JP2019126980A - 熱転写印画装置及び熱転写シート - Google Patents
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Abstract
【課題】熱転写印画装置で識別情報が取得できると共に、製造時に使用する版の種類に対して多くの識別情報の表現を可能にする熱転写シートを提供する。【解決手段】熱転写シート10は、基材1と、基材1の一方の面に設けられた染料層3と、基材1と染料層3との間に設けられた染料プライマー層2と、基材1の他方の面に設けられた背面層6と、基材1と背面層6との間に設けられた背面プライマー層5と、を有する。染料プライマー層2、背面プライマー層5及び背面層6は、不可視光線吸収材料を含有すると共に、それぞれ凹パターン又は凸パターンが設けられている。【選択図】図2
Description
本発明は、熱転写印画装置及び熱転写シートに関する。
熱転写印画装置にあっては、昇華転写用染料を記録材とし、これをポリエステルシート等の基材上に適当なバインダーで担持させた染料層を有する熱転写シート(昇華熱転写シート)から、昇華染料で染着可能な被転写材、例えば、紙やプラスチックシート等に染料受容層を形成した熱転写受像シート上に昇華染料を熱転写し、各種のフルカラー画像を形成する。
近年、熱転写記録技術の進歩により、熱転写シートは、その種類が多岐にわたるようになっており、これらの多種類の熱転写シートを一機種の熱転写プリンタで使用する場合が増えている。所望の印画性能や耐久性を得るために、熱転写シートの品種を識別し、品種に応じて熱転写シートの加熱エネルギーを制御する必要がある。
特許文献1には、イエロー染料層内に、プリンタで検出可能な光学密度の差異を生じるバイナリパターンを形成した染料シートが提案されている。バイナリパターンは、イエロー染料層の厚みを変えることで形成される。このような染料シートにおいてバイナリパターンを変えるためには、基材上に染料インクを塗布する際に使用する版(シリンダ)を変える必要があった。従って、バイナリパターンの種類と同数の版を準備する必要があった。
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであり、熱転写印画装置で識別情報が取得できると共に、製造時に使用する版の種類に対して多くの識別情報の表現を可能にする熱転写シートを提供することを課題とする。また、本発明は、装填された熱転写シートを識別して印画処理を行う熱転写印画装置を提供することを課題とする。
本発明による熱転写印画装置は、サーマルヘッド及びプラテンロールを有し、基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートと印画紙とを重ね合わせて、前記サーマルヘッドと前記プラテンロールとの間を搬送させるとともに、前記サーマルヘッドが前記熱転写シートを加熱して染料を転写し、前記印画紙に画像を形成する熱転写印画装置であって、
前記熱転写シートに不可視光線を照射し、前記熱転写シートからの光を受光し、前記熱転写シートを構成する複数の層のうち、前記基材と前記染料層との間及び前記基材の他方の面の少なくともいずれか一方に位置し不可視光線吸収材料を含有する少なくとも1層に設けられた凹パターン又は凸パターンによる受光強度の変化を検出するセンサと、熱転写シートの品種と、品種毎の受光強度の変化パターンとを対応付けたテーブルを格納する記憶部と、前記テーブルを参照し、前記センサの検出結果から、前記供給部が供給する熱転写シートの品種を識別する識別部と、を備えるものである。
前記熱転写シートに不可視光線を照射し、前記熱転写シートからの光を受光し、前記熱転写シートを構成する複数の層のうち、前記基材と前記染料層との間及び前記基材の他方の面の少なくともいずれか一方に位置し不可視光線吸収材料を含有する少なくとも1層に設けられた凹パターン又は凸パターンによる受光強度の変化を検出するセンサと、熱転写シートの品種と、品種毎の受光強度の変化パターンとを対応付けたテーブルを格納する記憶部と、前記テーブルを参照し、前記センサの検出結果から、前記供給部が供給する熱転写シートの品種を識別する識別部と、を備えるものである。
本発明の一態様による熱転写印画装置において、前記センサは、紫外線を照射する光源と、前記熱転写シートで反射する紫外線又は透過する紫外線を受光する受光部を有する。
本発明の一態様による熱転写印画装置において、前記センサは、前記熱転写シートで発せられる蛍光を受光する蛍光受光部を有する。
本発明の一態様による熱転写印画装置において、前記センサは、赤外線を照射する光源と、前記熱転写シートで反射する赤外線又は透過する赤外線を受光する受光部を有する。
本発明の一態様による熱転写印画装置において、前記熱転写シートには複数色の染料層が間隔を空けて設けられており、前記センサは、染料層の間の領域に不可視光線を照射し、受光強度の変化を検出する。
本発明の一態様による熱転写印画装置において、前記テーブルには、熱転写シートの品種毎の印画条件が対応付けられており、前記識別部が識別した熱転写シートの品種に応じた印画条件で印画処理を行う。
本発明による熱転写シートは、基材と、前記基材の一方の面に設けられた染料層と、前記基材と前記染料層との間及び前記基材の他方の面の少なくともいずれか一方に位置し、不可視光線吸収材料を含有する層とが積層され、前記不可視光線吸収材料を含有する層には、凹パターン又は前記不可視光線吸収材料を含有する層と同一の材料からなる凸パターンが設けられているものである。
本発明の一態様による熱転写シートにおいて、前記不可視光線吸収材料を含有する層は、第1の層及び第2の層を含み、前記第1の層に含有されている不可視光線吸収材料は、前記第2の層に含有されている不可視光線吸収材料とは種類が異なる。
本発明の一態様による熱転写シートにおいて、前記染料層は、イエロー染料層、マゼンタ染料層及びシアン染料層を有し、前記イエロー染料層、前記マゼンタ染料層及び前記シアン染料層は間隔を空けて順に設けられており、前記第1の層は、前記イエロー染料層と前記マゼンタ染料層との間に位置する第1凹パターン又は第1凸パターンと、前記マゼンタ染料層と前記シアン染料層との間に位置する第2凹パターン又は第2凸パターンとを有し、前記第1凹パターン又は第1凸パターンと、前記第2凹パターン又は第2凸パターンとは形状が異なる。
本発明の一態様による熱転写シートにおいて、前記第1凹パターン又は第1凸パターンと、前記第2凹パターン又は第2凸パターンとは、凸部又は凹部の数が異なる。
本発明の一態様による熱転写シートは、前記シアン染料層に続いて保護層が間隔を空けて設けられており、前記第1の層は、前記シアン染料層と前記保護層との間に位置する第3凹パターン又は第3凸パターンをさらに有し、前記第1凹パターン又は第1凸パターン、前記第2凹パターン又は第2凸パターン、及び前記第3凹パターン又は第3凸パターンは、凹部又は凸部の数が互いに異なる。
本発明の一態様による熱転写シートにおいて、前記第2の層は、前記イエロー染料層と前記マゼンタ染料層との間に位置する第4凹パターン又は第4凸パターンと、前記マゼンタ染料層と前記シアン染料層との間に位置する第5凹パターン又は第5凸パターンと、前記シアン染料層と前記保護層との間に位置する第6凹パターン又は第6凸パターンとを有し、前記第4凹パターン又は第4凸パターン、前記第5凹パターン又は第5凸パターン、及び前記第6凹パターン又は第6凸パターンは、凹部又は凸部の数が互いに異なる。
本発明によれば、熱転写印画装置で熱転写シートから識別情報を取得できると共に、熱転写シートの製造時に使用する版の種類に対して多くの識別情報を表現できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は熱転写シートの平面図であり、図2は図1のII-II線断面図である。熱転写シート10は、基材1を有し、基材1の一方の面には染料プライマー層2と、染料層3とが順に積層されている。染料プライマー層2は、基材1と染料層3との密着性を向上させる。
染料層3は、イエロー染料層3Y、マゼンタ染料層3Mおよびシアン染料層3Cを含む。また、染料プライマー層2上には保護層4が設けられていてもよい。イエロー染料層3Y、マゼンタ染料層3M、シアン染料層3C及び保護層4が、所定間隔を空けて、熱転写シート10の長手方向に沿って面順次に設けられている。
基材1の他方の面には背面プライマー層5と、背面層6とが順に積層されている。背面プライマー層5は、基材1と背面層6との密着性を向上させる。
染料プライマー層2、背面プライマー層5及び背面層6は、それぞれ、不可視光線吸収材料を含んでいる。不可視光線吸収材料は、紫外線吸収材料、赤外線吸収材料、蛍光増白材等である。
染料プライマー層2は、染料層3側に向かって凸となる凸パターン2a、2b、2cを有する。凸パターン2a、2b、2cは、熱転写シート10の幅方向(短手方向)に延在する凸条である。凸パターン2a、2b、2cは、それぞれ形状が異なる凸パターンであり、例えば、凸部の数や幅、厚み等が異なる。図2に示す例では、凸パターン2aは1個の凸部(1本の凸条)を有し、凸パターン2bは2個の凸部(2本の凸条)を有し、凸パターン2cは3個の凸部(3本の凸条)を有する。
染料プライマー層2において、凸パターン2a、2b、2c部分は、その他の部分よりも膜厚が厚くなっている。そのため、染料プライマー層2に不可視光線を照射した場合、凸パターン2a、2b、2c部分からの光の強度は、その他の部分からの光の強度とは異なる。
背面プライマー層5は、背面層6側に向かって凸となる凸パターン5a、5b、5cを有する。凸パターン5a、5b、5cは、それぞれ形状が異なる凸パターンであり、例えば、凸部の数や幅が異なる。図2に示す例では、凸パターン5aは1個の凸部を有し、凸パターン5bは2個の凸部を有し、凸パターン5cは3個の凸部を有する。
背面プライマー層5において、凸パターン5a、5b、5c部分は、その他の部分よりも膜厚が厚くなっている。そのため、背面プライマー層5に不可視光線を照射した場合、凸パターン5a、5b、5c部分からの光の強度は、その他の部分からの光の強度とは異なる。
背面層6は、基材1とは反対側に向かって凸となる凸パターン6a、6b、6cを有する。凸パターン6a、6b、6cは、それぞれ形状が異なる凸パターンであり、例えば、凸部の数や幅が異なる。図2に示す例では、凸パターン6aは1個の凸部を有し、凸パターン6bは2個の凸部を有し、凸パターン6cは3個の凸部を有する。
背面層6において、凸パターン6a、6b、6c部分は、その他の部分よりも膜厚が厚くなっている。そのため、背面層6に不可視光線を照射した場合、凸パターン6a、6b、6c部分からの光の強度は、その他の部分からの光の強度とは異なる。
なお、実際には、背面層6の表面に、背面プライマー層5の表面の凹凸形状に応じた凹凸が現れ得るが、図示は省略している。
本実施形態では、熱転写シート10に不可視光線を照射した際の熱転写シート10からの光の強度変化のパターンから、熱転写シート10の品種を識別する。
例えば、図2に示す例では、熱転写シート10の平面方向におけるイエロー染料層3Yとマゼンタ染料層3Mとの間の領域に、イエロー染料層3Y側から順に凸パターン6b、凸パターン5c、凸パターン2aが設けられている。
ここで、染料プライマー層2及び背面層6が紫外線吸収剤を含有し、背面プライマー層5が蛍光増白剤を含有するものとする。このような熱転写シート10を紫外線で走査すると、熱転写シート10を透過又は反射する紫外線強度の変化、及び熱転写シート10から発せられる蛍光強度の変化は図3に示すようなものとなる。すなわち、凸パターン6b、凸パターン5c及び凸パターン2aの部分で紫外線強度が下がり、凸パターン5cの部分で蛍光強度が上がる。
熱転写シート10を紫外線で走査した際に、紫外線強度及び蛍光強度の変化する位置を特定できる場合、蛍光強度が所定の閾値Th1を上回る回数と、蛍光強度が閾値Th1を上回る前後で紫外線強度が所定の閾値Th2を下回る回数とを、熱転写シート10の品種を表す識別情報として利用できる。例えば、図3に示す例において、凸パターン5cは凸部を3個有するため、蛍光強度が閾値Th1を上回る回数は3回となる。
凸パターン6bは凸部を2個有するため、紫外線強度が閾値Th2を下回る回数は2回となる。また、凸パターン2aは凸部を1個有するため、紫外線強度が閾値Th2を下回る回数は1回となる。従って、イエロー染料層3Y側から順に、蛍光強度が閾値Th1を上回る前に紫外線強度が閾値Th2を下回る回数、蛍光強度が閾値Th1を上回る回数、蛍光強度が閾値Th1を上回った後に紫外線強度が閾値Th2を下回る回数を並べると「2・3・1」となる。
凸パターン2a、2b、2cを含む染料プライマー層2は、図4(a)に示すような、表面に凹部20a、20b及び20cが設けられた版(シリンダ)20を用いて塗工液を塗布することで形成できる。凹部20a、20b、20cが、それぞれ凸パターン2a、2b、2cに対応する。版20の回転角度を調整することで、図4(b)(c)に示すように、凸パターン2a、2b、2cの形成位置を変えることができる。
凸パターン5a、5b、5cを含む背面プライマー層5や、凸パターン6a、6b、6cを含む背面層6も、それぞれ同様の1つの版で形成できる。また、版の回転角度を調整することで、凸パターン5a、5b、5c、凸パターン6a、6b、6cの形成位置が変えられる。
凸パターン2a、2b、2c、凸パターン5a、5b、5c、凸パターン6a、6b、6cの相対的な位置関係を変えることで、異なる識別情報を表現できる。
例えば、図5(a)に示す例では、イエロー染料層3Yとマゼンタ染料層3Mとの間の領域に、イエロー染料層3Y側から順に凸パターン6b、凸パターン5b、凸パターン2bが設けられている。このような熱転写シート10を紫外線で走査し、イエロー染料層3Y側から順に、蛍光強度が閾値Th1を上回る前に紫外線強度が閾値Th2を下回る回数、蛍光強度が閾値Th1を上回る回数、蛍光強度が閾値Th1を上回った後に紫外線強度が閾値Th2を下回る回数を並べると「2・2・2」となる。
図示を省略するが、図5(a)に示す構成の場合、マゼンタ染料層3Mとシアン染料層3Cとの間の領域に、凸パターン6c、5c及び2cが配置される。シアン染料層3Cと保護層4との間の領域に、凸パターン6a、5a及び2aが配置される。
図5(b)に示す例では、イエロー染料層3Yとマゼンタ染料層3Mとの間の領域に、イエロー染料層3Y側から順に凸パターン6c、凸パターン5a、凸パターン2aが設けられている。このような熱転写シート10を紫外線で走査し、イエロー染料層3Y側から順に、蛍光強度が閾値Th1を上回る前に紫外線強度が閾値Th2を下回る回数、蛍光強度が閾値Th1を上回る回数、蛍光強度が閾値Th1を上回った後に紫外線強度が閾値Th2を下回る回数を並べると「3・1・1」となる。
図示を省略するが、図5(b)に示す構成の場合、マゼンタ染料層3Mとシアン染料層3Cとの間の領域に、凸パターン6a、5b及び2bが配置される。シアン染料層3Cと保護層4との間の領域に、凸パターン6b、5c及び2cが配置される。
本実施形態では、図4(a)に示すような版を使用し、その回転角度を調整することで、凸パターン2a、2b、2c、凸パターン5a、5b、5c、凸パターン6a、6b、6cの相対的な位置関係を変え、識別情報の異なる熱転写シート10を製造できる。染料プライマー層2、背面プライマー層5、背面層6の各々について、同一の版を使用できるため、識別情報の種類に応じた数の版を準備する必要がない。
図5は、本発明の実施の形態に係る熱転写印画装置の概略構成図である。熱転写印画装置は、熱転写シート10を用いて、印画シート107(印画紙、受像紙)上にイエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料を昇華転写させて画像を印画し、画像上に保護層を転写するサーマルヘッド101を備えている。
サーマルヘッド101の下流側に、熱転写シート10を巻き付けて形成された供給部103が設けられ、サーマルヘッド101の上流側に回収部104が設けられている。供給部103から繰り出された熱転写シート10は、サーマルヘッド101を通って、回収部104に回収されるようになっている。
サーマルヘッド101の下方側には回転自在なプラテンロール102が設けられている。サーマルヘッド101及びプラテンロール102を含む印画部140は、印画シート107及び熱転写シート10を挟み込み、熱転写シート10を加熱して印画シート107上に染料を熱転写することで画像を形成する。
サーマルヘッド101の上流側には、印画シート07の搬送を行うための回転駆動自在なキャプスタンローラ109aと、キャプスタンローラ109aに印画シート107を圧着させるためのピンチローラ109bが設けられている。
印画シート107は、印画紙ロール106に巻き付けられており、印画紙ロール106から繰り出される。印画シート107には公知のものを使用できる。印画紙ロール106、キャプスタンローラ109a、及びピンチローラ109bを含む駆動部130により印画シート107の繰り出し(前方側への搬送)や巻取り(後方側への搬送)が行われる。
印画部140で画像形成された印画シート107は、下流側でカッター108によりプリント枚葉107aとして切り出される。プリント枚葉107aは、図示を省略する排出口から排出される。
供給部103と印画部140との間には、熱転写シート10に光を照射し、反射光や透過光等の強度を測定するセンサ120が設けられている。センサ120は、染料プライマー層2、背面プライマー層5及び背面層6に含まれる不可視光線吸収材料に対応するものであり、例えば、上記の例のように、染料プライマー層2及び背面層6が紫外線吸収剤を含み、背面プライマー層5が蛍光増白剤を含む場合、紫外線を照射する光源、熱転写シート10から反射される紫外線又は熱転写シート10を透過する紫外線を受光する紫外線受光部、及び熱転写シート10から発せられる蛍光を受光する蛍光受光部を有する。
染料プライマー層2、背面プライマー層5又は背面層6に赤外線吸収材料が含まれている場合、センサ120は、赤外線を照射する光源と、熱転写シート10から反射される赤外線又は熱転写シート10を透過する赤外線を受光する赤外線受光部を有する。また、センサ120は、イエロー染料層3Yやマゼンタ染料層3Mの位置を検知するカラーセンサを含む。
制御装置110は、熱転写印画装置の各部の駆動を制御し、熱転写シート10の識別処理や、印画処理を行う。制御装置110は、CPU(中央演算処理装置)や、フラッシュメモリ、ROM(Read−only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる記憶部112を有したコンピュータである。記憶部112は、制御プログラム及びテーブルTを格納する。CPUが制御プログラムを実行することで、識別部111が実現される。
テーブルTには、熱転写シート10の品種と、熱転写シート10に不可視光線を照射した場合にセンサ120で受光する受光強度の変化パターンとが対応付けて記録されている。例えば、テーブルTには、イエロー染料層3Y側から順に、蛍光強度が閾値Th1を上回る前に紫外線強度が閾値Th2を下回る回数、蛍光強度が閾値Th1を上回る回数、蛍光強度が閾値Th1を上回った後に紫外線強度が閾値Th2を下回る回数を並べたパターンと、熱転写シート10の品種とが対応付けて記録される。
識別部111は、センサ120による測定結果から受光強度の変化パターンを求め、テーブルTを参照し、熱転写印画装置に装填されている熱転写シート10の品種を識別する。
例えば、識別部111は、蛍光受光部の測定結果と閾値Th1とを比較し、蛍光強度が閾値Th1を上回る位置(タイミング)及び回数をカウントする。また、識別部111は、紫外線受光部の測定結果と閾値Th2とを比較し、紫外線強度が閾値Th2を下回る位置(タイミング)及び回数をカウントする。識別部111は、テーブルTを参照し、イエロー染料層3Y側から順に、蛍光強度が閾値Th1を上回る前に紫外線強度が閾値Th2を下回った回数のカウント値、蛍光強度が閾値Th1を上回った回数のカウント値、蛍光強度が閾値Th1を上回った後に紫外線強度が閾値Th2を下回った回数のカウント値を並べたパターンから、熱転写印画装置に装填されている熱転写シート10の品種を識別する。
テーブルTには、熱転写シート10の品種毎に、好適な印画条件(印画速度、印画時の印加エネルギー)や、使用すべき印画シート107の品種等を対応付けて記録してもよい。制御装置110は、識別した熱転写シート10の品種に応じた印画条件に基づいて、印画処理を制御する。制御装置110は、熱転写印画装置に装填されている印画シート107の品種が、識別した熱転写シート10の品種に対応するものでない場合、警告音や警告表示を出力したり、印画処理を中止したりしてもよい。
このように、熱転写シート10の染料プライマー層2、背面プライマー層5及び背面層6に不可視光線吸収材料を含有させると共に複数の凸パターンを設け、不可視光線を照射した際に測定される光強度の変化から、熱転写シート10の品種が識別可能となる。また、識別情報を変える場合は、凸パターンの位置関係を変えればよく、染料プライマー層2、背面プライマー層5及び背面層6を形成する際に使用する版(シリンダ)はそれぞれ同一のものでよい。
以下に、熱転写シート10を構成する各層の材料について説明する。
<基材>
基材1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5μm以上50μm以下好ましくは3μm以上10μm以下程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルムの他に、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類や不織布等、又は紙や不織布と樹脂との複合体であってもよい。
基材1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5μm以上50μm以下好ましくは3μm以上10μm以下程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルムの他に、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類や不織布等、又は紙や不織布と樹脂との複合体であってもよい。
<染料層>
染料層3は、昇華性染料を含む層として形成する。
染料層3は、昇華性染料を含む層として形成する。
染料としては、従来、公知の熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であり、特に限定されない。これらの染料としてはジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン系、アセトフェノンアゾメチン,ピラゾロアゾメチン,イミダゾルアゾメチン,ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン,トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ,チオフェンアゾ,イソチアゾールアゾ,ピロールアゾ,ピラゾールアゾ,イミダゾールアゾ,チアジアゾールアゾ,トリアゾールアゾ,ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等があげられる。
染料層塗工液は、バインダーに上記の染料を必須成分として、さらに必要に応じて顔料、導電剤の少なくとも1つを添加できる。上記の染料を担持するためのバインダー樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース,酢酸セルロース、酢酸・酪酸セルロース等のセルロース樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等があげられるが、これらの中ではセルロース系、ポリウレタン系、ビニル系、アクリル系およびポリエステル系の樹脂が耐熱性、染料移行性などの点で好ましく用いられる。
染料層3は、染料プライマー層2を介して基材1の一方の面に、これらの染料及びバインダー樹脂、必要に応じて顔料、導電剤の少なくとも1つを添加して、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、DMF等の適当な有機溶剤に溶解したり、あるいは有機溶剤や水等に分散させたりして、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング印刷法等の手段により塗工および乾燥することにより形成できる。染料層3の厚みは、乾燥後の厚みで0.2μm以上6.0μm以下、好ましくは0.2μm以上3.0μm以下程度である。
<染料プライマー層>
染料プライマー層2は、基材1と染料層3の両方に良好な接着性を有するバインダーに、蛍光増白剤、紫外線吸収材料又は赤外線吸収材料等の不可視光線吸収材料を添加したものを用いる。上記バインダーとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体系樹脂等が挙げられる。
染料プライマー層2は、基材1と染料層3の両方に良好な接着性を有するバインダーに、蛍光増白剤、紫外線吸収材料又は赤外線吸収材料等の不可視光線吸収材料を添加したものを用いる。上記バインダーとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体系樹脂等が挙げられる。
蛍光増白剤としては、例えば、フルオレセイン系化合物、チオフラビン系化合物、エオシン系化合物、ローダミン系化合物、クマリン系化合物、イミダゾール系化合物、オキサゾール系化合物、トリアゾール系化合物、カルバゾール系化合物、ピリジン系化合物、イミダゾロン系化合物、ナフタル酸誘導体、スチルベンジスルホン酸誘導体、スチルベンテトラスルホン酸誘導体、スチルベンヘキサスルホン酸誘導体等を用いることができる。
紫外線吸収材料としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物等の有機系紫外線吸収材料や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等の無機系紫外線吸収材料等が挙げられる。特に、ベンゾトリアゾール系化合物を用いることが好ましい。
赤外線吸収材料としては、例えば、ジイモニウム系化合物、アミニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、ジチオール系有機金属錯体、シアニン系化合物、アゾ系化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、オキソール系化合物等が挙げられる。
染料プライマー層2を形成する方法としては、上記の材料を塗工適性に合うように選択したアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の溶剤又は、水に溶解、或いは分散させて塗工液を作成し、この塗工液をグラビアコーター等の慣用の塗工手段で塗布、乾燥及び固化させて成膜する方法が挙げられる。染料プライマー層2の厚さは凸部以外の領域で0.02μm以上0.2μm以下であることが好ましく、凸部における染料プライマー層2の厚さはその1.5倍以上2.0倍以下であることが好ましい。
<保護層>
保護層4には、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂を用いることができる。保護層形成用樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物等を例示できる。保護層4は、例えばグラビア印刷法により形成される。保護層4の厚さは、乾燥後の厚みで0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましい。保護層4を剥離層やヒートシール層を含む複数の層の積層体としてもよい。
保護層4には、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂を用いることができる。保護層形成用樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物等を例示できる。保護層4は、例えばグラビア印刷法により形成される。保護層4の厚さは、乾燥後の厚みで0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましい。保護層4を剥離層やヒートシール層を含む複数の層の積層体としてもよい。
<背面層>
背面層6には、バインダー樹脂に上記の不可視光線吸収材料を添加したものを用いる。背面層6を構成するバインダー樹脂について特に限定はなく、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
背面層6には、バインダー樹脂に上記の不可視光線吸収材料を添加したものを用いる。背面層6を構成するバインダー樹脂について特に限定はなく、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、背面層6は、サーマルヘッド101との滑り性を向上させるための滑剤が含有されていることが好ましい。なお、滑剤は、背面層6における任意の構成である。滑剤としては、例えば、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、リン酸エステル、脂肪酸エステル、金属石鹸、Wax、グラファイトパウダー、フッ素変性グラフトポリマー、フッ素変性ブロックポリマー、シリコーンオイル、シリコーン変性グラフトポリマー、シリコーン変性ブロックポリマー等のシリコーン重合体等を適宜選択して用いることができる。
背面層6は、バインダー樹脂、必要に応じて添加される滑剤等を適当な溶媒に溶解または分散した塗工液を、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の塗工手段を用いて塗工し、乾燥することで形成できる。塗工液の調製に用いられる溶媒としては、例えば、水、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。
背面層6の厚さは凸部以外の領域で0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましく、凸部における背面層6の厚さはその1.5倍以上2.0倍以下であることが好ましい。
<背面プライマー層>
背面プライマー層5には、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等に、上記の不可視光線吸収材料を添加したものを用いる。
背面プライマー層5には、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等に、上記の不可視光線吸収材料を添加したものを用いる。
背面プライマー層5は、上記の材料を適当な溶媒に溶解又は分散した塗工液を、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の塗工手段を用いて塗工し、乾燥することで形成できる。背面プライマー層5の厚さは凸部以外の領域で0.02μm以上2.0μm以下であることが好ましく、凸部における背面プライマー層5の厚さはその1.5倍以上2.0倍以下であることが好ましい。
熱転写シート10の構成は図1,2に示すものに限定されず、さらに他の層が設けられていてもよい。
上記実施形態では、染料プライマー層2及び背面層6が紫外線吸収材料を含み、背面プライマー層5が蛍光増白剤を含む例について説明したが、各層に含まれる不可視光線吸収材料の種類の組み合わせはこれに限定されない。染料プライマー層2、背面プライマー層5及び背面層6に、それぞれ異なる不可視光線吸収材料が含まれていてもよい。
染料プライマー層2、背面プライマー層5及び背面層6の3層に対し、2種類の不可視光線吸収材料を含有させてもよい。この場合、染料プライマー層2に含まれる不可視光線吸収材料は、背面プライマー層5に含まれる不可視光線吸収材料及び背面層6に含まれる不可視光線吸収材料の少なくともいずれか一方とは種類が異なる。
染料プライマー層2、背面プライマー層5及び背面層6の3層に対し同一種類の不可視光線吸収材料を含有させ、熱転写シート10に不可視光線を照射し、熱転写シート10からの受光強度の変化の間隔によって、熱転写シート10の品種を表現してもよい。染料プライマー層2、背面プライマー層5及び背面層6に設ける凸パターンの形状は同じでもよい。
例えば、図7(a)(b)は、染料プライマー層2、背面プライマー層5及び背面層6に紫外線吸収材料を含有させ、各層に同一形状(凸部が1個の)の凸パターン2d、5d、6dを設けた構成を示している。図6(a)に示す構成と、図6(b)に示す構成とで、熱転写シート10の平面方向における凸パターン2d、5d、6dの間隔が異なっている。そのため、紫外線強度が変化する間隔も異なる。このような紫外線強度の変化の間隔(凸パターン2d、5d、6dの間隔)を、熱転写シート10の品種を表す識別情報に用いることができる。
染料プライマー層2、背面プライマー層5及び背面層6の3層のうち2層に不可視光線吸収材料を含有させてもよい。不可視光線吸収材料が含まれない層には凸パターンを設ける必要はない。
熱転写シート10から、染料プライマー層2又は背面プライマー層5が省略されていてもよい。
不可視光線吸収材料を含有する層が複数ある場合、これらの層は積層されていてもよいし、他の層を間に挟んでいてもよい。不可視光線吸収材料を含有する層は、基材1の一方の面にのみ設けられていてもよいし、両方の面に設けられていてもよい。
上記実施形態では、イエロー染料層3Yとマゼンタ染料層3Mとの間の領域における光強度の変化を測定する例について説明したが、測定箇所はこれに限定されず、マゼンタ染料層3Mとシアン染料層3Cとの間の領域でもよいし、シアン染料層3Cと保護層4との間の領域でもよい。
上記実施形態では、イエロー染料層3Y、マゼンタ染料層3M、シアン染料層3C及び保護層4が間隔を空けて設けられる例について説明したが、間隔が空いていなくてもよい。この場合、シアン染料層3Cの下方に位置する凸パターンによる光の強度変化を測定することが好ましい。
上記実施形態では、イエロー染料層3Y側から順に、蛍光強度が閾値Th1を上回る前に紫外線強度が閾値Th2を下回る回数、蛍光強度が閾値Th1を上回る回数、蛍光強度が閾値Th1を上回った後に紫外線強度が閾値Th2を下回る回数を並べたパターンで熱転写シート10の品種を識別していたが、イエロー染料層3Yとマゼンタ染料層3Mとの間で、蛍光強度が閾値Th1を上回る回数及び紫外線強度が閾値Th2を下回る回数の組み合わせから、熱転写シート10の品種を識別するようにしてもよい。
例えば、図2に示す例では、凸パターン2a、2b、2cの凸部がそれぞれ1個、2個、3個となっている。同様に、凸パターン5a、5b、5c、凸パターン6a、6b、6cもそれぞれ凸部の数が1個、2個、3個となっている。従って、イエロー染料層3Yとマゼンタ染料層3Mとの間の凸パターン(凸部)の配置方法は、3×3×3=27通りある。
これら27通りについて、蛍光強度が閾値Th1を上回る回数及び紫外線強度が閾値Th2を下回る回数の組み合わせは、図8に示すように15通り存在する。従って、蛍光強度が閾値Th1を上回る回数及び紫外線強度が閾値Th2を下回る回数の組み合わせ毎に品種を割り当てると、A〜Oの15種類の品種を識別することが可能となる。
上記実施形態では、不可視光線吸収材料を含有する層に凸パターンを設けていたが、凹パターンを設けてもよい。凹パターンによっても、センサによる受光強度が変化し、識別情報を表現できる。
凸パターン(又は凹パターン)を設ける層は、染料プライマー層2、背面プライマー層5、背面層6等の熱転写シートの長手方向の全面(先端部、末端部を除く)に連続的に形成される層のうち、いずれか1層でもよい。例えば、染料プライマー層2に、染料プライマー層2と同一材料からなる凸パターンを設ける場合、イエロー染料層3Yとマゼンタ染料層3Mとの間の領域に凸パターン2a、2b、2cのいずれが配置されるかによって、3種類の品種を識別することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 基材
2 染料プライマー層
3 染料層
4 保護層
5 背面プライマー層
6 背面層
10 熱転写シート
101 サーマルヘッド
102 プラテンロール
103 供給部
104 回収部
107 印画シート
110 制御装置
111 識別部
112 記憶部
120 センサ
140 印画部
2 染料プライマー層
3 染料層
4 保護層
5 背面プライマー層
6 背面層
10 熱転写シート
101 サーマルヘッド
102 プラテンロール
103 供給部
104 回収部
107 印画シート
110 制御装置
111 識別部
112 記憶部
120 センサ
140 印画部
Claims (12)
- サーマルヘッド及びプラテンロールを有し、基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートと印画紙とを重ね合わせて、前記サーマルヘッドと前記プラテンロールとの間を搬送させるとともに、前記サーマルヘッドが前記熱転写シートを加熱して染料を転写し、前記印画紙に画像を形成する熱転写印画装置であって、
前記熱転写シートに不可視光線を照射し、前記熱転写シートからの光を受光し、前記熱転写シートを構成する複数の層のうち、前記基材と前記染料層との間及び前記基材の他方の面の少なくともいずれか一方に位置し不可視光線吸収材料を含有する少なくとも1層に設けられた凹パターン又は凸パターンによる受光強度の変化を検出するセンサと、
熱転写シートの品種と、品種毎の受光強度の変化パターンとを対応付けたテーブルを格納する記憶部と、
前記テーブルを参照し、前記センサの検出結果から、前記供給部が供給する熱転写シートの品種を識別する識別部と、
を備える熱転写印画装置。 - 前記センサは、紫外線を照射する光源と、前記熱転写シートで反射する紫外線又は透過する紫外線を受光する受光部を有することを特徴とする請求項1に記載の熱転写印画装置。
- 前記センサは、前記熱転写シートで発せられる蛍光を受光する蛍光受光部を有することを特徴とする請求項2に記載の熱転写印画装置。
- 前記センサは、赤外線を照射する光源と、前記熱転写シートで反射する赤外線又は透過する赤外線を受光する受光部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱転写印画装置。
- 前記熱転写シートには複数色の染料層が間隔を空けて設けられており、
前記センサは、染料層の間の領域に不可視光線を照射し、受光強度の変化を検出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱転写印画装置。 - 前記テーブルには、熱転写シートの品種毎の印画条件が対応付けられており、
前記識別部が識別した熱転写シートの品種に応じた印画条件で印画処理を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の熱転写印画装置。 - 基材と、前記基材の一方の面に設けられた染料層と、前記基材と前記染料層との間及び前記基材の他方の面の少なくともいずれか一方に位置し、不可視光線吸収材料を含有する層とが積層され、
前記不可視光線吸収材料を含有する層には、凹パターン又は前記不可視光線吸収材料を含有する層と同一の材料からなる凸パターンが設けられていることを特徴とする熱転写シート。 - 前記不可視光線吸収材料を含有する層は、第1の層及び第2の層を含み、前記第1の層に含有されている不可視光線吸収材料は、前記第2の層に含有されている不可視光線吸収材料とは種類が異なることを特徴とする請求項7に記載の熱転写シート。
- 前記染料層は、イエロー染料層、マゼンタ染料層及びシアン染料層を有し、
前記イエロー染料層、前記マゼンタ染料層及び前記シアン染料層は間隔を空けて順に設けられており、
前記第1の層は、前記イエロー染料層と前記マゼンタ染料層との間に位置する第1凹パターン又は第1凸パターンと、前記マゼンタ染料層と前記シアン染料層との間に位置する第2凹パターン又は第2凸パターンとを有し、
前記第1凹パターン又は第1凸パターンと、前記第2凹パターン又は第2凸パターンとは形状が異なることを特徴とする請求項8に記載の熱転写シート。 - 前記第1凹パターン又は第1凸パターンと、前記第2凹パターン又は第2凸パターンとは、凸部又は凹部の数が異なることを特徴とする請求項9に記載の熱転写シート。
- 前記シアン染料層に続いて保護層が間隔を空けて設けられており、
前記第1の層は、前記シアン染料層と前記保護層との間に位置する第3凹パターン又は第3凸パターンをさらに有し、
前記第1凹パターン又は第1凸パターン、前記第2凹パターン又は第2凸パターン、及び前記第3凹パターン又は第3凸パターンは、凹部又は凸部の数が互いに異なることを特徴とする請求項10に記載の熱転写シート。 - 前記第2の層は、前記イエロー染料層と前記マゼンタ染料層との間に位置する第4凹パターン又は第4凸パターンと、前記マゼンタ染料層と前記シアン染料層との間に位置する第5凹パターン又は第5凸パターンと、前記シアン染料層と前記保護層との間に位置する第6凹パターン又は第6凸パターンとを有し、
前記第4凹パターン又は第4凸パターン、前記第5凹パターン又は第5凸パターン、及び前記第6凹パターン又は第6凸パターンは、凹部又は凸部の数が互いに異なることを特徴とする請求項11に記載の熱転写シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018010698A JP2019126980A (ja) | 2018-01-25 | 2018-01-25 | 熱転写印画装置及び熱転写シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018010698A JP2019126980A (ja) | 2018-01-25 | 2018-01-25 | 熱転写印画装置及び熱転写シート |
Publications (1)
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JP2019126980A true JP2019126980A (ja) | 2019-08-01 |
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Family Applications (1)
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JP2018010698A Pending JP2019126980A (ja) | 2018-01-25 | 2018-01-25 | 熱転写印画装置及び熱転写シート |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019126980A (ja) |
-
2018
- 2018-01-25 JP JP2018010698A patent/JP2019126980A/ja active Pending
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