JP2005349520A - ワイヤカット放電加工方法、ワイヤカット放電加工方法における加工プログラムの作成方法、およびワイヤカット放電加工用加工プログラム作成装置 - Google Patents

ワイヤカット放電加工方法、ワイヤカット放電加工方法における加工プログラムの作成方法、およびワイヤカット放電加工用加工プログラム作成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ワイヤカット放電加工で任意の三次元の自由曲面を効率よく加工することは容易ではなく、そのための加工プログラムの作成も高度な知識を必要とし大変な作業である。
【解決手段】三次元CADで作成されたソリッドモデルの三次元形状データを取り込み、所望の加工形状面上の加工点における被加工物との干渉が発生しない方向、好ましくは、加工効率が最良となる加工形状面の曲率が最小の方向に、ワイヤ軸線方向を求めて、そのワイヤ軸線方向に垂直の方向に次の加工点を求める。各加工点における各軸の移動指令値を計算して、移動指令値からNCデータを生成してNCプログラムを作成し、得られた相対移動軌跡に基づいてワイヤ電極と被加工物とを相対移動させて加工を行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、三次元の自由曲面を創成加工するワイヤカット放電加工方法に関する。また、三次元の自由曲面をワイヤカット放電加工するための加工プログラムの作成方法および加工プログラム作成装置に関する。
ワイヤカット放電加工は、被加工物を挟んで設けられる一対のワイヤガイド間に工具電極であるワイヤ電極を所定の張力を付与した状態で張架して、ワイヤ電極と被加工物との間に形成される加工間隙に加工電圧を印加して放電を発生させるとともに、ワイヤ電極と被加工物とを相対移動させて放電エネルギにより被加工物を所望の形状に加工する放電加工方法である。放電加工中、ワイヤ電極は、一方のワイヤガイドの方向から他方のワイヤガイドの方向に走行している。
被加工物に三次元の自由曲面を形成する金属加工方法として、例えば、ボールエンドミルのような工具を用いた切削加工による創成加工方法がよく知られている。ボールエンドミルによる切削加工は、工具を加工面に点的に接触させて被加工物から材料を除去するものであるから、所定の単位移動量毎に工具軌跡の分割点(CL点)を求めて、生成された工具軌跡に沿って工具を相対移動させることによって、自由曲面を加工することができる。最近は、三次元設計支援システム(CAD, Computer Aided Design System)で作成されたソリッドモデルに与えられた三次元形状データを使って製造支援システム(CAM, Computer Aided Manufacturing System)で加工プログラム(工具軌跡)を得ることができるようになっている。
ところで、切削加工は、ダイヤモンドを含有する工具、CBN工具、チタンカーバイト系の工具などを用いて加工するものの、接触加工であるために、超硬のような難切削材を切削加工する場合は工具の摩耗が激しい。そのため、煩雑に工具の交換を行なう必要がある。また、加工中に工具の摩耗量に応じて切込み量の補正を行なう必要がある。したがって、コストや加工形状精度の点で損失が大きい。
そこで、新しい自由曲面の加工方法としてワイヤカット放電加工による創成加工が利用できないかどうか考えられている。ワイヤカット放電加工は、繰り出されるワイヤ電極によって非接触で被加工物を加工するので、切削加工における切削工具の摩耗の問題や形彫放電加工のように工具電極の消耗の問題がなく、難切削材を十数μm〜数μmの加工形状精度で加工することができる点で有利である。
具体的には、一対のワイヤガイド間に張架されたワイヤ電極であたかも果物の皮をむくようにして被加工物の表面を放電によって除去しようとするものである。数値制御装置を備えた典型的なワイヤカット放電加工装置は、特許文献1に示されるように、上下異形状と称される被加工物の上面と下面の形状が異なる放電加工が可能である。また、被加工物または水平に張架したワイヤ電極をその軸心廻りに回転可能な三次元の自由曲面が加工できる特殊な構成のワイヤカット放電加工装置として、特許文献2、特許文献3に開示されるように、鉛直方向に張架したワイヤ電極を傾斜可能にし被加工物を軸心廻りに回転させながら上下方向に旋回可能に設ける構成のワイヤカット放電加工装置や、特許文献4、特許文献5に開示されるように、水平方向に張架したワイヤ電極を旋回可能にし主軸に被加工物を取り付けて回転角度割出しさせる構成のワイヤカット放電加工装置が考えられている。
特公昭63−36524号公報 特開昭56−45324号公報 特公平6−41066号公報 特許第2828423号公報 特開2003−245828号公報
しかしながら、工具を加工面に点的に接触させる切削加工と異なり、一対のワイヤガイド間に張架されたワイヤ電極を加工面に線的に相対向させて糸鋸のように被加工物を加工するワイヤカット放電加工では、三次元の自由曲面を加工しようとする場合、ワイヤ電極の張架方向(ワイヤ軸線方向)を決定して各加工点毎に各加工点においてワイヤ電極が所定の間隙を隔てて相対向するように一対のワイヤガイドのそれぞれを位置決め制御する必要がある。
計算上、ある加工点におけるワイヤ軸線方向は無数に存在する一方、ワイヤ電極が加工点以外で同時に加工してはならない被加工物と交差する点あるいは内側に湾曲する部分のようにワイヤ電極では加工できないワイヤ軸線方向が存在する(以下、被加工物との干渉という)。また、三次元の自由曲面でなる所望の加工形状面上に取り得る加工点(加工軌跡)は多数存在し、加工効率のよいワイヤ電極の相対移動軌跡を設定することは容易ではない。もともと三次元の自由曲面における加工点の数は二次元の加工軌跡に対して相当多くなるのであるが、その上、加工点毎に被加工物との干渉を見つけながら無数のワイヤ軸線方向の中から1つの適切なワイヤ軸線方向とを得て加工効率のよい相対移動軌跡でワイヤ電極を相対移動させるようにしなければならないので、加工プログラムの作成には、大変な労力を必要とする。
ワイヤカット放電加工では、平面上に描かれる加工軌跡をオフセットしたワイヤ電極の相対移動軌跡に沿ってワイヤ電極を相対移動させて被加工物を切断するような加工をすることがほとんどであり、そのための加工プログラムの作成を支援する自動プログラミング装置(APT, Automatically Programming Tool)やCAMシステムは存在するが、立体的に描かれる相対移動軌跡に沿ってワイヤ電極を相対移動させる三次元形状を加工するための加工プログラムを生成するツールやシステムは、提供されていないのが現状である。そのため、ワイヤカット放電加工装置の構造上可能であっても、実際にワイヤカット放電加工で任意の三次元の自由曲面を加工することは大変な作業であり、高度な知識が要求され、作業時間も相当長くなる。このようなことから、ワイヤカット放電加工による創成加工は、特別な構成のワイヤカット放電加工装置を用いて切削工具のツルーイングなどの目的で限定的に行なわれている。
本発明は、上記課題に鑑みて、ワイヤカット放電加工で任意の三次元の自由曲面を効率よく加工し得るワイヤカット放電加工方法を得ることを目的とする。また、本発明の別の目的は、任意の三次元の自由曲面を加工するための加工プログラムをより容易に得ることができる加工プログラムの作成方法および加工プログラム作成装置を提供することを目的とする。本発明のより具体的な利点は、実施の形態の説明において詳細に記述される。
本発明の三次元の自由曲面を加工するワイヤカット放電加工方法は、被加工物の三次元形状データから得られる所望の加工形状面上の加工点における被加工物との干渉が発生しない1つのワイヤ軸線方向を求める工程と、加工点における各軸の移動量または位置座標値を計算する工程と、ワイヤ軸線方向に垂直の方向に次の加工点を求める工程と、上記各工程を繰り返してワイヤ電極の相対移動軌跡を得る工程と、得られた相対移動軌跡に基づいてワイヤ電極と被加工物とを相対移動させて被加工物を放電加工することを特徴とする。
また、本発明のワイヤカット放電加工方法において、上記相対移動軌跡は、上記加工点を使用するワイヤ電極の半径に設定された加工条件に基づく放電ギャップの大きさを加えた距離オフセットした分割点を接続したものである。また、本発明のワイヤカット放電加工方法は、好ましくは、上記ワイヤ軸線方向を求める工程において、ワイヤ軸線方向は、加工点における加工形状面の断面形状の曲率が最小である方向とする。また、好ましくは、上記加工点は、第1の1軸方向に順次配列されるとともに第1の1軸方向に直交する第2の1軸方向に設定された所定量ピックフィードして第1の1軸方向に配列された加工点列に並行するように第1の1軸方向と反対の方向に順次配列される。また、上記所望の加工形状面の三次元形状データは、三次元CADシステムで作成されたソリッドモデルの三次元形状データである。
本発明のワイヤカット放電加工方法における加工プログラムの作成方法は、三次元CADシステムで作成されたソリッドモデルの三次元形状データを取得して被加工物の所望の加工形状面上の各加工点における加工形状面の断面形状の曲率が最小かつ被加工物との干渉が発生しない1つのワイヤ軸線方向を求めるとともにワイヤ軸線方向に垂直の方向に予め設定された単位移動量離れた点に順次次の加工点を求めて、各加工点をそれぞれ所定量オフセットした位置における各軸の移動量または位置座標値を計算してNCデータを生成し、生成されたNCデータに基づいて加工プログラムを作成することを特徴とする。
本発明のワイヤカット放電加工用加工プログラム作成装置は、三次元形状データから得られる被加工物の所望の加工形状面上の加工点における加工形状面の曲率が最小でかつ被加工物との干渉が発生しない1つのワイヤ軸線方向を求めるワイヤ軸線方向決定手段と、ワイヤ軸線方向に垂直の方向に予め設定された単位移動量離れた点に次の加工点を求める加工点計算手段と、加工点を所定量オフセットした位置における各軸の移動量または位置座標値を計算してNCデータを生成するNCデータ生成手段と、生成されたNCデータに基づいてNCプログラムを作成する加工プログラム作成手段と、を含んでなる。加工点計算手段は、単位移動量離れた点が加工形状面上にないときは、単位移動量離れた点に最も近い加工形状面上の点を次の加工点とする。また、ワイヤ軸線方向決定手段は、被加工物との干渉をRAY関数により得られる交点の数により判別する。好ましくは、上記所望の加工形状面を得る三次元形状データを三次元CADシステムで作成されたソリッドモデルの三次元形状データから取得する。
本発明のワイヤカット放電加工方法は、所望の加工形状面上の加工点における被加工物との干渉が発生しない適する1つのワイヤ軸線方向を求めて各軸の移動量または位置座標値を計算するとともに、加工効率のよいワイヤ軸線方向に垂直の方向に次の加工点を求めてワイヤ電極の相対移動軌跡を得るので、ワイヤカット放電加工で任意の三次元の自由曲面をより効率よく加工し得る。また、三次元形状データを利用して被加工物の干渉が発生しないワイヤ電極の相対移動軌跡を得るので、作業負担が軽減され、より容易に任意の三次元の自由曲面をワイヤカット放電加工することができる。その結果、ワイヤカット放電加工の利用の幅を広げる効果を奏する。ワイヤ軸線方向を加工点における加工形状面の断面形状の曲率が最小である方向とするときは、より加工効率のよいワイヤ軸線方向で加工することができ、加工時間をより短縮することができる。
本発明の加工プログラムの作成方法は、三次元CADシステムで作成されたソリッドモデルの三次元形状データから所望の加工形状面を識別する。そして、所望の加工形状面の断面形状の曲率が最小かつ被加工物との干渉が発生しない1つのワイヤ軸線方向を求める。そのため、より加工効率のよい適切なワイヤ軸線方向が容易に決定される。また、ワイヤ軸線方向に垂直の方向に順次次の加工点を求めるので、容易に加工効率のよい各加工点が得られる。そして、このようにして求められた各加工点をそれぞれ所定量オフセットした位置における各軸の移動量または位置座標値を計算してNCデータを得るので、より容易に任意の三次元の自由曲面を効率よく加工し得る加工プログラムを作成することができる。その結果、ワイヤカット放電加工の利用の幅を広げる効果を奏する。
本発明の加工プログラム作成装置は、ワイヤ軸線方向決定手段によって三次元形状データから得られる所望の加工形状面に従って加工効率がよく被加工物との干渉が発生しないワイヤ軸線方向が決定されるので、より容易に適切なワイヤ軸線方向が得られる。また、加工点計算手段によってワイヤ軸線方向に垂直の方向に次の加工点を求められるので、より容易に適切な各加工点が得られる。このようにして求められた各加工点をそれぞれ所定量オフセットした位置における各軸の移動量または位置座標値を計算して、得られたNCデータに基づいて加工プログラムが作成されるので、より容易に任意の三次元の自由曲面を効率よく加工し得る加工プログラムが作成される。その結果、ワイヤカット放電加工の利用の幅を広げる効果を奏する。ワイヤ軸線方向決定手段が被加工物との干渉をRAY関数により得られる交点の数により判別するように構成すれば、容易かつ確実に被加工物との干渉を識別して適切なワイヤ軸線方向を選定することができる。また、所望の加工形状面を得る三次元形状データを三次元CADシステムで作成されたソリッドモデルの三次元形状データから取得する構成とするときは、より容易に任意の三次元の自由曲面を効率よく加工し得る加工プログラムが作成される。
図1に、本発明のワイヤカット放電加工方法の好ましい実施の形態が示される。また、図2に、図1のプロセス中、ワイヤ軸線方向を決定するプロセスがより具体的に示される。なお、以下の実施の形態では、座標系において、XY軸は互いに直交する水平方向の2軸とし、Z軸はXY軸に垂直な鉛直方向の1軸とする。
設定値として要求されるデータは、オペレータによって予め与えられている。要求されるデータは、ワイヤカット放電加工装置の構成に依存する。例えば、回転軸を有していない一般的なX軸、Y軸、Z軸、U軸、V軸の送り装置を有するワイヤカット放電加工装置における設定値は、基本的には、被加工物における所望の加工形状面の三次元形状データ、所定の座標系の加工原点および加工開始点のデータ、単位移動量とピックフィード値、ワイヤ電極が基準の張架方向(テーパ角度0度)に張架されたときのワイヤガイド間距離、オフセット値である。少なくとも、三次元形状データは、三次元CADシステムから取得することができる。また、三次元CADシステムで、加工原点や加工開始点が指定され、あるいは加工方法が定義されているときは、この種のデータも三次元CADシステムから取得することができる。
このとき、予め設定された単位移動量毎に与えられた被加工物の所望の加工形状面上の加工点を所定量オフセットした分割点(CL点)を接続した自由曲線をワイヤ電極の相対移動軌跡(工具軌跡)とする。加工点は、被加工物の一端の加工開始点から第1の1軸方向(例えば、Y軸マイナス方向)に順次配列されるとともに、第1の1軸方向に直交する第2の1軸方向(例えば、Z軸マイナス方向)に設定された所定量ピックフィードして第1の1軸方向に配列された加工点列に並行するように第1の1軸方向と反対の方向(例えば、Y軸プラス方向)に順次配列される。所定量のオフセット値は、使用するワイヤ電極の半径に設定された加工条件に基づく放電ギャップの大きさを加えた距離とする。
計算上必要な所望の加工形状面上のある点の位置データは、既存の三次元CADシステムで生成され記憶装置に記憶されている三次元形状データから得ることができる。設計された製品のソリッドモデルは、設計者によって三次元CADシステムを使用して定義される。実施の形態におけるCADシステムは、三次元形状を非一様有理Bスプライン(NURBS, Non-Uniform Rational B-Spline)で表現することができる。実施の形態におけるCADシステムは、三次元の物体を構成する点、線、面の接続関係から立体を表現する境界表現方式(B-reps, Boundary Representation)を用い、データ構造が境界面、稜線、頂点の順で下層に置く階層構造になっている。
制御点のデータに基づいて非一様有理Bスプラインで表現された自由曲面で所望の加工形状面上のある点Pは、方向を表わすパラメータs,tを用いて数1で表わされる。
このとき、mはs方向の制御点の数、nはt方向の制御点の数、Kは階数(次数+1)、Bi,K(S)とBj,KはBスプライン基底関数、Qijは制御点座標である。ここで、制御点とは、曲面の通過点ではない順序付けられた点列のことであり、この点列によって曲面を補間している。なお、Bスプライン基底関数は、ナーブス関数を計算するために用いられる関数であり、数2のような漸化式で表される。
ワイヤ電極を用いて被加工物を加工する場合、ワイヤ電極を加工点に垂直の方向(法線方向)に接する接平面と平行に傾け、加工点から法線方向にオフセットして位置決めする必要がある。しかしながら、計算上は、接平面上に位置するワイヤ軸線方向は、加工点を中心に放射状に無数に存在する。したがって、各加工点においてただ1つのワイヤ軸線方向を決定する必要がある。また、被加工物との干渉が発生するワイヤ軸線方向は不適であるから、無数に存在するワイヤ軸線方向の中から少なくとも被加工物との干渉が発生するワイヤ軸線方向は排除される必要がある。そこで、まず、被加工物の所望の加工形状面上の加工点における被加工物との干渉が発生しない1つのワイヤ軸線方向を求める(S1,S6)。
ある加工点における、被加工物との干渉が発生するワイヤ軸線方向を除く複数のワイヤ軸線方向の中から1つのワイヤ軸線方向を選定する場合は、好ましくは、より加工効率に優れる方向を選定する。加工効率がよいワイヤ軸線方向は、結論から言えば、ワイヤ電極と被加工物との相対向する長さが長く、ワイヤ電極が加工点列をピックフィード方向に折り返す折返しの数が少なくなる方向である。したがって、選定される“最適な”ワイヤ軸線方向は、ワイヤ軸線方向における所望の加工形状面の曲率が最小になるワイヤ軸線方向であると言える。この考えに従って、以下に、図2を引用して、ある加工点における最適なワイヤ軸線方向を決定するプロセスを説明する。
まず、加工点における接平面のデータを得る(S11)。CADシステムは、被加工物の所望の加工形状面上の任意の点が与えられたとき、三次元形状データに基づいてその任意の点における法線ベクトルを計算する機能を有している。得られる単位法線ベクトルのデータに基づいて接平面を得ることができる。図3に、ある加工点P、被加工物の所望の加工形状面2に加工点Pで接する接平面T、および接平面上の直線lの関係が示される。ある加工点P(P,P,P)における単位法線ベクトルnをn=[n,n,n]とすると、加工点Pにおける接平面Tは、数3で与えられる。
次に、接平面T上の直線lを求める(S12)。直線lは、数4で与えられる。
ここで、直線lの初期方向(θ=0)を、例えば、ZX平面を基準としてZX平面に平行な方向とおくと(S13)、直線lは、数5のように表わされる。
したがって、直線lの単位方向ベクトルをL[l,l,l]とすると、θ=0のときの単位方向ベクトルLの成分の間には、数6のような関係が成立する。
また、直線lの単位方向ベクトルLと単位法線ベクトルnは直交するので、数7が成立する。
したがって、直線lの単位方向ベクトルLは、数8で表わされる。ただし、n=0で、n=0のときは、単位方向ベクトルL=[0,0,1]である。
次に、加工点における所望の加工形状面の曲率を求める。最初に、直線l方向がθ=0として(S13)、θ=0のときの加工形状面の断面形状の曲率を計算する(S14)。そして、加工点Pを中心に予め定められた微小な単位角度Δθずつ直線方向を回転させて、そのときの各直線方向の加工形状面の断面形状の曲率を順次求め、加工点Pにおける全方位の直線方向の加工形状面の曲率を求める(S14〜S16)。単位角度Δθは、任意であるが、ワイヤカット放電加工装置の位置決め精度、要求される加工形状精度、計算の負担などを考慮して予め設定されている。
図4に、θ=0のときの直線l方向の加工形状面2の断面形状4の例が示される。ある加工点Pにおける直線l方向の所望の加工形状面の曲率を得るには、図4に示されるように、まず、直線lを通り接平面Tに直交する平面6で所望の加工形状面の断面形状4を得る。そして、断面形状4のデータを使って加工点Pにおける所望の加工形状面の曲率を計算する。断面形状4は、ソリッドモデルの三次元形状データと平面6のデータとに基づいて得ることができ、断面形状4の曲率は、断面形状4から得られる曲率半径と単位法線ベクトルとで曲率ベクトルで表わすことができ、これらのデータは、既存の三次元CADシステムに計算させて得ることができる。そして、直線lを加工点Pにおける単位法線ベクトルn廻りに単位角度Δθずつ回転させた直線方向における曲率を順次得て、曲率の最も小さいときの角度θにおける直線の方向をワイヤ軸線方向の候補とする(S18)。
ここで、直線lを接平面T上で加工点Pを中心に単位角度Δθ回転させた後の直線l’の方向ベクトルの求め方を示す。直線l’の方向ベクトルを得ることができれば、直線l’方向の加工形状面の断面形状の曲率も、直線lと同様にして得ることができる。
接平面T上で加工点Pを中心に回転するということは、直線lを加工点Pにおける法線ベクトルn廻りに回転することである。直線lの単位方向ベクトルをL、直線lを加工点Pにおける単位法線ベクトルn廻りに単位角度Δθ回転させた直線l’の単位方向ベクトルをL’とすると、回転座標変換マトリクスを用いて数9のように表わされる。
このとき、Rot(n,Δθ)は、単位法線ベクトルn廻りにΔθ回転するという回転座標変換マトリクスである。具体的には、例えば、ベクトルk=[k,k,k]というベクトルk廻りに角度θ回転されるときの回転座標変換マトリクスは、数10のように与えられる。
次に、ある加工点Pにおけるワイヤ軸線方向は無数にあるので、最終的にどの方向にワイヤ電極を張架させた状態で加工するべきかを決定する。具体的には、既に計算されている複数の直線の単位方向ベクトルL、L’のうちの最適な単位方向ベクトルL’を最適なワイヤ軸線方向の単位方向ベクトルwとする。選択されるべき最適なワイヤ軸線方向は、既に述べられているように、より加工効率が優れるワイヤ軸線方向であるが、以下に、より具体的に説明する。
ワイヤカット放電加工で加工可能な三次元の自由曲面を具体的に挙げると、図5の加工点Pにおける単位法線ベクトル廻りの角度θに対する曲率変化のグラフに示されるように、次の3種類である。
(1)所望の加工形状面が凸形状で曲率が正の値をとると定義したときに、角度θに対する曲率が常に正の値である場合(楕円)
(2)所望の加工形状面が凸形状で曲率が正の値をとると定義したときに、角度θに対する曲率の正負が反転する場合(鞍形)
(3)上記(1)、(2)以外で角度θに対する曲率が0をとることがある場合(円筒)
以上のことから、曲率の絶対値が最も小さな曲率を取る方向にワイヤ軸線方向があるとき、ワイヤ電極と被加工物とが相対向する長さが最も長くなり、ワイヤ電極の相対移動軌跡の折返し回数が少なくなることがわかる。したがって、加工効率が最もよいワイヤ軸線方向は、一般に、曲率の絶対値がより小さい方向と言える。また、曲率が負になるような方向にワイヤ軸線方向をとるときに、ワイヤ電極が被加工物に干渉することがわかる。したがって、角度θに対する曲率が常に負になるような曲面、例えば凹レンズのような三次元の曲面は、ワイヤカット放電加工では加工することができない。なお、所望の加工形状面が球面の場合は、楕円の特殊なケースと言えるが、ワイヤ軸線方向(直線方向)に関わりなく曲率が一定である。球面の場合におけるワイヤ軸線方向の決定方法については、後述する。このようにして、曲率の計算の時に形状を識別しておく(S17)。
既に述べられているように、被加工物との干渉が発生するワイヤ軸線方向は排除される必要がある。そこで、ワイヤ電極の曲率の絶対値が最小値を取る方向で、RAY関数を用いて被加工物との干渉が発生するかどうか干渉チェックを行なう(S19)。候補のワイヤ軸線方向に被加工物との干渉が発生している場合は、ワイヤ軸線方向を単位角度Δθ(±)毎に順次法線ベクトル廻りに回転させながら、被加工物との干渉が発生しない方向を求める(S20)。候補のワイヤ軸線方向に干渉がなければ、そのワイヤ軸線方向を最適なワイヤ軸線方向と決定する(S21)。
ここで、RAY関数は、光線(RAY)を照射するがごとく曲面と直線との関係を関数で表わすもので、任意の加工点を通る直線と曲面との交点の数を与えることができる。既存の三次元CADシステムは、RAY関数を計算させる機能を有しているため、この機能を利用してCAMシステムのワイヤ軸線方向決定手段から直線のデータを三次元CADシステムに与え、三次元形状データと直線のデータとで得られる交点の数を元に干渉チェックを行なう。
図6にその原理が示されている。ワイヤ電極は、直線状に張架されているから、RAYを張架されたワイヤ電極に置き換えて考えると、図6(A)に示されるように、RAY8が所望の加工形状10と交点を持たなければ、そのRAY8の方向は、被加工物12との干渉が発生しない方向と見なせる。また、RAY8と所望の加工形状10との交点の数から加工点Pが被加工物12の内側にあるか外側にあるかを判断することができる。この場合は、まず、RAY8と所望の加工形状10との交点の数を数える。そして、得られた交点において所望の加工形状面に対して法線14を立て、それがRAY8と直交していれば、その交点は接点である。接点と判断された点は、RAY8と加工形状10との交点2個分とし、図6(B)に示されるように、交点の数の合計が奇数ならば内側、図6(C)に示されるように、偶数ならば外側と判別する。
加工点における最適なワイヤ軸線方向が決定されたら、次に、先に求めたワイヤ軸線方向に同時制御でワイヤ電極を傾けて加工点を相対移動させるために必要な各軸に分配される加工点における各軸の送り装置の移動量または位置座標値(移動指令値)を計算する(S2)。ここでは、ロボティクスの概念を用いて加工点における各軸の移動量を求める方法を説明する。ワイヤ電極の特定の一点が常に加工点に相対向するようにワイヤ電極における加工位置(例えば、ワイヤガイド間の中央)を指定することができるようにするためには、数値制御ワイヤカット放電加工装置が被加工物またはワイヤ電極を回転位置決めできる回転角度割出し可能な回転軸(以下、単に回転軸という)を1軸以上有することが要求されるが、現在の標準的なワイヤカット放電加工装置は、上記回転軸が設けられていない。ただし、回転軸を有していないワイヤカット放電加工装置でも、自由曲面を加工するように操作することができる。そこで、以下に、回転軸を有する数値制御ワイヤカット放電加工装置(5軸制御)と回転軸を有していない数値制御ワイヤカット放電加工装置(4軸制御)に分けて、座標変換による加工点における各軸の移動量の計算方法を示す。
回転軸を有する数値制御ワイヤ放電加工装置として、図7に示されるX,Y,Zの3軸と、被加工物を回転させる回転軸(以下、C軸)、ワイヤ電極の姿勢を傾けるテーパ回転軸(以下、Β軸)を有し、5軸を同時制御可能なワイヤカット放電加工装置を例に説明する。なお、図7に示される数値制御ワイヤ放電加工装置のワイヤ電極の基準の張架方向は、X軸に平行な方向である。以下、ワイヤ電極上の所定の一点が被加工物の加工形状面上に置かれたある加工点Pと相対向するように各軸の移動量を計算する場合を示す。
水平に張架されたワイヤ電極18のスパン(ワイヤガイド間)の中央で、ワイヤ電極18の一点が鉛直方向に取り付けられた被加工物の加工面上の加工点で相対向するように設定された場合を考える。既に説明されたように、加工点Pにおける単位法線ベクトルnと、最適なワイヤ軸線方向Wの単位方向ベクトルwは、先のプロセスで計算して得られている。
ここで、図8に示されるように、ワイヤ基準座標系xは、原点をワイヤ電極18のスパンの中央とし、初期状態でのワイヤ軸線方向にY軸、鉛直上向きにZ軸、右手系としてX軸を取る。また、被加工物座標系xは、原点を被加工物の端面の中心として、X,Y,Zの各軸は、ワイヤ基準座標系と同じ向きとする。そして、このとき、加工点Pの座標が被加工物座標系上で(x,y,z)と与えられているとする。また、このときのワイヤ基準座標系と被加工物座標系の相対位置関係は既知とする。
最初に、図9に示されるように、被加工物座標系をz方向へz平行移動させる。このときの座標変換をTとし、座標変換後の座標系をxとして求める。そして、求めた座標系をx平面上で(x,y)へ平行移動させる。このときの座標変換をTとし、座標変換後の座標系をxとする。
次に、図10に示されるように、既知の加工点Pにおける単位法線ベクトルnに基づいてx軸を単位法線ベクトルnの方向に向ける。また、既知の最適なワイヤ軸線方向wに基づいてy軸をワイヤ軸線方向Wに一致するように回転座標変換を行なう。このとき、z軸方向の単位ベクトルは、n×wで求まるので、この回転を表わす行列式は数11に示されるとおりである。このときの座標変換をRとし、座標変換後の座標系をxとする。被加工物の表面16は、加工前の加工面である。
続いて、図11に示されるように、加工点Pでの法線方向(x軸方向)にワイヤ電極18の半径rと放電ギャップG分との所定量オフセットするように平行移動する。このときの座標変換をTとする。座標変換後の座標系をxとする。そして、図12に示されるように、y軸廻りにα回転して、x軸を地面に平行(水平)にする。このときの座標変換をRとする。このとき、αは、図7に示されるワイヤカット放電加工装置本機の構成では動作し得ないが、計算上必要であるため、仮想の自由度を有するものとしている。座標変換後の座標系をxとする。
次に、図12に示されるように、x軸廻りにβ回転して、y軸を地面に平行にする。同時にz軸は鉛直上方を向く。このときの座標変換をRとする。座標変換後の座標系は、xである。さらに、図13に示されるように、座標系xをz軸廻りにγ回転して、x軸をワイヤ基準座標系と平行にする。このときの座標変換をR7とする。そして、(x,y,z)平行移動してワイヤ基準座標系に一致させる。この座標変換をTとする。座標変換後の座標系はワイヤ基準座標系xに一致する。
以上より、被加工物座標系をワイヤ基準座標系へ一致させるための平行移動変換をTとすると、数12で表わされる関係が求まる。
この中で未知数は、x,y,z,α,β,γの6つであり、αについては、ワイヤ電極が軸対称なので制御する必要がない。ただし、計算上は、α軸の存在は考慮に入れる必要があり、αの値は、他の値と同時に求まる。したがって、x,yの水平2軸、zの垂直1軸、β,γの回転2軸の合計5軸を制御することにより加工が行える。
次に、回転軸を有していない数値制御ワイヤ放電加工装置として、図14に示されるような被加工物をX軸とY軸に移動させる加工テーブル30とサドル40が設けられ、上側ワイヤガイド22をX軸とY軸にそれぞれ平行なU軸とV軸に移動させるテーパ装置50を備えたワイヤカット放電加工装置を例に説明する。被加工物12は、加工テーブル30に設けられる図示しないワークスタンドに固定される。また、上側ワイヤガイド22は、加工ヘッド20によってZ軸方向に移動可能であり、下側ワイヤガイド24は、下アームの先端に取付け固定されている。なお、図14に示される数値制御ワイヤ放電加工装置のワイヤ電極の基準の張架方向(垂直出し)は、鉛直方向である。
加工点Pの座標(x,y,z)、加工点Pにおける法線ベクトルn、加工点Pにおけるワイヤ軸線方向単位ベクトルwが与えられたとき、ワイヤ電極が加工点Pで接することを考える。このときの各軸の移動量をロボティクスの概念を用いてその一般解を求めることによって得る。なお、ここでの加工点Pの位置座標値は、被加工物座標系での値である。また、機械原点から見た被加工物座標系の原点Oの位置(x,y,z)は、既知とする。
まず、座標系の設定を行なう。図15に示されるように、機械原点を下側ワイヤガイド24の初期位置とする。ワイヤ基準座標系は、原点Oを下側ワイヤガイド24、X軸を加工テーブル30のX軸方向と同方向の水平1軸、Y軸をサドル40のY軸と同方向の水平1軸、Z軸を鉛直1軸とする。被加工物座標系は、原点Oを被加工物の端面中心、X軸をワイヤ基準座標系のX軸と同方向、Y軸をワイヤ基準座標系のY軸と同方向、Z軸を鉛直1軸とする。
解を得るための計算式を成立させるため、座標変換を2つのルートで考える。第1のルートでは、ワイヤ基準座標系(O)が被加工物基準座標系(O)の加工点Pを通って加工点Pにおいてオフセットを考慮した位置にあるワイヤ基準座標系と平行な座標系(O)に重なるように座標変換を行なう。第2のルートでは、ワイヤ基準座標系(O)を平行に移動させて座標系(O)に重なるように座標変換を行なう。 なお、点Oは、加工点Pから所定量(ワイヤ電極の半径と放電ギャップ)オフセットした位置である。
第1のルートでは、まず、図16に示されるように、ワイヤ基準座標系xを加工点P(x,y,z)に平行移動させる。移動量は、x,y,zの各軸方向にそれぞれx+x,y+y,z+z である。このときの座標変換をTとし座標変換後の座標系をxとする。続いて、既知の加工点Pにおける単位法線ベクトルnに基づいてxを単位法線ベクトルnの方向に向け、ワイヤ軸線方向単位ベクトルwに基づいてz軸をwに一致するように回転座標変換を行なう。このとき、y軸方向の単位ベクトルは、w×nで求まるので、この回転を表わす行列は、数13で表わすことができる。このときの座標変換をRとし、座標変換後の座標系はxとする。
次に、図17に示されるように、加工点Pでの法線方向(x軸方向)にワイヤ電極の半径と放電ギャップの量だけ平行移動する。このときの座標変換をTとする。座標変換後の座標系をxとする。そして、z軸廻りにα回転してx軸が地面に平行(水平)になるようにする。このときの座標変換をRとし、座標変換後の座標系をxとする。さらに、図18に示されるように、x軸廻りにβ回転してz軸を地面に対して鉛直上向きに、y軸を地面に平行にする。このときの座標変換をRとし、座標変換後の座標系をxとする。続いて、z軸廻りにα回転してx軸をx方向に、y軸をy方向に一致させる。このときの座標変換をRとし、座標変換後の座標系をxとする。
次に、第2のルートでは、図19に示されるように、ワイヤ基準座標系をOへ平行移動させる。このときの移動量を(x,y,z)とし、座標変換をTと表わす。座標変換後の座標系はxに一致する。
以上の2つのルートで行なわれた座標変換は、一致するものであるから、座標変換Tにおいて、数14で表わされる関係が求まる。
この中で未知数は、α,α,β,x,y,zの6つである。このうち、ワイヤ電極廻りの回転の自由度については、ワイヤ電極が軸対称であるから、実際の機械では制御する必要がない。また、ワイヤ電極がワイヤ軸線方向に任意の点で加工点Pに当たっていれば良いと考えるならば、未知数zは移動する必要がないので、計算上、仮想の自由度を有すると言える。ただし、計算上は、α,α,β,x,y,zの6つの未知数を考慮する必要があり、これら6つの値は同時に求まる。そして、α,α,βの値からu,vの値が定まる。したがって、x,yの水平2軸、u,vのテーパ2軸の合計4軸を制御することにより加工が行える。
次に、計算された移動量または位置座標値に基づいてNCデータを生成する(S3)。NCプログラムの具体的な記述の態様がワイヤカット放電加工装置によって異なることがあるので、NCデータは、使用するワイヤカット放電加工装置の仕様に合わせて生成される。一般に、直線補間または円弧補間を行なうプログラムブロックは、各軸の移動量または位置座標値を移動指令値として補間を命令するNCコードと組み合わせて記述する。したがって、各軸の移動量で記述する場合は、これまでのプロセスで計算された各軸の移動量をNCデータとする。
図14に示す構成で上下異形状のためのNCコードが用意されているワイヤカット放電加工装置である場合は、例えば、上下異形状のパートプログラムが、上下異形状オンとキャンセルを命令するNCコードの間に補間を命令するNCコードとX軸とY軸の移動量または位置座標値によって被加工物の上面と下面の形状(加工軌跡)を指定する構成になっている。したがって、上下異形状のNCコードを用いて任意の三次元の自由曲面を加工するときに必要になる相対移動のためのNCデータは、補間を命令するNCコードと、加工点に対応する被加工物の上下各面における相対移動軌跡の分割点における移動量または位置座標値である。言い換えれば、要求されるデータは、例えば、図20に示されるように、加工点に対応する被加工物の上面および下面とワイヤ電極とのそれぞれの交点の位置座標値である。なお、予め設定された微小な単位移動量で加工点を接続するようにしているので、全て直線補間とする。
以下に、必要な値である被加工物12の上面26および下面28とワイヤ電極18とのそれぞれの交点の座標を求めるプロセスを説明する。ワイヤ軸線方向ベクトルw[ w,w,w]、加工点Pの座標(p,p,p)、加工点Pにおける法線ベクトルn[ n, n,n]は、これまでのプロセスで計算によって既知であり、ワイヤ電極の半径rと放電ギャップ長G(オフセット値)、および被加工物の上面と下面の高さ(z座標値)は、予め設定されたデータとして既知である。
まず、加工点Pにおける法線ベクトルn方向にワイヤの半径rと放電ギャップGだけオフセットした位置Pnの座標(pnx,pny,pnz)を求める。Pnの座標は、数15で求めることができる。
求めたいワイヤ電極と被加工物上面との交点をPtop(xptop,yptop,zptop)、ワイヤ電極と被加工物下面との交点をPunder(xpunder,ypunder,zpunder)とする。ここで、被加工物の上面と下面の高さがわかっているので、ワイヤ電極と被加工物の上面との交点Ptopのz座標値zptopとワイヤ電極と被加工物下面との交点Punderのz座標値zpunderがわかる。被加工物の上面とワイヤ電極の交点PtopのX軸およびY軸の位置座標値は、数16で求められる計算のための係数aを用いて、数17と数18でそれぞれ求めることができる。

また、被加工物の下面とワイヤ電極の交点PunderのX軸およびY軸の座標値は、数19で求められる計算のための係数bを用いて、数20と数21でそれぞれ求めることができる。

このようにして得られた上記上下異形状のパートプログラム中の1つの加工点におけるプログラムブロックは、例えば、「G01X…Y…;G01X…Y…;」のように記述される。移動指令値を移動量で表わす場合は、既述した手法によって各交点における移動量を計算する。なお、上下異形状のNCコードが用意されていない同じ構成のワイヤカット放電加工装置の場合は、ワイヤ軸線方向Wから得られるテーパ角度に基づき上側の位置をU軸およびV軸の移動指令値で表わされるようにNCデータを生成する。
1つの加工点における最適なワイヤ軸線方向を求めて各軸の移動指令値を計算したら、次の加工点が存在するかどうかを予め設定された所定の微小な単位移動量とピックフィード値で分配配列された初期の三次元形状データにおける所望の加工形状面の点群のデータに基づいて判別する(S4)。次の加工点が存在する場合は、次の加工点を求めて、既述の計算方法で同様にして移動指令値を求める(S5)。
次の加工点は、ワイヤ軸線方向に垂直の方向に予め設定された単位移動量離れた点に求める。ワイヤ電極が被加工物に干渉しないでワイヤ電極が円滑に移動しかつ加工効率のよい移動方向は、現在の加工点における接平面と平行で、かつワイヤ軸線方向に垂直な方向であると見なせる。例えば、図21に示されるように、ある加工点P1における方向でワイヤ軸線方向に垂直な方向は、単位法線ベクトルn1と単位方向ベクトルwの外積ベクトルw×n1の方向である。単位法線ベクトルn1は、三次元形状データから計算されて得られ、ワイヤ軸線方向単位ベクトルwは、既述の計算方法で計算されているので、次の加工点の位置を求めることができる。ただし、計算された加工点が必ずしも所望の加工形状面上に存在するとは限らない。この場合は、以下に示す方法に従って次の加工点の位置座標値を得ることができる。
加工点P1(xp1,yp1,zp1)の次の加工点をPとするとき、加工点P1における法線ベクトルn1と移動方向w×n1で張られる面での被加工物の所望の加工形状面の断面形状4は、例えば、図21に示されるようになる。そこで、まず、加工点P1をw×n1方向に微小な単位移動量Δだけ平行移動させる。この移動先の点をP1’とおく。次の加工点Pは、被加工物の加工形状面2上で加工点P1’に最も近い点とする。換言すれば、加工点Pは、移動先の点P1’から曲面へ降ろした“垂線の足”である。一般に市販されているCADシステムのソフトウェアには、ある点の座標を指定すると、その座標からソリッドモデルの表面上で一番近い点を計算して出力することができる機能がある。この関数を利用して、加工点P1’に最も近い所望の加工形状面上の点を加工点Pとして位置座標値を求める。
以上のようにして、各加工点における最適なワイヤ軸線方向を求めて(S6)、各加工点における移動量または位置座標値を計算し(S2)、順次NCデータを生成する(S3)。次の加工点がないときは、生成されたNCデータから自由曲面を加工するための相対移動に関するパートプログラムを作成する。このように分割点を求める工程を繰り返してワイヤ電極の相対移動軌跡を得る。
そして、上述したプロセスで得られたパートプログラムを規定のフォーマットに従って合成しNCプログラムが作成される(S7)。以上のように生成されたNCプログラムで規定されるワイヤ電極の相対移動軌跡によると、ワイヤ電極は、加工開始点から所望の加工形状面に沿って1軸方向に移動し、被加工物の端部で設定された所定量のピックフィード値で折り返してから反対方向に移動し、この動作を繰り返して、所望の加工形状面に配置された全ての加工点で加工するようにされる。したがって、上述の方法によると、任意の三次元の自由曲面に対する加工点の計算がより簡素化されており、また、加工効率に優れる。なお、被加工物の端部で折り返すときの折返し軌跡は、公知のピック方法で得る。この折返しの軌跡は、予め用意された折返し軌跡のプログラムブロックに値を与えることによって自動的に生成付加される。
最終的なNCプログラムは、座標系の設定、加工条件の設定、プログラムエンド、などの必要なNCコードと設定値が適宜付加されて形成されるが、本発明は、三次元の自由曲面を加工するための相対移動軌跡を得ることに関するものであるから、その詳細な説明は省略する。このようにして得られた相対移動軌跡に基づいてワイヤ電極と被加工物とを相対移動させて被加工物を放電加工することによって、三次元の自由曲面をワイヤカット放電加工によって加工することができる。
上述した移動指令値は、所定量のオフセット値(一般に、ワイヤ電極の半径に設定された加工条件に基づく放電ギャップの大きさを加えた距離)を考慮して計算されているが、各加工点に対してオフセット値が考慮されていない場合は、NCコードを用いてオフセット値を指定する。例えば、複数回のカットを行なうときは、加工軌跡をサブプログラムで記述して、基準の加工軌跡に対してオフセット値を変化させて指定することで加工プログラムを短くすることができる。また、上述した方法は、次の加工点をワイヤ軸線方向に垂直な方向(Y軸方向)に求めピックフィードして格子状に加工点を配設して放電加工するようにしているが、ワイヤカット放電加工機が動作可能であり、かつ被加工物との干渉が発生しないワイヤ軸線方向が定まる限りにおいて、上述した方法に限らず、ワイヤ電極の相対移動軌跡を設定することができる。
図22に、プログラミングシステムの構成が示される。プログラミングシステムは、三次元CADシステムとCAMシステムを有する。CADシステム100とCAMシステムは、演算装置60で動作されるアプリケーションソフトウェアである。
CADシステム100のAPI(Application Programming Interface)300は、CAMシステム200の要求に応じて記憶装置64に記憶された三次元形状データを読み込んでCAMシステム200に与える。また、API300は、CAMシステムの要求に応じてCADシステム100が有する計算機能を用いて所要の計算をさせ、CAM200が要求するデータを与える。具体的には、例えば、単位法線ベクトル、所望の加工形状面の断面形状、曲率、直線と三次元形状の交点、任意の点から三次元形状に降ろした垂線と三次元形状との交点、である。また、例えば、RAY関数を用いて干渉チェックを行なう場合は、CAMシステム200の要求に応じてAPI300を通してCADシステムが演算し、CAMシステム200に演算結果を与える。
入力装置62は、加工開始点のデータ、単位移動量、被加工物の上面と下面の高さ、ピックフィード値のような初期の設定データをCAMシステムに与える。所望の加工形状面の三次元形状データは、ソリッドモデルの設計者がCADシステム100で描画作成し記憶装置64に記憶される。CADシステム100とCAMシステム200が同じコンピュータの中になく、離れた別々の場所にある場合は、入力装置62を通してデータ通信によってCAD100の三次元形状データがCAM200に与えられる。
CADシステム100は、具体的には、ソリッドモデルの構造データを含む三次元形状データを生成し、ソリッドモデルの表面上の任意の点における法線ベクトルや所望の加工形状面の断面形状などを計算する三次元形状データ生成手段110、所望の加工形状面の断面形状の曲率を計算する曲率計算手段120、直線と三次元形状の交点を計算する干渉計算手段130、任意の点から三次元形状に降ろした垂線と三次元形状との交点を計算する垂線交点計算手段140を含む。
CAMシステム200は、具体的には、被加工物の所望の加工形状面上の加工点における加工形状面の曲率が最小でかつ被加工物との干渉をRAY関数により得られる交点の数により判別して被加工物との干渉が発生しない1つのワイヤ軸線方向を求めるワイヤ軸線方向決定手段210と、加工点を所定量オフセットした位置における各軸の移動量を計算してNCデータを生成するNCデータ生成手段220と、ワイヤ軸線方向に垂直の方向に予め設定された単位移動量離れた加工形状面上の点または最も近い加工形状面上の点に次の加工点を求める加工点計算手段230と、NCデータに基づいてNCプログラムを作成するNCプログラム作成手段240と、を含んでなる。各手段のより具体的な演算の動作は、ワイヤカット放電加工方法に関する既述の説明が参照される。
作成されたNCプログラム(移動指令値)は、表示装置66によって表示されるとともに、出力手段68によってCD−ROMのような記憶媒体に記憶され、あるいはコンピュータネットワークを通して数値制御装置に出力される。
次に、実際に本発明によって三次元の自由曲面を加工した実施例を示す。ここでは、図23に示されるようなソリッドモデルをCADシステムを使って作成し、最も基本的な球面の加工を行なった。最初に、所望の加工形状面上に加工点を配置し、基礎となる相対移動軌跡を演算させ、NCプログラムを作成する。次に、求められた加工点で得られる加工軌跡のデータをCADシステムで解析してシミュレーションを行ない検証する。その後、生成されたNCプログラムを用いて上下異形状加工が可能な4軸制御のワイヤカット放電加工装置によって目的の三次元の自由曲面を有する所望の加工形状面の加工を行なった。
ソリッドモデルの球面の半径は30.11mmである。初期設定される加工開始点は、図23中の点Pとし、水平方向の単位移動量Δを2mm、所望の加工形状面の端部におけるZ軸方向のピックフィード値を2mmとした。座標系は、原点を球面の頂点に取り、XY軸をワイヤカット放電加工装置本機の加工テーブルとサドルのXY軸と平行に、Z軸を鉛直上向きに取っている。
各加工点におけるワイヤ軸線方向は、加工点における所望の加工形状面の曲率が最小値を取る方向に定義されるが、実施例のように、球面の場合は、曲率が方向によらずに一定であるので、曲率からワイヤ軸線方向を定めることができない。そこで、加工点を通る接平面上の直線の中でワイヤ電極の基準の張架方向(Z軸方向)となす角度が一番小さい直線の方向とする第1の手法か、または、ワイヤ電極の基準の張架方向に平行でかつ被加工物の加工面に直交する平面(ZX平面)に対して平行の方向の何れかを最適なワイヤ軸線方向とする第2の手法で決定する。
第1の手法による場合は、単位方向ベクトルwと単位法線ベクトルnに基づいてw×nで得られる次の加工点への方向は、球を地球に置き換えて極をZ軸方向にとった場合、緯線の接線方向になる。一方、第2の手法による場合は、球を地球に置き換えて極をY軸方向にとった場合、ワイヤ軸線方向がZX平面に平行であるので、単位法線ベクトルnの方向は、経線に対して法線方向になるから、単位方向ベクトルwは、経線に対して常に垂直の方向にある。したがって、w×nで得られる次の加工点への方向は、常に経線の接線方向になる。
既述のとおり、次の加工点を求めるときに、単位方向ベクトルと単位法線ベクトルの外積のベクトルの方向に所望の加工形状面に置けない場合は、外形の外側に得られる点から垂線を降ろしてその点から最も近い加工形状面の点を加工点としているので、第1の手法によると、本来は変化しないはずの加工点の鉛直方向の位置が僅かに離散的に配置されZ軸の位置座標値が変化する。第2の手法によると、移動方向が経線に垂直の方向に沿って一方向に移動し、そのときのワイヤ軸線方向は、経線に垂直の方向に常に一致する方向をとるので、ワイヤ電極の姿勢が変化しない。
このことから、実施例では、加工形状精度上有利と考えられる第2の手法を使用してワイヤ軸線方向を決定した。この方法によって、曲率が方向によらずに一定である球面の場合でも、適するワイヤ軸線方法を決定でき、加工を可能にする。そのときの加工点の配置が図24に示される。また、図24の加工点に基づいて行なった加工後の加工形状のシミュレーションの結果が図25に示される。使用した加工条件は、表1のとおりであり、実験であるので加工時間を考慮せず、電気加工条件を比較的弱い値に設定して放電エネルギを小さめにするとともに、ワイヤ電極の張力を小さめにして、ワイヤ電極の断線を発生しないようにして、ファーストカットのみを実施した。
加工結果が図26に示される。ピックフィードによる誤差としておよそ13μm程度の突部が形成され蜂の巣のような加工面が形成されているが、単位移動量およびピックフィード値をより小さい値にすると、この誤差を小さくすることができる。数値制御ワイヤカット放電加工装置のほとんどが、送り装置の最小駆動単位が1μm以下であるから、単位移動量とピックフィード値を微小な値にすることによって、おおよそ要求される加工形状精度を満足することができる。また、複数回のカットを行なうことによって上記突部を除去するように加工することができ、加工形状精度を向上させることができる。なお、単位移動量とピックフィード値をμm単位の微小な値にする場合は、NCデータを計算する時間が長くなり、NCプログラムも冗長になる。また、加工形状精度を上げると、比較的加工時間が長くなる傾向にある。そのため、要求される加工形状精度が満足する範囲で微小な単位移動量とピックフィード値を大きくする設定するとよい。
以上に説明された本発明のワイヤカット放電加工方法、NCデータの生成方法、およびNCプログラム作成装置は、実施の形態に限定されるものではなく、さまざまな変形が可能である。例えば、既に述べられているように、ワイヤ軸線方向を決定する手法は、いくつかの手法が選択的に採用され得る。
本発明は、設計作成されたソリッドモデルの三次元形状データに基づいて加工軌跡を演算し加工プログラムを作成するCAD/CAMシステムに適用して、三次元の自由曲面を加工をより容易にできるワイヤカット放電加工を実現する。
本発明のワイヤカット放電加工方法のプロセスを示すフローチャートである。 本発明のワイヤカット放電加工方法における最適なワイヤ軸線方向を決定するプロセスを示すフローチャートである。 加工形状面部分を模式的に示す斜視図である。 加工形状面上の一加工点におけるある直線方向の加工形状の断面図である 加工形状の外形図と一加工点における直線方向に対する曲率の変化を示すグラフである。 RAY関数の原理として直線と加工形状との関係を模式的に示す平面図である。 5軸同時制御可能な回転軸を有する数値制御ワイヤカット放電加工装置の概容を示す斜視図である。 ワイヤ基準座標系を示す平面図および被加工物座標系を示す斜視図である。 座標変換Tを示す座標系の斜視図および座標変換Tを示す座標系の平面図である。 座標変換Rを示す座標系の側面図である。 座標変換Tを示す座標系の斜視図である。 座標変換Rおよび座標変換Rを示す座標系の側面図である。 座標変換Tおよび座標変換Tを示す座標系の平面図である。 4軸同時制御可能な回転軸を有していない数値制御ワイヤカット放電加工装置の概容を示す斜視図である。 ワイヤ基準座標系被加工物座標系を示す斜視図である。 座標変換Tおよび座標変換Rを示す座標系の斜視図である。 座標変換Tを示す座標系の斜視図および座標変換Rとを示す座標系の平面図である。 座標変換Rを示す座標系の側面図および座標変換Rを示す座標系の平面図である。 座標変換Tを示す座標系の斜視図である。 オフセット位置と被加工物の上面および下面とワイヤ電極との交点の位置を示す被加工物の斜視図である。 加工点と次の加工点との関係を示す被加工物の所望の加工形状面の断面図である。 本発明のワイヤカット放電加工用NCプログラム作成装置の実施の形態を示すブロック図である。 実施例のソリッドモデルを示す斜視図である。 図23のソリッドモデルに基づいて所望の加工形状面上に加工点を配置した様子を示すグラフである。 図24に示される加工点に基づく加工軌跡によって加工結果をシミュレーションしたときの被加工物の加工面を示す斜視図である。 実施例で作成されたNCプログラムによって実際に加工した被加工物の斜視図である。
符号の説明
2 加工形状面
4 断面形状
12 被加工物
16 被加工物の表面
18 ワイヤ電極

Claims (10)

  1. 三次元の自由曲面を加工するワイヤカット放電加工方法において、被加工物の三次元形状データから得られる所望の加工形状面上の加工点における前記被加工物との干渉が発生しない1つのワイヤ軸線方向を求める工程と、前記加工点における各軸の移動指令値を計算する工程と、前記ワイヤ軸線方向に垂直の方向に次の加工点を求める工程と、前記各工程を繰り返してワイヤ電極の相対移動軌跡を得る工程と、前記相対移動軌跡に基づいて前記ワイヤ電極と前記被加工物とを相対移動させて前記被加工物を放電加工することを特徴とするワイヤカット放電加工方法。
  2. 前記相対移動軌跡は、使用するワイヤ電極の半径に設定された加工条件に基づく放電ギャップの大きさを加えた距離前記加工点をオフセットした分割点を接続したものである請求項1に記載のワイヤカット放電加工方法。
  3. 前記ワイヤ軸線方向を求める工程において、前記ワイヤ軸線方向は、前記加工点における前記加工形状面の断面形状の曲率が最小である方向であることを特徴とする請求項1に記載のワイヤカット放電加工方法。
  4. 前記加工点は、第1の1軸方向に順次配列されるとともに、前記第1の1軸方向に直交する第2の1軸方向に設定された所定量ピックフィードして前記第1の1軸方向に配列された加工点列に並行するように前記第1の1軸方向と反対の方向に順次配列されることを特徴とする請求項1に記載のワイヤカット放電加工方法。
  5. 前記三次元形状データは、三次元CADシステムで作成されたソリッドモデルの三次元形状データであることを特徴とする請求項1に記載のワイヤカット放電加工方法。
  6. 三次元の自由曲面を加工するワイヤカット放電加工方法における加工プログラムの作成方法において、三次元CADシステムで作成されたソリッドモデルの三次元形状データを取得して被加工物の所望の加工形状面上の各加工点における前記加工形状面の断面形状の曲率が最小かつ前記被加工物との干渉が発生しない1つのワイヤ軸線方向を求めるとともに前記ワイヤ軸線方向に垂直の方向に予め設定された単位移動量離れた点に順次次の加工点を求めて、前記各加工点をそれぞれ所定量オフセットした位置における各軸の移動指令値を計算してNCデータを生成し、前記NCデータに基づいて加工プログラムを作成することを特徴とするワイヤカット放電加工における加工プログラムの作成方法。
  7. 加工プログラムを自動的に作成するワイヤカット放電加工用加工プログラム作成装置において、三次元形状データから得られる被加工物の所望の加工形状面上の加工点における前記加工形状面の曲率が最小でかつ前記被加工物との干渉が発生しない1つのワイヤ軸線方向を求めるワイヤ軸線方向決定手段と、前記ワイヤ軸線方向に垂直の方向に予め設定された単位移動量離れた点に次の加工点を求める加工点計算手段と、前記加工点を所定量オフセットした位置における各軸の移動指令値を計算してNCデータを生成するNCデータ生成手段と、前記NCデータに基づいてNCプログラムを作成する加工プログラム作成手段と、を含んでなるワイヤカット放電加工用加工プログラム作成装置。
  8. 前記加工点計算手段は、単位移動量離れた点が前記加工形状面上にないときは、前記単位移動量離れた点に最も近い前記加工形状面上の点を次の加工点とすることを特徴とする請求項8に記載のワイヤカット放電加工用プログラム作成装置。
  9. 前記ワイヤ軸線方向決定手段は、前記被加工物との干渉をRAY関数により得られる交点の数により判別することを特徴とする請求項8に記載のワイヤカット放電加工用プログラム作成装置。
  10. 前記所望の加工形状面を得る三次元形状データを三次元CADシステムで作成されたソリッドモデルの三次元形状データから取得することを特徴とする請求項8に記載のワイヤカット放電加工用プログラム作成装置。
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