JP2006040668A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 処理ガスなどが装置の外部へ漏洩することを防止できると共に、装置の小型化、簡略化を図ることが可能なプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】 プラズマ処理装置1を構成するチャンバ3には、出入口15aから出入口15bまで続く流路11が形成されている。チャンバ3において流路11に面するように供給口17が形成されている。供給口17と出入口15aとの間において、チャンバ3には流路11に面する排気口23aが形成されている。供給口17出入口15bとの間において、チャンバ3には流路11に面する排気口23bが形成されている。排気口23aと出入口15aとの間の流路のコンダクタンスは、排気口23aと供給口17との間の流路のコンダクタンスより大きい。排気口23bと出入口15bとの間の流路のコンダクタンスは、排気口23bと供給口17との間の流路11のコンダクタンスより大きい。
【選択図】 図1

Description

この発明は、プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関し、より特定的には、大気圧またはその近傍の圧力下での気体放電により形成されるプラズマを用いるプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
従来、大気圧またはその近傍の圧力下での気体放電により形成されるプラズマを用いるプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法が知られている。このようなプラズマ処理装置は、従来の低圧プラズマ処理装置で必要であった真空チャンバが不要であり、外気に開放された空間で処理を行なうことが可能であるという特徴を有する。このため、被処理物を連続搬送し、プラズマ処理を行なうことが可能である。しかし、外気に開放された空間でプラズマ処理を行なうと、プラズマ処理に用いたプロセスガスが処理装置の外部へ漏洩する可能性がある。当該ガスが、環境に有害である場合には非常に問題となる。そのため、プロセスガスがプラズマ処理装置の外部へ漏れることを防止することが強く求められる。このような要請に対する技術として、たとえば特許文献1に示された技術が挙げられる。
特許文献1に示された技術について、図14を参照しながら簡単に説明する。図14は、特許文献1に示された従来のプラズマ処理装置を示す断面模式図である。図14に示されたプラズマ処理装置は、プラズマ処理部であるチャンバ101と、チャンバ101を囲むチャンバ103とを備える。これらのチャンバ101、103の内部について、それぞれ独立に圧力制御を行なうために、圧力計105、107が設置されている。プラズマ処理を行なうための処理ガスは、チャンバ101内の電極109、111の間に、処理ガス導入ライン113を経て導入される。電極109、111間に電源115から印加された電界により、当該処理ガスがプラズマ化される。このプラズマを利用して、搬送ベルト117で搬送されてくる被処理基材119を処理する。
プラズマ処理後の処理ガスの大半は排ガス回収ライン121により回収される。チャンバ101には、雰囲気ガス導入ライン123からプラズマ処理に影響のない雰囲気ガス(たとえばクリーンドライエアーまたは不活性ガス)が導入される。ここで、チャンバ101内の圧力はチャンバ103内の圧力より高く設定される。そのため、雰囲気ガスおよび処理ガスの一部はチャンバ103内に流出する。しかし、図14に示したプラズマ処理装置では、チャンバ103内の圧力を外圧より低く設定している。このため、チャンバ101から流出した雰囲気ガスや処理ガスの一部がチャンバ103の外部へ流出することを防止できる。チャンバ101から流出した上記ガスおよびチャンバ103外部からチャンバ103内部へ流入した外気は、チャンバ103に設けられた全体の排気ライン125から、気圧調整バルブ127によりチャンバ103内の圧力が調整されつつ回収される。このようにチャンバ103内の圧力をチャンバ101内及び外圧より低くすることで、チャンバ103内のガスがチャンバ101内に流入せず、かつ、処理ガスはチャンバ103の外部へ流出しない。
特開2003−142298号公報
しかし、上述した従来のプラズマ処理装置では、電極109、111全体を覆うチャンバ101と、当該チャンバ101を内部に保持する別のチャンバ103が必要であり、装置が大きくなってしまう問題がある。また、チャンバ101、103内部に電極109、111があるため、電極109、111への配線及び処理ガス導入ライン113などの配管がチャンバ101、103を通して行なう必要がある。このため、装置の設計、製作、メンテナンスが難しいという問題がある。
また、上述した従来のプラズマ処理装置では、2つのチャンバ101、103の圧力を独立して制御する必要があるため、プラズマ処理自体も複雑なものであった。
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、大気圧近傍の圧力下で形成されるプラズマを用いるプラズマ処理装置において、処理ガスなどが装置の外部へ漏洩することを防止できると共に、装置の小型化、簡略化を図ることが可能なプラズマ処理装置を提供することである。
また、この発明の目的は、大気圧近傍の圧力下で形成されるプラズマを用いるプラズマ処理方法において、処理を行なうプラズマ処理装置の外部へ処理ガスなどが漏洩することを防止できると共に、比較的単純な制御で安定してプラズマ処理を行なうことが可能なプラズマ処理方法を提供することである。
この発明に従ったプラズマ処理装置は、チャンバと、ガス供給部材と、一方および他方ガス排出部材と、電磁界発生部材とを備える。チャンバには、外部に開放された一方端から、外部に開放された他方端まで続く流路が形成されている。ガス供給部材は、一方端と他方端との間において流路にプロセスガスを供給するためのものである。ガス供給部材は、流路に面するようにチャンバにおいて形成されたガス供給口に接続される。ガス供給口と一方端との間において、チャンバには流路に面する一方ガス排出口が形成されている。当該一方ガス排出口を介して、流路からプロセスガスを含むガスを排気するため、一方ガス排出部材は一方ガス排出口に接続される。ガス供給口と他方端との間において、チャンバには流路に面する他方ガス排出口が形成されている。当該他方ガス排出口を介して、流路からプロセスガスを含むガスを排気するため、他方ガス排出部材は他方ガス排出口に接続される。電磁界発生部材は、ガス供給口と一方ガス排出口との間、およびガス供給口と他方ガス排出口との間の少なくともいずれか一方に配置される。電磁界発生部材は、流路の内部においてプラズマ処理に用いるプラズマを発生させるための電磁界を形成する。一方ガス排出口と一方端との間の流路のコンダクタンス(C1)は、一方ガス排出口とガス供給口との間の流路のコンダクタンス(C2)より大きい。他方ガス排出口と他方端との間の流路のコンダクタンス(C3)は、他方ガス排出口とガス供給口との間の流路のコンダクタンス(C4)より大きい。また、コンダクタンスC1はコンダクタンスC2より可能な限り大きいことが好ましい。同様に、コンダクタンスC3はコンダクタンスC4より可能な限り大きいことが好ましい。
このようにすれば、一方および他方ガス排出口からは、ガス供給口から供給されるプロセスガスと、流路の一方端および他方端から流入する外気とをすべて排出することができる。したがって、プラズマ処理装置全体を囲むような大きなチャンバがなくとも、プロセスガスがプラズマ処理装置の外部に漏洩しない。このため、プラズマ処理装置の装置構成をより小さくすることができる。また、プラズマ処理装置の設計、製作、メンテナンスが、従来の装置のように2重のチャンバがあるものに比べ容易になる。
また、上述のようなコンダクタンスC1〜C4の関係を実現すれば、一方および他方ガス排出口からのガスの排出量の変化により、流路内へガス供給口から供給されるプロセスガスの流量が影響を受ける度合いを小さくできる。つまり、プロセスガスの流量、圧力、流速分布の変化を小さくすることができる。このため、プロセスガスが外部へ漏れることを防止しながら、プラズマ処理を行なうためのプロセスガスの流量制御を容易に行なうことができる。
なお、ここでコンダクタンスCとは、導管などの流路中に流体が流れているとき、その流れやすさを表す係数であって、たとえば、内部の圧力が圧力P1およびP2である真空容器を考え、この真空容器間がパイプ又は単なる穴でつながっているものと仮定する。このパイプまたは穴を流れる気体の流量Qを、Q=C(P1−P2)と書けば、Cはこのパイプ又は穴における気体の通り抜けやすさを示す係数となる。この係数Cをコンダクタンスと呼ぶ。また、コンダクタンスCは堆積速度の次元、すなわち(体積/時間)の次元を持つ。したがって、単位はポンプの排気速度と同じく(m3/s:立方メートル/秒)、(l/s:リットル/秒)などである。
この発明に従ったプラズマ処理装置は、チャンバと、ガス供給部材と、一方および他方ガス排出部材と、電磁界発生部材とを備える。チャンバには、外部に開放された一方端から、外部に開放された他方端まで続く流路が形成されている。ガス供給部材は、一方端と他方端との間において流路にプロセスガスを供給するためのものである。ガス供給部材は、流路に面するようにチャンバにおいて形成されたガス供給口に接続される。ガス供給口と一方端との間において、チャンバには流路に面する一方ガス排出口が形成されている。当該一方ガス排出口を介して、流路からプロセスガスを含むガスを排気するため、一方ガス排出部材は一方ガス排出口に接続される。ガス供給口と他方端との間において、チャンバには流路に面する他方ガス排出口が形成されている。当該他方ガス排出口を介して、流路からプロセスガスを含むガスを排気するため、他方ガス排出部材は他方ガス排出口に接続される。電磁界発生部材は、ガス供給口と一方ガス排出口との間、およびガス供給口と他方ガス排出口との間の少なくともいずれか一方に配置される。電磁界発生部材は、流路の内部においてプラズマ処理に用いるプラズマを発生させるための電磁界を形成する。一方ガス排出口と一方端との間の流路のコンダクタンスと、一方ガス排出口とガス供給口との間の流路のコンダクタンスと、他方ガス排出口と他方端との間の流路のコンダクタンスと、他方ガス排出口とガス供給口との間の流路のコンダクタンスとが等しい。一方ガス排出口および他方ガス排出口のそれぞれから排出されるガスの排気量が、ガス供給口から流路に供給されるプロセスガスの供給量と等しくなるように(つまり、ガス供給口からのプロセスガスの供給量がQであるとき、一方ガス排出口から排出されるガスの排気量がQ、また、他方ガス排出口から排出されるガスの排気量もQとなるように)、ガス供給部材、一方ガス排出部材および他方ガス排出部材は制御可能である。
このようにすれば、一方および他方ガス排出口からは、ガス供給口から供給されるプロセスガスと、流路の一方端および他方端から流入する外気とを、同じ割合で流路から排出でき、また、一方および他方ガス排出口から外側(一方端側または他方端側)へプロセスガスが漏れ出すことも防止できる。このため、プラズマ処理装置の装置構成をより小さくすることができる。また、プラズマ処理装置の設計、製作、メンテナンスが、従来の装置のように2重のチャンバがあるものに比べ容易になる。
また、流路のコンダクタンスの絶対値に関係なく、ガス供給口から一方端側および他方端側へのプロセスガスの分流比を等しくできる。さらに、一方および他方ガス排出口から排出される排気ガスは、ガス供給口からのプロセスガスと、一方端または他方端から流入した外気とが半々の混合ガスになる。したがって、比較的簡単な流量制御により、一方および他方ガス排出口から排出されるガスについて簡単に等分流とすることができる。
上記プラズマ処理装置において、電磁界発生部材の一部は、チャンバにおいて流路に面する壁部を構成してもよい。この場合、電磁界発生部材の一部がチャンバの壁の一部を構成する(電磁界発生部材の一部がチャンバの壁の一部としての機能も有する)ので、チャンバの壁の上に電磁界発生部材を配置する場合より、プラズマ処理装置の小型化を図ることができる。さらに、チャンバの壁面を介さず直接流路内に電界を作ることができるため、効率的にプラズマを発生させることができる。
上記プラズマ処理装置において、電磁界発生部材は、チャンバの壁部を介して流路と対向するように、チャンバの外部に配置されていてもよい。この場合、流路を構成するチャンバと電磁界発生手段とを別部材として扱うことができる。このため、電磁界発生手段の一部を、流路を構成するチャンバの壁部の一部として流用するときよりもプラズマ処理装置の製造が容易になる。また、流路(チャンバ)の構成を変更することなく、電磁界発生手段のみの構造を変更することが可能になる。
上記プラズマ処理装置において、電磁界発生部材は、間隔を隔てて対向するように配置された1組の対向電極を含んでいてもよい。1組の対向電極は、流路から見て同じ側に配置されていてもよい。
この場合、1組の対向電極間において最も電界強度が高い場所は、1組の対向電極間の距離が最も小さくなっている領域(対向電極同士の間に位置する領域)であると思われるが、上記のような構成のプラズマ処理装置では上記領域は流路と重なることはない。つまり、流路内においてプラズマ処理される被処理物に対して、過剰に電界強度の高い電界(強い電界)が印加されることはない。そのため、プラズマ処理において、被処理物への強い電界に起因するダメージの発生確率を減少させることができる。
上記プラズマ処理装置において、電磁界発生部材は、間隔を隔てて対向するように配置された1組の対向電極を含んでいてもよい。1組の対向電極は、流路を挟むように配置されていてもよい。
この場合、1組の対向電極の間に流路が配置されることになる。そのため、流路内に高い電界強度の電界を形成できる。したがって、流路内で当該電界により効率的にプラズマを発生させることができる。この結果、プラズマ処理の効率を向上させることができる。
上記プラズマ処理装置において、電磁界発生部材は、導電体をらせん状に成形したコイルを含んでいてもよい。コイルは、当該コイルが延びる方向を示す中心軸が流路の延びる方向に対して交差するように配置されていてもよい。この場合、電磁界発生部材として対向電極を用いる場合に比べて、より高電子密度のプラズマを流路内に生成することが可能になる。
上記プラズマ処理装置において、電磁界発生部材は、導電体をらせん状に成形したコイルを含んでいてもよい。コイルは、流路に巻付くように配置されていてもよい。この場合、流路と重なるように、コイルにより発生した磁界を配置することができる。そのため、当該磁界を、より有効にプラズマ放電に用いることができる。
この発明に従ったプラズマ処理方法は、上記プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であって、プロセスガスを供給する工程と、プラズマ処理を行なう工程と、ガスを排出する工程とを備える。プロセスガスを供給する工程では、ガス供給口から流路の内部に80体積%以上のヘリウムを含むプロセスガスを供給する。プラズマ処理を行なう工程では、電磁界発生部材を用いて流路内において電磁界を形成することにより、流路内においてプロセスガスからプラズマを発生させてプラズマ処理を行なう。ガスを排出する工程では、一方ガス排出口および他方ガス排出口からプロセスガスを含むガスを流路の内部から排出する。プロセスガスを供給する工程では、流路の内部において、電磁界発生手段により電磁界が形成される部分におけるプロセスガスの流速が0.07メートル/秒以上となるように、ガス供給部材、一方ガス排出部材および他方ガス排出部材が制御される。
このようにすれば、一方端または他方端から外気が流路内のプラズマが発生する領域(プラズマ処理部)へ進入する確率を低減できる。そのため、プラズマ処理部において安定したプラズマ処理が可能になる。
この発明によれば、プラズマ処理装置全体を囲むような大きなチャンバがなくとも、プロセスガスがプラズマ処理装置の外部に漏洩しない。このため、プラズマ処理装置の装置構成をより小さくすることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態1を示す断面模式図である。図1を参照しながら本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態1を説明する。図1に示すように、本発明によるプラズマ処理装置1は、両端が大気開放されているチャンバ3と、このチャンバ3の内部の流路11にプロセスガスなどを供給する供給路19と、チャンバ3の内部からガスを排出するための排気路25と、チャンバ3の流路11内部においてプラズマを発生させるために必要な電磁界を発生させる対向電極31a〜31dとを備える。図1に示したプラズマ処理装置1は、プラズマを利用して、被処理物の表面に対してエッチング、アッシング、改質、成膜などの処理を行なう装置である。チャンバ3は、上述のようにその両端が大気開放された出入口15a、15bとなっている。チャンバ3の内部には、大気開放された両端である出入口15a、15bを繋ぐ流路11が形成されている。
流路11においては、プラズマ処理される被処理物13が矢印2に示した方向に移動可能となっている。なお、被処理物13は、プラズマ処理がなされるすべてのものを含む。たとえば、被処理物13として、板状あるいはフィルム状のガラス、金属、プラスチックなどの材料からなる部材が挙げられる。チャンバ3によって構成される流路11の中央部には、放電およびプラズマ処理に用いられるプロセスガスを流路11へと供給するための供給口17が形成されている。ただし、供給口17が設けられる位置は流路11の中央部に限定されるものではない。この供給口17には、上述したプロセスガスなどを供給するための配管である供給路19が接続されている。供給路19には、その途中にプロセスガスなどの供給量調整部材21が設置されている。なお、この供給路19は、図示しないガスボンベへと接続されている。
ここで、プロセスガスとは、放電およびプラズマ処理を行なうための単一または混合ガスを意味している。このプロセスガスの種類や組成は流路11の内部で行なわれるプラズマ処理の種類に応じて変更される。また、供給量調整部材21としては、供給路19中を流通するプロセスガスなどのガス流量を調整するものであればどのようなものを用いてもよい。たとえば、供給量調整部材21としてマスフローコントローラを用いることができる。
流路11において、供給口17と出入口15aとの間には、流路11の内部からプロセスガスや出入口15aから進入する外気を排気するための排気口23aが形成されている。また、同様に、流路11において供給口17ともう一方の出入口15bとの間には、流路11の内部からプロセスガスおよび出入口15bから進入する外気などを排気するための排気口23bが形成されている。排気口23a、23bは、それぞれプロセスガスなどの排気用の配管である排気路25と接続されている。排気路25においては、排気口23a、23b側から見てフィルタ27および排気量調整部材29が順番に配置されている。この排気路25は図示しない排気部材に接続される。
ここで、フィルタ27は、流路11の内部において実施されるプラズマ処理による堆積物、および、流路11内の埃などの異物が排気量調整部材29に到達して排気量調整部材29に詰まるといった問題の発生を防止するために設置されている。また、排気量調整部材29は、排気口23a、23bからの排気量を調整するものである。排気量調整部材29としては、たとえば流量計と流量調整バルブ、またはこれらに代わるマスフローコントローラなどを用いることができる。また、上述した排気部材は、一般的に既知な部材を用いることができる。たとえば、排気部材として、排気用のポンプと、有害な排気を無害化するための除害装置とを用いることができる。
なお、排気口23aの位置は、排気口23aに最も近い出入口である出入口15aと排気口23aとの間の流路のコンダクタンスが、排気口23aと供給口17との間の流路11のコンダクタンスより大きくなる位置に決定されている。また、同様に排気口23bの位置は、排気口23bに最も近い出入口15bと排気口23bとの間の流路のコンダクタンスが、排気口23bと供給口17との間の流路のコンダクタンスより大きくなる位置に決定されている。このようなコンダクタンスの条件を満足する装置構成としては、図1に示すように、供給口17を流路11の中央に配置し、かつ、排気口23a、23bを流路11の両端(出入口15a、15b近傍)に配置するような構成が考えられる。また、他の構成としては、供給口17を流路11の中央に配置し、かつ、供給口17と出入口15aとの間の中間点より出入口15a側に排気口23aを配置し、供給口17と出入口15bとの間の中間点より出入口15b側に排気口23bを配置する、といった構成が考えられる。なお、このとき、流路11の断面積は、出入口15a、15b間でほぼ一定となっていることが好ましい。
流路11と供給路19および排気路25との具体的な接続状態の一例を図2に示す。図2は、流路11とチャンバ3の上壁4上に形成された供給路19および排気路25との接続構造の一例を説明するための斜視模式図である。図2に示した構造を適用した場合、図1に示した供給口17および排気口23a、23bは、チャンバ3上面に流路11の流れと垂直方向つまり流路11の幅方法に設けられたスリット20である。スリット20上部にはスリット20を出口とする直方体の空間が設けられており、空間を形成するための凹部22の上壁6の複数箇所(図2に示した例では4箇所)に孔8が形成されている。この孔8に繋がるように1段目配管9が形成されている。1段目配管9は、隣接する孔8を繋ぐように形成されている。そして、この1段目配管9の上部には、さらに1段目配管9と繋がるように2段目配管10が接続されている。この2段目配管10は隣接した1段目配管9を接続するように形成されている。そして、この2段目配管10の上部には、さらにフィルタ27や排気量調整部材29などへと2段目配管10を接続する3段目配管12が形成されている。凹部22により形成される空間は、いわゆるバッファ領域として作用し、供給口17および排気口23a、23bでの流速分布をより均一化することが可能になる。なお、この図2に示した接続構造は、後述する本発明の他の実施の形態にも適用することができる。
供給口17と、排気口23a、23bとの間にはそれぞれ電磁界発生部材が配置されている。なお、電磁界発生部材は供給口17と排気口23aとの間、および供給口17と排気口23bとの間の少なくともいずれか一方のみに配置してもよい。供給口17と排気口23aとの間に配置された電磁界発生部材は、対向電極31a、31bを含む。この対向電極31aと対向電極31bとの間にはアルミナなどからなる固体誘電体33aが充填されている。固体誘電体33aは対向電極31a、31bの間で放電が直接的に発生するのを防止する。なお、対向電極31a、31bは、供給口17から排気口23aへ向かう方向において、対向電極31a、31bという順番に並ぶように配置されている。また、対向電極31a、31bおよび固体誘電体33aの下部表面上には、アルミナからなる第2の固体誘電体35aが配置されている。この対向電極31a、31bの下部表面(第2の固体誘電体35aが形成された対向電極31a、31bの表面)はチャンバ3の上壁4の一部を構成する。固体誘電体33aおよび第2の固体誘電体35aは、アルミナ以外の任意の誘電体を用いることができる。第2の固体誘電体35aは、対向電極31a、31b間において発生する放電がアーク放電になることを防止するためのものである。対向電極31a、31bは電源37aと電気的に接続されている。この電源37aは一般的に知られた任意の電源を用いることができる。
また、供給口17と排気口23bとの間に配置された電磁界発生部材も、供給口17と排気口23aとの間に配置された電磁界発生部材と同様に、対向電極31c、31dを含む。対向電極31cと対向電極31dとの間にも固体誘電体33bが充填されている。アルミナからなる固体誘電体33bは、対向電極31c、31dの間で放電が発生するのを防止するためのものである。供給口17から排気口23bに向けた方向(プロセスガスの流れる方向)に沿って、対向電極31d、31cは順番に並ぶように配置されている。対向電極31c、31dおよび固体誘電体33bの下部表面上には、アルミナからなる第2の固体誘電体35bが配置されている。固体誘電体33bおよび第2の固体誘電体35bとしては、アルミナ以外の任意の誘電体を用いることができる。この第2の固体誘電体35bが表面上に形成された対向電極31c、31dの下部表面はチャンバ3の上壁4の一部を構成する。この第2の固体誘電体35bは、対向電極31c、31dにおいて発生する放電がアーク放電になることを防止するためのものである。対向電極31c、31dはそれぞれ電源37bに接続されている。電源37bは一般的に既知の電源であればどのようなものを用いてもよい。
チャンバ3の出入口15a、15bの外側には、被処理物13を流路11内へと搬送するための搬送ローラ39がそれぞれ配置されている。この搬送ローラ39およびチャンバ3を構成する材料としては、誘電体、金属およびその他の任意の材料を用いることができる。
次に、図1に示したプラズマ処理装置の動作を説明する。チャンバ3の内部の流路11においてプラズマ処理を行なうために用いるプロセスガスは、供給量調整部材21により供給量が管理された状態で、所望の供給量(流量)が供給口17から流路11内へと供給される。供給口17から供給されたプロセスガスは、流路11内を供給口17から排気口23a、23bへ向かう方向(2つの方向)に流れることになる。
次に、排気路25に配置された排気量調整部材29によって、供給口17から流路11へ供給されたプロセスガスの流量以上の流量を排気口23a、23bから排出することが可能なように、排気量調整部材29では排気口23a、23bからの排出量(排気流量)が調整されている。この結果、流路11の中央部に位置する供給口17の方向から排気口23aの方向へ流れてきたプロセスガスのすべてと、出入口15aから入ってきた外気のすべては、排気口23aから排気される。また、排気口23bにおいても、流路11の中央部に位置する供給口17の方向から排気口23bの方向へ流れてきたプロセスガスのすべてと、出入口15bから流入した外気のすべてとを排気することができる。この結果、出入口15a、15bからプラズマ処理を行なう領域である領域16a、16bへ外気が侵入することを防止することができる。
そして、電源37a、37bから対向電極31a〜31dに電力が投入される。この結果、対向電極31a、31bの間に位置する固体誘電体33aの真下の領域16aにおいては、主にプロセスガスの流れ方向(供給口17から排気口23aに向かう方向)と同じ方向に沿って電界強度の傾斜が存在する電界が発生する。この電界により、プロセスガスからプラズマが生成される。また、対向電極31c、31dの間に位置する固体誘電体33bの下に位置する領域16bにおいても、同様にプロセスガスの流れ方向(供給口17から排気口23bに向かう方向)に沿った方向において電界強度の傾斜が存在する電界が発生する。この電界によって、領域16bではプロセスガスからプラズマが生成される。
プラズマ生成後、搬送ローラ39が回転することにより、被処理物13が出入口15a、15bのいずれかから矢印2に示した方向に沿って(たとえば出入口15aの方向から出入口15bの方向に向けて)流路11内に搬送される。なお、被処理物13の搬送方向は任意である。領域16a、16bにおいては、発生しているプラズマに起因して、プロセスガスのイオンおよびラジカルが存在する。領域16a、16bにおいては、当該イオンおよびラジカルによって、流路11の内部に搬送された被処理物13の表面に所望の処理がなされる。この処理としては、たとえば成膜処理、エッチング処理、アッシング処理などの任意の処理を行なうことができる。
このように、図1に示したプラズマ処理装置1においては、被処理物13が通るに十分なだけの比較的狭い空間(流路11)がチャンバ3に形成され、また、図1に示したように供給口17および排気口23a、23bについてコンダクタンスに関する所定の条件を満たすような配置とするので、プロセスガスを流路11の外部(チャンバ3の外部)に出入口15a、15bから漏洩させることなくプラズマ処理を行なうことができる。このため、従来技術のように二重のチャンバを用いるものに比べて、プラズマ処理装置の装置サイズを小さくすることができる。また、従来技術のように二重のチャンバでプラズマ処理部が覆われていないため、対向電極31a〜31dへ電力を供給するための配線やプロセスガスを流路11内部へと供給するための供給路19などの配管について、その取回しが比較的容易である。このため、電磁界発生部材をはじめとしたプラズマ処理装置を構成する部材のメンテナンス性を向上させることができる。
次に、上述した流路11におけるコンダクタンスについてより詳しく説明する。図1に示したプラズマ処理装置1においては、排気口23aから出入口15aまでの流路11のコンダクタンスの方が、排気口23aから供給口17までの間の流路11のコンダクタンスより大きくなっている。また、同様に、排気口23bから出入口15bまでの流路11のコンダクタンスの方が、排気口23bから供給口17までの流路11のコンダクタンスより大きくなっている。そして、この大小関係は、コンダクタンスの絶対値の差が可能な限り大きい方が好ましい。
ここで、1つの排気口(たとえば排気口23a)からの排気量をQout、排気口23aに向かって供給口17から流れてくるプロセスガスの流量をQp、排気口23aに向かって出入口15aから流入してくる外気の流量をQexとすると、Qout=Qp+Qexと表わすことができる。Qout>Qpであれば、Qpはすべて排気口23aに流れる。この結果、プロセスガスは出入口15aからチャンバ3の外側へと漏洩することはない。また、このとき排気口23aからの排気量を増やすと、それに伴ってQp、Qexが増加すると考えられる。その増分をΔQと表わすと、上述した式はQout+ΔQout=Qp+ΔQp+Qex+ΔQexと表わすことができる。そして、本発明において上述したコンダクタンスの大小関係において、コンダクタンスの絶対値の差を大きくすればするほど、ΔQpは小さくなり、0に近づくことになる。すなわち、本発明の理想の状態は、ΔQp=0(別の表現においては、ΔQout=ΔQex)である。ΔQp=0とは、すなわち排気口23aからの排気量の増加が、プロセスガスの流れおよび圧力などの条件に全く影響を与えないということを意味する。この場合、以下に述べるようなメリットがある。
まず、ケース1として、プロセスガスなどの流量変化が起きる場合を考える。排気口23aからの排気量によってQpに変化がある場合、流路11内部の領域16a(すなわちプラズマ処理が行なわれるプラズマ処理部)におけるプロセスガスの流量を一定に保つためには、このQpの変化分(すなわちΔQp)を補うため、供給口17からのプロセスガスの供給量も制御する必要がある。したがって、流量制御としては、排気口23aからのガスの排気量と、供給口17からのプロセスガスの供給量とについて、それぞれ制御を行なう必要がある。
さらに、排気口23aから排気される気体は、プロセスガスと外気の混合ガスである。このため、たとえば流量計として質量流量計を用いた場合には、排気されるガスの流量の測定を行なうためには、プロセスガスと外気との混合比を知る必要がある。この場合、上記混合比の測定作業が必要になり、流量制御に伴う作業が増えることになる。また、上述した混合比を計算式などによって推定したとしても、制御に必要な精度を確保することができるような確実な結果を得られるとは限らない。
これに対して、ΔQp=0である場合、排気口23aからの排気量変化によってもQpの変化がないことになる。すなわち、排気口23aからの排気に関してQout>Qpを満たしていれば、流量制御としては、供給量の制御のみでよい。なお、上述のような理想状態(ΔQp=0という状態)にするのは現実的に困難であるとしても、このような理想状態に近づけることにより、排気口23aから排気する排気量の制御に要する厳密性(精度)を下げることができる。この結果、排気制御をより容易に行なうことができる。このため、排気量調整部材29としては、浮子式の流量計と手動のバルブを用いた単純な構成の装置を用いれば十分である。すなわち、排気量調整部材29として、正確に流量を制御することが可能なマスフローコントローラのような高価な制御装置は必要ない。この結果、プラズマ処理装置1の製造コストを削減することができる。
ケース2として、流路内に圧力変化が起きる場合を考える。図1においては、供給口17が流路11のほぼ中央に配置されており、供給口17を中心として対称構造となっている。そして、排気口23a、23bからそれぞれ同じ流量のガスを排気する。この場合、排気量Qoutを増加しても、供給口17の左右に配置される領域16a、16bには、供給口17から供給されたプロセスガスの等分割の流量(すなわち半分の流量)しか流れず、流量の変化分であるΔQpは0となって、一見何の問題もないように思える。しかし、流路11内の圧力を考えると、ΔQpがゼロではない場合(ΔQpが値を持つ場合)、Qpが変化する代わりに流路11内の領域16a、16bにおける圧力が変化することになる。すなわち、Qoutを大きくすると、当該領域16a、16bにおける圧力が低くなる。
流路11内の圧力がチャンバ3外部の圧力(外圧)より低い状態は、いわゆる不安定な状態である。そして、流路11内の圧力と外圧との圧力バランスが崩れると、流路11内におけるプロセスガスの流れの状態が変化する可能性がある。また、上述のような圧力変化により、領域16a、16bにおいて発生するプラズマの状態も変化することが考えられる。しかし、上述した本発明の理想状態では、ΔQp=0であることから、排気口23aからの排気量の変化に起因して、流路11内の領域16aにおいて圧力変化が起きる心配はない。すなわち、このような理想状態に近づけることによって、排気口23aからの排気量の変化に伴う流路11内の圧力の変化量を低減することができる。
次に、ケース3として、プロセスガスの流速分布について考える。まず、わかりやすい例として、大気開放された平たい断面矩形状の流路を考える。流路の一方端からガスを供給し、他方端からガスの供給量と等しい流量の排気を行なう。この場合、流路内のガスにおいては、供給側(一方端側)から排気側(他方端側)への流れが主に発生する。そして、流路において上述したガスの流れ方向に対し交差する方向(幅方向)にガスが広がるような圧力差(流路の幅方向における中央と端部とにおける圧力差)は生じにくい。このため、ガスの供給または排気について、流路の幅方向においてガスの速度分布が不均一であると、流路内のガスの幅方向における速度分布にもそのような不均一に従って乱れ(不均一な状態)が生じる。
しかし、流路の一方端にガスを供給し、もう一方の他方端を大気開放した場合、流路の一方端に供給されたガスにおいては、上述の場合よりも、流路の幅方向に広がるような圧力差が生じ易い。この結果、より均一なガスの速度分布を得ることができる。このことは、図1に示したプラズマ処理装置においても当てはめることができる。すなわち、ΔQpが大きいほど、上述したような流路の一方端からのガスの供給量と他方端からのガスの排出量とが等しい状態に近づく。一方、ΔQpが小さいほど、一方端からガスを供給し、他方端は大気開放した場合に近づく。したがって、上述した本発明の理想状態に近づけば近づくほど、流路11におけるプロセスガスの流速分布の均一性を向上させることができる。この結果、領域16a、16bにおけるプラズマ処理の均一性を向上させることができる。
図3は、図1に示した本発明におけるプラズマ処理装置の実施の形態1の第1の変形例を示す断面模式図である。図3を参照して、本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態1の第1の変形例を説明する。
図3に示したプラズマ処理装置1は、基本的には図1に示したプラズマ処理装置1と同様の構造を備えるが、排気口23a、23b近傍の構造が異なる。すなわち、排気口23a、23bが形成された流路11の両端部においては、チャンバ3の上壁4に凹部5a、5bがそれぞれ形成されている。そして、この凹部5a、5bの上壁のほぼ中央部に排気口23a、23bが形成されている。また別の観点から見れば、凹部5a、5bの上壁において、排気口23a、23bの外側に位置する領域に上壁端7a、7bが形成された状態になっている。このように排気口23a、23bが凹部5a、5bの上壁に形成されることにより、流路11において排気口23a、23bと対向する領域に流路11の他の部分よりも大きな空間を形成することができる。このようにすれば、図1に示したプラズマ処理装置の場合よりも、出入口15aと排気口23aとの間のコンダクタンスを、排気口23aと供給口17との間の流路11のコンダクタンスよりもより大きくすることができる。また、同様に排気口23bと出入口15bとの間のコンダクタンスを、排気口23bと供給口17との間の流路11のコンダクタンスよりもより大きくすることができる。この結果、上述した理想状態へとより近づけることができる。なお、この図3に示したプラズマ処理装置1の排気口23a、23b近傍の構造として、図2に示した接続構造を適用する場合、凹部5a、5bの上壁にスリット20(図2参照)が形成され、当該上壁上に凹部22(図2参照)が形成されることになる。
図4は、図1に示した本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態1の第2の変形例を示す断面模式図である。図4を参照して、本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態1の第2の変形例を説明する。
図4に示したプラズマ処理装置1は、基本的には図3に示したプラズマ処理装置と同様の構造を備えるが、凹部5a、5bの形状が異なっている。すなわち、図3に示したプラズマ処理装置1においては、排気口23a、23bの外側に上壁端7a、7bが形成されていたが、図4に示したプラズマ処理装置においては、そのような上壁端は形成されていない。つまり、排気口23a、23bは、凹部5a、5bの上壁における外側の端部に形成されている。このようにすれば、図3に示したプラズマ処理装置の場合よりも、出入口15aと排気口23aとの間のコンダクタンスを、排気口23aと供給口17との間の流路11のコンダクタンスよりもより大きくすることができる。また、同様に排気口23bと出入口15bとの間のコンダクタンスを、排気口23bと供給口17との間の流路11のコンダクタンスよりもより大きくすることができる。この結果、上述した理想状態へとより近づけることができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態2を示す断面模式図である。図5を参照して、本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態2を説明する。図5に示したプラズマ処理装置1は、基本的には図1に示したプラズマ処理装置1と同様の構造を備えるが、電磁界発生部材である対向電極31a〜31dの位置が異なる。すなわち、図1に示したプラズマ処理装置1においては、チャンバ3の上壁4の一部を構成するように対向電極31a〜31dおよび第2の固体誘電体35a、35bが配置されていたが、図5に示したプラズマ処理装置1においては、対向電極31a〜31dおよび固体誘電体33a、33bはチャンバ3の上壁4上に搭載された状態になっている。つまり、対向電極31a〜31dは完全に流路11の外側(チャンバ3の外側)に配置されている。このため、対向電極31a〜31dによってプラズマ生成に用いられる電界が発生する部分は、流路11の外面(上壁4)に面して設置される。このように、対向電極31a〜31dが流路11の外(チャンバ3の外側)にあるため、流路11内の領域16a、16bにおいてプラズマを生成するためには、対向電極31a〜31dから発生する電界が流路11内に侵入する必要がある。このため、対向電極31a〜31dにおいて電界が発生する部分に面する上壁4は誘電体によって構成される。
このようにすれば、図1に示したプラズマ処理装置1と同様の効果を得ることができるとともに、流路11(すなわちチャンバ3)と電磁界発生部材である対向電極31a〜31dとを別部材として扱うことができる。このため、図1に示したプラズマ処理装置1よりもその製造を容易に行なうことができる。また、流路11を構成するチャンバ3の構造を特に変更することなく、電磁界発生部材の構造のみを変更するといった装置の改造を容易に行なうことができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明におけるプラズマ処理装置の実施の形態3を示す断面模式図である。図6を参照して、本発明におけるプラズマ処理装置の実施の形態3を説明する。図6に示したプラズマ処理装置1は、基本的には図1に示したプラズマ処理装置1と同様の構造を備えるが、流路11に形成された供給口17および排気口23a、23bの位置が異なっている。すなわち、図6に示したプラズマ処理装置1においては、供給口17は流路11の中央に設置され、排気口23aが供給口17と出入口15aとの間の中間点に配置されている。また、排気口23bも、供給口17と出入口15bとの間の中間点に設置されている。このような構成とすることで、排気口23aから最も近い出入口である出入口15aと排気口23aとの間の流路11のコンダクタンスと、排気口23aと供給口17との間の流路11のコンダクタンスと、排気口23bに最も近い出入口である出入口15bと排気口23bとの間の流路11のコンダクタンスと、排気口23bと供給口17との間の流路11のコンダクタンスとを等しくすることができる。なお、図6に示したプラズマ処理装置1において、図1に示したプラズマ処理装置1と同様に供給口17と排気口23aとの間および供給口17と排気口23bとの間のいずれか一方のみに電磁界発生部材としての対向電極を配置してもよい。
また、図6に示したプラズマ処理装置1においては、供給口17から流路11へと供給されるガスの供給量と、排気口23aから排気されるガスの排気量とが等しくなるように、供給量調整部材21および排気量調整部材29が設定されている。また、同様に排気口23bから排気されるガスの排気量と供給口17から供給されるガスの供給量もが等しくなるように、供給量調整部材21および排気量調整部材29が設定されている。ここで、供給口17から供給されたプロセスガスは、両側の排気口23a、23bのそれぞれに向けて等分割されて流れる。そして、これらのプロセスガスはそれぞれ排気口23a、23bから排気される。また、出入口15aから流路11内へとの流れ込んだ外気も排気口23aから排出される。上述のように排気口23aに流れ込むプロセスガスは、供給口17から流路11へと供給されたプロセスガス流量の半分である。そのため、排気口23aから排出される外気の流量は、排気口23aから排出されるプロセスガスの流量と等しくなる。また、同様に排気口23bから排出される外気(出入口15bから流路11内へ流入した外気)の排気量は、排気口23bから排出されるプロセスガスの排気量と等しくなる。すなわち、排気口23a、23bを介して排出される排気ガスは、上述したプロセスガスと外気とが半分ずつ混合したガスになる。
このような構成の利点を以下説明する。たとえば、図6に示したプラズマ処理装置1とは異なり、供給口17に対して排気口23a、23bの配置を対称な位置に設置しない場合を考える。この場合、供給口17から2つの排気口23a、23bへのプロセスガスの分流比は、供給口17から2つの排気口23a、23bまでのそれぞれの流路のコンダクタンス、および排気口23a、23bから出入口15a、15bまでのそれぞれの流路のコンダクタンスの値に左右される。しかし、図6に示したような構成とすれば、排気口23a、23bに流れ込むプロセスガスの流量および外気の流量を、流路11のコンダクタンスの絶対値などを実際に測定することなく把握できる。つまり、非常に簡単な構成により、プロセスガスを排気口23a、23bの方向へと供給口17から等しい割合で分流させることができる。このような構成は、2つの領域16a、16bにプロセスガスを等しい流量だけ流してプラズマ処理を行ないたい場合などに特に有効である。
また、排気口23a、23bから排出される排気ガスは、必ずプロセスガスと外気とが半分ずつ混合したガスとなるため、排気量を測定するために特に排気ガスの組成比を別途測定する必要がない。つまり、プロセスガスと外気とが半分ずつ混合しているとして排気量を測定すればよい。さらに、排気口23a、23bからのそれぞれの排気量が供給口17からの供給量と等しくなるように排気制御を行なえばよいので、排気制御を容易に行なうことができる。なお、図6に示した電磁界発生部材としての対向電極31a〜31dおよび固体誘電体35a〜35dは、その一部がチャンバ3の上壁4の一部を構成するが、図5に示したプラズマ処理装置1のように、チャンバ3とは別部材として、チャンバ3の上壁4または下壁14の上に対向電極31a〜31dを配置してもよい。
(実施の形態4)
発明者は、本発明によるプラズマ処理装置におけるプロセスガスの流量の条件について検討し、本発明によるプラズマ処理装置を用いて安定してプラズマ処理を行なうことができるプラズマ処理方法を見出した。図7は、発明者が検討に用いた実験装置を示す斜視模式図である。図8は、図7に示した線分VIII−VIIIにおける部分断面模式図である。図7および図8を参照して、本発明によるプラズマ処理方法について説明する。
発明者は、本発明によるプラズマ処理装置におけるプロセスガスの流量には、安定してプラズマ処理を行なうための条件(たとえば下限)が存在すると考え、図7および図8に示したような実験系(実験装置)を用いて実験を行なった。図7に示した実験装置は、アクリル製のチャンバ3上に対向電極31a、31bが配置されたものである。アクリルによって構成されるチャンバ3の内部には、高さL4が3mm、幅L3が165mmの流路が構成されている。流路の出入口15bから距離L1だけ離れた位置に、固体誘電体33が配置されている。この固体誘電体33を挟むように対向電極31a、31bが配置されている。上述した距離L1は100mmとした。また、対向電極31a、31bおよび固体誘電体33の横幅L2は80mmとした。
対向電極31a、31bは、アルミニウムから構成された導電体43と、この導電体43の表面に形成されたアルミナからなる保護膜44とを含む。この保護膜44として、アルミナを導電体43の表面に溶射したアルミナ溶射膜を用いることができる。導電体43の高さL5は12mmとした。また、固体誘電体33が配置された部分での導電体43間の距離L6は3mmとした。なお、対向電極31aから対向電極31bに向かう方向での固体誘電体33の幅を3mmとしてもよい。対向電極31a、31bを構成する導電体43は直方体の形状を有しており、この導電体43の中心は、流路の幅L3の中心と一致するように対向電極31a、31bは配置されている。また、保護膜44が形成された導電体43の表面は、チャンバ3の上壁4の一部を構成するように(流路11を構成するチャンバ3の上壁4の下部表面と導電体43の下部表面上に形成された保護膜44の表面の位置とが一致するように)配置されている。この対向電極31a、31bには電源37が接続されている。この電源37により、対向電極31a、31bには13.56MHzの交流が100Wというパワーで印加される。
上述のような実験系において、以下のような実験を行なった。すなわち、チャンバ3によって構成された流路11の出入口15aから矢印46に示したようにヘリウム(He)100%のガスを供給した。そして、流路のもう一方の端部である出入口15bを大気開放した。そして、上述のように対向電極31a、31bに電力を供給した。この結果、この対向電極31a、31b下の領域16においてはヘリウムのプラズマが発生する。そして、このプラズマが発生した状態で、ヘリウムガスの流量を減少させた。そして、プラズマが発生した部分での放電の発色状況を観察した。
このような実験を行なった結果、ヘリウムガスの流量が2リットル/分以上の場合には、ほとんど上記発色状況に変化は無かった。しかし、ヘリウムガスの流量が2リットル/分より小さくなると、上記発色状況に変化が見られた。このような発色状況の変化は、流路11内に外部から大気(外気)が流入することによりプラズマの発生状態に変化が起きていることを意味する。つまり、プラズマが発生した部分での放電の発色が変化しない(プラズマの状態が安定している)のは、ヘリウムガスの流量が2リットル/分以上の場合であることがわかった。
ここで、流路の断面は3mm×165mmであるため、このヘリウムガスの流量を流速に換算すると0.067m/秒となる。また、上述のように放電の色が変化したということは流路内に大気が流入してプラズマ発生条件が変わったことを意味する。ここで、プラズマ処理に用いるプロセスガスが、ヘリウムにプラズマ処理に用いる反応ガスを混合したガスであって、プロセスガスの成分においてヘリウムが80%以上を占める場合、上述したプラズマを安定して発生させるためのガス流速の条件を適用することができると考えられる。つまり、流路内への外気の侵入を防止することによりプラズマ発生状態を所定の条件に保つためには、上述のようなヘリウムを主成分とするプロセスガスの流速が0.07m/秒以上という条件が必要である。
これは、以下のような理由によると思われる。すなわち、主にヘリウムからなるプロセスガスはチャンバ3外部の大気(外気)である空気よりもその比重が非常に軽い。そのため、プロセスガスの流速が遅い場合には、図1に示したプラズマ処理装置1における出入口15a、15bから排気口23a、23bに流れる空気の一部(図6および図7に示した実験系においては出入口15bからチャンバ3の流路11内部へ流入する空気の一部)が、拡散によりプラズマ処理部である領域16a、16b(図6および図7に示した実験系では領域16)へと侵入すると思われる。この空気の侵入により、当該領域16a、16bにおける放電が不安定になるなどの問題が発生する。そこで、上述のような実験に基づいて、プロセスガスの流速の下限を0.07m/秒とすれば、外気がプラズマ処理部である領域16a、16bにまで拡散することを防止することにより、当該領域16a、16bにおいて安定したプラズマ処理を行なうことが可能になる。
上述した知見に基づいた本発明によるプラズマ処理装置1を用いたプラズマ処理方法の例を、図9を参照して説明する。図9は、本発明によるプラズマ処理方法を説明するためのフローチャートを示す図である。図9に示すように、本発明によるプラズマ処理方法では、まずプロセスガスを供給する工程(S10)を実施する。この工程(S10)では、供給口17から流路11の内部に80体積%以上のヘリウムを含むプロセスガスを供給する。次に、プラズマ処理を行なうプラズマ処理工程(S20)を実施する。プラズマ処理工程(S20)では、上記プロセスガスを供給する工程(S10)により流路11に供給されたプロセスガスが流路11内に存在する状態で、電磁界発生部材を構成する対向電極31a〜31dに電力を供給することにより、流路11内の領域16a、16bにおいて電磁界を形成する。この結果、流路11内においてプロセスガスからプラズマを発生させてプラズマ処理を行なう。次に、ガスを排出する工程(S30)を実施する。ガスを排出する工程(S30)では、排気口23a、23bからプロセスガスを含むガスを流路11の内部から排出する。プロセスガスを供給する工程(S10)では、流路11の内部において、対向電極31a〜31dにより電磁界が形成される部分におけるプロセスガスの流速が0.07メートル/秒以上となるように、供給量調整部材21、排気量調整部材29を制御する。なお、図1などに示したプラズマ処理装置1では、上記工程(S10)〜工程(S30)を同時に実施する。このようにすれば、プラズマを安定して発生させることができるため、プラズマ処理の安定性を確保することができる。
(実施の形態5)
図10は、本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態5を示す断面模式図である。図10を参照して、本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態5を説明する。図10に示したプラズマ処理装置1は、基本的には図1に示したプラズマ処理装置1と同様の構造を備えるが、電磁界発生部材の構造が異なる。すなわち、図10に示したプラズマ処理装置1においては、電磁界発生部材として流路11を挟むように対向電極41a〜41dが配置されている。この結果、被処理物13は対向電極41aと対向電極41bとの間、および対向電極41cと対向電極41dとの間を通過することになる。対向電極41a、41bにおいて互いに対向する面には、その表面にアルミナ溶射膜などの固体誘電体35a、35bがそれぞれ形成される。そして、対向電極41a、41bにおいて固体誘電体35a、35bが形成された面はチャンバ3の上壁4および下壁14の一部を構成する。また、同様に対向電極41cおよび対向電極41dの対向する表面上にも同様にアルミナ溶射膜などの固体誘電体35c、35dが形成される。この固体誘電体35c、35dが形成された対向電極41c、41dの面は、それぞれチャンバ3の上壁4および下壁14の一部を構成する。対向電極41aは電源37aに接続される。また、対向電極41cは電源37bに接続される。そして、対向電極41b、41dはそれぞれ接地される。
このようなプラズマ処理装置1によれば、図1に示したプラズマ処理装置1と同様の効果を得ることができる。さらに、対向電極41a、41bの間の領域16aおよび対向電極41c、41dの間の領域16bに発生する強い電界によって効率的にプラズマ放電を起こす事ができるため、流路11に供給されたプロセスガスから、図1に示したプラズマ処理装置1の場合よりも効率よくプラズマを生成することができる。この結果、プラズマ処理の速度を速めることができる。なお、このような対向電極41a〜41dは、本願において示した他の実施例に適用してもよい。また、図10に示した電磁界発生部材としての対向電極41a〜41dおよび固体誘電体35a〜35dは、その一部がチャンバ3の上壁4または下壁14の一部を構成するが、図5に示したプラズマ処理装置1のように、チャンバ3とは別部材として、チャンバ3の上壁4または下壁14の上に対向電極41a〜41dを配置してもよい。
(実施の形態6)
図11は、本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態6を示す断面模式図である。図12は、図11に示したプラズマ処理装置におけるコイルを示す斜視模式図である。図11および図12を参照して、本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態6を説明する。
図11および図12に示したプラズマ処理装置1は、基本的には図1に示したプラズマ処理装置1と同様の構造を備えるが、電磁界発生部材の構造が異なる。すなわち、図11および図12に示したプラズマ処理装置1においては、電磁界発生部材としてコイル51a、51bが用いられている。コイル51a、51bは図12に示すように、その巻付軸52a、52bが流路11の延びる方向、つまりプロセスガスの流れる方向(矢印54の示す方向)と垂直な方向になるように、チャンバ3の上壁4に面して配置される。なお、この巻付軸52a、52bの方向と流路11の延びる方向との交差する角度は、図に示したようなほぼ90°以外の角度であってもよい。たとえば、当該角度を30°、45°、60°などの任意の角度とすることができる。
また、図12に示すように、コイル51a、51bは、チャンバ3における流路11の幅方向(図11の矢印54で示したプロセスガスが流れる方向に対して垂直な、図11において紙面に垂直な方向)において流路11の幅全部をカバーすることができるように、巻付軸52a、52bに垂直な方向での断面形状が長方形状となるように配置されている。また、コイル51a、51bの、巻付軸52a、52bに垂直な方向での断面形状は、流路11の幅全部をカバーすることができれば、上述した長方形状に限らず、他の形状(たとえば楕円形状など)であってもよい。コイル51a、51bはそれぞれ電源37a、37bに接続される。なお、コイル51a、51bと対向する上壁4の部分は、コイル51a、51bによって発生する磁界が流路11内に入ることができるように、非磁性体53a、53bによって構成されている。また、コイル51a、51bに面する領域以外のチャンバ3を構成する部材の材料としては、磁性体および非磁性体のいずれを用いてもよい。
ここで、コイル51a、51bにそれぞれ電流が流れると、コイル51a、51bの近傍に磁界が発生する。この発生した磁界は流路11内に非磁性体53a、53bを介して侵入する。そして、流路11内においては、この磁界および当該磁界に起因して発生する電界(誘導電磁界)によってプロセスガスからプラズマが生成される。この場合、主に誘導電磁界によりプラズマ放電が起きているため、図1などに示すような対向電極を用いた場合に比べて高い電子密度のプラズマを生成することができる。この結果、領域16a、16bにおけるプラズマ処理の速度を向上させることができる。なお、このような電磁界発生部材としてのコイル51a、51bは、本発明において開示した他の実施例に適用してもよい。
(実施の形態7)
図13は、本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態7を示す断面模式図である。図13を参照して、本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態7を説明する。
図13に示したプラズマ処理装置1は、基本的には図1に示したプラズマ処理装置1と同様の構造を備えるが、電磁界発生部材の構造が異なる。すなわち、図13に示したプラズマ処理装置1においては、電磁界発生部材として、チャンバ3によって構成される流路11に巻付くように配置されたコイル61a、61bが用いられている。なお、コイル61a、61bにより発生した磁界が流路11内に侵入できるように、少なくともこのコイル61a、61bが巻付けられたチャンバ3の上壁4および下壁14の部分はそれぞれ非磁性体63a〜63dによって構成される。また、コイル61a、61bが巻付いている領域以外のチャンバ3の部分については、チャンバ3を構成する材料として磁性体および非磁性体のいずれを用いてもよい。コイル61a、61bはそれぞれ電源37a、37bに接続される。
コイル61a、61bに電源37a、37bから電流が流れると、コイル61a、61bの内部、つまり流路11内に磁界が発生する。この磁界と、この磁界に起因する電界(
誘導電磁界)により、流路11内の領域16a、16bにおいてプラズマが発生する。図13に示したプラズマ処理装置1においては、図11に示した本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態6に比べて、コイル61a、61bから発生した磁界の流路11内での強度が大きい。このため、領域16a、16bにおいて、より効率的にプラズマを生成することができる。したがって、プラズマ処理速度を向上させることが可能となる。なお、このようなコイル61a、61bは、本発明において開示した他の実施の形態に適用してもよい。
上述した本発明に従ったプラズマ処理装置の一例であるプラズマ処理装置1の構成を要約すれば、プラズマ処理装置1は、チャンバ3と、ガス供給部材(供給路19および供給量調整部材21)と、一方および他方ガス排出部材(排気路25、フィルタ27および排気量調整部材29)と、電磁界発生部材(対向電極31a〜31d、41a〜41d、固体誘電体33a、33b、35a〜35d、コイル51a、51b、61a、61b)とを備える。チャンバ3には、外部に開放された一方端(出入口15a)から、外部に開放された他方端(出入口15b)まで続く流路11が形成されている。ガス供給部材は、一方端と他方端との間において流路11にプロセスガスを供給するためのものである。ガス供給部材は、流路11に面するようにチャンバ3において形成されたガス供給口(供給口17)に接続される。ガス供給口(供給口17)と一方端(出入口15a)との間において、チャンバ3には流路11に面する一方ガス排出口(排気口23a)が形成されている。当該一方ガス排出口(排気口23a)を介して、流路11からプロセスガスを含むガスを排気するため、一方ガス排出部材(排気路25、フィルタ27および排気量調整部材29)が一方ガス排出口(排気口23a)に接続される。ガス供給口(供給口17)と他方端(出入口15b)との間において、チャンバ3には流路11に面する他方ガス排出口(排気口23b)が形成されている。当該他方ガス排出口(排気口23b)を介して、流路11からプロセスガスを含むガスを排気するため、他方ガス排出部材(排気路25、フィルタ27および排気量調整部材29)は他方ガス排出口(排気口23b)に接続される。電磁界発生部材は、ガス供給口(供給口17)と一方ガス排出口(排気口23a)との間、およびガス供給口(供給口17)と他方ガス排出口(排気口23b)との間の少なくともいずれか一方に配置される。電磁界発生部材は、流路11の内部においてプラズマ処理に用いるプラズマを発生させるための電磁界を形成する。一方ガス排出口(排気口23a)と一方端(出入口15a)との間の流路のコンダクタンス(C1)は、一方ガス排出口(排気口23a)とガス供給口(供給口17)との間の流路のコンダクタンス(C2)より大きい。他方ガス排出口(排気口23b)と他方端(出入口15b)との間の流路のコンダクタンス(C3)は、他方ガス排出口(排気口23b)とガス供給口(供給口17)との間の流路11のコンダクタンス(C4)より大きい。また、コンダクタンスC1はコンダクタンスC2より可能な限り大きいことが好ましい。同様に、コンダクタンスC3はコンダクタンスC4より可能な限り大きいことが好ましい。
このようにすれば、排気口23a、23bからは、供給口17から供給されるプロセスガスと、流路11の出入口15a、15bから流入する外気とをすべて流路11内から排出することができる。したがって、プラズマ処理装置1全体を囲むような大きなチャンバがなくても、プロセスガスがプラズマ処理装置1の外部に漏洩しない。このため、プラズマ処理装置1の装置構成をより小さくすることができる。また、プラズマ処理装置1の設計、製作、メンテナンスが、従来の装置のように2重のチャンバがあるものに比べ容易になる。
また、上述のようなコンダクタンスC1〜C4の関係を実現すれば、排気口23a、23bからのガスの排出量の変化により、流路11内へ供給口17から供給されるプロセスガスの流量が影響を受ける度合いを小さくできる。つまり、プロセスガスの流量、圧力、流速分布の変化を小さくすることができる。このため、プロセスガスが外部へ漏れることを防止しながら、プラズマ処理を行なうためのプロセスガスの流量制御を容易に行なうことができる。
図6に示した、この発明に従ったプラズマ処理装置1は、チャンバ3と、ガス供給部材(供給路19および供給量調整部材21)と、一方および他方ガス排出部材(排気路25、フィルタ27および排気量調整部材29)と、電磁界発生部材(対向電極31a〜31d、固体誘電体33a、33b、35a、35b)とを備える。チャンバ3には、外部に開放された一方端(出入口15a)から、外部に開放された他方端(出入口15b)まで続く流路が形成されている。ガス供給部材は、一方端と他方端との間において流路11にプロセスガスを供給するためのものである。ガス供給部材は、流路11に面するようにチャンバ3において形成されたガス供給口(供給口17)に接続される。ガス供給口(供給口17)と一方端(出入口15a)との間において、チャンバ3には流路11に面する一方ガス排出口(排気口23a)が形成されている。当該一方ガス排出口(排気口23a)を介して、流路11からプロセスガスを含むガスを排気するため、一方ガス排出部材(排気路25、フィルタ27および排気量調整部材29)は一方ガス排出口(排気口23a)に接続される。ガス供給口(供給口17)と他方端(出入口15b)との間において、チャンバ3には流路11に面する他方ガス排出口(排気口23b)が形成されている。当該他方ガス排出口(排気口23b)を介して、流路11からプロセスガスを含むガスを排気するため、他方ガス排出部材(排気路25、フィルタ27および排気量調整部材29)は他方ガス排出口(排気口23b)に接続される。電磁界発生部材は、ガス供給口(供給口17)と一方ガス排出口(排気口23a)との間、およびガス供給口(供給口17)と他方ガス排出口(排気口23b)との間の少なくともいずれか一方に配置される。電磁界発生部材は、流路11の内部においてプラズマ処理に用いるプラズマを発生させるための電磁界を形成する。一方ガス排出口(排気口23a)と一方端(出入口15a)との間の流路のコンダクタンス(C1)と、一方ガス排出口(排気口23a)とガス供給口(供給口17)との間の流路のコンダクタンス(C2)と、他方ガス排出口(排気口23b)と他方端(出入口15b)との間の流路のコンダクタンス(C3)と、他方ガス排出口(排気口23b)とガス供給口(供給口17)との間の流路のコンダクタンス(C4)とが等しい。一方ガス排出口(排気口23a)および他方ガス排出口(排気口23b)のそれぞれから排出されるガスの排気量が、ガス供給口(供給口17)から流路11に供給されるプロセスガスの供給量と等しくなるように、ガス供給部材、一方ガス排出部材および他方ガス排出部材(より具体的には供給量調整部材21および排気量調整部材29)は制御可能である。
このようにすれば、排気口23a、23bからは、供給口17から供給されるプロセスガスと、流路11の出入口15a、15bから流入する外気とを、同じ割合で流路11から排出できる。また、排気口23a、23bから流路11の外側(出入口15a、15bより外側)へプロセスガスが漏れ出すことも防止できる。このため、プラズマ処理装置1の装置構成を従来より小さくすることができる。また、プラズマ処理装置1の設計、製作、メンテナンスが、従来の装置のように2重のチャンバがあるものに比べ容易になる。
また、流路11のコンダクタンスの絶対値に関係なく、供給口17から出入口15a、15b側へのプロセスガスの分流比を等しくできる。さらに、排気口23a、23bから排出される排気ガスは、供給口17からのプロセスガスと、出入口15aまたは出入口15bから流入した外気とが半分づつ混合した混合ガスになる。したがって、比較的簡単な流量制御により、排気口23a、23bから排出されるガスについて簡単に等分流とすることができる。
図1、図3、図4、図6、図10などに示すように、上記プラズマ処理装置1において、電磁界発生部材の一部(対向電極31a〜31d、41a〜41dおよび固体誘電体33a、33bにおいて固体誘電体35a、35bが形成された面を含む端部)は、チャンバ3において流路11に面する壁部(上壁4または下壁14)を構成する。
この場合、対向電極31a〜31d、41a〜41dおよび固体誘電体33a、33bの一部がチャンバ3の上壁4または下壁14の一部を構成する(対向電極31a〜31d、41a〜41dの一部がチャンバ3の壁の一部としての機能も有する)ので、チャンバ3の上壁4または下壁14の上に対向電極31a〜31d、41a〜41dおよび固体誘電体33a、33bを配置する場合より、プラズマ処理装置1の小型化を図ることができる。さらに、チャンバ3の上壁4または下壁14を介さず直接流路内に電界を作ることができるため、効率的にプラズマを発生させることができる。
図5などに示すように、上記プラズマ処理装置1において、電磁界発生部材(対向電極31a〜31dおよび固体誘電体33a、33b)は、チャンバ3の壁部(上壁4)を介して流路11と対向するように、チャンバ3の外部に配置されていてもよい。
この場合、流路11を構成するチャンバ3と対向電極31a〜31dおよび固体誘電体33a、33bとを別部材として扱うことができる。このため、図1などに示すように電磁界発生手段(対向電極31a〜31dおよび固体誘電体33a、33b)の一部を、流路11を構成するチャンバ3の壁部(上壁4)の一部として流用するときよりも、プラズマ処理装置1の製造が容易になる。また、流路11(つまりチャンバ3)の構成を変更することなく、電磁界発生手段の構造のみを変更することが可能になる。
図1、図3、図4〜図6に示すように、上記プラズマ処理装置1において、電磁界発生部材(対向電極31a〜31d、固体誘電体33a、33b、35a、35b)は、間隔を隔てて対向するように配置された1組の対向電極31a〜31dを含んでいてもよい。1組の対向電極31a〜31dは、流路11から見て同じ側(上壁4側)に配置されている。
この場合、1組の対向電極31a〜31d間において最も電界強度が高い場所は、1組の対向電極間の距離が最も小さくなっている領域(対向電極31a、31bの間に位置する領域、または対向電極31c、31dの間に位置する領域)であると思われるが、上記のような構成のプラズマ処理装置1では上記領域は流路11と重なることはない。つまり、流路11内においてプラズマ処理される被処理物13に対して、過剰に電界強度の高い電界(強い電界)が印加されることはない。そのため、プラズマ処理において、被処理物13への強い電界に起因するダメージの発生確率を減少させることができる。
図10に示すように、上記プラズマ処理装置1において、電磁界発生部材(対向電極41a〜41dおよび固体誘電体35a〜35d)は、間隔を隔てて対向するように配置された1組の対向電極(対向電極41a〜41d)を含んでいてもよい。1組の対向電極(対向電極41aと対向電極41bの組、および対向電極41cと対向電極41dの組)は、流路11を挟むように配置されている。
この場合、1組の対向電極の間(対向電極41aと対向電極41bの組の間、および対向電極41cと対向電極41dの組の間)に流路11が配置されることになる。そのため、流路11内に高い電界強度の電界を形成できる。したがって、流路11内で当該電界により効率的にプラズマを発生させることができる。この結果、プラズマ処理の効率を向上させることができる。
図11に示すように、上記プラズマ処理装置1において、電磁界発生部材は、導電体をらせん状に成形したコイル51a、51bを含んでいる。コイル51a、51bは、当該コイル51a、51bが延びる方向を示す中心軸(巻付軸52a、52b)が流路11の延びる方向(矢印54で示す方向)に対して交差する(図11においては流路11の延びる方向と垂直な方向に延びる)ように配置されている。
この場合、図1などに示すように電磁界発生部材として対向電極31a〜31dを用いる場合に比べて、より高電子密度のプラズマを流路11内に生成することが可能になる。
図13に示すように、上記プラズマ処理装置1において、電磁界発生部材は、導電体をらせん状に成形したコイル61a、61bを含んでいてもよい。コイル61a、61bは、流路11に巻付くように配置されていてもよい。
この場合、流路11と重なるように、コイル61a、61bにより発生した磁界を配置することができる。そのため、当該磁界を、より有効にプラズマ放電に利用することができる。
図9を用いて説明したこの発明に従ったプラズマ処理方法は、上記プラズマ処理装置1を用いたプラズマ処理方法であって、プロセスガスを供給する工程(S10)と、プラズマ処理を行なう工程(S20)と、ガスを排出する工程(S30)とを備える。プロセスガスを供給する工程(S10)では、ガス供給口(供給口17)から流路11の内部に80体積%以上のヘリウムを含むプロセスガスを供給する。プラズマ処理を行なう工程(S20)では、電磁界発生部材(対向電極31a〜31d、41a〜41d、コイル51a、51b、61a、61b、固体誘電体33a、33b、35a〜35d)を用いて流路11内において電磁界を形成することにより、流路11内においてプロセスガスからプラズマを発生させてプラズマ処理を行なう。ガスを排出する工程(S30)では、一方ガス排出口(排気口23a)および他方ガス排出口(排気口23b)からプロセスガスを含むガスを流路11の内部から排出する。プロセスガスを供給する工程(S10)では、流路11の内部において、電磁界発生手段により電磁界が形成される部分(領域16a、16b)におけるプロセスガスの流速が0.07メートル/秒以上となるように、ガス供給部材(供給路19および供給量調整部材21)、一方ガス排出部材および他方ガス排出部材(排気路25、フィルタ27および排気量調整部材29)が制御される。
このようにすれば、出入口15a、15bから外気が流路11内のプラズマが発生する領域16a、16b(プラズマ処理部)へ侵入する確率を低減できる。そのため、プラズマ処理部において安定したプラズマ処理が可能になる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態1を示す断面模式図である。 チャンバの上壁と供給路および排気路との接続構造の一例を説明するための斜視模式図である。 図1に示した本発明におけるプラズマ処理装置の実施の形態1の第1の変形例を示す断面模式図である。 図1に示した本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態1の第2の変形例を示す断面模式図である。 本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態2を示す断面模式図である。 本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態3を示す断面模式図である。 発明者が検討に用いた実験装置を示す斜視模式図である。 図7に示した線分VIII−VIIIにおける部分断面模式図である。 本発明によるプラズマ処理方法を説明するためのフローチャートを示す図である。 本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態5を示す断面模式図である。 本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態6を示す断面模式図である。 図11に示したプラズマ処理装置におけるコイルを示す斜視模式図である。 本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態7を示す断面模式図である。 従来のプラズマ処理装置を示す断面模式図である。
符号の説明
1 プラズマ処理装置、2,46,54 矢印、3 チャンバ、4 上壁、5,5a,5b,22 凹部、6 凹部の上壁、7a,7b 上壁端、8 孔、9 1段目配管、10 2段目配管、11 流路、12 3段目配管、13 被処理物、14 下壁、15a,15b 出入口、16,16a,16b 領域、17 供給口、19 供給路、20 スリット、21 供給量調整部材、23a,23b 排気口、25 排気路、27 フィルタ、29 排気量調整部材、31a〜31d,41a〜41d 対向電極、33,33a,33b,35a〜35d 固体誘電体、37,37a,37b 電源、39 搬送ローラ、43 導電体、44 保護膜、51a,51b,61a、61b コイル、52a,52b 巻付軸、53a,53b,63a〜63d 非磁性体。

Claims (9)

  1. 外部に開放された一方端から、外部に開放された他方端まで続く流路が形成されたチャンバと、
    前記一方端と前記他方端との間において前記流路にプロセスガスを供給するため、前記流路に面するように前記チャンバにおいて形成されたガス供給口に接続されるガス供給部材と、
    前記ガス供給口と前記一方端との間において、前記チャンバに形成された前記流路に面する一方ガス排出口を介して、前記流路から前記プロセスガスを含むガスを排気するため、前記一方ガス排出口に接続される一方ガス排出部材と、
    前記ガス供給口と前記他方端との間において、前記チャンバに形成された前記流路に面する他方ガス排出口を介して、前記流路から前記プロセスガスを含むガスを排気するため、前記他方ガス排出口に接続される他方ガス排出部材と、
    前記ガス供給口と前記一方ガス排出口との間、および前記ガス供給口と前記他方ガス排出口との間の少なくともいずれか一方に配置され、前記流路の内部においてプラズマ処理に用いるプラズマを発生させるための電磁界を形成する電磁界発生部材とを備え、
    前記一方ガス排出口と前記一方端との間の流路のコンダクタンスは、前記一方ガス排出口と前記ガス供給口との間の流路のコンダクタンスより大きく、
    前記他方ガス排出口と前記他方端との間の流路のコンダクタンスは、前記他方ガス排出口と前記ガス供給口との間の流路のコンダクタンスより大きい、プラズマ処理装置。
  2. 外部に開放された一方端から、外部に開放された他方端まで続く流路が形成されたチャンバと、
    前記一方端と前記他方端との間において前記流路にプロセスガスを供給するため、前記流路に面するように前記チャンバにおいて形成されたガス供給口に接続されるガス供給部材と、
    前記ガス供給口と前記一方端との間において、前記チャンバに形成された前記流路に面する一方ガス排出口を介して、前記流路から前記プロセスガスを含むガスを排気するため、前記一方ガス排出口に接続される一方ガス排出部材と、
    前記ガス供給口と前記他方端との間において、前記チャンバに形成された前記流路に面する他方ガス排出口を介して、前記流路から前記プロセスガスを含むガスを排気するため、前記他方ガス排出口に接続される他方ガス排出部材と、
    前記ガス供給口と前記一方ガス排出口との間、および前記ガス供給口と前記他方ガス排出口との間の少なくともいずれか一方に配置され、前記流路の内部においてプラズマ処理に用いるプラズマを発生させるための電磁界を形成する電磁界発生部材とを備え、
    前記一方ガス排出口と前記一方端との間の流路のコンダクタンスと、前記一方ガス排出口と前記ガス供給口との間の流路のコンダクタンスと、前記他方ガス排出口と前記他方端との間の流路のコンダクタンスと、前記他方ガス排出口と前記ガス供給口との間の流路のコンダクタンスとが等しく、
    前記一方ガス排出口および前記他方ガス排出口のそれぞれから排出される前記ガスの排気量が、前記ガス供給口から前記流路に供給される前記プロセスガスの供給量と等しくなるように、前記ガス供給部材、前記一方ガス排出部材および前記他方ガス排出部材を制御可能である、プラズマ処理装置。
  3. 前記電磁界発生部材の一部は、前記チャンバにおいて前記流路に面する壁部を構成する、請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記電磁界発生部材は、前記チャンバの壁部を介して前記流路と対向するように、前記チャンバの外部に配置されている、請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記電磁界発生部材は、間隔を隔てて対向するように配置された1組の対向電極を含み、
    前記1組の対向電極は、前記流路から見て同じ側に配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記電磁界発生部材は、間隔を隔てて対向するように配置された1組の対向電極を含み、
    前記1組の対向電極は、前記流路を挟むように配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記電磁界発生部材は、導電体をらせん状に成形したコイルを含み、
    前記コイルは、前記コイルが延びる方向を示す中心軸が前記流路の延びる方向に対して交差するように配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記電磁界発生部材は、導電体をらせん状に成形したコイルを含み、
    前記コイルは、前記流路に巻き付くように配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であって、
    前記ガス供給口から前記流路の内部に80体積%以上のヘリウムを含むプロセスガスを供給する工程と、
    前記電磁界発生部材を用いて前記流路内において電磁界を形成することにより、前記流路内において前記プロセスガスからプラズマを発生させてプラズマ処理を行なう工程と、
    前記一方ガス排出口および前記他方ガス排出口から前記プロセスガスを含むガスを排出する工程とを備え、
    前記プロセスガスを供給する工程では、前記流路の内部において、前記電磁界発生手段により前記電磁界が形成される部分における前記プロセスガスの流速が0.07メートル/秒以上となるように、前記ガス供給部材、前記一方ガス排出部材および前記他方ガス排出部材が制御される、プラズマ処理方法。
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