JP2019155735A - 熱転写シートロール体、受像シートロール体及び熱転写印画装置 - Google Patents

熱転写シートロール体、受像シートロール体及び熱転写印画装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱転写印画装置で熱転写シート又は受像シートの品種を高精度に識別することができる熱転写シート又は受像シート及び熱転写印画装置を提供する。【解決手段】熱転写シート1は、基材フィルムと、基材フィルム上に設けられた染料層とを備える。熱転写シートは、長手方向の一端側が第1軸芯7に接合され、他端側が第2軸芯6に接合され、熱転写シートロール体は、第1軸芯に熱転写シートを巻き付けたものである。熱転写シートには、コード情報BC1が印字された部材2が長手方向の一端部又は他端部に設けられ、部材のコード情報印字部分の少なくとも一部が、熱転写シートの長側辺から張り出している。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シートロール体、受像シートロール体及び熱転写印画装置に関する。
熱転写印画装置にあっては、昇華転写用染料を記録材とし、これをポリエステルフィルム等の基材上に適当なバインダーで担持させた染料層を有する熱転写シート(昇華型熱転写シート)から、昇華染料で染着可能な被転写材、例えば、紙やプラスチックフィルム等に染料受容層を形成した受像シート上に昇華染料を熱転写し、各種のフルカラー画像を形成する。
近年、熱転写記録技術の進歩により、熱転写シートは、その種類が多岐にわたるようになっており、これらの多種類の熱転写シートを一機種の熱転写印画装置で使用する場合が増えている。所望の印画性能や耐久性を得るために、熱転写シートの品種を識別し、品種に応じて熱転写シートの加熱エネルギーを制御する必要がある。
特許文献1には、カセットケース内に熱転写シートを収容し、カセットケース外面に熱転写シートの記録可能画面数に関する情報を示すバーコードラベルを貼り付ける構成が開示されている。しかし、カセットケースと、収容する熱転写シートとを合致させるために、カセットケース及び熱転写シートの両方に識別マークを設け、照合した上でカセットケースに熱転写シートを収容する必要があった。
特許文献2には、熱転写シートを巻き付けた巻芯の端面のIDタグホルダに、熱転写シートに関する固有情報を記憶したIDタグを埋設する構成が開示されている。特許文献3には、巻芯の端部にアダプタを取り付け、アダプタの外周面にバーコードやIDタグを取り付ける構成が開示されている。しかし、IDタグホルダやアダプタ等の部品を準備し、巻芯に組み付ける作業が必要であった。また、IDタグは高価であり、コストがかかっていた。
特許文献4には、熱転写シートをボビンに巻き付け、熱転写シートによって被覆されていないボビン表面の露出箇所に、2次元コードを直接印刷形成するか、又は2次元コードを印刷した基材を接着剤で貼り付ける構成が開示されている。しかし、曲率のあるボビン表面に2次元コードを印刷したり、基材を貼り付けたりすることは困難であった。また、ボビン表面に2次元コードを直接印刷した場合、ボビンを再利用できなかった。ボビン表面に基材を貼り付けた場合、ボビンを再利用するために、基材を剥がす手間がかかっていた。基材を容易に剥がせるように接着力を小さくすると、外力や経時でボビンから基材が剥離・落下することがあった。
特許文献5には、熱転写シートのリーダフィルムに、製造情報を記録したバーコードを設ける構成が開示されている。しかし、リーダフィルムにバーコードを設けているため、熱転写シートの使用途中では、巻取側ロールに巻き取られた熱転写シートによってバーコードが覆われて、情報を読み取ることができなかった。
特許文献1〜5に記載されている通り、熱転写シートの情報を熱転写シート側から検出する様々な手法が提案されているが、受像シートに品種等の各種情報を付与することについては十分な検討、実用化が進んでいなかった。例えば、カセットや巻芯の無い受像紙ロールには、特許文献2〜4の手法は適用できない。また、受像シートには巻取軸が無いため、リーダフィルムは使用されず、特許文献5の手法も適用できない。
実開昭63−68453号公報 特開2005−199582号公報 米国特許第7594771号明細書 特許第6040668号公報 特開平9−290551号公報
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであり、熱転写印画装置で品種を高精度に識別可能な熱転写シートロール体及び受像シートロール体を提供することを課題とする。また、本発明は、装填された熱転写シート又は受像シートを識別して印画処理を行う熱転写印画装置を提供することを課題とする。
本発明の熱転写シートロール体は、基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた染料層とを備える熱転写シートの長手方向の一端側を第1軸芯に接合し、他端側を第2軸芯に接合し、前記第1軸芯に前記熱転写シートを巻き付けた熱転写シートロール体であって、コード情報が印字された部材が前記熱転写シートの前記長手方向の一端部又は他端部に設けられ、前記部材のコード情報印字部分の少なくとも一部が、前記熱転写シートの長側辺から張り出しているものである。
本発明の一態様では、前記部材は前記長手方向の前記一端部に設けられ、前記コード情報印字部分の少なくとも一部が前記熱転写シートロール体の端面から張り出している。
本発明の一態様では、前記部材は前記コード情報が印字されたラベルであり、前記ラベルが前記熱転写シートに貼付されている。
本発明の一態様では、前記部材は前記コード情報が印字されたラベルであり、前記熱転写シートの前記一端側と前記第1軸芯とを接合する接合テープに前記ラベルが貼付されている。
本発明の一態様では、前記部材は前記コード情報が印字されたラベルであり、前記熱転写シートの前記一端側と前記第1軸芯とを連結するフィルムが設けられており、前記ラベルは前記フィルムに貼付されている。
本発明の一態様では、前記熱転写シートの前記一端側と前記第1軸芯とを連結するフィルムが設けられており、前記フィルムに前記コード情報が印字されている。
本発明の一態様では、前記コード情報は、前記熱転写シートの品種、及び前記熱転写シート中間加工時の製造情報に対応する情報を含む。
本発明の受像シートロール体は、基材と、前記基材の一方の面側に設けられた受容層とを備える受像シートを巻回した受像シートロール体であって、コード情報が印字されたラベルが前記受像シートの長手方向の一端部に貼付されており、前記ラベルのコード情報印字部分の少なくとも一部が、前記受像シートロール体の端面から張り出しているものである。
本発明の一態様では、前記ラベルは、前記コード情報が前記一方の面側を向くように貼付されている。
本発明の一態様では、前記コード情報は、前記受像シートの品種、及び前記受像シート中間加工時の製造情報に対応する情報を含む。
本発明の熱転写印画装置は、サーマルヘッド及びプラテンロールを有し、本発明の熱転写シートロール体から繰り出された前記熱転写シートと、受像シートとを重ね合わせて、前記サーマルヘッドと前記プラテンロールとの間を搬送させるとともに、前記サーマルヘッドが前記熱転写シートを加熱して染料を転写し、前記受像シートに画像を形成する熱転写印画装置であって、前記熱転写シートロール体に設けられた前記部材からコード情報を読み取るセンサと、前記センサの読み取り結果から前記熱転写シートの品種を識別する識別部と、を備えるものである。
本発明の一態様では、前記識別部が識別した前記熱転写シートの品種に応じた印画条件で印画処理を行う。
本発明の熱転写印画装置は、サーマルヘッド及びプラテンロールを有し、染料層を含む熱転写シートと、本発明の受像シートロール体から繰り出された前記受像シートとを重ね合わせて、前記サーマルヘッドと前記プラテンロールとの間を搬送させるとともに、前記サーマルヘッドが前記熱転写シートを加熱して染料を転写し、前記受像シートに画像を形成する熱転写印画装置であって、前記受像シートロール体に設けられたラベルからコード情報を読み取るセンサと、前記センサの読み取り結果から前記受像シートの品種を識別する識別部と、を備えるものである。
本発明の一態様では、前記識別部が識別した前記受像シートの品種に応じた印画条件で印画処理を行う。
本発明によれば、熱転写印画装置において熱転写シートや受像シートの品種を高精度に識別できる。
(a)は本発明の実施形態に係る熱転写シートの平面図であり、(b)は軸芯に巻き付けられた熱転写シートの平面図である。 (a)は受像シートの平面図であり、(b)は受像シートロールの斜視図である。 同実施形態に係る熱転写印画装置の概略構成図である。 熱転写シートからの情報読み取り例を示す図である。 受像シートからの情報読み取り例を示す図である。 (a)〜(d)は変形例による熱転写シートの平面図である。 (a)〜(e)は変形例による熱転写シートの平面図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1(a)は実施の形態に係る熱転写シート1を引き伸ばした状態の平面図であり、図1(b)は熱転写シート1を供給軸芯7に巻き取った状態の平面図である。この熱転写シート1では、基材フィルムの一方の面上にイエロー染料を含むY層3、マゼンタ染料を含むM層4、及びシアン染料を含むC層5が面順次に設けられている。C層5に続いて保護層が設けられていてもよい。
Y層3、M層4及びC層5は、それぞれグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷などにより基材フィルム上に形成されている。
熱転写シート1の長手方向の先端側は、接合テープ8により巻取軸芯6に接合されている。熱転写シート1の長手方向の後端側は、接合テープ9により供給軸芯7に接合されている。巻取軸芯6及び供給軸芯7の長さは、熱転写シート1の幅(短手方向の長さ)よりも長くなっている。
熱転写シート1の後端の染料層(図1(a)ではC層5が後端になっている)には、バーコードBC1を印字したラベル2が接着剤等により貼付されている。ラベル2は、バーコード印字部分の少なくとも一部が熱転写シート1に重ならないように、すなわち熱転写シート1の端縁(長側辺)1aよりも幅方向の外側に張り出してバーコード印字部分が位置するように貼付される。また、後述するように、熱転写シート1を供給軸芯7に巻き付けた際にバーコードBC1が外向きになるようにラベル2が貼付される。ラベル2の材料は特に限定されず、樹脂フィルムや紙類を使用できる。
バーコードBC1は、熱転写シート1の品種に対応する情報を示す。また、バーコードBC1に、スリット加工、小巻加工ロット等のシート加工途中の製造情報やトレーサビリティ情報を付与してもよい。
熱転写シート1は、供給軸芯7に巻き付けた状態で出荷され、後述する熱転写印画装置に装填される。上述したように、ラベル2のバーコード印字部分は、熱転写シート1の端縁1aよりも外側に位置する。そのため、図1(b)に示すように、熱転写シート1を供給軸芯7にロール状に巻き付けた状態において、ラベル2のバーコード印字部分は熱転写シートロール1Bの端面よりも軸芯方向外側に張り出して位置し、バーコードBC1が見えるようになっている。
熱転写シート1を供給軸芯7に巻き付けると、ラベル2は供給軸芯7の外周面に沿って延在する。熱転写シート1の長手方向のラベル2の長さL1(図1(a)参照)を、供給軸芯7の外周長以下とし、熱転写シート1を供給軸芯7に巻き付けた際にラベル2の両端が重ならないようにすることが好ましい。
また、ラベル2の熱転写シート1の端縁1aから外側に張り出す長さL2は、端縁1aと供給軸芯7の端部との間隔Sよりも短くすることが好ましい。これにより、熱転写シート1を供給軸芯7に巻き付けた状態において、ラベル2が供給軸芯7の端部よりも内側に位置するため、輸送時等におけるラベル2の折れ曲がりを防止できると共に、熱転写印画装置に熱転写シート1を容易に装填できる。ラベル2のうち、熱転写シート1の端縁1aから外側に張り出している部分には接着剤等が付されていないため、ラベル2を熱転写シート1と共に、供給軸芯7から容易に分離できる。
図2(a)は実施の形態に係る受像シート10の平面図であり、図2(b)は受像シート10を巻き取った受像シートロール14の斜視図である。図2(b)は巻芯の無い状態で受像シート10を巻き取った受像シートロール14の例を示しているが、巻芯があってもよい。
受像シート10は、基材と、基材の表面(一方の面)側に設けられた受容層とを備える。受像シート10の長手方向の後端側(受像シート10を巻き取る際の巻き始め側)には、バーコードBC2を印字したラベル12が接着剤等により貼付されている。
ラベル12は、バーコード印字部分の少なくとも一部が受像シート10に重ならないように、すなわち受像シート10の端縁(長側辺)10aよりも幅方向の外側にバーコード印字部分が張り出して位置するように貼付される。また、バーコードBC2が受像シート10の表面側を向くようにラベル2が貼付される。これにより、受像シート10を巻き取った際にバーコードBC2が外向きになる。ラベル12の材料は特に限定されず、樹脂フィルムや紙類が使用できる。
バーコードBC2は、受像シート10の品種に対応する情報を示す。また、バーコードBC2に、スリット加工、小巻加工ロット等のシート加工途中の製造情報やトレーサビリティ情報を付与してもよい。
受像シート10は、図2(b)に示すようなロール状態で出荷され、後述する熱転写印画装置に装填される。上述したように、ラベル12のバーコード印字部分は、受像シート10の端縁10aよりも外側に位置する。そのため、図2(b)に示すように、ラベル12のバーコード印字部分が受像シートロール14の端面よりも巻芯方向外側に張り出して位置し、バーコードBC2が見えるようになっている。
受像シート10を巻き取ると、ラベル12は、受像シート10の巻回体である受像シートロール14の中心孔15の外周に沿って延在する。受像シート10の長手方向のラベル12の長さL3(図2(a)参照)を、中心孔15の外周長以下とし、受像シート10を巻き取った際にラベル12の両端が重ならないようにすることが好ましい。なお、ラベル12をバーコードBC2が受像シート10の裏面側を向くように貼付する場合は、後述するセンサ122でバーコードBC2を読み取り易くするように、ラベル12の長さL3を、中心孔15の外周長の1/2以下にすることが好ましい。
受像シート10の短手方向におけるラベル12の長さL4を、受像シート10の幅(短手方向の長さ)dよりも長くする、より詳細には、ラベル12の長さL4を、受像シート10の幅dと、ラベル12のバーコード印字部分の長さL5との合計以上とすることが好ましい。これにより、ラベル12の端縁12a、12bが受像シート10に重ならなくなり、受像シート10に端縁12bによる圧痕が形成されることを防止できる。ラベル12のうち、受像シート10の端縁10aから外側に張り出している部分には接着剤等が付されていないため、後述する巻取部品124への装/脱着を容易に行える。
端面からラベル12の一部が張り出した受像シートロール14は、樹脂カバー等で覆ってラベル12が折れ曲がらないようにして輸送することが好ましい。
図3は、本発明の実施の形態に係る熱転写印画装置の概略構成図である。熱転写印画装置は、熱転写シート1を用いて、受像シート10上にイエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料を昇華転写させて画像を印画するサーマルヘッド101を備えている。
サーマルヘッド101の下流側の供給部103に、熱転写シート1を巻き付けた供給軸芯7が取り付けられる。サーマルヘッド101の上流側の回収部104に巻取軸芯6が取り付けられる。供給部103から繰り出された熱転写シート1は、サーマルヘッド101を通って、回収部104に回収され、巻取軸芯6に巻き取られる。
図3、図4に示すように、供給部103には、ラベル2のバーコードBC1を読み取るセンサ120が設けられている。ラベル2のバーコード印字部分は熱転写シートロール1Bの端面よりも外側に位置しているため、センサ120は熱転写シート1の使用開始前、使用途中、使用後等、いつでもバーコードBC1を読み取ることができる。
サーマルヘッド101の下方側には回転自在なプラテンロール102が設けられている。サーマルヘッド101及びプラテンロール102を含む印画部140は、受像シート10及び熱転写シート1を挟み込み、熱転写シート1を加熱して受像シート10上に染料を熱転写することで画像を形成する。
サーマルヘッド101の上流側には、受像シート10の搬送を行うための回転駆動自在なキャプスタンローラ109aと、キャプスタンローラ109aに受像シート10を圧着させるためのピンチローラ109bが設けられている。
図5に示すように、受像シートロール14の中心孔15に巻軸部品124を嵌入して受像シートロール14が装填される。駆動部126が巻軸部品124を回転(正転/逆転)させると、受像シートロール14が回転し、受像シート10の繰り出し(前方側への搬送)や巻取り(後方側への搬送)が行われる。端面からラベル12の一部が張り出した受像シートロール14に巻取部材124を挿入する際に、ラベル12が折れ曲がらないように、巻取部材124先端にテーパを設けたり、駆動部126とラベル12との接触防止のために受像シートロール14の規制ガイドを設けたりすることが望ましい。
駆動部126内、又は駆動部126の近傍に、ラベル12のバーコードBC2を読み取るセンサ122が設けられている。ラベル12のバーコード印字部分は受像シートロール14の端面よりも外側に位置しているため、センサ122は受像シート10の使用開始前、使用途中、使用後等、いつでもバーコードBC2を読み取ることができる。
印画部140で画像形成された受像シート10は、下流側でカッター108によりプリント枚葉Pとして切り出される。プリント枚葉Pは、図示を省略する排出口から排出される。
制御装置110は、熱転写印画装置の各部の駆動を制御し、熱転写シート1及び受像シート10の識別処理や、印画処理を行う。制御装置110は、CPU(中央演算処理装置)や、フラッシュメモリ、ROM(Read−only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる記憶部112を有したコンピュータである。記憶部112は、制御プログラム及びテーブルTを格納する。CPUが制御プログラムを実行することで、識別部111での熱転写シート1及び受像シート10の品種識別が実現される。
テーブルTには、バーコードBC1から読み取られる情報と、熱転写シート1の品種とが対応付けて記録されている。また、テーブルTには、バーコードBC2から読み取られる情報と、受像シート10の品種とが対応付けて記録されている。テーブルTに、熱転写シート1や受像シート10の品種毎に好適な印画条件(印画速度、印画時の印加エネルギー)や、熱転写シート1と受像シート10との組み合わせを記録してもよい。
識別部111は、テーブルTを参照し、センサ120の読み取り結果から、熱転写印画装置に装填されている熱転写シート1の品種を識別する。また、識別部111は、テーブルTを参照し、センサ122の読み取り結果から、熱転写印画装置に装填されている受像シート1の品種を識別する。また、識別部111は、バーコードBC1,BC2に付与されている製造情報等を検出できる。
制御装置110は、識別した熱転写シート1及び/又は受像シート10の品種に応じた印画条件に基づいて、印画処理を制御する。また、制御装置110は、熱転写印画装置に装填されている熱転写シート1の品種と受像シート10の品種とが対応するものでない場合、警告音や警告表示を出力したり、印画処理を中止したりしてもよい。
このように、熱転写シート1に貼付したラベル2のバーコードBC1を読み取り、熱転写シート1の品種を精度良く識別できる。また、受像シート10に貼付したラベル12のバーコードBC2を読み取り、受像シート10の品種を精度良く識別できる。
ラベル2,12のバーコード印字部分は、ロール1B,14の端面よりも外側に位置しているため、情報を常時検出できる。
熱転写シート1、受像シート10の各層の印刷後にラベル2,12を貼付すればよいため、シート加工途中の製造情報をバーコードBC1,BC2に付与できる。
ラベル2,12は熱転写シート1、受像シート10の巻き付けによりシート間に挟み込まれているため、外力や経時によるラベル2,12の剥離・落下を防止できる。
ラベル2は熱転写シート1の後端に貼付しているため、供給軸芯7からの剥がし作業が不要であり、供給軸芯7の再利用が容易となる。
上記実施形態では、熱転写シート1の後端部にラベル2を貼付する構成について説明したが、図6(a)に示すように、熱転写シート1の後端側を幅広の接合テープ9Aで供給軸芯7に接合し、この接合テープ9Aにラベル2を貼付してもよい。ラベル2は接合テープ9Aと熱転写シート1との間に位置してもよい。
図6(b)(c)に示すように、熱転写シート1の後端部と、供給軸芯7とをリーダフィルム20,21を介して接続し、ラベル2をリーダフィルム20,21に貼付してもよい。熱転写シート1の後端部とリーダフィルム20,21とが接合テープ9Bで接合され、リーダフィルム20,21と供給軸芯7とが接合テープ9Cで接合される。
リーダフィルム20は、熱転写シート1の短手方向における長さL6が、熱転写シート1の幅(短手方向の長さ)Dよりも長い。リーダフィルム21は、熱転写シート1の短手方向における長さL7が、熱転写シート1の幅Dと同程度となっている。ラベル2は、バーコード印字部分が熱転写シート1の端縁1aよりも幅方向の外側に位置するように、リーダフィルム20,21に貼付される。
図6(d)に示すように、リーダフィルム20の端部にバーコードBC1を印字してもよい。バーコード印字部分が熱転写シート1の端縁1aよりも幅方向の外側に位置するように、リーダフィルム20と熱転写シート1とを接合する。
図7(a)に示すように、熱転写シート1の先端側にラベル2を貼付してもよい。熱転写シート1の先端側にラベル2を貼付する場合、熱転写印画装置のセンサ120は回収部104側に設けられる。
図7(b)に示すように、熱転写シート1の先端側を幅広の接合テープ8Aで巻取軸芯6に接合し、この接合テープ8Aにラベル2を貼付してもよい。ラベル2は接合テープ8Aと熱転写シート1との間に位置してもよい。
図7(c)(d)に示すように、熱転写シート1の先端部と、巻取軸芯6とをリーダフィルム22,23を介して接続し、ラベル2をリーダフィルム22,23に貼付してもよい。熱転写シート1の先端部とリーダフィルム22,23とが接合テープ8Bで接合され、リーダフィルム22,23と巻取軸芯6とが接合テープ8Cで接合される。
リーダフィルム22は、熱転写シート1の短手方向における長さL8が、熱転写シート1の幅Dよりも長い。リーダフィルム23は、熱転写シート1の短手方向における長さL9が、熱転写シート1の幅Dと同程度となっている。ラベル2は、バーコード印字部分が熱転写シート1の端縁1aよりも幅方向の外側に位置するように、リーダフィルム22,23に貼付される。
図7(e)に示すように、リーダフィルム22の端部にバーコードBC1を印字してもよい。バーコード印字部分が熱転写シート1の端縁1aよりも幅方向の外側に位置するように、リーダフィルム22と熱転写シート1とを接合する。
バーコードは、バーコードシンボル及びバーコードシンボルの両端のクワイエットゾーン(マージン)からなる。上記実施形態では、クワイエットゾーン及びバーコードシンボルの並び方向が、熱転写シート1、受像シート10の長手方向と平行となるようにしていたが、平行でなくてもよい。また、バーコードでなく、2次元コードや文字列など、他のコード情報としてもよい。
次に、熱転写シート1を構成する材料について説明する。
<基材フィルム>
熱転写シート1の基材フィルムとしては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5μm以上50μm以下好ましくは3μm以上10μm以下程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルムの他に、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類や不織布等、又は紙や不織布と樹脂との複合体であってもよい。
<染料層>
染料層は、昇華性染料を含む層として形成する。
染料としては、公知の熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であり、特に限定されない。これらの染料としてはジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン系、アセトフェノンアゾメチン,ピラゾロアゾメチン,イミダゾルアゾメチン,ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン,トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ,チオフェンアゾ,イソチアゾールアゾ,ピロールアゾ,ピラゾールアゾ,イミダゾールアゾ,チアジアゾールアゾ,トリアゾールアゾ,ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等があげられる。
染料層は、基材フィルムの一方の面に、これらの染料及びバインダー樹脂、必要に応じて顔料、導電剤の少なくとも1つを添加して、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、DMF等の適当な有機溶剤に溶解したり、あるいは有機溶剤や水等に分散させたりして、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング印刷法等の手段により塗布および乾燥することにより形成できる。染料層の厚みは、乾燥後の厚みで0.2μm以上6.0μm以下、好ましくは0.2μm以上3.0μm以下程度である。
<保護層>
保護層には、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂を使用できる。保護層形成用樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物等を例示できる。保護層は、例えばグラビア印刷法により形成される。保護層の厚さは、乾燥後の厚みで0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
次に、受像シート10を構成する材料について説明する。
<基材>
受像シート10の基材としては、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート等の各種のプラスチックのフィルム又はシート等が使用出来、又、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム或いは、上記合成樹脂のベース樹脂と非相溶な樹脂や、充填剤等のボイド作製開始剤として用いて、これらの混合物を延伸、成膜して、微細な空隙を有するプラスチックシート等も使用でき、特に限定されない。
<受容層>
受像シート10の受容層は、色材を染着し易い樹脂を主成分とするワニスに、離型剤とその他必要に応じて、各種添加剤を加えて構成される。染着し易い樹脂は、代表的なものとしては、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、及びその共重合体(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、ポリウレタン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アイオノマー、セルロース誘導体等の単体、又は混合物を用いることができ、これらの中でもポリエステル系樹脂、及びビニル系樹脂が好ましい。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 熱転写シート
2 ラベル
3 Y層(イエロー染料層)
4 M層(マゼンタ染料層)
5 C層(シアン染料層)
6 巻取軸芯
7 供給軸芯
8,9 接合テープ
10 受像シート
12 ラベル
14 受像シートロール
15 中心孔
101 サーマルヘッド
102 プラテンロール
103 供給部
104 回収部
110 制御装置
111 識別部
112 記憶部
120,122 センサ
140 印画部

Claims (14)

  1. 基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた染料層とを備える熱転写シートの長手方向の一端側を第1軸芯に接合し、他端側を第2軸芯に接合し、前記第1軸芯に前記熱転写シートを巻き付けた熱転写シートロール体であって、
    コード情報が印字された部材が前記熱転写シートの前記長手方向の一端部又は他端部に設けられ、
    前記部材のコード情報印字部分の少なくとも一部が、前記熱転写シートの長側辺から張り出していることを特徴とする熱転写シートロール体。
  2. 前記部材は前記長手方向の前記一端部に設けられ、前記コード情報印字部分の少なくとも一部が前記熱転写シートロール体の端面から張り出していることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シートロール体。
  3. 前記部材は前記コード情報が印字されたラベルであり、
    前記ラベルが前記熱転写シートに貼付されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シートロール体。
  4. 前記部材は前記コード情報が印字されたラベルであり、
    前記熱転写シートの前記一端側と前記第1軸芯とを接合する接合テープに前記ラベルが貼付されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シートロール体。
  5. 前記部材は前記コード情報が印字されたラベルであり、
    前記熱転写シートの前記一端側と前記第1軸芯とを連結するフィルムが設けられており、
    前記ラベルは前記フィルムに貼付されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シートロール体。
  6. 前記熱転写シートの前記一端側と前記第1軸芯とを連結するフィルムが設けられており、
    前記フィルムに前記コード情報が印字されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シートロール体。
  7. 前記コード情報は、前記熱転写シートの品種、及び前記熱転写シート中間加工時の製造情報に対応する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱転写シートロール体。
  8. 基材と、前記基材の一方の面側に設けられた受容層とを備える受像シートを巻回した受像シートロール体であって、
    コード情報が印字されたラベルが前記受像シートの長手方向の一端部に貼付されており、
    前記ラベルのコード情報印字部分の少なくとも一部が、前記受像シートロール体の端面から張り出していることを特徴とする受像シートロール体。
  9. 前記ラベルは、前記コード情報が前記一方の面側を向くように貼付されていることを特徴とする請求項8に記載の受像シートロール体。
  10. 前記コード情報は、前記受像シートの品種、及び前記受像シート中間加工時の製造情報に対応する情報を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の受像シートロール体。
  11. サーマルヘッド及びプラテンロールを有し、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の熱転写シートロール体から繰り出された前記熱転写シートと、受像シートとを重ね合わせて、前記サーマルヘッドと前記プラテンロールとの間を搬送させるとともに、前記サーマルヘッドが前記熱転写シートを加熱して染料を転写し、前記受像シートに画像を形成する熱転写印画装置であって、
    前記熱転写シートロール体に設けられた前記部材からコード情報を読み取るセンサと、
    前記センサの読み取り結果から前記熱転写シートの品種を識別する識別部と、
    を備える熱転写印画装置。
  12. 前記識別部が識別した前記熱転写シートの品種に応じた印画条件で印画処理を行うことを特徴とする請求項11に記載の熱転写印画装置。
  13. サーマルヘッド及びプラテンロールを有し、染料層を含む熱転写シートと、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の受像シートロール体から繰り出された前記受像シートとを重ね合わせて、前記サーマルヘッドと前記プラテンロールとの間を搬送させるとともに、前記サーマルヘッドが前記熱転写シートを加熱して染料を転写し、前記受像シートに画像を形成する熱転写印画装置であって、
    前記受像シートロール体に設けられた前記ラベルからコード情報を読み取るセンサと、
    前記センサの読み取り結果から前記受像シートの品種を識別する識別部と、
    を備える熱転写印画装置。
  14. 前記識別部が識別した前記受像シートの品種に応じた印画条件で印画処理を行うことを特徴とする請求項13に記載の熱転写印画装置。
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