JP2016137529A - 切削装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に、本発明の一実施形態にかかる切削装置1の概略を示す。本切削装置1は、固定台3に据え付けられた被加工物7の表面の切削を行うものである。
本実施形態にかかる切削装置1を用いて切削加工を施される被加工物7は、溶接ビード、バリ、材料の歪み等、除去されるべき突起物74を表面に有する主に金属製の部材であれば、どのようなものであってもかまわない。
上記のような構成を有する切削装置1は、以下で説明するように運転され、アクスルハウジング5等の被加工物7において、溶接ビード54等、表面の突起物74の形状の計測と切削を行う。
図3に、本切削装置1における制御様式を表したフロー図を示す。まず、ステップS0〜S3において、切削加工の準備を行う。つまり、ステップS0の工番設定工程において、作業者が制御部に被加工物7の種類、材質等、被加工物7に関する情報(品種等)の入力を行う。そして、ステップS1において、被加工物7(ワーク)を固定台3に据え付ける。また、切削工具13等に適切な工具を取り付ける。この際、切削加工だけではなく、研磨加工を行う可能性がある場合には、自動工具交換装置を利用して、研磨工具に取り替えられるようにする。それとともに、ステップS2において、制御部が、切削加工のタイプを設定する。つまり、ステップS0の工番設定で品種を設定した被加工物7の形状によって、切削タイプ別のプログラムを判断し、ベースプログラムとして設定する。そして、ステップS3において、切削プログラムの自動計算を行う。つまり、ステップS2で設定したベースプログラムを用いて、ステップS0で工番設定した品種の形状データベースから得られる各部位の寸法(数値)から、実際にロボットアーム10a,10bが移動する座標を自動計算させる。これによって、切削プログラムおよび計測プログラムを自動的に作成する。
図3のステップS4およびS15において、形状計測装置14を用いて、被加工物7の表面の形状計測を行い、突起物74の形状を検出する。既述のように、形状計測装置14は、光学測定によって、被加工物7の表面の形状を検出するものであり、例えば、光切断法を原理として用いる。この場合、形状計測装置14から、被加工物7の表面に略垂直に、ライン状のレーザー光を照射する。そして、被加工物7の表面で反射されたレーザー光を、形状計測装置14に設けた撮像装置で検出し、公知の光切断法における画像処理法を適用することで、レーザー光が照射されたライン上の各点について、形状計測装置14からの距離を検出することができる。第一のロボットアーム10aをレーザー光のラインと直交する方向にスキャンしながら測定を行うことで、被加工物7の表面全体の凹凸形状をマッピングすることができる。これにより、溶接ビード54等、被加工物7の表面に形成された突起物74の形状を知ることができる。さらに、被加工物7の端縁(アクスルハウジング5の場合は、筒状部52の端面52a)等の位置を検出し、その位置を基準とすることで、被加工物7全体において突起物74が形成されている位置を明らかにすることもできる。被加工物7がアクスルハウジング5である場合に、2つの分割部材が突き合わされて溶接された筒状部52上の溶接ビード54に略直交するように、レーザー光のラインが照射され、筒状部52の軸に沿ってスキャンされる。
上記のように、被加工物7上の各点において切削すべき突起物74の量を見積もった後、図3のステップS5において、そのような切削を適切に実現できるように、切削工具13の種類(材質、カッタ刃径、カッタ刃数等)に加え、切削工具13の回転速度、送り速度、切込み深さ等の切削条件を定める必要がある。これは、例えば、切削を想定している突起物74と同種の材料を用いて、種々の突出量Hおよび溶接面積Sを有するモデル突起物を形成し、様々な切削条件で切削を行い、適切に切削を行うことができる切削条件を探索することによって行えばよい。そして突起物74の突出量Hおよび溶接面積Sと、得られた適切な切削条件との関係をテーブルまたは関係式として、制御部に記憶させておけばよい。ここで、適切に切削を行うことができるとは、切削工具13の損傷や切削中のロボットアーム10a,10bの振動等、切削の進行を妨げる現象を避けながら、突起物74を所望の平滑度が得られるまで問題なく切削することができる状態を指す。
R=Ks×A (式1)
と表される。ここで、切削工具13の刃数、切込み深さ、送り速度を一定とすると、切削工具13の1刃あたりの送り速度は、切削工具13の回転数に反比例し、その結果、切削断面積Aも切削工具13の回転数に反比例する。よって、1刃あたりの送り速度に対する比切削抵抗Ksの若干の依存性はあるものの、切削工具13の回転数を上げるほど、切削抵抗Rが小さくなるという傾向が見られる。
切削を行っている間に、図3のステップS12で切削状況の監視を行い、もし切削工具13の回転を駆動するスピンドルモータ12およびロボットアーム10a,10bの運動を駆動する各サーボモータ11の少なくとも1つの負荷(被監視負荷)が、閾値を超えると、ステップS19でフィードバック制御が行われ、過負荷状態が解消される。このフィードバック制御の一例をここで説明する。
上記実施形態にかかる切削装置1においては、形状計測装置14を用いた光学測定によって突起物74の形状を認識したうえで、その形状を有する突起物74を切削するのに好適な切削条件を設定し、突起物74の切削を行う。よって、切削工具13の損傷や、ロボットアーム10a,10bをはじめとする切削装置1を構成する部材の振動による切削性の低下を防止しながら、突起物74を適切な切削条件で切削することができる。突起物74の目視等によって作業者が切削条件を判断する必要がないので、作業者の熟練の程度によらず、同様の仕上がりを得ることができる。
10a,10b ロボットアーム
11 サーボモータ(ロボット駆動源)
12 スピンドルモータ(工具駆動源)
13 切削工具
14 形状計測装置(計測部)
3 固定台
31a,31b 保持具
5 アクスルハウジング
51 胴部
52 筒状部
53 三角板
54 溶接ビード
7 被加工物
74 突起物
Claims (10)
- 切削工具を備え、被加工物の表面に形成された突起物を切削する加工部と、
前記突起物の突出量および面積を含む形状を光学測定によって計測する計測部と、
前記計測部によって計測された前記突起物の形状をもとに、前記加工部における切削条件を設定する制御部と、を有することを特徴とする切削装置。 - 前記計測部は、前記被加工物全体の表面形状を計測し、前記突起物の形状に加え、前記被加工物全体における前記突起物の位置を計測することを特徴とする請求項1に記載の切削装置。
- 前記加工部は、ロボットアームを備え、
前記ロボットアームには、前記切削工具と、前記切削工具を駆動する工具駆動源とが取り付けられ、
前記制御部は、前記計測部の計測結果に基づいて、前記工具駆動源の駆動条件と前記ロボットアームの運動条件を設定することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の切削装置。 - 前記計測部は、前記ロボットアームに取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の切削装置。
- 前記切削装置は、前記ロボットアームを複数備え、
該複数のロボットアームのそれぞれに、前記切削工具と前記工具駆動源とが取り付けられ、
該複数のロボットアームの1つに前記計測部が取り付けられ、
前記制御部は、該1つの計測部の計測結果に基づいて、全工具駆動源の駆動条件と全ロボットアームの運動条件を設定することを特徴とする請求項3または4に記載の切削装置。 - 前記制御部は、前記切削工具による切削中に、前記工具駆動源の負荷と、前記ロボットアームの運動を駆動するロボット駆動源の負荷との少なくとも一方より選択される被監視負荷を監視し、前記被監視負荷が閾値に達すると、前記工具駆動源および前記ロボット駆動源の少なくとも一方の駆動条件を変更し、前記被監視負荷が前記閾値を超えないように制御することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の切削装置。
- 前記計測部は、光切断法によって計測を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の切削装置。
- 前記計測部は、前記加工部によって前記突起物の切削を行った後にも、前記被加工物の表面の計測を行い、
前記制御部は、該計測の結果に基づいて、前記被加工物の表面が所定の平滑度に達しているかどうかを判定することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の切削装置。 - 前記被加工物の表面が、前記所定の平滑度に達していない場合には、再度切削を行うことを特徴とする請求項8に記載の切削装置。
- 前記加工部は、前記切削工具を含む複数種の切削工具を交換可能に備え、
前記制御部は、前記被加工物の材質、前記突起物の形状、前記被加工物の表面の平滑度、目標とされる平滑度から選択される少なくとも1つのパラメータに応じて、前記複数種の工具のうちの少なくとも1つを選択して加工を行うことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の切削装置。
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