JP2642394B2 - 紙葉類搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば第９図に示すように、パチンコ台列
の上方に並設された隣接パチンコ台（１），（１）間に
配置した両替用紙幣投入機（２）からの紙幣（紙葉類）
（ａ）を受入れてパチンコ台列の一端部に設けられた回
収部（４）側へ搬送する際に用いられる装置に関し、詳
しくは、矩形状又はそれに近い形状に構成された可撓性
の紙葉類がそれの紙面及び短辺を上下方向に沿わせた姿
勢で長辺方向に沿って通過自在な搬送ケースを内に、前
記紙葉類の上下方向の中間部を厚み方向から挟持して前
記長辺方向に搬送する搬送用ベルトとガイド部とを対向
設置するとともに、前記搬送ケースには、挟持搬送され
る紙葉類の両長辺の各々に上下方向で対向する壁面を設
けてある紙葉類搬送装置に関する。

〔従来の技術〕

上記紙葉類搬送装置において、従来では、前記ガイド
部を、搬送用ベルトに対して紙幣（紙葉類）の厚み方向
から嵌合する周溝を備えた複数個のプーリから構成する
とともに、紙幣投入機からの送出し紙幣をプーリの周溝
に沿わせるように搬送用ベルトとプーリとによる紙幣の
挟持圧を大に構成して、紙幣をくの字状に屈曲させた姿
勢で搬送するようにしていた（例えば、実開昭61−1358
37号公報参照）。

〔発明が解決しようとする課題〕

例えば、紙幣投入機からの送出し紙幣の受渡しが良好
に行なわれず、紙幣が搬送方向上手側ほど下方又は上方
に傾斜した状態で搬送用ベルトとプーリとに受け渡され
た場合に、上記のように、紙幣がくの字状に屈曲する程
度の大きな挟持圧で挟持されていると、傾斜姿勢で挟持
搬送される紙幣の長辺が搬送ケースの上側壁面又は下側
壁面に接当しても、紙幣の接当部分が折れ曲がるだけ
で、紙幣自体は傾斜姿勢のまま挟持搬送されることにな
り、その結果、次の搬送装置への受渡しや紙幣の回収等
に悪影響を及ぼす問題があった。

本発明の目的は、紙葉類がそれの紙面及び短辺を上下
方向に沿わせた屈曲し難い横向き縦姿勢で長辺方向に沿
って搬送されることを有効に利用して、搬送用ベルトと
ガイド部との挟持圧のみを工夫するだけの簡単かつ経済
的な改造をもって、例え、搬送用ベルトとガイド部と間
に紙葉類が傾斜姿勢で受け渡されても、紙葉類を所定の
姿勢に修正しながら確実、スムースに受け渡すことので
きる紙葉類搬送装置を提供する点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明による紙葉類搬送装置は、前記搬送用ベルトと
前記ガイド部とによる紙葉類の挟持圧を、紙葉類が屈曲
することなく、かつ、前記壁面との接当に伴って紙葉類
が上下方向に移動できる程度の挟持圧に構成すると共
に、前記搬送用ベルトと前記ガイド部との挟持圧のう
ち、紙葉類搬送方向始端部分における挟持圧及び紙葉類
搬送方向終端部分における挟持圧の少なくとも一方をこ
れを除いた他の部分における挟持圧よりも大に構成して
ある事を特徴とするものであり、それによる作用・効果
は次の通りである。

〔作 用〕

搬送用ベルトとガイド部とで挟持搬送される紙葉類が
それの紙面を水平方向に沿わせた姿勢にある場合に比し
て、紙葉類がそれの紙面及び短辺を共に上下方向に沿わ
せた屈曲し難い横向き縦姿勢にあり、しかも、挟持搬送
によっても紙葉類が屈曲しないから、紙葉類の一部が搬
送ケースの上側壁面又は下側壁面に接当したとき、その
接当反力を紙葉類自身に効率良く伝え易く、しかも、挟
持搬送される紙葉類は搬送用ベルトとガイド部とに対し
て上下方向に移動できるから、例え、搬送用ベルトとガ
イド部と間に紙葉類が傾斜姿勢で受け渡されても、この
紙葉類と搬送ケースの上側壁面又は下側壁面との接当に
伴って該紙葉類の傾斜姿勢をスムースに修正することが
できる。

しかも、前記挟持圧のうち、紙葉類搬送方向始端部分
における挟持圧及び紙葉類搬送方向終端部分における挟
持圧の少なくとも一方をこれを除いた他の部分における
挟持圧よりも大に構成することによって、挟持搬送され
てくる紙葉類の受取り又は紙葉類の送出しを大なる挟持
圧により姿勢の乱れを生じることなく確実に行なえるか
ら、紙葉類の受取り又は送出し時に修正された紙葉類の
姿勢が再び大きく変更されることを抑制することができ
る。

〔発明の効果〕

したがって、紙葉類がそれの紙面及び短辺を上下方向
に沿わせた屈曲し難い横向き縦姿勢で長辺方向に沿って
搬送されることを有効に利用して、搬送用ベルトとガイ
ド部との挟持圧のみを上記のように工夫するだけの簡単
かつ経済的な改造でありながら、挟持搬送途中での紙葉
類の搬送姿勢をスムースに修正することができること
と、紙葉類の受渡し途中での姿勢の変更を抑制すること
ができることとの相乗作用により、例え、搬送用ベルト
とガイド部と間に紙葉類が傾斜姿勢で受け渡されても、
この紙葉類を所定の姿勢に修正しながら確実、スムース
に受け渡すことができる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基いて説明する。

第９図は、パチンコ遊技設備を示し、このパチンコ遊
技設備は、複数のパチンコ台（１）を列状に配置し、こ
れら列状に配置したパチンコ台列の２列を、小間隔に隔
てた背中合わせの状態に配設し、これらパチンコ台列の
上方夫々に、前記パチンコ台（１）のうちの隣接パチン
コ台（１），（１）間に直上方箇所に配設された複数の
両替用紙幣投入機（２）からの送出し紙幣（ａ）を受取
ってそれの紙面及び短辺を上下方向に沿わせた横向き縦
姿勢で長辺方向に沿ってパチンコ台列の一端側へ搬送す
る紙幣回収用搬送機構（３）を設けると共に、この紙幣
回収用搬送機構（３）からの紙幣（ａ）をパチンコ台列
の一端に設けた回収部（４）へ搬送する下方搬送機構
（５）と、前記紙幣回収用搬送機構（３）により搬送さ
れてきた紙幣（ａ）をそれの両方向に方向転換させて前
記下方搬送機構（５）に受渡すための受渡し用搬送機構
（６）とを設けて構成されている。

前記紙幣回収用搬送機構（３）は、前記紙幣投入機
（２）を挟んで隣接するパチンコ台（１），（１）の長
さに渡る部分を一ユニットとして搬送方向で複雑に分割
構成されており、各分割ユニット（3A）は、第３図乃至
第６図に示すように、紙幣（ａ）をそれの厚み方向から
挟持して搬送する一対の搬送体（８），（９）の２組
を、紙幣（ａ）が前記横向き縦姿勢で長辺方向に沿って
通過自在な搬送ケース（７）内に搬送方向に並べて設け
てある。

前記搬送ケース（７）には、紙幣（ａ）の両長辺の各
々に上下方向で相対向する上下壁面（7a），（7b）を設
け、この搬送ケース（７）の横一側の搬送方向ほぼ中央
部に、前記紙幣投入機（２）から送出されてくる紙幣
（ａ）を受入れるための開口部（ｂ）を形成すると共
に、前記紙幣投入機（２）からの紙幣（ａ）を前記開口
部（ｂ）を通して搬送下手側に位置する一対の搬送体
（８），（９）の始端部に搬送供給する供給機構（Ｋ）
を設けて構成されている。

前記一対の搬送体（８），（９）のうち一方を、紙幣
（ａ）の上下中央部分に接当する横断面円形の細幅の搬
送用ベルトから構成し、かつ、他方を前記搬送用ベルト
（８）とで挟持搬送すべく対設されたガイド部から構成
してある。

前記搬送用ベルト（８）は、挟持搬送紙幣（ａ）の非
挟持部分をそれの肉厚方向の両側から搬送案内する一対
の案内板（10），（10）のうちの一方の開口を通して突
出する状態で後述のケース（7A）に軸支した複数個のプ
ーリ（11）に巻回されている。

前記ガイド部（９）は、紙幣（ａ）の長辺寸法よりも
小なるピッチで搬送方向に並設された複数個の遊転ロー
ラから構成され、これら遊転ローラ（９）は、前記他方
の案内板（10）の開口を通して紙幣挟持方向に位置変更
自在に後述の蓋体（7B）に取付けられていると共に、上
下一対のスプリング（Ｓ），（Ｓ）により前記搬送用ベ
ルト（８）側へ移動付勢されている。

前記搬送用ベルト（８）と前記遊転ローラ（９）とに
よる紙幣（ａ）の挟持圧を、紙幣（ａ）が屈曲すること
なく、かつ、前記上下壁面（7a），（7b）との接当に伴
って上下方向に移動できる程度の挟持圧にすべく、前記
一対のスプリング（Ｓ），（Ｓ）による付勢力を設定し
てあり、供給機構（Ｋ）からの紙幣（ａ）が傾斜した状
態、例えば、第１図に示すように、前下り傾斜姿勢で搬
送用ベルト（８）と遊転ローラ（９）とで受取ると、紙
幣（ａ）の上側長辺の後方が搬送ケース（７）の上壁面
（7a）に接当して紙幣（ａ）がほぼ水平姿勢となる所定
姿勢に自動修正されるのである。

又、前記搬送用ベルト（８）と前記遊転ローラ（９）
と挟持圧のうち、紙幣搬送方向始端部分における挟持圧
及び紙幣搬送方向終端部分における挟持圧を、これを除
いた他の部分における挟持圧よりも大に構成して、第２
図に示すように、隣接する分割ユニット（3A），（3A）
同士間での紙幣（ａ）の受取り及び送出し、並びに、第
５図に示すように、供給機構（Ｋ）からの送出し紙幣と
一対の搬送体（８），（９）による搬送紙幣との合流を
紙幣（ａ）の姿勢が大きく変更されることなく適確に行
なえるようにしてある。

前記供給機構（Ｋ）は、前記紙幣投入機（２）からの
紙幣（ａ）に接当する受入用ベルト（12）と、この受入
用ベルト（12）との協働により紙幣（ａ）を開口部
（ｂ）に搬送するべく、受入用ベルト（12）に対設した
複数個のローラ（13）とから構成されている。前記受入
用ベルト（12）は、前記搬送ケース（７）に搬送終端部
の上下軸芯（Ｘ）周りで揺動自在に取付けられた蓋ケー
ス（14）に取付けられ、この蓋ケース（14）をこれに作
用するスプリング（15）の付勢力に抗して揺動開放操作
することにより供給機構（Ｋ）内で詰った紙幣の回収等
が迅速に行なえるようにしてある。

前記搬送ケース（７）は、第７図に示すように、紙幣
（ａ）の厚み方向の一方に開口するケース（7A）と、こ
のケース本体（7A）の開口を閉塞する揺動開閉自在な蓋
体（7B）とから構成されている。

第３図及び第８図に示すように、前記各分割ユニット
（3A）における搬送方向上手側に位置する搬送用ベルト
（８）を回動案内する前記複数個のプーリ（11）のうち
の終端部に位置する第１プーリ（11）の支軸（16）及び
搬送方向下手側に位置する搬送用ベルト（８）を回動案
内する前記複数個のプーリ（11）のうちの始端部に位置
する第２プーリ（11）の支軸（17）を、前記搬送ケース
（７）の上部に取付けた電動モータ（18）の操作軸（18
a）にギア機構（19）を介して連動させることにより、
両搬送用ベルト（８），（８）を駆動すると共に、前記
受入用ベルト（12）を前記蓋ケース（14）に軸支された
複数個のプーリ（20）と前記第２プーリ（11）とに渡っ
て巻回することにより、受入用ベルト（12）を前記両搬
送用ベルト（８），（８）と同期して駆動できるように
してある。

〔別実施例〕

前記実施例では、ガイド部を複数個の遊転ローラ
（９）で構成したが、ガイド板でもよく、ガイド部とし
ての具体構成は適宜変更できる。又、前記実施例では、
搬送用ベルト（８）を紙幣（ａ）の短辺方向ほぼ中央部
に接当するように配置したが、この位置よりも長辺側で
もよく、紙幣（ａ）の短辺方向中間部に接当する位置で
あればどの位置に配置してもよい。

又、前記実施例では、搬送用ベルト（８）と遊転ロー
ラ（９）との挟持圧のうち、紙幣搬送方向始端部分にお
ける挟持圧及び紙幣搬送方向終端部分における挟持圧の
両方をこれを除いた他の部分における挟持圧よりも大に
構成したが、前記両挟持圧のいずれか一方のみを他の部
分における挟持圧よりも大に構成してもよい。

本発明は、紙幣（ａ）の搬送に適用できる他、カード
等の矩形上又はそれに近い形状に構成された可撓性の紙
葉類の搬送に適用することができる。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする
為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構
造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第９図は本発明に係る紙葉類搬送装置の実施
例を示し、第１図は紙幣の姿勢変更状態を示す説明図、
第２図は挟持搬送機構の横断平面図、第３図は挟持搬送
機構の側面図、第４図は搬送ケースを開放した状態の挟
持搬送機構の側面図、第５図及び第６図は要部の横断平
面図、第７図は挟持搬送機構の縦断平面図、第８図は挟
持搬送機構の駆動構造を示す横断平面図、第９図はパチ
ンコ遊技設備の一部切欠き斜視図である。 （７）……搬送ケース、（7a），（7b）……壁面、
（８）……搬送用ベルト、（９）……ガイド部（遊転ロ
ーラ）、（ａ）……紙葉類。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】矩形状又はそれに近い形状に構成された可
   撓性の紙葉類（ａ）がそれの紙面及び短辺を上下方向に
   沿わせた姿勢で長辺方向に沿って通過自在な搬送ケース
   （７）を内に、前記紙葉類（ａ）の上下方向の中間部を
   厚み方向から挟持して前記長辺方向に搬送する搬送用ベ
   ルト（８）とガイド部（９）とを対向設置するととも
   に、前記搬送ケース（７）には、挟持搬送される紙葉類
   （ａ）の両長辺の各々に上下方向で対向する壁面（7
   a），（7b）を設けてある紙葉類搬送装置であって、 前記搬送用ベルト（８）と前記ガイド部（９）とによる
   紙葉類（ａ）の挟持圧を、紙葉類（ａ）が屈曲すること
   なく、かつ、前記壁面（7a），（7b）との接当に伴って
   紙葉類（ａ）が上下方向に移動できる程度の挟持圧に構
   成すると共に、前記搬送用ベルト（８）と前記ガイド部
   （９）との挟持圧のうち、紙葉類搬送方向始端部分にお
   ける挟持圧及び紙葉類搬送方向終端部分における挟持圧
   の少なくとも一方をこれを除いた他の部分における挟持
   圧よりも大に構成してある紙葉類搬送装置。
2. 【請求項２】前記ガイド部（９）が前記紙葉類（ａ）の
   長辺寸法よりも小なるピッチで搬送方向に配設された複
   数個の遊転ローラから構成されている請求項１記載の紙
   葉類搬送装置。