JP2019118990A - 切削方法及び切削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの回転軸がロボットアームの先端部から外れた位置に配置される場合に、振動が抑えられる切削方法を提供する。【解決手段】ロボットアームと、切削を行う刃部を有する切削工具と、切削工具を回転駆動させるモータと、ロボットアームの先端部と切削工具との間を接続する接続部とを備えた切削装置を用いて切削を行う。ロボットアームが、回転駆動部によって刃部が回転駆動される切削工具を移動させながら、ワークの切削が行われる。切削方法は、切削工具の移動方向に沿って、切削工具が、先端部よりも後方に位置した状態でワークの切削を行う切削工程を備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、ロボットを用いてワークの切削を行う切削方法及び切削装置に関する。
従来、ロボットを用いて切削を行う切削装置について提案されている。特許文献1には、ロボットを用いた切削によって、溶接ビードの除去を行う切削装置について開示されている。
特開2015−71203号公報
特許文献1に開示された切削装置は、スピンドルモータがロボットアームの先端部に直接取り付けられている。また、スピンドルモータの直下の位置に、切削工具が取り付けられている。
しかしながら、切削の行われる条件によっては、切削工具にかかる負荷が大きくなり、切削工具を駆動させるためのモータのサイズが大きくなってしまう可能性がある。ワークの強度が高い場合には、ワークに対し切削を行うのに大きなトルクが必要とされるので、その分切削工具にかかる負荷が大きくなる可能性がある。また、ワークに対する切削を高速で行う場合についても、切削工具にかかる負荷が大きくなる可能性がある。
モータのサイズが大きくなると、ロボットアームの先端部の位置にモータの配置されるスペースを確保することができず、モータをロボットアームの先端部に直接取り付けることができなくなってしまう場合がある。その場合、ロボットアームの先端部とモータとが離れた位置に配置されることがある。このとき、モータがロボットアームの先端部から離れた位置に配置された状態で切削が行われるので、場合によってはそこで切削の際に振動が生じ、振動によって切削精度が影響を受けてしまう可能性がある。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、振動が抑えられる切削方法及び切削装置を提供することを目的としている。
本発明の切削方法は、ロボットアームと、切削を行う刃部を有する切削工具と、前記刃部を回転駆動させる回転駆動部と、前記ロボットアームの先端部と前記切削工具との間を接続する接続部とを備えた切削装置を用い、前記ロボットアームが、前記回転駆動部によって前記刃部が回転駆動される前記切削工具を移動させながら、ワークの切削が行われる切削方法であって、前記切削工具の移動方向に沿って、前記切削工具が、前記先端部よりも後方に位置した状態で前記ワークの切削を行う切削工程を備えたことを特徴とする。
上記構成の切削方法では、切削工具の移動方向において、切削工具が、ロボットアームの先端部よりも後方に位置した状態でワークの切削が行われるので、接続部が引っ張られた状態で切削が行われ、安定した状態で切削を行うことができる。従って、切削の際に振動が生じることを抑えることができる。
本発明の切削装置は、ロボットアームと、切削を行う刃部を有する切削工具と、前記刃部を回転駆動させる回転駆動部と、前記ロボットアームの先端部と前記切削工具との間を接続する接続部と、前記切削工具の移動方向において、前記切削工具が前記接続部を介し前記先端部よりも後方に位置した状態で、前記回転駆動部が前記刃部を回転駆動させてワークの切削が行われるように、前記ロボットアームの動作を制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
上記構成の切削装置では、切削工具の移動方向に沿って、切削工具が、接続部を介し、ロボットアームの先端部よりも後方に位置した状態で回転駆動部が刃部を回転駆動させてワークの切削が行われるように、ロボットアームの動作が制御されるので、接続部が引っ張られた状態で切削が行われ、安定した状態で切削を行うことができる。従って、切削の際に振動が生じることを抑えることができる。
本発明によれば、切削の行われる際の振動が生じることが抑えられるので、振動による影響を受けずに切削を行うことができ、精度良く切削を行うことができる。
本発明の実施形態に係る切削装置についての側面図である。 (a)は図1の切削装置で用いられる切削工具の刃部についての平面図であり、(b)は(a)の刃部についての正面図である。 図1の切削装置における切削ロボットの制御系統の構成について示したブロック図である。 図1の切削装置を用いて切削を行うワークについての斜視図である。 図1の切削装置によって切削が行われる際の、ロボットアームと切削工具との間の位置関係について示した構成図である。 比較例の切削装置によって切削が行われる際の、ロボットアームと切削工具との間の位置関係について示した構成図である。 (a)は、切削工具がロボットアームよりも後方に位置した状態で切削が行われる場合のロボットアームの先端部回りのモーメントの方向について示した構成図であり、(b)は、切削工具がロボットアームよりも前方に位置した状態で切削が行われる場合のロボットアームの先端部回りのモーメントの方向について示した構成図である。 図1の切削装置によって切削が行われる際の、切削工具の刃部と、切削の行われるワークとの間の位置関係について示した構成図である。 図8の切削工具の刃部と、切削の行われるワークの断面について示した構成図である。
以下、本発明の実施形態に係る切削方法及び切削装置について、添付図面を参照して説明する。
図1に、実施形態に係る切削装置100についての側面図を示す。
切削装置100は、切削ロボット10と、ワークの設置される作業台20とを有している。作業台20にワークを設置し、切削ロボット10を用いてワークの切削を行うことが可能に構成されている。
切削ロボット10は、ロボットアーム11を備えた多関節ロボットである。ロボットアーム11は、ベース12と、複数のリンク13〜18とを備えている。本実施形態では、ロボットアーム11は、接地されたベース12から順に、ベース12、第1リンク13、第2リンク14、第3リンク15、第4リンク16、第5リンク17及び第6リンク18を有している。
また、ロボットアーム11は、ベース12及び複数のリンク13〜18のそれぞれの間に、関節を備えている。
ベース12は、床に接地されている。ベース12は、第1関節JT1を介して第1リンク13と接続されている。第1関節JT1の回転軸線L1は鉛直方向に延びている。また、第1リンク13は、第2関節JT2を介して第2リンク14と接続されている。第2関節JT2の回転軸線L2は、水平方向に延びている。また、第2リンク14は、第3関節JT3を介して第3リンク15と接続されている。第3関節JT3の回転軸線L3は、水平方向に延びている。また、第3リンク15は、第4関節JT4を介して第4リンク16と接続されている。第4関節JT4の回転軸線L4は、第4リンク16の長手方向に沿って延びている。また、第4リンク16は、第5関節JT5を介して第5リンク17と接続されている。第5関節JT5の回転軸線L5は、水平方向に延びている。また、第5リンク17は、第6関節JT6を介して第6リンク18と接続されている。第6関節JT6の回転軸線L6は、第6リンク18の長手方向に延びている。
第1関節JT1〜第6関節JT6には、それぞれ、各関節が連結する2つの部材を相対的に回転させる関節駆動部を備えている。各関節駆動部は、サーボドライバ、サーボモータ、回転角検出器および減速機などを含んでいる。サーボモータの回転は、後述する制御部50によってサーボ制御される。
ロボットアーム11では、入力装置から出力されるロボットアーム11の入力情報、又は後述する記憶装置の動作シーケンス情報に規定されている動作情報に従って、制御部50が、駆動モータにより回転させられる第1関節JT1〜第6関節JT6のそれぞれの角度を制御することにより、ロボットアーム11の先端部の位置を決定する。
第6リンク18の先端部には、接続部19が設けられている。接続部19は、ロボットアーム11における第6関節JT6の回転軸線L6の延びる方向に直交する方向に延びるように、第6リンク18の先端部に接続されている。回転軸線L6の延びる方向に直交する方向において、接続部19における第6リンク18に取り付けられた側とは逆側の位置には、切削工具30と、切削工具30を回転駆動させるスピンドルモータとしてのモータ(回転駆動部)31が取り付けられている。本実施形態では、接続部19の主面の延びる方向が、ロボットアーム11における第6関節JT6の回転軸線L6の延びる方向に直交するように、接続部19がロボットアーム11の第6リンク18に取り付けられている。従って、切削ロボット10においては、第6リンク18と、切削工具30との間を、ロボットアーム11における第6関節JT6の回転軸線L6に直交する方向に延びた接続部19が接続するように構成されている。
切削工具30は、切削工具30の回転軸の軸方向が、接続部19から回転軸線L6に水平な方向に向けて延びるように、接続部19に取り付けられている。モータ31は、モータ31の回転軸の軸方向が切削工具30における回転軸の軸方向と同方向となるように、接続部19に取り付けられている。モータ31の回転軸の軸方向及び切削工具30の回転軸の軸方向は、ロボットアーム11における第6関節JT6の回転軸線L6に平行な方向に延びている。
接続部19は、ロボットアーム11の第6リンク18に接続されると共に、接続部19に取り付けられた切削工具30及びモータ31を支持している。このように、接続部19は、切削工具30及びモータ31を支持するブラケットとして機能している。第6リンク18と、切削工具30との間が、ロボットアーム11における第6関節JT6の回転軸線L6に直交する方向に延びた接続部19によって接続されているので、第6リンク18と、切削工具30とが、回転軸線L6に直交する方向において、オフセットされた位置に配置されている。
なお、本実施形態では、接続部19の主面の延びる方向が、ロボットアーム11における第6関節JT6の回転軸線L6の延びる方向に直交するように、接続部19が第6リンク18に取り付けられる構成について説明しているが、本発明はこれに限定されない。接続部19の主面の延びる方向が、ロボットアーム11における第6関節JT6の回転軸線L6の延びる方向に対し、直交せずに傾けられて取り付けられてもよい。
ロボットアーム11の先端部と、切削工具30あるいはモータ31とが干渉しないように、接続部19を介して、ロボットアーム11の先端部と、切削工具30あるいはモータ31との間の距離d1が十分に確保されていれば、接続部19は第6リンク18の延びる方向に直交する方向に対し傾けて取り付けられていてもよい。
第6リンク18と切削工具30あるいはモータ31とが、接続部19の延びる方向において十分に離間するので、ロボットアーム11によって移動される切削工具30の移動方向において、第6リンク18と切削工具30あるいはモータ31とを十分に離間させることができる。このように、接続部19は、第6リンク18と切削工具30あるいはモータ31との間を、ロボットアーム11の先端部の延びる方向(回転軸線L6の延びる方向)に対し交差する方向にオフセットさせて接続すればよい。
切削工具30は、切削を行う際には、先端部に刃部32が取り付けられる。図2(a)に、刃部32についての平面図を示し、図2(b)に、刃部32についての正面図を示す。刃部32は、例えば4つの切刃32aを有している。また、切削工具30は、回転軸C1を有している。モータ31が駆動され、切削工具30が回転駆動されると、切削工具30の先端部に取り付けられた刃部32が、回転軸C1を中心に回転するように構成されている。
本実施形態では、第6リンク18と切削工具30との間を接続部19が接続しているので、ロボットアーム11の先端部の位置と、切削工具30における回転軸C1の位置とがずれている。
本実施形態の切削装置100は、切削の行われるワークとして、後述するように、高強度鋼に形成された溶接ビードが想定されている。また、本実施形態では特に、高強度鋼は、鉄道の車両を製造するのに用いられる高強度鋼であることが想定されている。そのため、切削装置100によって切削の行われるワークの強度が高く、切削が行われる際に切削工具30にかかる負荷が比較的大きい。そのため、切削工具30を回転駆動させる際にモータ31に比較的大きなトルクが必要とされる。これに対応するために、切削装置100では、比較的大きなサイズのモータ31が適用されている。
しかしながら、モータ31のサイズが比較的大きく、モータ31の重量も大きいことから、ロボットアーム11の先端部の位置にモータ31を直接的に取り付けることはできない。サイズの大きいモータをロボットアーム11の先端部に直接的に取り付けると、ロボットアーム11の先端から切削工具30までの距離が大きくなり、ロボットアーム11の移動が制限されてしまう可能性がある。このように、ロボットアーム11の先端部の位置には、配置スペース上の制限があることから、サイズの大きなモータ31をロボットアーム11の先端部の位置に直接的に取り付けることができない。
そのため、本実施形態では、ロボットアーム11の先端部に接続部19が取り付けられ、接続部19に切削工具30及び切削工具30の回転駆動を行うモータ31が取り付けられている。本実施形態では、ロボットアーム11の先端部に取り付けられた接続部19に対し切削工具30及びモータ31が取り付けられるので、ロボットアーム11の先端部の延びる方向に直交する方向において、ロボットアーム11の先端部とモータ31との間の距離が十分に確保されながら、ロボットアーム11に切削工具30及びモータ31を取り付けることができる。従って、比較的サイズの大きいモータが用いられても、ロボットアーム11とモータとが干渉することを抑えることができる。これにより、サイズの大きいモータが用いられたときにロボットアーム11とモータ31とが互いに干渉せずに、ロボットアーム11の第5リンク17、第6リンク18の可動範囲を比較的大きく確保できる。本実施形態では、切削装置100を平面視したときに、切削工具30の全体がロボットアーム11から外れるように、切削工具30がロボットアーム11から外れた位置に取り付けられている。
本実施形態では、切削ロボット10として、可搬重量が200kgのロボットが用いられている。このとき、ロボットアーム11の先端部の中心の位置と、切削工具30の中心の位置との間の距離d1が351mmとなるように、切削工具30がロボットアーム11から外れた位置に取り付けられている。
ロボットアーム11の先端部が接続部19を把持し、接続部19に切削工具30及びモータ31が取り付けられているので、ロボットアーム11には、切削工具30及びモータ31が直接取り付けられているわけではない。そのため、切削ロボット10としては、汎用のロボットを用いることができる。汎用のロボットにエンドエフェクタとして接続部19を把持させ、接続部19に切削工具30及びモータ31が取り付けられる。切削装置100に汎用のロボットが用いられるので、切削装置100の製造コストを少なく抑えることができる。
また、ロボットアーム11の先端部とモータ31との間の距離d1が接続部19によって確保されるので、切削を行うために切削工具30を移動させる際に、ロボットアーム11とモータ31とが互いに干渉することを抑えることができる。ロボットアーム11とモータ31とが互いに干渉せずに、ロボットアーム11を移動させることができるので、ロボットアーム11の移動可能な範囲が広くなる。従って、切削工具30によってより自由度の高い切削を行うことができる。
また、切削工具30及びモータ31の移動する切削経路近傍に障害物がある場合には、接続部19を移動させて切削工具30及びモータ31を移動させることにより、切削工具30及びモータ31が障害物と接触することを回避することができる。従って、ロボットアーム11による簡易な動作によって、切削工具30及びモータ31が障害物と接触することを回避することができる。
接続部19は、切削工具30及びモータ31を支持している。本実施形態では、接続部19の内部には、電気的な配線や、エアーの配管が配置されている。接続部19が電気的な配線やエアーの配管を内部に収納しているので、接続部19がこれらの配置スペースとしての機能を兼ね備えることができ、切削ロボット10を小型化することができる。
次に、切削ロボット10の制御構成について説明する。図3に、切削ロボット10における制御構成についてのブロック図を示す。
制御部50は、図3に示されるように、CPU等の演算部50aと、ROM、RAM等の記憶部50bと、サーボ制御部50cと、を備える。制御部50は、例えばマイクロコントローラ等のコンピュータを備えたロボットコントローラである。なお、制御部50は、集中制御する単独の制御部50によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御部50によって構成されていてもよい。
記憶部50bには、ロボットコントローラとしての基本プログラム、各種固定データ等の情報が記憶されている。演算部50aは、記憶部50bに記憶された基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、切削ロボット10の各種動作を制御する。たとえば、制御部50は、記憶部50bに予め記憶されたプログラム、または、作業者により入力された操作に基づいてロボットアーム11の動作を制御する。また、制御部50は、モータ31の回転駆動を制御するように構成されていてもよい。
すなわち、演算部50aは、切削ロボット10の制御指令を生成し、これをサーボ制御部50cに出力する。サーボ制御部50cは、演算部50aにより生成された制御指令に基づいて、ロボットアーム11の各関節JT1〜JT6に対応するサーボモータの駆動を制御するように構成されている。例えば、演算部50aは、プロセッサユニットによって構成されている。
以上のように構成された切削装置100を用いて切削が行われる。本実施形態では、切削装置100を用いて、高強度鋼に形成された溶接ビードの切削が行われる。
図4に、切削の行われるワーク40の斜視図を示す。本実施形態では、ワーク40は、鉄道車両用台車枠における横梁パイプ41と、横梁パイプ41同士の間を繋ぐ繋梁42との間の接続部43である。
横梁パイプ41と繋梁42とが溶接によって接続されると、これらの間の接続部43に溶接ビード44が残る。溶接ビード44をそのままにしておいた場合、溶接ビード44の形状によっては、そこで応力集中が生じる可能性がある。そのため、本実施形態では、接続部43に形成された溶接ビード44を切削装置100によって切削している。
切削装置100により溶接ビード44が所定の形状となるように切削されるので、溶接ビード44の形状をなめらかに形成することができる。溶接ビード44の形状がなめらかに形成されるので、少しのグラインダ仕上げを加えることで、溶接ビード44で応力集中が生じることが抑えられる。従って、溶接による接続が行われた場合に、鉄道車両用台車枠として長期間に亘って使用される過程において、応力の集中によって鉄道車両用台車枠の故障を招いてしまうことを抑えることができる。これにより、鉄道車両用台車枠の品質を向上させることができる。
また、切削を切削装置100によって行うので、溶接ビード44の切削を切削ロボット10によって精度良く行うことができる。また、溶接ビード44の切削を切削ロボット10によって高速に行うことができる。
なお、本実施形態では、切削装置100が高強度鋼に対し溶接ビードの切削を行っているが、ここでは、鋼材のうち、引っ張り強さが490(MPa)以上であるものを高強度鋼というものとする。
次に、切削装置100によって行われる切削方法について説明する。
図5に示されるように、切削装置100を平面視すると、接続部19によって、ロボットアーム11の先端部11aの位置と、切削工具30の位置とがオフセットされて、ロボットアーム11と切削工具30とが接続されている。このように本実施形態では、接続部19を介して、ロボットアーム11と切削工具30とが接続されている。
溶接ビード44の切削が行われる際には、図5に示されるように、切削装置100によって切削を行う際の切削工具30の移動方向D1において、切削工具30が、ロボットアーム11の先端部11aよりも後方に位置した状態で切削が行われる(S2)(切削工程)。このように切削が行われるので、切削装置100におけるロボットアーム11と切削工具30との間の接続部19が、切削工具30の移動方向D1において、引っ張られた状態で切削を行うことができる。
ロボットアーム11を図5の移動方向D1に向かって移動させながら切削が行われるときには、接続部19におけるロボットアーム11の先端部11aが接続部19に接続された移動方向D1の前方部分では、ロボットアーム11によって引っ張られることにより、D1方向に向かって力が作用する。また、接続部19における移動方向D1の後方部分では、切削工具30に対し、切削による負荷が作用する。そのため、切削工具30には、図5に示される矢印D1の方向とは逆方向に力が作用する。このように、接続部19における移動方向D1の前方ではロボットアームによってD1方向に引っ張られ、接続部19における移動方向D1の後方では切削による負荷によってD1の方向とは逆方向に引っ張られる。
切削工具30の移動方向D1において、接続部19の前側の位置では前方に向かう方向に力が作用し、後ろ側の位置では後方に向かう方向に力が作用する。そのため、接続部19には、それぞれ接続部19が引っ張られる方向に相反する方向の力を受ける。接続部19が、引っ張られた状態で切削が行われるので、切削工具30が安定した状態で切削を行うことができる。従って、切削工具30によって切削が行われる際に、切削工具30で振動が生じることを抑えることができる。
本実施形態では、D1方向に沿った切削を行う範囲についての一方の端部から他方の端部まで1回の移動による切削が行われると、ロボットアーム11の先端部11aが一方の端部に戻ると共に、切削幅方向への移動を行った後に、次のパスについて再びD1方向に沿った切削を行う。従って、ロボットアーム11は、複数回のD1方向への移動と、切削幅方向への移動を伴って刃部32によって切削を行う。ロボットアーム11がD1方向とは逆方向に移動する際には、切削は行われない。つまり、ロボットアーム11は、切削工具30による往復移動と、往復移動する移動方向に交差する切削幅方向への移動とを行いながら、切削工具30にワーク40への切削を行わせると共に、切削工具30は、往復移動のうち、一方向への移動のときにのみ、ワーク40の切削を行う。切削工具30が、往復移動のうち、一方向への移動のときにのみワーク40の切削を行っているので、ワーク40の長さ方向においては、切削工具30が同一の方向に移動するときにだけ切削を行うことになる。
ロボットは、マシニングセンタ等の工作機械に比べ、被切削物に対しての水平、垂直方向への位置決め精度が比較的低い。そのため、往復移動のうちの両方の方向への移動で切削を行う場合には、行きと帰りの経路の間で切削工具30の軌道にずれが生じ、切削の精度が低下する可能性がある。従って、切削工具30は、往復移動のうちの一方向への移動のときにのみ、ワーク40への切削を行うことが望ましい。切削工具30が往復移動のうちの一方向への移動のときにのみワーク40への切削が行われるので、切削工具30による移動の際に、切削工具30の軌道にずれが生じ難く、ワーク40への切削をより高精度に行うことができる。
また、切削工具30は、往復移動する移動方向に交差する切削幅方向への移動のときにも切削を行うように、切削を行ってもよい。つまり、切削工具30は、往復移動のうちの一方向への移動のときと、切削幅方向への移動のときにのみ、ワーク40の切削を行っていることとしてもよい。
また、上記実施形態では、切削工具30の往復移動のうち、一方向への移動のときにのみワーク40への切削を行うこととしたが、本発明は上記実施形態に限定されない。D1方向に沿った切削を行う範囲についての一方の端部から他方の端部まで1回の移動による切削を終えると、切削工具30がD1方向とは逆方向に移動しながら、次の移動による切削が行われてもよい。このとき、切削工具30による移動方向がD1方向とは逆方向になるので、ロボットアーム11が姿勢を変えることにより、再び切削工具30がロボットアーム11の先端部11aよりも移動方向の後方に位置させてもよい。切削が行われる際に、切削工具30がロボットアーム11の先端部11aよりも移動方向の後方に位置するのであれば、切削工具30による移動はどのように行われてもよい。
ワーク40の全ての領域についての切削を終えると、切削工程が完了する。
後述するように、本実施形態では、切削工具30の刃部32が、切削幅方向に沿って、一方の端部と他方の端部との間で高さが異なるように傾けられた状態で切削が行われている。1回の切削による切削面が傾けて形成されるので、切削工具30が往復することによって切削が行われた後には、切削面がジグザグ状に形成される。このジグザグ状に形成された切削面を均すために、グラインダによって切削面の表面を削り、切削面が滑らかになるように仕上げが行われてもよい。
図6に、比較例における溶接ビード44の切削が行われる際の切削装置における要部についての構成図を示す。
比較例では、切削装置100によって切削を行う際の切削工具30の移動方向D2に対し、切削工具30が、ロボットアーム11の先端部11aよりも前方に位置した状態で切削が行われている。この状態で切削が進められていくと、ロボットアーム11の移動によって切削工具30が移動方向D2に沿って進みながら、切削工具30による切削が行われる。
このとき、切削工具30は、ワーク40に対し切削を行っているので、接続部19の移動方向D2の前方で、切削工具30に対し移動方向D2とは逆方向への負荷が作用する。そのため、切削工具30には、図6に示される矢印D3の方向に力が作用するので、接続部19の移動方向D2の前方では、移動方向D2とは逆方向への力が作用する。また、切削が行われる際には、接続部19の移動方向D2の後方では、ロボットアーム11の先端部11aによって押され、切削工具30に対し移動方向D2の方向に力が作用する。ロボットアーム11によって接続部19が矢印D2の方向に押されると共に、切削の際の負荷によって接続部19が矢印D3の方向に押されるので、切削が行われている際に、接続部19の前方の位置と後方の位置において、相反する方向に力が作用する。従って、接続部19に対し、接続部19が圧縮される方向に力が作用する。
接続部19が、圧縮され、相反する方向の力を受けながら切削が行われるので、接続部19が不安定になり、切削の際に切削工具30が上下に振れ、そこで振動が生じ易くなる。特に、本実施形態では、切削装置100は、高強度鋼で生成された溶接ビード44の切削を行っている。そのため、切削の際に切削工具30にかかる負荷が大きく、切削工具30は、振動がより生じ易い状況にある。
また、切削工具30が、ロボットアーム11の先端部11aよりも前方に位置した状態で切削が行われる場合には、重量物が前方に位置した状態で、重量物を前方へ押し出していきながら切削工具30が切削を行う。切削工具30の刃部32は、ワーク40をすくいながら削り取っていく。このとき、接続部19を介して、切削工具30に、切削ロボット10におけるロボットアーム11の先端部11a回りのモーメントが生じる。
図7(a)、(b)に、切削が行われる際に、ロボットアーム11の先端部11a回りに生じるモーメントの方向について示した構成図を示す。
図7(a)では、本実施形態に示されるように、切削工具30の移動方向において、切削工具30が、ロボットアーム11の先端部11aよりも後方に位置した状態で切削が行われている。図7(a)に示されるように、モータ31による重力W1が、接続部19に作用する。接続部19に、下方に向かうモータ31の重力W1が作用するので、重力W1によって、ロボットアーム11の先端部11a回りにモーメントM1が作用する。また、ロボットアーム11が切削工具30を引っ張りながら切削が行われているので、切削工具30の刃部32には、ロボットアーム11の移動方向の後方に向かって負荷F1が作用する。切削工具30の刃部32に、移動方向の後方に向かう負荷F1が作用するので、負荷F1によって、ロボットアーム11の先端部11a回りにモーメントM2が作用する。
図7(b)では、比較例のように、切削工具30の移動方向において、切削工具30が、ロボットアーム11の先端部11aよりも前方に位置した状態で切削が行われている。図7(b)の状態においても、図7(a)に示された状態と同様に、モータ31による重力W1が、接続部19に作用する。接続部19に、下方に向かうモータ31の重力W1が作用するので、重力W1によって、ロボットアーム11の先端部11a回りにモーメントM1が作用する。また、ロボットアーム11が切削工具30を押しながら切削が行われているので、切削工具30の刃部32には、ロボットアーム11の移動方向の後方に向かって負荷F2が作用する。切削工具30の刃部32に、移動方向の後方に向かう負荷F2が作用するので、負荷F2によって、ロボットアーム11の先端部11a回りにモーメントM3が作用する。
図7(a)に示されるように、ロボットアーム11が移動方向の後方の切削工具30を引っ張りながら切削を行う形態では、ロボットアーム11の先端部11a回りのモーメントM1とモーメントM2との間で方向が異なる。従って、モーメントM1とモーメントM2とが相殺され、ロボットアーム11の先端部11a回りのモーメントの大きさが比較的小さい。従って、切削工具30における刃部32がワークに向かう方向に回転しようとするモーメントが小さく、安定した状態で刃部32が切削を行うことができる。
図7(b)に示されるように、ロボットアーム11が移動方向の前方の切削工具30を押しながら切削を行う形態では、ロボットアーム11の先端部11a回りのモーメントM1とモーメントM3との間で方向が一致する。従って、モーメントM1とモーメントM3とが合わさり、ロボットアーム11の先端部11a回りのモーメントの大きさが比較的大きい。図7(b)の、ロボットアーム11が移動方向前方の切削工具30を押しながら切削を行う形態では、刃部32がワークに向かう方向に回転しようとするモーメントの大きさが比較的大きいので、刃部32によるワークへの切り込み量が大きくなると考えられる。これにより、切削の際に生じる負荷の大きさの変動が増大し、接続部19で振動が生じ易くなると考えられる。従って、切削工具30は、振動がさらに生じ易い状況にある。
これに対し、本実施形態では、図5に示されるように、切削が行われる際に、切削工具30の移動方向D1に対し、切削工具30が、ロボットアーム11の先端部11aよりも後方に位置した状態で切削が行われる。従って、切削が行われる際には、接続部19の前方で接続部19がロボットアーム11によって前方に引っ張られると共に、接続部19の後方で切削の際の負荷によって接続部19が後方に引っ張られる。そのため、接続部19が前方と後方へ互いに引っ張られる方向の力を受けながら、切削工具30によって切削が行われる。接続部19が、引っ張られる方向に力を受けながら切削が行われるので、接続部19が安定した状態で切削が行われる。また、ロボットアーム11の先端部11a回りにおける、刃部32がワークに向かう方向に回転しようとするモーメントを小さくすることができる。従って、切削の際に、接続部19で振動が生じることを抑えることができる。
切削の際に振動が抑えられるので、切削の精度が高く保たれる。そのため、切削が行われたワーク40の品質を向上させることができる。
図8に、切削幅方向に沿って刃部32が部分的に用いられることによって切削が行われている状態の、ワーク40と刃部32との間の位置関係についての構成図を示す。図8に示されるワーク40では、切削工具30が、移動方向D1に沿った移動と、移動方向D1に直交する切削幅方向への移動とを複数回繰り返すことによって、溶接ビード44の全体に亘って切削が行われている。
本実施形態では、切削工具は、切削工具30の移動方向に直交する切削幅方向において、刃部32を部分的に用いることによって、ワーク40の切削が行われている。
図8に示されるように、切削の行われる際には、切削工具30の移動方向に直交する切削幅方向において、切削対象の溶接ビード44から切削工具30が部分的に外れた状態で切削工具30が配置されている。切削工具30が、切削幅方向に沿って、切削対象の溶接ビード44から部分的に外れた位置に配置された状態で、切削工具30によるワーク40への切り込みが行われ、ワーク40の切削が行われる。
特に、本実施形態では、切削幅方向に沿って、刃部32を全体の80パーセント以下だけ用いることによってワーク40の切削が行われている。このように、切削が行われる際に、刃部32の全体が使われずに刃部32における切削に関与する領域を制限することにより、切削の際に生じる負荷を低減させることができる。
本実施形態の切削装置100では、切削工具30における刃部32は、切削幅方向に沿って、全体の20パーセントを用いて切削を行うことが最適である。切削幅方向に沿って、刃部32における20パーセントよりも小さい領域を用いて切削を行う場合には、刃部32がワーク40の切削された面を摺動する時間が長くなり、刃部32の摩耗につながる。その結果、刃部32を交換する頻度が高くなり、一部品の切削に必要な工具数量が増え、交換等のため切削時間が増えてしまうので好ましくない。また、切削の際に使用される刃部32の領域が大きくなると、負荷が大きくなることから振動が生じ易くなるので好ましくない。これらの要因から、本実施形態の切削装置100では、切削工具30における刃部32は、切削幅方向に沿って、全体の20パーセント程度を用いて切削を行うことが好ましい。また、本実施形態の切削装置100では、切削工具30における刃部32の10パーセント以上80パーセント以下の領域を用いてワーク40の切削を行うことが可能に構成されている。
また、本実施形態では、切削幅方向において、刃部32における切削に関与する一端側S1の端部の位置で、刃部32の回転方向D4と、移動方向D1とが同じ方向となるように切削が行われる。
図8には、切削工具30における刃部32の回転方向D4と、切削工具30における切削の際の移動方向D1とが示されている。
本実施形態では、図8に示されるように、切削が行われる際に、刃部32における切削に用いられる部分が、切削工具30の移動方向から見て、刃部32の一端側に偏るように、切削工具30が配置される。すなわち、切削幅方向において、刃部32における切削に関与する部分が、刃部32の一端側に偏っている。
本実施形態では、切削幅方向において、刃部32における切削に関与する側のことを、刃部32における一端側S1というものとする。また、一端側S1とは逆側であり、刃部32における切削に関与しない側のことを他端側S2というものとする。
切削工具30は、切削幅方向に沿って、切削に関与する側の一端側S1の端部の位置で、刃部32の回転方向D4と、移動方向D1とが同じとなるように刃部32が回転した状態で切削を行う。刃部32における切削に関与する側の一端側S1の端部の位置で、刃部32の回転方向D4と、移動方向D1とが同じ方向となるように刃部32が回転した状態で切削が行われるので、安定した状態で切削を行うことができる。
仮に、切削工具30が逆方向に回転しながらD1方向に移動する場合、刃部32における切削に関与する側の一端側S1の端部の位置で、切削工具30における刃部32の回転方向と、移動方向D1とが、逆方向となるように切削工具30が回転した状態で切削が行われる場合について説明する。その場合、切削の際の負荷によって切削工具30が前方に押し出されるように切削工具30に力が作用する。切削工具30は、ロボットアーム11によって移動されることによってD1方向に進もうとする。また、同時に、切削工具30は、切削の際の負荷によって、さらにD1方向に進もうとする。ロボットアーム11によって進もうとする方向と、切削の際の負荷によって進もうとする方向とが一致するので、切削工具30は、あたかも加速するように力を受け、より大きな力によってD1方向に進もうとするため、切削工具30が不安定な状態で、切削工具30がワーク40に切削を行うことになり、そこで振動が生じる可能性がある。
図9に、刃部32及びワーク40についての断面図を示す。本実施形態では、切削工具30の移動方向から見て、刃部32における、一端側S1の端部の高さと、他端側S2の端部の高さとが異なるように切削工具30が繋梁42に対して傾けられた状態で、ワーク40の切削が行われる。具体的には、刃部32における切削に関与しない側の他端側S2の端部の高さが、刃部32における切削に関与する側の一端側S1の端部の高さよりも高くなるように、切削工具30の刃部32が傾けられた状態で切削が行われている。
図9では、切削工具30の刃部32が、傾き角αで傾けられた状態で切削が行われている。本実施形態では、傾き角αは、2〜5度で傾けられることが好ましい。また、傾き角αとしては、0.5〜10度の範囲で切削が行われてもよい。
切削幅方向において、刃部32における一端側S1の端部と他端側S2の端部との間で、高さが異なるように傾けられた状態でワーク40の切削が行われるので、切削を行う過程で、切削幅方向において刃部32が部分的に用いられた状態が保たれたまま、切削を行うことができる。切削工具30が傾いているので、D1方向に沿った切削を行う範囲についての一方の端部から他方の端部まで切削を行った後に、次のD1方向に沿ったパスで切削を行う際に、刃部32の一部がワーク40から浮いた状態で切削工具30が切削を行うことができる。本実施形態では、2パス目以降で、刃部32における切削に関与しない側の他端側S2の端部がワーク40から浮いた状態で、切削工具30がワーク40に対し切削を行うことができる。
このとき、仮に切削工具30における刃部32が傾いていなければ、切削した面と同一の平面上を刃部32のS2側が移動することになり、少しでも誤差があると刃部32の全体がワーク40に当接する。この場合、刃部32の全体がワーク40の切削に関与してしまい、切削工具30にかかる負荷が大きくなってしまうことにより、そこで振動が生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、切削幅方向において、刃部32における一端側S1の端部と、他端側S2の端部との間で、高さが異なるように傾けられた状態でワーク40の切削が行われる。従って、切削工具が、溶接ビード44におけるD1方向に沿った一方の端部から他方の端部までの切削を行い、切削幅の分だけ切削幅方向に移動して、次の切削幅の分の切削を行う際にも、切削工具30の刃部32が部分的にワーク40に当接した状態を保ったまま切削を行うことができる。従って、切削工具30によって切削を行う際に、切削工具30にかかる負荷を少なく抑えることができる。切削の際の切削工具30にかかる負荷が少なく抑えられるので、振動が生じることを抑えることができる。
なお、本実施形態では、溶接ビード44が、概ね母材としての繋梁42の表面に沿って形成されているので、刃部32の傾き角αとしては、繋梁42の延びる方向に対する角度αが用いられている。しかしながら、溶接の行われる対象の母材の形状によっては、切削によって仕上げたい切削後の溶接ビードの形状が、母材に対し傾いて形成される場合が考えられる。切削工具30の刃部32が傾いて配置されることの目的は、切削を行う際に刃部32の全体を用いずに、部分的に刃部32を用いて切削を行うことである。従って、切削の目標となる切削後の溶接ビード44の形状が母材に対し傾いている場合には、切削後の溶接ビード44の表面に対し切削工具30の刃部32を傾けて切削が行われることとしてもよい。そのため、切削の目標となる切削後の溶接ビード44の傾き角に対し、切削工具30の刃部32の傾き角αを加えることによって、切削工具30における刃部32の傾き角を算出することとしてもよい。このように算出された傾き角となるように切削工具30における刃部32を傾けて、溶接ビード44の切削が行われることとしてもよい。
このように、本実施形態によれば、切削の際に切削工具30にかかる負荷を低減させることができる。従って、切削の際に切削工具30で生じる振動を抑えることができる。
従来においては、高強度鋼に形成される溶接ビードを、ロボットを用いて切削する際には、ロボットに取り付けられた切削工具に大きな負荷がかかる。そのため、そこで振動が生じていたので、ロボットを用いた切削を行うことは難しかった。
これに対し、本実施形態では、切削工具30に作用する負荷を低減させることができるので、高強度鋼に形成された溶接ビード44に対し切削ロボット10を用いて切削を行ったとしても、振動が生じることを抑えることができる。従って、ロボットを用いて、高強度鋼に形成された溶接ビード44に対し切削を行うことが可能になる。
高強度鋼に形成された溶接ビード44に対しロボットを用いて切削を行うことができるので、切削を精度良く行うことができる。また、切削を高速で行うことができる。そのため、高強度鋼に形成された溶接ビード44の切削を効率的に行うことができると共に、高強度鋼に形成された溶接ビード44の切削にかかるコストを少なく抑えることができる。
また、高強度鋼に形成された溶接ビード44の形状をなめらかにするのに、ガウジングや、グラインダ等を用いて、手作業で溶接ビードの加工を行うことが考えられるが、その際には、長時間かかってしまい、コストが増大してしまう可能性がある。特に、ガウジングには、熟練した技術が必要であり、限られた人しか作業できないこともあり、溶接ビード44の加工にかかるコストが増大してしまう可能性がある。
本実施形態では、切削ロボット10を用いて溶接ビードの切削を行うことができるので、高速に溶接ビード44の切削を行うことができる。従って、短時間で多くのワーク40に対し溶接ビード44の切削を行うことができ、溶接ビード44の切削の効率を向上させることができる。従って、溶接ビード44の切削にかかるコストを低下させることができる。
また、本実施形態では、鉄道車両用台車枠の製造において、一例として、横梁パイプ41と、横梁パイプ41同士の間を繋ぐ繋梁42との間を溶接によって接続したときに生じる溶接ビード44の切削に本発明が適用されている。鉄道車両用台車枠は、使用される期間に亘って、繰り返し応力が作用する。また、一般に、製造された鉄道車両用台車枠は、長期間に亘って使用される。このように、鉄道車両用台車枠には、高応力、高疲労に適応できるようにする要求がある。繰り返し応力が長期間作用しても、使用される期間では故障が生じないように、鉄道車両用台車枠は高強度鋼によって形成されることが多い。鉄道車両用台車枠が高強度鋼によって形成されるので、長期間に亘って繰り返し応力が作用したとしても、鉄道車両用台車枠として確実に機能することができる。そのため、本発明は、鉄道車両用台車枠の製造に適したものである。また、鉄道車両においては、使用される過程で、他の部品についても繰り返し応力が作用すると共に、長期間に亘って使用される。そのような部品についても、高強度鋼によって形成されることにより、使用される過程で繰り返し応力が作用したとしても故障の発生が抑えられる。従って、本発明は、鉄道車両の部品の製造に適したものである。
なお、上記実施形態では、本発明は、鉄道車両用台車枠における梁パイプ41と、横梁パイプ41同士の間を繋ぐ繋梁42との間の接続部に適用する形態について説明した。しかしながら、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、橋梁を建造する過程で板材同士を溶接で接続する際に生じた溶接ビードを切削することが行われてもよい。また、切削を行う際に負荷の高い部分に対しロボットアームを用いて切削を行うのであれば、本発明は他の用途に用いられてもよい。
また、上記実施形態では、本発明が溶接の際に生じた溶接ビードの切削に用いられる形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。本発明は、溶接ビード以外の対象についての切削に適用されてもよい。
また、上記実施形態では、ワークが高強度鋼である形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。ワークは、高強度鋼以外のものであってもよい。また、本発明は、切削を行う際に振動を低減させるのであれば、どんな種類のワークに用いられてもよい。そのため、切削の行われるワークは、高強度のものでなくてもよい。
11 ロボットアーム
19 接続部
30 切削工具
31 モータ(回転駆動部)
32 刃部
40 ワーク
44 溶接ビード
50 制御部
100 切削装置
S1 一端側
S2 他端側

Claims (9)

  1. ロボットアームと、切削を行う刃部を有する切削工具と、前記刃部を回転駆動させる回転駆動部と、前記ロボットアームの先端部と前記切削工具との間を接続する接続部とを備えた切削装置を用い、前記ロボットアームが、前記回転駆動部によって前記刃部が回転駆動される前記切削工具を移動させながら、ワークの切削が行われる切削方法であって、
    前記切削工具の移動方向において、前記切削工具が、前記先端部よりも後方に位置した状態で前記ワークの切削を行う切削工程を備えたことを特徴とする切削方法。
  2. 前記切削工程において、前記切削工具は、前記切削工具の移動方向から見て、前記刃部を部分的に用いることによって前記ワークの切削を行うことを特徴とする請求項1に記載の切削方法。
  3. 前記切削工程において、前記切削工具は、前記切削工具の移動方向から見て、前記刃部を全体の80パーセント以下だけ用いることによって前記ワークの切削を行うことを特徴とする請求項2に記載の切削方法。
  4. 前記刃部における切削に用いられる部分が、前記切削工具の移動方向から見て、前記刃部の一端側に偏り、
    前記切削工程において、前記切削工具は、前記刃部における前記一端側の端部の位置で、前記刃部の回転方向と、前記移動方向とが同じであることを特徴とする請求項2または3に記載の切削方法。
  5. 前記切削工程において、前記切削工具は、前記切削工具の移動方向から見て、前記刃部における、前記一端側の端部の高さと、前記一端側とは逆側の他端側の端部の高さとが異なるように傾けられた状態で、前記ワークの切削が行われることを特徴とする請求項4に記載の切削方法。
  6. 前記切削工程において、前記ロボットアームは、前記切削工具による往復移動と、往復移動する移動方向に交差する切削幅方向への移動とを行いながら、前記切削工具に前記ワークへの切削を行わせ、
    前記切削工具は、前記往復移動のうち、一方向への移動のときにのみ、前記ワークの切削を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の切削方法。
  7. 前記切削工程では、高強度鋼に形成された溶接ビードの切削が行われることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の切削方法。
  8. 前記高強度鋼は、鉄道車両の部品に用いられることを特徴とする請求項7に記載の切削方法。
  9. ロボットアームと、
    切削を行う刃部を有する切削工具と、
    前記刃部を回転駆動させる回転駆動部と、
    前記ロボットアームの先端部と前記切削工具との間を、前記ロボットアームの前記先端部の延びる方向に交差する方向にオフセットさせて接続する接続部と、
    前記切削工具の移動方向において、前記切削工具が前記接続部を介し前記先端部よりも後方に位置した状態で、前記回転駆動部が前記刃部を回転駆動させてワークの切削が行われるように、前記ロボットアームの動作を制御する制御部と
    を備えていることを特徴とする切削装置。
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