JP2016058231A - 表面処理用排気ノズル装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面処理用排気ノズル装置の吸い込み室21aを、被処理物9の搬送方向と直交する処理幅方向に延びるように設け、この吸い込み室21aに処理幅方向に延在する吸い込み口21eを形成し、吸い込み口21eの反対側には複数の分配路22aを処理幅方向に間隔を置いて配置する。これら分配路22aを排気路23aにて連ね、排気路23aを排気手段4に接続する。各分配路22aにオリフィス24aを設ける。
【選択図】図1
Description
排気を均一にするために、吸い込み室における処理幅方向に離れた複数の位置から分配管を分岐させ、これら分配管を1つの排気路で連ねるとともに、各分配管に流量調節バルブを設け、各バルブの開度を調節することが考えられる。しかし、複数のバルブを1つ1つ開度調節するのは煩雑であり、1つのバルブの開度を変更すると、他のバルブにおける排気流にも影響が出てしまう。また、バルブの分だけ設備コストが嵩む。
本発明は、上記事情に鑑み、表面処理用排気ノズルにおいて、簡易かつ安価な構成によって排気を均一化することを目的とする。
前記搬送方向と直交する処理幅方向に延在する吸い込み口を有して前記処理幅方向に拡がる吸い込み室と、
前記吸い込み室における前記吸い込み口とは反対側に連なるとともに、前記処理幅方向に間隔を置いて配置された複数の分配路と、
前記複数の分配路を連ねるようにして延び、かつ排気手段に接続された排気路と、
を備え、前記各分配路にオリフィスが設けられていることを特徴とする。
この排気ノズル装置によれば、排気手段の駆動によって、処理空間のガスを吸い込み口から吸い込み室に吸い込み、更にオリフィス(固定絞り)を含む複数の分配路、及び排気路を順次経て排気する。このとき、ガスが各オリフィスを通過することによって大きな圧力降下が生じる。このため、排気路全体の内圧が排気手段の設定吸引圧に近くなる。したがって、排気路の内圧のばらつきを小さくできる。これによって、簡易かつ安価な構成によって、吸い込み流量を処理幅方向にほぼ均一化できる。
これによって、吸い込み流量を処理幅方向に確実に均一化することができる。
これによって、吸い込み流量を処理幅方向に一層確実に均一化することができる。
これによって、オリフィスにおいて所望の圧力降下量を得ることができ、吸い込み流量を処理幅方向に一層確実に均一化することができる。また、過度な圧力損失で排気に支障を来すのを防止できる。
図1〜図3は、本発明の第1実施形態に係る表面処理装置1を示したものである。表面処理装置1によって、被処理物9を表面処理する。表面処理の内容は、特に限定が無く、成膜、表面改質(親水化、撥水化等)、粗面化、エッチング、洗浄、その他の種々の処理内容が挙げられる。被処理物9は、例えばガラス基板にて構成されているが、これに限られず、樹脂フィルム等であってもよい。
なお、搬送手段は、コンベア2に限られず、ベルトコンベアでもよく、ロボットアームであってもよい。
なお、排気手段は、排気ブロア4に限られず、排気ポンプ等であってもよい。排気手段には、排気ガス中の環境負荷成分を除去、捕捉、分解等するフィルタやスクラバ等の清浄部が付設されていてもよい。
詳しくは、図4に示すように、ノズルハウジング12の底板12b上に複数のオリフィス板24が処理幅方向に互いに離れて配置されている。オリフィス板24は、円板形状になっているが、これに限られず、四角形の板状であってもよい。図1及び図3においては、オリフィス板24の数は6つであるが、これに限られず、2つ〜5つであってもよく、7つ以上であってもよい。オリフィス板24は、分配管22と一対一に対応している。各オリフィス板24が、対応する分配管22の上端部に被さっている。図4に示すように、各オリフィス板24の中心部に小孔状のオリフィス24aが形成されている。オリフィス24aは、オリフィス板24を厚み方向(上下)に貫通している。オリフィス24aの形状は円形であるが、これに限られず楕円形や四角形等の円形以外の形状であってもよい。このオリフィス24aによって分配路22aの上流端が構成されている。オリフィス24aを介して、吸い込み室21aと、分配路22aにおけるオリフィス24aより下側(下流側)の部分ひいては排気路23aとが連通されている。図1及び図3に示すように、複数のオリフィス24aは、処理幅方向に互いに離れて配置され、好ましくは、吸い込み室21aにおける処理幅方向の両端部間に均等に離散配置されている。
例えば、排気路23aの直径が100mm〜200mm程度、好ましくは125mm〜150mm程度の場合、各オリフィス24aの直径は、8mm〜15mm程度が好ましく、10mm程度がより好ましい。
好ましくは、排気路23aの長さは、被処理物9の処理幅方向の長さとほぼ等しい。排気路23aの長さ及び被処理物9の処理幅方向の長さが1000mm〜3500mm程度、好ましくは1500mm程度の場合、各オリフィス24aの直径は、排気路23aの直径の15分の1〜8分の1程度が好ましく、15分の1〜10分の1程度がより好ましい。また、各オリフィス24aの流路断面積は、排気路23aの流路断面積の200分の1〜50分の1程度が好ましい。オリフィス24aの直径ないしは流路断面積が小さ過ぎると、過度な圧力損失が生じてしまい、排気に支障を来すおそれがある。オリフィス24aの直径ないしは流路断面積が大きすぎると、所望の圧力降下量を得ることができない。
各オリフィス24aの路長(上下方向の寸法)は、例えば5mm〜20mm程度が好ましく、10mm程度がより好ましい。
<搬送工程>
被処理物9を、コンベア2によって処理空間19を横切るように搬送方向へ搬送する(搬送工程)。
併行して、上記処理ガス供給部3にてプラズマ化した処理ガスを吹き出しノズル11に供給する(処理ガス供給工程)。吹き出しノズル11では、処理ガスを処理幅方向に拡散させて均一化する。この処理ガスを、吹き出し口11eの処理幅方向の全域から均一に処理空間19へ吹き出す。この処理ガスが、処理空間19内の被処理物9の下面に接触することで、被処理物9の下面が表面処理される(表面処理工程)。
更に併行して、上記接触後の処理ガス等を含む処理空間19のガスを排気ノズル装置20によって排気する(排気工程)。
詳しくは、排気ブロア4の駆動によって、処理空間19のガスを一対の吸い込み口21e,21eの処理幅方向の全域からそれぞれ吸い込み室21a内に吸い込む。更に、吸い込んだガスを吸い込み室21aからオリフィス24a、分配路22a、及び排気路23aを順次経て排気する。このとき、吸い込み室21aの内圧は、処理空間19の内圧(すなわちほぼ大気圧)に対して大きく低下する。さらに、ガスが各オリフィス24aを通過することによって、一層大きな圧力降下が生じる。このため、各分配管22の内圧が吸い込み室21aの内圧よりも大きく低下する。したがって、排気路23a全体の内圧が排気ブロア4の設定吸引圧に十分に近くなる。
言い換えると、各オリフィス24aにおける圧力降下量ΔP24が、排気路23aの上記内圧差ΔP23よりも十分に大きくなる。好ましくは、各オリフィス24aにおける圧力降下量ΔP24は、排気路23aの上記内圧差ΔP23の10倍〜120倍程度である。
(Vmax−Vmin)x100/Vmax (1)
(Vmax−Vmin)x100/Vmin (2) 単位はパーセント[%]
Vmaxは、吸い込み口21eの処理幅方向において吸い込み流量が最大になる箇所の当該吸い込み流量である。
Vminは、吸い込み口21eの処理幅方向において吸い込み流量が最小になる箇所の当該吸い込み流量である。
また、複数の流量調節バルブを設置して、それらの開度を1つ1つ調節する必要もなく、互いに等大のオリフィス24aを有する複数のオリフィス板24を設置すれば足りるため、装置20の作製及び設定が容易である。
図5は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態では、排気ノズル装置20Bが被処理物9の搬送路よりも上側に配置されている。排気ノズル装置20Bは、処理幅方向に長い容器形状になっている。排気ノズル装置20Bの底面にスリット状の吸い込み口21eが形成されている。
第2実施形態の排気ノズル装置20Bによれば、複数の分配管22及びオリフィス板24等が不要であり、構造を一層簡易化できるとともに、設備コストを一層安価にできる。
例えば、第1実施形態において、オリフィス24aが、分配路22aの中間部又は下端部に設けられていてもよい。
吸い込み室21aの形状や大きさなどによっては、複数の分配管22ないしはオリフィス24aが、処理幅方向に沿って不均等に配置されていてもよい。
複数のオリフィス24aの直径(流路断面積)が互いに異なっていてもよい。
複数の分配管22の長さが互いに異なっていてもよい。
排気管23ひいては排気路23aの延び方向が処理幅方向に対して交差していてもよい。
吸い込み口21eが、処理幅方向に並設(延在)された複数の穴部によって構成されていてもよい。
排気ブロア4が、排気管23の端部ではなく、排気管23の処理幅方向の中間部に接続されていてもよい。
被処理物9を位置固定させ、ノズルヘッド10を被処理物9に対して搬送させてもよい。
実施形態の表面処理装置1は、処理空間19の外部の一対の電極間において処理ガスをプラズマ化する、所謂リモート式のプラズマ処理装置であったが、一対の電極間を処理空間19とし、処理空間19内でプラズマを生成する、所謂ダイレクト式のプラズマ処理装置であってもよい。
2 コンベア(搬送手段)
3 処理ガス供給部
4 排気ブロア(排気手段)
9 被処理物
10 ノズルヘッド
11 吹き出しノズル
11e 吹き出し口
12 ノズルハウジング
12a 側板
12b 底板
12e 端板
13 天板
19 処理空間
20 排気ノズル装置
21 吸い込みチャンバー
21a 吸い込み室
21e 吸い込み口
22 分配管
22a 分配路
23 排気管
23a 排気路
23c 最上流側接続部
23d 最下流側接続部
24 オリフィス板
24a オリフィス
20B 排気ノズル装置
25 仕切り板
Claims (4)
- 被処理物を、ほぼ大気圧の処理空間に通すように搬送方向へ相対移動させながら、前記搬送方向と直交する処理幅方向の各位置から処理ガスを前記処理空間に吹き出して前記被処理物に接触させることによって前記被処理物を表面処理する表面処理装置における、前記処理空間から排気する排気ノズル装置であって、
前記搬送方向と直交する処理幅方向に延在する吸い込み口を有して前記処理幅方向に拡がる吸い込み室と、
前記吸い込み室における前記吸い込み口とは反対側に連なるとともに、前記処理幅方向に間隔を置いて配置された複数の分配路と、
前記複数の分配路を連ねるようにして延び、かつ排気手段に接続された排気路と、
を備え、前記各分配路にオリフィスが設けられていることを特徴とする表面処理用排気ノズル装置。 - 前記複数の分配路ひいては前記オリフィスが、前記吸い込み室における前記処理幅方向の両端部間に均等に離散配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表面処理用排気ノズル装置。
- 前記各オリフィスにおける圧力降下量が、前記排気路における最も上流側の分配路との接続部と最も下流側の分配路との接続部との間の内圧差より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理用排気ノズル装置。
- 前記各オリフィスの流路断面積が、前記排気路の流路断面積の200分の1〜50分の1であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表面処理用排気ノズル装置。
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