JP2015132518A - 硫黄の化学状態を調べる方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硫黄を含有する高分子材料中の硫黄の化学状態について、精度の高い情報が得られる評価方法を提供する。【解決手段】厚み100μm以下、表面粗さ50μm以下の硫黄含有高分子材料に、X線を照射し、X線のエネルギーを変えながらX線吸収量を測定することにより、硫黄の化学状態を調べる方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、硫黄を含有する高分子材料における硫黄の化学状態を調べる方法に関する。
イオウ架橋ジエン系ゴムなど、硫黄を含有する高分子材料の劣化による化学状態の変化を評価するために、一般的にSwell(膨潤試験)などの物性試験や赤外分光法(FT−IR)などの方法が用いられている。
Swell試験は、イオウ架橋高分子材料をトルエンなどで膨潤させ、網目鎖密度を求める方法で、全体の変化を見ているため、イオウ架橋部分のみを評価できない。FT−IR法では、C=OやOHなどの官能基の検出は可能であるが、S−S結合の感度が低い。
更に特許文献1には、高分子材料に照射したX線の吸収量を測定し、高分子の劣化状態を解析する劣化解析方法として、酸素原子のK殻吸収端の全ピーク面積から、高分子材料に酸素やオゾンなどが結合した量を求める手法が提案されている。しかし、この手法でも、イオウ架橋部分のみを評価することは難しい。
特開2012−141278号公報
本発明は、前記課題を解決し、硫黄を含有する高分子材料中の硫黄の化学状態について、精度の高い情報が得られる評価方法を提供することを目的とする。
本発明は、厚み100μm以下、表面粗さ50μm以下の硫黄含有高分子材料に、X線を照射し、X線のエネルギーを変えながらX線吸収量を測定することにより、硫黄の化学状態を調べる方法に関する。
前記X線吸収量が蛍光X線を用いて測定されることが好ましい。
前記X線を用いて走査するエネルギー範囲を2300〜4000eV及び/又は100〜280eVとすることで、硫黄K殻吸収端付近及び/又は硫黄L殻吸収端付近の硫黄のX線吸収量を測定することが好ましい。
前記X線は、光子数が10photons/s以上、輝度が1010photons/s/mrad/mm/0.1%bw以上であることが好ましい。
本発明によれば、所定の厚み、表面粗さを持つ硫黄含有高分子材料に、X線を照射し、X線のエネルギーを変えながらX線吸収量を測定することにより、硫黄の化学状態を調べる方法であるので、当該材料中の硫黄の化学状態について、精度の高い情報を得ることが可能となる。
表面粗さ50μm以下で様々な厚みの各イオウ架橋高分子材料について、硫黄原子のK殻吸収端付近のX線吸収スペクトルを示したグラフ。 表面粗さ50μm超のイオウ架橋高分子材料について、各入射X線エネルギーに対する蛍光X線エネルギーを二次元マップ化した図、及びこれから得られる蛍光X線のプロファイル。 表面粗さ50μm以下のイオウ架橋高分子材料について、各入射X線エネルギーに対する蛍光X線エネルギーを二次元マップ化した図、及びこれから得られる蛍光X線のプロファイル。
本発明は、厚み及び表面粗さが所定以下の硫黄含有高分子材料に、X線を照射し、X線のエネルギーを変えながらX線吸収量を測定することにより、硫黄の化学状態を調べる方法である。
硫黄加硫剤等の硫黄含有化合物を用いたゴム材料をはじめとする硫黄を含有する高分子複合材料の化学状態を調べる方法として、硫黄K殻吸収端付近におけるXAFS(X−ray Absorption Fine Structure)法等があり、通常XAFS法では、以下のような透過法、蛍光法、電子収量法などが汎用されている。
(透過法)
試料を透過してきたX線強度を検出する方法である。透過光強度測定には、フォトダイオードアレイ検出器などが用いられる。
(蛍光法)
試料にX線を照射した際に発生する蛍光X線を検出する方法である。検出器は、Lytle検出器、半導体検出器などがある。前記透過法の場合、試料中の含有量が少ない元素のX線吸収測定を行うと、シグナルが小さい上に含有量の多い元素のX線吸収によりバックグラウンドが高くなるためS/B比の悪いスペクトルとなる。それに対し蛍光法(特にエネルギー分散型検出器などを用いた場合)では、目的とする元素からの蛍光X線のみを測定することが可能であるため、含有量が多い元素の影響が少ない。そのため、含有量が少ない元素のX線吸収スペクトル測定を行う場合に有効的である。また、蛍光X線は透過力が強い(物質との相互作用が小さい)ため、試料内部で発生した蛍光X線を検出することが可能となる。そのため、本手法は透過法に次いでバルク情報を得る方法として最適である。
(電子収量法)
試料にX線を照射した際に流れる電流を検出する方法である。そのため試料が導電物質である必要がある。また、表面敏感(試料表面の数nm程度の情報)であるという特徴もある。試料にX線を照射すると元素から電子が脱出するが、電子は物質との相互作用が強いため、物質中での平均自由行程が短い。
このように、透過法は、XAFSの基本的な測定方法で、入射光強度と試料を透過したX線強度を検出してX線吸収量を測定する方法であるため、試料のバルク情報が得られ、対象化合物が一定以上の濃度(例えば、数wt%以上)でなれば測定が困難という特徴がある。電子収量法は、表面敏感な方法であり、試料表面の数十nm程度の情報が得られる。一方、蛍光法は、電子収量法に比べて表面からある程度深い部分からの情報が得られるという特徴と、対象化合物濃度が低くても測定できるという特徴がある。本発明では、蛍光法が好適に用いられる。
ここで、蛍光法について、具体的に以下説明する。
蛍光法とは、試料にX線を照射した際に発生する蛍光X線をモニタリングする方法であり、X線吸収量と蛍光X線の強度に比例関係があることを用いて、蛍光X線の強度からX線吸収量を間接的に求める方法となる。蛍光法を行う場合、電離箱を用いた方法とSDD(シリコンドリフト検出器)やSSD(シリコンストリップ検出器)などの半導体検出器を用いることが多い。電離箱では比較的簡便に測定ができるが、エネルギー分別が困難なことと、試料からの散乱X線や対象元素以外の蛍光X線が入ってしまうためバックグランドを上げてしまうことがあり、試料と検出器間にソーラースリットやフィルターを設置する必要がある。SDDやSSDを用いた場合、好感度でかつ、エネルギー分別が可能であるため、目的元素からの蛍光X線のみを取り出すことができ、S/B比よく測定することが可能となる。
しかし、XAFS測定を行う場合、試料からの散乱X線(入射X線とエネルギーは同じ)が検出器に入ってしまうことにより、不感時間の増加による検出感度のリニアリティーを損ねたり、散乱X線エネルギーと蛍光X線のエネルギーが重なる部分での影響が大きくなり精度よく測定できないという問題がある。また、SDDやSSDと試料の間にソーラースリットを設置することも可能であるが、対象化合物が低濃度である場合、試料と検出器間距離を短くする必要があり、設置不可能になることが多い。更に、試料の厚みや濃度が高い場合は、自己吸収の効果がでるため、精度の高い測定が困難である。これに対し、本発明では、試料の厚みを所定以下の薄片形状とし、かつ所定の表面粗さ以下に平滑化することで、特に蛍光法によるXAFSスペクトルの精度向上が可能となり、それにより、硫黄含有高分子材料中の硫黄の化学状態について、精度の高い情報が得られるものである。
本発明の方法に供される硫黄含有高分子材料は、厚みが100μm以下、表面粗さが50μm以下である。
通常、ゴムなどの高分子複合材料を測定する場合、カッターなどでサンプリングして測定されることが多いが、測定面が荒れ、散乱X線が増加するため、精度の高いデータを得ることが困難である。本発明では、ミクロトーム、集束イオンビームなどでサンプリングし、試料の表面粗さを50μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは20μm以下にすることにより、表面凹凸から生じる散乱X線を抑制することで、精度を上げることができる。同時に、試料の厚みを100μm以下、好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下にして薄片を作製することにより、X線の自己吸収を抑制し、精度を向上できる。なお、本発明において、厚みは、電子顕微鏡で測定できる。表面粗さ(Ra)は、JIS B0601:2001の附属書1(参考)に準拠した十点平均粗さである。
硫黄含有高分子材料としては、硫黄を含む高分子材料であれば特に限定されず、例えば、従来公知の硫黄含有ゴム組成物を使用でき、例えば、硫黄加硫剤等の硫黄含有化合物、ゴム成分、他の配合材料を含むゴム組成物などが挙げられる。
硫黄含有化合物としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄加硫剤等が挙げられる。
ゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)などのジエン系ゴムなどが挙げられる。また、ゴム成分は、水酸基、アミノ基などの変性基を1つ以上含むものでもよい。
更にゴム成分としては、前記ゴム成分と1種類以上の樹脂とが複合された複合材料も使用できる。上記樹脂としては特に限定されず、例えば、ゴム工業分野で汎用されているものが挙げられ、例えば、C5系脂肪族石油樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂などの石油樹脂が挙げられる。
硫黄含有高分子材料には、カーボンブラック、シリカなどの充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、オイル、硫黄以外の加硫剤、加硫促進剤等、従来公知のゴム分野の配合物を適宜配合してもよい。このようなゴム材料(ゴム組成物)は、公知の混練方法などを用いて製造できる。このようなゴム材料としては、例えば、タイヤ用ゴム材料(タイヤ用ゴム組成物)などが挙げられる。
本発明は、所定の厚み、表面粗さを有する前記硫黄含有高分子材料に、X線を照射し、X線のエネルギーを変えながらX線吸収量を測定することで、硫黄の化学状態を調べる方法であり、例えば、XAFS(X−ray Absorption Fine Structure:吸収端近傍X線吸収微細構造)測定の実施により、X線吸収量を測定できる。
XAFSは、一般的に、吸収端(吸収が立ち上がるエネルギー)から50eV位までのピークが出現する領域をXANES(X−ray Absorption Near Edge Structure)領域、それよりも高エネルギーの緩やかな振動成分が出現する領域をEXAFS(Extended X−ray Absorption Fine Structure)領域と呼ぶ。
XANES領域は、試料に狙った原子の吸収端近傍のX線を照射した際、内殻準位にいた電子が励起状態に遷移するため、狙った原子がどのような原子と結合しているか(化学状態)がわかる。一方、EXAFS領域は、内殻電子が原子核の束縛を離れ、光電子として飛び出す。その際、光電子は波として表わされるため、近くに他の原子がいる場合には、波が干渉して返ってくる。そのため、中心原子の周囲の原子数、原子種、原子間距離等の情報が得られる。一般にXANES領域では、各結合に対応するピークを分離することで、測定した物質において、どの結合がどの程度かを知ることができる。なお、本発明は、XANES領域、EXAFS領域共に有効である。
XAFS法は、X線エネルギーで走査するため光源には連続X線発生装置が必要であり、詳細な化学状態を解析するには高いS/N比及びS/B比のX線吸収スペクトルを測定する必要がある。そのため、シンクロトロンから放射されるX線は、少なくとも1010(photons/s/mrad/mm/0.1%bw)以上の輝度を有し、且つ連続X線源であるため、XAFS測定には最適である。尚、bwはシンクロトロンから放射されるX線のband widthを示す。
上記X線の輝度(photons/s/mrad/mm/0.1%bw)は、好ましくは1010以上、より好ましくは1011以上である。上限は特に限定されないが、放射線ダメージがない程度以下のX線強度を用いることが好ましい。
また、上記X線の光子数(photons/s)は、好ましくは10以上、より好ましくは10以上である。上限は特に限定されないが、放射線ダメージがない程度以下のX線強度を用いることが好ましい。
上記X線を用いて走査するエネルギー範囲としては、(1)2300〜4000eV、(2)100〜280eVの範囲が好適である。上記範囲を走査することで、それぞれ、硫黄K殻吸収端付近、硫黄L殻吸収端付近の硫黄のX線吸収量を測定でき、材料中の硫黄の化学状態の情報が得られる。(1)の範囲の場合、より好ましくは2350〜3500eVであり、(2)の範囲の場合、より好ましくは150〜260eVである。
前記のとおり、所定厚み、表面粗さを有する硫黄含有高分子材料のX線吸収スペクトル測定を実施することで、材料中の硫黄の正確な化学状態を解析できるものであるが、以下、更に具体的に説明する。
図1は、ミクロトームを用いてサンプリングした表面粗さ50μm以下で、厚み1mm、150μm、又は80μmの各イオウ架橋高分子材料について、XAFS法により、上記X線のエネルギーを2360〜3500eVの範囲において硫黄原子のK殻吸収端付近の必要な範囲を走査し、得られたX線吸収スペクトルの一部を示している。図1から、試料厚みを100μm以下、すなわち、80μmに薄片化した試料では、スペクトル形状(特に2472ev付近)がシャープで化学状態解析を精度良く行えるのに対し、150μmや1mmの試料では、形状がブロードで精度が低くなることが判る。
図2左図は、カッターでサンプリングした表面粗さ50μm超、厚み80μmのイオウ架橋高分子材料について、各入射X線エネルギーに対する蛍光X線エネルギーを二次元マップ化したものを示している。2300eV付近のピークは、硫黄のKα線である。一方、2460eV付近のピークは、入射X線が試料表面で散乱され検出器に入ったピークであり、入射X線エネルギーが変わるとピーク位置がシフトしていること分かる。図2右図は、図2左図の点線部分の蛍光X線のプロファイルを取り出したものである。ここから分かるように、試料の表面粗さが50μmを超えると、散乱X線が多くなり、硫黄Kα線のピークに重なるため、XAFSスペクトルの精度を低下させる。
一方、図3(左図、右図)は、ミクロトームでサンプリングした表面粗さ50μm以下、厚み80μmのイオウ架橋させた高分子材料について同様の図を示したものである。図から分かるように、試料の表面粗さを50μm以下に調整すると、散乱X線が抑制され、高精度のXAFSスペクトルが得ることが可能となる。
以上のとおり、本発明の方法を採用することにより、高分子複合材料中の硫黄化合物の化学状態に関する情報を精度良く得ることが可能となる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
<実施例及び比較例>
(ゴム材料)
以下の配合内容に従い、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を充填率が58%になるように(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーに充填し、80rpmで140℃に到達するまで混練した(工程1)。工程1で得られた混練物に、硫黄及び加硫促進剤を以下の配合にて添加し、160℃で20分間加硫することでゴム材料を得た(工程2)。
(配合)
天然ゴム50質量部、ブタジエンゴム50質量部、カーボンブラック60質量部、オイル5質量部、老化防止剤2質量部、ワックス2.5質量部、酸化亜鉛3質量部、ステアリン酸2質量部、粉末硫黄1.2質量部、及び加硫促進剤1質量部。
なお、使用材料は以下のとおりである。
天然ゴム:TSR20
ブタジエンゴム:宇部興産(株)製BR150B
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN351
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
ステアリン酸:日油(株)製の椿
粉末硫黄(5%オイル含有):鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉末硫黄(オイル分5質量%含む可溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
作製したゴム材料について、硫黄K殻吸収端近傍におけるXAFS測定を実施してXAFSスペクトルを得た。なお、ゴム材料のサンプリングは、以下のいずれかの方法を用いて試料を作製した。
(1)カッターを用いてゴム材料のサンプリングを行った。
(2)クライオミクロトームを用いてゴム材料からサンプリングを行った。なお、試料厚み1mm、150μm、80μmの各サンプルを準備した。
<XAFS測定>
各試料について、XAFSを使用して、X線吸収スペクトルを得た。
(使用装置)
XAFS:SPring−8 BL27SUのBブランチのXAFS測定装置
(測定条件)
輝度:1×1016photons/s/mrad/mm/0.1%bw
光子数:5×1010photons/s
分光器:結晶分光器
検出器:SDD(シリコンドリフト検出器)
測定法:蛍光法
エネルギー範囲:2360〜3500eV
図1に示されているように、表面粗さ50μm以下で、厚み1mm、150μm、又は80μmの各サンプルの硫黄K殻XAFSスペクトルを対比すると、厚み80μmの場合、スペクトルがシャープで、精度が高められた。また、図2(左図、右図)の表面粗さが50μmを超えるサンプル、図3(左図、右図)の表面粗さが50μm以下の場合の結果から、表面粗さ50μm以下に調整することで、同様に精度が高められた。従って、所定の厚み、表面粗さを持つ硫黄含有高分子材料のX線吸収量を測定することで、硫黄の化学状態を精度良く測定でき、本発明の評価法の有効性が立証された。

Claims (4)

  1. 厚み100μm以下、表面粗さ50μm以下の硫黄含有高分子材料に、X線を照射し、X線のエネルギーを変えながらX線吸収量を測定することにより、硫黄の化学状態を調べる方法。
  2. X線吸収量が蛍光X線を用いて測定される請求項1記載の硫黄の化学状態を調べる方法。
  3. X線を用いて走査するエネルギー範囲を2300〜4000eV及び/又は100〜280eVとすることで、硫黄K殻吸収端付近及び/又は硫黄L殻吸収端付近の硫黄のX線吸収量を測定する請求項1又は2記載の硫黄の化学状態を調べる方法。
  4. X線は、光子数が10photons/s以上、輝度が1010photons/s/mrad/mm/0.1%bw以上である請求項1〜3のいずれかに記載の硫黄の化学状態を調べる方法。
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