JP6822160B2 - 高分子複合材料のシート切れ評価方法 - Google Patents

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本発明は、高分子複合材料のシート切れ評価方法に関する。
ゴム材料のような高分子複合材料は、通常、バンバリーミキサー等の混練機で、ポリマー、フィラー、オイルやその他の薬品が混練された後、カレンダーロール等でシート状に押出成形されてから、次の工程に移されるが、押出成形時にシート切れが発生すると、次の工程へ移すことが難しくなる。そのため、シート切れの発生を抑制する手法が種々検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−89031号公報
一般的に、シート切れは、目視や引裂試験等によって評価されるが、これらの手法では、シート切れが生じた原因を判断することはできない。また、シート切れが生じにくい高分子複合材料となり得る指標(条件)は不明である。そのため、工場の実機で実際にロール成形するまで、シール切れの発生しやすさを正確に評価することは困難であった。
本発明は、前記課題を解決し、実験室レベルで、高分子複合材料のシート切れの発生しやすさを正確に評価することが可能な評価方法を提供することを目的とする。
ロール成形後の高分子複合材料において、高分子は、シートの押出方向に配向していると想像されがちであるが、本発明者らの検討の結果、シート切れが多数発生した高分子複合材料では、シート切れの方向への高分子の配向度が高いことが判明した。そして、本発明者らの更なる検討の結果、ロール成形後の高分子複合材料における高分子の配向度を、シート切れの発生しやすさの指標として用いることで、実験室レベルであっても、シート切れの発生しやすさを正確に評価することが可能となることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ロール成形後の高分子複合材料における高分子の配向度に基づき、シート切れの発生のしやすさを評価する高分子複合材料のシート切れ評価方法に関する。
本発明では、高分子複合材料に高輝度X線を照射し、X線エネルギーを変えながら測定されるX線吸収量に基づいて高分子の配向度を算出することが好ましい。
本発明では、高輝度X線を260〜400eVのエネルギー範囲で走査することによって得られる炭素核のK殻吸収端のX線吸収スペクトルを、試料の角度又はX線の偏光の角度を一定間隔で変えて測定し、得られた各角度のX線吸収スペクトルを、下記式(1)に基づいて規格化した後、波形分離を行って高分子の主鎖に対応するピークの面積又は強度を算出し、得られたピーク面積又はピーク強度を下記式(2)に基づいて規格化した後、θiに対してA(θi)をプロットし、得られたグラフにおいて、下記式(3)に基づいてフィッティングを行った後、下記式(4)及び下記式(5)に基づいて高分子の配向度を算出し、下記式(6)に基づいてシート切れの方向への高分子の配向度を算出することが好ましい。
Figure 0006822160
α:各角度の規格化定数
Figure 0006822160
θi:各角度
a(θi):各角度のピーク面積又はピーク強度
A(θi):規格化後の各角度のピーク面積又はピーク強度
Figure 0006822160
b、c、d:任意の定数
Figure 0006822160
Figure 0006822160
Figure 0006822160
高分子複合材料がジエン系ゴムを含むゴム材料であることが好ましい。
本発明はまた、シート切れの方向への高分子の配向度が25%以下である高分子複合材料に関する。
本発明によれば、ロール成形後の高分子複合材料における高分子の配向度に基づき、シート切れの発生のしやすさを評価する高分子複合材料のシート切れ評価方法であるので、実験室レベルで、高分子複合材料のシート切れを正確に評価することができる。
高輝度X線の偏光と試料の角度との関係を説明する図である。 図1の状態で測定される炭素K殻吸収端付近のX線吸収スペクトルを示すグラフである。 式(3)に基づくフィッティングのイメージ図である。 平均配向度、周方向の配向度、軸方向の配向度、及び配向角の関係を示す図である。 シートの押出方向とシート切れの方向との関係を示す図である。
本発明は、ロール成形後の高分子複合材料における高分子の配向度に基づき、シート切れの発生のしやすさを評価する高分子複合材料のシート切れ評価方法である。
本発明では、高分子の配向度を指標として用いることで、実験室レベルであっても、シート切れの発生しやすさを正確に評価することができる。これにより、工場での工程問題を未然に防ぐことができる。
また、高分子の配向度をシート切れの発生しやすさの指標として用いることで、シート切れが発生しにくい高分子複合材料の設計指針が明確となる。これにより、例えば、ポリマーの種類や、ポリマーとフィラーとの結合状態を調整し、シート切れの方向への高分子の配向度を低下させることで、シート切れが生じにくい高分子複合材料を得ることが可能となる。
本発明において、ロール成形の手法としては特に限定されず、カレンダーロール、オープンロール等の公知のロール混練機を用いて成形すればよい。
本発明において、高分子の配向度は、高分子複合材料に高輝度X線を照射し、X線エネルギーを変えながら測定されるX線吸収量に基づいて算出することが好ましい。X線吸収量の測定には、高輝度X線を用いて着目している特定元素の吸収端付近のX線吸収スペクトルを測定する(NEXAFS(吸収端近傍X線吸収微細構造):Near Edge X−ray Absorption Fine Structure)手法を採用できる。NEXAFS法は、検出深度が浅いため、カーボンブラックなどの影響を受けることなく、高分子複合材料中の高分子のみの配向度を測定することが可能となる。
NEXAFS法は、X線エネルギーで走査するため光源には連続X線発生装置が必要であり、詳細な化学状態を解析するには高いS/N比及びS/B比のX線吸収スペクトルを測定する必要がある。そのため、シンクロトロンから放射されるX線は、少なくとも1010(photons/s/mrad/mm/0.1%bw)以上の輝度を有し、且つ連続X線源であるため、NEXAFS測定には最適である。尚、bwはシンクロトロンから放射されるX線のband widthを示す。
上記高輝度X線の輝度(photons/s/mrad/mm/0.1%bw)は、好ましくは1010以上、より好ましくは1012以上であり、上限は特に限定されない。また、上記高輝度X線の光子数(photons/s)は、好ましくは10以上、より好ましくは10以上であり、上限は特に限定されない。更に、上記高輝度X線を用いて走査するエネルギー範囲は、好ましくは4000eV以下、より好ましくは1500eV以下、更に好ましくは1000eV以下であり、下限は特に限定されない。
NEXAFSの測定方法には、透過法、蛍光法、電子収量法の3つの方法が代表的に用いられ、例えば、特開2012−141278号公報記載の方法を適用できる。本発明の実施例では、電子収量法を用いて実施したが、これに限定されるものではなく、様々な検出方法を用いてもよく、組み合わせて同時計測してもよい。
上記の電子収量法を用いて高分子複合材料のX線吸収スペクトル測定を行い解析することで、高分子複合材料中の高分子の配向度を算出できる。
シート切れの方向への高分子の配向度は、例えば、以下の方法で算出できる。
(i)高輝度X線を260〜400eVのエネルギー範囲で走査することによって得られる炭素核のK殻吸収端のX線吸収スペクトルを、試料の角度又はX線の偏光の角度を一定間隔で変えて測定し、
(ii)得られた各角度のX線吸収スペクトルを、下記式(1)に基づいて規格化した後、波形分離を行って高分子の主鎖に対応するピークの面積又は強度を算出し、
(iii)得られたピーク面積又はピーク強度を下記式(2)に基づいて規格化した後、θiに対してA(θi)をプロットし、
(iv)得られたグラフにおいて、下記式(3)に基づいてフィッティングを行った後、下記式(4)及び下記式(5)に基づいて高分子の配向度を算出し、
(v)下記式(6)に基づいてシート切れの方向への高分子の配向度を算出する。
Figure 0006822160
α:各角度の規格化定数
Figure 0006822160
θi:各角度
a(θi):各角度のピーク面積又はピーク強度
A(θi):規格化後の各角度のピーク面積又はピーク強度
Figure 0006822160
b、c、d:任意の定数
Figure 0006822160
Figure 0006822160
Figure 0006822160
高分子の主鎖に対応するピークとしては、例えば、C=C結合に対応する285eV付近のπ遷移に帰属されるピークが挙げられる。このピークに基づいて解析することで、ゴム分子など、C=C結合を有する高分子の配向度を算出することが可能となる。
ここで、上記方法において、上記高輝度X線のエネルギーを260〜350eVの範囲にすることが好ましい。なお、上記方法では、上記式(1)の操作を行う前に、吸収端前のスロープから評価してバックグランドを引くことが行われる。
上記方法において、上記式(1)におけるX線吸収スペクトルの全面積は、測定範囲内のスペクトルを積分したものであり、測定条件などによってエネルギー範囲を変えることができる。
図1は、高輝度X線の偏光と試料の角度との関係を説明する図であり、図2は、図1の状態で測定される炭素K殻吸収端付近のX線吸収スペクトルを示すグラフである。図1に示すように、高分子が一定の方向に配向した試料に高輝度X線を照射する場合、高輝度X線の偏光の方向と、高分子の主鎖中のC=Cの方向とが揃っている状態(図1の左側の状態)では、主鎖中のC=Cを検出できるが、試料を回転させ、各方向が揃っていない状態(図1の右側の状態)では、主鎖中のC=Cを充分に検出することができない。そのため、図2に示すように、試料の回転後に測定されるX線吸収スペクトルは、回転前と比較して、C=Cのπのピーク強度が小さくなる。この関係を利用して、X線吸収スペクトルのピーク強度から、高分子の配向度を判断することができる。
なお、高分子の主鎖中の結合でシャープなピークであれば、C=Cのπのピーク以外のピークを使用してもよい。C−Cのσのピークを使用することも原理的には可能であるが、図2に示すように、このピークはブロードであるため、本発明には不向きである。
高輝度X線は、通常、図1に示したような水平偏光であるが、偏光可変アンジュレータを用いることで、偏光方向(偏光の角度)を変えることができる。
以下、シート切れの方向への高分子の配向度を算出する手順の一例をより詳細に説明する。
なお、X線吸収量は超真空中で測定するため、未加硫ゴム組成物などの成形前の試料を測定する場合、ガスが発生しなくなるまで真空引きを行ってから、以下の操作を行う。
まず、基準とする方向を定め、その軸方向と高輝度X線の偏光方向とが0°になるようにセットする。そして、260〜400eV(好ましくは260〜350eV)のエネルギー範囲において、炭素核のK殻吸収端の必要な範囲で高輝度X線を走査し、X線吸収スペクトルを得る。この操作を、試料の角度又はX線の偏光の角度を変えて複数回実施する。
以下の説明では、試料の角度を0°、30°、60°、90°にして測定した場合(i=4の場合)を例として説明するが、測定する角度や測定回数はこれに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
光源からの試料の距離などの微妙な変化がX線吸収スペクトルの大きさに影響を与えるため、NEXAFS法は絶対値測定が困難で、炭素原子のK殻吸収端のNEXAFS測定結果を試料間で単純に比較できない。そこで、上記式(1)を用いて、炭素原子のK殻吸収端のピーク面積が1となるように規格化する。具体的には、先ず、規格化前のX線吸収スペクトルについて式(1)をもとに規格化定数αを算出し、次いで規格化前のX線吸収スペクトルにαを乗じたスペクトルに補正(規格化)することで、各試料間のピークを直接比較できる。この操作を、各角度(0°、30°、60°、90°)のX線吸収スペクトルに対して実施する。
次に、規格化後のX線吸収スペクトルを波形分離して、高分子の主鎖に対応するピークであるC=Cのπのピークの面積又は強度を算出する。この操作を、各角度のX線吸収スペクトルに対して実施してから、上記式(2)を用いて、各角度のピーク面積又はピーク強度a(θi)を規格化する。今回の例では、式(2)は以下のようになる。この式に基づき、規格化後の各角度のピーク面積又はピーク強度A(θi)を算出する。
Figure 0006822160
次に、図3のように、角度θiに対してA(θi)をプロットし、得られたグラフにおいて、式(3)に基づいてフィッティングを行った後、式(4)及び式(5)に基づいて高分子の配向度(平均配向度)を算出する。配向度の値が小さいほど、高分子が配向していないことを示す。
また、式(3)中の「θi+d」は、高分子の配向角(平均配向角)を示す。
上記で得られた配向度(平均配向度)は、図4に示されているように、周方向の配向度と、軸方向の配向度とに分離することができる。
シート切れは、通常、シートの押出方向と直交する方向に発生する(図5参照)。そして、シート切れの方向は、タイヤの軸方向と一致する。よって、高分子の配向度(平均配向度)及び配向角(平均配向角)から、式(6)を用いて、シート切れの方向への高分子の配向度(軸方向の配向度)を算出することができる。
以上の手順により、高分子複合材料中の高分子のシート切れの方向への配向度を算出することができる。
そして、算出したシート切れの方向への配向度を指標として用いることで、シート切れの発生しやすさを正確に評価することができる。さらに、ポリマーの種類や、ポリマーとフィラーとの結合状態を調整する等の手法により、シート切れの方向への高分子の配向度を、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下まで低下させることで、シート切れが特に発生しにくい高分子複合材料が得られる。
本発明に適用できる高分子複合材料としては特に限定されず、従来公知のものが挙げられるが、例えば、1種類以上のジエン系ゴムを含むゴム材料、該ゴム材料と1種類以上の樹脂とが複合された複合材料を好適に使用できる。上記ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)などの二重結合を有するポリマーが挙げられる。
上記樹脂としては特に限定されず、例えば、ゴム工業分野で汎用されているものが挙げられ、例えば、C5系脂肪族石油樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂などの石油樹脂が挙げられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
<試料の作製>
表1に記載する配合内容に従い、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を、充填率が58%になるように(株)神戸製鋼製の1.7Lバンバリーに充填し、80rpmで140℃に到達するまで混練し、混練物(試料1〜3)を得た。
Figure 0006822160
(使用薬品)
天然ゴム(NR):TSR20
ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のBR150B
スチレンブタジエンゴム(SBR):日本ゼオン(株)製のNipol1502
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN351(NSA:71m/g)
シリカ:Degussa社製のUltrasil VN3
シランカップリング剤:Degussa社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
ステアリン酸:日油(株)製の椿
硫黄:鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉末硫黄(オイル分5質量%含む可溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
<実施例>
カレンダーロールで各試料をシート状に押出成形(ロール成形)した後、NEXAFS手法を用いて、下記条件により、各試料のX線吸収スペクトルを測定し、上述の式(1)〜(6)を用いて、各試料中の高分子の、シート切れの方向への配向度を算出した。測定は、試料毎に3箇所ずつ行い、その平均値を表2に示した。
(使用装置、測定条件)
NEXAFS:佐賀県立九州シンクロトロン光研究センターのBL12ビームライン付属のNEXAFS測定装置
輝度:5×1012(photons/s/mrad/mm/0.1%bw)
光子数:2×10(photons/s)
測定した光子エネルギー領域:275〜320eV
<比較例>
カレンダーロールで各試料をシート状に押出する際のシート切れの発生状態を目視で観察し、発生回数をカウントした。5以上であれば工程上問題となるレベルである。
Figure 0006822160
表2で示されているように、実施例で算出したシート切れの方向への配向度が小さいほど、比較例でカウントしたシート切れの発生数が少なくなる傾向があった。この結果から、シート切れの方向への配向度と、シート切れの発生のしやすさとに相関関係があることが確認できた。
また、シート切れの方向への配向度が25%以下の試料1、2では、シート切れの発生数が少なく、20%以下の試料1では、シート切れが全く発生しなかった。

Claims (2)

  1. ロール成形後の高分子複合材料における高分子の配向度に基づき、シート切れの発生のしやすさを評価する高分子複合材料のシート切れ評価方法であって、
    高輝度X線を260〜400eVのエネルギー範囲で走査することによって得られる炭素核のK殻吸収端のX線吸収スペクトルを、試料の角度又はX線の偏光の角度を一定間隔で変えて測定し、
    得られた各角度のX線吸収スペクトルを、下記式(1)に基づいて規格化した後、波形分離を行って高分子の主鎖に対応するピークの面積又は強度を算出し、
    得られたピーク面積又はピーク強度を下記式(2)に基づいて規格化した後、θiに対してA(θi)をプロットし、
    得られたグラフにおいて、下記式(3)に基づいてフィッティングを行った後、下記式(4)及び下記式(5)に基づいて高分子の配向度を算出し、
    下記式(6)に基づいてシート切れの方向への高分子の配向度を算出する高分子複合材料のシート切れ評価方法
    Figure 0006822160
    α:各角度の規格化定数
    Figure 0006822160
    θi:各角度
    a(θi):各角度のピーク面積又はピーク強度
    A(θi):規格化後の各角度のピーク面積又はピーク強度
    Figure 0006822160
    b、c、d:任意の定数
    Figure 0006822160
    Figure 0006822160
    Figure 0006822160
  2. 高分子複合材料がジエン系ゴムを含むゴム材料である請求項1記載の高分子複合材料のシート切れ評価方法。
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