JP2003135199A - ネットシート - Google Patents

ネットシート

Info

Publication number
JP2003135199A
JP2003135199A JP2001336637A JP2001336637A JP2003135199A JP 2003135199 A JP2003135199 A JP 2003135199A JP 2001336637 A JP2001336637 A JP 2001336637A JP 2001336637 A JP2001336637 A JP 2001336637A JP 2003135199 A JP2003135199 A JP 2003135199A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
net
separation
net body
seat
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001336637A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4013526B2 (ja
Inventor
Hidetaka Nagayasu
秀隆 永安
Kenji Matsuzaki
賢治 松崎
Yoshihide Ito
嘉秀 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Araco Co Ltd
Original Assignee
Araco Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Araco Co Ltd filed Critical Araco Co Ltd
Priority to JP2001336637A priority Critical patent/JP4013526B2/ja
Publication of JP2003135199A publication Critical patent/JP2003135199A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4013526B2 publication Critical patent/JP4013526B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】張設されたネット体で構成された背当て面を備
えるネットシートにおいて、所定以上の荷重がかかった
場合には、背当て面がより大きく変形できる構成を提供
する。 【解決手段】張設されたネット体13で構成された背当
て面7を備えるネットシートであって、ネット体13
は、所定以上の荷重がかかると分離する分離部位56を
備えている。分離部位56は、前部ネット部材51と後
部ネット部材53とが縫い糸64によって縫合されてい
る部分である。この分離部位56は、背当て面7に所定
の荷重がかかると、縫い糸64が破断されて前部ネット
部材51と後部ネット部材53とが離間されて背当て面
7の張力が低減される。そして背当て面7の変形能が増
大する。分離部位56には、分離部位56を構成する各
ネット部材の端縁を分離状態において連結する連結部3
4が設けられており、分離部位56が分離された後も着
席者100を安定に保持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等の車両
に設置され、着席面がネット体で構成されているネット
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】着席面が張設されたネット体で構成され
ているネットシートとしては、ネット体の端縁全体がフ
レームに係止されて背当て面として張設されたものや、
本特許出願時においては未公開である特願2001−1
29697号に記載されているように、自由状態形状で
は完成体形状より小さい筒状のネット体がシートフレー
ムを被覆するように通されて上端及び下端で互いに対向
する端部が結合されたもの(図1参照)がある。これら
のネットシートでは、ネット体を構成するネット部材が
所定の弾性を備えており、背当て面は、着席者に沿って
弾性変形可能とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらのネットシート
では、背当て面にかかる荷重によってネット部材が伸張
し、背当て面が変形する。しかし、背当て面にかかる荷
重が所定の値になると、ネット部材は最大に伸張し、そ
れ以上の荷重を加えても変形しない。このため、例え
ば、後ろから追突された場合など、衝撃によって着席者
とシートとの間に過大な力が加わわると、着席者の背部
はネット部材によって後方への移動が規制される。この
ため、着席者の身体に大きな荷重がかかったり、着席者
が前方に弾かれたりする。
【0004】そこで、本発明では、張設されたネット体
で構成された背当て面を備えるネットシートにおいて、
所定以上の荷重がかかった場合には、背当て面がより大
きく変形できる構成を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1発明は、張設されたネット体で構成さ
れた背当て面を備えるネットシートであって、前記ネッ
ト体は、前記背当て面に所定以上の荷重がかかると、前
記背当て面の張力が低減される構成を有することを特徴
とする。このネットシートでは、ネットシートの背当て
面に所定以上の大きさの荷重がかかると、前記背当て面
の張力が低減されて、ネット体の撓み量が増大し、背当
て面の変形能が増大する。したがって、例えば、車両後
方から前方に向かって衝突(本明細書において単に「後
突」ともいう。)された場合、着席者と背当て面との間
に発生する荷重を、背当て面の変形によって吸収するこ
とができ、着席者の背部を背当て面に沈み込ませること
ができる。したがって、本ネットシートでは、背部が頭
部に対して相対的に前方に規制されることを低減するこ
とができる。なお、本発明において「ネット体」とは、
張設状態において弾性変形性を備えるシート状部材を意
味するものとする。すなわち、織物、編み物等伸縮性を
備える材料に限定されず、不織布や通常の布部材、皮革
も含むものとする。また、弾性変形性を備えていれば良
いため、例えば、伸縮性を備える材料と伸縮性を有しな
い材料との組み合わせによって構成されているものも含
まれる。
【0006】また、本発明の第2発明は、前記背当て面
の張力が低減される構成は、前記ネット体に設けられ、
所定以上の荷重がかかると分離する分離部位であること
を特徴とする。このネットシートでは、ネット体の分離
部位が分離されることによって、分離された両端部のネ
ット部材の撓み量が増大されて、背当て面の張力が低減
され、背当て面の変形能が増大する。分離部位の分離に
要する荷重を調節することによって、背当て面の張力が
低減される荷重を制御することができる。ここで、ネッ
ト体の分離部位は、ネット体の少なくとも一部が2以上
に分離される部分である。ネット体の分離部位は、ネッ
ト体の他の部位と比較して引張り強度が小さく、比較的
容易に分離されるように形成された部位である。例え
ば、ネット部材などネット体の複数の構成要素が解除可
能に結合された部位や、比較的小さい引張り強度のネッ
ト部材で構成された部位とすることができる。また、分
離部位の「分離」とは、分離された端部が互いに離間可
能とされる形態であれば良く、例えば、ネット部材が破
られたり裂かれたり、結合部材が千切られたりするネッ
ト体構成要素の破壊を伴う形態でも良い。
【0007】また、本発明の第3発明は、前記分離部位
は、前記ネット体の構成要素が縫合された縫合部位であ
り、当該縫合部位の縫い糸が破断されることによって分
離されることを特徴とする。ネット体は、縫合部位の縫
い糸が破断されることによって分離されるため、縫い糸
の強度を選択することで、簡単にネット体の分離に必要
な荷重の大きさを制御することができる。なお、本明細
書において「破断」とは、切断や引き裂き、撚りの解れ
など、縫い糸の連続が断絶されるあらゆる現象をいうも
のとする。
【0008】さらに、本発明の第4発明は、ネット体が
分離部位を備えるネットシートであって、前記分離部位
を分離状態において連結する連結部を備えることを特徴
とする。このネットシートでは、ネット体が分離された
後も、連結部を介してネット体で着席者を保持すること
ができるため、ネット体分離後も着席者を弾性保持でき
る。したがって、背当て面は、弾性によって着席者によ
る荷重を良好に吸収することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜5に本
発明の一実施の形態に係るネットシート1について示
す。ネットシート1は、車両の座席として設けられるシ
ートであり、座面を構成するシートクッション3、背当
て面7を構成するシートバック5及びヘッドレスト9を
備えている。シートバック5は、シートクッション3に
対して傾動可能に連結されており、ヘッドレスト9は、
シートバック5の上端に固定して設けられている。本実
施形態のネットシート1では、シートクッション3とヘ
ッドレスト9とは、公知の種々の構成とすることができ
るため、詳細な説明は省略する。以下、シートバック5
を中心に説明する。
【0010】シートバック5は、シートバックの外形を
構成するシートフレーム11と、ネット体13とから構
成されている。シートフレーム11は、図2に示すよう
に、それぞれパイプ材で形成されている上部フレーム2
1、前端フレーム23及び後端フレーム25を有してい
る。上部フレーム21は、シートバック5の上端部及び
曲線状の肩部を構成する。前端フレーム23は、シート
バック5の両側部の前側端縁を構成し、後端フレーム2
5は、シートバック5両側部の後側端縁を構成する。上
部フレーム21は、両肩部の下部に位置する両端が切り
開かれて、接合部分に形成されている。前端フレーム2
3及び後端フレーム25は、上端が上部フレーム21の
接合部分に固着されて一体化されている。前端フレーム
23は、下方へ向かうにしたがって前方に膨出するよう
に延びており、前端フレーム23と後端フレーム25と
の間がシートバック5の厚みを形成している。なお、本
実施の形態では、シートフレーム11をパイプ材等の接
合によって形成したが、マグネシウム、アルミニウムな
どの軽金属材料又は合成樹脂材料を用いて一体成形して
も良い。
【0011】上部フレーム21の上端部の前方側面に
は、ヘッドレスト9を固定するための一対の支持受け部
28及び支持部32が設けられている。支持受け部28
は、開口断面が長方形状の筒状部材で、一側面で上部フ
レーム21の前側に固着されている。支持部32は、図
2に示すヘッドレスト9のヘッドレストステー62が挿
入される保持孔を備える部材である。支持部32の下部
は、角柱状に形成されており、支持受け部28の筒状内
部に挿入されて係合可能とされている。一方の支持部3
2には、ヘッドレストステー62に形成される切り欠き
61(図2参照)に係合して、ヘッドレスト9を固定可
能な固定部(図示せず)が設けられている。
【0012】同一側部を構成する前端フレーム23と後
端フレーム25との間には、下部及び中央部に板状の固
定部材が設けられている。下部の固定部材は、各フレー
ム23,25の下端より下方に延長されており、接続部
38に形成されている。シートフレーム11は、接続部
38から接続部材44を介して、シートクッション3の
骨格に傾動可能に連結されている。
【0013】さらに、2本の後端フレーム25の間にわ
たって、下部補強部材40が設けられている。下部補強
部材40は、シートフレーム11の後面下部の幅を固定
するとともに、シートバック5の後面下部を補強する。
本実施形態では、下部補強部材40は、凹凸形状が付与
された平板状部材である。
【0014】なお、本実施形態のシートフレーム11で
は、上部フレーム21の肩部分から両側を構成する部位
には、上部フレーム21の周面を被覆するように係合す
るパッド部材15,16が設けられている。パッド部材
15,16は、シートフレーム11自体の保護又は硬質
なシートフレーム11からの乗員の保護、シートバック
の外形の形成、あるいは、背当て面7への柔軟性の付与
等、いずれか1以上の目的で設けることができる。ま
た、シートバック5の下端を構成する接続部材44の中
央部分には、下部パッド部材66が同様の目的で設けら
れている。下部パッド部材66は、下端が滑らかな周面
に成形されたパッド材で、シートバック5の傾動軸46
周りに係合して固定されている。
【0015】ネット体13は、シートフレーム11に張
設されて背当て面7を構成する部材で、種々の編み物、
織物、あるいは不織布等の張設状態で弾性変形可能なネ
ット部材から構成される。本実施形態では、図3に示す
ように、ネット体13は、袋状部材とされており、背当
て面7側を構成する前部ネット部材51と、シートバッ
ク5の両側面及び後面を被覆する後部ネット部材53と
を備えている。前部ネット部材51と後部ネット部材5
3との対応する両側端が縫合されて、筒状に形成されて
いる。また、前部ネット部材51と後部ネット部材53
の筒状体の上端が部分的に一体化されて、袋状体に形成
されている。ネット体13の下端、すなわち前部ネット
部材51の下端部は、下方に長く延長されている。そし
て、前部ネット部材51の延長された部分の下端と後部
ネット部材53の後面部に対応する部分の下端部に、係
合部材としてのフック60が設けられている。
【0016】ネット体13は、分離部位56を備える。
分離部位56は、所定の荷重がかかることによって分離
される部分で、分離によって分離部位56を構成する複
数の分離端縁が互いに離間可能とされる。分離部位56
は、ネット体13において引張り強度の小さい部位とす
ることができる。例えば、引張り強度の小さいネット部
材で構成される部分(ネット部材の引張り強度が小さく
された部分を含む)や、複数のネット部材が結合されて
いる結合部分とすることができる。また、分離部位の分
離は、強度の小さいネット部材や結合部材の破壊によっ
ても良いし、解除可能な結合部材における結合の解除に
よっても良い。
【0017】分離部位56が設けられる位置は、分離さ
れて、分離端縁の撓み量が増大され、背当て面7の張力
が低減される位置である。本実施形態のように、シート
フレーム11に筒状のネット体13が挿通されて張設さ
れている形態では、背当て面7以外の部分、すなわち、
ネット体13の後面部や両側面部に分離部位が設けられ
ていても良い。分離部位がネット体13の背当て面7を
構成する部分に設けられると、着席者の背部の張力が容
易に低減される。また、分離によって撓み量が増大され
る分離端縁が着席者の背部に直接当接されるため、背当
て面7を容易に変形させることができ、好ましい。より
好ましくは、分離部位は、背当て面7の腰部と肩部との
間である背上部を保持する領域に設けられる。また、背
当て面7の背上部を保持する領域と幅方向で連続する後
面部又は両側面部に分離部位が設けられることも好まし
い。
【0018】分離部位の分離形状は、直線状でも良いし
曲線状でも良い。また放射線状、くもの巣状など複数線
状に形成されても良い。シートバック5の幅方向に延び
る分離線を備えるように設けられると、着席者の着席位
置や体格に係らず、同様の状況において同様の荷重がか
かりやすいため、好ましい。また、分離によって背当て
面7の幅方向の各部位において連続的に張力が低減され
やすい。
【0019】本実施形態では、図3に示すように、前部
ネット部材51と後部ネット部材53とが結合される上
端部分が分離部位56に形成されている。分離部位56
は、前部ネット部材51の上端縁と後部ネット部材53
の上端縁とが、所定の荷重によって破断される縫い糸6
4(図4参照)によって縫合されることによって形成さ
れる縫合部位とされている。なお、前部ネット部材51
と後部ネット部材53との上端縁の縫合部位には、一対
の開口55が形成されており、ヘッドレストステー62
を挿入して、シートフレーム11の支持部32に固定で
きるようになっている。
【0020】分離部位56は、好ましくは、連結部34
を備えている。連結部34は、分離部位56が分離され
たときに互いに離間される分離端縁を連結状態に保持す
る部分である。連結部は、シート状部材、紐状部材、そ
の他の立体形状を備える部材とすることができ、分離端
縁とは別体で構成されていても良いし、一体成形されて
いても良い。連結部は、可撓性を備えていることが好ま
しい。また、連結部は、分離端縁の少なくとも一部を連
結状態に保持できれば良いが、好ましくは、分離端縁全
体を連結状態に保持する。
【0021】連結部34は、本実施形態では、図3に示
すように、一対の開口55の両端側で各ネット部材5
1,53の上端縁間を連結する端部材35と、開口55
間に位置する各ネット部材51,53の上端縁間を連結
する中央部材36の三部材から構成されている。端部材
35及び中央部材36は、それぞれ、本実施形態では、
ネット部材51,53よりも弾性変形し難いシート状部
材で構成されている。図3〜5に示すように、連結部3
4は、各端縁がそれぞれ各ネット部材51,53の対応
する上端縁に縫着されている。なお、この縫着に用いら
れる縫い糸は、分離部位56の縫い糸64より引張り強
度が強いものである。
【0022】ネット体13は、さらに、パッド材と表皮
材とから構成されるサポート部材58a〜dが各ネット
部材51,53に縫着によって取り付けられている。サ
ポート部材58a〜dは、それぞれ、背当て面7中央下
部、背当て面7両側部の下部から中間部、両側面の下部
から中間部、及び後面の両側端部分の下部から中間部に
かけて設けられている。これらのサポート部材58は、
着席者の腰部や脇などに容易に且つ柔軟にフィットする
とともに、ネット体13の伸張性を制御して、着席感を
向上させている。
【0023】シートバック5を組み立てるには、まず、
シートフレーム11にパッド部材15,16及び下部パ
ッド部材66を装着する。次に、ネット体13を、シー
トフレーム11の上端から下方へ向かって挿通させる。
そして、図4,5に示すように、前部ネット部材51の
延長部分で、下部パッド部材66の下方を被覆し、シー
トバック5の後面側でフック60を結合する。この操作
によって、ネット体13はシートフレーム11に張設さ
れる。ネット体13を張設後、シートフレーム11の支
持部32にヘッドレストステー62が挿入されて固定さ
れることによって、ヘッドレスト9が設けられる。
【0024】このネットシート1では、着席者100が
着席すると、図4に示すように、ネット体13の前部ネ
ット部材51及び/又は後部ネット部材53が弾性変形
して、背当て面7が着席者100の背部に沿う形状に変
形する。また、パッド部材15,16、下部パッド部材
66、またサポート部材58も適宜、弾性変形する。
【0025】ネットシート1が設けられている車両が、
例えば、別の車両に後方から追突された場合、車両全体
に前方に押出される力が加わる。この時、ネットシート
1にも前方に向かう力が加わり、他方、着席者100に
は、慣性によって相対的に後方に向かう力が働く。この
とき、ネットシート1の背当て面7と着席者100との
間に作用する力、すなわち着席者100の背部によって
背当て面7にかけられる荷重が所定以上であると、分離
部位56の縫い糸64が破断される。分離部位56が分
離されることによってネット体13にかかる張力が低減
され、図5に示すように、着席者100の背部によって
かけられる荷重でネット体13の背当て面7がより大き
く撓む。したがって、背当て面7は、着席者100の背
部に合わせて変形することができ、背部を沈み込ませる
とともに着席者にかかった衝撃を吸収することができ
る。このため衝撃をネット体13で吸収することがで
き、着席者100にかかる負荷を低減することができ
る。したがって、例えば、着席者100がネット体13
から反作用の力を受けて前方に大きく弾かれてステアリ
ングホイールやダッシュボード、フロントウィンドウ等
に当たることを防止したり、当たるときの勢いを低減し
たりすることができる。
【0026】また、車両における後突の場合、一般に、
着席者の頭部は、シートに当接されていないと、慣性に
よって後方へ向かう力が働き、頚椎は後方に反ってしま
う。その後、反動によって頭部は、前方に振れる。この
反動による振れによって、頚椎又は頚椎周りの神経、筋
などの繊維組織等が損傷してしまうことがある。これを
いわゆるむち打ち損傷(頚椎捻挫)というが、むち打ち
損傷は、頚椎の反り(伸展又は屈曲)に対する反動によ
って起こるため、この反りを低減することによって、む
ち打ち損傷の低減又は防止を図ることができる。頚椎の
反りは、相対的には、着席者の背部と頭部との位置関係
によるものであるため、着席者の背部の後方への移動が
頭部の後方への移動と比較して、シートによって規制さ
れていると、頚椎の反りが大きくなる。したがって、本
ネットシート1では着席者の背部の後方への移動量が増
大されているため、頭部が背部に対して後方に移動する
ことによる頚椎の反りが軽減されて、むち打ち損傷を低
減又は防止することができる。
【0027】本実施形態のネットシート1では、また、
連結部34によって分離後もネット体13の連続性が維
持されており、背当て面7は、着席者をより安定に保持
することができる。このため、着席者100の背部がネ
ットシート1の後方にある他部材に接触することを抑制
して、荷重消失後も着席者100を保持することができ
る。また、連結部34は、背当て面7が過剰に変形する
ことを防止するため、着席者の頭部又は首部がヘッドレ
スト9やシートフレーム11に強く押しつけられること
を防ぐことができる。このため、連結部34を備えるネ
ットシート1では、荷重消失後も着席者をより安全な状
態に保持できるとともに、背当て面7が過剰に変形する
ことによる着席者の頭部及び首部の損傷を防ぐことがで
きる。
【0028】なお、本発明に係るネットシートは、上記
実施形態に限定されるものではない。分離部位が背当て
面に設けられている形態を図6,7に示す。この形態で
はネット体71の前部ネット部材73の上から4分の1
までとその下方とが別体のネット部材75,77で構成
されている。前部上ネット部材75と前部下ネット部材
77とは、幅方向に延びる直線で、所定の荷重によって
破断される縫い糸で縫合されており、この縫合部位が分
離部位79に形成されている。なお、前部上ネット部材
75の上端と後部ネット部材74とは、通常の強度の縫
い糸によって他の部位と同様に縫合されている。ネット
体71の他の部分は、上記実施形態のネット体13と同
様であるので、詳細な説明は省略する。
【0029】このネット体71を備えるネットシートで
は、図7に示すように、背当て面に所定以上の荷重がか
かると、分離部位79の縫い糸が破断されて分離され、
背当て面の張力が低減される。この分離部位79は、着
席者100の背部が当接される位置に直接設けられてお
り、分離によって撓み量が増大する分離端縁が背部に直
接押圧される。このため、分離部位79の分離によって
背当て面の張力が低減されるとともに、スムーズに背当
て面が変形する。
【0030】また、本ネットシートの前記分離部位に
は、当該分離部位の分離端縁に、弾性変形を抑制する抑
制部材が設けられていることが好ましい。分離端縁に抑
制部材が設けられることにより、分離部位にかかる荷重
が、分離端縁の弾性変形によって吸収されることが抑制
され、所定の荷重によってより確実に分離部位が分離さ
れる構成とすることができる。図7に示すネット体71
では、抑制部材94,95は、前部上ネット部材75と
前部下ネット部材77の分離端縁に沿って各ネット部材
75,77の内側に沿って縫着されている。抑制部材9
4,95は、分離端縁を構成する各ネット部材75,7
7より弾性変形能が小さい部材で形成されている。抑制
部材94,95は、ネット体71の内側又は外側のいず
れに設けられても良いが、内側であるとネット体71の
見栄えが良く、また着席者に異物感を与えにくいため、
好ましい。
【0031】また、図8に、連結部がネット部材と一体
成形されている形態を示す。このネット体81では、前
部ネット部材83は、所定の部位、好ましくは、背上部
において、所定長さだけ延長して形成されている。この
延長部分の表側の両端部分に互いに係合可能な結合部材
85が設けられており、結合部材85を結合させること
で、延長部分がネット体81の内側に折込まれる。この
折り込まれた状態で、前部ネット部材83は所定の形状
に形成されており、結合部材85で結合されている結合
部位が分離部位87とされている。この形態では、前部
ネット部材83の内側に折込まれた延長部分が、連結部
89を成している。結合部材85は、所定以上の荷重に
よって解除可能とされており、結合部材85の結合が解
除されることによって分離部位87が分離される。この
ネット体81は、分離された後、再び結合部材85を結
合させてネット体81の張設状態を回復させることがで
き、再利用することができる。また、連結部89と前部
ネット部材83とが一体成形されているため、ネット体
81の製造工程数が少なくて済む。
【0032】また、分離部位の分離方向が、背当て面の
上下方向である形態を図9に示す。図9に示すネット体
91では、背当て面の着席者の肩甲骨部分に当接する2
箇所に背当て面の上下方向に延びる分離部位93が設け
られている。この形態では、特に、背当て面の中央部分
の張力が低減されて撓み量が増大し、中央部が良好に変
形する。このため、着席者が側方に寄るのを抑制してネ
ットシート内に安定に保持することができる。また、シ
ートフレームに着席者が接触することを抑制することが
できる。
【0033】以上、筒状に形成されたネット体を備える
ネットシートについて説明したが、背当て面のみがネッ
ト部材で構成されているネットシートでも良いのは、も
ちろんである。また、分離部位が形成されず、ネット部
材の所定部位の構成要素を所定の荷重で破断される強度
とすることによっても、所定の荷重がかかるときに背当
て面の張力が低減される構成とすることができる。例え
ば、ネット部材を構成する織り地、編み地の所定方向の
織り糸や編み糸を強度の小さい糸で構成し、所定の荷重
がかかるとこれらの織り糸、編み糸が破断されることに
よって、背当て面の張力を低減して、ネット体の撓み量
を増大させて、背当て面をより大きく変形させることが
できる。
【0034】
【発明の効果】本発明では、張設されたネット体で構成
された背当て面を備えるネットシートにおいて、背当て
面に所定の荷重がかかると背当て面におけるネット体の
張力が低減される構成を備えているため、背当て面に所
定以上の荷重がかかった場合には、背当て面がより大き
く変形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るネットシートの斜
視図である。
【図2】図1のネットシートのシートフレームの斜視図
である。
【図3】図1のネットシートのネット体の斜視図であ
る。
【図4】図1のネットシートの側断面図である。
【図5】図1のネットシートのネット体が破壊された状
態を示す側断面図である。
【図6】本発明の別の実施の形態に係るネットシートの
ネット体の斜視図である。
【図7】図6のネット体を備えるネットシートにおいて
ネット体が破壊された状態を示す側断面図である。
【図8】本発明の別の実施形態に係るネットシートのネ
ット体部分の断面図である。
【図9】本発明の別の実施の形態に係るネットシートの
ネット体の斜視図である。
【符号の説明】
1 ネットシート 3 シートクッション 5 シートバック 7 背当て面 9 ヘッドレスト 11 シートフレーム 13,71,81,91 ネット体 15,16 パッド部材 21 上部フレーム 23 前端フレーム 25 後端フレーム 28 支持受け部 32 支持部 34,89 連結部 35 端部材 36 中央部材 38 接続部 40 下部補強部材 44 接続部材 46 傾動軸 51,73,83 前部ネット部材 53,74 後部ネット部材 55 開口 56,79,87,93 分離部位 58 サポート部材 60 フック 62 ヘッドレストステー 64 縫い糸 66 下部パッド部材 75 前部上ネット部材 77 前部下ネット部材 85 結合部材 94,95 抑制部材 100 着席者
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 嘉秀 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 Fターム(参考) 3B084 EA02 EC03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】張設されたネット体で構成された背当て面
    を備えるネットシートであって、 前記ネット体は、前記背当て面に所定以上の荷重がかか
    ると、前記背当て面の張力が低減される構成を有するこ
    とを特徴とするネットシート。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のネットシートであって、 前記背当て面の張力が低減される構成は、前記ネット体
    に設けられ、所定以上の荷重がかかると分離する分離部
    位であるネットシート。
  3. 【請求項3】前記分離部位は、前記ネット体の構成要素
    が縫い糸で縫合された縫合部位であり、当該縫合部位の
    縫い糸が破断されることによって分離される請求項2に
    記載のネットシート。
  4. 【請求項4】請求項2又は3に記載のネットシートであ
    って、前記分離部位を分離状態において連結する連結部
    を備えるネットシート。
JP2001336637A 2001-11-01 2001-11-01 ネットシート Expired - Fee Related JP4013526B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001336637A JP4013526B2 (ja) 2001-11-01 2001-11-01 ネットシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001336637A JP4013526B2 (ja) 2001-11-01 2001-11-01 ネットシート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003135199A true JP2003135199A (ja) 2003-05-13
JP4013526B2 JP4013526B2 (ja) 2007-11-28

Family

ID=19151429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001336637A Expired - Fee Related JP4013526B2 (ja) 2001-11-01 2001-11-01 ネットシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4013526B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7134718B2 (en) 2002-04-26 2006-11-14 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Vehicle seat
JP2007167186A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Itoki Corp 椅子
JP2010158464A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Toyota Boshoku Corp 乗物シートのシートバック用サイドフレーム部材
JP2011111086A (ja) * 2009-11-29 2011-06-09 Suzuki Motor Corp 車両用シート
JP2011148345A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Tachi S Co Ltd 自動車シート
JP2015167716A (ja) * 2014-03-07 2015-09-28 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート
JP2019167024A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 マツダ株式会社 車両用シート構造

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7134718B2 (en) 2002-04-26 2006-11-14 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Vehicle seat
JP2007167186A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Itoki Corp 椅子
JP2010158464A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Toyota Boshoku Corp 乗物シートのシートバック用サイドフレーム部材
JP2011111086A (ja) * 2009-11-29 2011-06-09 Suzuki Motor Corp 車両用シート
JP2011148345A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Tachi S Co Ltd 自動車シート
JP2015167716A (ja) * 2014-03-07 2015-09-28 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート
JP2019167024A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 マツダ株式会社 車両用シート構造
WO2019188107A1 (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 マツダ株式会社 車両用シート構造
US11273744B2 (en) 2018-03-26 2022-03-15 Mazda Motor Corporation Vehicle seat structure

Also Published As

Publication number Publication date
JP4013526B2 (ja) 2007-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4112920B2 (ja) シート構造
TW550199B (en) Seat for vehicle
EP2359717A1 (en) Chair backrest
US10434911B2 (en) Vehicle seat including a cloth spring member
JP5372542B2 (ja) 乗物用シート
JP4013526B2 (ja) ネットシート
US7134718B2 (en) Vehicle seat
JP6557462B2 (ja) ランバーサポート構造及び座席構造
JP5570058B2 (ja) 座席構造
JP5853706B2 (ja) 車両のシート構造
JP2018075885A (ja) 車両用シート構造
JP2004135836A (ja) シート構造
JP6171979B2 (ja) 乗物用シート
JP6835634B2 (ja) 車両用シート
WO2020105329A1 (ja) シート
JP5883422B2 (ja) 乗物用シート
JP2004001729A (ja) 車両用シート
JP2018024309A (ja) シートフレーム
JP2003052481A (ja) ネットシート
JP6922096B2 (ja) シートフレーム及びシート
JPH06183289A (ja) 子供用シート一体式車両用シート
JP2002238689A (ja) 乗物用シート
JP2020019408A (ja) シートカバー
JP2000302005A (ja) 子供用補助シートベルト
JP2019135118A (ja) 車両用シートバック

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041028

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070529

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070903

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130921

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees