JP7217672B2 - レール溶接部切削装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道のレールの溶接部を切削するためのレール溶接部切削装置に関する。
鉄道において、車輪を直接支持、誘導する部材としてレールが用いられている(非特許文献1参照)。図23に示すように、レール2は、頭部21、腹部22及び底部23から構成される(非特許文献2参照)。頭部21は、車輪が接触する部分である。底部23は、マクラギ等の支承体に締結される部分である。腹部22は、車両の荷重を頭部21から底部23に伝達する部分である。
レールは、長手方向の端部が溶接されて延伸される。一般的に、レールメーカで製造された25mの定尺レールは、道路で運ばれてレール溶接センター等に搬入される。レール溶接センターでは、定尺レールを溶接して200mの長尺レールが製作される。長尺レールは、専用貨車で敷設現場に運搬され、敷設現場でレールの継ぎ目を溶接してロングレールにされる。
図24に示すように、レール2を溶接すると、溶接部3に余盛ができる(斜線で示す部分)。このため、溶接部3は、余盛部とも呼ばれる。溶接部3(余盛部)のレール長手方向Yの幅Wは、20mm程度である。レール2の溶接後、溶接部3を切削して余盛が除去される。
敷設現場でのレールの溶接において、溶接継ぎ目の余盛を切削するレールの溶接継ぎ目用切削機が知られている(特許文献1参照)。溶接継ぎ目用切削機は、フライスによって溶接継ぎ目の底部裏面(底面)を切削する。しかし、この溶接継ぎ目用切削機は、レールの底部側面及び底部上面の切削はできない。
長尺レールの製作において、製作誤差として、溶接された一方のレールと他方のレールに若干の段差及び食違いが生じる。溶接部の段差は、上下方向Zの誤差であり、1.5mm以内である。溶接部の食違いは、レール幅方向Xの誤差であり、1.0mm以内である。
溶接継ぎ目用切削機では、溶接継ぎ目の段差や食違いは考慮されていない。
従来から、レール溶接センターには、レールの溶接部を切削するレール荒仕上げ機が設置されている。しかし、レール荒仕上げ機は、レールの底部裏面231は切削できるが、底部側面232及び底部上面233の切削はできない(図23参照)。このため、レールの底部側面232及び底部上面233の溶接部は、手作業となっており、省人化が望まれていた。また、レール荒仕上げ機は、カッターでレール長手方向にレールの底部裏面231を切削するので、溶接部の段差を緩和しようとすると、レール長手方向の切削範囲が大きくなる。
特開2002-146703号公報
JIS E1001:2001 JIS E1101:2001
本発明は、上記問題を解決するものであり、レールの底部裏面、底部側面及び底部上面の溶接部を切削でき、レールの溶接部の段差及び食違いに対応できるレール溶接部切削装置を提供することを目的とする。
本発明のレール溶接部切削装置は、鉄道のレールの溶接部を切削するための装置であって、レールを切削する切削工具と、前記切削工具の3次元における位置及び向きを動かす可動アームと、前記可動アームの動きを制御する制御部とを備え、前記切削工具がレールの溶接部を切削する切削パスは、レール長手方向に対して直交し、切削対象面に沿う方向であり、前記切削対象面は、レールの底部裏面、底部側面及び底部上面から選択され、選択された切削対象面は、複数パスの前記切削パスによって切削され、前記制御部は、前記複数パスにおける各パスの前に、切削パスに直交する方向に前記切削パスを移動させることを特徴とする。
このレール溶接部切削装置において、前記溶接部の余盛量並びに溶接された一方のレールと他方のレールの上下方向の段差及びレール幅方向の食違いを測定するためのセンサを備え、前記制御部は、前記余盛量、段差及び食違いに基づいて、前記各パスの前における前記切削対象面に接近する方向及びレール長手方向の前記切削パスの移動量を決めることが好ましい。
このレール溶接部切削装置において、前記段差又は食違いがある場合、切削パスに直交する方向の前記切削パスの移動に、レール長手方向の移動が少なくとも1回含まれることが好ましい。
このレール溶接部切削装置において、前記センサは、レールの底部裏面の、溶接部、及び前記一方のレールと他方のレールの前記溶接部ではない箇所の高さを測定し、前記制御部は、前記底部裏面における前記測定値に基づいて、その底部裏面の前記余盛量及び前記段差を算出し、前記センサは、レールの底部側面の、溶接部、及び前記一方のレールと他方のレールの前記溶接部ではない箇所の水平位置を測定し、前記制御部は、前記底部側面における前記測定値に基づいて、その底部側面の前記余盛量及び前記食違いを算出することが好ましい。
このレール溶接部切削装置において、前記切削工具は、正面フライスであり、前記制御部は、前記正面フライスの回転軸を前記切削パスの方向に傾ける制御を行うことが好ましい。
このレール溶接部切削装置において、前記可動アームは、多関節ロボットであることが好ましい。
本発明のレール溶接部切削装置によれば、切削工具の3次元における位置及び向きを動かす可動アームを有するので、レールの底部裏面、底部側面及び底部上面の溶接部を切削できる。制御部が複数パスにおける各パスの前に、切削パスに直交する方向にその切削パスを移動させるので、溶接部の段差及び食違いに対応できる。
本発明の一実施形態に係るレール溶接部切削装置の斜視図。 同装置における切削パスを示すレールの底面図。 同装置における切削パスを示すレールの底部の断面図。 同装置のセンサによる底部裏面の余盛量及び段差の測定示す側面図。 同装置のセンサによる底部側面の余盛量及び食違いの測定を示す底面図。 同装置の切削工具による平削りを示す側面図。 同装置の切削工具を傾けた精密削りを示す断面図。 同装置の切削工具による精密削りを示す側面図。 同装置における切削パスの移動を示す側面図。 同装置によって切削されたレールの溶接部の側面図。 同装置を用いたレール溶接部の切削のフロー図。 同フローにおける第1工程を示す斜視図。 (a)は同切削フローにおける第2工程を示す斜視図、(b)は(a)の円A2の部分拡大図。 同フローにおける第3工程を示す斜視図。 (a)は同フローにおける第4工程を示す斜視図、(b)は(a)の円A4の部分拡大図。 (a)は同フローにおける第5工程を示す斜視図、(b)は(a)の円A5の部分拡大図。 (a)は同フローにおける第6工程を示す斜視図、(b)は(a)の円A6の部分拡大図。 (a)は同フローにおける第7工程を示す斜視図、(b)は(a)の円A7の部分拡大図。 同フローにおける第8工程を示す斜視図。 (a)は同フローにおける第9工程を示す斜視図、(b)は(a)の円A9の部分拡大図。 (a)は同フローにおける第10工程を示す斜視図、(b)は(a)の円A10の部分拡大図。 (a)は同フローにおける第11工程を示す斜視図、(b)は(a)の円A11の部分拡大図。 レールの断面図。 溶接部を有するレールの側面図。
本発明の一実施形態に係るレール溶接部切削装置を図1乃至図10を参照して説明する。図1に示すように、レール溶接部切削装置1は、鉄道のレール2の溶接部3を切削するための装置である。このレール溶接部切削装置1は、切削工具4と、可動アーム5と、制御部6とを備える。切削工具4は、レール2を切削する工具である。本実施形態では、切削工具4は、正面フライスである(JIS B 0170-1993「切削工具用語(基本)」参照)。切削工具4は、エンドミルであってもよい。可動アーム5は、切削工具4の3次元における位置及び向きを動かす装置である。本実施形態では、可動アーム5は、多関節ロボットである(JIS B 0134:2015「ロボット及びロボティックデバイス-用語」参照)。制御部6は、可動アーム5の動きを制御する。本実施形態では、制御部6は、プログラマブルコントローラである。制御部6は、コンピュータであってもよい。
レール溶接部切削装置1は、センサ7、ユニット8、撮像部9、昇降ローラー11、レール移動装置12等をさらに備える。それらの詳細は後述する。
図2に矢印で示すように、切削工具4がレール2の溶接部3を切削する切削パスPは、レール長手方向Yに対して直交し、図3に矢印で示すように、切削対象面に沿う方向である。すなわち、切削パスPの方向は、切削工具4の送り方向である。切削対象面は、レール2の底部裏面231、底部側面232及び底部上面233から選択され、選択された切削対象面は、複数パスの切削パスPによって切削される。制御部6は、複数パスにおける各パスの前に、切削パスPに直交する方向にその切削パスPを移動させる。
図4に示すように、レール2aと2bを溶接した際、一方のレール2aと他方のレール2bに公差内の上下方向Zの段差Z1が生じる。図5に示すように、レール2aと2bを溶接した際、一方のレール2aと他方のレール2bに公差内のレール幅方向Xの食違いX1が生じる。また、溶接部に余盛31が生じる。底部裏面231の余盛量Z2は、余盛31の頂部と下側のレール2aの底部裏面231との間の上下方向Zの距離である(図4参照)。底部側面232の余盛量X2は、余盛31の頂部と手前側のレール2aの底部側面232との間のレール幅方向Xの距離である(図4参照)。
センサ7は、溶接部3の余盛量Z2、X2、段差Z1、食違いX1を測定するための測定器である。本実施形態は、センサ7は、レーザセンサである。制御部6は、余盛量Z2、X2、段差Z1及び食違いX1に基づいて、各パスPの前における切削対象面に接近する方向及びレール長手方向Yの切削パスPの移動量を決める。切削対象面がレール2の底部裏面231である場合、その切削対象面に接近する方向は、上方向Zである。切削対象面が底部側面232である場合、その切削対象面に接近する方向は、レール幅方向Xである。切削対象面が底部上面233である場合、その切削対象面に接近する方向はほぼ下方向-Zである。
センサ7は、レール2の底部裏面231の溶接部3の所定基準位置からの高さZ3、一方のレール2aの溶接部3ではない箇所の所定基準位置からの高さZ4と他方のレール2bの前記溶接部ではない箇所の所定基準位置からの高さZ5を測定する(図4参照)。例えば、溶接部3のレール長手方向Yの幅W(余盛幅)は、20mmであり、レール2aの測定箇所は、溶接部3の中心からL1=30mm離れた位置にあり、レール2bの測定箇所は、溶接部3の中心からL2=30mm離れた位置にある。制御部6は、底部裏面231における測定値Z3、Z4、Z5に基づいて、その底部裏面231の余盛量Z2及び段差Z1を算出する。余盛量Z2=Z4-Z3であり、段差Z1=Z5-Z4である。
同様に、センサ7は、レール2の底部側面232の溶接部3の所定基準位置に対する水平位置X3、一方のレール2aの溶接部3ではない箇所の所定基準位置に対する水平位置X4と他方のレール2bの溶接部3ではない箇所の所定基準位置に対する水平位置X5を測定する(図5参照)。例えば、溶接部3のレール長手方向Yの幅W(余盛幅)は、20mmであり、レール2aの測定箇所は、溶接部3の中心からL1=30mm離れた位置にあり、レール2bの測定箇所は、溶接部3の中心からL2=30mm離れた位置にある。制御部6は、底部側面232における測定値X3、X4、X5に基づいて、その底部側面232の余盛量X2及び食違いX1を算出する。余盛量X2=X4-X3であり、食違いX1=X5-X4である。
レール2の底部上面233の段差は、底部裏面231の段差Z1と同じ大きさである。また、底部上面233の余盛量は、底部裏面231の余盛量Z2及び底部側面の余盛量X2から推定され、ほぼ同じ値である。
切削工具4について詳述する。切削工具4は、正面フライスである。正面フライスは、複数の刃が円周上に配置され、その円を回転することによって、その円の正面方向を切削する工具である。正面フライスにおいて、刃先の回転面は、回転軸に直交する円である。通常、刃先の回転面は切削対象面と平行であり、回転軸は切削対象面に直交する方向、すなわち切削対象面の法線方向である。以下、このような回転軸が切削対象面に直交する切削工具4による切削を、平削りと呼ぶ。
切削工具4による溶接部3の切削のし方について実例に基づいて説明する。図6に示すように、レール2の底部裏面231を切削工具4で平削りをした。切削工具4の刃先の回転面41の直径は63mmであった。余盛31の余盛量Z2は2.0mmであった。この余盛31を複数パスの平削りで切削した。1パスの切削量を0.6mm~1.0mmにすると切削工具が顕著に振動したので、1パスの切削量を0.5mm以内とした。このような平削りの結果、切削幅63mmの範囲に母材(レール2)を削った大きな切削痕が出来た。
そこで、図7に示すように、正面フライス(切削工具4)の回転軸42を切削パスPの方向に角度θ傾けた。これにより、底部裏面231と刃先の回転面41は、角度θを成す。このような回転軸42の傾きは、制御部6が可動アーム5を制御することよって設定される。そして、切削工具4で余盛31を削った。刃先の回転面41が底部裏面231に対して斜めになっているので、図8に示すように、余盛31が側面視で弧状に切削される。刃先の回転面41が切削対象面に接する面積が小さくなり、切削工具4が母材を削っても切削工具4が振動しなかった。このような切削の結果、大きな切削痕が出来ず、切削した部分の境界に凹凸が無く、なだらかに溶接部3が切削された。切削工具4を傾ける角度θは、5°に設定した場合、仕上がり精度が良好であった。以下、このような切削工具4を傾ける切削を、精密削りと呼ぶ。なお、平削り及び精密削りのし方は、切削対象面が底部側面232及び底部上面233の場合についても、上述した底部裏面231の場合と同様である。
切削工具4の切削パスPについて実例に基づいて説明する。図9に示すように、溶接された一方のレール2aが他方のレール2bよりも低く、底部裏面231の段差Z1は、0.5mmであった。余盛31の余盛量Z2は、1.0mmであった。複数パスの切削パスPによって、溶接部3を切削した。各切削パスPの方向、すなわち切削工具4の送り方向は、レール幅方向であり、図9では紙面に垂直な方向である。複数パスにおける各パスの前に切削パスPをその切削パスPに直交する方向に移動させた。初期の切削パスPでは、切削工具4が余盛31のみを切削するので、切削工具4の回転軸を傾けない平削りとした。途中の切削パスPから精密削りに切り替えた。このような、切削パスの移動及び回転軸の傾けは、制御部6によって制御される。
1パス(最初のパス)では、切削パスPのレール長手方向Yの位置は、レール2の溶接部3の中心であり、平削りで、切削量C1が0.5mmであった。1パスの後、余盛量は1.0mmから0.5mm切削されて、0.5mmに減少した。
2パスの前に切削工具4を切削対象面に接近する方向Zに0.3mm移動させた。すなわち、切削パスPの移動量は、上方向Zに0.3mmであった。これにより、2パスは、平削りで、切削量C2が0.3mmとなった。2パスの後、余盛量は0.5mm-0.3mm=0.2mmとなった。
3パスの前に切削工具4を切削対象面に接近する方向Zに0.3mm移動させた。すなわち、切削パスPの移動量は、上方向Zに0.3mmであった。切削工具4の回転軸を切削パスPの方向に5°傾けた。これにより、3パスは、精密削りで、切削量C3が0.3mmとなった。3パスの後、余盛量は0.2mm-0.3mm=-0.1mmとなった。すなわち、レール2aが0.1mm切削された。
4パスの前に切削工具4を切削対象面に接近する方向Zに0.3mm移動させ、レール長手方向YにM4=5mm移動させた。すなわち、切削パスPの移動量は、上方向Zに0.3mm、レール長手方向Yに5mmであった。この5mmは、溶接部3のレール長手方向Yの半値幅10mmの半分である。これにより、4パスは、精密削りで、切削量C4が0.3mmとなった。4パスの後、余盛量は-0.1mm-0.3mm=-0.4mmとなった。
5パス(最後のパス)の前に切削工具4を切削対象面に接近する方向Zに0.3mm移動させ、レール長手方向YにM5=5mm移動させた。この5mmは、溶接部3のレール長手方向Yの半値幅10mmの半分である。すなわち、切削パスPの移動量は、上方向Zに0.3mm、レール長手方向Yに5mmであった。これにより、5パスは、精密削りで、切削量C5が0.3mmとなった。5パスの後、余盛量は-0.4mm-0.3mm=-0.7mmとなった。すなわち、レール2bが計0.2mm切削された。
すなわち、各パスの前に、切削パスPを切削対象面に接近する方向に移動し、さらに、4パスの前、5パスの前に、切削パスPをレール長手方向Yに移動した。レール長手方向Yの移動量は、合計で、溶接部3の半値幅であった。このように、段差又は食違いがある場合、切削パスPに直交する方向の切削パスPの移動に、レール長手方向Yの移動が少なくとも1回含まれる。
図10に示すように、溶接部3の切削後、レール2a、2bの底部裏面231が滑らかになった。これにより、レール2の溶接部における応力集中が緩和される。
上記の数値は一例であり、切削パスPの移動量は、当初の余盛量Z2及び、段差Z1の測定値に基づいて、レール2a、2bの底部裏面231が滑らかにつながるように決められる。なお、切削パスPの移動量の決め方は、底部側面232及び底部上面233についても上述した底部裏面231と同様である。
上記のように構成されたレール溶接部切削装置1の動作を図11及び図12乃至図22を参照して時系列順に説明する。図11及び図12に示すように、レール2がレール長手方向に移動され、溶接部3が所定位置からの所定範囲内に停止する(第1工程S1)。所定位置は、可動アーム5の定位置の正面である。所定範囲は、可動アーム5の動作範囲であり、本実施形態ではレール長手方向にプラス・マイナス300mmである。レール2は、回転自在な昇降ローラー11で支持され、レール移動装置12でレール長手方向に駆動される。
図13(a)(b)に示すように、画像処理によって溶接部3が検知される(第2工程S2)。レール2の上方に撮像部9が下方に向けて設けられており、撮像部9によって撮像されたレール2の画像が処理され、溶接部3の位置が検知される。撮像部9は、ビデオカメラである。画像処理は、制御部6で行われる。
図14に示すように、溶接部3がユニット8の中心にくるように、そのユニット8がレール長手方向に移動する(第3工程S3)。ユニット8は、主にレール2を保持するための装置であり、可動の台座81と、レール2の底部を挟むクランプ82と、クランプ82を台座81上で支持する支持部83とを有する。ユニット8の移動は、制御部6によって制御される。
図15(a)(b)に示すように、昇降ローラー11が下降し、レール2がレール長手方向に動かないように支持される(第4工程S4)。
図16(a)に示すように、クランプ82がONになり、レール2を固定する(第5工程S5)。この時、図16(b)に示すように、クランプ82は、先端側がレール2に向くように90°回転し、レール2の底部を挟む。
図17(a)に示すように、センサ7が溶接部3の余盛量、段差及び食違いを算出するための測定を行う(第6工程S6)。センサ7は、スライドアーム71を介してユニットに支持されている。測定をしない時、スライドアーム71が縮み、扉72(保護板)が閉じ、センサ7が扉72の背後に収容される。扉72により、センサ7が鉄粉等から保護される。図17(b)に示すように、測定時、スライドアーム71が伸び、扉72が開き、センサ7が溶接部3の下方に位置する。
図18(a)(b)に示すように、測定した溶接部3の余盛量、段差及び食違いに応じて、切削工具4が溶接部3を切削する(第7工程S7)。可動アーム5で切削工具4の向きを変えることによって、切削工具4は、レール2の底部裏面231、底部側面232、底部上面233の溶接部3を切削する。
図19に示すように、センサ7は、レール長手方向に対する切削後の切削対象面の凹凸量を測定する(第8工程S8)。なお、図19の円A8で示す部分の構成は、図17(b)と同様である。
図20(a)に示すように、クランプ82がOFFになり、レール2の固定を解除する(第9工程S9)。この時、図20(b)に示すように、クランプ82は、レール2に平行に向くように90°回転し、レール2の底部から離れる。
図21(a)(b)に示すように、昇降ローラー11が上昇する(第10工程S10)。レール2は、回転自在な昇降ローラー11で支持され、レール長手方向に移動可能となる。
図22(a)(b)に示すように、ユニット8が最初に位置へ移動する(第11工程S11)。
以上、本実施形態に係るレール溶接部切削装置1によれば、切削工具4の3次元における位置及び向きを動かす可動アーム5を有するので(図1参照)、レール2の底部裏面231、底部側面232及び底部上面233の溶接部3を切削できる(図3参照)。切削工具4が溶接部3を切削する切削パスPは、レール長手方向Yに対して直交しているので、レール長手方向Yの切削範囲を狭くできる(図2参照)。制御部6が複数パスにおける各パスの前に、切削パスPに直交する方向にその切削パスPを移動させるので、溶接部3の段差及び食違いに対応できる(図9参照)。
レール溶接部切削装置1は、溶接部3の余盛量、段差及び食違いを測定するためのセンサ7を備え、制御部6が、その余盛量、段差及び食違いに基づいて、各パスの前における切削パスPの移動量を決めるので、溶接部3の切削における余盛量、段差及び食違いの把握が定量化及び省力化される。
溶接部3に段差又は食違いがある場合、切削パスPの移動に、レール長手方向Yの移動が少なくとも1回含まれるので、溶接部3の段差及び食違いが緩和される(図9、図10参照)。
センサ7は、レール2の底部裏面231の3箇所の高さZ3、Z4、Z5を測定し、底部側面232の3箇所の水平位置X3、X4、X5を測定し、制御部6がそれらの測定値に基づいて溶接部3の余盛量Z2、X2、段差Z1及び食違いX1を算出するので、余盛量、段差及び食違いの測定が容易である(図4、図5参照)。
切削工具4が正面フライスであり、制御部6は、正面フライスの回転軸を切削パスPの方向に傾ける制御を行うことにより、切削工具4が母材を削っても切削工具4が振動せず、大きな切削痕が出来ない(図7参照)。
可動アーム5は多関節ロボットであるので、切削工具4の3次元における位置及び向きを動かすことができる(図1参照)。
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、レール溶接部切削装置1は、制御部6が決めた各パスの前における切削パスPの移動量を表示し、移動量の修正入力を受けるように構成してもよい。
1 レール溶接部切削装置
4 切削工具(正面フライス)
5 可動アーム(多関節ロボット)
6 制御部
7 センサ
P 切削パス

Claims (6)

  1. 鉄道のレールの溶接部を切削するためのレール溶接部切削装置であって、
    レールを切削する切削工具と、
    前記切削工具の3次元における位置及び向きを動かす可動アームと、
    前記可動アームの動きを制御する制御部とを備え、
    前記切削工具がレールの溶接部を切削する切削パスは、レール長手方向に対して直交し、切削対象面に沿う方向であり、
    前記切削対象面は、レールの底部裏面、底部側面及び底部上面から選択され、選択された切削対象面は、複数パスの前記切削パスによって切削され、
    前記制御部は、前記複数パスにおける各パスの前に、切削パスに直交する方向に前記切削パスを移動させることを特徴とするレール溶接部切削装置。
  2. 前記溶接部の余盛量並びに溶接された一方のレールと他方のレールの上下方向の段差及びレール幅方向の食違いを測定するためのセンサを備え、
    前記制御部は、前記余盛量、段差及び食違いに基づいて、前記各パスの前における前記切削対象面に接近する方向及びレール長手方向の前記切削パスの移動量を決めることを特徴とする請求項1に記載のレール溶接部切削装置。
  3. 前記段差又は食違いがある場合、切削パスに直交する方向の前記切削パスの移動に、レール長手方向の移動が少なくとも1回含まれることを特徴とする請求項2に記載のレール溶接部切削装置。
  4. 前記センサは、レールの底部裏面の、溶接部、及び前記一方のレールと他方のレールの前記溶接部ではない箇所の高さを測定し、
    前記制御部は、前記底部裏面における前記測定値に基づいて、その底部裏面の前記余盛量及び前記段差を算出し、
    前記センサは、レールの底部側面の、溶接部、及び前記一方のレールと他方のレールの前記溶接部ではない箇所の水平位置を測定し、
    前記制御部は、前記底部側面における前記測定値に基づいて、その底部側面の前記余盛量及び前記食違いを算出することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のレール溶接部切削装置。
  5. 前記切削工具は、正面フライスであり、
    前記制御部は、前記正面フライスの回転軸を前記切削パスの方向に傾ける制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のレール溶接部切削装置。
  6. 前記可動アームは、多関節ロボットであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のレール溶接部切削装置。

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