JPH07124035A - 自動車用シート - Google Patents

自動車用シート

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JPH07124035A
JPH07124035A JP27462593A JP27462593A JPH07124035A JP H07124035 A JPH07124035 A JP H07124035A JP 27462593 A JP27462593 A JP 27462593A JP 27462593 A JP27462593 A JP 27462593A JP H07124035 A JPH07124035 A JP H07124035A
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Yoshinori Fujita
悦則 藤田
Kaoru Tsunetomo
薫 常友
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 快適な着座フィーリングでもって上半身を理
想的な姿勢にサポートして理想の体圧分布となし、しか
も長時間の着座による腰痛等を解消する。 【構成】 クッション材背後のバックプレートを弾性変
形可能とし、その下端側をトーションバーにて揺動自在
に、上方側をS字ばねにてシートバックフレームに各々
支持する一方、バックプレートの大きな後方揺動を規制
する受け部材を設け、又バックプレートの正面側を軟ら
かく、背面側を硬く形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車用シートに関
し、特に上半身を優れた着座フィーリングでもって理想
的な着座姿勢にサポートできるようにしたシートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常、自動車用シートでは快適な着座フ
ィーリングを得られるように種々な工夫がなされてい
る。例えば、シートバックについては、繊維製編物と
フィッシュマウス式ばねとを組合わせた構造、ウレタ
ンパッドをプルマ式ばねで弾性支持した構造、ウレタ
ンパッドをS字ばねで弾性支持した構造、等が採用され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来のシー
トバックでは、腰椎支持部分の剛性が高く、乗員の
腰椎付近を確実にサポートできるものの、肩支持部分の
剛性も高くなるので、乗員の肩部付近のサポート感が硬
く、着座の快適さが損なわれやすい。
【0004】さらに、乗員肩部付近のサポートが硬く、
ピッタリとフィットしたサポート感がない結果、走行中
の慣性力の変化に対して上半身の筋肉、特に肩回りや首
筋の筋肉に余分な力が入って緊張し、しかもサポートが
硬くて走行振動等が人体に直接作用するので、肩凝りや
後頭部の痛みが発生しやすく、特に長時間連続走行時に
かかる問題が顕著である。
【0005】他方、従来のシートバックでは、S字ば
ねの弾性を適度に設定して乗員の肩部付近を軟らかく支
持できるものの、脊柱方向の支持に連続性がなく、ばね
のない箇所では支持力が不足して身体の沈み込み等が生
じる結果、慣性力の変化に対して脊柱回りの筋肉に余分
な力が入って緊張し、腰痛や尻の痺れが発生しやすいと
いう問題があった。
【0006】また、シート着座時における乗員の好みの
姿勢には、脊柱が理想的なS字形状になった姿勢、
脊柱が真っ直ぐに延びた姿勢、猫背となった姿勢、等
が種々様々である。
【0007】しかし、従来のシートバックでは、いずれ
も脊柱が真っ直ぐの姿勢や猫背の姿勢が好みの乗員に対
しても脊柱がS字カーブとなる着座姿勢を適用していた
ので、好みでない姿勢を維持するために脊柱回りの筋肉
に余分な力が入って緊張しやすく、体圧が部分的に高く
なったり、腰椎部分だけ走行振動で叩かれたような状態
となって椎間に負荷がかかって腰痛が生じやすかった。
特に、猫背の姿勢が好みの乗員についてはかかる問題が
顕著で、長時間連続走行中には休憩を頻繁に行ったり、
運転中に腰を伸ばしたりする必要があった。
【0008】いずれにしても、従来のシートバックでは
無理な着座姿勢を長時間続けなければならず、腰痛、肩
こり、後頭部の痛み、尻の痺れ等が発生しているのが実
情である。
【0009】この発明は、かかる問題点に鑑み、快適な
着座フィーリングでもって上半身を理想的な姿勢にサポ
ートして所望の体圧分布に保持でき、しかも長時間の着
座によっても腰痛等が生じないようにした自動車用シー
トを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明に係る自動
車用シートは、シートバックを構成するクッション材の
背後に弾性変形可能なバックプレートを設け、バックプ
レートの下端側をトーションバーによってシートバック
フレームに揺動自在に弾性支持するとともに、その上方
側をS字ばねによってシートバックフレームに弾性支持
する一方、S字ばねの弾性変形によって後方に揺動した
バックプレートの上端側を受け部材で受けてその後方揺
動を規制し、又バックプレートの正面側剛性を低く、背
面側剛性を高く形成し、ほぼ所定の体圧分布に保持可能
となしたことを特徴とする。
【0011】クッション材はシートバックに一般的に採
用される合成樹脂パッド、例えばウレタンパッドとでき
るが、勿論、他のクッション材であってもよい。バック
プレートは弾性変形可能であればその材質は問わず、例
えば合成樹脂を使用できる。受け部材はバックプレート
の後方揺動を規制できればどのような構造でもよく、例
えばシートバックフレームに固着したレインフォースメ
ントとできる。
【0012】バックプレートの下端側は骨盤後転モーメ
ントを受けて腰椎を確実にサポートする機能を有する
が、人体は一般に第1腰椎から第3腰椎にかけての部分
が圧力変動に敏感であるので、この部分で骨盤後転モー
メントを受けるのは好ましくない。そこで、トーション
バーによるバックプレート支持位置は圧力変動に鈍感な
第4、第5腰椎近傍とするのがよい。
【0013】バックプレートは正面側剛性を低く、背面
側剛性を高く形成できればどのような構造でもよく、例
えば低剛性の正面側プレート部と高剛性の背面側プレー
ト部とを相互に固着して構成してもよく、又表面側と背
面側の材質を変えて製作してもよいが、製造工程を考慮
すると、全体を中空状となし、背面壁にビードを設け、
あるいは背面壁を厚肉に形成して背面側の剛性を高く設
定するのがよい。このバックプレートの製造には例えば
合成樹脂の場合にはブロー成形を採用するのがよい。
【0014】シートバックは乗員の体格や好みの着座姿
勢に迅速に対応できるのが好ましい。そこで、バックプ
レート正面側の縦断面外形状は基本的には横臥姿勢の脊
柱形状に設定しこれをバックプレート正面側の柔軟性で
補うようにするのがよい。
【0015】
【作用及び発明の効果】本発明によれば、クョション材
の背後にバックプレートを設け、バックプレート下端側
をトーションバーで、上方側をS字ばねで弾性支持し、
又バックプレートの背面側を硬くしているので、乗員が
シートに着座すると、乗員の腰部はバックプレート下端
側で確実にサポートされ、しかもサポート感はトーショ
ンバーの弾性とバックプレート表面側の軟らかさとによ
ってソフトである。
【0016】同時に、乗員の体格や好みの着座姿勢に応
じてS字ばねが変形してバックプレートが後方に揺動す
るとともにバックプレート表面側が乗員の脊柱形状に応
じて変形し、乗員の背中はバックプレートの広い柔軟な
面とピッタリとフィットしてその体圧が全体に分散され
てほぼ理想的な体圧分布となるので、上半身は軟らかく
かつピッタリとサポートされる。
【0017】従って、乗員の体格差や着座姿勢の好みに
個人差がある場合にもバックプレートの後方揺動とバッ
クプレート表面側の変形とによって乗員に応じた理想的
な好のみの着座姿勢にサポートできるとともに、理想的
な体圧分布が得られ、身体の筋肉に余分な力を入れる必
要がなく、極めて快適な着座フィーリングが得られる。
【0018】他方、バックプレートに軽荷重が加わる
と、S字ばねが変形してバックプレートが後方に揺動し
てその荷重を受ける一方、荷重が一定値以上になると、
バックプレートが背後の受け部材と当たって後方への揺
動を規制され、今度はバックプレート全体が弾性変形し
てその大きな荷重を受ける。
【0019】従って、走行中の慣性力に変化があった場
合にもバックプレート側でその荷重を吸収して快適なフ
ィット感を維持でき、乗員は上半身に余分な力を入れる
ことなく姿勢変化に迅速に対応でき、理想的な体圧分布
を保持できるので、腰痛、肩こり、後頭部の痛み、尻の
痺れ等が発生することはない。特に、バックプレートで
理想的なサポートができるので、クッション材自体には
ソフトな材質を採用でき、上半身に伝わる走行振動を軽
減して腰痛等の原因の1つを構造的に除去できる結果、
腰痛、肩こり、後頭部の痛み、尻の痺れ等をより確実に
防止できる。
【0020】また、走行中におけるペダル操作等によっ
てヒップ角度や膝曲げ角度が変化すると、人体構造上、
腰椎の湾曲及び周長が変化し、しかもそれにも個人差が
あるが、かかる場合には腰椎の湾曲及び周長の変化に対
応してバックプレートの表面側が変形し、必要に応じて
バックプレートが揺動し、柔軟でピッタリとしたサポー
ト性を確保できるので、上半身に余分な力を入れること
なく、姿勢変化に迅速に対応でき、理想的な体圧分布を
保持できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて
詳細に説明する。図1ないし図6は本発明の一実施例に
よる自動車用シートを示す。図において、シートはシー
トクッションとシートバック1とから構成され、シート
バック1は基本的にはクッション材であるウレタンパッ
ド(図示せず)の背後にバックプレート10を設けこれ
をシートバックフレーム11に支承しその外方を表皮
(図示せず)で覆って構成されている。なお、12はシ
ートクッションフレームである。
【0022】上記シートバックフレーム11は図2(a)
に示すようにパイプをほぼ四角形状に折曲げて製作さ
れ、該シートバックフレーム11の下辺部中央には略逆
L字状をなす取付金具110が固定され、該取付金具1
10にはトーションバー13の両端折曲部分が挿通して
取付けられている。このトーションバー13は略四角形
状をなし、その上辺部分は図2(b) に示すようにバック
プレート10裏面下端部にて横方向に延びる収納溝10
0内に収納され、その上辺部分の左右両側にて固定金具
130、131で挟持された状態でリベットで固定され
ており、こうしてバックプレート10の下端側は両持ち
トーションバー13によってシートバックフレーム11
に揺動自在に弾性支持されている。
【0023】ここで、人体の第1〜第3腰椎の部分は圧
力変動に敏感であるので、上記収納溝100の位置、即
ちトーションバー13によるバックプレート10の支持
位置は圧力変動に鈍感な第4、第5腰椎近傍の位置に設
定されている。
【0024】また、バックプレート10裏面には中央よ
り若干上方側にクリップ部101が突設され、該クリッ
プ部101にはS字ばね14の略中央部分が係止され、
該S字ばね14は横方向に延び、その両端はシートバッ
クフレーム11のサイド部分に取付けられており、こう
してバックプレート10の上方側はS字ばね14によっ
てシートバックフレーム11に弾性支持されている。
【0025】上記バックプレート10は図3(a)(b)に示
すように、合成樹脂材料等を用いて略四角形状でかつ中
空状に製作され、該バックプレート10の断面外形状は
標準体格の人体の横臥状態における脊柱形状である、い
わゆるS字カーブ状に設定され、その前方に設計寸法の
厚みを有するウレタンパッドが配設されてシートバック
1は図5に示す表面形状となっている。例えば、ウレタ
ンパッド(ワディングを含む)の厚みは乗員のヒップポ
イントHPから50mmの高さで厚み50mm、110
の高さで厚み60mm、190mmの高さで厚み70m
mと徐々に変化させ、190mmの高さから300mm
の高さにかけては70mmの厚みで一定とし、500m
mの高さで厚み50mmと徐々に減少するように設定さ
れる。
【0026】また、図4に示すように、バックプレート
10の背面壁には厚みを維持したまま、トーションバー
13の支持部より上方にてビード部102が前方に向け
て突設されており、こうしてバックプレート10は弾性
変形可能で、かつ正面壁が低剛性、即ち軟らかく、背面
壁が高剛性、即ち硬くなるように構成されている。
【0027】また、シートバックフレーム11の両サイ
ド上端部間には横方向に延びるレインフォースメント
(受け部材)15が固着され、該レインフォースメント
15はS字ばね14を変形させて後方に揺動してきたバ
ックプレート10の上端部背面と当接してその後方揺動
を規制するようになっている。
【0028】次に、作用について説明する。乗員がシー
トに着座した場合、上半身のうち、腰部についてはシー
トバック1の下端側で受けられるが、シートバック1下
端側ではウレタンパッド背後のバックプレート10がト
ーションバー13でシートバックフレーム11に支承さ
れ、又バックプレート10は背面壁剛性によって全体と
しては比較的硬いので、確実にサポートされる。
【0029】通常、走行中にはヒップポイントHPを中
心として骨盤を後転させる力が作用するが、上述のよう
に圧力変動に鈍感な第4、第5腰椎近傍で腰椎を確実に
サポートできる結果、腰椎回りの筋肉に余分な力を入れ
ることなく、骨盤後転モーメントを受けることができ
る。
【0030】また、バックプレート10の正面壁は背面
壁に比して軟らかく形成されているので、腰椎のサポー
ト感はトーションバー13の弾性と相まって極めてソフ
トであり、確実な腰椎サポートができる割に、ゴツゴツ
したサポート感がない。
【0031】他方、上半身のうち、背中及び両肩につい
てはシートバック1のほぼ全体で受けられるが、バック
プレート10の上方側はS字ばね14で支承されている
ので、乗員がシートに着座すると、乗員の体重等に応じ
てS字ばね14が弾性変形し、バックプレート10が図
6に矢印で示すように下端側トーションバー13を支点
に後方に揺動する。同時に、バックプレート10正面壁
が乗員の脊柱形状に応じて変形するが、バックプレート
10正面壁を横臥状態の脊柱S字カーブ状としているの
で、バックプレート10正面壁は迅速に変形し、背中及
び両肩はバックプレート10の広い柔軟な正面壁にピッ
タリとフィットし、その体圧は全体に分散され、理想的
な体圧分布となって一部分の体圧が極端に高くなること
はなく、軟らかくかつピッタリとしたフィット感でもっ
てサポートされる。
【0032】ところで、一般的に乗員の体格は同一では
なく、体格の大きな人や小さな人があってバラバラであ
る。また、好みの着座姿勢にも上述のように個人差があ
る。本例のシートではその体格差や好みの着座姿勢に応
じ、バックプレート10が前後に揺動するとともにバッ
クプレート10正面壁が変形するので、全ての乗員につ
いて体格差や好みの姿勢の個人差に応じた理想的な着座
姿勢に無理なくサポートでき、しかも理想的な体圧分布
が得られ、快適なフィット感が確保できる。
【0033】例えば、好みの着座姿勢が猫背の姿勢が好
みの乗員の場合、その姿勢に応じてバックプレート10
が前後に揺動するとともにバックプレート10正面壁が
変形するので、好みの猫背姿勢にバックプレート10の
正面壁ほぼ全体でソフトにかつ快適なフィット感でもっ
てサポートされ、又姿勢を維持するために無理な力を入
れる必要がなく、体圧分布も理想的の分布が得られる。
従って、従来のシートのように着座時に脊柱回りの筋肉
に余分な力を入れる必要がなく、又体圧分布が部分的に
高くなることはないので、椎間に無理がかからず、又長
時間連続走行中における頻繁な休憩等を不要とできる。
【0034】ところで、人体構造上、図7(出典:SE
Aジャーナル,1964年9月 vol.72 No.9)に示
す各種姿勢A〜Pをとった時には腰椎の湾曲は曲線A〜
Pで示すように変化するが、快適な運転姿勢及び運転中
の動的条件、例えば慣性力の変化や運転操作による姿勢
変化を考慮すると、姿勢Dから姿勢Iまでの腰椎の湾曲
に対応する必要がある。本例のシートではバックプレー
ト10を標準体形における横臥状態の脊柱Sカーブを基
本形状とし、バックプレート10の後方揺動及び正面壁
の弾性変形、さらにはバックプレート10自体の弾性変
形によってこれに対応している。
【0035】即ち、バックプレート10に軽い荷重が加
わった場合、S字ばね14が変形してバックプレート1
0が後方に揺動し、その軽荷重を受けることができる。
【0036】その荷重が一定値以上になった場合、バッ
クプレート10はレインフォースメント15との隙間a
(図6参照)の分だけ後方に揺動してレインフォースメ
ント15に当り、後方への揺動を規制される。すると、
バックプレート10が全体として弾性変形するので、そ
の大きな荷重を受けることができる。
【0037】従って、走行中の慣性力に変化があり、姿
勢が変化した場合にもバックプレート10でその荷重を
吸収して快適な着座フィーリングを維持しつつ、乗員は
上半身に余分な力を入れることなく姿勢変化に迅速に対
応でき、理想の体圧分布を保持できる。
【0038】また、バックプレート10によって理想的
なサポートができるので、ウレタンパッドにはソフトな
ものを採用でき、乗員に伝わる走行振動を軽減できる。
その結果、腰痛等の原因の1つである振動を構造的に除
去できるとともに、理想的な体圧分布を保持できるの
で、腰痛、肩こり、後頭部の痛み、尻の痺れ等を確実に
防止できる。
【0039】また、脊椎形状に対するヒップ角度(脊椎
に対する大腿部の角度)及び大腿部に対する膝の曲げ角
度の影響について検討すると、ヒップ角度及び膝曲げ角
度が変化すると脊椎形状も変化する。例えば、ヒップ角
度が大きくなると、腰椎は後方へ曲がり、腰椎の周長は
長くなる一方、膝を伸ばすほど腰椎は後方に曲がる。ま
た、低く座って脚を上げ、脚を伸ばすほど腰椎の後方へ
の湾曲が進む。特に、ヒップ角度の変化の方が膝曲げ角
度の変化よりも脊椎形状への影響が大きい。
【0040】走行中においてペダル操作等を行うと、ヒ
ップ角度及び膝曲げ角度が変化し、腰椎の湾曲及び周長
も変化し、それにも個人差があるが、本例のシートでは
腰椎の湾曲の度合い及び周長が変化すると、その変化に
対応してバックプレート10の表面壁が弾性変形し、必
要に応じてバックプレート10が揺動し、又バックプレ
ート10自体が弾性変形するので、腰椎の湾曲及び周長
の変化を吸収して柔軟なサポート性を確保しつつ、上半
身に余分な力を入れることなく腰椎の湾曲及び周長を変
化に応じた姿勢変化に迅速に対応して理想的な体圧分布
を保持できる。
【0041】次に、着座状態における脊椎の湾曲の大き
さに対する官能評価による好みの度合いを調べたとこ
ろ、図8に示す結果が得られた。図8において、範囲A
が本例のシートにおいて脊椎の湾曲をサポートする範囲
である。図8によれば、着座姿勢で脊椎の湾曲が大きく
なると、良好に感じる者と、悪く感じる者とに分かれ、
好みにバラツキが生じるが、本例のサポート範囲Aでは
全ての者がほぼ良好、又は良好と感じている。従って、
快適な着座フィーリングでもって上半身を所望の姿勢に
サポートして理想的な体圧分布に保持でき、又体格差や
着座姿勢についての好みの個人差も吸収できていること
が分かる。
【0042】また、本例のシートバック1、繊維製の編
物とフィッシュマウス式ばねとを組合わせた2例の従来
構造、及びウレタンパッドをS字ばねで弾性支持した従
来構造について脊柱方向での剛性を測定し比較した。そ
の結果を図9に示すが、特性aは本例のシートバック1
の撓み量の変化を、特性b、cは繊維製の編物とフィッ
シュマウス式ばねとを組合わせ構造の撓み量の変化を、
特性dはウレタンパッドとS字ばねの組合わせ構造の撓
み量の変化である。
【0043】図9によれば、本例のシートバック1では
腰部支持部分の撓み量が少なく、乗員の腰部を確実にサ
ポートでき、又背中の中程から上方部分の撓み量が次第
に増加し、乗員の背中及び肩部をソフトにサポートでき
ることが分かる。これに対し、繊維製編物とフィッシュ
マウス式ばねとの組合わせ構造では腰部の確実なサポー
トは得られるものの、肩部のサポートが硬く、しかも本
例のシートバック1と同程度の腰部サポート力を得よう
とすると、背中の中程より下方部分の支持力が不足す
る。また、ウレタンパッドとS字ばねの組合わせ構造で
は全体的に撓み量が大きく、サポート力が不足している
ことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による自動車用シートにお
ける構造を示す分解側面図である。
【図2】 上記シートにおけるシートバック側の構造及
びその一部の拡大断面を示す図である。
【図3】 上記シートにおけるバックプレートの正面形
状及び縦断面形状をを示す図である。
【図4】 図3における各部の横断面形状を示す図であ
る。
【図5】 上記シートにおけるシートバック表面形状を
示す図である。
【図6】 上記シートの動作を説明するための構成図で
ある。
【図7】 人体の姿勢と腰椎湾曲の関係を示す図であ
る。
【図8】 着座姿勢における脊椎の湾曲と好みの個人差
との関係を示す官能評価結果を示す図である。
【図9】 本発明及び従来構造の脊柱方向での剛性変化
を示す図である。
【符号の説明】
1…シートバック 10…バックプレート 102…ビード 11…シートバックフレーム 13…トーションバー 14…S字ばね 15…レインフォースメント(受け部材)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クッション材をフレームに支承してなる
    シートバックを備えた自動車用シートにおいて、 上記クッション材の背後には弾性変形可能なバックプレ
    ートを設け、該バックプレートの下端側をトーションバ
    ーによって上記シートバックフレームに揺動自在に弾性
    支持するとともに、その上方側をS字ばねによって上記
    シートバックフレームに弾性支持する一方、 上記S字ばねの弾性変形によって後方に揺動したバック
    プレートの上端側を受け部材で受けてその後方揺動を規
    制し、 上記バックプレートの正面側剛性を低く、背面側剛性を
    高く形成し、ほぼ所定の体圧分布に保持可能となしたこ
    とを特徴とする自動車用シート。
  2. 【請求項2】 上記トーションバーによるバックプレー
    トの支持位置を第4、第5腰椎近傍となした請求項1記
    載の自動車用シート。
  3. 【請求項3】 上記バックプレートを中空状となし、背
    面壁にビードを設け、又は背面壁を正面壁に比して厚肉
    に形成して背面側を高剛性となした請求項1又は2記載
    の自動車用シート。
  4. 【請求項4】 上記バックプレート正面側の縦断面外形
    状を横臥姿勢の脊柱形状となした請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の自動車用シート。
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