JPWO2006106872A1 - プラズマドーピング方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法及び装置を提供することである。 本発明のプラズマドーピング装置は、真空容器(1)内に、ガス供給装置(2)から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ(3)により排気口(11)を介して排気を行い、調圧弁(4)により真空容器(1)内を所定の圧力に保つ。そして、高周波電源(5)により13.56MHzの高周波電力を試料電極(6)に対向した誘電体窓(7)の近傍に設けられたコイル(8)に供給することにより、真空容器(1)内に誘導結合型プラズマを発生させる。試料電極(6)に高周波電力を供給するための高周波電源(10)が設けられている。試料電極(6)の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口(15)の開口部面積の合計を、試料電極(6)の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口(15)の開口部面積の合計よりも小さくすることにより、均一性が高まった。

Description

この発明は、不純物を半導体基板等の固体試料の表面に導入するプラズマドーピング方法及び装置に関するものである。
不純物を固体試料の表面に導入する技術としては、不純物をイオン化して低エネルギーで固体中に導入するプラズマドーピング法が知られている(例えば、特許文献1参照)。図9は、前記特許文献1に記載された従来の不純物導入方法としてのプラズマドーピング法に用いられるプラズマ処理装置の概略構成を示している。図9において、真空容器1内に、シリコン基板よりなる試料9を載置するための試料電極6が設けられている。真空容器1内に所望の元素を含むドーピング原料ガス、例えばBを供給するためのガス供給装置2、真空容器1内の内部を減圧するポンプ3が設けられ、真空容器1内を所定の圧力に保つことができる。マイクロ波導波管31より、誘電体窓としての石英板32を介して、真空容器1内にマイクロ波が放射される。このマイクロ波と、電磁石33から形成される直流磁場の相互作用により、真空容器1内に有磁場マイクロ波プラズマ(電子サイクロトロン共鳴プラズマ)34が形成される。試料電極6には、コンデンサ35を介して高周波電源10が接続され、試料電極6の電位が制御できるようになっている。なお、ガス供給装置2から供給されたガスは、ガス吹き出し口36から真空容器1内に導入され、排気口11からポンプ3へ排気される。
このような構成のプラズマ処理装置において、ガス導入口36から導入されたドーピング原料ガス、例えばBは、マイクロ波導波管31及び電磁石33から成るプラズマ発生手段によってプラズマ化され、プラズマ34中のボロンイオンが高周波電源10によって試料9の表面に導入される。
このようにして不純物が導入された試料9の上に金属配線層を形成した後、所定の酸化雰囲気の中において金属配線層の上に薄い酸化膜を形成し、その後、CVD装置等により試料9上にゲート電極を形成すると、例えばMOSトランジスタが得られる。
一方、一般的なプラズマ処理装置の分野では、試料に対向して複数のガス吹き出し口を設けた、誘導結合型プラズマ処理装置が開発されている(例えば、特許文献2参照)。図10は、前記特許文献2に記載された従来のドライエッチング装置の概略構成を示している。図10において、真空処理室1の上壁が誘電体から成る上側と下側の第1と第2の天板7、41にて構成され、かつ第1の天板2上に多重のコイル8が配設されて高周波電源5に接続されている。また、ガス導入経路13から第1の天板7に向けてプロセスガスを供給するように構成されている。第1の天板7には、ガス導入経路13に連通するように、内部の1点を通過点とする1又は複数の空洞から成るガス主通路14が形成され、かつこのガス主通路14に天板7の底面から到達するようにガス吹き出し穴42が形成されている。第2の天板41にはガス吹き出し穴42と同じ位置にガス吹き出し用の貫通穴43が形成されている。真空処理室1は排気経路44にて排気可能に構成され、真空処理室1内の下部には基板ステージ6が配設され、その上に被処理物である基板9を保持するように構成されている。
以上の構成において、基板9の処理時には、基板ステージ6上に基板9を載置し、排気経路44から真空排気する。真空排気後は、ガス導入経路13からプラズマ処理に必要なプロセスガスを導入する。プロセスガスは、第1の天板7に設けたガス主経路14を通って第1の天板7内で均等に拡がり、ガス吹き出し穴42を通って第1及び第2の天板7、41間の境界面に一様に到達し、第2の天板41に設けたガス吹き出し用の貫通穴43を通って基板9上に均一に分布される。コイル8に高周波電源5から高周波電力を印加することにより、真空処理室1内のガスがコイル8から真空処理室1内に発せられた電磁波により励起され、天板7、41の下部で生じたプラズマによって真空処理室1内の基板ステージである試料電極6上に載置された基板9が処理される。
米国特許4912065号明細書 特開2001−15493号公報
しかしながら、従来の方式では、不純物の導入量(ドーズ量)の試料面内均一性が悪いという問題があった。ガス吹き出し口36が非等方的に配置されているため、ガス吹き出し口36に近い部分ではドーズ量が大きく、逆にガス吹き出し口36から遠い部分ではドーズ量が小さかった。
そこで、特許文献2に示すようなプラズマ処理装置を用いてプラズマドーピングを試みたが、基板の中心部のドーズ量が大きく、基板の周辺部のドーズ量が小さくなる結果となり、均一性が悪かった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法及び装置を提供することを目的としている。
本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内の試料電極に試料を載置し、試料の対向面より試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物イオンを導入するプラズマドーピング方法であって、試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量を、試料の周辺部に向けて吹き出すガスの流量よりも少なくしたことを特徴とする。
このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法において、試料の中心部は、試料の中心を含み、かつ、試料の面積の1/2の面積を有する部分として定義され、試料の周辺部が、試料の中心を含まない残りの部分として定義されることが簡便でわかりやすい。
本願の第1発明のプラズマドーピング方法において、好適には、試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスの流量の1/2以下であることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性が更に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内の試料電極に試料を載置し、試料の対向面より試料が載置された面に向けて概ね等方的にガスを吹き出しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物イオンを導入するプラズマドーピング方法であって、試料に向けて吹き出すガスの流量を、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスの流量よりも少なくしたことを特徴とする。
このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法において、好適には、試料に向けて吹き出すガスの流量が、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスの流量の1/2以下であることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性が更に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内の試料電極に試料を載置し、試料の対向面より試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物イオンを導入するプラズマドーピング方法であって、試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量と、試料の周辺部に向けて吹き出すガスの流量とを、別個の流量制御系にて制御し、かつ、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量よりも少なくしたことを特徴とする。
このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法において、試料の中心部は、試料の中心を含み、かつ、試料の面積の1/2の面積を有する部分として定義され、試料の周辺部が、試料の中心を含まない残りの部分として定義されることが簡便でわかりやすい。
本発明のプラズマドーピング方法において、好適には、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量の1/2以下であることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性が更に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内の試料電極に試料を載置し、試料の対向面より試料が載置された面に向けて概ね等方的にガスを吹き出しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物イオンを導入するプラズマドーピング方法であって、試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量と、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスの流量とを、別個の流量制御系にて制御し、かつ、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量よりも少なくしたことを特徴とする。
このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法において、好適には、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量の1/2以下であることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性が更に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法において、好適には、プラズマ源に高周波電力を供給することによって真空容器内にプラズマを発生させることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性を確保しつつ、高速にプラズマドーピングを実施することができる。
本発明のプラズマドーピング方法は、試料がシリコンよりなる半導体基板である場合に、とくに有用なプラズマドーピング方法である。また、不純物が砒素、燐、ボロン、アルミニウムまたはアンチモンである場合に、とくに有用である。
このような構成により、超微細なシリコン半導体デバイスを製造することができる。
本発明のプラズマドーピング装置は、真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極に対向して設けられた複数のガス吹き出し口と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置であって、複数のガス吹き出し口が概ね等方的に配置され、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計よりも小さいことを特徴とする。
このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング装置を実現できる。
本発明のプラズマドーピング装置において、好適には、各々のガス吹き出し口の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないことが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性を確保しつつ、異常放電の抑制が可能となる。
本発明のプラズマドーピング装置において、試料電極の中心部は、試料電極の中心を含み、かつ、試料電極の面積の1/2の面積を有する部分として定義され、試料電極の周辺部が、試料電極の中心を含まない残りの部分として定義されることが簡便でわかりやすい。
本発明のプラズマドーピング装置において、好適には、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計の1/2以下であることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性が更に優れたプラズマドーピング装置を実現できる。
本発明のプラズマドーピング装置は、真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極が設けられた面に対向して設けられた複数のガス吹き出し口と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置であって、複数のガス吹き出し口が概ね等方的に配置され、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極が設けられた面における試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計よりも小さいことを特徴とする。
本発明のプラズマドーピング装置において、好適には、各々のガス吹き出し口の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極が設けられた面における試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないことが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性を確保しつつ、異常放電の抑制が可能となる。
また、好適には、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極が設けられた面における試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計の1/2以下であることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性が更に優れたプラズマドーピング装置を実現できる。
本発明のプラズマドーピング装置は、真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給する第1及び第2ガス供給装置と、第1ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口と、第2ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置であって、ガス吹き出し口が概ね等方的に配置されていることを特徴とする。
本発明のプラズマドーピング装置において、試料電極の中心部は、試料電極の中心を含み、かつ、試料電極の面積の1/2の面積を有する部分として定義され、試料電極の周辺部が、試料電極の中心を含まない残りの部分として定義されることが簡便でわかりやすい。
本発明のプラズマドーピング装置は、真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給する第1及び第2ガス供給装置と、第1ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口と、第1ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極が設けられた面における試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置であって、ガス吹き出し口が概ね等方的に配置されていることを特徴とする。
本発明のプラズマドーピング装置において、好適には、プラズマ源と、プラズマ源に高周波電力を供給するプラズマ源用高周波電源を備えることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性を確保しつつ、高速にプラズマドーピングを実施することができる。
本発明の第1実施形態で用いたプラズマドーピング室の構成を示す断面図 本発明の第1実施形態における誘電体窓の構成を示す平面図 本発明の第1実施形態における誘電体窓の構成を示す平面図 本発明の第2実施形態で用いたプラズマドーピング室の構成を示す断面図 本発明の第2実施形態における誘電体窓の構成を示す平面図 本発明の第2実施形態における誘電体窓の構成を示す平面図 本発明の第3実施形態で用いたプラズマドーピング室の構成を示す断面図 本発明の第4実施形態で用いたプラズマドーピング室の構成を示す断面図 従来例で用いたプラズマドーピング装置の構成を示す断面図 従来例で用いたドライエッチング装置の構成を示す断面図
符号の説明
1 真空容器
2 ガス供給装置
3 ターボ分子ポンプ
4 調圧弁
5 プラズマ源用高周波電源
6 試料電極
7 誘電体窓
8 コイル
9 基板
10 試料電極用高周波電源
11 排気口
12 支柱
13 ガス導入経路
14 ガス主経路
15 ガス吹き出し口
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1から図3を参照して説明する。
図1に、本発明の実施の形態1において用いたプラズマドーピング装置の断面図を示す。図1において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を試料電極6に対向した誘電体窓7の近傍に設けられたコイル8(図1中には、コイルの断面部が図示されている)に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマを発生させることができる。試料電極6上に、試料としてのシリコン基板9を載置する。また、試料電極6に高周波電力を供給するための高周波電源10が設けられており、これは、試料としての基板9がプラズマに対して負の電位をもつように、試料電極6の電位を制御する電圧源として機能する。このようにして、プラズマ中のイオンを試料の表面に向かって加速し衝突させて試料の表面に不純物を導入することができる。なお、ガス供給装置2から供給されたガスは、排気口11からポンプ3へ排気される。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、試料電極6の直下に配置されており、また、調圧弁4は、試料電極6の直下で、かつ、ターボ分子ポンプ3の直上に位置する昇降弁である。試料電極6は、基板9を載置する略正方形状の台座となり、各辺において支柱12により真空容器1に固定され、計4本の支柱12により、真空容器1に固定されている。
ガス供給装置2内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第1マスフローコントローラで流量制御する。さらに第2マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第1及び第2マスフローコントローラで流量が制御されたガスをガス供給装置2内で混合した後、配管(ガス導入経路)13を介してガス主経路14に導き、さらにガス主経路14と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口15より真空容器1内に混合ガスを導く。複数のガス吹き出し口15は、試料9の対向面より試料9に向けてガスを吹き出すようになっている。
図2は、誘電体窓7を図1の下側からみた平面図である。この図からわかるとおり、ガス吹き出し口15は、誘電体窓7の中心に対してほぼ対称に設けられ、試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出す構造となっている。つまり、複数のガス吹き出し口15が概ね等方的に配置されている。また、「試料(電極)の中心部」を、「試料(電極)の中心を含み、かつ、試料(電極)の面積の1/2の面積を有する部分」として定義し、「試料(電極)の周辺部」を、「試料(電極)の中心を含まない残りの部分」として定義すると、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口は、内円16(試料の直径の(1/2)1/2の直径をもつ円)の内側に配置されたガス吹き出し口(1個)と考えられ、また、試料の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口は、外円17(試料の直径と同一の直径をもつ円)の内側で、かつ、内円16の外側に配置されたガス吹き出し口(24個)と考えることができる。このように、各々のガス吹き出し口15の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極6の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口15の数が、試料電極6の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないような構成とすることにより、試料9の中心部に向けて吹き出すガスの流量を、試料9の周辺部に向けて吹き出すガスの流量よりも少なくすることが可能となる。
試料電極6の温度を25℃に保ちつつ、真空容器1内にHeで希釈されたBガス、及びHeガスを、それぞれ5sccm、100sccm供給し、真空容器1内の圧力を0.5Paに保ちながらコイル8に高周波電力を1300W供給することにより、真空容器1内にプラズマを発生させるとともに、試料電極6に250Wの高周波電力を供給することにより、プラズマ中のボロンイオンを基板9の表面に衝突させて、ボロンを基板9の表面近傍に導入することができた。このとき、基板9の表面近傍に導入されたボロン濃度(ドーズ量)の面内均一性は±0.86%と良好であった。
比較のため、各々のガス吹き出し口15の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極6の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口15の数が、試料電極6の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の数と同じになる構成にて実験したところ、ドーズ量は基板9の中心に近いほど大きく、面内均一性は±2.9%であった。
このような結果が得られた原因を考察する。試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口から噴出したガスは、基板の周辺部よりも外側に拡散して失われるとともに、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口から噴出したガスが、基板の周辺部に拡散するのを抑制する。その結果、基板の中心部により多くのボロン系ラジカルが供給され、基板の中心部により多くのボロンが導入されてしまったものと考えられる。
一方、本発明の実施の形態においては、各々のガス吹き出し口15の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極6の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口15の数が、試料電極6の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口15の数よりも少ないように構成したため、試料電極6の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口から噴出したガスは、基板9の周辺部よりも外側に拡散して失われるものの、試料電極6の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口15から噴出するガス量が少ないために、基板9の中心部と周辺部においてボロン系ラジカルの供給量がうまくバランスされ、基板9面内に均一にボロンを導入することができたものと考えられる。
このような事情は、プラズマドーピングに特有の現象である。ドライエッチングにおいては、イオンアシスト反応を励起するに必要とされるラジカルはごく微量であるため、とくに誘導結合型プラズマ源などの高密度プラズマ源を用いる場合には、ガス吹き出し口の配置が原因で著しくエッチング速度分布の均一性が損なわれることは希である。また、プラズマCVDにおいては、基板を加熱しながら基板上に薄膜を堆積させるため、基板温度が均一であればガス吹き出し口の配置が原因で著しく堆積速度分布の均一性が損なわれることは希である。
様々な実験を行ったところ、プラズマドーピングにおいてドーズ量の均一性を確保するには、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計よりも小さいことが必要であることがわかった。このような状態を実現するために、上述の構成では、各々のガス吹き出し口の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないような構成とした。図3に示すように、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の数と等しく、かつ、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の各々の開口面積が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の各々の開口面積よりも小さいような構成としてもよい。
また、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計の1/2以下である場合、すなわち、試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスの流量の1/2以下である場合に、良好な均一性が得られることを実験的に確かめた。この場合、試料電極の中心部に対向してガス吹き出し口を設けない場合にも、良好な均一性が得られる条件が存在した。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について、図4から図6を参照して説明する。
図4に、本発明の実施の形態2において用いたプラズマドーピング装置の断面図を示す。図4において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を試料電極6に対向した誘電体窓7の近傍に設けられたコイル8に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマを発生させることができる。試料電極6上に、試料としてのシリコン基板9を載置する。また、試料電極6に高周波電力を供給するための高周波電源10が設けられており、これは、試料としての基板9がプラズマに対して負の電位をもつように、試料電極6の電位を制御する電圧源として機能する。このようにして、プラズマ中のイオンを試料の表面に向かって加速し衝突させて試料の表面に不純物を導入することができる。なお、ガス供給装置2から供給されたガスは、排気口11からポンプ3へ排気される。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、試料電極6の直下に配置されており、また、調圧弁4は、試料電極6の直下で、かつ、ターボ分子ポンプ3の直上に位置する昇降弁である。試料電極6は、基板9を載置する略正方形状の台座となり、各辺において支柱12により真空容器1に固定され、計4本の支柱12により、真空容器1に固定されている。
ガス供給装置2内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第1マスフローコントローラで流量制御する。さらに第2マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第1及び第2マスフローコントローラで流量が制御されたガスをガス供給装置2内で混合した後、配管13を介してガス主経路14に導き、さらにガス主経路14と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口15より真空容器1内に混合ガスを導く。複数のガス吹き出し口15は、試料9の対向面より試料9に向けてガスを吹き出すようになっている。
図5は、誘電体窓7を図4の下側からみた平面図である。この図からわかるとおり、ガス吹き出し口15は、誘電体窓7の中心に対してほぼ対称に設けられ、試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出す構造となっている。つまり、複数のガス吹き出し口15が概ね等方的に配置されている。また、試料(電極)に対向して設けられたガス吹き出し口は、円17(試料の直径と同一の直径をもつ円)の内側に配置されたガス吹き出し口(9個)と考えられ、また、試料(電極)の外側に対向して設けられたガス吹き出し口は、円17(試料の直径と同一の直径をもつ円)の外側に配置されたガス吹き出し口(24個)と考えることができる。このように、各々のガス吹き出し口15の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極6に対向して設けられたガス吹き出し口15の数が、試料電極6の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないような構成とすることにより、試料9に向けて吹き出すガスの流量を、試料9の外側に向けて吹き出すガスの流量よりも少なくすることが可能となる。
試料電極6の温度を25℃に保ちつつ、真空容器1内にHeで希釈されたBガス、及びHeガスを、それぞれ5sccm、100sccm供給し、真空容器1内の圧力を0.5Paに保ちながらコイル8に高周波電力を1300W供給することにより、真空容器1内にプラズマを発生させるとともに、試料電極6に250Wの高周波電力を供給することにより、プラズマ中のボロンイオンを基板9の表面に衝突させて、ボロンを基板9の表面近傍に導入することができた。このとき、基板9の表面近傍に導入されたボロン濃度(ドーズ量)の面内均一性は±0.75%と良好であった。
比較のため、各々のガス吹き出し口15の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極6に対向して設けられたガス吹き出し口15の数が、試料電極6の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の数と同じになる構成にて実験したところ、ドーズ量は基板9の中心に近いほど大きく、面内均一性は±3.4%であった。
様々な実験を行ったところ、プラズマドーピングにおいてドーズ量の均一性を確保するには、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計よりも小さいことが必要であることがわかった。このような状態を実現するために、上述の構成では、各々のガス吹き出し口の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないような構成とした。図6に示すように、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の数と等しく、かつ、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の各々の開口面積が、試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の各々の開口面積よりも小さいような構成としてもよい。
また、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計の1/2以下である場合、すなわち、試料に向けて吹き出すガスの流量が、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスの流量の1/2以下である場合に、良好な均一性が得られることを実験的に確かめた。この場合、試料電極に対向してガス吹き出し口を設けない場合にも、良好な均一性が得られる条件が存在した。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について、図7を参照して説明する。
図7に、本発明の実施の形態3において用いたプラズマドーピング装置の断面図を示す。図7において、真空容器1内に、第1ガス供給装置2及び第2ガス供給装置18から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を試料電極6に対向した誘電体窓7の近傍に設けられたコイル8に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマを発生させることができる。試料電極6上に、試料としてのシリコン基板9を載置する。また、試料電極6に高周波電力を供給するための高周波電源10が設けられており、これは、試料としての基板9がプラズマに対して負の電位をもつように、試料電極6の電位を制御する電圧源として機能する。このようにして、プラズマ中のイオンを試料の表面に向かって加速し衝突させて試料の表面に不純物を導入することができる。なお、第1ガス供給装置2及び第2ガス供給装置18から供給されたガスは、排気口11からポンプ3へ排気される。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、試料電極6の直下に配置されており、また、調圧弁4は、試料電極6の直下で、かつ、ターボ分子ポンプ3の直上に位置する昇降弁である。試料電極6は、基板9を載置する略正方形状の台座となり、各辺において支柱12により真空容器1に固定され、計4本の支柱12により、真空容器1に固定されている。
第1ガス供給装置2内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第1マスフローコントローラで流量制御する。さらに第2マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第1及び第2マスフローコントローラで流量が制御されたガスをガス供給装置2内で混合した後、配管13を介してガス主経路14に導き、さらにガス主経路14と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口15より真空容器1内に混合ガスを導く。複数のガス吹き出し口15は、試料9の対向面より試料9の周辺部に向けてガスを吹き出すようになっている。
また、第2ガス供給装置18内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第3マスフローコントローラで流量制御する。さらに第4マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第3及び第4マスフローコントローラで流量が制御されたガスを第2ガス供給装置18内で混合した後、配管19を介してガス主経路20に導き、さらにガス主経路20と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口21より真空容器1内に混合ガスを導く。ガス吹き出し口21は、試料9の対向面より試料9の中心部に向けてガスを吹き出すようになっている。
試料電極6の温度を25℃に保ちつつ、第1ガス供給装置2より、真空容器1内にHeで希釈されたBガス、及びHeガスを、それぞれ1sccm、50sccm供給するとともに、第2ガス供給装置18より、真空容器1内にHeで希釈されたBガス、及びHeガスを、それぞれ4sccm、50sccm供給し、真空容器1内の圧力を0.5Paに保ちながらコイル8に高周波電力を1300W供給することにより、真空容器1内にプラズマを発生させるとともに、試料電極6に250Wの高周波電力を供給することにより、プラズマ中のボロンイオンを基板9の表面に衝突させて、ボロンを基板9の表面近傍に導入することができた。このとき、基板9の表面近傍に導入されたボロン濃度(ドーズ量)の面内均一性は±0.68%と良好であった。
比較のため、第1ガス供給装置2と第2ガス供給装置から供給するガスに含まれる不純物原料ガスの濃度が等しくなる条件、すなわち、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量と同じになる条件にて実験したところ、ドーズ量は基板9の中心に近いほど大きく、面内均一性は±2.7%であった。
様々な実験を行ったところ、プラズマドーピングにおいてドーズ量の均一性を確保するには、ガス吹き出し口15、21は、誘電体窓7の中心に対してほぼ対称に設けられ、試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出す構造となっていること、つまり、複数のガス吹き出し口15、21が概ね等方的に配置されていることが必要で、また、「試料(電極)の中心部」を、「試料(電極)の中心を含み、かつ、試料(電極)の面積の1/2の面積を有する部分」として定義し、「試料(電極)の周辺部」を、「試料(電極)の中心を含まない残りの部分」として定義すると、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量よりも少なくすることが必要であることがわかった。
また、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量の1/2以下とした場合に、良好な均一性が得られることを実験的に確かめた。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4について、図8を参照して説明する。
図8に、本発明の実施の形態4において用いたプラズマドーピング装置の断面図を示す。図8において、真空容器1内に、第1ガス供給装置2及び第2ガス供給装置18から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を試料電極6に対向した誘電体窓7の近傍に設けられたコイル8に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマを発生させることができる。試料電極6上に、試料としてのシリコン基板9を載置する。また、試料電極6に高周波電力を供給するための高周波電源10が設けられており、これは、試料としての基板9がプラズマに対して負の電位をもつように、試料電極6の電位を制御する電圧源として機能する。このようにして、プラズマ中のイオンを試料の表面に向かって加速し衝突させて試料の表面に不純物を導入することができる。なお、第1ガス供給装置2及び第2ガス供給装置18から供給されたガスは、排気口11からポンプ3へ排気される。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、試料電極6の直下に配置されており、また、調圧弁4は、試料電極6の直下で、かつ、ターボ分子ポンプ3の直上に位置する昇降弁である。試料電極6は、基板9を載置する略正方形状の台座となり、各辺において支柱12により真空容器1に固定され、計4本の支柱12により、真空容器1に固定されている。
第1ガス供給装置2内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第1マスフローコントローラで流量制御する。さらに第2マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第1及び第2マスフローコントローラで流量が制御されたガスをガス供給装置2内で混合した後、配管13を介してガス主経路14に導き、さらにガス主経路14と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口15より真空容器1内に混合ガスを導く。複数のガス吹き出し口15は、試料9の対向面より試料9に向けてガスを吹き出すようになっている。
また、第2ガス供給装置18内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第3マスフローコントローラで流量制御する。さらに第4マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第3及び第4マスフローコントローラで流量が制御されたガスを第2ガス供給装置18内で混合した後、配管19を介してガス主経路20に導き、さらにガス主経路20と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口21より真空容器1内に混合ガスを導く。ガス吹き出し口21は、試料9の対向面より試料9が載置された面における試料の外側に向けてガスを吹き出すようになっている。
試料電極6の温度を25℃に保ちつつ、第1ガス供給装置2より、真空容器1内にHeで希釈されたBガス、及びHeガスを、それぞれ1sccm、50sccm供給するとともに、第2ガス供給装置18より、真空容器1内にHeで希釈されたBガス、及びHeガスを、それぞれ4sccm、50sccm供給し、真空容器1内の圧力を0.5Paに保ちながらコイル8に高周波電力を1300W供給することにより、真空容器1内にプラズマを発生させるとともに、試料電極6に250Wの高周波電力を供給することにより、プラズマ中のボロンイオンを基板9の表面に衝突させて、ボロンを基板9の表面近傍に導入することができた。このとき、基板9の表面近傍に導入されたボロン濃度(ドーズ量)の面内均一性は±0.72%と良好であった。
比較のため、第1ガス供給装置2と第2ガス供給装置から供給するガスに含まれる不純物原料ガスの濃度が等しくなる条件、すなわち、試料に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量が、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量と同じになる条件にて実験したところ、ドーズ量は基板9の中心に近いほど大きく、面内均一性は±2.8%であった。
様々な実験を行ったところ、プラズマドーピングにおいてドーズ量の均一性を確保するには、ガス吹き出し口15、21は、誘電体窓7の中心に対してほぼ対称に設けられ、試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出す構造となっていること、つまり、複数のガス吹き出し口15、21が概ね等方的に配置されていることが必要で、また、試料に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量よりも少なくすることが必要であることがわかった。
また、試料に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量の1/2以下とした場合に、良好な均一性が得られることを実験的に確かめた。
以上述べた本発明の実施形態においては、本発明の適用範囲のうち、真空容器の形状、プラズマ源の方式及び配置等に関して様々なバリエーションのうちの一部を例示したに過ぎない。本発明の適用にあたり、ここで例示した以外にも様々なバリエーションが考えられることは、いうまでもない。
例えば、コイル8を平面状としてもよく、あるいは、ヘリコン波プラズマ源、磁気中性ループプラズマ源、有磁場マイクロ波プラズマ源(電子サイクロトロン共鳴プラズマ源)を用いてもよいし、平行平板型プラズマ源を用いてもよい。
しかし、誘導結合型プラズマ源を用いることは、試料(電極)の対向面に容易にガス吹き出し口を形成できることに繋がり、装置構成上好ましい。
また、ヘリウム以外の不活性ガスを用いてもよく、ネオン、アルゴン、クリプトンまたはキセノン(ゼノン)のうち少なくともひとつのガスを用いることができる。これらの不活性ガスは、試料への悪影響が他のガスよりも小さいという利点がある。
また、試料がシリコンよりなる半導体基板である場合を例示したが、他の様々な材質の試料を処理するに際して、本発明を適用することができる。しかし、本発明は、試料がシリコンよりなる半導体基板である場合に、とくに有用なプラズマドーピング方法である。また、不純物が砒素、燐、ボロン、アルミニウムまたはアンチモンである場合に、とくに有用である。このような構成により、超微細なシリコン半導体デバイスを製造することができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2005年3月30日出願の日本特許出願、出願番号2005−099103に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明のプラズマドーピング方法及び装置は、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法及び装置を提供できる。したがって、半導体の不純物ドーピング工程をはじめ、液晶などで用いられる薄膜トランジスタの製造や、各種材料の表面改質等の用途にも適用できる。
この発明は、不純物を半導体基板等の固体試料の表面に導入するプラズマドーピング方法及び装置に関するものである。
不純物を固体試料の表面に導入する技術としては、不純物をイオン化して低エネルギーで固体中に導入するプラズマドーピング法が知られている(例えば、特許文献1参照)。図9は、前記特許文献1に記載された従来の不純物導入方法としてのプラズマドーピング法に用いられるプラズマ処理装置の概略構成を示している。図9において、真空容器1内に、シリコン基板よりなる試料9を載置するための試料電極6が設けられている。真空容器1内に所望の元素を含むドーピング原料ガス、例えばB26を供給するためのガス供給装置2、真空容器1内の内部を減圧するポンプ3が設けられ、真空容器1内を所定の圧力に保つことができる。マイクロ波導波管31より、誘電体窓としての石英板32を介して、真空容器1内にマイクロ波が放射される。このマイクロ波と、電磁石33から形成される直流磁場の相互作用により、真空容器1内に有磁場マイクロ波プラズマ(電子サイクロトロン共鳴プラズマ)34が形成される。試料電極6には、コンデンサ35を介して高周波電源10が接続され、試料電極6の電位が制御できるようになっている。なお、ガス供給装置2から供給されたガスは、ガス吹き出し口36から真空容器1内に導入され、排気口11からポンプ3へ排気される。
このような構成のプラズマ処理装置において、ガス導入口36から導入されたドーピング原料ガス、例えばB2 6は、マイクロ波導波管31及び電磁石33から成るプラズマ発生手段によってプラズマ化され、プラズマ34中のボロンイオンが高周波電源10によって試料9の表面に導入される。
このようにして不純物が導入された試料9の上に金属配線層を形成した後、所定の酸化雰囲気の中において金属配線層の上に薄い酸化膜を形成し、その後、CVD装置等により試料9上にゲート電極を形成すると、例えばMOSトランジスタが得られる。
一方、一般的なプラズマ処理装置の分野では、試料に対向して複数のガス吹き出し口を設けた、誘導結合型プラズマ処理装置が開発されている(例えば、特許文献2参照)。図10は、前記特許文献2に記載された従来のドライエッチング装置の概略構成を示している。図10において、真空処理室1の上壁が誘電体から成る上側と下側の第1と第2の天板7、41にて構成され、かつ第1の天板2上に多重のコイル8が配設されて高周波電源5に接続されている。また、ガス導入経路13から第1の天板7に向けてプロセスガスを供給するように構成されている。第1の天板7には、ガス導入経路13に連通するように、内部の1点を通過点とする1又は複数の空洞から成るガス主通路14が形成され、かつこのガス主通路14に天板7の底面から到達するようにガス吹き出し穴42が形成されている。第2の天板41にはガス吹き出し穴42と同じ位置にガス吹き出し用の貫通穴43が形成されている。真空処理室1は排気経路44にて排気可能に構成され、真空処理室1内の下部には基板ステージ6が配設され、その上に被処理物である基板9を保持するように構成されている。
以上の構成において、基板9の処理時には、基板ステージ6上に基板9を載置し、排気経路44から真空排気する。真空排気後は、ガス導入経路13からプラズマ処理に必要なプロセスガスを導入する。プロセスガスは、第1の天板7に設けたガス主経路14を通って第1の天板7内で均等に拡がり、ガス吹き出し穴42を通って第1及び第2の天板7、41間の境界面に一様に到達し、第2の天板41に設けたガス吹き出し用の貫通穴43を通って基板9上に均一に分布される。コイル8に高周波電源5から高周波電力を印加することにより、真空処理室1内のガスがコイル8から真空処理室1内に発せられた電磁波により励起され、天板7、41の下部で生じたプラズマによって真空処理室1内の基板ステージである試料電極6上に載置された基板9が処理される。
米国特許4912065号明細書 特開2001−15493号公報
しかしながら、従来の方式では、不純物の導入量(ドーズ量)の試料面内均一性が悪いという問題があった。ガス吹き出し口36が非等方的に配置されているため、ガス吹き出し口36に近い部分ではドーズ量が大きく、逆にガス吹き出し口36から遠い部分ではドーズ量が小さかった。
そこで、特許文献2に示すようなプラズマ処理装置を用いてプラズマドーピングを試みたが、基板の中心部のドーズ量が大きく、基板の周辺部のドーズ量が小さくなる結果となり、均一性が悪かった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法及び装置を提供することを目的としている。
本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内の試料電極に試料を載置し、試料の対向面より試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物イオンを導入するプラズマドーピング方法であって、試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量を、試料の周辺部に向けて吹き出すガスの流量よりも少なくしたことを特徴とする。
このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法において、試料の中心部は、試料の中心を含み、かつ、試料の面積の1/2の面積を有する部分として定義され、試料の周辺部が、試料の中心を含まない残りの部分として定義されることが簡便でわかりやすい。
本願の第1発明のプラズマドーピング方法において、好適には、試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスの流量の1/2以下であることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性が更に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内の試料電極に試料を載置し、試料の対向面より試料が載置された面に向けて概ね等方的にガスを吹き出しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物イオンを導入するプラズマドーピング方法であって、試料に向けて吹き出すガスの流量を、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスの流量よりも少なくしたことを特徴とする。
このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法において、好適には、試料に向けて吹き出すガスの流量が、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスの流量の1/2以下であることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性が更に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内の試料電極に試料を載置し、試料の対向面より試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物イオンを導入するプラズマドーピング方法であって、試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量と、試料の周辺部に向けて吹き出すガスの流量とを、別個の流量制御系にて制御し、かつ、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量よりも少なくしたことを特徴とする。
このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法において、試料の中心部は、試料の中心を含み、かつ、試料の面積の1/2の面積を有する部分として定義され、試料の周辺部が、試料の中心を含まない残りの部分として定義されることが簡便でわかりやすい。
本発明のプラズマドーピング方法において、好適には、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量の1/2以下であることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性が更に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内の試料電極に試料を載置し、試料の対向面より試料が載置された面に向けて概ね等方的にガスを吹き出しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物イオンを導入するプラズマドーピング方法であって、試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量と、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスの流量とを、別個の流量制御系にて制御し、かつ、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量よりも少なくしたことを特徴とする。
このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法において、好適には、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量の1/2以下であることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性が更に優れたプラズマドーピング方法を実現できる。
本発明のプラズマドーピング方法において、好適には、プラズマ源に高周波電力を供給することによって真空容器内にプラズマを発生させることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性を確保しつつ、高速にプラズマドーピングを実施することができる。
本発明のプラズマドーピング方法は、試料がシリコンよりなる半導体基板である場合に、とくに有用なプラズマドーピング方法である。また、不純物が砒素、燐、ボロン、アルミニウムまたはアンチモンである場合に、とくに有用である。
このような構成により、超微細なシリコン半導体デバイスを製造することができる。
本発明のプラズマドーピング装置は、真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極に対向して設けられた複数のガス吹き出し口と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置であって、複数のガス吹き出し口が概ね等方的に配置され、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計よりも小さいことを特徴とする。
このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング装置を実現できる。
本発明のプラズマドーピング装置において、好適には、各々のガス吹き出し口の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないことが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性を確保しつつ、異常放電の抑制が可能となる。
本発明のプラズマドーピング装置において、試料電極の中心部は、試料電極の中心を含み、かつ、試料電極の面積の1/2の面積を有する部分として定義され、試料電極の周辺部が、試料電極の中心を含まない残りの部分として定義されることが簡便でわかりやすい。
本発明のプラズマドーピング装置において、好適には、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計の1/2以下であることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性が更に優れたプラズマドーピング装置を実現できる。
本発明のプラズマドーピング装置は、真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極が設けられた面に対向して設けられた複数のガス吹き出し口と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置であって、複数のガス吹き出し口が概ね等方的に配置され、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極が設けられた面における試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計よりも小さいことを特徴とする。
本発明のプラズマドーピング装置において、好適には、各々のガス吹き出し口の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極が設けられた面における試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないことが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性を確保しつつ、異常放電の抑制が可能となる。
また、好適には、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極が設けられた面における試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計の1/2以下であることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性が更に優れたプラズマドーピング装置を実現できる。
本発明のプラズマドーピング装置は、真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給する第1及び第2ガス供給装置と、第1ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口と、第2ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置であって、ガス吹き出し口が概ね等方的に配置されていることを特徴とする。
本発明のプラズマドーピング装置において、試料電極の中心部は、試料電極の中心を含み、かつ、試料電極の面積の1/2の面積を有する部分として定義され、試料電極の周辺部が、試料電極の中心を含まない残りの部分として定義されることが簡便でわかりやすい。
本発明のプラズマドーピング装置は、真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給する第1及び第2ガス供給装置と、第1ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口と、第1ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極が設けられた面における試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置であって、ガス吹き出し口が概ね等方的に配置されていることを特徴とする。
本発明のプラズマドーピング装置において、好適には、プラズマ源と、プラズマ源に高周波電力を供給するプラズマ源用高周波電源を備えることが望ましい。このような構成により、試料表面に導入される不純物濃度の均一性を確保しつつ、高速にプラズマドーピングを実施することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1から図3を参照して説明する。
図1に、本発明の実施の形態1において用いたプラズマドーピング装置の断面図を示す。図1において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を試料電極6に対向した誘電体窓7の近傍に設けられたコイル8(図1中には、コイルの断面部が図示されている)に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマを発生させることができる。試料電極6上に、試料としてのシリコン基板9を載置する。また、試料電極6に高周波電力を供給するための高周波電源10が設けられており、これは、試料としての基板9がプラズマに対して負の電位をもつように、試料電極6の電位を制御する電圧源として機能する。このようにして、プラズマ中のイオンを試料の表面に向かって加速し衝突させて試料の表面に不純物を導入することができる。なお、ガス供給装置2から供給されたガスは、排気口11からポンプ3へ排気される。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、試料電極6の直下に配置されており、また、調圧弁4は、試料電極6の直下で、かつ、ターボ分子ポンプ3の直上に位置する昇降弁である。試料電極6は、基板9を載置する略正方形状の台座となり、各辺において支柱12により真空容器1に固定され、計4本の支柱12により、真空容器1に固定されている。
ガス供給装置2内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B26)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第1マスフローコントローラで流量制御する。さらに第2マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第1及び第2マスフローコントローラで流量が制御されたガスをガス供給装置2内で混合した後、配管(ガス導入経路)13を介してガス主経路14に導き、さらにガス主経路14と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口15より真空容器1内に混合ガスを導く。複数のガス吹き出し口15は、試料9の対向面より試料9に向けてガスを吹き出すようになっている。
図2は、誘電体窓7を図1の下側からみた平面図である。この図からわかるとおり、ガス吹き出し口15は、誘電体窓7の中心に対してほぼ対称に設けられ、試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出す構造となっている。つまり、複数のガス吹き出し口15が概ね等方的に配置されている。また、「試料(電極)の中心部」を、「試料(電極)の中心を含み、かつ、試料(電極)の面積の1/2の面積を有する部分」として定義し、「試料(電極)の周辺部」を、「試料(電極)の中心を含まない残りの部分」として定義すると、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口は、内円16(試料の直径の(1/2)1/2の直径をもつ円)の内側に配置されたガス吹き出し口(1個)と考えられ、また、試料の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口は、外円17(試料の直径と同一の直径をもつ円)の内側で、かつ、内円16の外側に配置されたガス吹き出し口(24個)と考えることができる。このように、各々のガス吹き出し口15の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極6の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口15の数が、試料電極6の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないような構成とすることにより、試料9の中心部に向けて吹き出すガスの流量を、試料9の周辺部に向けて吹き出すガスの流量よりも少なくすることが可能となる。
試料電極6の温度を25℃に保ちつつ、真空容器1内にHeで希釈されたB26ガス、及びHeガスを、それぞれ5sccm、100sccm供給し、真空容器1内の圧力を0.5Paに保ちながらコイル8に高周波電力を1300W供給することにより、真空容器1内にプラズマを発生させるとともに、試料電極6に250Wの高周波電力を供給することにより、プラズマ中のボロンイオンを基板9の表面に衝突させて、ボロンを基板9の表面近傍に導入することができた。このとき、基板9の表面近傍に導入されたボロン濃度(ドーズ量)の面内均一性は±0.86%と良好であった。
比較のため、各々のガス吹き出し口15の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極6の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口15の数が、試料電極6の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の数と同じになる構成にて実験したところ、ドーズ量は基板9の中心に近いほど大きく、面内均一性は±2.9%であった。
このような結果が得られた原因を考察する。試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口から噴出したガスは、基板の周辺部よりも外側に拡散して失われるとともに、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口から噴出したガスが、基板の周辺部に拡散するのを抑制する。その結果、基板の中心部により多くのボロン系ラジカルが供給され、基板の中心部により多くのボロンが導入されてしまったものと考えられる。
一方、本発明の実施の形態においては、各々のガス吹き出し口15の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極6の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口15の数が、試料電極6の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口15の数よりも少ないように構成したため、試料電極6の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口から噴出したガスは、基板9の周辺部よりも外側に拡散して失われるものの、試料電極6の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口15から噴出するガス量が少ないために、基板9の中心部と周辺部においてボロン系ラジカルの供給量がうまくバランスされ、基板9面内に均一にボロンを導入することができたものと考えられる。
このような事情は、プラズマドーピングに特有の現象である。ドライエッチングにおいては、イオンアシスト反応を励起するに必要とされるラジカルはごく微量であるため、とくに誘導結合型プラズマ源などの高密度プラズマ源を用いる場合には、ガス吹き出し口の配置が原因で著しくエッチング速度分布の均一性が損なわれることは希である。また、プラズマCVDにおいては、基板を加熱しながら基板上に薄膜を堆積させるため、基板温度が均一であればガス吹き出し口の配置が原因で著しく堆積速度分布の均一性が損なわれることは希である。
様々な実験を行ったところ、プラズマドーピングにおいてドーズ量の均一性を確保するには、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計よりも小さいことが必要であることがわかった。このような状態を実現するために、上述の構成では、各々のガス吹き出し口の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないような構成とした。図3に示すように、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の数と等しく、かつ、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の各々の開口面積が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の各々の開口面積よりも小さいような構成としてもよい。
また、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計の1/2以下である場合、すなわち、試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスの流量の1/2以下である場合に、良好な均一性が得られることを実験的に確かめた。この場合、試料電極の中心部に対向してガス吹き出し口を設けない場合にも、良好な均一性が得られる条件が存在した。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について、図4から図6を参照して説明する。
図4に、本発明の実施の形態2において用いたプラズマドーピング装置の断面図を示す。図4において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を試料電極6に対向した誘電体窓7の近傍に設けられたコイル8に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマを発生させることができる。試料電極6上に、試料としてのシリコン基板9を載置する。また、試料電極6に高周波電力を供給するための高周波電源10が設けられており、これは、試料としての基板9がプラズマに対して負の電位をもつように、試料電極6の電位を制御する電圧源として機能する。このようにして、プラズマ中のイオンを試料の表面に向かって加速し衝突させて試料の表面に不純物を導入することができる。なお、ガス供給装置2から供給されたガスは、排気口11からポンプ3へ排気される。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、試料電極6の直下に配置されており、また、調圧弁4は、試料電極6の直下で、かつ、ターボ分子ポンプ3の直上に位置する昇降弁である。試料電極6は、基板9を載置する略正方形状の台座となり、各辺において支柱12により真空容器1に固定され、計4本の支柱12により、真空容器1に固定されている。
ガス供給装置2内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B26)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第1マスフローコントローラで流量制御する。さらに第2マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第1及び第2マスフローコントローラで流量が制御されたガスをガス供給装置2内で混合した後、配管13を介してガス主経路14に導き、さらにガス主経路14と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口15より真空容器1内に混合ガスを導く。複数のガス吹き出し口15は、試料9の対向面より試料9に向けてガスを吹き出すようになっている。
図5は、誘電体窓7を図4の下側からみた平面図である。この図からわかるとおり、ガス吹き出し口15は、誘電体窓7の中心に対してほぼ対称に設けられ、試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出す構造となっている。つまり、複数のガス吹き出し口15が概ね等方的に配置されている。また、試料(電極)に対向して設けられたガス吹き出し口は、円17(試料の直径と同一の直径をもつ円)の内側に配置されたガス吹き出し口(9個)と考えられ、また、試料(電極)の外側に対向して設けられたガス吹き出し口は、円17(試料の直径と同一の直径をもつ円)の外側に配置されたガス吹き出し口(24個)と考えることができる。このように、各々のガス吹き出し口15の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極6に対向して設けられたガス吹き出し口15の数が、試料電極6の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないような構成とすることにより、試料9に向けて吹き出すガスの流量を、試料9の外側に向けて吹き出すガスの流量よりも少なくすることが可能となる。
試料電極6の温度を25℃に保ちつつ、真空容器1内にHeで希釈されたB26ガス、及びHeガスを、それぞれ5sccm、100sccm供給し、真空容器1内の圧力を0.5Paに保ちながらコイル8に高周波電力を1300W供給することにより、真空容器1内にプラズマを発生させるとともに、試料電極6に250Wの高周波電力を供給することにより、プラズマ中のボロンイオンを基板9の表面に衝突させて、ボロンを基板9の表面近傍に導入することができた。このとき、基板9の表面近傍に導入されたボロン濃度(ドーズ量)の面内均一性は±0.75%と良好であった。
比較のため、各々のガス吹き出し口15の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極6に対向して設けられたガス吹き出し口15の数が、試料電極6の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の数と同じになる構成にて実験したところ、ドーズ量は基板9の中心に近いほど大きく、面内均一性は±3.4%であった。
様々な実験を行ったところ、プラズマドーピングにおいてドーズ量の均一性を確保するには、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計よりも小さいことが必要であることがわかった。このような状態を実現するために、上述の構成では、各々のガス吹き出し口の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないような構成とした。図6に示すように、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の数と等しく、かつ、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の各々の開口面積が、試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の各々の開口面積よりも小さいような構成としてもよい。
また、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計の1/2以下である場合、すなわち、試料に向けて吹き出すガスの流量が、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスの流量の1/2以下である場合に、良好な均一性が得られることを実験的に確かめた。この場合、試料電極に対向してガス吹き出し口を設けない場合にも、良好な均一性が得られる条件が存在した。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について、図7を参照して説明する。
図7に、本発明の実施の形態3において用いたプラズマドーピング装置の断面図を示す。図7において、真空容器1内に、第1ガス供給装置2及び第2ガス供給装置18から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を試料電極6に対向した誘電体窓7の近傍に設けられたコイル8に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマを発生させることができる。試料電極6上に、試料としてのシリコン基板9を載置する。また、試料電極6に高周波電力を供給するための高周波電源10が設けられており、これは、試料としての基板9がプラズマに対して負の電位をもつように、試料電極6の電位を制御する電圧源として機能する。このようにして、プラズマ中のイオンを試料の表面に向かって加速し衝突させて試料の表面に不純物を導入することができる。なお、第1ガス供給装置2及び第2ガス供給装置18から供給されたガスは、排気口11からポンプ3へ排気される。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、試料電極6の直下に配置されており、また、調圧弁4は、試料電極6の直下で、かつ、ターボ分子ポンプ3の直上に位置する昇降弁である。試料電極6は、基板9を載置する略正方形状の台座となり、各辺において支柱12により真空容器1に固定され、計4本の支柱12により、真空容器1に固定されている。
第1ガス供給装置2内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B26)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第1マスフローコントローラで流量制御する。さらに第2マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第1及び第2マスフローコントローラで流量が制御されたガスをガス供給装置2内で混合した後、配管13を介してガス主経路14に導き、さらにガス主経路14と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口15より真空容器1内に混合ガスを導く。複数のガス吹き出し口15は、試料9の対向面より試料9の周辺部に向けてガスを吹き出すようになっている。
また、第2ガス供給装置18内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B26)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第3マスフローコントローラで流量制御する。さらに第4マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第3及び第4マスフローコントローラで流量が制御されたガスを第2ガス供給装置18内で混合した後、配管19を介してガス主経路20に導き、さらにガス主経路20と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口21より真空容器1内に混合ガスを導く。ガス吹き出し口21は、試料9の対向面より試料9の中心部に向けてガスを吹き出すようになっている。
試料電極6の温度を25℃に保ちつつ、第1ガス供給装置2より、真空容器1内にHeで希釈されたB26ガス、及びHeガスを、それぞれ1sccm、50sccm供給するとともに、第2ガス供給装置18より、真空容器1内にHeで希釈されたB26ガス、及びHeガスを、それぞれ4sccm、50sccm供給し、真空容器1内の圧力を0.5Paに保ちながらコイル8に高周波電力を1300W供給することにより、真空容器1内にプラズマを発生させるとともに、試料電極6に250Wの高周波電力を供給することにより、プラズマ中のボロンイオンを基板9の表面に衝突させて、ボロンを基板9の表面近傍に導入することができた。このとき、基板9の表面近傍に導入されたボロン濃度(ドーズ量)の面内均一性は±0.68%と良好であった。
比較のため、第1ガス供給装置2と第2ガス供給装置から供給するガスに含まれる不純物原料ガスの濃度が等しくなる条件、すなわち、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量と同じになる条件にて実験したところ、ドーズ量は基板9の中心に近いほど大きく、面内均一性は±2.7%であった。
様々な実験を行ったところ、プラズマドーピングにおいてドーズ量の均一性を確保するには、ガス吹き出し口15、21は、誘電体窓7の中心に対してほぼ対称に設けられ、試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出す構造となっていること、つまり、複数のガス吹き出し口15、21が概ね等方的に配置されていることが必要で、また、「試料(電極)の中心部」を、「試料(電極)の中心を含み、かつ、試料(電極)の面積の1/2の面積を有する部分」として定義し、「試料(電極)の周辺部」を、「試料(電極)の中心を含まない残りの部分」として定義すると、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量よりも少なくすることが必要であることがわかった。
また、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量の1/2以下とした場合に、良好な均一性が得られることを実験的に確かめた。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4について、図8を参照して説明する。
図8に、本発明の実施の形態4において用いたプラズマドーピング装置の断面図を示す。図8において、真空容器1内に、第1ガス供給装置2及び第2ガス供給装置18から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を試料電極6に対向した誘電体窓7の近傍に設けられたコイル8に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマを発生させることができる。試料電極6上に、試料としてのシリコン基板9を載置する。また、試料電極6に高周波電力を供給するための高周波電源10が設けられており、これは、試料としての基板9がプラズマに対して負の電位をもつように、試料電極6の電位を制御する電圧源として機能する。このようにして、プラズマ中のイオンを試料の表面に向かって加速し衝突させて試料の表面に不純物を導入することができる。なお、第1ガス供給装置2及び第2ガス供給装置18から供給されたガスは、排気口11からポンプ3へ排気される。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、試料電極6の直下に配置されており、また、調圧弁4は、試料電極6の直下で、かつ、ターボ分子ポンプ3の直上に位置する昇降弁である。試料電極6は、基板9を載置する略正方形状の台座となり、各辺において支柱12により真空容器1に固定され、計4本の支柱12により、真空容器1に固定されている。
第1ガス供給装置2内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B26)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第1マスフローコントローラで流量制御する。さらに第2マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第1及び第2マスフローコントローラで流量が制御されたガスをガス供給装置2内で混合した後、配管13を介してガス主経路14に導き、さらにガス主経路14と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口15より真空容器1内に混合ガスを導く。複数のガス吹き出し口15は、試料9の対向面より試料9に向けてガスを吹き出すようになっている。
また、第2ガス供給装置18内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B26)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第3マスフローコントローラで流量制御する。さらに第4マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第3及び第4マスフローコントローラで流量が制御されたガスを第2ガス供給装置18内で混合した後、配管19を介してガス主経路20に導き、さらにガス主経路20と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口21より真空容器1内に混合ガスを導く。ガス吹き出し口21は、試料9の対向面より試料9が載置された面における試料の外側に向けてガスを吹き出すようになっている。
試料電極6の温度を25℃に保ちつつ、第1ガス供給装置2より、真空容器1内にHeで希釈されたB26ガス、及びHeガスを、それぞれ1sccm、50sccm供給するとともに、第2ガス供給装置18より、真空容器1内にHeで希釈されたB26ガス、及びHeガスを、それぞれ4sccm、50sccm供給し、真空容器1内の圧力を0.5Paに保ちながらコイル8に高周波電力を1300W供給することにより、真空容器1内にプラズマを発生させるとともに、試料電極6に250Wの高周波電力を供給することにより、プラズマ中のボロンイオンを基板9の表面に衝突させて、ボロンを基板9の表面近傍に導入することができた。このとき、基板9の表面近傍に導入されたボロン濃度(ドーズ量)の面内均一性は±0.72%と良好であった。
比較のため、第1ガス供給装置2と第2ガス供給装置から供給するガスに含まれる不純物原料ガスの濃度が等しくなる条件、すなわち、試料に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量が、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量と同じになる条件にて実験したところ、ドーズ量は基板9の中心に近いほど大きく、面内均一性は±2.8%であった。
様々な実験を行ったところ、プラズマドーピングにおいてドーズ量の均一性を確保するには、ガス吹き出し口15、21は、誘電体窓7の中心に対してほぼ対称に設けられ、試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出す構造となっていること、つまり、複数のガス吹き出し口15、21が概ね等方的に配置されていることが必要で、また、試料に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量よりも少なくすることが必要であることがわかった。
また、試料に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量の1/2以下とした場合に、良好な均一性が得られることを実験的に確かめた。
以上述べた本発明の実施形態においては、本発明の適用範囲のうち、真空容器の形状、プラズマ源の方式及び配置等に関して様々なバリエーションのうちの一部を例示したに過ぎない。本発明の適用にあたり、ここで例示した以外にも様々なバリエーションが考えられることは、いうまでもない。
例えば、コイル8を平面状としてもよく、あるいは、ヘリコン波プラズマ源、磁気中性ループプラズマ源、有磁場マイクロ波プラズマ源(電子サイクロトロン共鳴プラズマ源)を用いてもよいし、平行平板型プラズマ源を用いてもよい。
しかし、誘導結合型プラズマ源を用いることは、試料(電極)の対向面に容易にガス吹き出し口を形成できることに繋がり、装置構成上好ましい。
また、ヘリウム以外の不活性ガスを用いてもよく、ネオン、アルゴン、クリプトンまたはキセノン(ゼノン)のうち少なくともひとつのガスを用いることができる。これらの不活性ガスは、試料への悪影響が他のガスよりも小さいという利点がある。
また、試料がシリコンよりなる半導体基板である場合を例示したが、他の様々な材質の試料を処理するに際して、本発明を適用することができる。しかし、本発明は、試料がシリコンよりなる半導体基板である場合に、とくに有用なプラズマドーピング方法である。また、不純物が砒素、燐、ボロン、アルミニウムまたはアンチモンである場合に、とくに有用である。このような構成により、超微細なシリコン半導体デバイスを製造することができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2005年3月30日出願の日本特許出願、出願番号2005-099103に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明のプラズマドーピング方法及び装置は、試料表面に導入される不純物濃度の均一性に優れたプラズマドーピング方法及び装置を提供できる。したがって、半導体の不純物ドーピング工程をはじめ、液晶などで用いられる薄膜トランジスタの製造や、各種材料の表面改質等の用途にも適用できる。
本発明の第1実施形態で用いたプラズマドーピング室の構成を示す断面図 本発明の第1実施形態における誘電体窓の構成を示す平面図 本発明の第1実施形態における誘電体窓の構成を示す平面図 本発明の第2実施形態で用いたプラズマドーピング室の構成を示す断面図 本発明の第2実施形態における誘電体窓の構成を示す平面図 本発明の第2実施形態における誘電体窓の構成を示す平面図 本発明の第3実施形態で用いたプラズマドーピング室の構成を示す断面図 本発明の第4実施形態で用いたプラズマドーピング室の構成を示す断面図 従来例で用いたプラズマドーピング装置の構成を示す断面図 従来例で用いたドライエッチング装置の構成を示す断面図
符号の説明
1 真空容器
2 ガス供給装置
3 ターボ分子ポンプ
4 調圧弁
5 プラズマ源用高周波電源
6 試料電極
7 誘電体窓
8 コイル
9 基板
10 試料電極用高周波電源
11 排気口
12 支柱
13 ガス導入経路
14 ガス主経路
15 ガス吹き出し口

Claims (24)

  1. 真空容器内の試料電極に試料を載置し、試料の対向面より試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物イオンを導入するプラズマドーピング方法であって、
    前記試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量を、試料の周辺部に向けて吹き出すガスの流量よりも少なくしたことを特徴とするプラズマドーピング方法。
  2. 前記試料の中心部が、試料の中心を含み、かつ、試料の面積の1/2の面積を有する部分として定義され、試料の周辺部が、試料の中心を含まない残りの部分として定義されることを特徴とする、請求項1記載のプラズマドーピング方法。
  3. 前記試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスの流量の1/2以下であることを特徴とする、請求項1記載のプラズマドーピング方法。
  4. 真空容器内の試料電極に試料を載置し、試料の対向面より試料が載置された面に向けて概ね等方的にガスを吹き出しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物イオンを導入するプラズマドーピング方法であって、試料に向けて吹き出すガスの流量を、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスの流量よりも少なくしたことを特徴とするプラズマドーピング方法。
  5. 前記試料に向けて吹き出すガスの流量が、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスの流量の1/2以下であることを特徴とする、請求項4記載のプラズマドーピング方法。
  6. 真空容器内の試料電極に試料を載置し、試料の対向面より試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物イオンを導入するプラズマドーピング方法であって、試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量と、試料の周辺部に向けて吹き出すガスの流量とを、別個の流量制御系にて制御し、かつ、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量よりも少なくしたことを特徴とするプラズマドーピング方法。
  7. 前記試料の中心部が、試料の中心を含み、かつ、試料の面積の1/2の面積を有する部分として定義され、試料の周辺部が、試料の中心を含まない残りの部分として定義されることを特徴とする、請求項6記載のプラズマドーピング方法。
  8. 試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量の1/2以下であることを特徴とする、請求項6記載のプラズマドーピング方法。
  9. 真空容器内の試料電極に試料を載置し、試料の対向面より試料が載置された面に向けて概ね等方的にガスを吹き出しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物イオンを導入するプラズマドーピング方法であって、試料の中心部に向けて吹き出すガスの流量と、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスの流量とを、別個の流量制御系にて制御し、かつ、試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量を、試料が載置された面における試料の外側に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量よりも少なくしたことを特徴とするプラズマドーピング方法。
  10. 前記試料の中心部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量が、試料の周辺部に向けて吹き出すガスに含まれる不純物原料ガスの流量の1/2以下であることを特徴とする、請求項9記載のプラズマドーピング方法。
  11. プラズマ源に高周波電力を供給することによって真空容器内にプラズマを発生させることを特徴とする、請求項1、4、6または9のいずれかに記載のプラズマドーピング方法。
  12. 前記試料がシリコンよりなる半導体基板であることを特徴とする、請求項1、4、6または9記載のプラズマドーピング方法。
  13. 前記不純物が砒素、燐、ボロン、アルミニウムまたはアンチモンであることを特徴とする、請求項1、4、6または9のいずれかに記載のプラズマドーピング方法。
  14. 真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極に対向して設けられた複数のガス吹き出し口と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置であって、複数のガス吹き出し口が概ね等方的に配置され、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計よりも小さいことを特徴とするプラズマドーピング装置。
  15. 各々のガス吹き出し口の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないことを特徴とする、請求項14記載のプラズマドーピング装置。
  16. 前記試料電極の中心部が、試料電極の中心を含み、かつ、試料電極の面積の1/2の面積を有する部分として定義され、試料電極の周辺部が、試料電極の中心を含まない残りの部分として定義されることを特徴とする、請求項14記載のプラズマドーピング装置。
  17. 前記試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計の1/2以下であることを特徴とする、請求項14記載のプラズマドーピング装置。
  18. 真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極が設けられた面に対向して設けられた複数のガス吹き出し口と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置であって、複数のガス吹き出し口が概ね等方的に配置され、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極が設けられた面における試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計よりも小さいことを特徴とするプラズマドーピング装置。
  19. 各々のガス吹き出し口の開口面積が概ね等しく、かつ、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の数が、試料電極が設けられた面における試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の数よりも少ないことを特徴とする、請求項18記載のプラズマドーピング装置。
  20. 前記試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計が、試料電極が設けられた面における試料電極の外側に対向して設けられたガス吹き出し口の開口部面積の合計の1/2以下であることを特徴とする、請求項18記載のプラズマドーピング装置。
  21. 真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給する第1及び第2ガス供給装置と、第1ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極の中心部に対向して設けられたガス吹き出し口と、第2ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極の周辺部に対向して設けられたガス吹き出し口と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置であって、ガス吹き出し口が概ね等方的に配置されていることを特徴とするプラズマドーピング装置。
  22. 前記試料電極の中心部が、試料電極の中心を含み、かつ、試料電極の面積の1/2の面積を有する部分として定義され、試料電極の周辺部が、試料電極の中心を含まない残りの部分として定義されることを特徴とする、請求項21記載のプラズマドーピング装置。
  23. 真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給する第1及び第2ガス供給装置と、
    第1ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極に対向して設けられたガス吹き出し口と、
    第1ガス供給装置に接続され、かつ、試料電極が設けられた面における試料電極の外側に
    対向して設けられたガス吹き出し口と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置であって、ガス吹き出し口が概ね等方的に配置されていることを特徴とするプラズマドーピング装置。
  24. プラズマ源と、プラズマ源に高周波電力を供給するプラズマ源用高周波電源を備えたことを特徴とする、請求項14、18、21または23のいずれか記載のプラズマドーピング装置。
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