JPH09160624A - 工具経路決定方法 - Google Patents

工具経路決定方法

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JPH09160624A
JPH09160624A JP31827095A JP31827095A JPH09160624A JP H09160624 A JPH09160624 A JP H09160624A JP 31827095 A JP31827095 A JP 31827095A JP 31827095 A JP31827095 A JP 31827095A JP H09160624 A JPH09160624 A JP H09160624A
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JP
Japan
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machining
tool
tool path
finishing
shape
Prior art date
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JP31827095A
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English (en)
Inventor
Yukitaka Fujitani
幸孝 藤谷
Koji Tamaoka
幸治 玉岡
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CHUBU SOFT ENG KK
Toyota Motor Corp
Original Assignee
CHUBU SOFT ENG KK
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平面加工とその加工方向と交差する方向の工具
送りとを交互に繰り返すことによって素材を3次元的に
加工するのに必要な工具経路として、素材の荒加工に必
要な工具経路と、その荒加工後の仕上げ加工に必要な工
具経路とをそれぞれ決定する方法において、工具の形状
のいかんを問わず、荒加工後に素材に除去されないで残
る加工残り部を正しく推定し、無駄な仕上げ加工を省略
する。 【解決手段】素材を工具送り方向に平行な平面で切断し
た場合の素材縦断面上において、決定した荒加工用工具
経路に基づいて荒加工後の素材形状を取得するととも
に、暫定的に決定した仕上げ加工用工具経路のうち、そ
の工具経路に基づく仕上げ加工によって前記取得された
荒加工後の素材形状が切削される部分の面積が一定値以
上である部分を最終的な仕上げ加工用工具経路に決定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具により素材を
加工する際の工具の移動経路を決定する技術に関するも
のであり、特に、工具の種類に対する汎用性が高い工具
経路決定技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】型彫り等のために、素材に対して次のよ
うな3次元加工を行うことが既に知られている。それ
は、素材と工具との少なくとも一方を移動させることに
より、結果的に、素材に対して工具を一加工平面内で移
動させつつ素材を部分的に除去することとその工具をそ
の加工平面と交差する送り方向に送ることとを交互に繰
り返すことにより、素材を3次元的に加工してその素材
の実際形状を目標形状とする加工である。ここに「工
具」は例えば、フラットエンドミル,ボールエンドミ
ル,ラジアスエンドミル等、軸線回りに回転することに
よって素材を切削する切削具(カッタの一例)である。
【0003】この3次元加工においては、使用する工具
が大きいほど加工能率が高くなる。一方、素材の目標形
状が、それをある加工平面で切断した断面の外形線が局
部的に素材の目標形状の側に湾曲する凹部を有する場合
がある。例えば、図2に示すように、素材の目標形状が
その素材の凸面に関するものである場合には、凹部Aが
その凹部に該当し、例えば、図24に示すように、素材
の目標形状がその素材の凹面に関するものである場合に
は、凹部B,Cがそれぞれ凹部に該当する。しかし、そ
のような凹部は大きな工具によっては形状を正確に加工
することができないため、その大きな工具による加工後
に、素材に除去されないで残る加工残り部が存在する場
合がある。
【0004】そのため、この3次元加工は普通、荒加工
(前工程)と仕上げ加工(後工程)とを含むように構成
される。ここに、「荒加工」は、素材全体を加工し、素
材の実際形状を目標形状より小さくない暫定的な形状と
する加工である。また、「仕上げ加工」は、荒加工によ
る加工残り部を除去する加工である。なお、仕上げ加工
においては普通、荒加工における工具より小さい工具が
使用され、加工残り部が確実に除去されるようにされ、
これにより、例えば曲率半径が小さい凹部でも確実に加
工されるようにされる。
【0005】この3次元加工の所要時間を短縮するため
には、それの前工程である工具経路決定を短時間で行う
ことが大切であり、そのための従来技術の一例が本出願
人の特開平6−102914号公報に記載されている。
それは、工具としてフラットエンドミルを使用する場合
に好適な工具経路決定方法であって、(a) 荒加工用工具
経路決定工程と、(b) 仕上げ加工用工具経路決定工程と
を含んでいる。
【0006】荒加工用工具経路決定工程は、まず、
素材に対して、各々前記加工平面に平行であり、かつ、
荒加工用工具の前記送り方向における一回の送り量とし
て予め設定された荒加工用工具送り量と同じ間隔で並ぶ
複数の荒加工用加工平面を想定する。次に、 想定さ
れた各荒加工用加工平面毎に、荒加工用工具によりそれ
の各移動位置において素材に形成されることとなる予定
加工形状と、素材が加工されるべき目標形状とに基づ
き、素材全体に対してその素材の実際形状を目標形状よ
り小さくない暫定的な形状とする荒加工を行うのに必要
な工具経路を荒加工用工具経路に決定する。具体的に
は、想定された各荒加工用加工平面毎に、素材の目標形
状の、各荒加工用加工平面で切断した断面の外形線(以
下、「目標形状断面外形線」という)に沿って、工具半
径(フラットエンドミルを同じ位置において回転させた
場合にそのフラットエンドミルによって素材に形成され
る円柱状空間の横断面である円の半径)と等しい半径を
有する円を、その外周が目標形状断面外形線に外接しつ
つ移動させることを想定し、その際にその円の中心点が
描く曲線(直線を含む広義の概念)を荒加工用工具経路
に決定する。
【0007】仕上げ加工用工具経路決定工程は、まず、
想定された各荒加工用加工平面毎に、決定された荒
加工用工具経路を素材の目標形状に接近する向きに工具
半径と同じ距離だけずらすことにより、素材の荒加工後
における形状の、その荒加工用加工平面で切断した断面
の外形線(以下、「荒加工後形状断面外形線」という)
を取得する。次に、 取得された荒加工後形状断面外
形線により規定される荒加工後形状断面のうち、前記目
標形状断面外形線により規定される目標形状断面より大
きい部分を加工残り部として取得し、取得された少なく
とも一つの加工残り部から、仕上げ加工によって除去す
ることが必要な要除去加工残り部を選択し、選択された
要除去加工残り部を除去する仕上げ加工を行うのに必要
な工具経路を仕上げ加工用工具経路に決定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その従
来の工具経路決定方法における仕上げ加工用工具経路決
定技術は、工具がフラットエンドミルである場合には十
分に有効であるが、例えばボールエンドミル,ラジアス
エンドミル等の場合には十分には有効でない。
【0009】工具がフラットエンドミルである場合に
は、図22に示すように、工具による予定加工形状が、
先端が平面である円柱となり、工具は、先端部に形成さ
れた断面が直角な円周縁上の一点である切削点で、素材
の加工後形状の表面を形成する。そして、その切削点と
工具中心点(先端面の中心であり、工具経路上に位置す
る点)とが共に、加工平面に平行な同一平面内に位置
し、それら切削点と工具中心点との、加工平面に平行な
方向における距離が工具半径Rと一致する。
【0010】したがって、工具がフラットエンドミルで
ある場合には、前述のように、各荒加工用加工平面内
で、荒加工用工具経路を素材の目標形状に接近する向き
に工具半径Rと同じ距離だけずらして荒加工後形状断面
外形線を取得すれば、それが実際のものと一致し、加工
残り部の形状を正確に推定することができる。
【0011】これに対し、工具がボールエンドミルであ
る場合には、図23に示すように、工具による予定加工
形状が、先端部が凸の半球部とされた円柱となり、工具
は、その半球部の表面上の一点である切削点で、素材の
加工後形状の表面を形成する。そして、その切削点と工
具中心点(工具による予定加工形状から半球部を除いた
部分である、先端が平面である円柱のその先端面の中
心)とが、加工平面に平行な同一平面内に位置せず、そ
れら切削点と工具中心点との、加工平面に平行な方向に
おける距離が工具半径R(予定加工形状のうちの円柱の
部分の横断面である円の半径。半球部の半径でもある)
と一致せず、工具半径Rより小さくなる。
【0012】そのため、工具がボールエンドミルである
場合には、各荒加工用加工平面内で、荒加工用工具経路
を素材の目標形状に接近する向きに工具半径Rと同じ距
離だけずらして荒加工後形状断面外形線を取得しても、
それが実際のものと一致せず、加工残り部の形状を正確
に推定することができない。
【0013】また、工具がボールエンドミルである場合
には、丸いエッジで素材の表面に接する点で、直角なエ
ッジで素材の表面に接するフラットエンドミルとは異な
る。そのため、工具がボールエンドミルである場合に
は、荒加工用工具経路を素材の目標形状に接近する向き
に工具半径Rと同じ距離だけずらして荒加工後形状断面
外形線を取得すると、その荒加工後形状断面外形線に基
づいて推定される加工残り部が実際のものより大きくな
り、その加工残り部に基づいて仕上げ加工用工具経路を
決定したのでは、不要な仕上げ加工用工具経路が決定さ
れ、無駄な仕上げ加工が行われてしまう。
【0014】なお、工具がラジアスエンドミルである場
合には、その切削点と工具中心点とが加工平面に平行な
同一平面内に位置しない点でボールエンドミルと共通す
るから、工具がラジアスエンドミルである場合にも同様
の問題がある。また、切削点と工具中心点とが加工平面
に平行な同一平面内に位置しないことから、荒加工用工
具経路は、工具がボールエンドミルまたはラジアスエン
ドミルである場合には前述の方法とは異なる方法によっ
て決定されるが、その具体的内容については後述する。
【0015】そこで、上述のような事情を背景として、
請求項1ないし4に係る第1ないし第4発明はいずれ
も、工具の種類のいかんを問わず、加工残り部の形状を
正確に取得して工具経路を正確に決定可能な工具経路決
定方法を提供することを課題としてなされたものであ
る。
【0016】
【第1発明の課題解決手段,作用および効果】第1発明
は、その課題を解決するために、素材と工具との少なく
とも一方を移動させることにより、結果的に、素材に対
して工具を一加工平面内で移動させつつ素材を部分的に
除去することとその工具をその加工平面と交差する送り
方向に送ることとを交互に繰り返すことにより素材を3
次元的に加工するのに必要な工具経路を決定するため
に、素材の荒加工に必要な工具経路を決定する工程と、
荒加工後に行われる仕上げ加工に必要な工具経路を決定
する工程とを含む工具経路決定方法において、前記仕上
げ加工用工具経路決定工程を、決定された荒加工用工具
経路と、荒加工用の前記工具によりそれの各移動位置に
おいて前記素材に形成されることとなる予定加工形状
と、素材が加工されるべき目標形状とに基づき、素材の
荒加工後の実際形状が目標形状より大きい部分である加
工残り部を前記送り方向に平行な少なくとも一つの平面
で切断した加工残り部断面を取得し、取得された加工残
り部断面に基づき、加工残り部を仕上げ加工用の前記工
具により除去するのに必要な工具経路を仕上げ加工用工
具経路に決定するものとしたことを特徴とする。
【0017】工具の種類、すなわち、工具による予定加
工形状のいかんを問わず、素材における荒加工後の加工
残り部の形状を正確に取得するためには、工具の送り方
向に平行な平面内における工具と素材の目標形状との相
対位置関係を考慮することが大切である。そこで、第1
発明に係る工具経路決定方法においては、仕上げ加工用
工具経路決定工程において、決定された荒加工用工具経
路と荒加工用工具による予定加工形状と素材の目標形状
とに基づき、素材の荒加工後の実際形状が目標形状より
大きい部分である加工残り部を送り方向に平行な少なく
とも一つの平面で切断した加工残り部断面が取得され、
取得された加工残り部断面に基づき、加工残り部を仕上
げ加工用工具により除去するのに必要な工具経路が仕上
げ加工用工具経路に決定される。
【0018】したがって、第1発明によれば、工具の種
類のいかんを問わず、加工残り部を正確に取得可能とな
り、仕上げ加工用工具経路の決定精度が向上するという
効果が得られる。具体的には、例えば、無駄な仕上げ加
工が省略されるという効果や、必要な仕上げ加工が漏れ
なく確実に行われるという効果が得られるのである。
【0019】なお、第1発明は、ボールエンドミル,ラ
ジアスエンドミル等、前記切削点と工具中心点とが加工
平面に平行な同一平面内に位置しない工具である場合
に、加工残り部を正確に取得するために特に有効である
が、フラットエンドミル等、切削点と工具中心点とが共
に加工平面に平行な同一平面内に位置する工具である場
合にも有効である。なぜなら、後者の場合でも、工具と
素材の目標形状の表面との傾斜角度のいかんによって、
素材に発生する加工残り部の形状および大きさが異な
り、送り方向と平行な平面内における工具と素材の目標
形状との相対位置関係を考慮することが加工残り部の形
状を3次元的に正確に取得するために有効だからであ
る。
【0020】以下、第1発明を補足説明する。 〔1〕「工具」は普通、フラットエンドミル,ボールエ
ンドミル,ラジアスエンドミル等、回転する切削工具
(カッタの一例)であるが、回転しない切削工具(カッ
タの別の例),電解加工具,放電加工具等とすることも
できる。 〔2〕「仕上げ加工」に使用する工具は普通、荒加工に
使用する工具より小さい工具であるが、例えば、同じ大
きさの工具としたり、また、荒加工に使用する工具とは
異なる種類の工具とすることもできる。 〔3〕第1発明に係る工具経路決定方法は、人間により
全部または主体的に実施することも装置により全部また
は主体的に実施することもできる。
【0021】
【第2発明の課題解決手段,作用および効果】第2発明
は、請求項1の工具経路決定方法であって、前記仕上げ
加工用工具経路決定工程が、(a) 前記素材に対して、各
々前記加工平面に平行であり、かつ、前記仕上げ加工用
工具の前記送り方向における一回の送り量として予め設
定された仕上げ加工用工具送り量と同じ間隔で並ぶ複数
の仕上げ加工用加工平面を想定し、想定された各仕上げ
加工用加工平面毎に、仕上げ加工用工具によりそれの各
移動位置において素材に形成されることとなる予定加工
形状と、前記目標形状とに基づき、素材全体に対してそ
の素材の実際形状を目標形状より小さくない暫定的な形
状とする仕上げ加工を行うのに必要な工具経路を暫定的
な仕上げ加工用工具経路に決定する暫定的工具経路決定
工程と、(b) 想定された各仕上げ加工用加工平面毎に、
決定された前記荒加工用工具経路と、前記荒加工用工具
による予定加工形状とに基づき、前記素材の荒加工後の
実際形状が目標形状より大きい部分である加工残り部を
前記送り方向に平行な少なくとも一つの平面で切断した
加工残り部断面を取得し、取得された加工残り部断面
と、前記仕上げ加工用工具による予定加工形状と、決定
された暫定的仕上げ加工用工具経路とに基づき、その工
具経路のうち、その工具経路に沿って仕上げ加工用工具
を移動させた場合にその工具によって前記取得された加
工残り部断面が除去される部分の面積が設定値以上とな
る部分を最終的仕上げ加工用工具経路に決定する最終的
工具経路決定工程とを含むものであることを特徴とす
る。
【0022】したがって、第2発明に係る工具経路決定
方法においては、素材の加工残り部とは無関係に、暫定
的な仕上げ加工用工具経路が荒加工用工具経路決定工程
におけると同様にして決定され、その暫定的仕上げ加工
用工具経路のうち、その工具経路に沿って仕上げ加工用
工具を移動させた場合にその工具によって前記取得され
た加工残り部断面が除去される部分の面積が設定値以上
となる部分が最終的仕上げ加工用工具経路に決定され
る。
【0023】その結果、第2発明によれば、第1発明を
実施するのに好適な実施態様が提供されるという効果が
得られる。
【0024】以下、第2発明を補足説明する。「仕上げ
加工用工具送り量」は、送り方向各位置について共通の
値として設定することも、異なる値として設定すること
もできる。異なる値として設定する態様には例えば、素
材の目標形状の表面が工具送り方向に対して傾斜する角
度が大きいほど、送り量を小さく設定するものがある。
このようにすれば、その傾斜角度のいかんによって大き
な加工残り部が発生したり発生しなかったりすることが
なくなる。
【0025】
【第3発明の課題解決手段,作用および効果】第3発明
は、請求項2の工具経路決定方法であって、前記最終的
工具経路決定工程が、決定された暫定的仕上げ加工用工
具経路のうち曲率半径が設定値以上である部分を、前記
加工残り部断面の取得を行うことなく前記最終的仕上げ
加工用工具経路から除外するものであることを特徴とす
る。
【0026】加工残り部は一般的に、素材の目標形状の
うち、加工平面と平行な平面での断面において曲率半径
が小さい部分に発生する。そして、一般的に、その部分
は、暫定的仕上げ加工用工具経路のうち曲率半径が小さ
い部分に対応する。そこで、第3発明に係る工具経路決
定方法においては、決定された暫定的仕上げ加工用工具
経路のうち曲率半径が設定値以上である部分を、前記加
工残り部断面の取得を行うことなく最終的仕上げ加工用
工具経路から除外される。
【0027】したがって、第3発明によれば、加工残り
部断面の取得が無駄に行われることが防止され、最終仕
上げ加工用工具経路の決定に要する時間が短縮されると
いう効果が得られる。
【0028】以下、第3発明を補足説明する。「暫定的
仕上げ加工用工具経路のうち曲率半径が設定値以上であ
る部分」とは、暫定的仕上げ加工用工具経路が複数存在
する場合にそれらのうちのいずれかの暫定的仕上げ加工
用工具経路を意味する場合も、少なくとも一つの暫定的
仕上げ加工用工具経路の各々の一部を意味する場合もあ
る。
【0029】
【第4発明の課題解決手段,作用および効果】第4発明
は、請求項2または3の工具経路決定方法であって、前
記素材の目標形状がその素材の凸面に関するものであ
り、前記最終的工具経路決定工程が、想定された各仕上
げ加工用加工平面毎に、前記暫定的工具経路決定工程に
おいて複数の暫定的仕上げ加工用工具経路が決定された
場合に、それら暫定的仕上げ加工用工具経路のうち前記
素材の目標形状に近い側のものから順に前記加工残り部
断面の取得を行い、いずれの部分も最終的仕上げ加工用
工具経路に決定されない暫定的仕上げ加工用工具経路が
はじめて発生した後には、残りの暫定的仕上げ加工用工
具経路については加工残り部断面の取得を行うことなく
前記最終的仕上げ加工用工具経路から除外し、新たな仕
上げ加工用加工平面について加工残り部断面の取得を開
始するものであることを特徴とする。
【0030】素材の目標形状がその素材の凸面に関する
場合には、暫定的仕上げ加工用工具経路と曲率半径との
間に一定の関係が成立する。すなわち、想定された各仕
上げ加工用加工平面につき、複数の暫定的仕上げ加工用
工具経路が決定された場合であって、それら暫定的仕上
げ加工用工具経路のうち素材の目標形状に近い側のもの
から順に加工残り部断面の取得を行った場合には、いず
れの部分も最終的仕上げ加工用工具経路に決定されない
暫定的仕上げ加工用工具経路がはじめて発生した後に加
工残り部断面の取得が行われるべき暫定的仕上げ加工用
工具経路については、直前の暫定的仕上げ加工用工具経
路に比較して曲率半径が大きくなるのである。一方、前
述のように、工具経路のうち曲率半径が大きい部分につ
いては加工残り部が発生しないのが普通である。そこ
で、第4発明に係る工具経路決定方法においては、それ
らの知見に基づき、素材の目標形状がその素材の凸面に
関する場合には、いずれの部分も最終的仕上げ加工用工
具経路に決定されない暫定的仕上げ加工用工具経路がは
じめて発生した後には、残りの暫定的仕上げ加工用工具
経路については加工残り部断面の取得を行うことなく最
終的仕上げ加工用工具経路から除外する。
【0031】したがって、第4発明によれば、無駄な加
工残り部断面の取得が省略され、工具経路決定の所要時
間が短縮されるという効果が得られる。
【0032】
【発明の望ましい実施態様】以下、本発明の望ましい実
施態様のいくつかを特許請求の範囲と同じ表現形式で列
挙する。 (1) 請求項1の工具経路決定方法であって、前記仕上げ
加工用工具経路決定工程が、前記仕上げ加工用工具が、
前記取得された少なくとも一つの加工残り部断面全部を
通過するのに必要な工具経路を前記仕上げ加工用工具経
路に決定するものである工具経路決定方法。 (2) 実施態様(1) の工具経路決定方法であって、前記仕
上げ加工用工具経路決定工程が、前記取得された少なく
とも一つの加工残り部から、仕上げ加工によって除去す
ることが必要な要除去加工残り部を選択し、前記仕上げ
加工用工具が、選択された要除去加工残り部を通過する
のに必要な工具経路を前記仕上げ加工用工具経路に決定
するものである工具経路決定方法。 (3) 実施態様(2) の工具経路決定方法であって、前記仕
上げ加工用工具経路決定工程が、前記取得された少なく
とも一つの加工残り部断面のうちその面積が一定値以上
であるものを要除去加工残り部として選択し、前記仕上
げ加工用工具が、選択された要除去加工残り部断面を通
過するのに必要な工具経路を前記仕上げ加工用工具経路
に決定するものである工具経路決定方法。なお、請求項
2の発明を実施する場合には、仕上げ加工用工具経路を
決定するために仕上げ加工用送り量を事前に設定するこ
とが必要であるが、それら実施態様(1) ないし(3) を実
施する場合には、仕上げ加工用送り量を事前に設定する
ことは不可欠ではない。なぜなら、それら実施態様(1)
ないし(3) においては、取得された加工残り部断面の位
置から仕上げ加工用工具経路を決定することができるか
らである。 (4) 請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(3) のいず
れかの工具経路決定方法であって、前記工具が、それに
よる予定加工形状が同一の円形断面で真っ直ぐに延びる
円筒部を有し、その円筒部の先端に想定される平面であ
る円の中心が工具中心点とされており、かつ、前記荒加
工および仕上げ加工がそれぞれ、前記工具がそれの向き
が前記送り方向に平行となる姿勢で平行移動させられる
ものである工具経路決定方法。 (5) 実施態様(4) の工具経路決定方法であって、前記工
具経路が、前記工具中心点の移動軌跡である工具経路決
定方法。 (6) 実施態様(4) または(5) の工具経路決定方法であっ
て、前記荒加工用工具経路決定工程が、前記素材に対し
て、各々前記加工平面に平行であり、かつ、荒加工用工
具の前記送り方向における一回の送り量として予め設定
された荒加工用工具送り量と同じ間隔で並ぶ複数の荒加
工用加工平面を想定し、想定された各荒加工用加工平面
毎に、荒加工用工具によりそれの各移動位置において素
材に形成されることとなる予定加工形状と、素材の目標
形状とに基づき、素材全体に対してその素材の実際形状
を目標形状より小さくない暫定的な形状とする荒加工を
行うのに必要な工具経路を荒加工用工具経路に決定する
ものである工具経路決定方法。 (7) 実施態様(4) ないし(6) のいずれかの工具経路決定
方法であって、前記荒加工用工具経路決定工程が、(a)
前記荒加工用工具による予定加工形状を複数、各々荒加
工の場合におけるとは逆向きの状態で、かつ、その予定
加工形状の工具中心点が前記素材の目標形状の表面上に
位置するように想定し、想定された複数の予定加工形状
の先端部に接する一包絡面を取得する包絡面取得工程
と、(b) 前記想定された各荒加工用加工平面毎に、前記
取得された包絡面とその荒加工用加工平面との交線を前
記荒加工用工具経路に決定する工具経路決定工程とを含
むものである工具経路決定方法。 (8) 請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(7) のいず
れかの工具経路決定方法であって、前記仕上げ加工用工
具による予定加工形状が前記荒加工用工具による予定加
工形状より小さいものであり、かつ、前記仕上げ加工用
送り量が前記荒加工用送り量より小さいものである工具
経路決定方法。 (9) 請求項3,実施態様(1) ないし(8) のいずれかの工
具経路決定方法であって、前記最終的工具経路決定工程
が、決定された暫定的仕上げ加工用工具経路上に複数の
設定点を、その暫定的仕上げ加工用工具経路を複数の直
線要素が互いに接続されて成る折れ線で、かつ、各直線
要素とその暫定的仕上げ加工用工具経路のうちその直線
要素に対応する部分との隔たりが一定のトレランス以下
となるように近似した場合のその折れ線上の複数の点に
決定し、それら複数の設定点のうち、その暫定的仕上げ
加工用工具経路を一方向にたどりつつ設定点の数を測定
した場合にその測定値が設定値の整数倍となる設定点の
各々を、前記加工残り部断面の取得対象に決定し、それ
以外の設定点につき、加工残り部断面の取得を行うこと
なく前記最終的仕上げ加工用工具経路の構成要素から除
外するものである工具経路決定方法。 (10)請求項3,実施態様(1) ないし(9) のいずれかの工
具経路決定方法であって、前記最終的工具経路決定工程
が、決定された暫定的仕上げ加工用工具経路のうち曲率
半径が設定値以上である部分のみならず、曲率半径がそ
の設定値より小さいが前記素材の目標形状の側とは反対
の側に湾曲する部分をも、前記加工残り部断面の取得を
行うことなく前記最終的仕上げ加工用工具経路から除外
するものであることを特徴とする工具経路決定方法。決
定された暫定的仕上げ加工用工具経路のうち曲率半径が
設定値より小さいが素材の目標形状の側とは反対の側に
湾曲する部分は、工具の接近が可能であり、荒加工によ
る加工残り部が存在しない場合が多い。そこで、本実施
態様においては、決定された暫定的仕上げ加工用工具経
路のうち曲率半径が設定値以上である部分のみならず、
曲率半径がその設定値より小さいが素材の目標形状の側
とは反対の側に湾曲する部分をも、加工残り部断面の取
得を行うことなく最終的仕上げ加工用工具経路から除外
し、これにより、加工残り部断面の取得に要する時間を
短縮させ、工具経路決定に全体として要する時間を短縮
する。 (11)素材と工具との少なくとも一方を移動させることに
より、結果的に、素材に対して工具を一加工平面内で移
動させつつ素材を部分的に除去することとその工具をそ
の加工平面と交差する送り方向に送ることとを交互に繰
り返すことにより素材を3次元的に加工するのに必要な
工具経路を決定するために、素材の荒加工に必要な工具
経路を決定する手段と、その荒加工後に行われる仕上げ
加工に必要な工具経路を決定する手段とを含む工具経路
決定装置において、前記仕上げ加工用工具経路決定手段
を、決定された荒加工用工具経路と、荒加工用の前記工
具によりそれの各移動位置において前記素材に形成され
ることとなる予定加工形状と、素材が加工されるべき目
標形状とに基づき、素材の荒加工後の実際形状が目標形
状より大きい部分である加工残り部を前記送り方向に平
行な少なくとも一つの平面で切断した加工残り部断面を
取得し、取得された加工残り部断面に基づき、加工残り
部を仕上げ加工用の前記工具により除去するのに必要な
工具経路を仕上げ加工用工具経路に決定するものとした
ことを特徴とする工具経路決定装置。 (12)実施態様(11)の工具経路決定装置であって、前記仕
上げ加工用工具経路決定手段が、(a) 前記素材に対し
て、各々前記加工平面に平行であり、かつ、前記仕上げ
加工用工具の前記送り方向における一回の送り量として
予め設定された仕上げ加工用工具送り量と同じ間隔で並
ぶ複数の仕上げ加工用加工平面を想定し、想定された各
仕上げ加工用加工平面毎に、前記仕上げ加工用工具によ
りそれの各移動位置において素材に形成されることとな
る予定加工形状と、前記目標形状とに基づき、素材全体
に対してその素材の実際形状を目標形状より小さくない
暫定的な形状とする仕上げ加工を行うのに必要な工具経
路を暫定的な仕上げ加工用工具経路に決定する暫定的工
具経路決定手段と、(b) 想定された各仕上げ加工用加工
平面毎に、決定された前記荒加工用工具経路と、前記荒
加工用工具による予定加工形状とに基づき、前記素材の
荒加工後の実際形状が目標形状より大きい部分である加
工残り部を前記送り方向に平行な少なくとも一つの平面
で切断した加工残り部断面を取得し、取得された加工残
り部断面と、前記仕上げ加工用工具による予定加工形状
と、決定された暫定的仕上げ加工用工具経路とに基づ
き、その工具経路のうち、その工具経路に沿って前記仕
上げ加工用工具を移動させた場合にその工具によって前
記取得された加工残り部断面が除去される部分の面積が
設定値以上となる部分を最終的仕上げ加工用工具経路に
決定する最終的工具経路決定手段とを含むものであるこ
とを特徴とする工具経路決定装置。 (13)実施態様(12)の工具経路決定装置であって、前記最
終的工具経路決定手段が、決定された暫定的仕上げ加工
用工具経路のうち曲率半径が設定値以上である部分を、
前記加工残り部断面の取得を行うことなく前記最終的仕
上げ加工用工具経路から除外するものであることを特徴
とする工具経路決定装置。 (14)実施態様(12)または(13)の工具経路決定装置であっ
て、前記素材の目標形状がその素材の凸面に関するもの
であり、前記最終的工具経路決定手段が、想定された各
仕上げ加工用加工平面毎に、前記暫定的工具経路決定手
段により複数の暫定的仕上げ加工用工具経路が決定され
た場合に、それら暫定的仕上げ加工用工具経路のうち前
記素材の目標形状に近い側のものから順に前記加工残り
部断面の取得を行い、いずれの部分も前記最終的仕上げ
加工用工具経路に決定されない暫定的仕上げ加工用工具
経路がはじめて発生した後には、残りの暫定的仕上げ加
工用工具経路については加工残り部断面の取得を行うこ
となく前記最終的仕上げ加工用工具経路から除外し、新
たな仕上げ加工用加工平面について加工残り部断面の取
得を開始するものである工具経路決定装置。 なお、実施態様(11)ないし(14)の工具経路決定装置によ
れば、本発明に係る工具経路決定方法を自動的に実施可
能な装置が提供され、人間にかかる負担が軽減されると
ともに、工具経路決定にかかる時間が短縮されるという
効果が得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施形態である工具経路決定方法をそれを実施するための
工具経路データ作成装置と共に図面に基づいて詳細に説
明する。なお、工具経路データ作成装置は、工具経路決
定装置の一例である。
【0034】図1には、工具経路データ作成装置10が
NC加工装置12と共に示されている。
【0035】工具経路データ作成装置10は、CPU1
4,ROM16およびRAM18を含むコンピュータ2
0を備えており、そのコンピュータ20の入力側にはキ
ーボード等の入力装置22や補助記憶装置24が接続さ
れ、一方、出力側にはディスプレイ,プリンタ等の出力
装置26や補助記憶装置24が接続されている。
【0036】これに対し、NC加工装置12は、コンピ
ュータを主体とするコントローラ30を備えている。コ
ントローラ30は、外部から供給されるNCデータに基
づき、工具を回転させるとともにその位置を3次元的に
制御することにより、素材から製品を削り出すものであ
る。そのため、NC加工装置12は、工具回転用駆動源
としてのサーボモータ32を備えており、そのサーボモ
ータ32には、図示しない自動工具交換装置(以下、
「ATC」という)を介して工具が着脱可能に装着され
る。工具の種類としては、フラットエンドミル,ボール
エンドミル,ラジアスエンドミル等があり、ATCによ
って交換可能とされている。NC加工装置12はさら
に、工具位置制御用駆動源としてのサーボモータ36も
備えており、そのサーボモータ36に工具を保持するホ
ルダが装着される。このサーボモータ36により、工具
の位置が3次元直交座標系XYZで定義される空間内を
自由に制御可能とされている。それらサーボモータ3
2,36はそれぞれ駆動回路38を介してコントローラ
30に接続されている。
【0037】そのコントローラ30にNCデータを供給
するのが工具経路データ作成装置10であり、工具経路
データ作成装置10は、素材に対して工具を一加工平面
内で移動させつつ素材を部分的に除去すること(平面加
工。プロファイル加工ともいう)とその工具をその加工
平面と交差する送り方向に予め設定された送り量h(ピ
ックフィード量)で送ること(工具送り)とを交互に繰
り返すことにより素材を3次元的に加工するのに必要な
工具経路データをNCデータとして作成し、それをコン
トローラ30に供給する。
【0038】工具経路データ作成装置10による工具経
路決定方法を、素材から図2に示す製品を削り出す場合
を例にとり、概略的に説明する。なお、図2に示す製品
の例は、素材の目標形状がその素材の凸面に関するもの
である。
【0039】工具経路データ作成装置10は、製品の3
次元形状(素材の目標形状)を表す製品形状データと、
工具の予定加工形状データとに基づき、NC加工装置1
2が素材から製品を削り出すのに必要な工具経路データ
を作成する。
【0040】予定加工形状データは、本実施形態におい
ては、工具を同じ位置において回転させた場合にその工
具によって素材に形成されることとなる予定加工形状を
その工具の回転軸線を含む一平面で切断した場合の断面
の外形線を表すデータである。
【0041】上述のように、工具経路データは、素材に
対して平面加工と工具送りとを交互に繰り返すことによ
り素材を3次元的に加工するのに必要なデータである。
したがって、工具経路データ作成装置10は、まず、素
材に対して、送り方向に沿って並ぶ複数の平面を想定
し、想定された複数の平面で素材を切断することを想定
することによってその素材について複数の横断面を取得
する。例えば、図2に示す製品の例については、図3に
示すように、工具の送り方向であるZ方向に沿って送り
量hと同じ間隔で並ぶ複数の横断面Di が取得される。
【0042】工具経路データはそれら各横断面Di 毎に
作成されるが、素材の元形状がいきなり目標形状(製品
形状)となるように素材を切削することはできない。そ
のため、3次元加工における平面加工は、素材の元形状
のうち目標形状から最も離れた部分から開始され、徐々
に目標形状に接近するように工具がその加工平面内で移
動させられる。すなわち、送り方向においてのみなら
ず、同じ横断面Di 内でも工具が送られるのであり、本
実施形態においては、その同じ横断面Di 内での送りを
切込みと称する。
【0043】そして、工具経路データ作成装置10は、
同じ横断面Di 内における複数の工具経路Rを決定する
ために、図4に示すように、各横断面Di 毎に、まず、
素材の目標形状に最も近い工具経路R1 を決定する。そ
の後、その工具経路R1 から外側に(素材の目標形状と
は反対側に)離れた少なくとも一つの工具経路Rj (j
≧2)の各々を、決定すべき工具経路Rj の直前に決定
された、直ぐ内側の工具経路Rj-1 を切込み量tと同じ
距離だけ外側にずらすことによって決定する。
【0044】そのような工具経路決定を行うため、図1
のコンピュータ20のROM16に工具経路決定プログ
ラムが予め記憶されている。工具経路決定プログラム
は、図5にフローチャートで表されているように、まず
ステップS1(以下、単にS1で表す。他のステップに
ついても同じ)において、荒加工用工具経路が決定さ
れ、次に、S2において、仕上げ加工用工具経路が決定
される。
【0045】S1の詳細が図6にフローチャートで示さ
れている。まず、S11において、作業者により、製品
形状データ(素材の目標形状を表す素材目標形状デー
タ)と、荒加工用工具の予定加工形状データと、荒加工
の加工条件データとがそれぞれ入力される。荒加工の加
工条件には例えば、荒加工用送り量hC と荒加工用切込
み量tc とがある。
【0046】次に、S12において、素材に対して、各
々加工平面に平行であり、かつ、間隔が荒加工用送り量
C と一致する複数の荒加工用加工平面が想定される。
本実施形態においては、前記3次元座標系のうちXY平
面に平行な平面が加工平面とされている。
【0047】さらに、本ステップにおいては、素材がそ
れら荒加工用加工平面で切断することが想定される。こ
れにより、図3に示すように、素材の目標形状(製品形
状)につき、加工平面に平行な複数の横断面DCi(図で
は「Di 」で表す)が取得される。
【0048】続いて、S13において、想定された各横
断面DCi毎に、荒加工用工具経路R Cjが決定される。
【0049】具体的には、まず、S13a〜S13cに
おいて、最も内側の(素材の目標形状の表面に最も近
い)荒加工用工具経路RC1(図4では「R1 」で表す。
他の荒加工用工具経路についても同じ)が決定される。
【0050】まず、S13aにおいて、図8に示すよう
に、荒加工用工具による予定加工形状(図では二点鎖線
で表す)を複数、素材の目標形状に重ねることが想定さ
れる。この想定に際し、予定加工形状は、荒加工の場合
(図では実線で表す)におけるとは逆向きで、かつ、そ
の予定加工形状に対応する工具中心点が素材の目標形状
の表面上に位置するように重ねられる。素材の目標形状
の表面と各横断面DCiとの交線が取得され、その交線上
に複数の点が設定され、予定加工形状に対応する工具中
心点がそれら各設定点に一致するように重ねられる。
【0051】交線上への複数の点の設定は、交線を複数
の直線要素が互いに接続されて成る折れ線で、各直線要
素と交線のうちのその折れ線の各直線要素に対応する曲
線(直線を含む広義の概念)の部分との隔たりが予め設
定されたトレランスを超えないように近似することによ
って行われ、その折れ線上の複数の点がそれぞれ設定点
とされる。
【0052】次に、S13bにおいて、素材の目標形状
に重ねることが想定された複数の予定加工形状の先端部
に接する一包絡面が取得される。
【0053】続いて、S13cにおいて、その包絡面と
各横断面DCiとの交線が、各横断面DCiに対応する、最
も内側の荒加工用工具経路RC1に決定される。
【0054】以上のようにして最も内側の荒加工用工具
経路RC1が決定されたならば、次に、S13dにおい
て、その荒加工用工具経路RC1より外側の複数の荒加工
用工具経路RCj(j≧2)が決定される。具体的には、
各荒加工用工具経路RCjは、図4に示すように、それよ
り直ぐ内側の荒加工用工具経路RCj-1を荒加工用切込み
量tC (図では「t」で表す)と同じ距離だけ外側にず
らすことによって取得される。
【0055】続いて、S13eにおいて、それら各荒加
工用工具経路RCj上に複数の点が工具経路点PCkとして
設定され、各工具経路点PCkの座標値を表すデータが荒
加工用工具経路データとされる。なお、荒加工用工具経
路RCj上への複数の工具経路点PCkの設定は、前述の、
交線上に複数の点を設定する場合と同様にして行なわれ
る。
【0056】図5のS2の詳細が図7にフローチャート
で表されている。まず、S21において、荒加工用工具
の予定加工領域外形線データと、仕上げ加工用工具の予
定加工形状データと、仕上げ加工の加工条件データとが
それぞれ入力される。
【0057】荒加工用工具の予定加工領域外形線は、本
来の予定加工形状ではなく、その本来の予定加工形状の
移動軌跡である。すなわち、作業者により、本来の予定
加工形状に基づき、工具を同一平面内において平面加工
を行った場合に、回転する工具による移動軌跡によって
素材に形成されることとなる3次元の予定加工領域を工
具送り方向に平行な一平面で切断した断面が取得され
る。さらに、その断面の外形線のうち素材の目標形状に
近い部分が取得され、その部分が荒加工用工具の予定加
工領域外形線として入力されるのである。例えば、工具
がボールエンドミルである場合には図9、ラジアスエン
ドミルである場合には図10、フラットエンドミルであ
る場合には図11にそれぞれ示す予定加工領域外形線が
入力される。
【0058】この予定加工領域外形線には、その予定加
工領域のうち素材の目標形状に最も近い側に工具を置く
ことを想定した場合のその工具の工具中心点の位置が対
応させられ、予定加工領域外形線の位置決めがその工具
中心点を基準として行われるようになっている。
【0059】仕上げ加工用工具の予定加工形状は、図1
7に示すように、本来の予定加工形状である。なお、仕
上げ加工用工具の工具半径は普通、荒加工用工具の工具
半径より小さい。
【0060】前記仕上げ加工の加工条件には例えば、仕
上げ加工用送り量hF と仕上げ加工用切込み量tF とが
ある。なお、仕上げ加工用送り量hF は荒加工用送り量
Cより小さく、荒加工用切込み量tC も仕上げ加工用
切込み量tF より小さいのが普通である。
【0061】次に、図7のS22において、素材に対し
て、各々加工平面に平行であり、かつ、間隔が仕上げ加
工用送り量hF と一致する複数の仕上げ加工用加工平面
が想定される。
【0062】さらに、本ステップにおいては、素材がそ
れら仕上げ加工用加工平面で切断することが想定され、
これにより、複数の横断面DFiが取得される。その一例
が図12に示されている。
【0063】その後、S23において、素材の複数の横
断面DFiのそれぞれの番号を表す横断面番号iの値が1
とされる。横断面番号iは、Z座標軸を一方向にたどる
につれて1ずつ増加する値とされている。
【0064】続いて、S24において、i番目(今回は
1番目)の横断面DFiにつき、複数の暫定的な仕上げ加
工用工具経路RFj(以下、単に「暫定経路RFj」とい
う)が決定される。各暫定経路RFjは、荒加工用工具経
路と同様な規則に従って決定される。
【0065】すなわち、まず、図13に示すように、最
も内側の暫定経路RF1が決定される。仕上げ加工用工具
の予定加工形状が複数、各々仕上げ加工の場合における
とは逆向きに、かつ、その予定加工形状に対応する工具
中心点が素材の目標形状の表面上に位置するように想定
される。さらに、想定された複数の予定加工形状の先端
部に接する一包絡面が取得され、その包絡面と各横断面
Fiとの交線が各横断面DFiに対応する、最も内側の暫
定経路RF1に決定される。
【0066】次に、図14に示すように、その暫定経路
F1より外側の複数の暫定経路RFj(j≧2)が決定さ
れる。各暫定経路RFjは、荒加工用工具経路の場合と同
様に、それより直ぐに内側の暫定経路RFj-1を仕上げ加
工用切込み量tF と同じ距離だけ外側にずらすことによ
って取得される。
【0067】その後、S25において、各暫定経路RFj
上に複数の暫定経路点PFkが設定される。暫定経路点P
Fkは、最終的仕上げ加工用工具経路を構成する最終経路
点P Fkを決定するために暫定的に決定されるものであ
り、本実施形態においては、図15に示すように、各暫
定経路RFjを前述のようにして折れ線で近似した場合の
その折れ線上の複数の点のうち、各暫定経路RFjを一方
向にたどった場合に設定個数おきに通過するものが暫定
経路点PFkに決定される。暫定経路RFjの曲率半径が小
さいほど、互いに隣接する2個の暫定経路点PFkの間隔
が狭くなるから、結局、暫定経路RFj上の複数の設定点
から設定個数おきに暫定経路点PFkを設定することは、
暫定経路RFjのうち曲率半径が小さい部分を細かく分割
し、加工残り部をもれなくかつ能率よく取得可能とな
る。
【0068】続いて、S26において、i番目の横断面
Fiにおける複数の暫定経路RFjの番号である暫定経路
番号jと、各暫定経路RFj上に設定された複数の暫定経
路点PFkの番号である暫定経路点番号kとがそれぞれ、
1とされる。暫定経路番号jは、その暫定経路RFjが内
側から外側に移動するにつれて1ずつ増加する値であ
り、また、暫定経路点番号kは、各暫定経路RFjを一方
向にたどった場合に各暫定経路点PFkを通過するにつれ
て1ずつ増加する値である。
【0069】その後、S27において、素材の荒加工後
の縦断面(送り方向に平行な方向における断面)が推定
される。本ステップの詳細が図19にフローチャートで
表されている。
【0070】まず、S51において、図16に示すよう
に、荒加工用の複数の横断面DC1〜DCMAXの中から、仕
上げ加工用の今回の横断面DFiに近接する3つの横断面
Cが選択される。具体的には、複数の荒加工用の横断
面DC1〜DCMAXから、仕上げ加工用の今回の横断面DFi
に最も近い横断面DCiと、その横断面DCiの前後に位置
する2つの横断面DCi-1,DCi+1とがそれぞれ選択され
る。
【0071】次に、S52において、図16に示すよう
に、それら3つの荒加工用の横断面DCi-1,DCi,D
Ci+1に荒加工用工具の予定加工領域外形線(図では破線
で示す)を重ねることが想定される。具体的には、工具
が荒加工の場合と同じ向きを向き、かつ、工具中心点が
各横断面DCi-1,DCi,DCi+1上の荒加工用工具経路R
C1(最も内側の荒加工用工具経路)上に位置する姿勢で
重ねられる。
【0072】続いて、S53において、図16に示すよ
うに、それら3つの予定加工領域外形線が1本の線(図
では実線で示す)に結合される。3つの予定加工領域を
重ね合わせた場合の立体図形を工具送り方向に平行な平
面で切断した断面の外形線のうち素材の目標形状に近い
部分が取得されるのである。これにより、素材における
荒加工後の加工残り部を工具送り方向に平行な平面で切
断した加工残り部断面の外形線のうち工具に最も近い側
の部分(以下、「素材荒加工後形状断面外形線」とい
う)が取得される。
【0073】続いて、図7のS28において、図17に
示すように、仕上げ加工用の予定加工形状を前記取得さ
れた素材の荒加工後の断面に重ねることが想定される。
具体的には、仕上げ加工用の予定加工形状に対応する工
具中心点が最も内側の暫定経路RF1上のk番目(今回は
1番目)の暫定経路点PFkに一致し、かつ、工具の向き
が仕上げ加工の場合と同じ向きとなるように重ねられ
る。
【0074】さらに、本ステップにおいては、素材荒加
工後断面外形線と仕上げ加工用工具の予定加工形状の外
形線とで囲まれる部分が、素材のうち仕上げ加工によっ
て除去される予定の部分として抽出され、その部分の面
積が切削面積として計算される。
【0075】その後、S29において、計算された切削
面積が一定値以上であるか否かが判定される。今回は一
定値以上であると仮定すれば、判定がYESとなり、S
30において、そのk番目の暫定経路点PFkが最終経路
点に決定される。複数の暫定経路点PFkのうち最終経路
点に決定されたものは最終的な仕上げ加工用工具経路の
構成要素となるのに対し、最終経路点に決定されなかっ
たものは最終的な仕上げ加工用工具経路の構成要素から
除外される。
【0076】続いて、S31において、今回の暫定経路
点番号kがj番目の暫定経路RFjにおける最後の暫定経
路点RFMAXの暫定経路番号(以下、「最大番号MAX」
という。暫定経路RFj,横断面DFiについても同じ)で
あるか否かが判定される。今回は暫定経路点番号kが最
大番号MAXではないと仮定すれば、判定がNOとな
り、S32において、暫定経路点番号kの値が1増加さ
せられた後、S27に戻る。
【0077】これに対し、計算された切削面積が一定値
以上ではない場合には、S29の判定がNOとなり、S
30がスキップされ、直ちにS31に移行する。今回も
暫定経路点番号kが最大番号MAXではないと仮定すれ
ば、S31の判定がNOとなり、S32において、暫定
経路点番号kの値が1増加させられた後、S27に戻
る。
【0078】その後、S27〜32の実行が何回も繰り
返された結果、暫定経路点番号kが最大番号MAXとな
ったと仮定すれば、S31の判定がYESとなり、S3
3において、S29の判定がNOとなることが最大番号
MAXと同じ回数連続したか否かが判定される。j番目
の暫定経路RFj上のすべての暫定経路点PFkにつき、切
削面積が一定値より小さいと判定されたか否かが判定さ
れるのである。今回はj番目の暫定経路RFj上のすべて
の暫定経路点PFkにつき、切削面積が一定値より小さい
と判定された場合ではないと仮定すれば、判定がNOと
なり、S34において、今回の暫定経路番号jがi番目
の横断面DFjにおける最後の暫定経路R FMAXの暫定経路
番号である最大番号MAXであるか否かが判定される。
今回は暫定経路番号jが最大番号MAXではないと仮定
すれば、判定がNOとなり、S35において、暫定経路
番号jの値が1増加させられ、その後、S27に戻る。
以後、S27以下のステップが新たな暫定経路RFjにつ
いて実行される。
【0079】これに対し、今回は暫定経路番号jが最大
番号MAXであると仮定すれば、S34の判定がYES
となり、S36に移行する。このS36においては、今
回の横断面番号iが素材における最後の横断面DFMAX
横断面番号である最大番号MAXであるか否かが判定さ
れる。今回は横断面番号iが最大番号MAXではないと
仮定すれば、判定がNOとなり、S37において、横断
面番号iの値が1増加させられ、その後、S24に戻
る。以後、S24以下のステップが、新たな横断面DFi
について実行される。これに対し、今回は横断面番号i
が最大番号MAXであると仮定すれば、S36の判定が
YESとなり、本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0080】また、これに対し、今回はj番目の暫定経
路RFj上のすべての暫定経路点PFkにつき、切削面積が
一定値より小さいと判定されたと仮定すれば、S33の
判定がYESとなり、S34およびS35がスキップさ
れ、直ちにS36に移行する。すなわち、今回の素材の
目標形状はその素材の凸面に関するものであることから
ち、j番目の暫定経路RFj上のすべての暫定経路点PFk
につき、切削面積が一定値より小さい場合には、それよ
り外側の暫定経路RFjについても、切削面積が一定値以
上となることはないと仮定されており、その仮定に従
い、無駄な実行が省略されて演算時間の短縮が図られて
いるのである。
【0081】例えば、図18に示すように、複数の暫定
経路点PFkのうち、図において黒丸で示すものが最終経
路点に決定される。4番目の暫定経路RF4については最
終経路点が一つも存在しないから、5番目以後の暫定経
路RF5, F6については、素材荒加工後形状断面外形線
の演算を行うことなく、いずれの暫定経路点PFkも最終
経路点に決定されず、最終的な仕上げ加工用工具経路か
ら除外される。
【0082】したがって、本実施形態によれば、荒加工
用工具がフラットエンドミルではなく、ボールエンドミ
ルまたはラジアスエンドミルである場合でも、加工残り
部を正確に取得することができるため、例えば、荒加工
の段階からボールエンドミルまたはラジアスエンドミル
を使用しても、無駄な仕上げ加工が行われずに済み、加
工能率が向上するという効果が得られる。
【0083】また、本実施形態によれば、仕上げ加工用
の各暫定経路RFj上のすべての設定点について一律に素
材荒加工後形状断面外形線の演算が行われるのではな
く、工具経路の曲率半径と加工残り部の存否との関係を
利用し、加工残り部が発生する可能性がある設定点につ
いてのみ選択的に行われるため、無駄な演算が省略され
るという効果も得られる。
【0084】さらに、本実施形態によれば、仕上げ加工
用の各横断面DFi上のすべての暫定経路RFjについて一
律に素材荒加工後形状断面外形線の演算が行われるので
はなく、各横断面DFi上における各暫定経路RFj相互の
位置関係と曲率半径との関係を利用し、加工残り部が発
生する可能性がある暫定経路RFjについてのみ選択的に
行われるため、このことによっても無駄な演算が省略さ
れるという効果が得られる。
【0085】なお付言すれば、図22に示すように、荒
加工をフラットエンドミルで行い、仕上げ加工をボール
エンドミルで行う場合に比較し、図23に示すように、
荒加工をそのフラットエンドミルと同一の工具半径を有
するボールエンドミルで行い、仕上げ加工はそれより小
径のボールエンドミルで行う場合には、素材における荒
加工後の加工残り部が少なくなるため、仕上げ加工によ
り素材を加工すべき量が少なくなり、また、仕上げ加工
用工具の切削負荷抵抗の変動も小さくなって、仕上げ加
工用工具の寿命が長くなるという効果が得られる。
【0086】以上、本発明の実施形態を図面に基づいて
詳細に説明したが、この他にも、特許請求の範囲を逸脱
することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改
良を施した形態で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である工具経路決定方法を実
施するのに好適な工具経路データ作成装置とそれに接続
されたNC加工装置とをそれぞれ示すブロック図であ
る。
【図2】上記工具経路決定方法の実施対象の一例である
製品を示す斜視図である。
【図3】上記工具経路データ作成装置により素材につい
て複数の横断面が取得される様子の一例を示す斜視図で
ある。
【図4】図3における素材の各断面毎に荒加工用工具経
路が決定される様子を示す断面図である。
【図5】図2におけるROMに記憶されている工具経路
決定プログラムを示すフローチャートである。
【図6】図5におけるS1の詳細を示すフローチャート
である。
【図7】図5におけるS2の詳細を示すフローチャート
である。
【図8】図6のS13の実行内容を説明するための側面
図である。
【図9】ボールエンドミルの予定加工領域外形線を示す
側面図である。
【図10】ラジアスエンドミルの予定加工領域外形線を
示す側面図である。
【図11】フラットエンドミルの予定加工領域外形線を
示す側面図である。
【図12】図7のS22の実行内容を説明するための平
面断面図である。
【図13】図7のS24の実行内容の一部を説明するた
めの平面断面図である。
【図14】図7のS24の実行内容の別の部分を説明す
るための平面断面図である。
【図15】図7のS25の実行内容を説明するための平
面断面図である。
【図16】図7のS27の実行内容を説明するための側
面断面図である。
【図17】図7のS28の実行内容を説明するための側
面断面図である。
【図18】図7の仕上げ加工用工具経路決定ルーチンが
図12に示す製品形状に対して実行された結果の一例を
示す平面断面図である。
【図19】図7におけるS27の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図20】荒加工をフラットエンドミルで行い、その
後、仕上げ加工をボールエンドミルで行った場合の加工
残り部を説明するための側面断面図である。
【図21】荒加工を大径のボールエンドミルで行い、そ
の後、仕上げ加工を小径のボールエンドミルで行った場
合の加工残り部を説明するための側面断面図である。
【図22】荒加工をフラットエンドミルで行った場合に
生じる加工残り部を従来の手法で推定した場合と実際の
加工残り部との関係を説明するための側面断面図であ
る。
【図23】荒加工をボールエンドミルで行った場合に生
じる加工残り部を従来の手法で推定した場合と実際の加
工残り部との関係を説明するための側面断面図である。
【図24】3次元加工によって製造される製品の形状の
別の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 工具経路データ作成装置 12 NC加工装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素材と工具との少なくとも一方を移動させ
    ることにより、結果的に、素材に対して工具を一加工平
    面内で移動させつつ素材を部分的に除去することとその
    工具をその加工平面と交差する送り方向に送ることとを
    交互に繰り返すことにより素材を3次元的に加工するの
    に必要な工具経路を決定するために、素材の荒加工に必
    要な工具経路を決定する工程と、その荒加工後に行われ
    る仕上げ加工に必要な工具経路を決定する工程とを含む
    工具経路決定方法において、 前記仕上げ加工用工具経路決定工程を、決定された荒加
    工用工具経路と、荒加工用の前記工具によりそれの各移
    動位置において前記素材に形成されることとなる予定加
    工形状と、素材が加工されるべき目標形状とに基づき、
    素材の荒加工後の実際形状が目標形状より大きい部分で
    ある加工残り部を前記送り方向に平行な少なくとも一つ
    の平面で切断した加工残り部断面を取得し、取得された
    加工残り部断面に基づき、加工残り部を仕上げ加工用の
    前記工具により除去するのに必要な工具経路を仕上げ加
    工用工具経路に決定するものとしたことを特徴とする工
    具経路決定方法。
  2. 【請求項2】請求項1の工具経路決定方法であって、前
    記仕上げ加工用工具経路決定工程が、 (a) 前記素材に対して、各々前記加工平面に平行であ
    り、かつ、前記仕上げ加工用工具の前記送り方向におけ
    る一回の送り量として予め設定された仕上げ加工用工具
    送り量と同じ間隔で並ぶ複数の仕上げ加工用加工平面を
    想定し、想定された各仕上げ加工用加工平面毎に、前記
    仕上げ加工用工具によりそれの各移動位置において素材
    に形成されることとなる予定加工形状と、前記目標形状
    とに基づき、素材全体に対してその素材の実際形状を目
    標形状より小さくない暫定的な形状とする仕上げ加工を
    行うのに必要な工具経路を暫定的な仕上げ加工用工具経
    路に決定する暫定的工具経路決定工程と、 (b) 想定された各仕上げ加工用加工平面毎に、決定され
    た前記荒加工用工具経路と、前記荒加工用工具による予
    定加工形状とに基づき、前記素材の荒加工後の実際形状
    が目標形状より大きい部分である加工残り部を前記送り
    方向に平行な少なくとも一つの平面で切断した加工残り
    部断面を取得し、取得された加工残り部断面と、前記仕
    上げ加工用工具による予定加工形状と、決定された暫定
    的仕上げ加工用工具経路とに基づき、その工具経路のう
    ち、その工具経路に沿って前記仕上げ加工用工具を移動
    させた場合にその工具によって前記取得された加工残り
    部断面が除去される部分の面積が設定値以上となる部分
    を最終的仕上げ加工用工具経路に決定する最終的工具経
    路決定工程とを含むものであることを特徴とする工具経
    路決定方法。
  3. 【請求項3】請求項2の工具経路決定方法であって、前
    記最終的工具経路決定工程が、決定された暫定的仕上げ
    加工用工具経路のうち曲率半径が設定値以上である部分
    を、前記加工残り部断面の取得を行うことなく前記最終
    的仕上げ加工用工具経路から除外するものであることを
    特徴とする工具経路決定方法。
  4. 【請求項4】請求項2または3の工具経路決定方法であ
    って、前記素材の目標形状がその素材の凸面に関するも
    のであり、前記最終的工具経路決定工程が、想定された
    各仕上げ加工用加工平面毎に、前記暫定的工具経路決定
    工程において複数の暫定的仕上げ加工用工具経路が決定
    された場合に、それら暫定的仕上げ加工用工具経路のう
    ち前記素材の目標形状に近い側のものから順に前記加工
    残り部断面の取得を行い、いずれの部分も前記最終的仕
    上げ加工用工具経路に決定されない暫定的仕上げ加工用
    工具経路がはじめて発生した後には、残りの暫定的仕上
    げ加工用工具経路については加工残り部断面の取得を行
    うことなく前記最終的仕上げ加工用工具経路から除外
    し、新たな仕上げ加工用加工平面について加工残り部断
    面の取得を開始するものである工具経路決定方法。
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