JP2019078669A - 高分子材料の硫黄架橋構造解析方法 - Google Patents

高分子材料の硫黄架橋構造解析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の硫黄架橋された高分子材料についてX線を用いて硫黄架橋構造を評価する際に、硫黄濃度の違いを考慮できるようにして硫黄架橋構造を対比評価することを可能にする解析方法を提供する。【解決手段】実施形態に係る硫黄架橋構造解析方法では、複数の硫黄架橋された高分子材料について硫黄架橋構造を解析する際に、高分子材料とX線検出器との距離を一定にしてX線を照射して、硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを取得する。【選択図】図4

Description

本発明は、加硫ゴムなどの硫黄架橋された高分子材料における硫黄架橋構造の解析方法に関する。
加硫ゴムなどの硫黄架橋された高分子材料の物性を評価するために、高分子材料の硫黄架橋構造を解析する技術が求められている。
硫黄架橋された高分子材料における硫黄架橋構造を分析する方法として、特許文献1,2には、高分子材料に高輝度X線を照射し、X線のエネルギーを変えながら硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを測定し、リバースモンテカルロ法により高分子材料中の硫黄の三次元構造を特定して、架橋密度を算出する方法が提案されている。
かかるX線を用いた硫黄架橋構造の分析では、高分子材料にX線を照射し、それにより発生する蛍光X線などのX線をX線検出器で検出する。その際、従来は、高分子材料中の対象原子の濃度に応じて、X線検出器を最適な位置に配置している。そのため、従来の測定方法では、複数の高分子材料について硫黄架橋構造を解析する際に、対象原子である硫黄の濃度の違いを考慮することができず、よって、複数の高分子材料間において定量的な評価ができないことから、硫黄架橋構造を対比評価することができなかった。
特開2016−057285号公報 特開2017−020906号公報
本発明は、複数の硫黄架橋された高分子材料についてX線を用いて硫黄架橋構造を評価する際に、硫黄濃度の違いを考慮できるようにして硫黄架橋構造を対比評価することを可能にする解析方法を提供することを目的とする。
本発明に係る高分子材料の硫黄架橋構造解析方法は、複数の硫黄架橋された高分子材料について硫黄架橋構造を解析する際に、高分子材料とX線検出器との距離を一定にしてX線を照射して、硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを取得するものである。
一実施形態に係る硫黄架橋構造解析方法は、硫黄架橋された高分子材料にX線を照射して、硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを取得すること、得られたX線吸収スペクトルを、硫黄−硫黄間成分及び硫黄−炭素間成分を含む少なくとも2つの成分でフィッティングすること、前記硫黄−硫黄間成分のピーク面積と硫黄−炭素間成分のピーク面積を算出して、前記硫黄−硫黄間成分と硫黄−炭素間成分のピーク面積比から架橋硫黄鎖連結長を算出すること、および、前記X線吸収スペクトルからエッジジャンプの高さを求め、前記エッジジャンプの高さと前記架橋硫黄鎖連結長から硫黄架橋密度を算出することを含むものでもよい。
本発明によれば、複数の硫黄架橋された高分子材料についてX線を用いて硫黄架橋構造を評価する際に、高分子材料とX線検出器との距離を一定にすることにより、硫黄濃度の違いを考慮することができるので、硫黄架橋構造を対比評価することができる。
硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルの一例を示す図 高分子物体中での硫黄架橋形態の例を示す図 硫黄−硫黄間成分に用いる非対称ガウス関数を示す図 X線測定装置の測定試料と検出器との関係を示す概念図
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
一実施形態に係る硫黄架橋構造解析方法は、以下の工程を含む。
工程1:硫黄架橋された高分子材料にX線を照射して、硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを取得する工程、
工程2:得られたX線吸収スペクトルを、硫黄−硫黄間成分及び硫黄−炭素間成分を含む少なくとも2つの成分でフィッティングする工程、
工程3:フィッティング結果から硫黄−硫黄間成分のピーク面積と硫黄−炭素間成分のピーク面積を算出して、硫黄−硫黄間成分と硫黄−炭素間成分のピーク面積比から架橋硫黄鎖連結長を算出する工程、及び、
工程4:上記X線吸収スペクトルからエッジジャンプ(edge jump)の高さを求めて、エッジジャンプの高さと上記架橋硫黄鎖連結長から硫黄架橋密度を算出する工程。
このように本実施形態では、硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを、硫黄−硫黄間成分及び硫黄−炭素間成分を含む少なくとも2つの成分を用いてピーク分離することにより、これら結合成分の定量を行い、その結果から、当該高分子材料の架橋硫黄鎖連結長と硫黄架橋密度を評価するものである。
一般に、物体にX線を照射することで得られるX線吸収スペクトルには、物体中に含まれる元素特有の急峻な立ち上がりが見られ、この立ち上がりは吸収端と呼ばれる。この吸収端付近の微細な構造は、X線吸収微細構造(XAFS:x-ray absorption fine structure)と呼ばれる。XAFSは、吸収端から数十eV程度までのX線吸収端構造(XANES:x-ray absorption near edge structure)と、それよりも高エネルギー側の1000eV程度までの範囲に現れるX線広域微細構造(EXAFS:extended x-ray absorption fine structure)からなる。そのうち、XANESは、電子状態などの化学状態に敏感であり、着目原子がどのような原子と結合しているかといった化学状態の解析に適用することができる。本実施形態では、硫黄原子のK殻吸収端である硫黄K殻吸収端についてXANES領域におけるX線吸収スペクトルを用いて、硫黄架橋構造の解析を行う。
本実施形態において、測定対象としての高分子材料としては、硫黄架橋された樹脂やゴムなどの高分子であればよく、高分子の種類は特に限定されない。好ましくは、加硫ゴムであり、ゴムポリマーに硫黄等の加硫剤を含む種々の配合剤を配合したゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムを測定対象とすることができる。
ここで、ゴムポリマーとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)などのジエン系ゴムが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種類以上ブレンドして用いることができる。
高分子材料には、硫黄架橋させるための硫黄が加硫剤として配合される。加硫剤としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄が挙げられる。一実施形態として、上記ゴム組成物において、加硫剤の配合量は、ゴムポリマー100質量部に対して0.1〜10質量部でもよく、0.5〜8質量部でもよい。
高分子材料には、また、充填剤や加硫促進剤などの様々な配合剤を任意成分として配合してもよい。一実施形態として、上記ゴム組成物の場合、かかる配合剤として、充填剤、シランカップリング剤、オイル等の軟化剤、可塑剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、加硫促進剤など、通常ゴム工業で使用される各種配合剤を用いることができる。上記充填剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、タルク、クレー、アルミナなどの各種無機充填剤が挙げられ、カーボンブラック及び/又はシリカが好ましい。一実施形態として上記ゴム組成物の場合、充填剤の配合量は、例えば、ゴムポリマー100質量部に対して10〜200質量部でもよく、20〜150質量部でもよい。また、加硫促進剤の配合量は、ゴムポリマー100質量部に対して0.1〜7質量部でもよく、0.5〜5質量部でもよい。また、亜鉛華の配合量は、ゴムポリマー100質量部に対して0.1〜10質量部でもよく、0.5〜5質量部でもよい。
かかるゴム組成物は、バンバリーミキサーなどの混合機を用いて各成分を常法に従い混練することにより作製することができ、該ゴム組成物を常法に従い加熱して加硫することにより加硫ゴムが得られる。
測定対象としての高分子材料の形状は、特に限定されず、例えばシート状のものを用いることができる。一実施形態として、測定対象としては、シート状に加硫成形したゴムシートを用いてもよく、あるいはまた、タイヤ等の加硫ゴム製品からシート状に切り出したものを用いてもよい。
上記工程1において、硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを取得する方法としては、公知のXAFS法(特にはXANES法)を用いることができる。
詳細には、硫黄架橋された高分子材料に、X線を照射し、X線のエネルギーを変えながらX線吸収量(吸収強度)を測定する。X線は、硫黄原子のK殻吸収端に対応するエネルギーにて照射され、これにより、硫黄K殻についてXANES領域におけるX線吸収スペクトルが得られる。X線の走査エネルギー範囲としては、2400〜3000eVであることが好ましく、2450〜2500eVでもよく、2460〜2490eVでもよい。
硫黄K殻吸収端におけるXAFS法においては、(1)試料を透過してきたX線強度を、フォトダイオードアレイ検出器等を用いて検出する透過法、(2)試料にX線を照射した際に発生する蛍光X線を、Lytle検出器や半導体検出器などを用いて検出する蛍光法、及び、(3)試料にX線を照射した際に流れる電流を検出する電子収量法などがあり、いずれを用いてもよい。好ましくは、蛍光法を用いることである。蛍光法は、より詳細には、試料にX線を照射した際に発生する蛍光X線を測定する方法であり、X線吸収量と蛍光X線の強度に比例関係があることを用いて、蛍光X線の強度からX線吸収量を間接的に求める方法である。
XAFS法を行う際に使用するX線としては、例えば1010(photons/s/mrad2/mm2/0.1%bw)以上の高輝度X線であることが好ましい。また、X線の光子数は10(photons/s)以上であることが好ましく、より好ましくは10(photons/s)以上である。このようなX線を放射するシンクロトロンとしては、高輝度光科学研究センターのSPring−8、「知の拠点あいち」のあいちシンクロトロン光センターなどが挙げられる。
上記工程2では、工程1により得られたX線吸収スペクトルを、硫黄−硫黄間成分(以下、S−S成分という。)及び硫黄−炭素間成分(以下、S−C成分という。)を含む少なくとも2つの成分でフィッティングする。より好ましくは、S−S成分、S−C成分及び階段関数成分を含む少なくとも3成分でフィッティングを行うことであり、更に好ましくは、図1にその一例を示すように、S−S成分、S−C成分及び階段関数成分とともに、硫黄−亜鉛間成分(以下、S−Zn成分という。)と、多重散乱成分を用いて、フィッティングを行うことである。
硫黄K殻吸収端におけるX線吸収は、主としてS−S成分とS−C成分に起因するため、これら2成分を用いてX線吸収スペクトルをフィッティングすることにより、S−S成分とS−C成分の各ピーク面積を算出することができる。また、一実施形態において、エッジジャンプの高さを求めるために、階段関数成分も用いてフィッティングしてもよい。より厳密には、硫黄K殻吸収端におけるX線吸収には、S−S成分、S−C成分及び階段関数成分の他に、S−Zn成分と、多重散乱成分の影響もあるため、これら2成分も含めた5成分でX線吸収スペクトルをフィッティングすることにより、各ピーク面積をより高精度に算出することができる。
ここで、S−S成分は、S−S結合に基づくX線吸収成分であり、S−C成分は、S−C結合に基づくX線吸収成分である。高分子材料での硫黄架橋構造は、図2に示すように、高分子鎖の炭素(C)が硫黄(S)を介して結合した構造であり、架橋部分の硫黄原子間の結合がS−S結合であり、高分子鎖の炭素原子と架橋部分の硫黄原子との結合がS−C結合である。
S−Zn成分は、S−Zn結合に基づくX線吸収成分である。上記のようにゴム組成物には亜鉛華(ZnO)が配合されることがあり、その場合、亜鉛華が反応して加硫ゴム中に硫化亜鉛(ZnS)が含まれるので、これによるX線吸収を考慮したものである。そのため、加硫ゴムなどの高分子材料に亜鉛が含まれない場合には、この成分を考慮する必要はない。従って、亜鉛が含まれない高分子材料の場合、一実施形態として、S−S成分、S−C成分、階段関数成分及び多重散乱成分を用いて、上記のフィッティングを行ってもよい。
多重散乱(multiple scattering)成分は、XANES領域の光電子による多重散乱に基づくX線吸収成分である。XANES領域の光電子は運動エネルギーが低いため、平均自由行程が長く、周囲の原子に何度も散乱(多重散乱)されるので、これによるX線吸収を考慮したものである。
階段関数(step function)成分は、連続帯への電子の遷移に基づくX線吸収成分である。XANES領域は内殻軌道(K殻)から、非占有軌道への励起である。励起エネルギー(入射X線エネルギー)が大きくなるにつれ、電子は原子核の拘束から抜け出し、非占有軌道よりも高エネルギーの連続帯へと励起されるようになる。このように徐々に増えていく連続帯への電子の遷移によるX線吸収を考慮したものである。
X線吸収スペクトルをフィッティングする際に使用する関数としては、上記の各成分を表現できるものであればよく、種々の関数を用いることができる。
一実施形態として、S−C成分、S−Zn成分、及び多重散乱成分には、図1に示すように、ガウス関数を用いることが好ましい。これらの成分によるX線吸収は一般に正規分布を示すため、ガウス関数を用いて表現することができる。ガウス関数としては、例えば、下記式(1)で表されるものを用いることができる。
式(1)中、aはピーク高さ(ピーク強度)、bはピークトップでのX線エネルギー(eV)、cはピークの半値幅(eV)、xは照射X線エネルギー(eV)を示す。
一実施形態において、S−C成分については、aを変数、b及びcを定数とし、S−Zn成分及び多重散乱成分については、a及びbを変数、cを定数として、上記のフィッティングを行う。なお、S−C成分のピークトップでのX線エネルギーbは、標準試料に対する測定により得られる値、例えば2473eVに設定することができる。
また、階段関数成分には、図1に示すように、シグモイド関数を用いることが好ましい。上記のように、階段関数成分は、エネルギーが高くなるにつれて徐々に増加するため、シグモイド関数を用いて表現することができる。シグモイド関数としては、例えば、下記式(2)で表されるものを用いることができる。
式(2)中、dはエッジジャンプの高さ、eは定数、fはイオン化ポテンシャル(eV)を示す。一実施形態において、dを変数とし、e及びfを定数として、上記のフィッティングを行ってもよい。但し、後述する工程4において、エッジジャンプの高さをX線スペクトルから直接読み取る場合、当該読み取った値を定数として用いてもよい。
一方、S−S成分については、S−C成分と同様、左右対称な分布を持つガウス関数を用いて表現することもできるが、架橋硫黄鎖の熱振動によるS−S結合長の揺らぎを考慮して、左右非対称な分布を持つ非対称ガウス関数を用いることが好ましい。すなわち、架橋硫黄鎖の熱振動によりS−S結合が分子運動して結合長が変化し、S−S結合長が長いほどピーク高さは高くかつ半値幅は狭くなる。かかるS−S結合長の揺らぎを考慮して、S−S成分には、図3に示すように、複数のガウス関数を合成することで左右非対称な分布を持たせた非対称ガウス関数を用いる。これら複数のガウス関数としては、ピーク高さと半値幅が異なるものを用いることが好ましい。より詳細には、非対称ガウス関数としては、基準ガウス関数と、ピークトップが該基準ガウス関数の高エネルギー側に等間隔にシフトし且つピーク高さが等差に減少する複数のガウス関数を合成したものを用いることが好ましい。
一実施形態において、S−S成分に用いる非対称ガウス関数は、上記式(1)で表される複数のガウス関数の足し合わせで表現することができる。詳細には、図3に示すように、上記式(1)で表される基準ガウス関数(C関数)を定め、ピークトップがC関数の高エネルギー側に等間隔にシフトし且つピーク高さが等差に減少する複数のガウス関数(C関数:C、C、……。ここでmは1以上の整数)を定める。C関数では、上記a、b及びcを定数とし、C関数以降のC関数(m=2〜)については、ピークトップのシフト幅とピーク高さの等差減少値を定めて、m個のC関数を定義する。その際に、C関数の半値幅とピーク高さの積は一定とする。m個のC関数を足し合わせることにより、非対称ガウス関数が得られる。得られた非対称ガウス関数では、ピークトップでのX線エネルギー(eV)を定数とし、ピーク高さを変数として、上記のフィッティングを行うことが好ましい。従って、非対称ガウス関数を作成する際には、上記複数のガウス関数を合成したときのピークトップでのX線エネルギーが上記定数の値に一致するように、C関数の変数やシフト幅、等差減少値、上記の積などを定めればよい。なお、S−S成分のピークトップでのX線エネルギーは、標準試料に対する測定により得られる値、例えば2472eVに設定することができる。
以上の各成分を用いて、X線吸収スペクトルに対してフィッティング(曲線当てはめ(カーブフィッティング)とも称される。)する方法としては、特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。例えば、上記各成分(好ましくは5成分)の関数を足し合わせた関数と、X線吸収スペクトル(測定スペクトル)の残差二乗和が0に近づくように、フィッティングを行えばよい。これにより、X線吸収スペクトルを各成分にピーク分離することができる。すなわち、それぞれの成分についてフィッティング処理後の曲線が得られるので、各成分のフィッティング処理後の曲線から、各成分のピーク面積を算出することができる。図1には、フィッティング処理後の上記5成分の各曲線と、これら5成分の合成曲線(フィッティングによる近似曲線)を示しており、測定スペクトルによく一致していることが分かる。
上記工程3では、工程2で得られたS−S成分とS−C成分の各フィッティング曲線から、それぞれS−S成分のピーク面積とS−C成分のピーク面積を算出し、両者の比(ピーク面積比)を算出することにより、測定対象である高分子物体の架橋硫黄鎖連結長を算出する。なお、ピーク面積は、測定範囲内において各フィッティング曲線により囲まれた部分の面積である。
ここで、高分子材料の架橋硫黄鎖連結長について説明する。上記のように、高分子材料中での硫黄架橋構造は、高分子鎖の炭素(C)が硫黄(S)を介して結合した構造であり(図2参照)、架橋部分の硫黄の連結数をnとして「C−S−C」で表され、n=1のモノスルフィド構造(C−S−C)から、n=2のジスルフィド構造(C−S2−C)、n=3〜8のポリスルフィド構造(C−S8−C)まで、8通りある(即ち、n=1〜8の整数)。この硫黄の連結数が架橋硫黄鎖連結長である。一般に、硫黄架橋された高分子材料において、硫黄架橋構造は連結数nの異なるものの幾つかが混在したものであるため、その平均が当該高分子材料の架橋硫黄鎖連結長である。各硫黄架橋構造には、その両端にS−C結合があり(即ち、S−C結合の数はいずれも2つ)、連結数nが増えるに従って1つずつS−S結合の数が増えるため、高分子材料に存在するS−S結合量とS−C結合量の比が分かれば、架橋硫黄鎖連結長を評価することができる。
本実施形態では、S−S結合量に相当するS−S成分のピーク面積と、S−C結合量に相当するS−C成分のピーク面積が、上記のように得られるので、S−S成分とS−C成分のピーク面積比を算出することにより、架橋硫黄鎖連結長を算出することができる。
例えば、S−S成分のピーク面積Sと、S−C成分のピーク面積Cから、両者の比R=C/(C+S)を算出し、下記式(3)から架橋硫黄鎖連結長Lを算出してもよい。
ここで、硫黄架橋された高分子材料において、S−S結合数とS−C結合数の比であるS−C比を、
「S−C比」=「S−C結合数」/(「S−C結合数」+「S−S結合数」)
とする。高分子材料中での硫黄架橋構造は、S−S結合とS−C結合が全て架橋に使われているとすると、S−C結合数が必ず2となるので、
「S−C比」=2/(2+「S−S結合数」)となり、
「S−S結合数」=(2−2×「S−C比」)/「S−C比」となる。硫黄の連結数である架橋硫黄鎖連結長Lは、S−S結合数に1を加えた値になるので、
架橋硫黄鎖連結長L={(2−2×「S−C比」)/「S−C比」}+1
となる。S−C比は、上記ピーク面積Sとピーク面積Cとの比Rに等しいので、上記の式(3)が得られる。
なお、工程3で算出する架橋硫黄鎖連結長としては、式(3)のLの代わりに、例えば、S−C成分のピーク面積Cに対するS−S成分のピーク面積Sの比(S/C)を算出してもよい。この比S/Cが大きいほど架橋部分における硫黄の連結数が大きくなるので、比S/Cは架橋硫黄鎖連結長を表す指数として用いることができる。工程3で算出する架橋硫黄鎖連結長としては、このように架橋部分の硫黄の連結数を相対的に示すものでもよく、例えば、S−S成分とS−C成分の合計のピーク面積(S+C)に対するS−S成分のピーク面積比(S/(S+C))でもよい。
上記工程4では、エッジジャンプの高さと、工程3で算出された架橋硫黄鎖連結長から硫黄架橋密度を算出する。
エッジジャンプの高さを求める方法としては、工程1で得られたX線吸収スペクトルからエッジジャンプの高さを読み取ってもよく、あるいはまた、工程2において階段関数成分を用いてフィッティングを行ったときの当該フィッティング後の階段関数成分におけるエッジジャンプの高さを用いてもよい。
X線吸収スペクトルからエッジジャンプの高さを読み取る場合、例えばX線エネルギーが2485〜3000eVの範囲内における特定のエネルギー値でのX線吸収量を読み取ればよい。一般にこの範囲ではX線吸収量は大きく変化しないので、そのような範囲内でエネルギー値を決めればよい。より好ましくは2485〜2500eVの範囲であり、例えば2490eVでのX線吸収量を読み取るようにしてもよい。
一般に、XAFS法により得られるスペクトルの形状は、吸収端より低エネルギー側のベースラインから高エネルギー側に向かって急激な信号強度の階段状ジャンプ(即ち、エッジジャンプ)となっており、このエッジジャンプの高さが測定対象原子の濃度に比例することが知られている(渡辺巌「XAFSを用いた気液界面における単分子膜へのイオン吸着挙動」、表面科学、第25巻第3号、139−145頁、2004年)。そのため、本実施形態において、上記階段関数成分のエッジジャンプの高さは、X線の照射範囲に含まれる硫黄原子数(硫黄濃度)に比例する。
よって、一実施形態において、エッジジャンプの高さをdとし、架橋硫黄鎖連結長をLとして、硫黄架橋密度Dは、D=d/Lにより表される。ここで、硫黄架橋密度は、高分子材料の単位体積あたり(例えば1mLあたり)の架橋本数というように絶対的な値でもよいが、基準となる試料と比較した相対値でもよい。
このような基準となる試料との対比評価を可能にするために、本実施形態では、上記工程1でX線吸収スペクトルを取得する際に、X線検出器の位置を固定することを特徴とする。すなわち、複数の硫黄架橋された高分子材料について硫黄架橋構造を解析する際に、高分子材料とX線検出器との距離を一定にしてX線を照射して、硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを取得する。
詳細には、図4に示すように、例えば蛍光法では、高分子材料にX線を照射し、それにより発生する蛍光X線をX線検出器で検出する。その際、X線検出器の位置が近いとエッジジャンプは大きくなる。図4中、二点鎖線で示す位置よりも実線で示す位置にX線検出器を配置した方がエッジジャンプの高さは大きくなる。そのため、従来の測定では、高分子材料中の対象原子の濃度に合わせて、X線検出器を最適な位置に配置するが、本実施形態では、X線検出器を同じ位置に固定して測定する。これにより、エッジジャンプに定量性が得られ、対象原子である硫黄の濃度の違いをエッジジャンプの高さで表すことができ、すなわち、エッジジャンプの高さが硫黄原子数に比例する。
そのため、得られた各X線吸収スペクトルからエッジジャンプの高さを求め、該エッジジャンプの高さを用いて、複数の高分子材料間の硫黄架橋構造を対比評価することができる。例えば、上記工程4において、硫黄架橋密度D=d/Lを求めることにより、複数の高分子材料について、架橋密度の大小を比較することができる。
以上のように、本実施形態によれば、硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを、S−S成分とS−C成分を用いてピーク分離することにより、これらの成分のピーク面積比を求めることができるので、該ピーク面積比を用いて架橋硫黄鎖連結長を求めることができる。架橋硫黄鎖連結長は、これが大きいほど、熱的に不安定なS−S結合が多い硫黄架橋形態を持つことを意味するので、架橋硫黄鎖連結長を評価することにより、当該高分子材料の耐熱性を評価することができる。そのため、例えば、空気入りタイヤなどの加硫ゴム製品の耐熱性の評価に利用することができる。
また、本実施形態によれば、架橋硫黄鎖連結長とエッジジャンプにより硫黄架橋密度を算出することができるので、架橋形態とともに架橋密度も評価することができ、より詳細な硫黄架橋構造についての情報を得ることができる。
なお、上記のフィッティング、ピーク面積の算出、架橋硫黄鎖連結長の算出、硫黄架橋密度の算出等の各ステップは、コンピュータを用いて行うことができ、これら各ステップを実行させるためのプログラムが読み込まれたコンピュータからなる解析装置が各ステップを実行することにより、高分子材料の硫黄架橋構造の解析を行うことができる。また、上記のフィッティングを行うフィッティング部、ピーク面積の算出を行うピーク面積算出部、架橋硫黄鎖連結長の算出を行う架橋長算出部、及び、硫黄架橋密度を算出する架橋密度算出部とともに、硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルの情報を取得する入力部と、算出結果を出力する出力部を備えた硫黄架橋構造解析装置を、汎用のコンピュータを基本ハードウェアとして用いて実現してもよい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[第1実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従い、ゴムポリマーに配合剤を添加し混練して、未加硫ゴム組成物を調製した。
表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
・SBR:JSR(株)製「JSR1502」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・硫黄:細井化学工業(株)製「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ」
得られた未加硫ゴム組成物を、金型モールドでプレス加工(160℃、30分)することにより、厚さ1.0mmの加硫ゴムシートを作製した。得られたゴムシートを測定試料として、硫黄K殻吸収端におけるXANES測定を実施して、X線吸収スペクトルを得た。XANES測定は、「知の拠点あいち」のあいちシンクロトロン光センターにおいて、以下の測定条件により行った。測定では、全ての試料について、X線検出器と測定試料との距離は一定とした。
・X線の輝度:2.0×1012photons/s/mrad2/mm2/0.1%bw
・X線の光子数:〜3.0×1010photons/s
・分光器:結晶分光器
・X線検出器:シリコンドリフト検出器
・測定法:蛍光法
・X線のエネルギー範囲:2400〜2500eV
得られたX線吸収スペクトルを、S−S成分、S−C成分、S−Zn成分、多重散乱成分及び階段関数成分の5つの成分でフィッティングし、各成分のピーク面積を算出した。その際、S−C成分、S−Zn成分及び多重散乱成分については、式(1)のガウス関数を用いた。式(1)中のパラメータは、S−C成分については、a(ピーク高さ)を変数、b(ピークトップでのエネルギー)を2473eV、c(ピークの半値幅)を1.8eVとし、S−Zn成分については、a及びbを変数、cを1.8eVとし、多重散乱成分については、a及びbを変数、cを4eVに設定した。また、階段関数成分については、式(2)のシグモイド関数を用いた。式(2)中のパラメータは、d(エッジジャンプの高さ)は変数、e(定数)=0.7、f(イオン化ポテンシャル)=2476eVに設定した。
また、S−S成分については、非対称ガウス関数を用いた。非対称ガウス関数は式(1)の複数のガウス関数の足し合わせで表した。詳細には、式(1)を用いて、aを2、bを2471.1eVとしたC1関数を定め、またC1関数から順に、ピークトップが高エネルギー側に等間隔(0.015eV)にシフトし且つピーク高さが等差(0.003)に減少する100個のC関数(m=1〜100)を定めた。その際、C関数は、ピーク高さと半値幅の積が一定値(2.8)となるように定義した。これら100個のC関数を足し合わせることにより、S−S成分の非対称ガウス関数を得た。なお、非対称ガウス関数のピークトップのエネルギー(eV)は2472eVに設定し、ピーク高さを変数とした。
このようにして定義したS−S成分、S−C成分、S−Zn成分、多重散乱成分及び階段関数成分の5つの成分を足し合わせた関数と、測定スペクトルの残差二乗和が0に近づくように、フィッティングを行い、それぞれの成分のピーク面積を算出した。そして、上記式(3)により架橋硫黄鎖連結長Lを算出した。また、エッジジャンプの高さdから硫黄架橋密度D=d/Lを算出した。その結果を表1に示す。
また、上記で得られた各ゴムシートを用いて、耐熱性を評価した。耐熱性は、各ゴムシートを、ギアオーブンを使用して100℃で1週間老化したサンプルをそれぞれ作製し、老化サンプルと未老化サンプルについて、JIS K6251に準じた引張試験(ダンベル状3号形)を行い、未老化サンプルの破断伸びに対する老化サンプルの破断伸びの保持率により耐熱性を評価した。
また、各ゴムシートを用いて、JIS K6251に準じた引張試験(ダンベル状3号形)を行い、M100(100%引張応力)を測定した。
結果は、表1に示す通りであり、硫黄の配合量が少ないほど、架橋硫黄鎖連結長が短く、老化前後の破断伸びの保持率が高くて耐熱性に優れていた。加硫ゴムは架橋硫黄鎖連結長が小さいほど、熱的に不安定なS−S結合が少ない硫黄架橋形態を持つので、表1の結果から、加硫ゴムの架橋硫黄鎖連結長を用いて耐熱性を評価できることが分かる。また、表1に示すように、硫黄の配合量が少ないほど、硫黄架橋密度Dが小さく、100%引張応力も小さかった。

Claims (5)

  1. 複数の硫黄架橋された高分子材料について硫黄架橋構造を解析する際に、高分子材料とX線検出器との距離を一定にしてX線を照射して、硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを取得する、高分子材料の硫黄架橋構造解析方法。
  2. 前記X線検出器により蛍光X線を検出して硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを取得する、請求項1に記載の硫黄架橋構造解析方法。
  3. 硫黄架橋された高分子材料にX線を照射して、硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを取得すること、
    得られたX線吸収スペクトルを、硫黄−硫黄間成分及び硫黄−炭素間成分を含む少なくとも2つの成分でフィッティングすること、
    前記硫黄−硫黄間成分のピーク面積と硫黄−炭素間成分のピーク面積を算出して、前記硫黄−硫黄間成分と硫黄−炭素間成分のピーク面積比から架橋硫黄鎖連結長を算出すること、および、
    前記X線吸収スペクトルからエッジジャンプの高さを求め、前記エッジジャンプの高さと前記架橋硫黄鎖連結長から硫黄架橋密度を算出すること、
    を含む、請求項1又は2に記載の硫黄架橋構造解析方法。
  4. 前記硫黄−硫黄間成分のピーク面積Sと前記硫黄−炭素間成分のピーク面積Cから架橋硫黄鎖連結長L={(2−2×R)/R}+1(ここで、R=C/(C+S)である。)を算出し、架橋硫黄鎖連結長Lと前記エッジジャンプの高さから硫黄架橋密度を算出する、請求項3に記載の硫黄架橋構造解析方法。
  5. 前記硫黄−硫黄間成分、硫黄−炭素間成分及び階段関数成分を含む少なくとも3成分で前記フィッティングを行い、前記階段関数成分のエッジジャンプの高さと前記架橋硫黄鎖連結長から前記硫黄架橋密度を算出する、請求項3又は4に記載の硫黄架橋構造解析方法。
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