JP5085603B2 - シートバック装置 - Google Patents
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Description
このため、車両の後部に相手車両が衝突(後面衝突)した場合に、ヘッドレストで乗員の頭部を良好に支えることは難しい。
すなわち、車両の後部に相手車両が衝突(後面衝突)した場合に、左右のコイルスプリングを伸ばして乗員の上半身を面状弾性体とともに車体後方に移動させ、頭部をヘッドレストで支えることが考えられる。
このため、乗員の上半身を車体後方に良好に移動させることが難しく、乗員の頭部をヘッドレストで好適に支えることは難しい。
よって、左右一対の第1スプリングで面状弾性体を吊り下げることができ、かつ、左右一対の第1スプリングで面状弾性体を位置決めすることができる。
すなわち、第1スプリングに位置決め機能をもたせることができる。
したがって、後方荷重に対応させて第2スプリングを良好に弾性変形させることができる。
このように、第2スプリングに反力特性の調節機能をもたせることで、第2スプリングのばね力(すなわち、反力特性)を調節(設定)するだけで、第2スプリングのたわみ量(伸び量)を容易に設定できる。
このため、乗員の上部(胸部)に比して下部(腰部)を車体後方に大きく移動させないと、乗員の頭部をヘッドレスト(シートバックの頂部に設けられている)まで移動させることは難しい。
よって、乗員の上半身(具体的には、腰部)を車体後方に良好に所定量移動させる(十分に移動させる)ことができる。
これにより、上半身とともに頭部をヘッドレストまで良好に移動させてヘッドレストで頭部を好適に支えることができる。
このように、左右の第2スプリングの向き(反力方向)を調節することで、左右の第2スプリングのばね力(すなわち、反力特性)を一層良好に調節して、第2スプリングのたわみ量を一層容易に設定できる。
よって、左右一対の第2スプリングが伸張した際に、左右一対の第2スプリングが左右一対の側部フレームの後壁部に干渉することを防止できる。
これにより、面状弾性体が後方へ移動することを左右一対の側部フレームの後壁部で妨げないようにでき、面状弾性体の後方への移動量(沈込み量、変位量)を良好に確保することができる。
図1、図2に示すように、シートバック装置10は、シートフレーム12の後端部に支持されたシートバックフレームユニット14と、シートバックフレームユニット14に設けられたヘッドレスト15とを備えている。
シートバックフレームユニット14は、乗員の上半身を凭れさせるシートバックの骨格などを構成するユニットである。
また、左側部フレーム25の上半部25aは、前壁部31、後壁部32および側壁部33で幅方向の内方に向けて開口した断面略コ字状に形成されている(図5も参照)。
そして、前壁部31の下部31aに前連結孔37が形成されている。この前連結孔37には、左第2スプリング84の前フック(前端)84bが連結されている。
この連結フレーム27は、左側部フレーム25の上半部25aに左脚パイプ41が設けられ、右側部フレーム26の上半部26aに右脚パイプ42が設けられている。
左脚パイプ41に左連結ブラケット46が設けられ、左連結ブラケット46に左外連結孔51が形成されている。
左外連結孔51には左第1スプリング81の外フック81bが連結されている。
右脚パイプ42に右連結ブラケット47が設けられている。
右連結ブラケット47は、左連結ブラケット46と左右対称のブラケットであり、右外連結孔52(図5参照)が形成されている。
連結孔52には右第1スプリング82の外フック82b(図5参照)が連結されている。
一対の支持ブラケット54にヘッドレスト15の脚部55が設けられている。
面状弾性体22は、左右一対の側部フレーム25,26間にスプリングユニット23で弾性支持され、シートバック13のクッション材17(図7参照)を支持する部材である。
この面状弾性体22は、略矩形状に形成された面状プレート61と、面状プレート61の裏面61a上部に設けられた上連結ワイヤ62と、面状プレート61の裏面61a下部に設けられた下連結ワイヤ63とを備えている。
これにより、上連結ワイヤ62が面状プレート61の裏面61aに取り付けられている。
ここで、左内連結部62aは、面状弾性体22の左側上部を構成する部位である。また、右内連結部62bは、面状弾性体22の右側上部を構成する部位である。
すなわち、左内連結部62aに左第1スプリング81の内フック81aが連結されている。
すなわち、右内連結部62bに右第1スプリング82の内フック82aが連結されている。
これにより、下連結ワイヤ63が面状プレート61の裏面61aに取り付けられている。
左延出部76の左内連結部76aは、左延出部76の先端部が折り曲げられて連結孔が形成されている。左内連結部76aの連結孔は、左第2スプリング84の後フック(後端)84aが連結される孔である。
すなわち、左延出部76の左内連結部76aに左第2スプリング84の後フック84aが連結されている。
右延出部77の右内連結部77aは、右延出部77の先端部が折り曲げられて連結孔が形成されている。右内連結部77aの連結孔は、右第2スプリング85の後フック(後端)85aが連結される孔である。
すなわち、右延出部77の右内連結部77aに右第2スプリング85の後フック85aが連結されている。
ここで、左右の延出部76,77の面状プレート61からの突出量は、上連結ワイヤ62(図5参照)の面状プレート61からの突出量よりも大きい。
ここで、左内連結部62aは、面状プレート61の左側上部61bから僅かに突出され、面状弾性体22の左側上部を構成する部位である。
よって、面状弾性体22の左側上部(すなわち、左内連結部62a)が左側部フレーム25に左第1スプリング81で連結されている。
この状態で、左第1スプリング81は、軸線91が略車体幅方向に向けて設けられている。
よって、車体後方に向けた荷重F(以下、「後方荷重」という)は、左第1スプリング81の軸線91方向に交差(略直交)して作用する。
ここで、右内連結部62bは、面状プレート61の右側上部61cから僅かに突出され、面状弾性体22の右側上部を構成する部位である。
よって、面状弾性体22の右側上部(すなわち、右内連結部62b)が右側部フレーム26に右第1スプリング82で連結されている。
この状態で、右第1スプリング82は、軸線92が略車体幅方向に向けて設けられている。
よって、後方荷重Fは、右第1スプリング82の軸線92方向に交差(略直交)して作用する。
よって、図1、図2に示すように、左右一対の第1スプリング81,82で面状弾性体22を吊り下げることができ、かつ、左右一対の第1スプリング81,82で面状弾性体22を位置決めすることができる。
すなわち、左右一対の第1スプリング81,82は位置決め機能を備えている。
すなわち、左第2スプリング84で、面状弾性体22の左側下部(すなわち、左内連結部76a)が左側部フレーム25に連結されている。
この状態で、左第2スプリング84は、軸線93が車体前後方向に対して傾斜角θで斜めに向けて設けられている。
左第2スプリング84の軸線93を車体前後方向に対して斜めに設けることで、面状弾性体22の左側下部(すなわち、左内連結部76a)を左第1スプリング81に比してシートバックフレーム21の車体前方に向けて引張ることができる。
すなわち、右第2スプリング85で、面状弾性体22の右側下部(すなわち、右内連結部77a)が右側部フレーム26に連結されている。
この状態で、右第2スプリング85は、軸線94が車体前後方向に対して傾斜角θで斜めに向けて設けられている。
右第2スプリング85を車体前後方向に対して斜めに設けることで、面状弾性体22の右側下部61eを右第1スプリング82に比してシートバックフレーム21の車体前方に向けて引張ることができる。
そして、面状弾性体22の左右側の下部(左右の内連結部76a,77a)を左右一対の第2スプリング84,85でシートバックフレーム21の前方側(車体前方側)に引張るようにした。
よって、左右一対の第2スプリング84,85を略車体前後方向に向けた状態に配置できる。
すなわち、後方荷重Fを左第2スプリング84の軸線93方向に近づけて作用させるとともに、後方荷重Fを右第2スプリング85の軸線94方向に近づけて作用させることができる。
すなわち、左右一対の第2スプリング84,85に反力特性の調節機能を備えることができる。
同様に、右第2スプリング85の後フック85aを、右側部フレーム26の後壁部32よりも幅方向内側の位置P2で面状弾性体22にそれぞれ連結した。
これにより、面状弾性体22が車体後方へ移動することを左右一対の側部フレーム25,26の後壁部32で妨げないようにでき、面状弾性体22の後方への移動量(沈込み量、変位量)を良好に確保することができる。
このように、左右一対の第2スプリング84,85の向き(反力方向)を調節することで、左右一対の第2スプリング84,85のばね力(すなわち、反力特性)を一層良好に調節して、左右一対の第2スプリング84,85のたわみ量(伸び量)をさらに容易に設定できる。
図7に示すように、車両の後部に相手車両が衝突(後面衝突)した場合に、乗員97の上半身98がシートバック13に相対的に押し込まれる。
よって、シートバック13の面状弾性体22に車体後方に向けた後方荷重Fが作用する。
ここで、左第2スプリング84の軸線93に対して後方荷重Fが傾斜角θで作用する。
よって、後方荷重Fを左第2スプリング84の軸線93方向に近づけて作用させることができる。
これにより、左第2スプリング84を良好に伸ばして、面状弾性体22の下部22aを車体後方に変位量S2と大きく変位させることができる。
ここで、左第1スプリング81は軸線91が車体幅方向に向けて設けられている。
よって、後方荷重Fは、左第1スプリング81の軸線91方向に交差(略直交)して作用する。
これにより、左第1スプリング81の伸び量を小さく抑えることで、面状弾性体22の上部22bを車体後方に変位量S1だけ小さく変位させる。
このため、乗員97の下部(腰部)98aを上部(胸部)98bに比して車体後方に大きく移動させないと、乗員97の頭部99をヘッドレスト15まで良好に移動させることは難しい。
これにより、乗員97の上半身98を通常の運転姿勢の状態を保ちながら車体後方に良好に移動させるとともに、乗員97の頭部99をヘッドレスト15まで良好に移動させてヘッドレスト15で頭部99を好適に支えることができる。
例えば、前記実施例では、下連結ワイヤ63の左右の延出部76,77を面状プレート61の左右側の下部61d,61eから延出し、左右の延出部76,77の内連結部76a,77aを面状弾性体22の左右側の下部とした例について説明したが、これに限定するものではない。
例えば、面状プレート61の左右側の下部61d,61eを左右側にそれぞれ延出させ、延出した部位を面状弾性体22の左右側の下部とすることも可能である。
例えば、面状プレート61の左右側の上部61b,61cを左右側にそれぞれ突出させ、突出した部位を面状弾性体22の左右側の上部とすることも可能である。
例えば、左右一対の側部フレーム25,26に左右一対の第1スプリング81,82を直接連結することも可能である。
Claims (2)
- シートバックフレームに左右一対の側部フレームを備え、前記左右一対の側部フレーム間に面状弾性体を弾性支持するシートバック装置において、
前記左側部フレームに前記面状弾性体の左側上部を連結し、その軸線を略幅方向に向けた左第1スプリングと、
前記右側部フレームに前記面状弾性体の右側上部を連結し、その軸線を略幅方向に向けた右第1スプリングと、
前記左側部フレームに前記面状弾性体の左側下部を連結し、前記左第1スプリングに比してその軸線を前記シートバックフレームの前方側に向けるとともに前記左側下部を前方側に引張る左第2スプリングと、
前記右側部フレームに前記面状弾性体の右側下部を連結し、前記右第1スプリングに比してその軸線を前記シートバックフレームの前方側に向けるとともに前記右側下部を前方側に引張る右第2スプリングと、
を備え、
前記面状弾性体の左側下部から左側部フレーム側に延出され、前記左第2スプリングで左側部フレームに連結された左延出部と、
前記面状弾性体の右側下部から右側部フレーム側に延出され、前記右第2スプリングで右側部フレームに連結された右延出部と、を備えたことを特徴とするシートバック装置。 - 前記左右一対の側部フレームは、前壁部と後壁部と該前壁部および該後壁部の各外側端部同士を連結する側壁部とで幅方向の内方に向けて開口した断面形状が形成され、
前記左右一対の側部フレームの前記前壁部に前記左右一対の第2スプリングの前端がそれぞれ連結され、
前記左右一対の側部フレームの前記後壁部よりも幅方向内側の位置で、前記面状弾性体に前記左右一対の第2スプリングの後端がそれぞれ連結されたことを特徴とする請求項1記載のシートバック装置。
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