JP2002199955A - 3次元ネットを有するシート - Google Patents

3次元ネットを有するシート

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JP2002199955A
JP2002199955A JP2001000125A JP2001000125A JP2002199955A JP 2002199955 A JP2002199955 A JP 2002199955A JP 2001000125 A JP2001000125 A JP 2001000125A JP 2001000125 A JP2001000125 A JP 2001000125A JP 2002199955 A JP2002199955 A JP 2002199955A
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seat
net
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seat cushion
sheet
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JP2001000125A
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Yasuhide Takada
康秀 高田
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Delta Tooling Co Ltd
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Delta Tooling Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価かつ薄型軽量で、美観のみならず振動吸
収性にも優れた座り心地のよい3次元ネットを有するシ
ートを提供すること。 【解決手段】 上部メッシュ層と、下部メッシュ層と、
上部及び下部メッシュ層を結合する多数のパイルを有す
るパイル層とで3次元ネットを構成し、シートクッショ
ンフレームとシートバックフレームの略全域にわたって
少なくとも1層の3次元ネット8aを張設してシートク
ッション2とシートバック4とを形成した。また、シー
トクッション2とシートバック4の少なくとも一方に開
口部50,52を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒステリシスロス
の大きい高減衰の3次元ネットを採用することにより着
座者に働く力を吸収し、姿勢保持性を高めるようにした
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用シートは、シートフレーム
にばね材を取り付け、その上にフォーム材、ロック材あ
るいは綿等のパッド材を設け、さらにビニールレザー、
織布、革等の表皮で上張りされたものが一般的である。
【0003】例えば、実開平5−72250号公報に記
載されたクッションの支持構造においては、矩形支持フ
レームの両側部に横方向に伸縮自在の伸縮布を固定し、
この伸縮布の上にパッド材を載置したり、伸縮布に代え
てプルマフレックスという面状支持部材を複数のコイル
スプリングで支持フレームの両側部に係止している。
【0004】同様に、特開平6−55961号公報に
は、ワイヤグリッドサスペンションと呼ばれるばね材を
複数のコイルスプリングを介して支持フレームの両側部
に係止し、このばね材の上にパッド材を載置した構成の
シートが開示されている。
【0005】また、減衰力あるいは衝撃吸収力を高める
ために、粘弾性材料をパッド材に埋設したものも提案さ
れている。
【0006】一方、車両用シート以外のシートは、フレ
ームに載せたパッド材を表皮で被覆したものや、クッシ
ョン性を高めるためにばね材をさらに設けたものが一般
的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のシートにお
いては、ばね材やパッド材により所定のクッション性は
付与されているが、肉厚が全体的に厚く、重たくて高価
なものが多い。
【0008】また、車両用シートにおいて、着座者の身
体に加速度が加わると、パッド材あるいはばね材により
反力が生じ、胸椎と骨盤とに相対変位が生じて腰椎に負
担がかかり、さらに骨盤の回転に伴う尻ずれにより姿勢
が変化し、姿勢保持のために筋肉が使用される。そのた
め、筋肉疲労や腰痛を惹起するという問題がある。
【0009】さらに、実開平5−72250号公報ある
いは特開平6−55961号公報に開示されているクッ
ションの支持構造あるいはシートにあっては、ヒステリ
シスロスが小さい弾性体を使用していることから、高周
波領域においては振動伝達特性を改善することができる
ものの、低周波領域における共振峰を十分に低減し、人
体に入力される加速度をシートで吸収することが難しい
という問題がある。
【0010】本発明は、従来技術の有するこような問題
点に鑑みてなされたものであり、安価かつ薄型軽量で、
美観のみならず振動吸収性にも優れた座り心地のよい3
次元ネットを有するシートを提供することを目的として
いる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、上部メッ
シュ層と、下部メッシュ層と、該上部及び下部メッシュ
層を結合する多数のパイルを有するパイル層とで3次元
ネットを構成し、シートクッションフレームと該シート
クッションフレームに取り付けられたシートバックフレ
ームの略全域にわたって少なくとも1層の上記3次元ネ
ットを張設してシートクッションとシートバックとを形
成し、該シートクッションとシートバックの少なくとも
一方に開口部を形成したことを特徴とする。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、上記開口
部に開閉手段を取り付けたことを特徴とする。
【0013】さらに、請求項3に記載の発明は、上記開
閉手段としてマジックテープあるいはファスナを使用し
たことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】車両運転時の快適性に影響を与え
る外力として、フロアから伝わる振動と、車両が動くこ
とによる慣性力がある。また、快適性のファクタとし
て、着座者の姿勢支持、体圧分散、振動と衝撃吸収等が
あり、快適性に対する寄与率もこの順番で高いことが知
られている。
【0015】フロアからの振動や慣性力に対抗して、着
座者の姿勢を良好に保持することにより内臓の機能低下
あるいは腰痛を防止することができるが、そのために
は、全身を、特に腰椎部を良好に支持し、骨盤の滑りを
防止することがポイントとなり、如何にして座骨結節を
ピボットポイントにし、姿勢変化に対応してシート座面
形状を変化させ、さらに外部から加わる慣性力を吸収す
るかが重要となってくる。そこで、静的には、姿勢に応
じて腰椎部の前湾を自然な形、状態、力で座骨結節を中
心に保持する必要がある一方、動的には、筋疲労による
姿勢変化への形状追従性を上げ、かつ、骨盤と脊柱各部
の位相差と座骨結節の前滑りをなくす必要がある。その
ためには、骨盤が後転しそうになると、座骨結節をピボ
ットポイントとし、前滑りを抑えるようにバック面が変
化し、小さな筋力で姿勢を保持し、また、外力にはヒス
テリシスロスを大きくして、荷重変動に対してたわみが
ほぼ一定となる特性を作り、力を吸収するシート構造が
要求される。
【0016】事務用椅子のアーロンチェアーに代表され
る2次元メッシュ構造は、薄型、軽量の要件には合致す
るものの、振動及び衝撃吸収性、サポート性等に難点が
あることから、これまで車両用シートとしては実用化に
は至らなかった。そこで、本願発明者らは、従来とは全
く異なるシート性能を創出するアイテムとして後述する
3次元構造体のネットの開発を行ってきた。
【0017】小さい入力に対しては弾性特性が優先し、
大入力に対しては減衰機能が作用する弾性を有しながら
高減衰特性を有する3次元ネット(以下、3Dネットと
称する)の使用により、バック、クッション一体型の3
Dネットシートで人体をハンモック支持し、外力に対し
て骨盤廻りを中心にした多自由度振動モデルで受動対応
し、外力に反応しながら外力を吸収する支持体を作るこ
とができる。これにより、運転動作と長時間走行による
姿勢変化にスムーズに対応するダイナミックな体圧分散
によるフィット性の向上と、姿勢保持及び慣性力・振動
の吸収が可能となる。
【0018】リニアリティの小さい3Dネットは、無理
に腰椎形状を作るのではなく、骨格と体の動きのメカニ
ズムに無理なく追従するように、骨盤乃至座骨結節をピ
ボットポイントとした人体面支持構造を作るために、シ
ートの中央部の形状(骨盤廻り)と立体的な張り構造を
確保し、姿勢の変化や外力にもダイナミックに対応す
る。
【0019】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照しながら説明する。図1及び図2は、3Dネット
を有するシートSを示しており、シートクッション2
と、シートクッション2に傾倒自在に取り付けられたシ
ートバック4とを備えている。このシートSは、車両用
シートを示しており、車体(図示せず)に設けられたシ
ートスライド装置6に取り付けられる。シートスライド
装置6は、車体に固定されたロワレール6aと、ロワレ
ール6aに対し前後方向に摺動自在のアッパーレール6
bとを有し、シートSはアッパーレール6bに取り付け
られる。
【0020】図3及び図4は、3Dネット8を構成する
立体メッシュニットを示しており、基布の織りをハニカ
ム状(六角形)のメッシュに形成するとともに、上部メ
ッシュ層10と下部メッシュ層12とを多数のパイル1
4からなるパイル層で結合した3層の立体的なトラス構
造としている。
【0021】上部メッシュ層10と下部メッシュ層12
の各糸は、多数の細い糸をよったもので形成する一方、
パイル14の各々は1本の太い糸で形成し立体メッシュ
ニットに剛性を付与している。
【0022】表1は、立体メッシュニットの材料として
ポリエチレンテレフタレート(PET)を採用した場合
の様々な3Dネット8の物性値を示している。
【表1】 表1において、引張強度のkg/50mmとは、50m
m幅のメッシュを長手方向に引っ張った時の強度であ
る。また、試験方法は、JASOに準じている。
【0023】なお、立体メッシュニットの材料としては
熱可塑性樹脂が好ましく、繊維状に成形可能で、それを
織物にした場合にシート地として要求される強度を発現
しうるものであればよい。具体例を挙げると、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタ
レート(PBT)などに代表される熱可塑性ポリエステ
ル樹脂類、ナイロン6、ナイロン66などに代表される
ポリアミド樹脂類、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
に代表されるポリオレフィン樹脂類、あるいは、これら
の樹脂を2種類以上混合した樹脂などである。
【0024】また、各パイル14の繊維太さとしては3
80d(デニール)以上で、好ましくは600d以上が
よく、立体メッシュニットに加わる着座者の荷重を六角
形メッシュの変形とパイルの倒れにより支持することが
でき、応力集中が起きない柔構造となる。つまり、弾性
特性の強い組織となる。
【0025】図5は、上部及び下部メッシュ層10,1
2として使用される種々の基布組織を模式的に示してお
り、(a)は図3に示されるハニカム状(六角形)メッ
シュを、(b)は菱形メッシュを、(c)は鎖挿入組織
をそれぞれ示している。鎖挿入組織は、減衰特性を強調
してヒステリシスロス率を向上する組織に使用される。
【0026】また、図6は、上部及び下部メッシュ層1
0,12を結合するパイル組織を模式的に示しており、
(a)は図4に対応するストレート状組織を、(b)は
8の字ストレート状組織を、(c)はクロス状組織を、
(d)は8の字クロス状組織をそれぞれ示している。
【0027】図7は、3Dネットをモデルにした場合の
模式図で、(a)は3Dネットを剛体に載置した場合
を、(b)は3Dネットの両端を吊った場合を示してお
り、パイルのX字あるいはI字が主なばね系を構成する
とともに、糸間摩擦が減衰系を構成している。つまり、
ハンモック構造をとることで、高減衰にもかかわらず弾
性を付与できる。弾性を向上させるためには、パイル弾
性をソフトにして非線形性を強調し、荷重をバックとク
ッションで2自由度支持し、ダイナミックダンパ的な挙
動により振動を吸収し、反共振状態を利用した伝達関数
を作り上げる。
【0028】図8は、従来のシートと本発明にかかる3
Dネットを有するシートの伝達関数を比較したグラフで
ある。図中、Aはパッド材としてウレタンを使用した従
来のシートを、Bはパッド材としてのウレタンを金属ば
ねで弾性支持した従来のシートをそれぞれ示している。
また、Cは単層構造の3Dネットシートを、Dは3Dネ
ットシートを金属ばねで弾性支持したシートを、Eは積
層構造の3Dネットシートを示しており、その具体的構
成については本発明の主眼ではないので省略する。
【0029】図8のグラフから分かるように、本発明に
かかる3Dネットシートは、低周波領域における共振峰
を十分に低減し、人体に入力される加速度をシートで吸
収することができる。
【0030】図9は、本発明にかかるシートSのフレー
ム構造を示しており、アッパーレール6bに固定された
シートクッションフレーム16と、リクライニング機構
18を介してシートクッションフレーム16に傾倒自在
に取り付けられたシートバックフレーム20とを備えて
いる。シートクッションフレーム16及びシートバック
フレーム20には、その全長にわたって3Dネット8を
張設するための複数のワイヤ22,…,22,24,…,2
4が接合されており、シートクッションフレーム16の
両側部には、座部の3Dネット8を張設するためのプレ
ート26,26が接合されている。
【0031】図10乃至図13は、3Dネットを有する
シートの1例S1を示しており、シートクッション2及
びシートバック4の略全域にわたって2層の減衰・ばね
特性の異なる3Dネット8a,8bを積層し、面直方向
にばね性を付与することで共振周波数を低減している。
3Dネット8a,8bとしては、例えば表1に示される
品番09060D、09030Dがそれぞれ使用され
る。
【0032】クッション前端部とバック上端部で係止さ
れる3Dネットの伸び率は、サポート性を必要とする幅
方向に比べて小さいものを使用している。
【0033】さらに詳述すると、シートクッション2の
座面部にはばね性を付与する必要があることから、シー
トクッション2の両側部は、図10及び図12に示され
るように、上部層である3Dネット8aの縁部と、上部
3Dネット8aと略同じサイズの下部層である3Dネッ
ト8bの縁部と、高弾性の3Dネットあるいはトリム等
の引張材28の内縁部とを振動溶着により接合し、引張
材28の中間部をシートクッションフレーム16に当接
させた後、引張材28の外縁部に振動溶着により接合さ
れた硬質樹脂製の係止部材30をプレート26に係止し
ている。なお、引張材28は、下部3Dネット8bでも
よく、この場合、下部3Dネット8bは上部3Dネット
8aよりも幅広に形成され、シートクッションフレーム
16の内側の部位に上部3Dネット8aの縁部が接合さ
れるとともに、下部3Dネット8bの外縁部は係止部材
30に接合される。さらに、上部3Dネット8aは、下
部3Dネット8bとの接合部より内側の部位が表皮32
の内縁部に縫製されており、表皮32の外縁部は硬質樹
脂製の係止部材34に振動溶着により接合され、係止部
材34はワイヤ22に係止されている。また、着座した
ときの異物感を緩和するために、表皮32と引張材28
との間にはウレタン系パッド材36が介装されている。
【0034】また、シートクッション2の前端部は、図
13に示されるように、下部3Dネット8bがシートク
ッションフレーム16の近傍で上部3Dネット8aの下
面に振動溶着により接合され、上部3Dネット8aはシ
ートクッションフレーム16の内側にて表皮32の内縁
部に縫製されるとともに、上部3Dネット8aの外縁部
には係止部材38が振動溶着により接合され、係止部材
38はU字状ワイヤ22aに係止されている。なお、表
皮32の外縁部は硬質樹脂製のプレート状係止部材40
に振動溶着により接合され、係止部材40はストレート
状ワイヤ22bに係止されている。
【0035】一方、シートバック4の上端部もシートク
ッション2の前端部同様、図11に示されるように、係
止部材38,40と同じ係止部材によりU字状ワイヤ2
4aとストレート状ワイヤ24bに係止されている。た
だし、シートクッション2の両側部と同様、着座したと
きの異物感を緩和するために、表皮32と上部3Dネッ
ト8aとの間にはウレタン系パッド材42が介装されて
いる。
【0036】なお、シートバック4の両側部は、その上
端部と同様、3Dネットを係止部材を介してシートバッ
クフレームに接合されたワイヤに係止してもよく、シー
トクッション2の両側部と同様、引張材及び係止部材を
介してシートバックフレームに接合されたワイヤに係止
してもよい。
【0037】また、3Dネットの中央部近傍(着座者の
臀部が当接するシートクッション2とシートバック4の
境界域)においては、3Dネット8a,8bを高弾性の
3Dネットあるいはトリム等の複数の引張材44,…,
44の内縁部に振動溶着により接合するとともに、図1
4に示されるように,引張材44,…,44の一つを後
方に位置するシートバックフレーム20に当接させた
後、その外縁部を硬質樹脂製の係止部材46に振動溶着
により接合し、係止部材46をシートバックフレーム2
0に接合されたワイヤ24cに係止している。他の引張
材44,44も,その外縁部を硬質樹脂製の係止部材4
6,46に振動溶着により接合し,この係止部材46,
46を左右のアッパーレール6a,6aを連結する連結
部材48に係止している。なお、金属ばねを係止部材4
6に採用することもできる。
【0038】このように、3Dネットの少なくとも前端
部及び上端部を固定端とし、その中央部を引張材44,
…,44を介してフレームの一部に係止したので、シー
トS1は、3Dネットに所定のテンションが付与された
立体ハンモック構造体を呈している。
【0039】図15は本発明にかかるシートS2を示し
ており、シートクッション2及びシートバック4の略全
域にわたって3Dネット8aを1層のみ張設し、3Dネ
ット8aのパイル層で面直方向のばね性を付与してい
る。また、シートクッション2及びシートバック4に
は、左右対称にそれぞれ二つの矩形状の開口部50,5
0あるいは52,52(図15ではそれぞれ一つのみ示
されている)が形成されている。
【0040】図16に示されるように、3Dネット8a
の側縁部は下方に折り曲げられて互いに縫製されてお
り、外縁部が布、レザー等の引張材54の側縁部に縫製
されるとともに、引張材54の反対側の側縁部が係止部
材56に縫製により固定され、この係止部材56がシー
トクッションフレーム16に接合されたワイヤ22に係
止されている。
【0041】また、開口部50の周囲の3Dネット8a
には布、レザー等の柔軟性のあるカバー58が縫製によ
り取り付けられており、開口部50近傍の3Dネット8
aのほつれを防止している。
【0042】なお、シートバック4に形成された開口部
52の構成も開口部50の構成と同じなので、その説明
は省略する。
【0043】開口部を設けることでシートの美観が向上
するとともに、開口部には3Dネット8aがないことか
ら、この部分のばね定数が増大し、開口部を設けること
により必要に応じてばね定数を変化させることが可能と
なる。
【0044】また、図17に示されるように、開口部5
2に開閉手段60を設けることもでき、開閉手段60に
より開口部52の開口面積を適宜調節することにより、
3Dネット8aのばね定数を部分的に変化させることが
できる。
【0045】図17においては、開閉手段60としてマ
ジックテープが採用されており、3Dネット8aの裏面
側でフック状のテープ(オス)60aの側縁部を開口部
52の片側に縫製する一方、パイル状のテープ(メス)
60bを開口部52の反対側に縫製している。
【0046】図18及び図19は、開閉手段60として
のマジックテープ60a,60bにより、開口部52を
完全に閉塞した状態を示している。
【0047】また、図20及び図21に示されるよう
に、開閉手段60としてファスナ60cを採用すること
もでき、この場合、ファスナ60cはカバー58ととも
に開口部52の周縁に縫製される。
【0048】なお、開口部はシートクッション2とシー
トバック4のいずれか一方に設けてもよく、両方に設け
てもよい。また、開口部をシートクッション2とシート
バック4の両方に設けた場合でも、開口部の開閉手段は
いずれか一方あるいは両方に設けてもよく、全く設けな
くてもよい。
【0049】また、開口部の形状は必ずしも矩形に限定
されるわけではなく、楕円形等の他の形状を採用するこ
ともできる。
【0050】上記実施の形態において、シートクッショ
ンに傾倒自在にシートバックが取り付けられた車両用シ
ートに3Dネットを採用したが、本発明は車両用シート
に限定されるものではなく、シートクッションとシート
バックが一体的に形成されたシート等、他のシートにも
採用可能である。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。本
発明のうちで請求項1に記載の発明によれば、シートク
ッションフレームとシートバックフレームの略全域にわ
たって少なくとも1層の3次元ネットを張設してシート
クッションとシートバックとを形成したので、安価で薄
型軽量のシートを提供することができるとともに、シー
トクッションとシートバックの少なくとも一方に開口部
を形成したので、シートの美観が向上する。
【0052】また、開口部を設けたことで、シートの伸
縮性(ばね定数)を部分的に変化させることができ、例
えば腰部支持を従来のランバー機構等を設けることなく
強化することもできる。
【0053】さらに、シートクッション、シートバック
一体型の3次元ネットは、糸間摩擦という構造減衰によ
りヒステリシスロス量が大きく、かつ、基材部のばね特
性により復元性を確保することができ、ハンモック構造
と組み合わせることで、慣性力を吸収しながら振動を吸
収することができるので、座り心地が向上する。
【0054】また、請求項2に記載の発明は、開口部に
開閉手段を取り付けたので、必要に応じて開口部の開口
面積を変えて伸縮性(ばね定数)を部分的に調節するこ
とができ、着座姿勢の安定化を図るとともに座り心地を
向上することができる。
【0055】さらに、請求項3に記載の発明は、開閉手
段としてマジックテープあるいはファスナを使用したの
で、安価で薄型軽量のシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 3Dネットを有するシートの斜視図である。
【図2】 図1のシートの部分断面斜視図である。
【図3】 3Dネットの部分拡大正面図である。
【図4】 図3の3Dネットの部分断面側面図である。
【図5】 3Dネットの上部及び下部メッシュ層に使用
される種々の基布組織を模式的に示しており、(a)は
図3に示されるハニカム状(六角形)メッシュを、
(b)は菱形メッシュを、(c)は鎖挿入組織をそれぞ
れ示している。
【図6】 上部及び下部メッシュ層を結合するパイル組
織を模式的に示しており、(a)は図4に対応するスト
レート状組織を、(b)は8の字ストレート状組織を、
(c)はクロス状組織を、(d)は8の字クロス状組織
をそれぞれ示している。
【図7】 3Dネットをモデル化した場合の模式図で、
(a)は3Dネットを剛体に載置した場合を、(b)は
3Dネットの両端を吊った場合を示している。
【図8】 従来のシートと本発明にかかるシートの振動
伝達率を比較したグラフである。
【図9】 図1のシートのフレーム構造を示す斜視図で
ある。
【図10】 3Dネットを有するシートの部分断面斜視
図である。
【図11】 図10のシートの別の部分断面斜視図であ
る。
【図12】 3Dネットのシートクッションフレームの
両側部への係止状態を示す部分断面斜視図である。
【図13】 3Dネットのシートクッションフレームの
前部への係止状態を示す部分断面斜視図である。
【図14】 シートクッションとシートバックの境界部
のフレームへの係止状態を示す断面図である。
【図15】 本発明にかかるシートの部分断面斜視図で
ある。
【図16】 図15の線XVI-XVIに沿った断面図であ
る。
【図17】 図15の線XVII-XVIIに沿った断面図であ
る。
【図18】 本発明にかかるシートの部分断面斜視図で
あり、シートバックに形成された開口部を閉塞した状態
を示している。
【図19】 図18の線XIX-XIXに沿った断面図であ
る。
【図20】 図17に対応する断面図であり、開口部の
開閉手段の変形例を示している。
【図21】 図20に示される開口部を閉塞した場合の
断面図である。
【符号の説明】
2 シートクッション 4 シートバック 8,8a,8b 3Dネット 10 上部メッシュ層 12 下部メッシュ層 14 パイル 16 シートクッションフレーム 18 リクライニング機構 20 シートバックフレーム 22,24 ワイヤ 26 プレート 28,44,54 引張材 30,34,38,46,56 係止部材 32 表皮 36,42 パッド材 40 プレート状係止部材 48 連結部材 50,52 開口部 56 丸棒 58 カバー 60,60a,60b,60c 開閉手段 S,S1,S2 シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部メッシュ層と、下部メッシュ層と、
    該上部及び下部メッシュ層を結合する多数のパイルを有
    するパイル層とで3次元ネットを構成し、シートクッシ
    ョンフレームと該シートクッションフレームに取り付け
    られたシートバックフレームの略全域にわたって少なく
    とも1層の上記3次元ネットを張設してシートクッショ
    ンとシートバックとを形成し、該シートクッションとシ
    ートバックの少なくとも一方に開口部を形成した3次元
    ネットを有するシート。
  2. 【請求項2】 上記開口部に開閉手段を取り付けた請求
    項1に記載の3次元ネットを有するシート。
  3. 【請求項3】 上記開閉手段としてマジックテープ(登
    録商標)あるいはファスナを使用した請求項2に記載の
    3次元ネットを有するシート。
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