるので、強度及び耐久性を維持することができるという効果が得られる。
【0012】
また、請求項2の発明は、支持筒部に第1及び第2のフランジ部を設けているためアーム全体の剛性が増して応力発生値を低く押さえることができると共に、車両走行中に縁石が干渉する際にはまず第2のフランジ部に当たって支持筒部が保護されるため、支持筒部の変形が防止されてコイルスプリングの胴曲がり等の変形による他部品との干渉やコイルスプリングの特性に悪影響を及ぼすといった不具合を回避することができ、良好な操縦安定性を確保することができるという効果が得られる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明に加えて、コイルスプリングの着座部分を車幅方向の両側から容易に目で確認することができるので、組み立て作業の更なる容易化を図ることができるという効果が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。
図1は車両のリヤサスペンション構造の概略を示す部分斜視図、図2は本発明の実施の形態の一例であるサスペンションアームを説明するための平面図、図3は図2の正面図、図4は図3のA−A線断面図、図5は図3のB−B線断面図、図6は支持筒部の周壁に形成された窓の図であり、(a)は図2の矢印C方向から見た図、(b)は図2の矢印D方向から見た図、図7はコイルスプリングの受け座と窓との間に設けられた平面部を説明するための説明的断面図である。
【0018】
まず、車両のリヤサスペンション構造の概略を簡単に説明すると、図1において符号1はサスペンションメンバであり、このサスペンションメンバ1のサイドメンバ2とアクスル3とはA型アッパーアーム4、二本のロワーアーム5,6及び本発明に係るサスペンションアーム7等によって連結され、また、サスペンションメンバ1の下側にはスタビライザ8が支持されて該スタビライザ8の端部はコンロッド9に連結されている。なお、図1において符号12aはショックアブソーバ、12はコイルスプリングで下端側がサスペンションアーム7に支持される。
【0019】
サスペンションアーム7は、例えばアルミニウム合金等の軽合金を用いて高真空プレッシャーダイキャスト工法によって一体に成形されたもので、図2及び図3に示すように、一端にサイドメンバ2の下側のブラケット(図示せず。)に連結されるブッシュ取付部(メンバ側連結部)10を有すると共に他端にアクスル3に連結されるブッシュ取付部(アクスル側連結部)11を有しており、ブッシュ取付部10とブッシュ取付部11との間にはコイルスプリング12の下端側を支持する支持筒部13が設けられている。
【0020】
支持筒部13は、その軸線を車両の上下方向に向け、且つ、該軸線をほぼブッシュ取付部10とブッシュ取付部11とを結ぶ直線S上に位置させて配置されており、底部にはコイルスプリング12の受け座14が形成されている。
支持筒部13の上端部には、該支持筒部13の略径方向に延びる第1のフランジ部15が形成されており、第1のフランジ部15の上面は直線Sに沿ってサスペンションアーム7の略全長にわたって延びる連続平面とされ、該連続平面は直線Sに対して略平行に、且つ、図4及び図5に示すように、該直線Sに接近した状態で配置されている。
【0021】
また、第1のフランジ部15の先端からは支持筒部13の保護壁として機能する第2のフランジ部16が支持筒部13の略軸線方向に沿って下方に延びてその先端が支持筒部13の軸方向長さの約1/2程度まで達している。第2のフランジ部16と支持筒部13との間には補強用のリブ17が直線Sの方向に沿って所定の間隔で設けられている。
【0022】
ここで、この実施の形態では、図4を参照して、第2のフランジ部16の延出長さXを第1のフランジ部15の延出長さYより長くすると共に、第2のフランジ部16を支持筒部13の直線Sと直交する方向(車両の略前後方向)に設けている。なお、第2のフランジ部16の延出長さXについては、支持筒部13を縁石等の干渉から保護することができる範囲において特に限定されるものではなく、サスペンションアーム7の設置レベルと縁石等との位置関係に基づいて適宜設定すればよい。
【0023】
また、図2において支持筒部13の下端側の周壁にはコイルスプリング12の受け座14を外部から目視可能な2つの窓18,19が周方向に互いに略180°離間して形成されており、各窓18,19はそれぞれブッシュ取付部10,11側に配置されて車両の車幅方向の両側に位置している。図7に示すように、各窓18,19と受け座14との間には支持筒部13の径方向(略水平方向)に延びる壁部20が設けられており該壁部20の上面が受け座14の平面(受け面)と略平行の平面部20aとされている。
【0024】
上記構成のサスペンションアーム7においては、支持筒部13に第1及び第2のフランジ部15,16を設けているためアーム全体の剛性が増して応力発生値を低く押さえることができると共に、車両走行中に縁石が干渉する際にはまず第2のフランジ部16に当たるため、支持筒部13の変形が防止されてコイルスプリング12の胴曲がり等の変形による他部品との干渉やコイルスプリング12の特性に悪影響を及ぼすといった不具合を回避することができ、良好な操縦安定性を確保することができる。
【0025】
また、支持筒部13の肉厚を厚くしなくても必要な剛性を確保することができるため、軽量化及び低コスト化を図ることができると共に小型化を可能にしてレイアウトの自由度の向上を図ることができ、特に、この実施の形態のように軽量化を目的としてサスペンションアームをアルミニウム合金製とした場合に効果的なものとすることができる。
【0026】
更に、第2のフランジ部16の延出長さXを第1のフランジ部15の延出長さYより長くして第1のフランジ部15の径方向の延出長さを短くしているため、よりコンパクトなものとすることが可能になってレイアウトの自由度の更なる向上を図ることができる上、アーム全体の剛性を増すことができる。
更に、第2のフランジ部16を主に必要な部位である支持筒部13の直線Sと直交する方向(車両の略前後方向)に設けているため、第2のフランジ部15をアームの全周に設ける場合に比べて材料コストを削減することができると共に軽量化を図ることができる。
【0027】
更に、第1のフランジ部15の上面を直線Sに沿ってサスペンションアーム7の略全長にわたって延びる連続平面とし、該連続平面を直線Sに対して略平行に、且つ、該直線Sに接近した状態で配置しているので、連続平面の壁部による剛性向上効果に加えて、走行時に路面から図3の矢印F1 ,F2 方向に入力が作用したときに連続平面にかかる曲げモーメントが軽減されて更なる応力緩和を図ることができる。
【0028】
更に、鉄より比重が低いアルミニウム合金等の軽合金の一体成形品であるため、軽量化ができるのは勿論のこと、従来のような補強部材の溶接作業が不要になって更なる低コスト化を図ることができ、しかも、内部に巣ができにくい高真空プレッシャーダイキャスト工法を用いているため、一般の鋳造法に比べて薄肉に成形することができ、軽量化及び材料費の削減を可能にすることができる。
【0029】
更に、支持筒部13の下端側の周壁にコイルスプリング12の受け座14を外部から目視可能な2つの窓18,19を形成して各窓18,19を車両の車幅方向の両側に位置させ、且つ、各窓18,19と受け座14との間に支持筒部13の径方向(略水平方向)に延びる壁部20を設けて該壁部20の上面を受け座14の平面(受け面)と略同一レベルの平面部20aとしているため、コイルスプリング12の着座部分を車幅方向の両側から容易に目で確認することが可能になって組み立て作業の容易化を図ることができると共に、窓18,19の分だけ軽量化を図ることができ、しかも平面部20aによって図3の矢印F1 ,F2 方向に入力が作用したときの窓18,19の形成部分での発生応力を抑えることができるので、強度及び耐久性を維持することができる。
【0030】
なお、上記実施の形態では、アルミニウム合金を用いて高真空プレッシャーダイキャスト工法によって一体に成形したものを例に採ったが、これに限定されず、他の軽合金の鋳造品や鉄のプレス成形品に本発明を適用してもよく、また、高真空プレッシャーダイキャスト工法に代えて、一般のダイキャスト工法や鋳造法を用いても良い。
【0031】
また、上記実施の形態では、ブッシュ取付部10,11が車幅方向に配置される場合を例に採ったが、これに限定されず、ブッシュ取付部10,11が車両の前後方向に配置される場合にも本発明を適用することができる。この場合、第2のフランジ部16及び窓18,19はこの実施の形態に対してそれぞれ90°位相がずれて配置されることになる。
【0032】
更に、上記実施の形態では、サスペンションメンバは車体とは別部品で設定されたものを例に採ったが、これに限定されず、車体に溶接等により一体化されたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両のリヤサスペンション構造の概略を示す部分斜視図である
【図2】本発明の実施の形態の一例であるサスペンションアームを説明するための平面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】図3のB−B線断面図である。
【図6】支持筒部の周壁に形成された窓の図であり、(a)は図2の矢印C方向から見た図、(b)は図2の矢印D方向から見た図である。
【図7】コイルスプリングの受け座と窓との間に設けられた平面部を説明するための説明的断面図である。
【図8】従来のサスペンションアームを説明するための平面図である。
【図9】図8の正面図である。
【図10】図9のE−E線断面図である。
【符号の説明】
1…車両用サスペンションメンバ
2…サイドメンバ
3…アクスル
7…サスペンションアーム
10…ブッシュ取付部(メンバ側連結部)
11…ブッシュ取付部(アクスル側連結部)
12…コイルスプリング
13…支持筒部
14…受け座
15…第1のフランジ部
16…第2のフランジ部(保護壁)
18,19…窓
20a…平面部
Claims (3)
- 車両用サスペンションメンバに連結されるメンバ側連結部を一端に有すると共に他端にアクスルに連結されるアクスル側連結部を有し、且つ、前記メンバ側連結部と前記アクスル側連結部との間にコイルスプリングの下端側を支持する支持筒部を有するサスペンションアームであって、
前記コイルスプリングの受け座を外部から目視可能な窓を前記支持筒部の周壁に少なくとも1つ設けると共に、前記窓と前記受け座との間に該受け座の平面と略平行の平面部を設けたことを特徴とするサスペンションアーム。 - 前記支持筒部から該支持筒部の略径方向に延びる第1のフランジ部と、該第1のフランジ部の先端から前記支持筒部の略軸線方向に沿って延びる第2のフランジ部とを備え、該第2のフランジ部を前記支持筒部の保護壁として機能させることを特徴とする請求項1記載のサスペンションアーム。
- 2つの前記窓を前記支持筒部の周方向に互いに離間配置して各窓を車両の車幅方向の両側に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載のサスペンションアーム。
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