JPH06312345A - グラインダ作業ロボットの制御方法 - Google Patents

グラインダ作業ロボットの制御方法

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JPH06312345A
JPH06312345A JP10203893A JP10203893A JPH06312345A JP H06312345 A JPH06312345 A JP H06312345A JP 10203893 A JP10203893 A JP 10203893A JP 10203893 A JP10203893 A JP 10203893A JP H06312345 A JPH06312345 A JP H06312345A
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誠 神野
Taku Yoshimi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 任意の形状のワークの任意の領域に対してグ
ラインダ作業を行う際、ワーク上のバリや凹凸が激しい
場合やワークが比較的柔らかい場合などにも、砥石が破
損したりワーク内に食い込んでしまうことがなく、効率
良いグラインダ作業を行うことのできるグラインダ作業
ロボットの制御方法を提供することを目的とする。 【構成】 グラインダの押付け力を制御しながらワーク
の所定領域に対して複数回のグラインダ作業を施すグラ
インダ作業ロボットの制御方法において、ワークに対し
てグラインダを接触させることによってその接触点から
グラインダ誘導ラインを算出し、ワークへのグラインダ
作業をグラインダ誘導ライン上から開始するように制御
することを特徴とするグラインダ作業ロボットの制御方
法とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロボットの手先にグラ
インダを取り付け、グラインダの押付け力を制御しなが
らワーク表面にグラインダ作業を施すグラインダ作業ロ
ボットの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ロボットの手先にグラインダなどの研削
工具を取り付け、このグラインダを任意の形状のワーク
に対して所定の力で押し付けながら研削作業を行うグラ
インダ作業ロボットが知られている。
【0003】グラインダ作業ロボットの制御方法として
は、例えば特開平4-164585号などに記載のものが公知で
ある。このようなグラインダ作業ロボットでは、アーム
先端に取付けられた6軸力センサによりグラインダの押
付け力を検出し、この検出押付け力と目標押付け力とを
比較することによってグラインダの目標位置・姿勢を逐
次修正しながら目標押付け力を保持するように制御がな
されている。
【0004】このような公知の方法を用いることによ
り、例えば図9に示すようなワーク20内のグラインダ研
削領域12に対して、グラインダ11を複数回往復させなが
ら研削作業などを行い、所定の領域内を滑らかな状態に
することが可能となる。ここで、グラインダの折り返し
位置は次のように与えられる。まず、Y=0の側では次
のように与えられる。
【0005】
【数1】 また、Y=Yaの側では次のように与えられる。
【0006】
【数2】
【0007】なお、YaはY方向のストロークであり、Xp
はX方向の送りピッチ量である。また(i-1) は、往復回
数を意味することになる。なお、Z方向については力制
御が行われている。そして、従来はYaを一定値として
(つまり作業の往復距離は常に一定に制御されて)、Ya
×(Xp×N)の長方形の領域の研削を行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ワーク
上の凹凸が激しい場合やワークが比較的柔らかい場合な
どは、図9に示すような往復グラインダ作業を行うこと
が好ましくない。つまり、グラインダ11をB方向に移動
(後退)させる時には大きな問題はないが、グラインダ
11をA方向に移動(前進)させる時には、砥石がワーク
に引っ掛かりやすい姿勢になってしまうのである。そし
て、ワーク上のバリや凹凸が激しい場合には砥石(また
はワークやロボット自体)が破損してしまい、またワー
クが比較的柔らかい場合には砥石がワーク内に食い込ん
でしまい、いずれの場合も作業がスムーズに行われない
という問題があった。
【0009】そのため、このような不具合を避けるため
に、グラインダをB方向に後退させる時のみグラインダ
を押付けて研削を行い、グラインダをA方向に前進させ
る時には研削を行わずにワーク上の空間をY=0の側ま
で移動させる方法が採用されていた。
【0010】しかしながら、ワーク上の空間を移動させ
る方法では、再びグラインダ作業を開始する位置に正確
にグラインダを誘導復帰することが困難であった。これ
は、グラインダを誘導復帰する際には力制御を行うこと
ができないことに起因する。
【0011】たとえば式(1) を用いて、作業領域の境界
上(Z>0)の点にグラインダを誘導したとしても、通
常はワークの固定位置に誤差があるため、グラインダが
ワークから離れ過ぎてしまったり、逆にグラインダがワ
ークに接触してしまいワークを削り過ぎて破損してしま
う可能性がある。しかしグラインダをなるべくワークの
近くに誘導した方が、効率的な作業を行う上で好まし
い。
【0012】一方、図9に示す方法、つまりグラインダ
を一定速度で移動させながら、ワークの法線(厚さ)方
向に力制御し、これにより溶接ビードや栓溶接などの研
削を行った場合には、溶接ビードの周囲部を削り込んで
しまう。つまり従来方法によれば、溶接ビードや栓溶接
などの凸部だけを効率良く研削することが困難であっ
た。
【0013】また、溶接ビードの研削の場合には、溶接
ビードの稜線に沿って研削することも可能であるが、こ
の場合には溶接ビードの高さに応じて研削回数を事前に
指定しておかなければならない。また、溶接ビードが一
様に形成されていない場合には部分的に必要以上に削り
込んでしまう恐れがある。結果として、従来方法により
凸部だけを効率良く研削することは困難であった。
【0014】そこで本発明は、任意の形状のワークの任
意の領域に対してグラインダ作業を行う際、ワーク上の
バリや凹凸が激しい場合やワークが比較的柔らかい場合
などにも、砥石が破損したりワーク内に食い込んでしま
うことがなく、効率良いグラインダ作業を行うことので
きるグラインダ作業ロボットの制御方法を提供すること
を目的としている。
【0015】また、溶接ビードや栓溶接部などを研削す
る場合には、凸部だけを効率良く研削することのできる
グラインダ作業ロボットの制御方法を提供することを目
的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明においては、ロボットの手先にグラインダを
取り付け、前記グラインダの押付け力を制御しながらワ
ークの所定領域に対して複数回のグラインダ作業を施す
グラインダ作業ロボットの制御方法において、前記ワー
クに対して前記グラインダを接触させることによってそ
の接触点からグラインダ誘導ラインを算出し、前記ワー
クへのグラインダ作業を前記グラインダ誘導ライン上か
ら開始するように制御することを特徴とするグラインダ
作業ロボットの制御方法とした。
【0017】ロボットの手先にグラインダを取り付け、
前記グラインダの押付け力を制御しながらワークの所定
領域に対して複数回のグラインダ作業を施すグラインダ
作業ロボットの制御方法において、前記ワークに対して
前記グラインダを接触させることによってその接触点か
らグラインダ誘導ポイントを算出し、前記ワークへのグ
ラインダ作業を前記グラインダ誘導ポイントから開始す
るように制御するとともに、次回以降のグラインダ作業
に係る誘導ポイントを前記グラインダ誘導ポイントまた
は前記接触点を用いて算出することを特徴とするグライ
ンダ作業ロボットの制御方法とした。
【0018】また、前記グラインダ誘導ラインからグラ
インダ作業を開始する際にはワークの法線方向に力制御
を行うとともに、前記グラインダ誘導ラインに向かって
グラインダ作業を行う際にはグラインダの送り方向に力
制御を行うように制御することを特徴とするグラインダ
作業ロボットの制御方法とした。
【0019】また、前記グラインダ誘導ラインまたはグ
ラインダ誘導ポイントからグラインダ作業を開始する際
にはワークの法線方向に力制御を行うとともに、前記グ
ラインダ誘導ラインまたはグラインダ誘導ポイントに向
かってグラインダ作業を行う際にはグラインダの送り方
向に力制御を行うことを特徴とするグラインダ作業ロボ
ットの制御方法とした。
【0020】
【作用】本発明では、ワークに対してグラインダを複数
点あるいは連続的で接触させることにより、これら接触
点から直線または曲線からグラインダ誘導ラインを算出
し、このグラインダ誘導ライン上の任意の点をグライン
ダの折返し位置またはグラインダを誘導する位置とし
た。そのため、グラインダ後退する方向にしか送れない
ような場合においても、ワーク上の空間をこのグライン
ダ誘導ラインまで移動させれば砥石が破損したりワーク
内に食い込んでしまうことがなくなり、かつグラインダ
を正確に効率良く作業開始位置まで誘導することができ
るようになる。
【0021】また、グラインダ誘導ラインからグライン
ダ作業を開始する際にはワークの法線方向に力制御を行
い、グラインダ誘導ラインに向かってグラインダ作業を
行う際にはグラインダの送り方向に力制御を行うように
制御すれば、溶接ビードや栓溶接部などの凸部を研削す
る場合であっても凸部の周りを必要以上に削り込むこと
なくなり、凸部のみを削り落とし平らに仕上げることが
できるようになる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。まず、本発明に利用されるグラインダ作業
ロボットの制御構成を図1に示す。本実施例の特徴は、
グラインダの作業開始位置を実際にワークに複数回接触
することにより決定する点にある。したがって、作業開
始位置の情報を位置姿勢の目標値として記憶保持してお
き、各作業毎にこの値を読み出して目標軌道計算に利用
するようにしている。あるいは、先に接触した点から作
業位置・姿勢を作業毎に算出し、これにより目標軌道計
算を行うようにしている。
【0023】目標軌道計算値から各軸の目標位置が逆座
標変換され、その各軸の目標位置に追従するように位置
フィードバックループ,速度フィードバックループなど
が構成されている。
【0024】一方、力制御を行う場合には、グラインダ
近傍に固定された6軸力センサの出力から実際の押付け
力を算出し、目標押付け力と算出した実際の押付け力か
ら力制御計算を行い、その結果に基づいて前記目標軌道
計算値が修正される。これにより、所定の押付け力とな
るように力制御を行うことができる。
【0025】なお、位置姿勢の目標値や力,モーメント
の目標値、あるいはワークの形状やワーク研削領域の境
界位置の指定などは、コンピュータを介して入力が可能
である。本発明の実施にあたっては、ロボットの構造や
基本的な制御方法については前述の特開平4-164585号記
載のものをそのまま採用しているため、ここでは詳細な
説明を省略する。
【0026】続いて、本発明によるグラインダ作業ロボ
ットの制御方法の第1の実施例を説明する。本実施例は
ワーク上のバリや凹凸が激しい場合やワークが比較的柔
らかい場合に特に有効であるが、もちろんそれ以外の条
件の場合にも有効である。
【0027】例えば、図2に示すようなワーク20におい
て、Y=0,Y=Ya,X=0,X=Xa、で囲まれる長方
形の研削領域12を、Y方向に往復してグラインダ作業す
る場合について説明する。なお、グラインダ作業の流れ
を図3に示す。
【0028】まず、グラインダを原点O(0,0)の上
方(Z>0)に移動させた後、グラインダを下降させて
原点O付近に接触させる。アーム先端には6軸力センサ
が取付けられているため、このセンサの出力によって接
触の有無を容易に判断することができる。
【0029】そして、接触点を基準にこの点からわずか
に離間した点P0を記憶する。点P0の選択方法は任意であ
り、例えば接触点からZ方向に1mm程度の点などが考
えられるが、Z方向のみならずY方向に離間した点であ
ってもよい。
【0030】なお、前記接触点を記憶した場合には、ア
ームや砥石のたわみ、あるいは力センサの応答によって
は、接触点がワーク面内として計算されてしまう恐れが
ある。そのため、接触点から離間した点P0を記憶してお
くことが安全上好ましい。作業をより効率的に行うため
には、ワークに接触、衝突などの恐れのない範囲で、で
きる限りワーク近傍にP0を設定することが望ましい。
【0031】また、接触点から計算により点P0を算出し
ても良いが、実際にグラインダをワークから離れる方向
に若干移動させ、その位置を記憶してもよい。次に、グ
ラインダを研削領域境界の他の点(Xa,0)の上方に移
動させた後、点(Xa,0)付近を接触する。そして、点
P0の場合と同様に、点(Xa,0)からわずかに離間した
点PNを記憶する。
【0032】このようにして点P0および点PNを求めた
ら、これら点P0および点PNを含む直線L1を算出する。
(以下、算出された直線L1のようなラインを「グライン
ダ誘導ライン」と呼び、点P0や点P1などを「グラインダ
誘導ポイント」と呼ぶ。)そして、グラインダ誘導ライ
ンL1上のグラインダ誘導ポイントP0へグラインダを誘導
する。
【0033】そして、同位置よりワーク法線方向(Z方
向)に力制御を行いながら、グラインダを後退させて直
線L2(Y=Ya)上の点P0' までグラインダ作業を行う。
ここで、研削したい平面は点0および点P0' を含む平面
であり、グラインダ誘導ポイントP0はこの平面に存在し
ない。しかし、グラインダ誘導ポイントP0から力制御を
開始するとともにY方向にグラインダを移動させること
により、グラインダはワークに接触するように斜めに移
動する。そのため、結果として点0から点P0' までを研
削することが可能となる。ワークにより近い位置にグラ
インダ誘導ラインL1を設定することにより、グラインダ
がワークに接触するまでの斜めに移動する無駄時間をよ
り少なくすることができるとともに、研削領域を正確に
指定することができる。
【0034】点P0' までの研削を終わったら、グライン
ダをワーク20から離す。そして、グラインダがワーク20
に接触、衝突しないように(非接触の状態を保ちなが
ら)ワーク20上の空間を移動させ、グラインダ誘導ライ
ンL1上の新たなグラインダ誘導ポイントP1へ誘導する。
ここで、グラインダが新たに誘導されるグラインダ誘導
ポイントは、次式で示される。
【0035】
【数3】
【0036】なおiは、i番目の誘導時におけるグライ
ンダ誘導ポイントである。Nはグラインダの往復回数で
あり、横送りのピッチをXpとするとN=Xa/Xp(但しN
は自然数)となる。なお、式(3) はベクトル表示であ
る。
【0037】このように研削および誘導されるグライン
ダの軌跡は、図2中点線で示されている。グラインダ誘
導ラインL1上のグラインダ誘導ポイント(例えば点P0や
点P1)からグラインダの軌道が斜めに図示されているの
は、前述したように、グラインダが非接触の状態から力
制御を開始するとともにY方向へ移動させるからであ
る。そして、このような作業を研削領域12の他端部PN'
まで繰り返すことで、作業領域12のグラインダ作業を行
うことができる。
【0038】本実施例では、あらかじめグラインダ誘導
ポイントPiをグラインダ誘導ラインL1上に定めておくた
め、ワークの固定位置に誤差があってもグラインダがワ
ークに接触、衝突する恐れがない。そのため、空間上を
移動させる時にも高速で移動させることができ、研削開
始位置の近傍まで短時間で誘導することができる。これ
により、作業全体が効率的に実施できる。また、グライ
ンダがワークから離れて過ぎてしまったり、逆にワーク
に接触してワークを削り過ぎたりしてしまうという問題
もなくなる。
【0039】なお、研削作業は点PN側から開始してもよ
い。この場合は点PNから点P0までの移動時間を短縮する
ことができる。上記の実施例は、本発明を平面状の研削
領域に適用した場合のものであるが、もちろん他の形状
の研削領域についても実施することができる。
【0040】例えば、図4に示す円筒面の点A,B,
C,Dで囲まれる研削領域12を研削する場合について説
明する。まず、A→Bの方向にグラインダ研削動作を行
う場合には、平面研削の場合と同様に、点Aおよび点C
に接触してグラインダ誘導ポイントA'およびC'を求め、
グラインダ誘導ラインA'C'を算出すればよい。曲面研削
の場合には平面の場合と異なり、グラインダの姿勢を変
化させる必要があるが、通常、グラインダの姿勢はワー
クに対して厳密に規定する必要がない。そのため、問題
となる程の誤差は生じない。ワークの形状に合わせてあ
らかじめ各位置での姿勢を計算により与えればよい。
【0041】次に、A→Cの方向にグラインダ研削動作
を行う場合には、グラインダ誘導ラインが円弧になる。
このような場合には、事前に与えられている半径Rを利
用し、点Aおよび点Bに接触して得られるグラインダ誘
導ラインA'およびB'とRとから円弧状のグラインダ誘導
ラインA'B'を容易に算出することができる。また半径R
が不明の場合には、点Aおよび点Bの間の点Eに接触
し、これら点A,B,Eの3点からグラインダ誘導ライ
ンA'B'を算出することができる。
【0042】また、形状が簡単に把握できない曲面を研
削する場合には、グラインダにより多数の点に接触して
おくことが好ましい。接触する点の数は、グラインダ誘
導ラインが直線や円弧に近似できる程度の数を採用すれ
ばよい。もちろん、上述の各例においてもグラインダの
接触点を複数とすることによりグラインダ誘導ラインを
算出してもよい。特に接触点付近にバリや凹凸が多い場
合には、複数点の接触によりグラインダ誘導ラインを算
出した方が目標の面形状に確実に研削することができる
ようになる。
【0043】したがって本実施例では、グラインダ誘導
ラインを計算することができれば研削領域が平面,2次
曲面,3次元曲面でも対応させることができる。続い
て、ワークに連続的に接触することによりグラインダ誘
導ラインを算出する方法について説明する。
【0044】図5に示すようなワーク20において、Y=
0,Y=Ya,X=0,X=Xaで囲まれる曲面研削領域12
をグラインダ作業する場合について説明する。なお、こ
こではワーク20に沿った座標系を採用している。本例で
は、グラインダを原点Oから点(Xa,0)まで連続的に
接触させ(図中、太線で図示)、接触したラインからグ
ラインダ誘導ラインを算出し、各グラインダ誘導ポイン
ト(図中、点で図示)を決定する。この時、グラインダ
を側方(つまり砥石の径方向)に向かって移動させるこ
とができるため、砥石はワーク20面をX方向に転がるよ
うに接触移動する。そのため、砥石に負荷が作用するこ
となく接触がスムーズに行われる。
【0045】そして、グラインダ誘導ポイントは、例え
ば図示したように等間隔になるように記憶すればよい。
本実施例によれば、複雑なグラインダ誘導ラインを直線
や円弧に近似すると言った面倒な計算をする必要がな
く、複雑なワークの形状に対しても、容易に対応させる
ことができる。
【0046】次に第3の実施例について説明する。第1
の実施例と同様に、例えば、図2に示すようなワーク20
において、Y=0,Y=Ya,X=0,X=Xaで囲まれる
研削領域12をグラインダ作業する場合について、図6を
参照して説明する。
【0047】図6は、グラインダ誘導ポイントPi付近を
拡大して、グラインダの軌道を実線で示している。この
グラインダの軌跡は、図2中点線で示されたものに対応
している。
【0048】本実施例は、新たなグラインダ誘導ポイン
トを前回のグラインダ誘導ポイントまたは前回の接触点
から決定する方法である。前回のグラインダ接触位置Zt
(i-1) を記憶しておき、その位置を基準にグラインダ誘
導ポイントPiを決定する。従って、グラインダ誘導ポイ
ントPiの(Xi,Yi,Zi)成分はX=0より順に次のよう
に表すことができる。
【0049】
【数4】
【0050】ここで、Xpはグラインダの送りピッチ量で
ある。Zt(i-1) は、前回削り始めにワークに接触した点
のZ方向成分を表し、ZaはワークからZ方向への離間距
離を表している。
【0051】ここでは、XY平面内の研削について考え
ているため、X方向およびY方向の位置については研削
領域に応じて事前に決定している。また、Z方向の位置
については前回と同程度であると仮定して、前回の接触
点のZ成分Zt(i-1) に対してZa離れた位置に誘導してい
る。Zaをなるべく小さく設定することにより、グライン
ダ作業をより効率的に行うことができる。
【0052】研削領域が平面でなく曲面の場合であって
も、その曲率が比較的小さい場合には上記の方法により
グラインダ誘導ポイントを決定することができる。ま
た、事前にワーク形状が判っている場合、例えば円弧の
曲率が判っている場合には、その曲率と横送りのピッチ
から、グラインダ誘導ポイントを前回のグラインダの接
触点から決定することができる。
【0053】本実施例によれば、作業前に事前にグライ
ンダ誘導ラインを求めておく必要がなくなり、前回の誘
導ポイントまたは前回の接触点を利用して随時新規なグ
ラインダ誘導ポイントを決定することができる。そし
て、上述の実施例と同様、グラインダがワークに接触、
衝突しないように(非接触の状態を保ちながら)ワーク
上の空間を移動させ、グラインダ誘導ポイントへ誘導す
ることができるようになる。
【0054】なお、新たなグラインダ誘導ポイントを前
回以前(つまり2往復以上前)のグラインダ誘導ポイン
トから決定することも可能である。続いて、本発明の第
4の実施例について説明する。上述の各実施例では、ワ
ークのバリまたは凹凸が激しい場合やワークが比較的柔
らかい場合に好適な方法について説明したが、第4の実
施例では、溶接ビードや栓溶接部を研削する場合に好適
な方法について説明する。
【0055】例えば、図7に示すような溶接ビードを研
削する場合について説明する。本実施例は上述した第1
乃至第3の実施例のグラインダ誘導ラインまたはグライ
ンダ誘導ポイントをグラインダ折り返し位置に適用した
場合のものである。
【0056】本実施例では、第1の実施例と同様に、Y
=0,Y=Ya,X=0,X=Xaで囲まれる長方形の研削
領域12をグラインダ作業する場合を仮定する。そして、
上述と同様の方法でワークに接触してグラインダ誘導ラ
インL1を算出する。ここでは、グラインダ誘導ポイント
およびグラインダ誘導ラインをワーク表面に設定しても
よく、または第1の実施例と同様に、これらをワーク表
面からわずかに離間した位置に設定してもよい。
【0057】次に、Y=0の側からY=Yaの側まで、一
定の押付け力,送り速度で研削を行う。この時、溶接ビ
ード15以外の部分、つまりワーク20の凸でない部分を必
要以上に削り込まないように、通常より弱い押付け力で
研削を行うことが好ましい。
【0058】このようにしてY=Yaの側まで研削が行わ
れた後、上述の実施例ではグラインダをワーク20上の空
間を利用して非接触で移動させていた。しかし本実施例
では、グラインダ誘導ラインL1上のグラインダ誘導ポイ
ントへ直線的に移動復帰させる。そして、この移動復帰
の際にグラインダの送り方向に力制御を行いながら溶接
ビード15の凸部を削り落としてゆく。
【0059】そしてグラインダを複数回往復させて作業
を進めながら、溶接ビード15の研削を完了する。つまり
グラインダ誘導ラインL1上の点は、グラインダ研削作業
の折返しポイントとなる。
【0060】図8には、ワーク20をX方向から見たグラ
インダ研削作業の様子が示されている。グラインダ11を
A方向に移動(前進)させる場合に一定の送り速度とす
ると、溶接ビード15の凸部分に砥石が引っ掛かっり、過
負荷になってしまい危険である。従って、グラインダ11
に作用する力Fを図示しない6軸力センサにより検出
し、これが常に一定となるように送り速度を決定する。
グラインダに作用する力Fを6軸力センサによる検出値
を用いて表すと、次式のようになる。
【0061】
【数5】
【0062】また、グラインダに作用する力を常に一定
の力Fdとしながら、グラインダ誘導ラインL1上のグライ
ンダ誘導ポイントPiへ、グラインダを直線的に移動させ
るためには、各サンプリング時におけるグラインダの目
標位置Pdn を次式のように与えれば良い。
【0063】
【数6】
【0064】ここで、Pd(n-1)は前サンプリング時の目
標位置であり、Kは力制御ゲインである。なお、式(6)
はベクトル表示である。この方法によれば、溶接ビード
15以外の部分、つまりワーク20の凸でない部分を必要以
上に削り込むことがなく、また、溶接ビード15の高さに
かかわらず、凸部分のみ効率良く削り落とすことができ
る。
【0065】本実施例と第1の実施例は、グラインダを
前進させる際の軌道および力制御方法が異なるものの、
グラインダ誘導ラインやグラインダ誘導ポイントを採用
している点は同一である。したがって、第2および第3
の実施例に示したように、研削領域が曲面の場合の適用
方法や、前回のグラインダ誘導ポイントから新たなグラ
インダ誘導ポイントを決定する方法をそのまま利用する
ことが可能である。
【0066】また、本実施例を任意の3次元曲面などに
適用する場合において、グラインダを前進させる際の軌
道が直線では不都合な場合には、その軌道を仕上げ形状
に応じて適宜変化させるようにしてもよい。
【0067】いずれの方法においても、溶接ビード以外
の部分、つまりワークの凸でない部分を必要以上に削り
込むことがなくなり、また、溶接ビードの高さにかかわ
らず凸部分のみ効率良く削り落とすことができるように
なる。
【0068】また、本発明はその趣旨を変更しない範囲
で種々変形して実施することができ、例えばグラインダ
作業ロボットはその軸構成や力制御方法は任意のものを
採用することができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ワ
ークに対してグラインダを複数点あるいは連続的で接触
させることにより、これら接触点から直線または曲線か
らグラインダ誘導ラインを算出し、このグラインダ誘導
ライン上の任意の点をグラインダの折返し位置またはグ
ラインダを誘導する位置とした。そのため、グラインダ
後退する方向にしか送れないような場合においても、ワ
ーク上の空間をこのグラインダ誘導ラインまで移動させ
れば砥石が破損したりワーク内に食い込んでしまうこと
がなくなり、かつグラインダを正確に効率良く作業開始
位置まで誘導することができるようになる。
【0070】また、グラインダ誘導ラインからグライン
ダ作業を開始する際にはワークの法線方向に力制御を行
い、グラインダ誘導ラインに向かってグラインダ作業を
行う際にはグラインダの送り方向に力制御を行うように
制御すれば、溶接ビードや栓溶接部などの凸部を研削す
る場合であっても凸部の周りを必要以上に削り込むこと
なくなり、凸部のみを削り落とし平らに仕上げることが
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグラインダ作業ロボットに用いられる
制御構成のブロック図。
【図2】グラインダ作業対象であるワークの一例を示す
斜視図。
【図3】本発明に係るグラインダ作業の手順を示すフロ
ーチャート。
【図4】グラインダ作業対象であるワークの他の例を示
す斜視図。
【図5】グラインダ作業対象であるワークの他の例を示
す斜視図。
【図6】グラインダ誘導ポイント付近の拡大説明図。
【図7】グラインダ作業対象であるワークの他の例を示
す斜視図。
【図8】図7に示したワークに対するグラインダ作業の
様子を示す側面図。
【図9】従来方法によるグラインダ作業を説明する図。
【符号の説明】
11… グラインダ 12… 研削領域 15… 溶接ビード 20… ワーク
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05B 19/18 A 9064−3H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロボットの手先にグラインダを取り付け、
    前記グラインダの押付け力を制御しながらワークの所定
    領域に対して複数回のグラインダ作業を施すグラインダ
    作業ロボットの制御方法において、 前記ワークに対して前記グラインダを接触させることに
    よってその接触点からグラインダ誘導ラインを算出し、
    前記ワークへのグラインダ作業を前記グラインダ誘導ラ
    イン上から開始するように制御することを特徴とするグ
    ラインダ作業ロボットの制御方法。
  2. 【請求項2】ロボットの手先にグラインダを取り付け、
    前記グラインダの押付け力を制御しながらワークの所定
    領域に対して複数回のグラインダ作業を施すグラインダ
    作業ロボットの制御方法において、 前記ワークに対して前記グラインダを接触させることに
    よってその接触点からグラインダ誘導ポイントを算出
    し、前記ワークへのグラインダ作業を前記グラインダ誘
    導ポイントから開始するように制御するとともに、次回
    以降のグラインダ作業に係る誘導ポイントを前記グライ
    ンダ誘導ポイントまたは前記接触点を用いて算出するこ
    とを特徴とするグラインダ作業ロボットの制御方法。
  3. 【請求項3】前記グラインダ誘導ラインまたはグライン
    ダ誘導ポイントからグラインダ作業を開始する際にはワ
    ークの法線方向に力制御を行うとともに、前記グライン
    ダ誘導ラインまたはグラインダ誘導ポイントに復帰する
    際には前記グラインダとワークとを非接触の状態に保つ
    ことを特徴とする請求項1乃至2記載のグラインダ作業
    ロボットの制御方法。
  4. 【請求項4】前記グラインダ誘導ラインまたはグライン
    ダ誘導ポイントからグラインダ作業を開始する際にはワ
    ークの法線方向に力制御を行うとともに、前記グライン
    ダ誘導ラインまたはグラインダ誘導ポイントに向かって
    グラインダ作業を行う際にはグラインダの送り方向に力
    制御を行うことを特徴とする請求項1乃至2記載のグラ
    インダ作業ロボットの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018202577A (ja) * 2017-06-08 2018-12-27 株式会社Ihi 加工装置
JP2019118990A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 川崎重工業株式会社 切削方法及び切削装置

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