JP2004135836A - シート構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】シートクッション側部及び前部にばね性を持たせ、着座時あるいは離席時における乗員の脚部や大腿部の当たりを和らげることにより乗員に痛さを感じさせることのないシート構造を提供すること。
【解決手段】シートフレーム20に張設された面状弾性部材8を少なくともシートフレーム20の前端部近傍において上下層からなる2枚構成として上下層間に空間を形成した。また、面状弾性部材8に3次元ネット12を敷設し、面状弾性部材8の両端部に被覆材42を縫合するとともに、シートフレーム20を構成する左右一対のサイドフレーム22の上部にクッション材14を配設し、クッション材14を被覆材42により保持するようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】シートフレーム20に張設された面状弾性部材8を少なくともシートフレーム20の前端部近傍において上下層からなる2枚構成として上下層間に空間を形成した。また、面状弾性部材8に3次元ネット12を敷設し、面状弾性部材8の両端部に被覆材42を縫合するとともに、シートフレーム20を構成する左右一対のサイドフレーム22の上部にクッション材14を配設し、クッション材14を被覆材42により保持するようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒステリシスロスの大きい2次元あるいは3次元ネットとヒステリシスロスの小さい金属ばねの組み合わせにより振動吸収性が高く、しかも姿勢支持性及び保持性を向上させたシート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用シートは、シートフレームにばね材を取り付け、その上にフォーム材、ロック材あるいは綿等のパッド材を設け、さらにビニールレザー、織布、革等の表皮で上張りされたものが一般的である。
【0003】
一方、車両用シート以外のシートは、フレームに載せたパッド材を表皮で被覆したものや、クッション性を高めるためにばね材をさらに設けたものが一般的である。
【0004】
しかしながら、これらのシートは、肉厚が全体的に厚く、重たくて高価なものが多い。
【0005】
そこで、最近では、軽量で安価な薄型シートも種々提案されており、本願出願人も、軽量でありながらクッション材としての特性(ばね特性、減衰特性等)を十分備えた3次元構造体のネットを使用した薄型シートの開発を行ってきた。
【0006】
この薄型シートに採用されている3次元ネット(以下、3Dネットと称する)は、立体編物により構成されており、基布の構造を例えば緻密なニット組織やハニカム状(六角形)のメッシュ組織等に形成するとともに、上部層と下部層とを多数のパイルからなるパイル層で結合した3層の立体的なトラス構造を有している。また、上部層と下部層の各糸は、多数の細い糸をよったもので形成する一方、パイル層を構成するパイルの各々は1本の太い糸で形成し立体編物に剛性を付与している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、3Dネットを車両用シートに採用した場合、車両への乗降時あるいはペダル操作時、脚部や大腿部への圧迫感が強く、痛さを感じることがあり、車両用シート以外の3Dネットを採用したシートにおいても、着座時あるいは離席時に同様の痛さを感じる場合があった。
【0008】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、シートクッション側部及び前部にばね性を持たせ、着座時あるいは離席時における乗員の脚部や大腿部の当たりを和らげることにより乗員に痛さを感じさせることのないシート構造を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、シートフレームと、該シートフレームの前後端に張設された面状弾性部材と、該面状弾性部材に敷設された3次元ネットとを備え、上記面状弾性部材を少なくとも上記シートフレームの前端部近傍において上下層からなる2枚構成として上下層間に空間を形成し、上記面状弾性部材の両端部に被覆材を縫合するとともに、上記シートフレームを構成する左右一対のサイドフレームの上部に第1のクッション材を配設し、該第1のクッション材を上記被覆材により保持するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、上記面状弾性部材に代えて第2の3次元ネットを使用したことを特徴とする。
【0011】
さらに、請求項3に記載の発明は、上記第1のクッション材の下方に第2のクッション材を設けたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、上記シートフレームを構成する前部フレームを第3のクッション材で被覆し、該第3のクッション材を上記面状弾性部材と上記3次元ネットとの間に保持したことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、上記面状弾性部材として、縦糸と横糸の引張特性が異なる布ばねを使用したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明にかかるシートの一例としての車両用シートを示している。図1に示されるシートは、シートクッション2と、シートクッション2の後縁にヒンジ機構4を介して傾倒自在に取り付けられたシートバック6とを備えている。
【0015】
図2乃至図4に示されるように、シートクッション2は、後述するシートクッションフレームに張設された面状弾性部材(2次元の弾性部材)8と、面状弾性部材8の前部上に敷設された第1のクッション材10と、面状弾性部材8及び第1のクッション材10の上に敷設された第2のクッション材12と、第1及び第2のクッション材10,12の側部に取り付けられた第3のクッション材14と、第3のクッション材14の下方に配置された第4のクッション材16とを有し、これらは表皮材18により被覆されている。
【0016】
本実施の形態においては、第1、第3及び第4のクッション材10,14,16として例えばウレタン等が使用され、第2のクッション材12として3Dネット(3次元の弾性部材)が使用されている。
【0017】
さらに詳述すると、図5に示されるように、シートクッションフレーム20は、左右一対のサイドフレーム22と、一対のサイドフレーム22の前端に両端が取り付けられた前部フレーム24と、一対のサイドフレーム22の後端にアーム26を介して両端が取り付けられた後部フレーム28とにより構成されている。各サイドフレーム22の内側には第4のクッション材16が取り付けられている。
【0018】
図3及び図6に示されるように、面状弾性部材8は、その後縁部が後部フレーム28に係止されるとともに、その前端部は前部フレーム24で折り返され、シートクッションフレーム20に接合されたトリム留30に面状弾性部材8の前縁部が係止されている。また、面状弾性部材8の後部には幅方向に延びる鋼線材32が縫合されており、一対のサイドフレーム22の後端部に立設されたブラケット34に一端が係止されたコイルスプリング36の他端が鋼線材32に係止されるとともに、面状弾性部材8の中間部に一端が縫合された引張材38の他端がトリム留30に係止されることにより面状弾性部材8の前後方向に所定の張力を付与している。
【0019】
さらに、図4に示されるように、面状弾性部材8の前部両端は、係止具40によりサイドフレーム22の上端折曲部22aに係止されている。
【0020】
なお、面状弾性部材8の前端部は前部フレーム24で折り返されて、その前縁部がトリム留30に係止されていることから、前部フレーム24の後方には、面状弾性部材8の上層と下層との間に所定の空間S(図3)が形成されることになる。この空間Sが存在することで、車両への乗降時やペダル操作時に上層の面状弾性部材8が撓み、乗員の脚部あるいは大腿部への圧迫感が解消される。
【0021】
面状弾性部材8としては、縦糸(シートクッション2の前後方向に延在する糸)と横糸(シートクッション2の幅方向に延在する糸)の引張特性の異なる布ばねを使用することも可能で、張力が発生する縦糸を横糸に比べ荷重に対する延びが大きいものを使用すると、クッション性が向上する。
【0022】
図9のグラフは、例えば縦糸に弾性糸を使用するとともに横糸にポリエステル系繊維を使用して織った布ばねを面状弾性部材8として使用した場合の静特性を示しており、この時のテストスピードは50mm/分に設定されている。
【0023】
この面状弾性部材8は、図9のグラフからわかるように、縦糸が横糸に比べ荷重に対する延びが大きく、前後方向に延びやすい性質を持っている。
【0024】
なお、面状弾性部材8に代えて、3Dネットを使用することもできる。
【0025】
上述したように、面状弾性部材8の上には第1及び第2のクッション材10,12が敷設されるが、図4及び図7に示されるように、面状弾性部材8の前部において第1及び第2のクッション材10,12の両辺に沿うように被覆材(布材)42の1辺が面状弾性部材8に縫合されている(図7のAは縫合部を示す)。第1及び第2のクッション材10,12の幅方向外側には第3のクッション材14が配置されており、この第3のクッション材14を包み込むように被覆した布材42の他辺を係止具44によりサイドフレーム22に接合されたトリム留46に係止することにより、第3のクッション材14は第4のクッション材16及びサイドフレーム22の折曲部22aの上部に保持されている。
【0026】
なお、第3のクッション材14を第4のクッション材16及びサイドフレーム22の折曲部22aの上部に保持し、面状弾性部材8に縫合された被覆材42により第3のクッション材14を包み込むように被覆したことで、シートクッション2の左右方向の弾力性が向上する。その結果、乗員の左右方向の移動が許容され、振動吸収性が向上する。
【0027】
また、図3及び図8に示されるように、面状弾性部材8の前部は第1のクッション材10により被覆されるとともに、面状弾性部材8及び第1のクッション材10は第2のクッション材12により被覆される。さらに、これらクッション材の全体を被覆する表皮材18の両端部は、図4に示されるように、引張材48の一端に縫合されており、引張材48の他端を係止具50を介してサイドフレーム22の下端折曲部22bに係止することにより表皮材18の幅方向に所定の張力を付与している。また、表皮材18の前端部を引張材52を介してトリム留30に係止するとともに、その後端部を引張材54を介してシートクッションフレーム20に接合されたトリム留56に係止することにより表皮材18の前後方向にも所定の張力を付与している。
【0028】
なお、上記実施の形態では、面状弾性部材8を1枚構成としたが、図10に示される部分2枚構成、あるいは、図11に示される2枚構成とすることもできる。
【0029】
さらに詳述すると、図10の部分2枚構成においては、下層の面状弾性部材8aの後縁部は後部フレーム28に係止され、その前縁部は上層の面状弾性部材8bの前縁部と縫合されて前部フレーム24で折り返されており、上層の面状弾性部材8bの後縁部は下層の面状弾性部材8aの中間部に縫合されている(図10のBは縫合部を示す)。
【0030】
また、図11の2枚構成においては、下層の面状弾性部材8aの後縁部及び上層の面状弾性部材8cの後縁部は共に後部フレーム28に係止され、二つの面状弾性部材8a,8cの前縁部は前部フレーム24の折り返し部で互いに縫合されている。
【0031】
なお、図6、図10及び図11のいずれの構成においても、上下層の面状弾性部材間には所定の空間Sが形成されるが、1枚構成は減衰比が大きいのに対し、2枚構成は振動吸収性が大きいという特徴があり、シートに要求される特性に応じて面状弾性部材の構成を適宜選択することができる。
【0032】
また、上記いずれの構成においても、面状弾性部材に代えて3Dネットを使用することもできる。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
シートフレームの前後端に張設された面状弾性部材を少なくともシートフレームの前端部近傍において上下層からなる2枚構成として上下層間に空間を形成したので、離着席時やペダル操作時の乗員の脚部や大腿部の当たりを和らげることができる。また、面状弾性部材の両端部に被覆材を縫合するとともに、シートフレームを構成する左右一対のサイドフレームの上部にクッション材を配設し、クッション材を被覆材により保持するようにしたので、クッション材によりシートクッション側部にばね性が付与される。したがって、離着座時における乗員の脚部の当たりを和らげることができ、乗員に痛さを感じさせることがない。
【0034】
なお、面状弾性部材に代えて3次元ネットを使用しても同様の効果を奏することができる。
【0035】
また、クッション材の下方に別のクッション材を設けたので、シートクッション側部のばね性が増大し、離着座時における乗員の脚部の当たりをさらに和らげることができる。
【0036】
さらに、シートフレームを構成する前部フレームもクッション材で被覆するようにしたので、離着座時における乗員の脚部の当たりをさらに和らげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるシートの斜視図である。
【図2】図1のシートのシートクッションの一部を切り欠いた斜視図である。
【図3】図1の線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】図1の線IV−IVに沿った断面図である。
【図5】図1のシートに設けられたシートクッションフレームの斜視図である。
【図6】図5のシートクッションフレームに面状弾性部材を張設した状態を示す斜視図である。
【図7】図6の状態のシートクッションのサイドフレームにクッション材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図8】図7の状態のシートクッションの前部フレームにクッション材を取り付け、さらに3Dネットで被覆した状態を示す斜視図である。
【図9】縦糸に弾性糸を横糸にポリエステル系繊維を使用して織った布ばねを面状弾性部材として使用した場合の静特性を示すグラフである。
【図10】面状弾性部材を部分2枚構成にした場合を示しており、(a)は面状弾性部材をシートクッションフレームに取り付けた状態の斜視図であり、(b)は面状弾性部材のみの分解斜視図である。
【図11】面状弾性部材を2枚構成にした場合の分解斜視図である。
【符号の説明】
2 シートクッション、 4 ヒンジ機構、 6 シートバック、
8,8a,8b,8c 面状弾性部材、 10 第1のクッション部材、
12 第2のクッション部材、 14 第3のクッション部材、
16 第4のクッション部材、 18 表皮材、
20 シートクッションフレーム、 22 サイドフレーム、
22a 上端折曲部、 22b 下端折曲部、 24 前部フレーム、
26 アーム、 28 後部フレーム、 30,46,56 トリム留、
32 鋼線材、 34 ブラケット、 36 コイルスプリング、
38,48,52,54 引張材、 40,44,50 係止具、
42 被覆材、 A,B 縫合部、 S 上下層間の空間。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒステリシスロスの大きい2次元あるいは3次元ネットとヒステリシスロスの小さい金属ばねの組み合わせにより振動吸収性が高く、しかも姿勢支持性及び保持性を向上させたシート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用シートは、シートフレームにばね材を取り付け、その上にフォーム材、ロック材あるいは綿等のパッド材を設け、さらにビニールレザー、織布、革等の表皮で上張りされたものが一般的である。
【0003】
一方、車両用シート以外のシートは、フレームに載せたパッド材を表皮で被覆したものや、クッション性を高めるためにばね材をさらに設けたものが一般的である。
【0004】
しかしながら、これらのシートは、肉厚が全体的に厚く、重たくて高価なものが多い。
【0005】
そこで、最近では、軽量で安価な薄型シートも種々提案されており、本願出願人も、軽量でありながらクッション材としての特性(ばね特性、減衰特性等)を十分備えた3次元構造体のネットを使用した薄型シートの開発を行ってきた。
【0006】
この薄型シートに採用されている3次元ネット(以下、3Dネットと称する)は、立体編物により構成されており、基布の構造を例えば緻密なニット組織やハニカム状(六角形)のメッシュ組織等に形成するとともに、上部層と下部層とを多数のパイルからなるパイル層で結合した3層の立体的なトラス構造を有している。また、上部層と下部層の各糸は、多数の細い糸をよったもので形成する一方、パイル層を構成するパイルの各々は1本の太い糸で形成し立体編物に剛性を付与している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、3Dネットを車両用シートに採用した場合、車両への乗降時あるいはペダル操作時、脚部や大腿部への圧迫感が強く、痛さを感じることがあり、車両用シート以外の3Dネットを採用したシートにおいても、着座時あるいは離席時に同様の痛さを感じる場合があった。
【0008】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、シートクッション側部及び前部にばね性を持たせ、着座時あるいは離席時における乗員の脚部や大腿部の当たりを和らげることにより乗員に痛さを感じさせることのないシート構造を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、シートフレームと、該シートフレームの前後端に張設された面状弾性部材と、該面状弾性部材に敷設された3次元ネットとを備え、上記面状弾性部材を少なくとも上記シートフレームの前端部近傍において上下層からなる2枚構成として上下層間に空間を形成し、上記面状弾性部材の両端部に被覆材を縫合するとともに、上記シートフレームを構成する左右一対のサイドフレームの上部に第1のクッション材を配設し、該第1のクッション材を上記被覆材により保持するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、上記面状弾性部材に代えて第2の3次元ネットを使用したことを特徴とする。
【0011】
さらに、請求項3に記載の発明は、上記第1のクッション材の下方に第2のクッション材を設けたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、上記シートフレームを構成する前部フレームを第3のクッション材で被覆し、該第3のクッション材を上記面状弾性部材と上記3次元ネットとの間に保持したことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、上記面状弾性部材として、縦糸と横糸の引張特性が異なる布ばねを使用したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明にかかるシートの一例としての車両用シートを示している。図1に示されるシートは、シートクッション2と、シートクッション2の後縁にヒンジ機構4を介して傾倒自在に取り付けられたシートバック6とを備えている。
【0015】
図2乃至図4に示されるように、シートクッション2は、後述するシートクッションフレームに張設された面状弾性部材(2次元の弾性部材)8と、面状弾性部材8の前部上に敷設された第1のクッション材10と、面状弾性部材8及び第1のクッション材10の上に敷設された第2のクッション材12と、第1及び第2のクッション材10,12の側部に取り付けられた第3のクッション材14と、第3のクッション材14の下方に配置された第4のクッション材16とを有し、これらは表皮材18により被覆されている。
【0016】
本実施の形態においては、第1、第3及び第4のクッション材10,14,16として例えばウレタン等が使用され、第2のクッション材12として3Dネット(3次元の弾性部材)が使用されている。
【0017】
さらに詳述すると、図5に示されるように、シートクッションフレーム20は、左右一対のサイドフレーム22と、一対のサイドフレーム22の前端に両端が取り付けられた前部フレーム24と、一対のサイドフレーム22の後端にアーム26を介して両端が取り付けられた後部フレーム28とにより構成されている。各サイドフレーム22の内側には第4のクッション材16が取り付けられている。
【0018】
図3及び図6に示されるように、面状弾性部材8は、その後縁部が後部フレーム28に係止されるとともに、その前端部は前部フレーム24で折り返され、シートクッションフレーム20に接合されたトリム留30に面状弾性部材8の前縁部が係止されている。また、面状弾性部材8の後部には幅方向に延びる鋼線材32が縫合されており、一対のサイドフレーム22の後端部に立設されたブラケット34に一端が係止されたコイルスプリング36の他端が鋼線材32に係止されるとともに、面状弾性部材8の中間部に一端が縫合された引張材38の他端がトリム留30に係止されることにより面状弾性部材8の前後方向に所定の張力を付与している。
【0019】
さらに、図4に示されるように、面状弾性部材8の前部両端は、係止具40によりサイドフレーム22の上端折曲部22aに係止されている。
【0020】
なお、面状弾性部材8の前端部は前部フレーム24で折り返されて、その前縁部がトリム留30に係止されていることから、前部フレーム24の後方には、面状弾性部材8の上層と下層との間に所定の空間S(図3)が形成されることになる。この空間Sが存在することで、車両への乗降時やペダル操作時に上層の面状弾性部材8が撓み、乗員の脚部あるいは大腿部への圧迫感が解消される。
【0021】
面状弾性部材8としては、縦糸(シートクッション2の前後方向に延在する糸)と横糸(シートクッション2の幅方向に延在する糸)の引張特性の異なる布ばねを使用することも可能で、張力が発生する縦糸を横糸に比べ荷重に対する延びが大きいものを使用すると、クッション性が向上する。
【0022】
図9のグラフは、例えば縦糸に弾性糸を使用するとともに横糸にポリエステル系繊維を使用して織った布ばねを面状弾性部材8として使用した場合の静特性を示しており、この時のテストスピードは50mm/分に設定されている。
【0023】
この面状弾性部材8は、図9のグラフからわかるように、縦糸が横糸に比べ荷重に対する延びが大きく、前後方向に延びやすい性質を持っている。
【0024】
なお、面状弾性部材8に代えて、3Dネットを使用することもできる。
【0025】
上述したように、面状弾性部材8の上には第1及び第2のクッション材10,12が敷設されるが、図4及び図7に示されるように、面状弾性部材8の前部において第1及び第2のクッション材10,12の両辺に沿うように被覆材(布材)42の1辺が面状弾性部材8に縫合されている(図7のAは縫合部を示す)。第1及び第2のクッション材10,12の幅方向外側には第3のクッション材14が配置されており、この第3のクッション材14を包み込むように被覆した布材42の他辺を係止具44によりサイドフレーム22に接合されたトリム留46に係止することにより、第3のクッション材14は第4のクッション材16及びサイドフレーム22の折曲部22aの上部に保持されている。
【0026】
なお、第3のクッション材14を第4のクッション材16及びサイドフレーム22の折曲部22aの上部に保持し、面状弾性部材8に縫合された被覆材42により第3のクッション材14を包み込むように被覆したことで、シートクッション2の左右方向の弾力性が向上する。その結果、乗員の左右方向の移動が許容され、振動吸収性が向上する。
【0027】
また、図3及び図8に示されるように、面状弾性部材8の前部は第1のクッション材10により被覆されるとともに、面状弾性部材8及び第1のクッション材10は第2のクッション材12により被覆される。さらに、これらクッション材の全体を被覆する表皮材18の両端部は、図4に示されるように、引張材48の一端に縫合されており、引張材48の他端を係止具50を介してサイドフレーム22の下端折曲部22bに係止することにより表皮材18の幅方向に所定の張力を付与している。また、表皮材18の前端部を引張材52を介してトリム留30に係止するとともに、その後端部を引張材54を介してシートクッションフレーム20に接合されたトリム留56に係止することにより表皮材18の前後方向にも所定の張力を付与している。
【0028】
なお、上記実施の形態では、面状弾性部材8を1枚構成としたが、図10に示される部分2枚構成、あるいは、図11に示される2枚構成とすることもできる。
【0029】
さらに詳述すると、図10の部分2枚構成においては、下層の面状弾性部材8aの後縁部は後部フレーム28に係止され、その前縁部は上層の面状弾性部材8bの前縁部と縫合されて前部フレーム24で折り返されており、上層の面状弾性部材8bの後縁部は下層の面状弾性部材8aの中間部に縫合されている(図10のBは縫合部を示す)。
【0030】
また、図11の2枚構成においては、下層の面状弾性部材8aの後縁部及び上層の面状弾性部材8cの後縁部は共に後部フレーム28に係止され、二つの面状弾性部材8a,8cの前縁部は前部フレーム24の折り返し部で互いに縫合されている。
【0031】
なお、図6、図10及び図11のいずれの構成においても、上下層の面状弾性部材間には所定の空間Sが形成されるが、1枚構成は減衰比が大きいのに対し、2枚構成は振動吸収性が大きいという特徴があり、シートに要求される特性に応じて面状弾性部材の構成を適宜選択することができる。
【0032】
また、上記いずれの構成においても、面状弾性部材に代えて3Dネットを使用することもできる。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
シートフレームの前後端に張設された面状弾性部材を少なくともシートフレームの前端部近傍において上下層からなる2枚構成として上下層間に空間を形成したので、離着席時やペダル操作時の乗員の脚部や大腿部の当たりを和らげることができる。また、面状弾性部材の両端部に被覆材を縫合するとともに、シートフレームを構成する左右一対のサイドフレームの上部にクッション材を配設し、クッション材を被覆材により保持するようにしたので、クッション材によりシートクッション側部にばね性が付与される。したがって、離着座時における乗員の脚部の当たりを和らげることができ、乗員に痛さを感じさせることがない。
【0034】
なお、面状弾性部材に代えて3次元ネットを使用しても同様の効果を奏することができる。
【0035】
また、クッション材の下方に別のクッション材を設けたので、シートクッション側部のばね性が増大し、離着座時における乗員の脚部の当たりをさらに和らげることができる。
【0036】
さらに、シートフレームを構成する前部フレームもクッション材で被覆するようにしたので、離着座時における乗員の脚部の当たりをさらに和らげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるシートの斜視図である。
【図2】図1のシートのシートクッションの一部を切り欠いた斜視図である。
【図3】図1の線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】図1の線IV−IVに沿った断面図である。
【図5】図1のシートに設けられたシートクッションフレームの斜視図である。
【図6】図5のシートクッションフレームに面状弾性部材を張設した状態を示す斜視図である。
【図7】図6の状態のシートクッションのサイドフレームにクッション材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図8】図7の状態のシートクッションの前部フレームにクッション材を取り付け、さらに3Dネットで被覆した状態を示す斜視図である。
【図9】縦糸に弾性糸を横糸にポリエステル系繊維を使用して織った布ばねを面状弾性部材として使用した場合の静特性を示すグラフである。
【図10】面状弾性部材を部分2枚構成にした場合を示しており、(a)は面状弾性部材をシートクッションフレームに取り付けた状態の斜視図であり、(b)は面状弾性部材のみの分解斜視図である。
【図11】面状弾性部材を2枚構成にした場合の分解斜視図である。
【符号の説明】
2 シートクッション、 4 ヒンジ機構、 6 シートバック、
8,8a,8b,8c 面状弾性部材、 10 第1のクッション部材、
12 第2のクッション部材、 14 第3のクッション部材、
16 第4のクッション部材、 18 表皮材、
20 シートクッションフレーム、 22 サイドフレーム、
22a 上端折曲部、 22b 下端折曲部、 24 前部フレーム、
26 アーム、 28 後部フレーム、 30,46,56 トリム留、
32 鋼線材、 34 ブラケット、 36 コイルスプリング、
38,48,52,54 引張材、 40,44,50 係止具、
42 被覆材、 A,B 縫合部、 S 上下層間の空間。
Claims (5)
- シートフレームと、該シートフレームの前後端に張設された面状弾性部材と、該面状弾性部材に敷設された3次元ネットとを備え、上記面状弾性部材を少なくとも上記シートフレームの前端部近傍において上下層からなる2枚構成として上下層間に空間を形成し、上記面状弾性部材の両端部に被覆材を縫合するとともに、上記シートフレームを構成する左右一対のサイドフレームの上部に第1のクッション材を配設し、該第1のクッション材を上記被覆材により保持するようにしたことを特徴とするシート構造。
- 上記面状弾性部材に代えて第2の3次元ネットを使用した請求項1に記載のシート構造。
- 上記第1のクッション材の下方に第2のクッション材を設けた請求項1あるいは2に記載のシート構造。
- 上記シートフレームを構成する前部フレームを第3のクッション材で被覆し、該第3のクッション材を上記面状弾性部材と上記3次元ネットとの間に保持した請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート構造。
- 上記面状弾性部材として、縦糸と横糸の引張特性が異なる布ばねを使用した請求項1,3あるいは4のいずれか1項に記載のシート構造。
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