JP5577159B2 - ワークの表面の加工方法 - Google Patents
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Description
一方、ダウンカットによりワークの表面を加工した場合には、ワークの表面にムシレが生じにくく、加工の精度がよい(例えば、特許文献1参照)。
一方、ツーウェイ方式では、ワンウェイ方式のように加工時間が延びることはないが、切削条件が変動して刃を当てる方向が一定に保たれず、アップカットとダウンカットとを繰り返すこととなり、ムシレを生じることなくワークの表面を滑らかに加工できない(例えば、特許文献2参照)。
そこで、この発明によれば、切削工具におけるピックフィード方向の側に位置する刃部が回転する方向へのワークの表面に直交する方向からの傾き角度が10度以下になった場合に、切削工具を鉛直軸回りに回転させると共に経路の方向を切り替える。これにより、切削工具のワークの表面に対する傾き及びピックフィード方向を切り替えられるので、切削工具の軸部を、切削工具におけるピックフィード方向の側に位置する刃部が回転する方向へのワークの表面に直交する方向からの傾き角度を、10度を超える角度にした状態でワークの表面を加工できる。よって、ワークの表面に設けられたすべての経路をダウンカットにより加工できる。
図1は、本発明の加工方法に使用する切削加工装置1の斜視図である。図2は、切削加工装置1が使用する切削工具としてのボールエンドミル(以下、エンドミルと略す。)11の正面図である。
切削加工装置1は、ワークを切削するエンドミル11と、このエンドミル11を駆動させる工作機械12と、この工作機械12を制御するNC装置(Numerical Control unit)13と、を備える。
一対の走行部18は、サーボモータ等で構成される駆動機構(図示せず)を内蔵している。一対の走行部18は、NC装置13の制御下において駆動機構が駆動されることで、相互に連動して走行する。
テーブル20は、サーボモータ等で構成される駆動機構(図示せず)を内蔵している。テーブル20は、NC装置13の制御下において駆動機構が駆動されることで走行する。
本実施形態では、スピンドルヘッド21に保持されたエンドミル11は、軸部111を中心として右回り(時計回り)の方向に回転される。
エンドミル11は、テーブル20がクロスレール19を走行することでX軸方向に移動する。エンドミル11は、走行部18がメインレール17を走行することでY軸方向に移動する。エンドミル11は、スピンドルヘッド21が昇降することでZ軸方向に移動する。エンドミル11は、スピンドルヘッド21がZ軸回りに回転することによって、鉛直方向からの傾きの方向が変わる。
刃部112は、球面形状部分における軸方向の側面に設けられている。
図3は、エンドミル11を移動させる経路を説明する二次元ワーク(以下、ワークと略す。)26の斜視図である。図4は、エンドミル11を傾ける方向及び角度を説明する図であり、(A)は上面図であり、(B)は(A)に示す矢印Aの方向に視た図である。図5は、エンドミル11による切削方法がダウンカットとなることを説明する図である。図6は、エンドミル11を傾ける方向及び角度を説明する図である。
次に、エンドミル11を、軸部111を中心として回転させながら、ワーク26の表面26aの上に設定されている経路27に沿って、表面26aの上を隙間なく移動させる。
複数の往路27aと複数の復路27bとが延びる方向を、往復方向という。この往復方向に直交する方向であって、エンドミル11を往路27aと復路27bとの間を折り返す際に移動させる方向を、ピックフィード方向(以下、ピック方向と略す。)という。
矢印Aの方向に視た図4(B)に示すように、エンドミル11は、ワーク26の表面26aに直交する方向から、往復方向のうち、ピック方向の側(図面の奥側)に位置する刃部112が回転する方向である右方向に所定の角度θ1傾けられている。
尚、角度θ1は、エンドミル11の刃部112によりワークの表面を好適に切削する観点から10度を超える角度であることが好ましい。
図7は、金型31の斜視図である。図8(A)〜図8(D)は、それぞれ、エンドミル11を移動させる経路を説明する図であり、図8(A)は、図7に示す矢印Bの方向に視た金型31の断面図である。図8(B)は、図8(A)に示す金型31を矢印Cの方向に視た図であり、エンドミル11を、図8(A)に示す状態からZ軸回りに90度回転させた状態を示す図である。図8(C)は、図8(A)に示す金型31を矢印Dの方向に視た図であり、エンドミル11を、図8(A)に示す状態からZ軸回りに90度回転させた状態を示す図である。図8(D)は、金型31を上面側から視た図であり、一対の側面34、35を展開した状態で示す図である。
成型面32は、底面33と、この底面33に対して立直する一対の側面34、35と、底面33と各側面34、35と接続する一対の傾斜面36、37と、を備えている。
一対の傾斜面36、37はそれぞれ、水平方向に対して略30度傾いている。一対の側面34、35はそれぞれ、略鉛直に配置されている。
このように側面34の上に設定される経路に沿ってエンドミル11を移動させる。尚、この状態では、エンドミル11における側面34の面内方向の経路に沿った方向からの傾きは、0度、即ち、±45度未満となっている。
このように傾斜面36の上に設定される経路に沿ってエンドミル11を移動させる。尚、この状態では、エンドミル11における傾斜面36の面内方向の経路に沿った方向からの傾きは、0度、即ち、±45度未満となっている。
このように、第一底面33aの上に設定される経路に沿ってエンドミル11を移動させる。尚、この状態では、エンドミル11における第一底面33aの面内方向の経路に沿った方向からの傾きは、0度、即ち、±45度未満となっている。
このように、第二底面33bの上に設定される経路に沿ってエンドミル11を移動させる。尚、この状態では、エンドミル11における第二底面33bの面内方向の経路に沿った方向からの傾きは、0度、即ち、±45度未満となっている。
このように傾斜面37の上に設定される経路に沿ってエンドミル11を移動させる。尚、この状態では、エンドミル11における傾斜面37の面内方向の経路に沿った方向からの傾きは、0度、即ち、±45度未満となっている。
このように側面35の上に設定される経路に沿ってエンドミル11を移動させる。尚、この状態では、エンドミル11における側面35の面内方向の経路に沿った方向からの傾きは、0度、即ち、±45度未満となっている。
(1)エンドミル11を、ワーク26の表面26aに直交する方向から、ピック方向の側に位置する刃部112が移動する方向に10度を超える角度θ1傾け、かつ、ワーク26の表面26aの面内方向における経路27に沿った方向からの傾きを±45度未満とした。これにより、ワーク26の表面26aに設けられた往路27a及び復路27bを含むすべての経路27をダウンカットにより加工できる。よって、加工時間を延ばすことなく、かつ、ムシレを生じることなくワーク26の表面26aを滑らかに加工できる。
そこで、エンドミル11におけるピックフィード方向の側に位置する刃部112が回転する方向への成型面32の表面に直交する方向からの傾き角度が10度以下になった場合に、エンドミル11をZ軸(鉛直軸)回りに回転させると共に経路27の方向を切り替える。これにより、エンドミル11の軸部111を、Z軸(鉛直軸)を中心に、例えば90度回転させることで、エンドミル11におけるピックフィード方向の側に位置する刃部112が回転する方向への成型面32の表面に直交する方向からの傾き角度を、10度を超える角度にした状態で成型面32を加工できる。よって、成型面32に設けられたすべての経路27をダウンカットにより加工できる。
例えば、本実施形態では、スピンドルヘッド21は、エンドミル11を鉛直方向から30度傾けた姿勢で保持したが、傾ける角度はこれに限らない。例えば、エンドミルを鉛直方向から10度を超え、かつ鉛直方向から80度未満の角度傾けるようにしてもよい。
111 軸部
112 刃部
26 ワーク
26a 表面
27 経路
27a 往路
27b 復路
31 金型(ワーク)
Claims (1)
- 軸部及び該軸部の先端側に設けられる刃部を備える切削工具を、前記軸部を中心に所定方向に回転させながら、ワークの表面に設けられた複数の往路及び複数の復路が交互に並ぶ経路に沿って往復移動させつつ該往路及び該復路に直交するピックフィード方向に移動させることで、前記ワークの表面を切削する三次元形状を有するワークの表面の加工方法において、
前記軸部を、前記ワークの表面に直交する方向から、前記ピックフィード方向の側に位置する前記刃部が回転する方向に所定角度傾け、かつ、該軸部を、前記ワークの表面の面内方向における前記経路に沿った方向からの傾きが±45度未満となるようにし、
前記切削工具を、前記軸部を中心とした回転及び三次元方向それぞれへの平行移動が可能となるように保持すると共に、該切削工具を、鉛直方向から所定角度傾けた姿勢で鉛直軸回りの回転が可能となるように保持し、
前記切削工具における前記ピックフィード方向の側に位置する前記刃部が回転する方向への前記ワークの表面に直交する方向からの傾き角度が10度以下になった場合に、前記切削工具を鉛直軸回りに回転させると共に、前記経路の方向を切り替えることを特徴とするワークの表面の加工方法。
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