JP2703791B2 - ベルト搬送装置 - Google Patents

ベルト搬送装置

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JP2703791B2
JP2703791B2 JP1048956A JP4895689A JP2703791B2 JP 2703791 B2 JP2703791 B2 JP 2703791B2 JP 1048956 A JP1048956 A JP 1048956A JP 4895689 A JP4895689 A JP 4895689A JP 2703791 B2 JP2703791 B2 JP 2703791B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,紙幣,カード等の比較的軽量のシート状物
品を搬送するベルト搬送装置に関する。
(従来の技術) 近時,銀行等にて使用される現金自動支払機,あるい
は公衆電話等では,カードを機器内に取り込んで,該カ
ードに書込まれた情報を読出している。また,自動販売
機では紙幣を機器内に取り込み,所要の物品や釣銭と交
換している。このように,カードや紙幣を機器内に取り
込む場合には,通常,一対の搬送用平ベルトが使用さ
れ,両搬送用平ベルトにおける平坦となった搬送面にて
カードや紙幣等のシート状物品を挟み込んで,機器内へ
搬送している。
(発明が解決しようとする課題) 従来,このような搬送用平ベルトはプーリとの摩擦に
より走行されるため,高張力を付与した状態で走行させ
なければならない。また,シート状物品を搬送するため
には,一対の平ベルトは,平坦となった各搬送面同士が
摺接するように相対向した状態で配設されるため,各平
ベルトには常時負荷がかかっており,プーリ等を大型化
しなければならない。現金自動支払機,公衆電話,自動
販売機等では,カードや紙幣等を取り込むためのスペー
スに限りがあり,プーリを大型化することは困難であ
る。さらには,平ベルト同士が摺接することにより騒音
が発生し,走行負荷が増大するおそれがある。
このような搬送ベルトとして平ベルトを用いる場合に
は,平ベルトは蛇行が生じやすく,プーリから逸脱しや
すいという欠点がある。例えば,搬送すべきシート状物
品に何らかの抵抗が作用して該物品が搬送されない場合
等のように,急激に負荷が増大した場合には,平ベルト
はプーリから容易に逸脱してしまう。しかも,平ベルト
はプーリとの摩擦により走行されるため,高張力を付与
した状態で走行させなければならず,そのために,プー
リ径等を大型化する必要がある。
このような平ベルトよりも走行安定性に優れたベルト
として,平板状本体部のプーリに当接する内周面の全周
にわたって,断面V字状の複数のリブが幅方向に並設さ
れたリブ付ベルトが知られている。
しかし,該リブ付ベルトは,通常,伝動用ベルトとし
て用いられており,高張力が付加された状態で走行し得
るように,平板状本体部内に抗張体としてコードが内部
に配設されている。そのため,ベルト全体の厚みが増加
し,しかも高張力が付加されているため,該ベルトを駆
動するためのプーリが大型化するという問題がある。シ
ート状物品の搬送には,一対のベルトの搬送面同士を摺
接状態とする必要があり,その搬送面間に搬送すべきシ
ート状物品が挟持されるため,ベルトに加わる負荷は一
層増大し,プーリ等の大型化は避けられない。従って,
該リブ付ベルトは,コンパクトさが要求されるシート状
物品の搬送に用いることができない。また、抗張体とし
てコードが用いられるために,各リブ間の薄肉となった
部分とコードとが平行になり,その薄肉部がコードに沿
って引き裂かれるおそれもある。
さらには,物品を搬送させる際には,対向して配設さ
れた一対のベルトを同期して駆動する必要があるが,従
来のベルトでは,同期して駆動させることが容易でない
という問題がある。
本発明は上記従来の問題を解決するものであり,その
目的は,低張力で安定的に走行することができるため,
プーリ等を大型化する必要がなく,しかもプーリから逸
脱することなく,シート状物品を確実に搬送し得るベル
ト搬送装置を提供することにある。
本発明の他の目的は,搬送時に騒音の発生するおそれ
がないベルト搬送装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は,シート状物品の搬送に際
して,対向配設された場合に,相互にきわめて容易に同
期して駆動させ得るベルト搬送装置を提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明のベルト搬送装置は、シート状物品搬送用ベル
トが一対プーリに巻き掛けられてベルト装置が構成さ
れ、該ベルトの外周面がシート状物品を搬送する搬送側
面となっており、該ベルト装置の搬送側面同士が対向す
るように該ベルト装置が上下に一対配設されているベル
ト搬送装置であって、該ベルトの該搬送側面にその長手
方向とは直交する方向に沿ってそれぞれ突設された複数
の突条が適当な間隔をあけて長手方向に並設され、該ベ
ルトの搬送側面とは反対側の周囲にその長手方向に沿っ
て突設された断面V字状のリブが複数ベルトの幅方向に
並設され、該ベルトは各リブがプーリの周面に複数設け
られた各凹部に係合された状態で走行され、一方の該ベ
ルト装置の該ベルトの隣接する突条の間に、他方の該ベ
ルト装置の該ベルトの突条が配置するように両ベルトが
走行され、そのことにより上記目的が達成される。
上記ベルトの内部には、織布が配設されていることが
好ましい。
前記平板状本体部内には抗張体として織布が配設され
ている。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
シート状物品搬送用ベルトは,一対のプーリに巻掛け
られて使用される平ベルト状をしており,第1図に示す
ように,その外周面(背面)が物品搬送側面11aとなっ
ている。該物品搬送側面11aには,長手方向とは直交す
る方向に沿って突設された複数の突条13を有する。各突
条13は,例えば断面矩形状をしており,等間隔をあけて
全周にわたって長手方向に並設されている。各突条13
は,弾力性に優れ、しかも,耐候性,耐摩耗性に優れた
発泡性合成ゴム,発泡性樹脂等により形成される。さら
に各突条13の表面は適当な摩擦係数を有する。該ベルト
の幅方向寸法は,搬送すべきシート状物品等により異な
るが数mm〜数cm程度である。
該平ベルト内には,抗張体としての環状の織布11b
が,該本体部11の全周にわたって設けられている。該織
布11bは,例えば,ポリエステル繊維,ポリアミド繊
維,芳香族ポリアミド(アラミド)繊維,ガラス繊維,
金属繊維等を袋織りしたものが用いられる。
このような構成のシート状物品搬送用ベルトによるカ
ード,紙幣等のシート状物品の搬送には,シート状物品
搬送用ベルト一対が使用される。各ベルトは,物品搬送
側面11a同士が対向するように配設される。このとき,
各物品搬送側面11aに設けられた各突条13同士は,相互
に対向しないで,対向するベルトの各突条13間に嵌合す
る状態になるように,各ベルトの突条13の配設位置が定
められる。そして,各突条13および搬送側面11a同士が
摺接しないようにしておき,各突条13にて搬送すべきシ
ート状物品を挟持させ,両シート状物品搬送用ベルトを
同期させて走行させることにより,該物品が搬送され
る。このとき,各突条13は弾力性に優れており,しかも
表面が適当な摩擦係数を有しているため,シート状搬送
物品は各突条13にて確実に挟持されて,各突条13表面と
摩擦力との相互作用により確実に搬送される。
なお,各突条13の高さ,弾性率,幅および配設間隔等
は,搬送物品の材質等により適当に定められる。
さらに,各突条13の形状は,断面矩形状に限らず,第
2図(a)に示すように,断面円弧状,あるいは第2図
(b)に示すように,断面三角形状であってもよい。各
突起13の断面形状も,搬送すべき物品の性状等により適
当に定められる。
第3図はシート状物品搬送用ベルトの他の実施例を示
す断面図である。本実施例のシート状物品搬送用ベルト
は,平板状の本体部21の物品搬送側面21aである外周面
(背面)にその長手方向とは直交する方向に沿って突設
された複数の突条23,23…と,該本体部21のプーリに当
接する内周面に幅方向に並設された複数のリブ22,22…
とを有する。
平板状本体部11は,各リブ22が設けられた内周面と反
対側の外周面(背面)が物品搬送側面21aとなってい
る。該本体部分21の幅方向寸法は,搬送すべきシート状
物品等により異なるが数mm〜数cm程度である。そし,該
物品搬送側面21aには,幅方向に延びる断面矩形状の突
条23,23…が長手方向に適当な間隔をあけて並設されて
いる。各突条23は,弾力性に優れ,しかも,耐候性,耐
摩耗性に優れた発泡性合成ゴム,発泡性樹脂等により構
成される。さらに,各突条23表面は適当な摩擦係数を有
する。
各リブ22は,平板状本体部21の内周側面の全周にわた
って環状に形成されている。
各リブ22は,先端部分の広がり角度αが50〜65度の範
囲内にあるような断面V字状をしており,その各先端は
平坦になっている。そして,各リブ22のピッチpは2.5m
m以下に設定されており,各リブ23の高さHと,本体部2
1の厚さhとを合計したベルト本体の厚さbは,2.5mm以
下とされている。
該本体部21内には,抗張体として環状の織布21bが,
該本体部21の全周にわたって設けられている。該織布21
bは,例えば,ポリエステル繊維,ポリアミド繊維,芳
香族ポリアミド(アラミド)繊維,ガラス繊維,金属繊
維等を袋織りしたものが用いられる。
該シート状物品搬送用ベルトの駆動には,周面に該ベ
ルトのリブが係合し得る断面V字状の複数の環状凹部が
軸方向に並設されたプーリ30が用いられる。
シート状物品搬送用ベルトの各リブ22の先端部の広が
り角度αを,例えば,60度にする場合には,メートルネ
ジの国際規格に準じて,各リブ22の高さおよびピッチを
定めれば,メートルネジの国際規格の呼称により各リブ
22の高さおよびピッチが理解されるため,便利であり,
しかも国際的にも同一規格にて,シート状物品搬送用ベ
ルトが製造される。この場合には,該搬送用ベルトを駆
動させるプーリ30も,メートルネジの国際規格に準じて
製造されるため,一層便利である。
このような構成の本実施例のシート状物品ベルトによ
るカード,紙幣等のシート状物品の搬送には,シート状
物品搬送用ベルト一対が使用される。各ベルトは,物品
搬送側面21a同士が対向するように配設される。このと
き,各物品搬送側面21aに設けられた突条23同士は,相
互に対向しないで,対向するベルトの各突条23間に嵌合
する状態になるように,各突条23の配設位置が定められ
る。そして,各突条23および搬送側面21a同士が摺接し
ないようにしておき,各突条23にて搬送すべきシート状
物品を挟持させ,両シート状物品搬送用ベルトを同期さ
せて走行させることより,該シート状物品が搬送され
る。このとき,各ベルトはそれぞれの各リブ22が,プー
リ30の周面に設けられた凹部に係合された状態で走行さ
れる。各突条23は弾力性に優れており,しかも表面が適
当な摩擦係数を有しているため,搬送物品が確実に挟持
されて,各突条23表面の摩擦力との相互作用により確実
に搬送される。
なお,各突条23の高さ,弾性率,幅および配設間隔等
は,搬送物品により適当に定められる。また,各突条23
の断面形状も,断面矩形状に限らず,第2図に示すよう
な形状に,適当に定められる。
第3図はシート状物品搬送用ベルトのさらに他の実施
例の断面図である。本実施例のシート状物品搬送用ベル
トは,平板状の本体部41の物品搬送側面41aである外周
面に,その長手方向とは直交する方向に沿って突設され
た複数の突条43,43…と,該本体部41の物品搬送側面41a
とは反対側面に,その長手方向に所定のピッチで長手方
向に並設された複数のタイミング歯42,42,…とを有す
る。各タイミング歯42は,ベルトが巻き掛けられるプー
リ外周面に設けられた,該タイミング歯42と同様の形状
のタイミング歯間に連続的に噛合し得る。
本体部41の搬送側面41aに設けられた各突条43は、例
えば断面矩形状をしており,該本体部41の搬送側面41a
の長手方向に適当な間隔をあけて,全周にわたって並設
されている。各突条43は,弾力性に優れ,しかも耐候
性,耐摩耗性に優れた発泡性合成ゴム,発泡性樹脂等に
より構成される。各突条43の表面は適当な摩擦係数を有
する。
該本体部11内には,抗張体として環状の織布41bが,
該本体部41の全周にわたって設けられている。該織布41
bは,例えば,ポリエステル樹脂,ポリアミド繊維,芳
香族ポリアミド(アラミド)繊維,ガラス繊維,金属繊
維等を袋織りしたものが用いられる。
なお,抗張体としては,このような織布に限らず,ス
チール製等のコード,平板状のゴム体,ナイロンシート
等であってもよい。
このような構成の本実施例のシート状物品搬送用ベル
トによるカード,紙幣等のシート状物品の搬送には,本
発明のシート状物品搬送用ベルト一対が使用される。各
ベルトは,前記各実施例と同様に,物品搬送側面41a同
士が対向するように配設される。このとき,各物品搬送
側面41aに設けられた突条43同士は,相互に対向しない
で,対向するベルトの各突条43間に嵌合する状態になる
ように,各突条43の配設位置が定められる。そして,各
突条43および搬送側面41a同士が摺接しないようにして
おき,各突条43にて搬送すべき物品を挟持させ,両シー
ト状物品搬送用ベルトを同期させて走行させることによ
り,該物品が搬送される。各物品は各突条43の弾性力と
表面の摩擦力との相互作用により確実に挟持されて搬送
される。
このとき,それぞれのベルトにおける各タイミン歯42
が,プーリ外周面に設けられた各タイミング歯42間に連
続的に嵌合して,各ベルトが搬送されるため,両ベルト
は容易に同期して駆動される。
(発明の効果) シート状物品搬送用ベルトは,平ベルト状をしてお
り,その搬送側面に幅方向に延びる複数の突条を長手方
向に適当な間隔をあけて配設している。そして,シート
状物品の搬送に際して,ベルト一対を,各突条同士が嵌
合するように配設して各搬送側面同士が摺接しないよう
にされ,各突条にて搬送物品が挟持されて搬送される。
その結果,各ベルトに加わる負荷は小さく,しかも低張
力でベルトを安定的に走行させることができ,プーリ等
を大型化する必要がなく,コンパクトなシート状物品の
搬送装置が実現できる。各突条が搬送方向と直交する方
向に沿って形成されているため,ベルト自体の曲げ抵抗
を低減でき,従って,プーリ径を小さくすることができ
るため,搬送装置をさらに小型化でき,しかも,搬送精
度を一層向上させ得る。さらに,ベルト自体の耐クラッ
ク性,耐摩耗性が向上し,搬送物が印刷物である場合に
は,ベルト表面へのインクの転写が抑制される。しか
も,各搬送面は摺接しないために,騒音が生じるおそれ
もない。
また,シート状物品搬送用ベルトは,搬送側面とは反
対側面に複数のリブが配設された平板状の本体部の搬送
側面に,幅方向に延びる複数の突条を長手方向に適当な
間隔をあけて並設しているため,シート状物品の搬送に
際して,本発明のベルト一対を,各突条同士が嵌合する
ように配設しておき,各搬送側面同士が摺接しないよう
にされ,各突条にて搬送物品が挟持されて搬送される。
その結果,各ベルトに加わる負荷は小さく,各ベルトは
プーリから逸脱するおそれがない。従って,本発明のベ
ルトは,低張力で安定的に走行させることができ,プー
リ等を大型化する必要がなく,その結果,コンパクトな
シート状物品の搬送装置が実現できる。各突条が搬送方
向と直交する方向に沿って形成されているため,ベルト
自体の曲げ抵抗を低減でき,従って,プーリ径を小さく
することができるため,搬送装置をさらに小型化でき,
しかも搬送精度を一層向上させ得る。さらに,ベルト自
体の耐クラック性,耐摩耗性が向上し,搬送物が印刷物
である場合には,ベルト表面へのインクの転写が抑制さ
れる。しかも,各搬送面は摺接しないために,騒音が生
じるおそれもない。また,平板状の本体部内に,抗張体
として織布を配設すれば,長手方向に沿って引き裂かれ
るおそれもない。
さらに,シート状物品搬送用ベルトは,平板状の本体
部分の搬送側面に幅方向に延びる複数の突条を長手方向
に適当な間隔をあけて並設され,該搬送側面とは反対側
面にタイミング歯が長手方向に連続的に並設されている
ため,このベルト一対を用いてシート状物品を搬送させ
る際に,両者をきわめて容易に同期させ得る。その結
果,各ベルトに急激に負荷が加わるおそれがなく,各ベ
ルトの長寿命化が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図はシート状物品搬送用ベルトの一例を示す一部破
断斜視図,第2図(a)および(b)はそれぞれ各突条
の断面形状の他の例を示す断面図,第3図および第4図
はそれぞれシート状物品の他の実施例の一部破断斜視図
である。 11,21,41……本体部,11a,21a,41a……搬送側面,11b,21
b,41b……織布,13,23,43……突条,22……リブ,43……タ
イミング歯。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状物品搬送用ベルトが一対のプーリ
    に巻き掛けられてベルト装置が構成され、該ベルトの外
    周面がシート状物品を搬送する搬送側面となっており、
    該ベルト装置の搬送側面同士が対向するように該ベルト
    装置が上下に一対配設されているベルト搬送装置であっ
    て、 該ベルトの該搬送側面にその長手方向とは直交する方向
    に沿ってそれぞれ突設された複数の突条が適当な間隔を
    あけて長手方向に並設され、該ベルトの搬送側面とは反
    対側の周面にその長手方向に沿って突設された断面V字
    状のリブが複数ベルトの幅方向に並設され、該ベルトは
    各リブがプーリの周面に複数設けられた各凹部に係合さ
    れた状態で走行され、 一方の該ベルト装置の該ベルトの隣接する突条の間に、
    他方の該ベルト装置の該ベルトの突条が配置するように
    両ベルトが走行される、ベルト搬送装置。
  2. 【請求項2】前記ベルトの内部に織布が配設されている
    請求項1に記載のベルト搬送装置。
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