JP3800814B2 - テープカセット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープ印字装置に使用されるテープカセットに関し、特に、テープを巻回されるテープスプールの横断面を略C字型になるように第1の切欠き溝を形成すると共に、テープスプールが回転可能に取り付けられるカセットボスも横断面を略C字型になるように第2の切欠き溝を形成し、その底部に前記テープスプールが挿通可能なC形貫通孔を形成することにより、第1及び第2の切欠き溝を介して前記テープのエンドテープを切断して、テープカセットを分解することなく前記C形貫通孔から前記テープスプールを取り除くことが可能となると共に、このテープスプールの再利用が可能なテープカセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、長尺状の印字媒体である被印字テープに文字等のキャラクタを印字するテープ印字装置においては、被印字テープと被印字テープに印字を施すためのインクリボンとを、所定形状のカセットケースに収納したテープカセットを印字機構に装着し、テープカセットから供給される被印字テープとインクリボンとを重ね合わせた状態でサーマルヘッドを介して文字等の印字を行って文字付テープを作成するように構成されている。
【0003】
かかるテープカセットに収納される被印字テープとしては、所定幅に形成された透明フィルムテープ、フィルムテープの片面に粘着剤を介して離形紙を付着したテープ、及び、自己発色性を有する感熱テープ(いわゆる、サーマルペーパー)等が存在し、これらのいずれのテープもテープスプールに巻回された状態でカセットケース内に収納されている。
【0004】
そして、前記のような被印字テープ上に文字等の印字が行われていくと、被印字テープは順次テープスプールから引き出されて、最後にテープスプールからエンドテープが引き出される。そして、エンドテープが引き出されるとこの使用済みテープカセットを簡単にテープ印字装置から取り外して、新しいカセットテープを迅速にセットすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、使用済みテープカセットを回収して材料別に分別して材料をリサイクルする場合に、カセットケース本体等の材質と異なる材質のテープスプールを使用している際には、テープカセットを分解してテープスプールを取り出すことが必要となり、処理工程が煩雑になるという問題がある。また、被印字テープ等をカセットケースに取り付け後、バックテンションを付加する必要がない場合にテープスプールを取り除こうとしても、取り除く際にこのテープスプールにエンドテープが付いてきて、テープ全体が中心部からばらけてしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、テープを巻回されるテープスプールの横断面を略C字型になるように第1の切欠き溝を形成すると共に、テープスプールが回転可能に取り付けられるカセットボスも横断面を略C字型になるように第2の切欠き溝を形成し、その底部に前記テープスプールが挿通可能なC形貫通孔を形成することにより、第1及び第2の切欠き溝を介して前記テープのエンドテープを切断して、テープカセットを分解することなく前記C形貫通孔から前記テープスプールを取り除くことが可能となると共に、このテープスプールの再利用が可能なテープカセットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係るテープカセットは、テープ印字装置に使用されるテープカセットであって、前記テープカセット内にテープを巻回されたテープスプールと、前記テープスプールが回転可能に取り付けられるカセットボスとを備えたテープカセットにおいて、前記テープスプールは、略C形横断面形状であって、軸方向全長に第1の切欠き溝を有し、前記テープカセットは、前記テープスプールを挿通可能な貫通孔と、前記カセットボスを前記貫通孔内にほぼ垂直に支持する接合部とを有し、前記カセットボスは、略C形横断面形状であって、軸方向全長に第2の切欠き溝を有し、前記接合部の幅寸法は、前記第1の切欠き溝の幅寸法よりも狭いことを特徴とする。
【0008】
このような特徴を有する請求項1に係るテープカセットによれば、テープを巻回されるテープスプールは、横断面を略C字型になるように第1の切欠き溝を形成されている。そして、テープスプールが回転可能に取り付けられるカセットボスも横断面を略C字型になるように第2の切欠き溝が形成され、このカセットボスが、前記テープスプールが挿通可能な貫通孔内に接合部を介してほぼ垂直に支持されている。また、この接合部の幅寸法は、前記第1の切欠き溝の幅寸法よりも狭く形成されている。
これにより、第1及び第2の切欠き溝を介して前記テープのエンドテープを切断して、テープカセットを分解することなく前記C形貫通孔から前記テープスプールを取り除くことが可能となると共に、このテープスプールの再利用が可能となる。
【0009】
また、請求項2に係るテープカセットは、請求項1に記載のテープカセットにおいて、テープを巻回されたテープスプールを前記カセットボスに取り付け後、前記第1の切欠き溝を第2の切欠き溝に対向させて、前記テープのエンドテープが内側から切断されることを特徴とする。
【0010】
このような特徴を有する請求項2に係るテープカセットによれば、請求項1に記載のテープカセットにおいて、テープを巻回されたテープスプールを前記カセットボスに取り付け後、前記第1の切欠き溝を第2の切欠き溝に対向させて、前記テープのエンドテープが内側から切断されるため、被印字テープ等をカセットケースに取り付け後、バックテンションを付加する必要がない場合には、テープ全体をばらけさせずにテープスプールを取り除くことが可能となると共に、テープスプールの再利用が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るテープカセットについて具体化した実施形態に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るテープカセットの概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施形態に係るテープカセットのカバーを外した場合の平面図である。
図1に示すように、テープカセット1は透明テープ等からなる被印字テープ2、この被印字テープ2に印字を施すためのインクリボン9、更には、印字がなされた被印字テープ2に裏貼りされる両面粘着テープ12を各々、テープスプール3、リール8、テープスプール13に巻回して収納したものであり、更に、使用済みのインクリボン9を巻き取るインクリボン巻取リール10を備えている。
【0012】
そして、前記リール8に巻回され、このリール8から引き出された未使用インクリボン9は、被印字テープ2と重ね合わされ、被印字テープ2と共に開口部18に入り、不図示の記録ヘッド及びプラテン間を通過する。その後、インクリボン9は、被印字テープ2から引き離され、不図示のステップモータにより駆動されるインクリボン巻取リール9に至り、このインクリボン巻取リール9により巻き取られる。
【0013】
また、前記両面粘着テープ12は、片面に剥離紙を重ね合わされた状態で、剥離紙を外側にしてテープスプール13に巻回されて収納されている。そして、このテープスプール13から引き出された両面粘着テープ12は、テープ駆動ローラ19と不図示のテープ貼り合わせローラとの間を通過し、剥離紙が重ね合わされない側の粘着面が幅狭の被印字テープ2に貼着される。
【0014】
これにより、前記テープスプール3に巻回され、このテープスプール3から引き出された被印字テープ2は、終端検出用センサの一対の挿入部21、ガイドピン22等を経由して、テープカセット1の開口部18を通過する。その後、両面粘着テープ12が貼り合わされる被印字テープ2は、テープカセット1の片側下方部に回転自在に設けられ、不図示のステップモータの駆動を受けて回転するテープ駆動ローラ19と、このテープ駆動ローラ19に対向配置される不図示のテープ貼り合わせローラとの間を通過して、テープカセット1の外部に送出される。この場合、両面粘着テープ12は、被印字テープ2に対してテープ駆動ローラ19及びテープ貼り合わせローラによって圧接される。
【0015】
また、各テープスプール3、13は、各々にテープスプール切欠き溝3A、13Aが全長に渡って設けられ、横断面が略C字形になるように形成されている。また、各テープスプール3、13が回転可能に取り付けられる各カセットボス4、14は、各々にボス切欠き溝4A、14Aが全長に渡って設けられ、横断面が略C字形になるように形成されている。そして、各カセットボス4、14は、各テープスプール3、13の外径よりも少し大きい各貫通孔5、15内のほぼ中央位置に各接合部6、16を介して支持されている。これにより、後述するように各テープスプール3、13は、各貫通孔5、15内に位置するように取り付けられる。
【0016】
次に、テープスプール3、テープスプール3が回転可能に取り付けられるカセットボス4、貫通孔5、及び該貫通孔5内にカセットボス4を支持する接合部6の構成について図2に基づいて説明する。図2は本実施形態に係るテープスプール3と該テープスプール3が回転可能に取り付けられるカセットボス4等の要部拡大斜視図である。
図2に示すように、先ず、テープスプール3は、全長L2に渡る幅寸法L1のテープスプール切欠き溝3Aが形成され、外径D1、内径D2の略C字形断面形状を有する筒状に形成されている。
また、カセットボス4の全長は、テープスプール3の全長L2とほぼ等しく、その全長に渡る幅寸法L3のボス切欠き溝4Aが形成され、外径D3、内径D4の略C字形断面形状を有する筒状に形成されている。そして、このカセットボス4は、テープカセット1の底面に形成される内径D5の貫通孔5内に、幅寸法L4の接合部6を介してほぼ垂直に立設されている。
そして、テープスプール3は、カセットボス4に回転可能に取り付けられるため、D2>D3に形成されている。また、テープスプール切欠き溝3Aの幅寸法L1は、接合部6の幅寸法L4よりも大きく形成されている。即ち、L1>L4である。また、テープスプール3の外径D1は、貫通孔5の内径D5よりも小さく形成されている。即ち、D5>D1である。また、後述するように、テープスプール切欠き溝3Aの幅寸法L1及びボス切欠き溝4Aの幅寸法L3は、カッター25の厚さ寸法よりも大きく形成されている(図3参照)。
【0017】
尚、図示は省略するが、テープスプール13、テープスプール13が回転可能に取り付けられるカセットボス14、貫通孔15、及び該貫通孔15内にカセットボス14を支持する接合部16の構成は、上記テープスプール3、テープスプール3が回転可能に取り付けられるカセットボス4、貫通孔5、及び該貫通孔5内にカセットボス4を支持する接合部6の構成と同様である。
【0018】
ここで、各テープスプール切欠き溝3A、13Aは、第1の切欠き溝を構成する。また、各ボス切欠き溝4A、14Aは、第2の切欠き溝を構成する。
【0019】
次に、このように構成されたテープスプール3のテープカセット1からの取り外し方法について図3及び図4に基づいて説明する。図3は本実施形態に係るテープスプール切欠き溝3A及びボス切欠き溝4Aを介してカッター25による被印字テープ2のエンドテープの切断を示す要部拡大の平面図である。図4は本実施形態に係るテープスプール3をテープカセット1から取り外す際の要部拡大の平面図である。
先ず、図3に示すように、テープスプール3から被印字テープ2がエンドテープまで引き出されると、カセットボス4のボス切欠き溝4Aに対向するようにテープスプール切欠き溝3Aの位置を合わせる。そして、テープカセット1の下側からカセットボス4の内側にカッター25を挿入して、このカッター25をボス切欠き溝4A及びテープスプール切欠き溝3Aを介してエンドテープに押しつけて、このエンドテープを切断する。そして、この被印字テープ2をテープカセット1から引き出すことにより、このエンドテープのテープスプール切欠き溝3Aからガイドピン22側の部分をテープスプール3から剥がすことができる。
【0020】
次に、図4に示すように、テープスプール3を回転させて、テープスプール切欠き溝3Aを接合部6の上側に移動させる。そして、このテープスプール3をテープカセット1の下側に引き出すことにより、テープカセット1を分解することなくテープスプール3を取り出すことができる。
【0021】
尚、図示は省略するが、テープスプール13も、両面粘着テープ12がエンドテープまで引き出されると、テープスプール3と同様に、カセットボス14のボス切欠き溝14Aに対向するようにテープスプール切欠き溝13Aの位置を合わせる。そして、テープカセット1の下側からカセットボス14の内側にカッターを挿入して、このカッターをボス切欠き溝14A及びテープスプール切欠き溝13Aを介してエンドテープに押しつけて、このエンドテープを切断する。そして、この両面粘着テープ12をテープカセット1から引き出すことにより、このエンドテープのテープスプール切欠き溝13Aからテープ駆動ローラ19側の部分をテープスプール13から剥がすことができる。
次に、テープスプール13を回転させて、テープスプール切欠き溝13Aを接合部16の上側に移動させる。そして、このテープスプール13をテープカセット1の下側に引き出すことにより、テープカセット1を分解することなくテープスプール13を取り出すことができる。
【0022】
以上詳細に説明した通り本実施形態に係るテープカセット1では、各テープスプール3、13は、全長に渡るテープスプール切欠き溝3A、13Aが形成され、略C字形断面形状を有する筒状に形成されている。また、各テープスプール3、13が回転可能に取り付けられる各カセットボス4、14の全長は、各テープスプール3、13の全長とほぼ等しく、その全長に渡るボス切欠き溝4A、14Aが形成され、略C字形断面形状を有する筒状に形成されている。そして、この各カセットボス4、14は、テープカセット1の底面に形成される貫通孔5、15内に、接合部6、16を介してほぼ垂直に立設されている。
そして、各カセットボス4、14のボス切欠き溝4A、14Aに対向するように各テープスプール切欠き溝3A、13Aの位置を合わせる。そして、テープカセット1の下側から各カセットボス4、14の内側にカッター25を挿入して、このカッター25を各ボス切欠き溝4A、14A及びテープスプール切欠き溝3A、13Aを介してエンドテープに押しつけて、このエンドテープを切断して、各エンドテープを取り出す。続いて、各テープスプール3、13を回転させて、各テープスプール切欠き溝3A、13Aを接合部6、16の上側に移動させる。そして、この各テープスプール3、13をテープカセット1の下側に引き出すことにより、テープカセット1を分解することなく各テープスプール3、13を取り出すことができる。
【0023】
したがって、各ボス切欠き溝4A、14A及びテープスプール切欠き溝3A、13Aを介して各テープ2、12のエンドテープを切断して、テープカセット1を分解することなく各貫通孔5、15から各テープスプール3、13を取り除くことが可能となると共に、このテープスプール3、13の再利用が可能となる。また、被印字テープ2が巻回されたテープスプール3をカセットボス4に取り付け後、ボス切欠き溝4A及びテープスプール切欠き溝3Aを介して被印字テープ2のエンドテープを切断して、被印字テープ2全体をばらけさせずにテープスプール3を取り除くことが可能となると共に、テープスプール3の再利用が可能となる。
【0024】
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明は、テープを巻回されるテープスプールの横断面を略C字型になるように第1の切欠き溝を形成すると共に、テープスプールが回転可能に取り付けられるカセットボスも横断面を略C字型になるように第2の切欠き溝を形成し、その底部に前記テープスプールが挿通可能なC形貫通孔を形成することにより、第1及び第2の切欠き溝を介して前記テープのエンドテープを切断して、テープカセットを分解することなく前記C形貫通孔から前記テープスプールを取り除くことが可能となると共に、このテープスプールの再利用が可能なテープカセットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るテープカセットのカバーを外した場合の平面図である。
【図2】本実施形態に係るテープスプール3と該テープスプール3が回転可能に取り付けられるカセットボス4等の要部拡大斜視図である。
【図3】本実施形態に係るテープスプール切欠き溝3A及びボス切欠き溝4Aを介してカッター25による被印字テープ2のエンドテープの切断を示す要部拡大の平面図である。
【図4】本実施形態に係るテープスプール3をテープカセット1から取り外す際の要部拡大の平面図である。
【符号の説明】
1 テープカセット
2 被印字テープ
3、13 テープスプール
3A、13A テープスプール切欠き溝
4、14 カセットボス
4A、14A ボス切欠き溝
5、15 貫通孔
6、16 接合部
12 両面粘着テープ
Claims (2)
- テープ印字装置に使用されるテープカセットであって、前記テープカセット内にテープを巻回されたテープスプールと、前記テープスプールが回転可能に取り付けられるカセットボスとを備えたテープカセットにおいて、前記テープスプールは、略C形横断面形状であって、軸方向全長に第1の切欠き溝を有し、
前記テープカセットは、前記テープスプールを挿通可能な貫通孔と、
前記カセットボスを前記貫通孔内にほぼ垂直に支持する接合部とを有し、
前記カセットボスは、略C形横断面形状であって、軸方向全長に第2の切欠き溝を有し、
前記接合部の幅寸法は、前記第1の切欠き溝の幅寸法よりも狭いことを特徴とするテープカセット。 - テープを巻回されたテープスプールを前記カセットボスに取り付け後、前記第1の切欠き溝を第2の切欠き溝に対向させて、前記テープのエンドテープが内側から切断されることを特徴とする請求項1に記載のテープカセット。
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