JP6919537B2 - 熱転写印画装置 - Google Patents

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本発明は、熱転写印画装置及び熱転写シートに関する。
熱転写印画装置にあっては、昇華転写用染料を記録材とし、これをポリエステルフィルム等の基材上に適当なバインダで担持させた染料層を有する熱転写シートから、昇華染料で染着可能な被転写材、例えば、紙やプラスチックフィルム等に染料受容層を形成した受像シート上に昇華染料を熱転写し、各種のフルカラー画像を形成する。
従来の熱転写シートは、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層の3色の染料層及び保護層を面順次に繰り返し塗布し、3色の染料層及び保護層に、あるいはイエロー等の印画開始の色の染料層の頭に、カーボンブラック、アルミニウム等の顔料を用いたインクで検知マークを印刷形成していた。そして、受像シートに、イエロー画像、マゼンタ画像、シアン画像を重ねて転写してカラー画像を形成し、カラー画像上に保護層を転写する。その際に、まず熱転写シートのイエロー染料層の検知マークを読み取り、そのイエロー染料層と受像シートの印画開始位置を合わせて、印画を行う。次にマゼンタ染料層と受像シートの印画開始位置を合わせて、印画を行う。この時は、熱転写シートを所定の長さ搬送すれば、マゼンタ染料層の位置を示す検知マークは必ずしも必要ない。同様にして、シアン染料層などを、印画開始位置を合わせて印画する。
特許文献1には、光センサに対して部分的に透過率又は反射率が異なる部分を含む検知マークを熱転写シートに設け、検知マークから熱転写シートの品種等の情報を検出することが記載されている。しかし、熱転写フィルムの品種毎に異なるマークを形成するには、各マークに対応する版を製作する必要があった。また、マークの異なる熱転写シートを製造するにあたり、版交換作業が必要であった。
特許文献2には、イエロー染料層に濃度差を設け、熱転写シートに関する情報を示すバイナリパターンとし、バイナリパターンから情報を検出することが記載されている。このような熱転写シートは、バイナリパターンに対応してエッチングされたグラビア印刷用シリンダを使用し、インクを基材に転写して製造される。イエロー染料層に異なる情報を持つバイナリパターンを設けるためには、バイナリパターン毎のシリンダを製作し、シリンダを交換する作業が必要であった。また、基材に転写されるインクの厚みに斑があると、バイナリパターンの検出精度を劣化させるおそれがあった。
特許第3629163号公報 特許第5334262号公報
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであり、製造上の作業効率を向上すると共にその識別が可能となる熱転写シートと、この熱転写シートを用いた熱転写印画装置を提供することを課題とする。
本発明の熱転写印画装置は、サーマルヘッド及びプラテンロールを有し、供給部から供給された熱転写シートと印画紙とを重ね合わせて、前記サーマルヘッドと前記プラテンロールとの間を搬送させるとともに、前記サーマルヘッドが前記熱転写シートを加熱して色材を転写し、前記印画紙に画像を形成する熱転写印画装置であって、複数の熱転写シートの品種と、各熱転写シートに面順次に設けられた複数の色材層の間隔に関する情報とを対応付けたテーブルを格納する記憶部と、前記供給部が供給する前記熱転写シートに面順次に設けられた複数の色材層の間隔を測定し、前記テーブルを参照し、前記間隔の測定結果から、前記供給部が供給する熱転写シートの品種を識別する識別部と、を備えるものである。
本発明の一態様では、前記色材層として、イエロー染料層、マゼンタ染料層、及びシアン染料層が面順次に設けられており、前記識別部は、前記イエロー染料層と前記マゼンタ染料層との間隔、及び前記マゼンタ染料層と前記シアン染料層との間隔の測定結果に基づいて、前記熱転写シートの品種を識別する。
本発明の一態様では、前記色材層として、イエロー染料層、マゼンタ染料層、及びシアン染料層が設けられており、前記識別部は、前記イエロー染料層と前記マゼンタ染料層とが離隔して設けられているか、及び前記マゼンタ染料層と前記シアン染料層とが離隔して設けられているかによって、前記熱転写シートの品種を識別する。
本発明の一態様では、前記色材層として、イエロー染料層、マゼンタ染料層、及びシアン染料層が設けられており、前記識別部は、前記イエロー染料層と前記マゼンタ染料層とが重なった混合色領域の幅、及び前記マゼンタ染料層と前記シアン染料層とが重なった混合色領域の幅の少なくともいずれか一方に基づいて、前記熱転写シートの品種を識別する。
本発明の一態様では、前記テーブルには、熱転写シートの品種毎の印画条件が対応付けられており、前記識別部が識別した熱転写シートの品種に応じた印画条件で印画処理を行う。
本発明の熱転写シートは、基材と、前記基材上に設けられたイエロー色材層、マゼンタ色材層、及びシアン色材層とを有する熱転写シートであって、前記イエロー色材層と前記マゼンタ色材層との間隔と、前記マゼンタ色材層と前記シアン色材層との間隔とが異なるものである。
本発明の熱転写シートは、基材と、前記基材上に設けられたイエロー色材層、マゼンタ色材層、及びシアン色材層とを有する熱転写シートであって、前記イエロー色材層と前記マゼンタ色材層とが重なった混合色領域、及び前記マゼンタ色材層と前記シアン色材層とが重なった混合色領域の少なくともいずれか一方を含むものである。
本発明によれば、熱転写シートの隣り合う染料層の間隔や重なり幅に基づいて、熱転写シートの品種を識別することができる。熱転写シートの品種に応じた版やグラビア印刷用シリンダを製作する必要はなく、製造上の作業効率を向上させることができる。
本発明の実施形態による熱転写印画装置の概略構成図である。 同実施形態による熱転写シートの平面図である。 図2のIII-III線に沿った断面図である。 (a)〜(c)は熱転写シートの平面図である。 (a)〜(c)は熱転写シートの平面図である。 (a)〜(c)は熱転写シートの平面図である。 (a)(b)は熱転写シートの平面図である。
図1は本発明の実施の形態に係る熱転写印画装置の概略構成図であり、図2は熱転写印画装置で使用される熱転写シート5の平面図であり、図3は熱転写シート5の断面図である。
熱転写シート5は、基材50の一方の面に染料とバインダ樹脂とを含有する染料層D及び転写性保護層(以下、保護層54と記載する)が面順次に繰り返し設けられ、基材50の他方の面に背面層57が設けられた構成をとる。染料層Dは、面順次に設けられたイエロー染料層、マゼンタ染料層及びシアン染料層(以下、それぞれY層51、M層52及びC層53と記載する)を含む。染料層D及び保護層54と基材50との間に染料プライマー層が設けられていてもよい。また、基材50と背面層57との間に背面プライマー層が設けられていてもよい。
熱転写印画装置は、熱転写シート5を用いて、印画シート7(印画紙、受像紙)上にY、M、Cを昇華転写させて画像を印画し、画像上に保護層を形成するサーマルヘッド1を備えている。
サーマルヘッド1の下流側に、熱転写シート5を巻き付けて形成された供給部3が設けられ、サーマルヘッド1の上流側に回収部4が設けられている。供給部3から繰り出された熱転写シート5は、サーマルヘッド1を通って、回収部4に回収されるようになっている。
サーマルヘッド1の下方側には回転自在なプラテンロール2が設けられている。サーマルヘッド1及びプラテンロール2を含む印画部40は、印画シート7及び熱転写シート5を挟み込み、熱転写シート5を加熱して印画シート7上に染料を熱転写することで画像を形成する。
また、印画部40は、保護層54を加熱して、画像上に保護層を転写する。保護層形成時の転写エネルギー(印画部40による印画エネルギー)を高くすることで保護層表面が光沢度の低いマット調になり、転写エネルギーを低くすることで保護層表面が光沢度の高いグロス調になる。
サーマルヘッド1の上流側には、印画シート7の搬送を行うための回転駆動自在なキャプスタンローラ9aと、キャプスタンローラ9aに印画シート7を圧着させるためのピンチローラ9bが設けられている。
印画シート7は、印画紙ロール6に巻き付けられており、印画紙ロール6から繰り出される。印画シート7には公知のものを使用することができる。印画紙ロール6、キャプスタンローラ9a、及びピンチローラ9bを含む駆動部30により印画シート7の繰り出し(前方側への搬送)や巻取り(後方側への搬送)が行われる。
印画部40で画像形成及び保護層の転写が施された印画シート7は、下流側でカッター8によりプリント枚葉7aとして切り出される。プリント枚葉7aは、図示を省略する排出口から排出される。
熱転写印画装置には、供給部3から繰り出された熱転写シート5に光を照射し、所定波長域の透過光量や反射光量から、染料層Dの色や位置を検出する検出器20が設けられている。検出器20は、供給部3とサーマルヘッド1との間に設けられている。また、供給部3の巻出軸、回収部4の巻取軸、又は熱転写シート5の搬送路に設けられた搬送ローラ(図示略)のローラ軸に、ロータリエンコーダ(図示略)が取り付けられている。
制御部10は、検出器20の検出結果、及びロータリエンコーダの出力パルス信号を取得し、Y層51、M層52、C層53、Y層51とM層52との間の領域55、M層52とC層53との間の領域56のそれぞれの領域パルス数を測定する。
例えば、制御部10は、検出器20がY層51を検出している間のパルス数をカウントし、Y層51の領域パルス数を測定する。制御部10は、検出器20がY層51の検出を終了してから、M層52の検出を開始するまでの間のパルス数をカウントし、領域55の領域パルス数を測定する。
同様に、制御部10は、検出器20がM層52を検出している間のパルス数をカウントし、M層52の領域パルス数を測定する。制御部10は、検出器20がM層52の検出を終了してから、C層53の検出を開始するまでの間のパルス数をカウントし、領域56の領域パルス数を測定する。制御部10は、検出器20がC層53を検出している間のパルス数をカウントし、C層52の領域パルス数を測定する。
Y層51、M層52、C層53の領域パルス数は、それぞれY層51、M層52、C層53の熱転写シート送り方向(熱転写シート5の長手方向)の長さL1、L2、L3に相当する。また、領域55、領域56の領域パルス数は、それぞれ領域55、56の熱転写シート送り方向の長さL11、L12に相当する。
熱転写印画装置には、複数種の熱転写シート5を装填することができる。熱転写シート5は、図4(a)〜(c)に示すように、品種によって、長さL11、L12が異なっている。言い換えれば、長さL11,L12を変えることで、熱転写シート5の品種を表現している。Y層51の先端からC層53の後端までの長さは、熱転写シート5の品種によらず一定とする。
後述する記憶部12のテーブルTには、熱転写シート5の品種、Y層51の領域パルス数と領域55の領域パルス数との比率、M層52の領域パルス数と領域56の領域パルス数との比率等が対応付けて記録されている。
制御装置10は、熱転写印画装置の各部の駆動を制御し、熱転写シート5の識別処理や、印画処理を行う。制御装置10は、CPU(中央演算処理装置)や、フラッシュメモリ、ROM(Read−only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる記憶部12を有したコンピュータである。記憶部12は、制御プログラム、及び上述のテーブルTを格納する。CPUが制御プログラムを実行することで、識別部11が実現される。
識別部11は、検出器20及びロータリエンコーダの出力から、Y層51の領域パルス数と領域55の領域パルス数との比率、M層52の領域パルス数と領域56の領域パルス数との比率を算出する。そして、識別部11は、テーブルTを参照し、算出した比率から、熱転写シート5の品種を識別する。テーブルTには、熱転写シート5の品種毎に、好適な印画条件(印画速度、印画時の印加エネルギー)や、使用すべき印画シート7の品種等を対応付けて記録してもよい。制御装置10は、熱転写印画装置に装填されている印画シート7の品種が、識別した熱転写シート5の品種に対応するものでない場合、警告音や警告表示を出力したり、印画処理を中止したりしてもよい。
供給部3の巻出軸や回収部4の巻取軸にロータリエンコーダが取り付けられている場合、長さL1〜L3、L11、L12が一定であっても、巻径の変化により領域パルス数は変化する。そのため、領域パルス数の比率を基準に熱転写シート5の品種を特定することが好ましい。
ロータリエンコーダが熱転写シート5の搬送路に設けられた搬送ローラに取り付けられている場合は、巻径の変化によらず、長さL1〜L3、L11、L12が一定であれば、領域パルス数も変化しない。そのため、テーブルTには、熱転写シート5の品種と、領域55及び領域56の領域パルス数とを対応付けて記録しておけばよい。識別部11は、検出器20及びロータリエンコーダの出力から、領域55の領域パルス数及び領域56の領域パルスをカウントし、テーブルTを参照し、カウントした領域パルス数から、熱転写シート5の品種を識別することができる。
次に、熱転写シート5の構成について説明する。
[基材]
熱転写シート5に用いられる基材50は、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれば、いずれのものでもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム等が挙げられる。
基材50は、厚さが一般に約0.5μm以上50μm以下であり、好ましくは約3.0μm以上10μm以下である。基材50は、基材50と接する層との接着性を向上させるため、表面処理を施してもよい。表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。表面処理は、1種のみ行ってもよいし、2種以上行ってもよい。
上記の表面処理の中でも、コストが低い点で、コロナ処理又はプラズマ処理が好ましい。また、必要に応じ、基材50の一方の面又は両面に下引き層(プライマー層)を形成するものであってもよい。プライマー処理は、例えばプラスチックフィルムの溶融押出しの成膜時に、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行なうことができる。また、基材50と背面層57との間に、プライマー層(接着層)を塗工して形成することも可能である。プライマー層は、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂等を用いて形成することができる。
[染料層]
染料層Dは、バインダ樹脂に、昇華性染料を溶融又は分散させた材料を用いることが好ましい。昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料;トリアリールメタン系染料;チアゾール系染料;メロシアニン染料;ピラゾロン染料;メチン系染料;インドアニリン系染料;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料;キサンテン系染料;オキサジン系染料;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料;チアジン系染料;アジン系染料;アクリジン系染料;ベンゼンアゾ系染料;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料;スピロピラン系染料;インドリノスピロピラン系染料;フルオラン系染料;ローダミンラクタム系染料;ナフトキノン系染料;アントラキノン系染料;キノフタロン系染料;等が挙げられる。
染料層において、昇華性染料は染料層の全固形分に対し5質量%以上90質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量%以下の量である。上記昇華性の染料の使用量が、上記範囲未満であると印字濃度が低くなることがあり、上記範囲を越えると保存性等が低下することがある。
染料を担持するためのバインダ樹脂としては、一般に、耐熱性を有し、染料と適度の親和性があるものを使用することができる。上記バインダ樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等が挙げられる。上記したバインダ樹脂のなかでも、耐熱性、染料の移行性等が優れる観点から、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましく、ビニル系樹脂がより好ましく、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等が特に好ましい。
染料層Dは、離型剤、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤を使用してもよい。離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル等が挙げられる。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられる。また、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
染料層Dは、上述の染料とバインダ樹脂とを、必要に応じて添加する添加剤とともに、適当な有機溶剤や水に溶解又は分散して塗工液を調製し、更に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、上述の基材50の一方の面に上記塗工液を塗布し、乾燥することにより形成することができる。
上記有機溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド〔DMF〕等が挙げられる。染料層Dの厚みは、乾燥後の厚みで0.2μm以上6.0μm以下、好ましくは0.2μm以上3.0μm以下程度である。
[保護層]
保護層54には、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂を用いることができる。保護層形成用樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物等を例示することができる。
保護層54は、例えばグラビア印刷法を用いて、上記樹脂を含む塗工液を塗布、乾燥することによって形成する。保護層54の厚さは、乾燥時の皮膜で0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
[背面層]
熱転写シート5における基材50の染料層D及び保護層54が設けられた面とは反対の面に、背面層57が設けられる。背面層57は、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッド1の走行性等を向上させるために設けられている。
背面層57は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂やポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂、及びこれらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、上記した樹脂に硬化剤を添加してもよい。硬化剤として機能するポリイソシアネート樹脂としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。このようなポリイソシアネート樹脂は、上記した水酸基含有熱可塑性樹脂をその水酸基を利用して架橋させ、背面層57の塗膜強度や耐熱性を向上させる。
また、背面層57には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤が含有することができる。
背面層57は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加剤を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材50の染料層D及び保護層54とは反対側の面上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。背面層57の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、乾燥後の厚みが3μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下にすることがより好ましい。
このような熱転写シート5を用いた印画処理では、まず、印画シート7と染料層DのY層51とが位置合わせされ、印画シート7及び熱転写シート5を介してサーマルヘッド1がプラテンロール2に当接する。次に、キャプスタンローラ9a及び回収部4が回転駆動して、印画シート7及び熱転写シート5が後方側へ送られる。この間、画像データに基づいて、サーマルヘッド1によりY層51の領域が選択的に順次加熱され、熱転写シート5から印画シート7上にYが昇華転写される。
Yの昇華転写後、サーマルヘッド1が上昇し、プラテンロール2から離れる。次に、印画シート7とM層52とが位置合わせされる。Yを昇華転写する方法と同様にして、画像データに基づいて印画シート7上にM及びCが順次昇華転写され、印画シート7上に画像が形成される。
画像形成後、印画シート7と保護層54とが位置合わせされ、サーマルヘッド1により保護層54が加熱され、画像を覆うように、熱転写シート5から印画シート7上に保護層が転写される。
本実施形態では、Y層51とM層52との間の領域55の長さL11(Y層51とM層52との間隔)、M層52とC層53との間の領域56の長さL12(M層52とC層53との間隔)によって、熱転写シート5の品種を識別するための情報を表現している。熱転写シート5の品種に応じた版やグラビア印刷用シリンダを製作する必要はなく、製造上の作業効率を向上させることができる。
図5(b)に示すように、Y層51の後端部とM層52の先端部とが重なっていてもよい。また、図5(c)に示すように、M層52の後端部とC層53の先端部とが重なっていてもよい。Y層51、M層52及びC層53のサイズは、印画シート7への画像形成に使用される有効画面ESより大きい。Y層51とM層52とが重なった混合色領域(赤色層R)や、M層52とC層53とが重なった混合色領域(青色層B)が有効画面ESに達していなければ印画品質には影響を与えない。
図5(a)〜(c)に示す例では、識別部11は、Y層51とM層52とが離隔しているか、M層52とC層53とが離隔しているかを判断し、熱転写シート5の品種を識別することができる。
図6(a)〜(c)に示すように、Y層51とM層52とが離隔せず、かつM層52とC層53とが離隔しないようにしてもよい。図6(a)の例では、Y層51の後端部とM層52の先端部とが重なり、かつM層52の後端部とC層53の先端部とが重なっている。図6(b)の例では、Y層51の後端部とM層52の先端部とが重なり、M層52とC層53とは重ならずに(又は重なり幅を極めて小さくして)間隔なく隣り合っている。図6(c)の例では、Y層51とM層52とは重ならずに(又は重なり幅を極めて小さくして)間隔なく隣り合っており、M層52の後端部とC層53の先端部とが重なっている。
図6(a)のY層51とM層52とが重なった赤色層Rの幅(熱転写シート5の長手方向の長さ)よりも、図6(b)のY層51とM層52とが重なった赤色層Rの幅の方が長い。図6(a)のM層52とC層53とが重なった青色層Bの幅よりも、図6(c)のY層51とM層52とが重なった青色層Bの幅の方が長い。
図6(a)〜(c)に示す例では、識別部11は、赤色層Rの有無、赤色層Rの幅、青色層Bの有無、青色層Bの幅などから、熱転写シート5の品種を識別することができる。
上記実施形態では、染料層Dがイエロー、マゼンタ、シアンの3色の染料層を含み、Y層51とM層52との間隔、M層52とC層53との間隔から熱転写シート5の品種を識別する例について説明したが、染料層Dが単色の染料層で構成されていてもよい。例えば、図7(a)に示すように同一色の染料層58の間隔が一定の値(L20)であるか、図7(b)に示すように染料層58の間隔が交互に異なる値(L21<L20<L22)となるか、間隔L21と間隔L22との比率等によって、熱転写シート5の品種を表現することができる。
上記実施形態において、C層53と保護層54との間隔をさらに測定し、熱転写シート5の識別に使用してもよい。この場合、保護層形成用樹脂に蛍光増白剤、紫外線吸収材料又は赤外線吸収材料を添加したものを使用して、保護層54を形成する。蛍光センサ、紫外線センサ又は赤外線センサを使用して保護層54の位置を検出し、C層53と保護層54との間隔を求める。
上記実施形態において、熱転写シート5には、C層53に続いてブラック色の染料層又は熱溶融性インキ層が設けられていてもよい。この場合、熱転写シート5の品種の識別に、C層53とブラック層との間隔をさらに使用してもよい。
熱転写シート5は、昇華性染料を色材とするものに限定されず、熱溶融性インキ等を色材とするものでもよい。熱転写シート5に面順次に設けられた複数の色材層の間隔から、熱転写シート5の品種識別が可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 サーマルヘッド
2 プラテンロール
3 供給部
4 回収部
5 熱転写シート
7 印画シート
10 制御装置
11 識別部
12 記憶部
20 検出器
40 印画部
50 基材
54 保護層

Claims (2)

  1. サーマルヘッド及びプラテンロールを有し、供給部から供給された熱転写シートと印画紙とを重ね合わせて、前記サーマルヘッドと前記プラテンロールとの間を搬送させるとともに、前記サーマルヘッドが前記熱転写シートを加熱して色材を転写し、前記印画紙に画像を形成する熱転写印画装置であって、
    複数の熱転写シートの品種と、各熱転写シートに面順次に設けられた複数の色材層の間隔に関する情報とを対応付けたテーブルを格納する記憶部と、
    前記供給部が供給する前記熱転写シートに面順次に設けられた複数の色材層の間隔を測定し、前記テーブルを参照し、前記間隔の測定結果から、前記供給部が供給する熱転写シートの品種を識別する識別部と、
    を備え、
    前記色材層として、イエロー染料層、マゼンタ染料層、及びシアン染料層が設けられており、
    前記識別部は、前記イエロー染料層と前記マゼンタ染料層とが重なった混合色領域の幅、及び前記マゼンタ染料層と前記シアン染料層とが重なった混合色領域の幅の少なくともいずれか一方に基づいて、前記熱転写シートの品種を識別することを特徴とする熱転写印画装置。
  2. 前記テーブルには、熱転写シートの品種毎の印画条件が対応付けられており、
    前記識別部が識別した熱転写シートの品種に応じた印画条件で印画処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の熱転写印画装置。
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