JP2019189430A - 搬送仕分け装置 - Google Patents

Abstract

【課題】空港での手荷物搬送仕分けのための装置として活用出来る搬送仕分け装置を提供する。【解決手段】搬送方向に並設された複数の傾動コンベヤユニットは、水平搬送姿勢と、被搬送物を搬送方向に対し側方へ重力で排出するための傾斜姿勢との間で、搬送方向と平行な支軸の周りで姿勢切換え可能に構成され、この各傾動コンベヤユニットが備える搬送用コンベヤは、前後一対のプーリー２６ａ，２６ｂ間にベルト２６ｃが掛張されたベルトコンベヤ２６ａから成り、このベルトコンベヤ２６ａのベルト２６ｃは、内側面に巾方向複数本の突条部４７が設けられると共に、外側面には巾方向に沿った突条部４８がベルト長さ方向に等間隔おきに設けられ、前後一対のプーリー２６ａ，２６ｂには、前記ベルト２６ｃの両側辺を挟むフランジ部は設けられないで、ベルト内側面の突条部４７が各別に嵌合する複数本の凹溝４９が周面に設けられた構成。【選択図】図８

Description

本発明は、被搬送物の搬送経路上に設定された仕分け位置において、被搬送物を側方へ重力で滑動させて仕分けることの出来る搬送仕分け装置に関するものである。

上記のような搬送仕分け装置としては、特許文献１に記載されるように、搬送方向に並設された複数の傾動コンベヤユニットを備え、各傾動コンベヤユニットは、水平搬送姿勢と、被搬送物を被搬送物搬送方向に対し側方へ重力で排出するための傾斜姿勢との間で、被搬送物搬送方向と平行な支軸の周りで姿勢切換え可能に構成されると共に、被搬送物の搬送用コンベヤを備えた搬送仕分け装置が知られている。

特表２０１５−５０１７７０

上記特許文献１の構成では、各傾動コンベヤユニット上で被搬送物を搬送する搬送用コンベヤとして、設定速度で確実に被搬送物を搬送するために、タイミングベルトを使用した一般的なベルトコンベヤが使用されている。このようなベルトコンベヤを備えた傾動コンベヤユニットを並設して構成された搬送仕分け装置では、次のような問題点が生じることが判明した。即ち、一般的な水平搬送経路上で被搬送物を搬送するベルトコンベヤでは問題ないが、例えば空港での手荷物を搬送仕分けするシステムでは、サイズや底面の形状、重さの異なる各種の手荷物を取り扱う関係で、この搬送仕分け装置の搬送経路に適合したサイズのトレイに被搬送物（手荷物）を載置して搬送仕分けするようになっており、しかも、専用のトレイを併用する関係から搬送速度も比較的高速に設定される。

上記のような状況では、フラットなトレイ底面とコンベヤベルトのフラットな表面とが面接触しているためにその両者間での摩擦力が大きくなっていることが原因で、仕分け動作の前半での傾動コンベヤユニットの水平姿勢から傾斜姿勢への揺動時と仕分け動作の後半での傾動コンベヤユニットの傾斜姿勢から水平姿勢への揺動時に、トレイがベルトコンベヤに対して距離的には僅かであるが円滑に横滑りしなければならないところ、トレイに引っ張られてコンベヤベルトがトレイの横動方向に一体に横動する傾向が強く、この結果、コンベヤベルト（タイミングベルト）がプーリーに対してプーリー軸方向に横滑りすることになる。一般的にタイミングベルト利用のベルトコンベヤでは、プーリーの軸方向両側にベルトを左右両側から挟むフランジが取り付けられているので、結果としてプーリーに対するコンベヤベルトの進入退出時に前記フランジとコンベヤベルトの側辺との間に圧接状態での相対滑りが生じ、コンベヤベルトの側辺が甚だしく摩耗して、塵埃の発生とコンベヤベルトの耐用寿命の極端な低下につながっていた。
仕分け動作時に仕分けの

本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできる搬送仕分け装置を提案するものであって、本発明に係る搬送仕分け装置は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、搬送方向に並設された複数の傾動コンベヤユニット(10,11)を備え、各傾動コンベヤユニット(10,11)は、水平搬送姿勢と、被搬送物を被搬送物搬送方向に対し側方へ重力で排出するための傾斜姿勢との間で、被搬送物搬送方向と平行な支軸(7)の周りで姿勢切換え可能に構成されると共に、被搬送物の搬送用コンベヤを備えた搬送仕分け装置において、前記搬送用コンベヤは、前後一対のプーリー(26a,26b)間にベルト(26c)が掛張されたベルトコンベヤ(24a,24b)から成り、このベルトコンベヤ(24a,24b)のベルト(26c)は、内側面に、ベルト長さ方向に沿った突条部(47)が巾方向適当間隔おきに複数本設けられると共に、外側面には巾方向に沿った突条部(48)がベルト長さ方向に等間隔おきに設けられ、前記前後一対のプーリー(26a,26b)には、前記ベルト(26c)の両側辺を挟むフランジ部は設けられないで、ベルト内側面の前記突条部(47)が各別に嵌合する複数本の凹溝(49)が周面に設けられた構成になっている。

上記本発明の構成によれば、前後一対のプーリーとベルトの間の回転方向の摩擦力は、ベルト側の複数本の前記突条部とプーリー側の複数本の前記凹溝との嵌合により、単なる平坦周面のプーリーと平ベルトとが当接する場合と比較して格段に大きくなり、しかもベルト表面の巾方向の突条部の存在によって、当該ベルトに対する被搬送物（トレイ）のベルト長さ方向の滑り抵抗は増大するので、前後一対のプーリーの一方に与えられる回転駆動力を確実にベルトに伝えると共に当該ベルトの回動力を確実に被搬送物（トレイ）に伝えることが出来、結果として、従来のタイミングベルトを使用する場合と遜色なく、被搬送物（トレイ）を設定速度で確実に搬送することが出来る。

しかも前後一対のプーリーにベルトの両側辺を挟むフランジ部が設けられていないにも関わらず、プーリーに対してベルトがプーリー軸方向に遊動することは、ベルト側の複数本の前記突条部とプーリー側の複数本の前記凹溝との嵌合により強力に阻止されているので、前後一対のプーリーに対してベルトがプーリー軸方向に遊動する可能性は皆無であり、前後一対のプーリーにベルトの両側辺を挟むフランジ部が設けられていないことと相俟って、前後一対のプーリーに対してベルトがプーリー軸方向に遊動することが原因となるベルトの摩耗損傷や塵埃の発生も無くなる。一方、ベルト表面の巾方向の突条部は、上記のように当該ベルトに対する被搬送物（トレイ）のベルト長さ方向の滑り抵抗は増大させながら、ベルト巾方向の被搬送物（トレイ）の滑り抵抗は少なくなるので、傾動コンベヤユニットが水平姿勢から傾斜姿勢に移る際の被搬送物（トレイ）の傾斜下方への滑りは、ベルトを傾斜下方に引きずることなく円滑に行われる。従ってこの点においても、ベルトが巾方向に横動することに起因するベルトの摩耗損傷や塵埃の発生も抑えられる。

本発明を実施する場合、前記ベルト内側面の突条部(47)は、断面形状が先端側ほど巾の狭くなる台形とし、前記プーリー周面の凹溝(49)は、前記ベルト内側面の突条部(47)の傾斜両側面に当接する傾斜両側面を備えた形状とし、前記ベルト内側面の突条部(47)が前記プーリー周面の凹溝(49)に嵌合した状態では、それぞれの前記傾斜両側面どうしのみが互いに当接するように構成するのが望ましい。この構成によれば、プーリーに対するベルトの周方向の相対滑りを確実に抑えるのに効果的であり、タイミングベルトを使用しないことによるデメリットを殆んど解消出来る。

図１Ａは、搬送仕分け装置の一部省略側面図、図１Ｂは、同平面図である。 図２は、搬送仕分け装置の出口側領域を示す要部の側面図である。 図３は、搬送仕分け装置の出口側領域を示す要部の平面図である。 図４は、搬送仕分け装置の出口側を示す一部切欠き正面図である。 図５は、搬送仕分け装置を構成する各組立体を示す縦断背面図である。 図６は、傾動コンベヤユニットの仕分け動作を示す正面図である。 図７は、搬送仕分け装置の搬送仕分け動作を説明する概略側面図である。 図８Ａは、本発明の実施例を示す要部の一部横断平面図、図８Ｂは、図８Ａの要部拡大図である。 図９Ａは、図８Ａの縦断正面図、図９Ｂは、使用しているコンベヤベルトを示す斜視図である。

図１Ａ及び図１Ｂは、搬送仕分け装置を構成する５つの組立体１Ａ〜１Ｅの内、中央の１つの組立体１Ｃの図示を省略した概略側面図と同平面図であって、入り口側端部の組立体１Ａには搬入用コンベヤ２が接続され、出口側端部の組立体１Ｅには搬出用コンベヤ３が接続される。この実施例では、被搬送物を積載したトレイＴを搬送する搬送経路上に仕分け領域が一箇所又は複数箇所に設定され、この仕分け領域に本発明に係る搬送仕分け装置が設置され、この搬送仕分け装置での被搬送物の仕分けは、搬送されるトレイＴを、搬送方向の移動を止めることなく左右何れかの仕分け方向に傾斜させて、トレイＴ上に積載されている被搬送物を重力でトレイＴ上から側方下方に滑動落下させることによって行われる。勿論、トレイＴを使用しないで直接被搬送物を搬送し、上記のように仕分けることも可能である。

以下、各組立体１Ａ〜１Ｅの詳細構造を、図２〜図５に基づいて説明すると、各組立体１Ａ〜１Ｅは、被搬送物の搬送方向一対の軸受け５，６によって両端が自転可能に支持されて、被搬送物搬送仕分け装置の搬送方向と平行で且つ被搬送物搬送仕分け装置の左右巾方向の中央位置に水平に位置する支軸７、この支軸７にそれぞれ前後一対の軸受け８ａ，８ｂ及び９ａ，９ｂによって支持された前後一対の傾動コンベヤユニット１０，１１、及び各傾動コンベヤユニット１０，１１を各別に水平搬送姿勢と傾斜姿勢とに切り換える２台の傾動用モーター１２，１３から構成されている。各組立体１Ａ〜１Ｅの前後一対の軸受け５，６の内、搬送仕分け装置の搬送方向両端に位置する軸受け５，６は、それぞれ１つの柱状支持部材１４，１５によって架台１６上に支持され、隣接する２つの組立体間で隣接する２つの軸受け５，６は、共通の柱状支持部材１７上に台座１７ａを介して支持されている。

組立体１Ａ〜１Ｅの隣接する２つの組立体間では、支軸７の端部同士が回転伝達用継ぎ手１８によって同心状に連動連結されて、搬送仕分け装置の全長にわたって連続する１本の連動伝動軸１９が構成され、図１Ａ、図１Ｂ、及び図４に示すように、搬送仕分け装置の出口側端部に位置する組立体１Ｅの支軸７の遊端には、当該組立体１Ｅの外側で架台１６に支持された１台のコンベヤ駆動用モーター２０が、上下方向の巻掛け伝動手段２１によって連動連結されている。この巻掛け伝動手段２１として、伝動側プーリー２２ａ、受動側プーリー２２ｂ、及び両プーリー２２ａ，２２ｂ間に掛張された無端ベルト２２ｃから成るベルト伝動手段を図示しているが、チエンを利用する巻掛け伝動手段であっても良い。

各傾動コンベヤユニット１０，１１は同一構造のものであって、平面視が横長矩形の躯体２３、この躯体２３に設けられた左右一対の被搬送物搬送用のベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂ、及び躯体２３の左右両端に付設されたサイドガイド２５ａ，２５ｂから構成されている。左右一対のベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂは、駆動プーリー２６ａと従動プーリー２６ｂとの間に無端ベルト２６ｃを掛張させたもので、無端ベルト２６ｃの上側搬送経路部が躯体２３の上面上に露出するように設置され、互いに同心状に位置する左右一対の駆動プーリー２６ａは、軸受け２７ａ，２７ｂによって左右水平向きに支承された左右一対の回転軸２８ａ，２８ｂの外端部に取り付けられ、これら両回転軸２８ａ，２８ｂは、躯体２３内の左右巾方向の中央位置に設置されたギヤボックス２９から左右両側に同心状に突出する出力軸３０ａ，３０ｂに回転伝達用継ぎ手３１ａ，３１ｂを介して連動連結されている。

ギヤボックス２９は、躯体２３内の左右巾方向の中央位置で後方に突出する駆動軸３２を備えており、この駆動軸３２の回転により両出力軸３０ａ，３０ｂが同一方向に同一速度で連動回転するように構成されたものである。そして駆動軸３２は、その真下に位置する連動伝動軸１９（各組立体１Ａ〜１Ｅの支軸７）と巻掛け伝動手段３３によって連動連結されている。この巻掛け伝動手段３３として、伝動側プーリー３４ａ、受動側プーリー３４ｂ、及び両プーリー３４ａ，３４ｂ間に掛張された無端ベルト３４ｃから成るベルト伝動手段を図示しているが、チエンを利用する巻掛け伝動手段であっても良い。

上記構成により、搬送仕分け装置の出口側に設置された１台のコンベヤ駆動用モーター２０を稼働させることにより、連動伝動軸１９（各組立体１Ａ〜１Ｅの支軸７）から巻掛け伝動手段３３とギヤボックス２９を介して、全ての組立体１Ａ〜１Ｅの前後一対の傾動コンベヤユニット１０，１１が備える左右一対のベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂを、これらベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂ上で支持されるトレイＴが搬送仕分け装置の入り口側から出口側へ所定の速度で搬送されるように、回転駆動させることが出来る。このときのトレイＴは、その左右両側辺が各傾動コンベヤユニット１０，１１の左右両側辺に立設されているサイドガイド２５ａ，２５ｂによって搬送経路が規制されるが、これらサイドガイド２５ａ，２５ｂの搬送方向前後両端部には、トレイＴの左右両側面に当接転動するガイドローラー３５が軸支されている。

組立体１Ａ〜１Ｅが備える前後一対の傾動コンベヤユニット１０，１１は、連動伝動軸１９（各組立体１Ａ〜１Ｅの支軸７）に対し、それぞれ前後一対の軸受け８ａ〜９ｂを介して左右両端部が上下動する方向に傾動可能に支持されているが、この傾動コンベヤユニット１０，１１を、トレイＴを支持搬送する水平搬送姿勢（図５参照）と、図６に示すように、支軸７の周りに左右何れかの方向に例えば４５度程度傾斜した傾斜姿勢とに切り換えるために、傾動コンベヤユニット１０，１１ごとに傾動用モーター１２，１３が連動連結されている。これら両傾動用モーター１２，１３には、１つの傾動コンベヤユニット１０／１１の搬送方向の横巾よりも軸心方向の全長が長くて、駆動トルクの大きな大型の減速機付きサーボモーターが使用されるので、図３に示すように、当該傾動用モーター１２，１３は、平面視において支軸７の左右両側で前後互いに逆向きとなるように、それぞれの軸心方向が支軸７と平行になるように架台１６上に設置されている。

更に詳述すれば、各傾動用モーター１２，１３の出力軸３６，３７には、伝動側タイミングベルトプーリー３８ａ，３９ｂが取り付けられ、この伝動側タイミングベルトプーリー３８ａ，３９ｂから突出する出力軸３６，３７の遊端部を、各傾動用モーター１２，１３を支持する据付け板４０ａ，４０ｂ上に取り付けられた軸受け４１ａ，４１ｂによって支持することにより、当該出力軸３６，３７を両持ち支持構造としている。一方、各組立体１Ａ〜１Ｅの支軸７の両端を支承する軸受け５，６の内側には、各傾動コンベヤユニット１０，１１を支軸７によって傾動可能に支持するための前後一対の軸受け８ａ〜９ｂの内、外側に位置する軸受け８ａ，９ｂが隣接しており、これら軸受け８ａ，９ｂの更に内側で支軸７に、前記伝動側タイミングベルトプーリー３８ａ，３９ａと対を成す受動側タイミングベルトプーリー３８ｂ，３９ｂが相対回転可能に遊嵌され、これら受動側タイミングベルトプーリー３８ｂ，３９ｂと外側に隣接する軸受け８ａ，９ｂとが周方向複数本の結合用ボルト４２，４３によって結合一体化されている。そして伝動側タイミングベルトプーリー３８ａ，３９ａと受動側タイミングベルトプーリー３８ｂ，３９ｂとに、巻掛け伝動具としてのタイミングベルト３８ｃ，３９ｃが掛張され、タイミングベルト利用の巻掛け伝動手段４４，４５が構成されている。換言すれば、上記のように巻掛け伝動手段４４，４５が構成出来る位置に、軸心方向が支軸７と平行になる向きの２つの傾動用モーター１２，１３が、支軸７の長さ方向の中央１点の周りに点対称に架台１６上に設置されている。

尚、各傾動用モーター１２，１３と前記軸受け４１ａ，４１ｂを支持する据付け板４０ａ，４０ｂは、架台１６上に左右横方向に位置調整可能に据え付けられ、巻掛け伝動手段４４，４５のタイミングベルト３８ｃ，３９ｃの張力調整が行えるように構成されている。又、連動伝動軸１９（各組立体１Ａ〜１Ｅの支軸７）の回転を傾動コンベヤユニット１０，１１のベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂに伝達するための巻掛け伝動手段３３の伝動側プーリー３４ａは、図３に示すように、前記巻掛け伝動手段４４，４５の伝動側タイミングベルトプーリー３８ａ，３９ｂの内側に隣接する位置で支軸７に取り付けられている。

以上のように構成された搬送仕分け装置の使用方法の一例を説明すると、先に説明したように、各組立体１Ａ〜１Ｅが備える前後一対の傾動コンベヤユニット１０，１１の左右一対のベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂは、１台のコンベヤ駆動用モーター２０を稼働させることにより、その回転力を、巻掛け伝動手段２１、連動伝動軸１９、各傾動コンベヤユニット１０，１１に対応する巻掛け伝動手段３３、ギヤボックス２９、及び回転軸２８ａ，２８ｂを経由してベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂの駆動プーリー２６ａに伝達され、無端ベルト２６ｃが所定の方向に所定の速度で回動する稼働状態となる。

一方、全ての組立体１Ａ〜１Ｅの傾動コンベヤユニット１０，１１は、図５に示すように水平搬送姿勢にある状態で傾動用モーター１２，１３が停止していることにより、当該傾動用モーター１２，１３の機能によって水平搬送姿勢に保持されており、重力で支軸７／連動伝動軸１９の周りに揺動運動することはない。従って、全ての組立体１Ａ〜１Ｅの傾動コンベヤユニット１０，１１が水平搬送姿勢に保持されている状態で、前記のようにコンベヤ駆動用モーター２０を稼働させてベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂを所定の搬送方向に連動回転駆動することにより、図１Ａ及び図１Ｂに示す搬入用コンベヤ２から送り込まれた被搬送物積載トレイＴを搬出用コンベヤ３に向かって定速で搬送し、搬出用コンベヤ３上に送り出すことが出来る。

上記のように全ての組立体１Ａ〜１Ｅの傾動コンベヤユニット１０，１１におけるベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂを稼働させているトレイ搬送状態において、仕分けのために特定の傾動コンベヤユニット１０，１１を水平搬送姿勢から傾斜姿勢に切り換えるときは、その傾斜姿勢に切り換えるべき傾動コンベヤユニット１０／１１の傾動用モーター１２／１３を稼働させ、その出力軸３６／３７の回転を、巻掛け伝動手段４４／４５の伝動側タイミングベルトプーリー３８ａ／３９ａ、タイミングベルト３８ｃ／３９ｃ、及び受動側タイミングベルトプーリー３８ｂ／３９ｂを経由させて、結合用ボルト４２／４３で結合一体化されている軸受け８ａ／９ｂを介して目的の傾動コンベヤユニット１０／１１の躯体２３に伝達することにより、前記受動側タイミングベルトプーリー３８ｂ／３９ｂの回転角度分だけ当該目的の傾動コンベヤユニット１０／１１を支軸７（連動伝動軸１９）の周りに所定の方向に傾動させることが出来る。又、傾斜姿勢の傾動コンベヤユニット１０／１１を元の水平搬送姿勢に戻すときは、その傾動コンベヤユニット１０／１１の傾動用モーター１２／１３を、傾動動作時の回転角度だけ逆回転させて、傾動コンベヤユニット１０／１１を傾斜姿勢から元の水平搬送姿勢に戻すことが出来る。

搬入用コンベヤ２から送り込まれたトレイＴの積載被搬送物がこの搬送仕分け装置のある場所で仕分ける対象であるときは、図７に示すように、当該トレイＴが搬入用コンベヤ２から一定距離だけ走行した時点で、当該トレイＴを支持する領域とこの領域よりも下手側に位置する所要数の傾動コンベヤユニット１０／１１を水平姿勢から仕分け側へ揺動させて傾斜姿勢に切り換え、支持している走行中のトレイＴを仕分け側へ所要角度だけ傾斜させる。この結果、トレイＴ上の被搬送物Ｗが重力でトレイＴ上を傾斜下方へ滑動して、トレイＴ上から滑り落ちることになる。一般的には、この傾斜姿勢のトレイＴ上から滑り落ちる被搬送物Ｗを受け継いで目的の荷捌き台上に誘導するシュート４６が併設される。

上記の仕分け動作中においても、各傾動コンベヤユニット１０／１１が備えるベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂによってトレイＴの搬送は継続されているので、傾斜姿勢に切り換えられた傾動コンベヤユニット１０／１１の領域全体が、トレイＴの搬送速度に応じてトレイＴの走行方向に移動すると共に、当該領域から後方に離れた傾動コンベヤユニット１０／１１は、順次傾斜姿勢から水平姿勢に復帰するように、各傾動コンベヤユニット１０／１１の姿勢が制御される。そして仕分けのための被搬送物Ｗの排出が完了したトレイＴを支持する領域内の傾動コンベヤユニット１０／１１は、傾斜姿勢から水平姿勢に復帰揺動されるが、トレイＴを支持する領域から下手側にある各傾動コンベヤユニット１０／１１は、直ぐ後ろ側の水平姿勢に復帰途中の傾動コンベヤユニット１０／１１と連続する角度まで水平姿勢から一旦下方へ揺動した後に、直ぐ後ろ側の水平姿勢に復帰途中の傾動コンベヤユニット１０／１１と一体になって水平姿勢に復帰揺動せしめられる。この一連の動作により、仕分けのための被搬送物Ｗの排出が完了したトレイＴが所定の速度で走行しながら水平姿勢に復帰し、最終的には水平姿勢で搬出用コンベヤ３上に送り出される。

以上のように構成され且つ使用される搬送仕分け装置において、各傾動コンベヤユニット１０，１１が備えるベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂは、本発明に従って以下のように構成される。即ち、先に説明したようにベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂは、駆動プーリー２６ａと従動プーリー２６ｂとの間に無端ベルト２６ｃを掛張させたものであるが、具体的には、図８Ａ〜図９Ｂに示すように、無端ベルト２６ｃは、内側面に、ベルト長さ方向に沿った突条部４７がベルト巾方向適当間隔おきに複数本設けられると共に、外側面には、ベルト巾方向に沿った突条部４８がベルト長さ方向に等間隔おきに設けられたものであり、駆動プーリー２６ａと従動プーリー２６ｂには、前記無端ベルト２６ｃの両側辺を挟むフランジ部は設けられないで、ベルト内側面の前記突条部４７が各別に嵌合する複数本の凹溝４９が周面に設けられたものになっている。

尚、無端ベルト２６ｃの内側面の突条部４７は、断面形状が先端側ほど巾の狭くなる台形であり、プーリー２６ａ，２６ｂ側の凹溝４９は、その両側面が前記突条部４７の傾斜両側面と同一角度で傾斜する断面三角形となっている。この凹溝４９は、最奥部が平坦面になっている断面台形状とすることも出来る。換言すれば、前記ベルト２６ｃの内側面の突条部４７は先端側ほど開いた傾斜両側面を備えた形状とし、前記プーリー２６ａ，２６ｂの周面の凹溝４９は、前記ベルト内側面の突条部４７の傾斜両側面に当接する傾斜両側面を備えた形状とし、前記ベルト内側面の突条部４７が前記プーリー周面の凹溝４９に嵌合した状態では、それぞれの前記傾斜両側面どうしのみが互いに当接するように構成するのが望ましい。即ち、無端ベルト２６ｃに作用する張力で突条部４７の傾斜両側面と凹溝４９の傾斜両側面とが確実に密接するように、突条部４７の先端と凹溝４９の底部とが互いに突き当らない形状であると共に、突条部４７間の谷底部と凹溝４９間の山頂部とが互いに突き当らない形状に構成することになる。具体的には、突条部４７は、断面台形とすると共にこの突条部４７間の底部に断面矩形の凹溝部４７ａを形成し、凹溝４９は、断面三角形とすると共にこの凹溝４９間の山部も断面三角形としている。

上記構成のベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂによれば、例えば従動プーリー２６ｂを駆動プーリー２６ａに対する遠近方向に位置調整して、無端ベルト２６ｃに所定の張力を生じさせておくことにより、駆動プーリー２６ａに対する無端ベルト２６ｃの周方向の摩擦力が非常に大きくなり、駆動プーリー２６ａに対して無端ベルト２６ｃが周方向に滑ることは実質的に無くなるので、無端ベルト２６ｃとしてタイミングベルトを使用した場合と同等に駆動プーリー２６ａにより無端ベルト２６ｃを確実に所定速度で回転駆動させることが出来る。即ち、先に説明したように駆動プーリー２６ａを回転駆動させて、無端ベルト２６ｃを所定の方向に回動させることにより、支持するトレイＴを所定の方向に所定の速度で確実に搬送させることが出来る。

しかも傾動コンベヤユニット１０，１１を水平姿勢から傾斜姿勢に変化させて、搬送中のトレイＴを傾斜させることにより、トレイＴ上の被搬送物を傾斜下方に重力で滑動排出させる仕分け動作が行われるとき、トレイＴは、当該トレイＴの横巾と傾動コンベヤユニット１０，１１の左右両サイドガイド２５ａ，２５ｂ間の巾（ガイドローラー３５間の巾）との差異に相当する遊び代の範囲内で傾斜下方へベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂ上を滑動することになるが、このときトレイＴの平坦な底面は無端ベルト２６ｃの突条部４８の上面を当該突条部４８の長さ方向に滑動することになるので、この突条部４８が無くて平坦な無端ベルト２６ｃの上面を滑動する場合と比較して滑動抵抗が少ない。

即ち、傾斜下方に滑動するトレイＴが、その底面と無端ベルト２６ｃの上面（突条部４８の上面）との間の摩擦力を介して無端ベルト２６ｃを傾斜下方へ引き寄せる力は非常に小さい。しかも無端ベルト２６ｃは、前後両プーリー２６ａ，２６ｂに対する当該プーリー２６ａ，２６ｂの軸方向の移動が、突条部４７と凹溝４９との嵌合により強力に阻止されている状態にあるから、無端ベルト２６ｃが、傾斜下方に滑動するトレイＴに追従して前後両プーリー２６ａ，２６ｂに対して傾斜下方に移動することは皆無である。以上の理由により、ベルトコンベヤ２４ａ，２４ｂの無端ベルト２６ｃの側辺が、タイミングベルト使用時のようにプーリー２６ａ，２６ｂの両側に取り付けられた位置決め用のフランジに摺接して、塵埃を発生させたり、この無端ベルト２６ｃの側辺が激しく摩耗するようなことが無くなる。

本発明の搬送仕分け装置は、空港での手荷物搬送仕分けのように、被搬送物を専用の搬送用トレイに積載して搬送すると共に搬送先に応じて自動仕分けしなければならないような被搬送物の搬送仕分け装置として活用出来る。

１Ａ〜１Ｅ 組立体
２ 搬入用コンベヤ
３ 搬出用コンベヤ
５，６，８ａ〜９ｂ，２７ａ，２７ｂ，４１ａ，４１ｂ 軸受け
７ 支軸
１０，１１ 傾動コンベヤユニット
１２，１３ 傾動用モーター
１４，１５，１７ 柱状支持部材
１６ 架台
１８，３１ａ，３１ｂ 回転伝達用継ぎ手
１９ 連動伝動軸
２０ コンベヤ駆動用モーター
２１，３３，４４，４５ 巻掛け伝動手段
２３ 矩形台盤
２４ａ，２４ｂ ベルトコンベヤ
２５ａ，２５ｂ サイドガイド
２９ ギヤボックス
４２，４３ 結合用ボルト
４６ シュート
４７ 無端ベルト内側面の突条部
４７ａ 突条部間の断面矩形の凹溝部
４８ 無端ベルト外側面の突条部
４９ プーリー周面の凹溝
Ｔ 被搬送物積載用トレイ
Ｗ 被搬送物

Claims (2)

1. 搬送方向に並設された複数の傾動コンベヤユニットを備え、各傾動コンベヤユニットは、水平搬送姿勢と、被搬送物を被搬送物搬送方向に対し側方へ重力で排出するための傾斜姿勢との間で、被搬送物搬送方向と平行な支軸の周りで姿勢切換え可能に構成されると共に、被搬送物の搬送用コンベヤを備えた搬送仕分け装置において、
   前記搬送用コンベヤは、前後一対のプーリー間にベルトが掛張されたベルトコンベヤから成り、このベルトコンベヤのベルトは、内側面に、ベルト長さ方向に沿った突条部がベルト巾方向適当間隔おきに複数本設けられると共に、外側面には、ベルト巾方向に沿った突条部がベルト長さ方向に等間隔おきに設けられ、前記前後一対のプーリーには、前記ベルトの両側辺を挟むフランジ部は設けられないで、ベルト内側面の前記突条部が各別に嵌合する複数本の凹溝が周面に設けられている、搬送仕分け装置。
2. 前記ベルト内側面の突条部は、断面形状が先端側ほど巾の狭くなる台形とし、前記プーリー周面の凹溝は、前記ベルト内側面の突条部の傾斜両側面に当接する傾斜両側面を備えた形状とし、前記ベルト内側面の突条部が前記プーリー周面の凹溝に嵌合した状態では、それぞれの前記傾斜両側面どうしのみが互いに当接するように構成されている、請求項１に記載の搬送仕分け装置。

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