JP2019167024A - 車両用シート構造 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1の車両用シートは、シートのクッションパンに端部側程高くなる左部傾斜面と右部傾斜面とを設け、シートに着座した乗員の左右の座骨に左部傾斜面及び右部傾斜面の双方からの反力を作用させている。この左右の座骨に作用する反力によって、左右方向に沿って揺動した着座乗員の骨盤をシートクッションの車幅方向中央に戻している。
特許文献2の車両用シートは、シートバックフレームに着座乗員の肩甲骨の中央付近に対応した回転中心を設定し、乗員の背部を支持するバックレスト部が、シートバックフレームに設定された回転中心回りに回動可能に吊り下げられている。
これにより、乗員は、横力の作用方向の体幹側方筋を伸ばすことができると共に、横力の作用方向と反対方向の体幹側方筋を縮めることにより、乗員のシートに対するホールド性を向上している。
頚椎は、上から順に、第1〜第7頚椎により構成され、胸椎は、第1〜第12胸椎により構成され、腰椎は、第1〜第5腰椎により構成されている。一般に、第7頚椎から第2胸椎までが頚胸椎移行部、第10胸椎から第2腰椎までが胸腰椎移行部といわれている。
人は、歩行状態や立位状態のとき、側面視にて背骨(脊柱)がS字状のカーブ(脊柱湾曲)を描いている。このS字状のカーブを生理的前湾といい、頚椎が約20度前湾し、胸椎が約20〜40度後湾し、腰椎が約35〜60度前湾することによって形成されている。
それ故、歩行状態のように着座状態においても乗員の生理的前湾を維持することで、骨格における椎間板の負担等の違和感を最小化し、長時間の走行(車両操作)を可能にすることができることから、シートバックの形状を生理的前湾に沿うように構成することも行われている。
屈曲、伸展、回旋動作を行う脊椎のうち、胸郭臓器保護を主目的としている胸椎は、胸骨、肩甲骨等に間接的に接する特殊構造であり、可動域が少ない部位である。
特に、胸骨、肩甲骨等に囲まれた上部胸椎(第1〜第7胸椎)は、最も可動域が少ない部分であり、換言すれば、最も力学的に安定した部分を構成している。
そして、車両が急加速する場合、乗員の頭部は、頚胸椎移行部(具体的には、第7頚椎と第1胸椎)を支点として後方回動し、乗員の上半身は、上部胸椎下端(具体的には、第7胸椎)を支点として後方揺動する。それ故、車両の加速走行時、乗員の頭部が大きく仰け反った姿勢になるため、乗員は、車両による実際の加速よりも大きい加速感を知覚し、自己の体感と車両挙動の不一致に起因した違和感を覚えることがある。
しかし、シートに対する着座乗員のホールド性が低下する上、依然として頭部による頚胸椎移行部回りの後方回動が生じることから、違和感の解消は厳しい。
即ち、ホールド性を確保しつつ乗員の違和感を解消するためには、更なる改善の余地が残されている。
着座乗員に対して後方へ向かう慣性力が作用したとき、前記下部胸椎支持部が、前記上部胸椎支持部よりも大きく後方移動可能で且つ着座乗員の上部胸椎下部が前方回動するように構成されたため、上部胸椎下部を前方回動させることにより乗員の頭部に前方回転モーメントを付与することができる。この前方回転モーメントによって、車両の加速走行時、頚胸椎移行部を支点とする乗員頭部の後方回動を抑制することができる。
この構成によれば、上部胸椎支持部と下部胸椎支持部に加え、腰椎支持部の支持特性を独立して設定することができる。また、車両挙動に拘らず乗員の生理的前湾を維持することができる。
この構成によれば、前記請求項1,2の効果に加え、簡単な構成で下部胸椎支持部を上部胸椎支持部及び腰椎支持部よりも大きく後方移動させることができる。
この構成によれば、ばね定数の変化を緩やかにして乗員の違和感を低減することができる。また、シートバックのばね特性を、下部胸椎支持部を境にして上下に略対称的な円弧状特性に設定できるため、多少の体格差に拘らずホールド性を確保しつつ乗員の違和感を解消することができる。
この構成によれば、下部胸椎支持部に対して対称的な支持特性を設定することができる。
この構成によれば、車両の加速走行時、頚胸椎移行部を支点とする乗員頭部の後方回動を確実に抑制することができる。
この構成によれば、快適性を維持しつつ、車両の加速走行時、頚胸椎移行部を支点とする乗員頭部の後方回動を確実に抑制することができる。
図1に示すように、本実施形態の車両用シート1は、着座した乗員Dの頭部を受けるヘッドレスト2と、シート1を車室床面に固定する脚機構3と、着座乗員Dの坐骨に対応した部位(臀部)を支持するシートクッション10と、着座乗員Dの脊椎(骨)に対応した部位(背部)を支持するシートバック20等を主な構成要素としている。
以下、着座乗員Dの視線方向を、前側とし、着座乗員Dの左方を、左側として説明する。
図2に示すように、シートクッション10は、前側部分が大腿骨を下方から支持し、前側部分よりも後側の後側部分が坐骨を下方から支持している。
シートバック20は、下側部分が寛骨(腸骨、恥骨、坐骨)及び腰椎を後方から支持し、下側部分よりも上側の中段部分が下部胸椎を後方から支持し、中段部分よりも上側の上側部分が上部胸椎の下端を後方から支持している。
尚、本実施例1では、説明の便宜上、乗員DがAM50(米国成人男性の50パーセンタイルのダミー人形)と同じ寸法有するものとして以下、説明する。
着座乗員Dの椎間板の負担等の違和感を最小化すると共に長時間の走行を可能にするため、車両の定速走行時又は停車時、車両用シート1のシートバック20は、側面視にて、頚椎が約20度前湾し、胸椎が約20〜40度後湾し、腰椎が約35〜60度前湾した生理的前湾に沿うように形成されている。
また、着座した乗員Dの窮屈感(圧迫感)の解消を目的として、図2に示すように、上部胸椎(T1〜T7)の下端に相当する第7胸椎T7よりも上部において高さ位置が高い程乗員Dとシートバック20との前後方向の離間距離が大きくなるように設定されている。
図3の実線で示すように、車両が加速走行する場合、乗員Dの上半身に後方へ向かう慣性力が作用するため、頭部を含む上半身が上部胸椎下端である第7胸椎T7を支点として後方揺動する。更に、頭部に後方へ向かう慣性力が作用するため、頭部が頚胸椎移行部である第7頚椎C7と第1胸椎T1を支点として後方回動する。
それ故、これらの相乗作用により、乗員Dの頭部が大きく仰け反った姿勢になるため、乗員Dは、車両の実際の加速よりも大きな加速感を知覚し、自己の体感と実際の車両挙動との不一致により違和感を覚える懸念がある。
尚、慣性力とは、質量が慣性を持つために現れる見かけ上の力である。
それ故、これらの相乗作用により、上半身のうち旋回外側部分に相当する旋回外側の肩甲骨部分がシートバック20を押し潰しながら後方移動するため、シートバック20上に旋回外側上腕部の支持点を形成することができず、円滑なステアリングホイールの舵角操作が阻害される懸念がある。
頭部重量をm1、上部胸椎部重量をm2(m1<m2)、下部胸椎部重量をm3(m1<m3)、腰椎部重量m4(m3<m4)、車両の前方に進む加速度をαとしたとき、加速度発生後は静止状態である加速度発生前に比べて、頭部、上部胸椎、下部胸椎に、−m1×α、−m2×α、−m3×α、−m4×αで表される後方に向かう慣性力が夫々作用すると見做すことができる。
後方移動調整機構の第1の機能は、頭部回動抑制機能である。
図5に示すように、後方移動調整機構は、乗員Dに対して後方へ向かう慣性力が作用したとき、第11胸椎T11を含む下部胸椎に対応した部位bが、第7胸椎T7を含む上部胸椎に対応した部位aよりも大きく後方移動可能に形成されている。
これにより、上部胸椎下端の前方回動により乗員Dの頭部に前方回転モーメント(図4参照)を付与し、この付与された前方回転モーメントによって、車両の加速走行時、頚胸椎移行部を支点とする乗員Dの頭部の後方回動を抑制している。
後方移動調整機構は、乗員Dに対して後方へ向かう慣性力が作用したとき、上部胸椎に対応した部位aが、下部胸椎に対応した部位b及び第5腰椎L5を含む腰椎に対応した部位cよりも後方移動が制限されるように形成されている。
これにより、車両の旋回走行時、肩甲骨に対応した部位(乗員Dの旋回外側上腕部)を後方移動させることなく、シートバック20上に肩甲骨に対応した部位を支持する支持点を形成できるため、乗員Dの上半身のうち旋回外側部分に作用する慣性力及び旋回外側上腕部に作用するステアリングホイールからの操舵反力を確実に支持することができ、ステアリングホイールの操作性を確保している。
図1,図6に示すように、脚機構3は、車両床面に直接固定され、脚機構3と床面との間に、実質的にクッション性を与える部材は配設されていない。
脚機構3は、床面に対してシートクッション10及びシートバック20を前後にスライド可能にするスライド機構を備えている。このスライド機構は、車両用シート1を前後に移動させ、乗員Dを所望の位置で係止可能に形成されている。
尚、以下の説明は、リフト、チルト、リクライニンク等の姿勢制御機構が一切操作されていない初期状態として行う。
フレーム部材11は、前方に向けて凸型に湾曲された略U字状に構成されている。
弾性部材13は、複数の金属製板ばねであり、その前後端がフレーム部材11に固定されている。これにより、乗員Dが着座したとき、弾性部材13が弾性変形し、乗員Dの臀部を下方から支持している。
フレーム部材21は、フレーム部材11の後端部から斜め上方に延び、上方に向けて凸型に湾曲された略U字状に構成されている。
弾性部材23は、上下に延びる複数(例えば、3本)の金属ワイヤ製Sばね23a〜23cであり、それらの上下端部がフレーム部材21に固定されている。
弾性部材23の前側に配置されたクッション部材22は、フレーム部材21に支持され、フレーム部材21を部分的に覆うように配設されている。このクッション部材22は、弾性変形特性と振動減衰特性を有している。
上部胸椎支持部20aの内部には、上部胸椎の下端である第7胸椎T7の近傍部位、具体的には、上部胸椎支持部20aの車幅方向中央且つ下端側部分に第7胸椎T7の周辺に対応した部位を支持する下端支持部20eが部分的に形成されている。
この下端支持部20eの左右両側部分は、乗員Dの左右の肩甲骨領域に夫々対向している。
kb<kc≦ke<ka<kd
20≦ka−kc …(1)
これにより、乗員Dに対して後方へ向かう慣性力が作用したとき、ばね定数が低い支持部は、ばね定数が高い支持部よりも大きく水平方向に後方移動される。
また、ばね定数が高い支持部は、対向する乗員Dの骨格部位の後方移動を阻止する後方移動阻止領域を形成している。
また、各支持部のばね定数は、特段の説明がない場合、支持部内において略一定である。
具体的なばね定数の演算については、本出願人が既に出願している特許出願(例えば、特願2017−145340)を含め種々の手法が存在するため、詳細な説明を省略する。
kb<kf<ka
kb<kg<kc …(2)
これにより、シートバック20の上部胸椎支持部20aから腰部支持部20cに亙ってばね定数の変化を緩やかにして乗員の違和感を低減している。また、シートバック20のばね特性を、鳩尾に対応した第11胸椎T11を境にして上下に略対称的な円弧状特性に設定することにより、多少の体格差に拘らずホールド性を確保しつつ乗員の違和感を解消している。
中間支持部20hは、このばね定数をkhとしたとき、次式(3)の条件を満たすように設定されている。
kc<kh<kd …(3)
10≦ka−ke
5/4≦ke/kb≦7/4 …(4)
これにより、車両の加速走行時、頚胸椎移行部(C7,T1)を支点とする乗員Dの頭部の後方回動を確実に抑制することができる。また、周囲に比べて僅かに窪んだ下端支持部20eによって第7胸椎T7をシートバック20上に位置決めすることができ、ホールド性を向上している。
図9に示すように、上下に延びる3本のSばね23a〜23cは、左から順に配置され、各々上下両端部でフレーム部材21に支持されている。
左側Sばね23aは、上部胸椎支持部20aと下部胸椎支持部20bと腰部支持部20cに対応するように左側外縁支持部20d側に張り出した張出部が夫々形成されている。
中間Sばね23bは、Sばね23aと左右対称に配置され、上部胸椎支持部20aと下部胸椎支持部20bと腰部支持部20cに対応するように右側外縁支持部20d側に張り出した張出部が夫々形成されている。
右側Sばね23cは、上部胸椎支持部20aと下部胸椎支持部20bと腰部支持部20cに対応するように右側外縁支持部20d側に張り出した張出部が夫々形成されている。
左右1対の連結部材24bは、下部胸椎支持部20bに対応したSばね23bの張出部とフレーム部材21の左側縦フレーム部分の中間中段部とを連結すると共に下部胸椎支持部20bに対応したSばね23cの張出部とフレーム部材21の右側縦フレーム部分の中間中段部とを連結している。
左右1対の連結部材24cは、腰椎支持部20cに対応したSばね23cの張出部とフレーム部材21の左側縦フレーム部分の下側中段部とを連結すると共に腰椎支持部20cに対応したSばね23cの張出部とフレーム部材21の右側縦フレーム部分の下側中段部とを連結している。
左右1対の連結部材24a〜24cは、上記式(1),(2),(4)の条件を満たすように各々の連結張力が調整されている。
尚、上部胸椎支持部20aの下端支持部20eと、上部中間支持部20fと、下部中間支持部20gのばね定数については、連結部材24a〜24cによる連結張力調整に加えて、クッション部材22のばね特性の変更により調整されている。
作用、効果の説明にあたり、CAE(Computer Aided Engineering)による検証実験を行った。この検証実験では、比較モデルM1,M2及び本件モデルM3を準備し、第5腰椎L5を基準として2種類の加速度(3G,6G)における頭部、肩位置相当の第7腰椎T7、及び腰位置相当の第11胸椎T11の後方変位量を演算した。
比較モデルM1は、下端支持部を含む上部胸椎支持部のばね定数がkbと同等、下部胸椎支持部のばね定数がkeと同等に設定されている。
比較モデルM2は、下端支持部を含む上部胸椎支持部のばね定数及び下部胸椎支持部のばね定数が何れもkeの2倍相当に設定されている。
本件モデルM3は、実施例1と同様、上部胸椎支持部のうち下端支持部のばね定数がke(下端支持部以外の上部胸椎支持部のばね定数はka)、下部胸椎支持部のばね定数がkbに設定されている。
図10(a)に示すように、比較モデルM1は、第5腰椎L5から上方に離間する程後方に移行するため、乗員Dの頭部に後方揺動と後方回動が作用して頭部が大きく仰け反っている。しかも、第7腰椎T7の後方移動量が大きく、肩甲骨に対応した部位を支持する支持点の形成が難しいことが分かる。
図10(b)に示すように、比較モデルM2は、第5腰椎L5から上方に離間する程後方に移行するため、比較モデルM1よりも後傾量は少ないものの乗員Dの頭部は仰け反る。
第7腰椎T7の後方移動量は抑えられているものの、着座快適性の確保が難しい上、旋回走行時、沈み込み量が少ないため、着座乗員のホールド性の確保が困難である。
図10(c)に示すように、本件モデルM3は、加速度が増加するに従い、第11胸椎T11から上側部分の前傾傾向が大きくなるため、頭部に前方回転モーメントを付与して頭部の後方回動を抑制している。しかも、第7腰椎T7の後方移動により圧迫による痛みを生じることなく、第7腰椎T7以外の領域(左右両側部分)で肩甲骨に対応した部位を支持する支持点を形成している。
尚、実施例1と同様の部材には、同じ符号を付している。
実施例1では、Sばね23a〜23cと連結部材24a〜24cを用いて支持部20a〜20cのばね定数ka〜kcを調整したのに対し、実施例2では、パネル材25a,25bと張力部材26a,26bを用いている。
パネル材25a,25bと張力部材26a,26bは、フレーム部材21の左右両側の縦フレーム部分を連結するように夫々固定されている。
パネル材25aは、上部胸椎支持部20aに対応(重畳)するように配設されている。
また、パネル材25bは、パネル材25aから下方に離間して下部胸椎支持部20bに対応するように配設されている。
紐状線材26x,26yは、上部胸椎支持部20aの四隅近傍位置でフレーム部材21に固定され、上部胸椎支持部20aの中央で交差するように配設されている。
紐状線材26zは、上部胸椎支持部20aの中央よりも上側において紐状線材26x,26yの上側途中部同士を左右に延びるように連結している。
これにより、下端支持部20eの上方に紐状線材26x,26yの交差点及び紐状線材26zを配置することができ、加速走行時、第7胸椎T7に対応した下端支持部20eを周囲に比べて僅かに窪ますことができる。また、旋回走行時、紐状線材26x,26yの上側部分で乗員Dの肩甲骨部分を直接的に支持することができる。
この張力部材26bは、腰椎支持部20cの中央よりも若干上側位置で左右に延びるように配設されている。
これにより、腰椎支持部20cの中央よりも若干上側位置を基準として、上側又は下側に離間する程腰椎支持部20cのばね定数kcがリニアに低くなるように調整している。
また、腰椎支持部20cのばね定数kcは、下部胸椎支持部20bのばね定数kbよりも高くなるように設定され、上部胸椎支持部20aのばね定数kaよりも低くなるように設定されている。
尚、上部中間支持部20fと、下部中間支持部20gのばね定数については、パネル材25a,25bと張力部材26a,26bによる調整に加えて、クッション部材22のばね特性の変更により調整している。
1〕前記実施例1においては、上部胸椎支持部20aのばね定数kaが下端支持部20eのばね定数keよりも大きい値に設定された例を説明したが、ばね定数kaとばね定数keを同じ値に設定し、上部胸椎支持部20aのばね定数kaと腰椎支持部20cのばね定数kcを同じ値に設定しても良い。
(1)フレームを外側フレームと内側フレームの2重構造により構成する。
(2)側突時に乗員を保護するため、外側フレームを移動不能に構成する。
(3)内側フレームが、クッションと弾性部材を直接支持する。
(4)内フレームとクッションと弾性部材が、支持部毎に分割され、支持部毎に駆動部により前後移動される。
10 シートクッション
20,20A シートバック
20a 上部胸椎支持部
20b 下部胸椎支持部
20c 腰椎支持部
20f 上部中間支持部
20g 下部中間支持部
24a〜24c 連結部材
25a,25b パネル材
26a,26b 張力部材
Claims (7)
- シートクッションと、シートバックとを備えた車両用シート構造において、
前記シートバックが、少なくとも着座乗員の上部胸椎下部に対応した部位を支持する上部胸椎支持部と、前記上部胸椎支持部よりも前側で且つ着座乗員の下部胸椎に対応した部位を支持する下部胸椎支持部とを有し、
着座乗員に対して後方へ向かう慣性力が作用したとき、前記下部胸椎支持部が、前記上部胸椎支持部よりも大きく後方移動可能で且つ着座乗員の上部胸椎下部が前方回動するように構成されたことを特徴とする車両用シート構造。 - 前記シートバックが、前記下部胸椎支持部よりも前側で且つ着座乗員の腰椎に対応した部位を支持する腰椎支持部を有し、
着座乗員に対して後方へ向かう慣性力が作用したとき、前記下部胸椎支持部が、前記腰椎支持部よりも大きく後方移動可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート構造。 - シートクッションと、シートバックとを備えた車両用シート構造において、
前記シートバックが、少なくとも着座乗員の上部胸椎下部に対応した部位を支持する上部胸椎支持部と、前記上部胸椎支持部よりも前側で且つ着座乗員の下部胸椎に対応した部位を支持する下部胸椎支持部と、前記下部胸椎支持部よりも前側で且つ着座乗員の腰椎に対応した部位を支持する腰椎支持部とを有し、
前記下部胸椎支持部のばね定数が、前記上部胸椎支持部及び腰椎支持部のばね定数よりも低いことを特徴とする車両用シート構造。 - 前記上部胸椎支持部と下部胸椎支持部の間に配設された上部中間部と、
前記下部胸椎支持部と腰椎支持部の間に配設された下部中間部とを有し、
前記上部中間部のばね定数が、前記上部胸椎支持部のばね定数と下部胸椎支持部のばね定数の中間値に設定され、
前記下部中間部のばね定数が、前記下部胸椎支持部のばね定数と腰椎支持部のばね定数の中間値に設定されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用シート構造。 - 前記上部胸椎支持部のばね定数と腰椎支持部のばね定数が略同等に設定されたことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の車両用シート構造。
- 前記下部胸椎支持部のばね定数と上部胸椎支持部のばね定数の差が20N/m以上に設定されたことを特徴とする請求項5に記載の車両用シート構造。
- 前記下部胸椎支持部のばね定数と上部胸椎支持部のばね定数の比が5/4〜7/4の範囲に設定されたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用シート構造。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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