JP2016058231A - 表面処理用排気ノズル装置 - Google Patents

表面処理用排気ノズル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被処理物の表面処理用の排気ノズル装置において、簡易かつ安価な構成によって排気を均一化する。
【解決手段】表面処理用排気ノズル装置の吸い込み室21aを、被処理物9の搬送方向と直交する処理幅方向に延びるように設け、この吸い込み室21aに処理幅方向に延在する吸い込み口21eを形成し、吸い込み口21eの反対側には複数の分配路22aを処理幅方向に間隔を置いて配置する。これら分配路22aを排気路23aにて連ね、排気路23aを排気手段4に接続する。各分配路22aにオリフィス24aを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理物を処理ガスで表面処理する表面処理装置における排気ノズル装置に関する。
特許文献1では、フィルム状の被処理物をロール電極に巻き付けて搬送するとともに、ロール電極と対向するガス供給口から処理ガスを吹き出して被処理物に接触させ、かつロール電極と対向する角筒電極とロール電極との間で放電を生成することによって、被処理物の表面をプラズマ処理している。さらに、排気ノズルがロール電極と対向するように設けられており、接触後の処理ガスが排気ノズルに吸い込まれて排気される。この排気ノズルにバッフルボードやラビリンスを設けることで、搬送方向と直交する処理幅方向の各位置における排気が均一になるようにしている。さらには、マスフローコントローラーを用いて排気を制御している。
特開2004−162136号公報
排気ノズルにバッフルボードやラビリンスを設けると排気構造が複雑になり、設備コストも高くなる。また、排気経路が複雑であるため過度な圧力損失が生じて排気自体に支障が出るおそれがある。さらに、マスフローコントローラーを用いると、設備コストが一層高くなってしまう。
排気を均一にするために、吸い込み室における処理幅方向に離れた複数の位置から分配管を分岐させ、これら分配管を1つの排気路で連ねるとともに、各分配管に流量調節バルブを設け、各バルブの開度を調節することが考えられる。しかし、複数のバルブを1つ1つ開度調節するのは煩雑であり、1つのバルブの開度を変更すると、他のバルブにおける排気流にも影響が出てしまう。また、バルブの分だけ設備コストが嵩む。
本発明は、上記事情に鑑み、表面処理用排気ノズルにおいて、簡易かつ安価な構成によって排気を均一化することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る表面処理用排気ノズル装置は、被処理物を、ほぼ大気圧の処理空間に通すように搬送方向へ相対移動させながら、前記搬送方向と直交する処理幅方向の各位置から処理ガスを前記処理空間に吹き出して前記被処理物に接触させることによって前記被処理物を表面処理する表面処理装置における、前記処理空間から排気する排気ノズル装置であって、
前記搬送方向と直交する処理幅方向に延在する吸い込み口を有して前記処理幅方向に拡がる吸い込み室と、
前記吸い込み室における前記吸い込み口とは反対側に連なるとともに、前記処理幅方向に間隔を置いて配置された複数の分配路と、
前記複数の分配路を連ねるようにして延び、かつ排気手段に接続された排気路と、
を備え、前記各分配路にオリフィスが設けられていることを特徴とする。
この排気ノズル装置によれば、排気手段の駆動によって、処理空間のガスを吸い込み口から吸い込み室に吸い込み、更にオリフィス(固定絞り)を含む複数の分配路、及び排気路を順次経て排気する。このとき、ガスが各オリフィスを通過することによって大きな圧力降下が生じる。このため、排気路全体の内圧が排気手段の設定吸引圧に近くなる。したがって、排気路の内圧のばらつきを小さくできる。これによって、簡易かつ安価な構成によって、吸い込み流量を処理幅方向にほぼ均一化できる。
前記複数の分配路ひいては前記オリフィスが、前記吸い込み室における前記処理幅方向の両端部間に均等に離散配置されていることが好ましい。
これによって、吸い込み流量を処理幅方向に確実に均一化することができる。
好ましくは、前記各オリフィスにおける圧力降下量が、前記排気路における最も上流側の分配路との接続部と最も下流側の分配路との接続部との間の内圧差より大きく、より好ましくは十分に大きい。
これによって、吸い込み流量を処理幅方向に一層確実に均一化することができる。
前記各オリフィスの流路断面積(又は直径)は、前記排気路の流路断面積(又は直径)及び前記排気路の長さに応じて設定することが好ましい。一般的な排気路の大きさを考慮すると、前記各オリフィスの流路断面積は、前記排気路の流路断面積の200分の1〜50分の1程度であることが好ましい。或いは、前記各オリフィスの直径は、前記排気路の直径の15分の1〜8分の1程度であることが好ましい。
これによって、オリフィスにおいて所望の圧力降下量を得ることができ、吸い込み流量を処理幅方向に一層確実に均一化することができる。また、過度な圧力損失で排気に支障を来すのを防止できる。
本発明の表面処理は、大気圧近傍下で行なうことが好ましい。ここで、大気圧近傍とは、1.013×10〜50.663×10Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×10〜10.664×10Paが好ましく、9.331×10〜10.397×10Paがより好ましい。
本発明に係る表面処理用排気ノズル装置によれば、簡易かつ安価な構成によって排気を均一化することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る表面処理用排気ノズルを含む表面処理装置の概略構成を示し、図2のI−I線に沿う側面断面図である。 図2は、図1のII−II線に沿う正面断面図である。 図3は、図1のIII−III線に沿う平面断面図である。 図4は、図1の円部IVを拡大して示す断面図である。 図5は、本発明の第2実施形態に係る表面処理用排気ノズルの斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図3は、本発明の第1実施形態に係る表面処理装置1を示したものである。表面処理装置1によって、被処理物9を表面処理する。表面処理の内容は、特に限定が無く、成膜、表面改質(親水化、撥水化等)、粗面化、エッチング、洗浄、その他の種々の処理内容が挙げられる。被処理物9は、例えばガラス基板にて構成されているが、これに限られず、樹脂フィルム等であってもよい。
図2に示すように、表面処理装置1は、コンベア2(搬送手段)と、ノズルヘッド10とを備えている。コンベア2によって、被処理物9が水平な搬送方向(図1の紙面と直交する方向、図2の左右方向)に沿って搬送される。
なお、搬送手段は、コンベア2に限られず、ベルトコンベアでもよく、ロボットアームであってもよい。
図1及び図2に示すように、ノズルヘッド10は、吹き出しノズル11と、ノズルハウジング12と、天板13を有している。ノズルハウジング12は、一対の側板12a,12aと、底板12bと、一対の端板12e,12eとを有し、上記搬送方向と直交する処理幅方向に長く延びる容器状になっている。一対の側板12a,12aが、搬送方向(図2において左右)の両側部に配置されている。一対の端板12e,12eが、処理幅方向(図1において左右)の両側に配置されている。このノズルハウジング12の上方に天板13が配置されている。一対の端板12e,12eが、側板12aよりも上へ突出して、天板13の端部を支持している。
ノズルハウジング12の内部には、吹き出しノズル11が収容されている。吹き出しノズル11は、処理幅方向に長く延びている。吹き出しノズル11の上面は、側板12aの上端縁とほぼ同じ高さに位置している。図3に示すように、吹き出しノズル11の上面には、吹き出し口11eが形成されている。吹き出し口11eは、上方へ向かって開口されるとともに、処理幅方向に延びるスリット状になっている。
図1及び図2に示すように、天板13と吹き出しノズル11との間に処理空間19が画成されている。処理空間19は、処理幅方向に延びる扁平な空間になっている。処理空間19の搬送方向の両端部は、開口されて被処理物9の搬入出口を構成している。処理空間19の処理幅方向の両端部は端板12eによって閉じられている。処理空間19の内圧は、ほぼ大気圧である。この処理空間19に被処理物9が搬送方向に通される。処理空間19における搬送方向の中央部に吹き出し口11eが連なっている。
図2に示すように、吹き出しノズル11に処理ガス供給部3が接続されている。詳細な図示は省略するが、処理ガス供給部3は、一対の電極、電源、及びガス供給源を含む。処理ガスが、ガス供給源から一対の電極どうし間のギャップに供給されるとともに、電源からの電圧供給によって一対の電極間に電界が印加され、電極間にプラズマ放電が生成される。これによって、処理ガスが活性化(プラズマ化、ラジカル化、イオン化等を含む)されることで、反応性を付与される。この処理ガスが、吹き出しノズル11に導入される。吹き出しノズル11の内部にはガス均一化部(図示省略)が設けられている。ガス均一化部は、処理幅方向に段階的にツリー状に分岐する拡散路や、処理幅方向に拡がる拡散室等を含み、処理ガスを処理幅方向へほぼ均一に拡散させる。この処理ガスが、吹き出し口11eの処理幅方向の各位置から上方へ吹き出される。処理ガスの吹き出し流は、処理幅方向にほぼ均一になっている。
図1及び図2に示すように、更に、表面処理装置1は、排気ノズル装置20を備えている。排気ノズル装置20は、吸い込みチャンバー21と、複数の分配管22と、排気管23を含む。吸い込みチャンバー21は、ノズルヘッド10の一部によって構成されている。言い換えると、ノズルヘッド10が吸い込みチャンバー21を兼ねている。ノズルハウジング12と吹き出しノズル11との間の空間が、吸い込み室21aとなっている。吸い込み室21aは、ノズルヘッド10の処理幅方向の全長にわたって拡がっている。この吸い込み室21a内をガスが概略下方へ流れる。すなわち、吸い込み室21a内におけるガスの主な流れ方向は、処理幅方向及び搬送方向に対して交差している。
図2に示すように、吸い込み室21aの上端部は、吹き出しノズル11を挟んで搬送方向の両側(図2において左右)に分かれて配置され、上方へ開口されている。この吸い込み室21aの上端部が吸い込み口21eを構成している。すなわち、吸い込み室21aは、一対の吸い込み口21e,21eを有している。図3に示すように、各吸い込み口21eは、ノズルハウジング12の側板12aの上端縁と吹き出しノズル11との間に形成されており、処理幅方向に延在するスリット状になっている。この吸い込み口21eが処理空間19の搬送方向の端部に連なっている。一対の吸い込み口21e,21eどうしの間に、吹き出し口11eが配置されている。
図1に示すように、ノズルヘッド10ひいては吸い込みチャンバー21の下方に複数の分配管22が設けられている。これら分配管22は、それぞれ上下に延びるとともに、互いに処理幅方向に間隔を置いて配置されている。好ましくは、分配管22は、吸い込み室21aにおける処理幅方向の両端部間に均等に離散配置されている。図1においては、分配管22の数は6つであるが、これに限られず、2つ〜5つであってもよく、7つ以上であってもよい。好ましくは、分配管22の数は、ノズルヘッド10の処理幅方向の長さなどに応じて設定される。各分配管22の上端部が、ノズルヘッド10の底板12bに接続され、各分配管22内の分配路22aが、吸い込み室21aの底部(吸い込み口21eとは反対側)に連なっている。複数の分配管22ひいては複数の分配路22aの長さ及び直径(流路断面積)は互いに等しい。分配管22の材質としては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)等の安価な既存の樹脂管を用いることができる。なお、分配管22は、樹脂管に限られず、金属管にて構成されていてもよい。
分配管22の下方には排気管23が配置されている。排気管23は、吸い込みチャンバー21と平行に処理幅方向へ延びている。排気管23の延び方向(処理幅方向)の複数箇所において分配管22の下端部が連結されている。これによって、排気管23内の排気路23aが、複数の分配路22aを連ねるように延びている。排気管23は、各分配管22よりも太く、排気路23aの流路断面積は、各分配路22aの流路断面積よりも大きい。排気路23aの流路断面積は、複数の分配路22a,22a…の流路断面積の合計より大きいことが好ましい。例えば、同一の大きさの分配路22aが6つある場合、排気路233aの流路断面積は、1つの分配路22aの流路断面積の6倍以上であることが好ましい。排気管23の上流端(図1において右端)は閉塞されている。排気管23の下流端(図1において左端)は、排気ブロア4(排気手段)に直接又は主排気管等を介して接続されている。排気管23の材質としては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)等の安価な既存の樹脂管を用いることができる。
なお、排気手段は、排気ブロア4に限られず、排気ポンプ等であってもよい。排気手段には、排気ガス中の環境負荷成分を除去、捕捉、分解等するフィルタやスクラバ等の清浄部が付設されていてもよい。
図1に示すように、各分配路22aにはオリフィス24aが設けられている。
詳しくは、図4に示すように、ノズルハウジング12の底板12b上に複数のオリフィス板24が処理幅方向に互いに離れて配置されている。オリフィス板24は、円板形状になっているが、これに限られず、四角形の板状であってもよい。図1及び図3においては、オリフィス板24の数は6つであるが、これに限られず、2つ〜5つであってもよく、7つ以上であってもよい。オリフィス板24は、分配管22と一対一に対応している。各オリフィス板24が、対応する分配管22の上端部に被さっている。図4に示すように、各オリフィス板24の中心部に小孔状のオリフィス24aが形成されている。オリフィス24aは、オリフィス板24を厚み方向(上下)に貫通している。オリフィス24aの形状は円形であるが、これに限られず楕円形や四角形等の円形以外の形状であってもよい。このオリフィス24aによって分配路22aの上流端が構成されている。オリフィス24aを介して、吸い込み室21aと、分配路22aにおけるオリフィス24aより下側(下流側)の部分ひいては排気路23aとが連通されている。図1及び図3に示すように、複数のオリフィス24aは、処理幅方向に互いに離れて配置され、好ましくは、吸い込み室21aにおける処理幅方向の両端部間に均等に離散配置されている。
複数のオリフィス24aの直径(流路断面積)及び路長(上下方向の寸法)は互いに等しい。
例えば、排気路23aの直径が100mm〜200mm程度、好ましくは125mm〜150mm程度の場合、各オリフィス24aの直径は、8mm〜15mm程度が好ましく、10mm程度がより好ましい。
好ましくは、排気路23aの長さは、被処理物9の処理幅方向の長さとほぼ等しい。排気路23aの長さ及び被処理物9の処理幅方向の長さが1000mm〜3500mm程度、好ましくは1500mm程度の場合、各オリフィス24aの直径は、排気路23aの直径の15分の1〜8分の1程度が好ましく、15分の1〜10分の1程度がより好ましい。また、各オリフィス24aの流路断面積は、排気路23aの流路断面積の200分の1〜50分の1程度が好ましい。オリフィス24aの直径ないしは流路断面積が小さ過ぎると、過度な圧力損失が生じてしまい、排気に支障を来すおそれがある。オリフィス24aの直径ないしは流路断面積が大きすぎると、所望の圧力降下量を得ることができない。
各オリフィス24aの路長(上下方向の寸法)は、例えば5mm〜20mm程度が好ましく、10mm程度がより好ましい。
上記の表面処理装置1によって被処理物9を表面処理する方法を、排気ノズル装置20による排気工程を中心に説明する。
<搬送工程>
被処理物9を、コンベア2によって処理空間19を横切るように搬送方向へ搬送する(搬送工程)。
<処理ガス供給工程〜表面処理工程>
併行して、上記処理ガス供給部3にてプラズマ化した処理ガスを吹き出しノズル11に供給する(処理ガス供給工程)。吹き出しノズル11では、処理ガスを処理幅方向に拡散させて均一化する。この処理ガスを、吹き出し口11eの処理幅方向の全域から均一に処理空間19へ吹き出す。この処理ガスが、処理空間19内の被処理物9の下面に接触することで、被処理物9の下面が表面処理される(表面処理工程)。
<排気工程>
更に併行して、上記接触後の処理ガス等を含む処理空間19のガスを排気ノズル装置20によって排気する(排気工程)。
詳しくは、排気ブロア4の駆動によって、処理空間19のガスを一対の吸い込み口21e,21eの処理幅方向の全域からそれぞれ吸い込み室21a内に吸い込む。更に、吸い込んだガスを吸い込み室21aからオリフィス24a、分配路22a、及び排気路23aを順次経て排気する。このとき、吸い込み室21aの内圧は、処理空間19の内圧(すなわちほぼ大気圧)に対して大きく低下する。さらに、ガスが各オリフィス24aを通過することによって、一層大きな圧力降下が生じる。このため、各分配管22の内圧が吸い込み室21aの内圧よりも大きく低下する。したがって、排気路23a全体の内圧が排気ブロア4の設定吸引圧に十分に近くなる。
排気ブロア4の吸い込み圧(ゲージ圧)は、排気路20aに接続される前に簡易なバルブなどで調整され、例えば−500Pa〜−30Pa程度であり、好ましくは−150Pa〜−50Pa程度である。そして、各オリフィス24aにおいて、例えば−120Pa〜−10Pa程度、好ましくは−40Pa程度の圧力降下が生じることで、各オリフィス24aの二次圧ひいては排気路23a全体の内圧が、排気ブロア4の調整された吸引圧(好ましくは−50Pa程度)に十分に近くなる。
厳密には、排気路23aの内圧は、下流側(図1において左側)に向かうにしたがって漸減して排気ブロア4の設定吸引圧により近づく。しかし、上述したように、排気ブロア4に対する遠近に関わらず、各オリフィス24aにおいて、排気ブロア4の設定吸引圧に十分に近くなるほどの圧力降下が生じている。そのため、排気路23aの両端部間の内圧差を僅少にすることができる。詳しくは、排気路23aにおける最も上流側(図1において右端)の分配路22との接続部23cと、最も下流側(図1において左端)の分配路22との接続部23dとの間の内圧差ΔP23を、各オリフィス24aにおける圧力降下量ΔP24と比べて十分に小さい値にすることができる(ΔP24>>ΔP23)。
言い換えると、各オリフィス24aにおける圧力降下量ΔP24が、排気路23aの上記内圧差ΔP23よりも十分に大きくなる。好ましくは、各オリフィス24aにおける圧力降下量ΔP24は、排気路23aの上記内圧差ΔP23の10倍〜120倍程度である。
例えば、排気路23aの内径125mm、長さ2mとし、かつオリフィス24aの内直径10mm、厚み10mmとし、8つのオリフィス24aを等間隔で配置した場合において、排気ブロア4の設定吸引圧(ゲージ圧)を−50Pa程度、排気流量を2m/minとすると、オリフィス24aにおいてΔP24=40Pa程度の圧力降下が生じ、排気路23aの両端部間の内圧差ΔP23は、概算でΔP23=1.7Paとなる。したがって、排気路23aの両端部間の内圧差ΔP23は、オリフィス24aでの圧力降下量ΔP24と比べて無視し得る程度に小さい。
これによって、吸い込み室21aでの処理幅方向における圧力のばらつき(最大圧力−最小圧力)を、当該吸い込み室21aの平均圧力に対して十分に小さくできる。ひいては、吸い込み口21eでの処理幅方向における圧力のばらつき(最大圧力−最小圧力)を、当該吸い込み口21eの平均圧力に対して十分に小さくできる。ここで、ガスの流量差は、圧力差の1/2乗に比例する。また、圧力差は、配管径の5乗に反比例し、かつ配管長さに比例する。したがって、吸い込み口21eでの処理幅方向における吸い込み流量のばらつき(最大流量−最小流量)を、当該吸い込み口21eの平均吸い込み流量に対して一層小さくできる。よって、処理空間19から吸い込み口21eに吸い込まれるガス流量を処理幅方向にほぼ均一化できる。この結果、処理空間19におけるガスの流れを均一化でき、被処理物9の表面処理度合を処理幅方向に均一化できる。好ましくは、吸い込み口21eでの吸い込み流量の処理幅方向のばらつきを±10%程度以下にすることができる。
ここで、上記吸い込み口21eでの吸い込み流量の処理幅方向のばらつきは、下式(1)又は(2)にて算出される。
(Vmax−Vmin)x100/Vmax (1)
(Vmax−Vmin)x100/Vmin (2) 単位はパーセント[%]
maxは、吸い込み口21eの処理幅方向において吸い込み流量が最大になる箇所の当該吸い込み流量である。
minは、吸い込み口21eの処理幅方向において吸い込み流量が最小になる箇所の当該吸い込み流量である。
以上のように、排気ノズル装置20によれば、簡易な構造のオリフィス板24によって排気流を十分に均一化することができる。ラビリンスや流量調節バルブやマスフローコントローラーを設ける必要はなく、設備コストを安価にできるとともに、省スペース化を図ることができる。さらに、ラビリンス等が不要であるため、排気経路の複雑化を防止できるだけでなく、圧力損失が過度に高くなるのを防止でき、ひいては排気に支障が出るおそれを回避できる。
また、複数の流量調節バルブを設置して、それらの開度を1つ1つ調節する必要もなく、互いに等大のオリフィス24aを有する複数のオリフィス板24を設置すれば足りるため、装置20の作製及び設定が容易である。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を簡略化する。
図5は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態では、排気ノズル装置20Bが被処理物9の搬送路よりも上側に配置されている。排気ノズル装置20Bは、処理幅方向に長い容器形状になっている。排気ノズル装置20Bの底面にスリット状の吸い込み口21eが形成されている。
排気ノズル装置20Bの内部には、仕切り板25が設けられている。仕切り板25によって、排気ノズル装置20Bの内部が、仕切り板25より下側の吸い込み室21aと、仕切り板25より上側の排気路23aとに仕切られている。排気路23aの処理幅方向の一端部に排気ブロア4が接続されている。
仕切り板25に複数のオリフィス24aが形成されている。これらオリフィス24aは、処理幅方向に間隔を置いて、好ましくは等間隔置きに配置されている。各オリフィス24aを介して、吸い込み室21aと排気路23aとが連なっている。したがって、第2実施形態においては、オリフィス24aが分配路22aを兼ねている。或いは、分配路22aが、オリフィス24aだけで構成されている。
第2実施形態の排気ノズル装置20Bによれば、複数の分配管22及びオリフィス板24等が不要であり、構造を一層簡易化できるとともに、設備コストを一層安価にできる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、第1実施形態において、オリフィス24aが、分配路22aの中間部又は下端部に設けられていてもよい。
吸い込み室21aの形状や大きさなどによっては、複数の分配管22ないしはオリフィス24aが、処理幅方向に沿って不均等に配置されていてもよい。
複数のオリフィス24aの直径(流路断面積)が互いに異なっていてもよい。
複数の分配管22の長さが互いに異なっていてもよい。
排気管23ひいては排気路23aの延び方向が処理幅方向に対して交差していてもよい。
吸い込み口21eが、処理幅方向に並設(延在)された複数の穴部によって構成されていてもよい。
排気ブロア4が、排気管23の端部ではなく、排気管23の処理幅方向の中間部に接続されていてもよい。
被処理物9を位置固定させ、ノズルヘッド10を被処理物9に対して搬送させてもよい。
実施形態の表面処理装置1は、処理空間19の外部の一対の電極間において処理ガスをプラズマ化する、所謂リモート式のプラズマ処理装置であったが、一対の電極間を処理空間19とし、処理空間19内でプラズマを生成する、所謂ダイレクト式のプラズマ処理装置であってもよい。
本発明は、例えばフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の表面処理等に適用できる。
1 表面処理装置
2 コンベア(搬送手段)
3 処理ガス供給部
4 排気ブロア(排気手段)
9 被処理物
10 ノズルヘッド
11 吹き出しノズル
11e 吹き出し口
12 ノズルハウジング
12a 側板
12b 底板
12e 端板
13 天板
19 処理空間
20 排気ノズル装置
21 吸い込みチャンバー
21a 吸い込み室
21e 吸い込み口
22 分配管
22a 分配路
23 排気管
23a 排気路
23c 最上流側接続部
23d 最下流側接続部
24 オリフィス板
24a オリフィス
20B 排気ノズル装置
25 仕切り板

Claims (4)

  1. 被処理物を、ほぼ大気圧の処理空間に通すように搬送方向へ相対移動させながら、前記搬送方向と直交する処理幅方向の各位置から処理ガスを前記処理空間に吹き出して前記被処理物に接触させることによって前記被処理物を表面処理する表面処理装置における、前記処理空間から排気する排気ノズル装置であって、
    前記搬送方向と直交する処理幅方向に延在する吸い込み口を有して前記処理幅方向に拡がる吸い込み室と、
    前記吸い込み室における前記吸い込み口とは反対側に連なるとともに、前記処理幅方向に間隔を置いて配置された複数の分配路と、
    前記複数の分配路を連ねるようにして延び、かつ排気手段に接続された排気路と、
    を備え、前記各分配路にオリフィスが設けられていることを特徴とする表面処理用排気ノズル装置。
  2. 前記複数の分配路ひいては前記オリフィスが、前記吸い込み室における前記処理幅方向の両端部間に均等に離散配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表面処理用排気ノズル装置。
  3. 前記各オリフィスにおける圧力降下量が、前記排気路における最も上流側の分配路との接続部と最も下流側の分配路との接続部との間の内圧差より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理用排気ノズル装置。
  4. 前記各オリフィスの流路断面積が、前記排気路の流路断面積の200分の1〜50分の1であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表面処理用排気ノズル装置。
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