JP3507065B2 - 車両用シート - Google Patents

車両用シート

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JP3507065B2
JP3507065B2 JP2003122531A JP2003122531A JP3507065B2 JP 3507065 B2 JP3507065 B2 JP 3507065B2 JP 2003122531 A JP2003122531 A JP 2003122531A JP 2003122531 A JP2003122531 A JP 2003122531A JP 3507065 B2 JP3507065 B2 JP 3507065B2
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栄一 安田
俊一 土居
克也 茨木
悦則 藤田
由美 小倉
誠司 川崎
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株式会社豊田中央研究所
株式会社デルタツーリング
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用シートに係
り、特に、自動車が後方からの衝突(以下、後突とい
う)等により、前方に向かう大きな衝撃力を受けた際
に、衝撃力をシートバックのクッション材で吸収して着
座者の前方への飛び出しを抑制する車両用シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
が後突等により、前方に向かう大きな衝撃力を受けたと
きには、ウレタン製のシートバックレストの減衰特性に
よって、衝撃力が吸収される。このとき、着座者がシー
トバックレスト内に沈み込みシートバックレストが弾性
変形するため、この衝撃力の大部分は弾性エネルギーと
してシートバックに一時的に蓄えられる。この一時的に
蓄えられた弾性エネルギーにより、着座者は前方に押し
出されることになる。
【0003】このような後突による衝撃力に対して、特
許文献1には、衝撃力を吸収するシートが記載されてい
る。このシートのシートバックは、車幅方向の各外側部
を構成して上下方向に延びる一対の側部フレームと、こ
の一対の側部フレームの上下方向の中途部に車幅方向に
沿って架設された複数のS字状ばねとを備えている。ま
た、一対の側部フレームの上下方向の中途部に、ラスメ
タル金網が架設されている。このラスメタル金網は、S
字状ばねの後側でかつS字状ばねから後方に所定距離離
間された位置に、ラスメタル金網が有する開口の長手方
向が上下方向を向くように設けられている。
【0004】このシートに大きな衝撃力が作用すると、
乗員の慣性によりシートと乗員とに加速度差が生じ、相
対的にシートが進行方向に移動するため、複数のS字状
ばねが後方に向かって大きく弾性変形し、着座者がS字
状ばねやパッド等を介してラスメタル金網に衝突する。
このラスメタル金網は、厚さ方向に負荷を受けると、面
方向に塑性変形し易い。このため、上記衝撃力に基づく
着座者からの後方に向かう反作用力、すなわち、ラスメ
タル金網への厚さ方向への負荷により、ラスメタル金網
には塑性変形が円滑に生じ、これにより、衝撃力に基づ
くエネルギーが充分に吸収され、着座者に与えられる衝
撃が充分に緩和される。
【0005】しかしながら、上記従来のシートでは、着
座者がS字状ばねやパッド等を介してラスメタル金網に
衝突するまでに、S字状ばね及びバックレストのクッシ
ョンパッドのばねに衝突による弾性エネルギーが蓄積さ
れ、着座者を前方に押し出すエネルギーとなる。また、
着座者がラスメタル金網に衝突したときラスメタル金網
は上下方向に塑性変形するが、シートの後方には塑性変
形が少ないため、着座者への衝撃力の負担が多くなる、
という問題がある。
【0006】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、自動車が後突等により、前方に向かう大き
な衝撃力を受けた際に、シートを介して着座者へ作用す
る衝撃力をシートバックのクッション材で吸収して、着
座者への衝撃力の負担を少なくした車両用シートを提供
することを目的とする。
【0007】
【特許文献1】特開平11−70029号公報
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、車両に後方から前方へ衝撃力が作
用した際の着座者へ作用する衝撃力を減衰させる車両用
シートであって、着座者の背中によって押圧される押圧
方向に圧縮され、かつ押圧方向と逆方向に伸長するばね
要素と、前記ばね要素の圧縮及び伸長を減衰させる減衰
要素とを備えたセルが多数個配列されると共に、衝撃力
が作用した際の反作用で臀部が当接する部分、または臀
部が当接する部分及び肩部が当接する部分に他の減衰要
素が付加されるクッション材を用いてバックレストを構
成したことを特徴とする。
【0009】 請求項1の発明では、車両に後方から前
方へ向かって衝撃力が作用すると、反作用によって着座
者の臀部及び肩部の少なくとも一方がクッション材の内
部に沈み込む。なお、クッション材の内部に沈み込む着
座者の部位は、臀部で良いが、臀部及び肩部の両方を沈
み込ませるのが効果的である。
【0010】次に、後突による衝撃が、シートに着座し
ている人体(乗員)に入力される場合の力学モデルにつ
いて説明する。後突においては、前後方向及び上下方向
の人体挙動が主であるため、人体各部位を車両前後方向
に平行な鉛直面内に位置する集中質量で表し、この集中
質量間をリンクで結んだ図1(A)に示す平面モデルで
表すことができる。この集中質量として、頭部の質量を
m1、胸部の質量をm2、骨盤及び腰部の質量をm3、
大腿部及び脚部を合わせた部位の質量をm4とする。
【0011】また、後突時にシートベルトにより骨盤が
拘束されると仮定すると、図1(B)に示すように、大
転子が上体の回転中心となり、質量m1+m2の部分が
ピストンに対応するピストンクランク機構を基本とする
等価力学モデルに置換することができる。また、大転子
を原点Oとし、質量m1+m2の運動方向をx軸とする
直交座標系を想定し、x、y軸方向の単位ベクトルを各
々i、jとする。
【0012】次に、図1(B)の等価力学モデルを用い
て、人体各部に作用する力関係から後突時の衝撃吸収原
理を説明する。後突時には、後突による衝撃力が、質量
m4の大腿部及び脚部を合わせた部位に、大転子を回転
中心とする時計回りの回転運動を生じさせる。このと
き、大腿部及び脚部を合わせた部位の質量m4(=mc
w+mbw)と、この質量m4の部位の重心位置から大
転子(原点O)までの距離rbとの積で定まる回転モー
メントが、骨盤及び腰部を合わせた部位の質量m3によ
る1次慣性力、及び頭部及び胸部を合わせた部位の質量
m1+m2による慣性力と釣り合わせるためには、下記
の釣合い式(1)、(2)が必要になる。ここで、mc
wは大腿部の質量、mbwは脚部質量である。
【0013】 mcw・rb=m3・r ・・・(1) mbw・rb=(m1+m2)・r ・・・(2) 上記で説明したように、後突によって発生する衝撃力を
トリガーとして、骨盤及び腰部の下(後)方への沈み込
みにより、クッション側のばね要素に弾性エネルギーが
蓄積される。そして、下(後)方への骨盤及び腰部の沈
み込みにより、大転子を回転中心とする大腿部及び脚部
を合わせた部位の回転運動に変換される。このときの頭
部及び胸部を合わせた部位の質量m1+m2に発生する
慣性力Fは、大転子を回転中心にすると、(2)式に基
づいて下記の(3)式のように表される。
【0014】 F=(m1+m2)・r・ω2cosθi+mbw・rb・ω2 {cos(π+θ)i+sin(π+θ)j} =−(m1+m2)・r・ω2sinθj ・・・(3) すなわち、頭部及び胸部を合わせた部位を鉛直上方に押
し上げるx方向の力は大転子を回転中心とする大腿部及
び脚部を合わせた部位の回転運動による力と相殺され、
シートバックを押圧する押圧力に変換される。従って、
大腿部及び脚部を合わせた部位の回転運動に伴う回転モ
ーメントが頭部及び胸部を合わせた部位の1次慣性力を
バックレストに押圧する押圧力に変換されるので、バッ
クレストからの押出し力を相殺することができる。
【0015】従来のシートの場合には、後突時に大転子
の回転中心がクッションの反力によってx方向に移動す
ると共に、バックレストの減衰特性が小さいため、頭部
及び胸部を合わせた部位の慣性力によるバックレストか
らの押圧力が相殺されることが少ない。
【0016】 これに対して、上記で説明した本発明の
シートでは、後突直後の衝撃力が所定の値を超えたとき
に臀部がクッション後端部で沈み込むようになる。この
ように、クッション後端部で臀部を沈み込ませることに
より、骨盤及び腰部を合わせた部位の質量m3に対して
重力方向に慣性力が作用し、その慣性力と回転中心であ
る大転子からの距離rとの積で表される回転モーメント
を大腿部と脚部の回転運動による回転モーメントで釣り
合わせることになる。さらに、大腿部と脚部の回転モー
メントは、骨盤及び腰部の回転モーメントより大きいた
め、バックレスト押圧力が増加する。この増加したバッ
クレストへの押圧力が、骨盤及び腰部が下(後)方に沈
み込む時に、胸部がバックレストより受ける押圧力を相
殺する。
【0017】また、本発明のシートでは、後突によって
バックレストの押圧力が所定の値を超えると、バックレ
ストの反力を略維持したままたわみを増加させて、減衰
効果を付与することができる。これによって、バックレ
ストからの反力を小さくすることが可能になるので、頭
部及び胸部を合わせた部位の1次慣性力によるバックレ
スト押圧力とが略相殺されることになる。
【0018】従って、本発明のシートは、後突時に乗員
に作用する押圧力を従来シートに対して、改善すること
ができる。
【0019】
【0020】 この他の減衰機構を付加する部分は、臀
部が当接する部分でよいが、臀部が当接する部分及び肩
部が当接する部分の両方であるのが好ましい。
【0021】本発明によれば、ばね要素と、ばね要素の
圧縮及び伸長を低減させる減衰要素とを備えたセルが多
数個配列されたクッション材を用いてバックレストを構
成しているため、背中のS字形状が千差万別の着座者の
背中とセルの各々とが当接し、人体とシートの接触面積
を増加させることができる。
【0022】一方、従来のウレタンクッション材は、背
骨とバックレストのランバー形状とが一致しないことで
片当たりが生じ、等価的には図2(A)に示すように、
片当たり部分のばね要素と減衰要素とで着座者の上体質
量m2を支持することになる。
【0023】これに対して本発明のバックレストは、多
数個のセルによって着座者の背中との接触面積を増加す
ることにより、バックレストに作用する着座者の上体質
量m2を図2(B)に示すように等価的に各質量(m2
1〜m2n)に分散させることになるので、バックレス
トは各質量毎に減衰要素とばね要素とを持ったクッショ
ン材とみなすことができる。
【0024】そのため、バックレスト全体の減衰要素
は、従来のウレタンクッション材に比較して非常に大き
くなる。
【0025】 また、衝撃力が作用した際の反作用で臀
部が当接する部分、または臀部が当接する部分及び肩部
が当接する部分に他の減衰機構が付加されるので、付加
された減衰要素によって衝撃力が減衰され、着座者の前
方への飛び出しを抑制すると共に、着座者への衝撃力の
負担を少なくすることができる。
【0026】このとき、他の減衰要素を付加することに
よって、バックレストのクッション材の押圧方向の減衰
比が、衝撃力が作用した際の着座者からの反作用力が作
用する前後で0.1以上変化する、好ましくは減衰比が
0.2以上0.6以下変化するようにするのが好まし
い。
【0027】他の減衰機構として、衝撃力が作用した際
に人体からの特定の反作用でバックレストの撓みを拡張
するようにすると人体に入力される衝撃力の緩和を効果
的に行なうことができる。
【0028】このように、後突時の衝撃等によりバック
レストのクッション材の押圧方向の撓みが拡張するよう
に構成することによって、バックレストのクッション材
の押圧方向の撓みに対する加重特性が、拡張される撓み
分だけ押圧方向にオフセットされる。これにより、衝突
時にオフセットされるクション材の撓みに対する加重変
化が殆どなく、ばね定数kは限りなくゼロになる。
【0029】すなわち、ばね定数kは限りなくゼロにな
るになることから、バックレストに作用する着座者の上
体質量をm2、バックレストのクッション材の各セルに
おける減衰要素を合計した減衰係数をctとして、ξ=
ct/(2(m2・k)0.5)で計算される減衰比ξ
は、無限大に近づき、衝突時の衝撃力が吸収される。
【0030】また、着座者の臀部及び肩部が当接する部
分の少なくとも一部分におけるクッション材の撓みの拡
張は、大転子部を中心に体幹を後転させるので、クッシ
ョン材で吸収できなかった弾性エネルギーによるシート
面の法線方向に作用する押出し力を図1(B)で説明し
たように鉛直方向及び水平水平方向に分散させること
で、前方への押出し力を小さくし、これによって着座者
の飛び出しが抑制される。
【0031】このように、本発明ではクッション材自体
の弾性エネルギーに対しては、ばね要素と、ばね要素の
圧縮及び伸長を減衰させる減衰要素とを備えたセルが多
数個配列されたクッション材を用いて、着座者の背骨の
S字形状とセルの各々とを当接させ、人体とシートとの
接触面積を増加させることにより、バックレスト全体の
減衰要素を増加させることで、着座者の背中の形状が前
方へ押し出すエネルギーを大幅に吸収することができ
る。
【0032】また、後突時の押圧方向の撓みが少ないこ
とによる着座者への衝撃力の負担が増すことに対して
は、衝突時の撓みを拡張させることで減衰比を大きく
し、着座者への負担を大幅に低減すると共にクッション
材の弾性エネルギー吸収特性により衝突時の前方への飛
び出し量を大幅に抑制することができる。
【0033】バックレストの撓みは、衝撃力が作用した
際の反作用でバックレストを塑性変形させることによっ
て拡張することができる。以下で説明する3次元網目構
造のバックレストを用いた場合には、バックレストの塑
性変形させる部分を折返す等によって重ね合わせ、この
重ね合わせ部を半溶着、または縫製しておけば、衝撃力
が作用した際に半溶着部が剥離し、または縫製部の糸が
切断されるので、容易に塑性変形させることができる。
【0034】本発明のクッション材としては、従来のウ
レタンのような固体のものでなく、人体に対してフレキ
シブルに変化するシート構造を有し、減衰要素を充分に
大きくしたクッション材が好適である。
【0035】このクッション材としては、例えば、ポリ
エチレンテレフタレートの糸で三次元立体編物にしたネ
ット、すなわち、三次元網目構造のクッション材で、か
つ、ばね要素と減衰要素とを備えたセルが多数個配列さ
れたクッション材を用いることができる。この多数のセ
ルは、格子状に配列することができる。このクッション
材をシートフレームに張設することで、人体に対してフ
レキシブルに変化するシート構造と減衰要素を大きくす
るという要件を満足させることができる。
【0036】 この三次元網目構造のクッション材を用
いる場合には、シートクッションと、シートクッション
に取り付けられたシートバックフレーム及び該シートバ
ックフレームに張設された3次元網目構造のバックレス
トを有するシートバックと、を備えた車両用シートであ
って、後方から前方への衝撃力が作用した際の反作用で
縫製糸が切断されるかまたは半溶着部が剥離されるよう
に、バックレストの着座者の臀部及び肩部が当接する部
分の少なくとも一部分を重ね合わせて縫製糸によって縫
製するかまたは半溶着し、後方から前方への衝撃力が作
用した際の反作用でバックレストの着座者の臀部と肩部
とが当接する部分の撓みを拡張するように構成すること
ができる。
【0037】また、3次元網目構造のバックレストは、
シートバックの幅方向に対してシートバックの高さ方向
が伸び易くなるように、バックレストをシートバックフ
レームに張設することができる。
【0038】このように張設することにより、車両に後
方から前方へ衝撃力が作用すると、シートバックの幅方
向に対してシートバックの高さ方向、すなわち着座者の
背中に沿った方向に伸びるようになり、臀部の沈み込み
を起させ、着座者の体幹を大転子部を中心に後転し易く
することができる。
【0039】 さらに大きな衝撃力が加わる場合には、
臀部と肩部とが当接する部分の縫製部分の縫製糸が切断
されるか、半溶着部が剥離され、三次元網目構造のクシ
ョン材の重なる部分が拡張して重なっていた分だけ撓み
が増加するので、減衰比ξが大きくなり、着座者の前方
への飛び出しを大幅に抑制することができる。
【0040】また、三次元網目構造のクッション材は、
バックレストによる減衰効果を大きくするために、着座
者がバックレストに沈み込む方向、すなわち着座者の背
中によって押圧される押圧方向に対しては減衰係数を小
さくし、バックレストが前方に押し出す方向、すなわち
押圧方向と逆方向に対しては減衰係数を大きくすると効
果的である。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の車
両用シートの実施の形態を詳細に説明する。なお、以下
に示す図では、矢印F方向を車両前後方向の前方側、矢
印U方向を車両上下方向(シートの高さ方向)の上方側
とし、矢印LR方向を車両左右方向(シートの幅方向)
として説明する。
【0042】図3に示すように、車両用シート30は、
シートフレーム32を備えている。シートフレーム32
は、座部用フレームと背部用フレーム(シートバックフ
レーム)とを有しており、座部用フレームに座部用のク
ッション材を設けることによりシートクッション38が
形成され、背部用フレームに背部用の3次元網目構造の
クッション材からなるシートバックレスト60を張設す
ることによりシートバック40が形成されている。
【0043】背部用フレームの一端は、座部用フレーム
の一端に、左右方向に沿って配設された支軸を軸にして
回動可能に連結されており、これにより、連結部を中心
に前後方向に回動可能なリクライニング機構が形成され
ている。なお、リクライニング機構の詳細な説明は省略
する。
【0044】座部用フレームは、一対のサイドフレーム
を備えており、シートクッション38は、サイドフレー
ムに一端が支持された複数のコイルばねと、このコイル
ばねに弾性的に支持されたコンターマットと、コンター
マットの上面に積層された弾性体によって形成された中
間クッション部材と、中間クッション部材の上面に積層
されて、サイドフレームの間に張設された上部クッショ
ン部材52とによって形成されている。
【0045】なお、シートクッション38は、上部クッ
ション部材52のみが前方側に延設されて折り返され、
サイドフレームと、サイドフレームの間に掛け渡されて
いる前端フレームとに支持されている。これにより、弾
性コンプライアンスを大きくして、減衰機能を大きく
し、血流阻害を抑制すると共に、運転者用のシートとし
て用いたときに、ペダル操作の円滑性が向上されるよう
にしている。なお、弾性コンプライアンスは、(撓み
量)/(接触する面の平均圧力値)で計算される。
【0046】シートクッション38の中間クッション部
材及び上部クッション部材52は、何れも後述する3次
元網目構造のシート材である3次元立体編物によって形
成されており、中間クッション部材は、乗員が着座した
ときに、上部クッション部材52のみを配置したときに
生じる底付き感を抑制し、コンターマットやコイルばね
による異物感を軽減するようにしている。なお、中間ク
ッション部材は、上部クッション部材52を折り返して
形成しても良い。
【0047】一方、シートバック40の背部用フレーム
は、シートの高さ方向に延びる一対のサイドフレームを
備えている。このサイドフレームには、ウレタン等を用
いた弾性部材、3次元立体編物、または布ばねが設けら
れている。シートバック40の左右方向(幅方向)の両
側には、この弾性部材、3次元立体編物、または布ばね
を所定の形状に形成することにより、シート30に着座
した乗員の体側に対応するサイドサポート部56が形成
されている。このサイドサポート部56間の上部にヘッ
ドレスト58が設けられ、サイドサポート部56の間に
シートバックレスト60が張設されている。
【0048】すなわち、シート30は、着座した乗員の
体が、サイドサポート部56の間に入り込むバケットタ
イプとなっている。このサイドサポート部56の表面に
は、適度なクッション性と快適な接触感が得られる表面
材56Aを貼り付けている。なお、この表面材56Aと
しては、後述する3次元立体編物が用いられている。
【0049】シートバック40には、サイドサポート部
56の間が開放されて、開口部62が形成されている。
3次元立体織物からなるクッション部材によって形成さ
れたシートバックレスト60は、この開口部62を閉鎖
するように張設されている。
【0050】すなわち、シートバックレスト60は、シ
ート30に着座した乗員の背中に対向する中央部である
開口部62に張設されたクッション部材によって形成さ
れている。したがって、クッション部材で形成されたシ
ートバックレスト60は、サイドサポート部56を介し
て、シートバックの背部用フレームに張設されている。
【0051】なお、シートバックレスト60は、サイド
サポート部56を介することなく、直接シートバックの
背部用フレームに張設してもよい。
【0052】シートバックレスト60の下端部分は、シ
ートクッション38の上部クッション部材52の後端部
に縫製することによって接合されている。このように接
合することによって、上部クッション部材52とシート
バックレスト60との境界部分には、シートの幅方向に
伸びる所定長さの縫い継ぎ部70が形成される。なお、
縫製による接合部の詳細な構造については後述する。
【0053】このように、本実施の形態では、サイドサ
ポート部56を設け、上部クッション部材52とシート
バックレスト60とを接合することによって体側支持構
造としている。
【0054】次に、図4を参照しながら、上記のクッシ
ョン部材として用いる3次元立体編物について説明す
る。
【0055】図4(A),(B)に示すように、3次元
立体編物80は、互いに離間して配設された一対のグラ
ンド編地82、84と、この一対のグランド編地82、
84の間を往復して両者を結合する多数の連結糸86に
よって形成されるパイル部88と、によって構成されて
いる。
【0056】一方のグランド編地84は、例えば、短繊
維を撚った糸を用い、ウェール方向及びコース方向の何
れの方向にも連続したフラットな編地組織によってメッ
シュを形成したものを用いることができる。
【0057】また、他方のグランド編地82は、例え
ば、短繊維を撚った糸を用い、多数の長円状の孔が格子
状に配列され、かつ孔の間に多数の小さなセル92Aと
多数の大きなセル92Bとが格子状に形成されたメッシ
ュを形成したものを用いている。また、この他方のグラ
ンド編地82は、一方のグランド編地84よりも大きな
網目になるように編成している。
【0058】セル92Aは、長円状の孔の短軸方向にセ
ル92Bを介して連続し、長円状の孔の長軸方向は長円
状の孔によって分離されている。また、セル92Bは、
長円状の孔の長軸方向に連続し、長円状の孔の短軸方向
はセル92Aを介して連続されると共に、長円状の孔に
対応する部分がこの長円状の孔によって分離されてい
る。なお、グランド編地82、84としては、細め組織
やハニカム状に限らず、これ以外のメッシュ状の編地組
織を用いたものであっても良い。
【0059】図4(A),(B)に示すように、連結糸
86は、一方のグランド編地84と他方のグランド編地
82のセル92A,92Bが所定の間隔tを保持するよ
うにグランド編地82のセル92A,92Bとグランド
編地84との間に編み込まれてパイル部88を形成して
いる。これにより、メッシュニットとなっている3次元
立体編物80に所定の剛性を付与するようにしている。
【0060】このパイル部88によって、着座者の背中
によって押圧される押圧方向に圧縮され、かつ押圧方向
と逆方向に伸長するばね要素と、ばね要素の圧縮及び伸
長を減衰させる減衰要素とが多数のセル92A,92B
の各々に与えられる。
【0061】また、大きなセル92Bは長円状の孔の長
軸方向に連続し、孔の短軸方向は部分的に孔によって分
離されているため、長円状の孔の長軸方向には伸び難
く、長円状の孔の短軸方向には伸び易くなっている。
【0062】3次元立体編物80は、グランド編地8
2、84を形成するグランド糸の太さ等によって、必要
な腰の強さを具備させることができるが、グランド糸
は、編成作業が困難とならない範囲のものが選択される
ことが好ましい。また、グランド糸としては、モノフィ
ラメント糸を用いることができるが、風合いや表面感触
の柔らかさ等を考慮して、マルチフィラメント糸やスパ
ン糸を用いても良い。
【0063】連結糸86としては、モノフィラメント糸
を用いることが好ましく、太さは、167デシテックス
〜1100デシテックスの範囲のものが好ましい。マル
チフィラメント糸では、復元力が良好なクッション性が
得られなく、また、太さが167デシテックスを下回る
と、3次元立体編物80の腰の強さが低下し、1100
デシテックスを上回ると、硬くなり過ぎてしまい、適度
のクッション性が得られなくなる。
【0064】すなわち、連結糸86として、167デシ
テックス〜1100デシテックスのモノフィラメント糸
を用いることにより、シートに着座した乗員の荷重を、
グランド編地82、84を形成する網目の変形と共に、
パイル部88を形成する連結糸86の倒れや座屈による
変形、また、変形した連結糸86にばね特性を付与する
隣接した連結糸の復元力によって支持することができ、
柔らかなばね特性を有して応力集中の起きない柔構造と
することができる。
【0065】なお、3次元立体編物80に凹凸を形成し
ても良い。すなわち、グランド編地82、84として
は、表面に凹凸が生じるように編んだものであっても良
く、凹凸を形成した時には、グランド編地82、84に
断面略アーチ状のばね要素を形成できるため、さらに、
柔らかなばね特性を付与することができ、筋肉の弾性コ
ンプライアンスと略同等かそれよりも大きな弾性コンプ
ライアンスを有する構造を容易に形成することができ
る。
【0066】グランド糸及び連結糸86の素材として
は、特に限定するものではなく、例えば、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリ
ル、レーヨン等の合成繊維や再生繊維、ウール、絹、綿
等の天然繊維が挙げられる。これらの素材は、単独で用
いても良く、任意の組み合わせで併用することもでき
る。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などに代
表される熱可塑性ポリエステル系繊維、ナイロン6、ナ
イロン66などに代表されるポリオレフィン系繊維、あ
るいはこれらの繊維を2種類以上組み合わせたものであ
る。
【0067】また、グランド糸及び連結糸86の糸形状
も前記した説明に限定するものではなく、丸断面糸や異
形断面糸等を用いても良い。
【0068】このような3次元立体編物80を用いたク
ッション部材52等は、ばね性が小さくなって減衰比が
高く、乗員の体型に追従した変形が生じ易く、よりフィ
ットし易くなる。なお、シートバック40のクッション
部材と、シートクッション38の上部クッション部材5
2の幅方向両端部とは、3次元立体編物80が縫合によ
って一体化し、乗員が着座したときに大きな荷重のかか
る乗員の臀部から腰椎部に対向する部位を、乗員の臀部
から腰椎部にかけて浮かせる方向に、ハンモックの如く
支持できるようにしている。これにより、乗員の姿勢の
変化に追従しやすくすると共に、着座感の向上を図るよ
うにしている。
【0069】図5に示すように、シートバック40にシ
ートバックレスト60のクッション部材として張設する
3次元立体編物80は、長円状の孔の長軸方向がシート
バックレスト60の幅方向を向くように、すなわち、セ
ル92Bがシートバックレスト60の幅方向に連続する
ように張設される。また、シートクッション38の上部
クッション部材52として張設される3次元立体編物8
0は、長円状の孔の長軸方向がシートクッション38の
幅方向を向くように、すなわち、セル92Bがシートク
ッション38の幅方向に連続するように張設される。
【0070】したがって、3次元立体編物80は、シー
トバックの幅方向に対してシートバックの高さ方向が伸
び易くなるように背部用フレームに張設されると共に、
シートクッションの幅方向に対してシートクッションの
前後方向が伸び易くなるように座部用フレームに張設さ
れる。
【0071】また、シートフレームに固定する三次元立
体編物は、伸び率5%未満で張設してある。ただし、バ
ックレストにおける三次元立体編物の張設度合いは、人
体の臀部形状と背中のS字形状に合わせてこの伸び率の
範囲以内で連続的に変えることができる。
【0072】なお、上記では、シートクッションも三次
元立体編物を用いているが、従来のウレタンクッション
でもよい。
【0073】次に、シートバックの肩部及び臀部が当接
する部分の構造について説明する。本実施の形態のバッ
クレストにおける着座者の肩部が当接する部分、及び着
座者の臀部が当接する部分は、車両に後方から前方に向
かって衝撃力が作用した際の着座者からの押圧力(反作
用力)によって、細い縫製糸が切断され、塑性変形する
ようにしたものである。この塑性変形によって、バック
レストの撓みが拡張される。この塑性変形は、バックレ
ストのクッション材の減衰比が、衝撃力が作用した際の
着座者からの押圧力が作用する前後で0.1以上、好ま
しくは減衰比が0.2以上0.6以下変化するようにす
るのが好ましい。減衰比が0.2未満であると弾性エネ
ルギーが蓄積されて着座者が前方に強く押し出されるの
で好ましくなく、0.6を越えると衝撃力が作用する時
に乗員のバックレスト後方への移動量が大きくなり、後
席の乗員に影響を与えるので好ましくない。
【0074】図3及び図6(A)に示すように、シート
バックレスト60の上端部とヘッドレスト58の下端部
とは重ね合わされ、この重ね合わせ部がシートバックレ
スト60に所定値以上の押圧力が加わったときに切断さ
れる細い糸100で縫製されている。このため、シート
バックレスト60に着座者から所定値以上の押圧力が加
わると、細い糸100が切断され、シートバックレスト
60の着座者の肩部が当接している部分が拡張される。
この細い糸の強度は、減衰させる衝撃力の大きさに応じ
て決定される。
【0075】また、図3及び図6(B)に示すように、
上部クッション部材52の後端部とシートバックレスト
60の下端部とは重ね合わされ、この重ね合わせ部がシ
ートバックレスト60に所定値以上の押圧力が加わった
ときにも切断されない太い糸102で縫製すると共に、
太い糸による縫製部から所定距離離れた着座者側の位置
を上記の細い糸100で縫製している。このため、シー
トバックレスト60に所定値以上の押圧力が加わると、
細い糸100が切断され、シートバックレスト60の着
座者の臀部が当接している部分が太い糸102で縫製さ
れている部分まで拡張され、かつ上部クッション部材5
2が下方に移動する。
【0076】このように、車両に後方から前方へ衝撃力
が作用した際の反作用による着座者からの押圧力によっ
て、肩部が当接している部分及び臀部が当接している部
分の細い糸が切断されると、肩部が当接している部分及
び臀部が当接している部分が塑性変形して撓みが拡張さ
れ、着座者は大転子を中心に後転され、図1で説明した
ように衝撃力が減衰されると共に、着座者への衝撃力の
負担を少なくすることができる。
【0077】次に、シートバックの臀部が当接する部分
の構造の他の例について説明する。図6(C)、
(D)、及び(E)に示す例は、上部クッション部材5
2の後端部とシートバックレスト60の下端部との間
に、連結部材104を介在させて縫製により、この連結
部材104により上部クッション部材52の後端部とシ
ートバックレスト60の下端部とを連結したものであ
る。
【0078】図6(C)の連結部材104は、上端部及
び下端部をシートバックレスト60に所定値以上の押圧
力が加わったときにも切断されない太い糸102で縫製
することにより、上部クッション部材52の後端部とシ
ートバックレスト60の下端部とに連結されている。ま
た、連結部材104の中央部分は、シートバックの内側
方向に突出するように折り曲げられて重ね合わされてい
る。この重ね合わせ部は、細い糸100で重ね合わせ部
に縫製された支持部材106によってシートフレームに
掛け渡された軸44に支持されている。
【0079】また、上部クッション部材52と連結部材
104との縫製部は、この縫製部に太い糸で縫製されて
他の支持部部材106によりシートフレームに掛け渡さ
れた他の軸46に支持されている。この場合において
も、シートバックレスト60に所定値以上の衝撃が加わ
ると、糸100が切断され、連結部材の折り曲げ部分が
拡張されるので、シートバックレスト60の着座者の臀
部が当接している部分が拡張される。
【0080】図6(D)は、シートバックレスト60の
下端部を太い糸102を用いて連結部材104の中間部
分に縫製すると共に、連結部材104の下端部を細い糸
102を用いて支持部材106の一端部と共に上部クッ
ション部材52の後端部側に縫製し、連結部材104の
上端部を細い糸100を用いた縫製部よりも後方の上部
クッション部材52の後端部側に、太い糸102を用い
て縫製したものである。細い糸100を用いた縫製部
は、支持部材106によって軸44に支持されている。
【0081】図6(E)は、図6(D)と略同様の構成
であるが、図6(D)と異なり、上部クッション部材5
2と連結部材104との太い糸102による縫製部に、
上部クッション部材52及び連結部材104と共に太い
糸102によって支持部材106の一端を縫製し、太い
糸102による縫製部を支持部材106によって軸44
に支持したものである。
【0082】この場合においても、シートバックレスト
60に所定値以上の押圧力が加わると、細い糸100が
切断され、連結部材の他端部が上部クッション部材52
より離れるので、シートバックレスト60の着座者の臀
部が当接している部分が拡張される。
【0083】図7は、バックレストのクッション材とし
て、三次元立体編物を用いた従来のネットシートと本実
施の形態のネットシートのバックレストを各々水平に設
置した後に、10kgの錘を約0.02mの高さからラ
ンバーサポート部に自由落下させ、錘の動きを測定した
ものである。本実施の形態のネットシートは、従来のネ
ットシートと比較して弾んだ後の減衰が大きいことが理
解できる。
【0084】なお、上記では、バックレストの着座者の
臀部が当接する部分、及びバックレストの着座者の肩部
が当接する部分の両方の撓みを拡張するように構成した
例について説明したが、バックレストの着座者の臀部が
当接する部分、またはバックレストの着座者の肩部が当
接する部分の撓みを拡張するように構成してもよい。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、自
動車が後突等により、前方に向かう大きな衝撃力を受け
た際に、着座者へ作用する衝撃力をシートバックのクッ
ション材で吸収することができる、という優れた効果が
得られる。
【0086】また、本発明によれば、着座者へ作用する
衝撃力をシートバックのクッション材で吸収すると共
に、着座者への衝撃力の負担を少なくすることができ
る、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明のシートの衝突前の着座者の姿
勢を示す概略図、(B)は衝突による衝撃力が作用した
ときの姿勢変化を示す概略図である。
【図2】(A)はウレタンシートと人体との振動モデル
を示す概略図、(B)は本発明のバックレストの重量分
散によるシートと人体との振動モデルを示す概略図であ
る。
【図3】本実施の形態の車両用シートの一部を破断した
概略斜視図である。
【図4】(A)はクッション部材として用いる3次元立
体織物を示す概略図、(B)は(A)のX−X線断面図
である。
【図5】本実施の形態の3次元立体編物シートの斜視図
である。
【図6】(A)は図3のA−A線断面図、(B)は図3
のB−B線断面図、(C)〜(E)の各々は、異なる態
様における図3のB−B線断面図である。
【図7】(A)は従来のネットシートの減衰波形を示す
線図、(B)は本発明の実施の形態のネットシートの減
衰波形を示す線図である。
【符号の説明】
30 シート 38 シートクッション 40 シートバック 56 サイドサポート部 60 シートバックレスト 80 3次元立体編物 88 パイル部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D04B 21/14 D04B 21/14 Z (72)発明者 土居 俊一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 茨木 克也 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 藤田 悦則 広島県広島市安芸区矢野新町一丁目2番 10号 株式会社デルタツーリング内 (72)発明者 小倉 由美 広島県広島市安芸区矢野新町一丁目2番 10号 株式会社デルタツーリング内 (72)発明者 川崎 誠司 広島県広島市安芸区矢野新町一丁目2番 10号 株式会社デルタツーリング内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/00 - 2/54 B60R 21/00 - 21/13 B60R 21/34 D04B 1/00 - 1/28 D04B 21/00 - 21/20

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に後方から前方へ衝撃力が作用した際
    の着座者へ作用する衝撃力を減衰させる車両用シートで
    あって、着座者の背中によって押圧される押圧方向に圧縮され、
    かつ押圧方向と逆方向に伸長するばね要素と、前記ばね
    要素の圧縮及び伸長を減衰させる減衰要素とを備えたセ
    ルが多数個配列されると共に、 衝撃力が作用した際の反
    作用で臀部が当接する部分、または臀部が当接する部分
    及び肩部が当接する部分に他の減衰要素が付加されるク
    ッション材を用いてバックレストを構成した車両用シー
    ト。
  2. 【請求項2】前記バックレストのクッション材の押圧方
    向の減衰比が、衝撃力が作用した際の反作用力が作用す
    る前後で0.1以上変化するように、前記他の減衰要素
    を付加した請求項1記載の車両用シート。
  3. 【請求項3】衝撃力が作用した際の反作用でバックレス
    トの撓みを拡張することによって、前記他の減衰要素を
    付加した請求項1または請求項2記載の車両用シート。
  4. 【請求項4】衝撃力が作用した際の反作用でバックレス
    トを塑性変形させることによって、バックレストの撓み
    を拡張する請求項3記載の車両用シート。
  5. 【請求項5】前記クッション材は、重ね合わせて後方か
    ら前方への衝撃力が作用した際の反作用で切断される縫
    製糸によって縫製された重ね合わせ部と、該重ね合わせ
    部をシートフレームに掛け渡された軸に支持する支持部
    材であって、シートバックレストに所定値以上の押圧力
    が加わると切断される細い糸で該重ね合わせ部に縫製さ
    れた支持部材とを含む請求項1〜請求項4のいずれか1
    項記載の車両用シート。
  6. 【請求項6】前記クッション材は、3次元網目構造のバ
    ックレストを有する請求項1〜請求項5のいずれか1項
    記載の車両用シート。
  7. 【請求項7】シートクッションと、シートクッションに
    取り付けられたシートバックフレーム及び該シートバッ
    クフレームに張設された3次元網目構造のバックレスト
    を有するシートバックと、を備えた車両用シートであっ
    て、 後方から前方への衝撃力が作用した際の反作用で縫製糸
    が切断されるかまたは半溶着部が剥離されるように、バ
    ックレストの着座者の臀部及び肩部が当接する部分の少
    なくとも一部分を重ね合わせて縫製糸によって縫製する
    かまたは半溶着し、後方から前方への衝撃力が作用した
    際の反作用でバックレストの着座者の臀部と肩部とが当
    接する部分の撓みを拡張するようにした車両用シート。
  8. 【請求項8】シートバックの幅方向に対してシートバッ
    クの高さ方向が伸び易くなるように、前記バックレスト
    を前記シートバックフレームに張設した請求項7記載の
    車両用シート。
  9. 【請求項9】3次元網目構造のバックレストは、着座者
    の背中によって押圧される押圧方向に圧縮され、かつ押
    圧方向と逆方向に伸長するばね要素と、前記ばね要素の
    圧縮及び伸長を減衰させる減衰要素とを備えたセルを、
    多数個格子状に配列して構成されている請求項7または
    請求項8記載の車両用シート。
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