JP6645727B2 - 偏光性積層フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基材フィルム上に偏光子層を備える偏光性積層フィルムの製造方法に関する。
偏光板は、液晶表示装置を代表とする画像表示装置等に広く用いられている。偏光板としては、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子層の片面又は両面に保護フィルムを貼合した構成のものが一般的である。近年、画像表示装置のモバイル機器や薄型テレビ等への展開に伴い、偏光板、ひいては偏光子層の薄膜化が益々求められている。
薄膜の偏光子層を備える偏光板の製造方法としては、次の方法が公知である(例えば、特許文献1〜6)。
1)基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液をコーティングすることによってポリビニルアルコール系樹脂層を形成した積層フィルムを延伸した後、ポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着させる染色処理を施して、基材フィルム上に偏光子層が形成された偏光性積層フィルムを製造し、これを偏光板とする方法(この場合、延伸された基材フィルムが保護フィルムとなる。)、
2)上記偏光性積層フィルムの偏光子層における基材フィルムとは反対側の面に第1保護フィルムを貼合する方法、あるいはさらに基材フィルムを剥離除去した後、その剥離面に第2保護フィルムを貼合する方法。
上記1)及び2)の方法によれば、コーティングによってポリビニルアルコール系樹脂層を形成するので、ポリビニルアルコール系樹脂からなる単層(単体)フィルムの薄膜化に比べて、ポリビニルアルコール系樹脂層の薄膜化が容易であり、従って偏光子層の薄膜化も容易となる。また、薄膜のポリビニルアルコール系樹脂層及び偏光子層は、製造工程中、常にいずれかのフィルムで支持されているので、製造工程中のフィルムの取扱性にも優れている。
特許第4691205号明細書 特許第4751481号明細書 特許第4804589号明細書 特許第4804588号明細書 特許第4815544号明細書 特許第4979833号明細書
偏光板(偏光子層)に良好な偏光特性を付与するためには、ポリビニルアルコール系樹脂層を十分な倍率で延伸して偏光子層に十分な配向性を持たせるとともに、このような配向性の高められた偏光子層に十分な量の二色性色素が吸着された状態を実現することが求められる。
単に延伸倍率を高めるだけであれば、上記1)に示される染色処理前の延伸工程で、最終的に所望される倍率まで高倍率延伸を行えばよいのであるが、この場合、ポリビニルアルコール系樹脂層の結晶化度や密度が高くなりすぎて、二色性色素の染色性(ポリビニルアルコール系樹脂層への二色性色素の吸着性)が低下し、染色速度が小さくなってしまう。
かかる問題は、特許文献1〜6が教示する手法によって解消し得る。当該手法は、染色処理前の延伸工程で最終的に所望される倍率まで延伸を行うのではなく、延伸処理を2段に分け、染色処理前における1段目の延伸処理では最終的な延伸倍率より低い倍率で延伸を行い、染色処理後に2段目の延伸処理を行って最終的な延伸倍率に到達させるというものである。この手法によれば、染色処理前の延伸工程における延伸倍率を低めに抑えることができるので、染色処理に付されるポリビニルアルコール系樹脂層の結晶化度や密度が高くなりすぎることを抑制することができる。
しかしながら、さらに後で詳述するように、特許文献1〜6に記載の方法は、非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる基材フィルムを用いたり(特許文献1〜4)、結晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる基材フィルムを用いるものの、これが非晶状態を維持する温度条件で偏光板製造工程を実施したりする(特許文献5及び6)ために、1段目の延伸処理によるポリビニルアルコール系樹脂層の結晶化度が不足してしまい、染色工程において処理浴に浸漬したときにポリビニルアルコール系樹脂が溶出するという新たな問題を招来する。特許文献1〜6においては、いずれも、このようなポリビニルアルコール系樹脂の溶出を防止するために1つ以上の低温のホウ酸架橋処理槽を別途設けて、不溶化処理を実施している。しかしながら、このような槽をいくつも設けることは製造プロセスが煩雑になる問題がある。また、二色性色素やヨウ化カリウム等の染色薬剤での染色を実施する前にホウ酸架橋による架橋処理を実施してしまうと、ポリビニルアルコール系樹脂の溶出を防止できる一方で、二色性色素やヨウ化カリウム等の薬剤の浸透性も非常に悪くなり、生産性が低下する不具合も生じる。
そこで本発明は、基材フィルム上に偏光子層を備える偏光性積層フィルムの製造方法であって、染色工程においてポリビニルアルコール系樹脂の溶出を抑制しながら染色性良く二色性色素を吸着させることができ、偏光特性に優れた偏光性積層フィルムを得ることができる方法の提供を目的とする。
本発明は、以下に示す偏光性積層フィルムの製造方法を提供する。
[1]結晶性樹脂で構成され、折り畳み型結晶構造部を含有する基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程と、
前記積層フィルムを120℃以上の温度で乾式延伸して延伸フィルムを得る第1延伸工程と、
前記延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色して偏光子層を形成することにより偏光性積層フィルムを得る染色工程と、
を含み、
前記染色工程は、延伸フィルムを1.5倍以上の倍率で湿式延伸する第2延伸工程を含む、偏光性積層フィルムの製造方法。
[2]前記染色工程は、
二色性色素を含有する液に延伸フィルムを浸漬する色素吸着工程と、
架橋剤を含有する液に色素吸着工程後の延伸フィルムを浸漬する色素固定化工程と、
を含み、
二色性色素を含有する液及び/又は架橋剤を含有する液に浸漬しながら前記第2延伸工程を実施する、[1]に記載の製造方法。
[3]前記結晶性樹脂は、鎖状ポリオレフィン系樹脂又はポリアミド系樹脂である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記基材フィルムは、結晶化度が20〜90%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記第1延伸工程において前記積層フィルムに対してなされる延伸の倍率が、1.5倍以上3倍未満である、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記積層フィルムに対してなされる延伸の総延伸倍率が4倍以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、染色工程においてポリビニルアルコール系樹脂の溶出を抑制しながら染色性良く二色性色素を吸着させることができ、偏光特性に優れた偏光性積層フィルムを得ることができる製造方法を提供できる。本発明に係る偏光性積層フィルムの製造方法は、生産性にも優れている。
本発明に係る偏光性積層フィルムの製造方法を示すフローチャートである。 折り畳み型結晶構造部の高分子鎖構造を示す概略図である。 繊維状結晶構造部の高分子鎖構造を示す概略図である。 非晶性樹脂の高分子鎖構造を示す概略図である。 樹脂層形成工程で得られる積層フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 第1延伸工程で得られる延伸フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 染色工程で得られる偏光性積層フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 第1貼合工程で得られる多層フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 剥離工程で得られる片面保護フィルム付偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。 第2貼合工程で得られる両面保護フィルム付偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。
<偏光性積層フィルムの製造方法>
(1)偏光性積層フィルムの製造方法の概要
図1に示されるとおり、本発明に係る偏光性積層フィルムの製造方法は、下記工程:
結晶性樹脂で構成され、折り畳み型結晶構造部を含有する基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程S10、
積層フィルムを120℃以上の温度で乾式延伸して延伸フィルムを得る第1延伸工程S20、及び
延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色して偏光子層を形成することにより偏光性積層フィルムを得る染色工程S30
をこの順で含む。染色工程S30は、
延伸フィルムを1.5倍以上の倍率で湿式延伸する第2延伸工程S40
を含んでいる。すなわち、本発明に係る偏光性積層フィルムの製造方法は、乾式延伸(空中延伸)を行う第1延伸工程S20と湿式延伸を行う第2延伸工程S40の少なくとも2段の延伸処理を含むものである。
ここでまず、従来の問題点についてさらに詳細に説明すると、特許文献1〜4のように、ポリビニルアルコール系樹脂層を形成する基材フィルムとして非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなるフィルムを用い、延伸処理を2段に分けて偏光性積層フィルムを製造することは従来公知であった。ここでいう「非晶性樹脂」とは、結晶セグメント(結晶成分)を実質的に含有せず、実質的に非晶成分のみからなる樹脂をいう。非晶性樹脂の高分子鎖構造を概略図で図4に示す。
非晶性樹脂からなるフィルムは通常、ガラス転移温度(Tg)からそれよりやや高い温度までの範囲でしか延伸することができない。これは、Tgを境に物性が大きく変化し、Tg未満の温度ではフィルムの軟化が不十分で延伸困難であるとともに、Tgよりもあまりに高い温度では樹脂が溶融状態となって形状を維持することができなくなるためである。したがって、非晶性樹脂からなるフィルムを乾式延伸する場合、延伸温度範囲はかなり制約されることとなる。その場合の延伸温度の上限は、Tg+30℃ほどであるのが通常であるが、例えば、より高温の転移点(ガラス転移温度又は融点)を有する樹脂層を隣接させれば、Tg+30℃を超える領域でも延伸することが可能になる。ただし、この場合もあまりにTgより高い温度では基材フィルムとしての役割を果たせなくなり、破断などの不具合を生じやすい。また、延伸前の段階では非晶性であっても、延伸途中で配向結晶化するような樹脂を用いれば、Tg+30℃を超える温度での延伸が可能なこともある。しかし、このような樹脂を基材フィルムとする場合は、後述のように結晶部の伸び切り鎖の割合が増えてしまうためにその後の延伸性を悪くする不具合を生じやすい。
また、ポリビニルアルコール系樹脂層の染色工程で用いる処理浴中でさらに延伸を行う湿式延伸を採用する場合には、制約が一層大きくなる。すなわち通常、処理浴は水溶液であるため、突沸や蒸発の問題を考慮すると、処理浴は、高くても85℃程度までしか温度を上げることができず、湿式延伸で設定し得る最大延伸温度も同温度となる。よって、非晶性樹脂を基材フィルムとして湿式延伸する場合、そのTgはおよそ85℃以下である必要がある。このように、非晶性樹脂を基材フィルムとして乾式延伸及び湿式延伸の2段で延伸する場合、その非晶性樹脂として、Tgがかなり低いものを用いざるを得ない。
一方、ポリビニルアルコール系樹脂が熱処理(アニール)によって結晶化し始める温度は通常、100℃以上であることが知られており、特に短時間で結晶化させるためには120℃以上の熱を加えることが効果的である。しかしながら、非晶性樹脂からなるフィルムを乾式延伸及び湿式延伸の2段で延伸する場合には、上述のように、非晶性樹脂のTgをかなり低くする必要があるところ、この場合、必然的に乾式延伸時の温度も低くせざるを得ないため、ポリビニルアルコール系樹脂を十分に結晶化させることができない。結晶化が不十分であると、ポリビニルアルコール系樹脂層の耐水性が不足するために、2段目の湿式延伸にて処理浴へ浸漬したときにポリビニルアルコール系樹脂の溶出が生じてしまう。
特許文献1〜4では、処理浴に浸漬する前に、ホウ酸架橋によりポリビニルアルコール系樹脂の不溶化を行うことも提案されているが、このような不溶化処理は、ポリビニルアルコール系樹脂層の表面架橋を優先的に進行させ、二色性色素の層内部への浸透を阻害するため、染色性を低下させる。
また、特許文献5及び6は、非晶性ではなく結晶性のポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる基材フィルムを用いながらも、これが非晶状態を維持する温度条件で延伸処理等を行う方法を開示する。しかしながらこの方法においても、延伸等による樹脂の結晶化を避けるためにかなり低い温度範囲で延伸処理を行う必要があり、同様に、ポリビニルアルコール系樹脂の溶出の問題を有している。この方法において延伸等による樹脂の結晶化を避ける必要があるのは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂がその性質上、延伸による配向結晶化を非常にしやすい材料であるためである。この配向結晶化においては、後述する図3に示される繊維構造と呼ばれる結晶構造を形成するため、高分子鎖は伸び切り鎖に近いコンフォメーションとなっている割合が高い。このため、例えば1段目の延伸によって配向結晶化が生じると、それ以上の延伸(すなわち、2段目の湿式延伸)が困難になる。
以上のような従来技術とは異なり、本発明では、基材フィルムが結晶性樹脂で構成される点では特許文献5及び6と同様であるが、その結晶セグメントが折り畳み型結晶構造である基材フィルムを用いる。本発明で用いる基材フィルムは、特許文献5及び6のように非晶状態ではなく、折り畳み型結晶構造部(折り畳み型結晶セグメント)を含む結晶化したフィルムである。
「結晶性樹脂」とは、常温常圧において結晶部分(結晶セグメント)を有することが可能な性質を持つ樹脂である。「折り畳み型結晶構造部」とは、図2に示されるように、結晶性樹脂を構成する高分子鎖が幾重にも折り畳まれた構造を有する結晶部分(結晶セグメント)である。同じ結晶性樹脂であっても、樹脂の種類や基材フィルムの成形条件によって、折り畳み型結晶構造部を含む基材フィルムを成形することもできるし、折り畳み型結晶構造部を含まない非晶状態の基材フィルムを成形することもできるし、基材フィルム成形時に強いせん断力を加えること等により、図3に示されるような、高分子鎖がほぼ伸び切った状態になっている繊維状の結晶構造部を有する基材フィルムを成形することもできる。
折り畳み型結晶構造部を含む基材フィルムは、折り畳み型結晶セグメントと非晶セグメントとを含む。これらのセグメントの含有比は、基材フィルムの成形条件によって制御することができ、当該含有比の調整によって基材フィルムの延伸性や剛性等を制御することができる。
折り畳み型結晶構造部を含む基材フィルムは、結晶セグメントの結晶融点(Tm)が高温であることが多く、かなり高い温度領域でもこの結晶セグメントによって基材フィルムの剛性を維持することができる。したがって当該基材フィルムは、結晶セグメントのTm程度の高温でも延伸可能である。例えば、ホモポリプロピレンにおける折り畳み型結晶セグメントのTmは160℃以上あり、160℃程度までは加熱しても剛性を維持するため、このような高温でも容易に延伸することが可能である。一方、非晶セグメントのTgは室温以下であることが多く、ごく低温においても変形させることが可能であり、100℃程度の低温でも均一に延伸することができる。
そして、折り畳み型結晶構造部を含む基材フィルムのさらなる特徴は、延伸処理を施したとき、折り畳み型結晶構造部がほどけていくことで、繊維状の結晶構造とは異なり、さらなる変形を許容するところにある。これにより、剛性のあるフィルム状態を保持可能である一方で、ひとたび延伸処理を施すと非常に優れた延伸性を示すのである。以上のとおり、折り畳み型結晶構造部を含む基材フィルムは、延伸可能な温度範囲が幅広く、かつ延伸性にも優れている。
乾式延伸を行う第1延伸工程S20と染色工程S30中に湿式延伸を行う第2延伸工程S40の少なくとも2段の延伸処理を含む偏光性積層フィルムの製造方法において、折り畳み型結晶構造部を含む基材フィルムを使用する本発明の製造方法によれば、第1延伸工程S20において、十分に高い温度、特に120℃以上の温度で延伸することができるため、短時間でかつ十分にポリビニルアルコール系樹脂を結晶化させることができる。これにより、処理浴に浸漬したときのポリビニルアルコール系樹脂の溶出を効果的に抑制することができるとともに、生産性を高めることができる。
さらに上述のように折り畳み型結晶セグメントは、それがほどけていくことにより容易に変形できることから、折り畳み型結晶セグメントを含有する基材フィルムは、第1延伸工程S20の後に実施される第2延伸工程S40においても延伸性に優れる。したがって、所望の総延伸倍率で延伸された偏光性積層フィルムを得るために、第1延伸工程S20において極端に延伸倍率を高くする必要がなく、当該延伸工程における延伸倍率を比較的低く設定することができる。これにより、染色工程S30に付される延伸フィルムの結晶化度が過度に高くなることを防止できるので、二色性色素の染色性(二色性色素の吸着量)及び染色速度を良好にすることができる。良好な染色速度は、偏光性積層フィルムの生産性を向上させる。本発明の製造方法によって得ることができる、十分な倍率で延伸され、十分な量の二色性色素が吸着された偏光子層を有する偏光性積層フィルムは、偏光特性に優れている。
以下、図5〜図7を参照しながら、本発明に係る偏光性積層フィルムの製造方法が備える各工程についてより詳細に説明する。
(2)樹脂層形成工程S10
図5を参照して本工程は、基材フィルム30の少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層6を形成して積層フィルム100を得る工程である。このポリビニルアルコール系樹脂層6は、延伸及び染色を経て偏光子層5(図7)となる層である。ポリビニルアルコール系樹脂層6は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を基材フィルム30の片面又は両面に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。このような塗工によりポリビニルアルコール系樹脂層6を形成する方法は、薄膜の偏光子層5を得やすい点で有利である。
上述のように基材フィルム30は折り畳み型結晶構造部を含むフィルムであり、このようなフィルムを形成し得る結晶性樹脂で構成される。かかる結晶性樹脂としては鎖状ポリオレフィン系樹脂を挙げることができ、鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体の他、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。また、ナイロンのようなポリアミド系樹脂を用いることもできる。基材フィルム30は2種以上の樹脂で構成されていてもよく、また樹脂層を複数積層した多層構造であってもよい。
基材フィルム30の結晶化度は、20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。結晶化度が低すぎる、すなわち折り畳み型結晶構造部が少なすぎると、結晶セグメントによる基材フィルム30の剛性の維持が不十分となり、延伸可能温度の上限が低下する。一方、結晶化度が高すぎると、基材フィルム30の表面が荒くなったり、延伸性が低下したりする。よって結晶化度は90%以下であることが好ましく、85%以下であることがより好ましい。結晶化度はさらに好ましくは、40〜80%である。
基材フィルム30の結晶化度は、フィルムの原料種や原料組成、成形条件等によって制御することができる。原料種としては、例えば結晶性樹脂の種類や立体規則性を挙げることができ、一般にあまりかさ高い官能基を持たない樹脂ほど結晶化度が高くなる傾向にある。また、アイソタクチックやシンジオタクチックのような立体規則性の高い樹脂ほど結晶化度が高くなる傾向にある。上記原料組成としては、造核剤の添加を挙げることができる。結晶の成長開始点となり得る造核剤を含有させてフィルム成形を行うことにより結晶化度を高めることができる。また、上記成形条件としては、溶融押出成形における溶融フィルムの冷却条件を挙げることができる。押出された溶融フィルムをあまり急激に冷却すると結晶成長する前にフィルムが固化するので非晶状態のフィルムとなってしまう。冷却速度が急激にならないように調整することで結晶成長を促し、結晶化度を高めることができる。
基材フィルム30の結晶化度は、X線解析により求めることができる。具体的には、ディフラクトメーターを用いてX線の広角散乱測定を実施し、得られた散乱強度プロファイルにおいて結晶セグメントのピークと非晶セグメントのピークを分離し、下記式:
結晶化度(%)=100×(結晶セグメントのピーク面積)/(結晶セグメントのピーク面積+非晶セグメントのピーク面積)
によって結晶化度(%)を求める。この測定方法に従う場合、基材フィルム30が多層構造のときでも、基材フィルム30全体としての結晶化度が求められる。
なお、X線による結晶化度の測定によっては、結晶構造部が折り畳み型構造であるか繊維構造であるかを区別することはできない。これらを区別するには、フィルムの位相差を測定することが有効である。繊維状の結晶構造部は、延伸やせん断によって生じるため、特定方向に著しく配向している。複屈折測定装置(王子計測機器(株)から販売されているKOBRA−WPR等)を用い、波長590nmでの単位厚みあたりの面内位相差値を測定したとき、これが3nm/μm以上であると特定方向への配向性が高いといえ、このようなフィルムの結晶セグメントは、繊維構造である可能性が高い。3nm/μm未満であれば折り畳み型構造であるといえる。
基材フィルム30の厚みは通常、強度や取扱性等の点から1〜500μmであり、好ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは5〜150μmである。
基材フィルム30に塗工する塗工液は、好ましくはポリビニルアルコール系樹脂の粉末を良溶媒(例えば水)に溶解させて得られるポリビニルアルコール系樹脂溶液である。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、80.0〜100.0モル%の範囲であることができるが、好ましくは90.0〜99.5モル%の範囲であり、より好ましくは94.0〜99.0モル%の範囲である。ケン化度が80.0モル%未満であると、偏光性積層フィルムの耐水性及び耐湿熱性が低下する。ケン化度が99.5モル%を超えるポリビニルアルコール系樹脂を使用した場合、二色性色素の染色速度が遅くなり、生産性が低下するとともに十分な偏光性能を有する偏光性積層フィルムが得られないことがある。
ケン化度とは、ポリビニルアルコール系樹脂の原料であるポリ酢酸ビニル系樹脂に含まれる酢酸基(アセトキシ基:−OCOCH3)がケン化工程により水酸基に変化した割合をユニット比(モル%)で表したものであり、下記式:
ケン化度(モル%)=100×(水酸基の数)÷(水酸基の数+酢酸基の数)
で定義される。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準拠して求めることができる。ケン化度が高いほど、水酸基の割合が高いことを示しており、従って結晶化を阻害する酢酸基の割合が低いことを示している。
ポリビニルアルコール系樹脂は、一部が変性されている変性ポリビニルアルコールであってもよい。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂をエチレン、プロピレン等のオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸;不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものが挙げられる。変性の割合は30モル%未満であることが好ましく、10%未満であることがより好ましい。30モル%を超える変性を行った場合には、二色性色素ふぁ吸着しにくくなり、十分な偏光性能を有する偏光性積層フィルムが得られにくい傾向がある。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは100〜10000であり、より好ましくは1500〜8000であり、さらに好ましくは2000〜5000である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度もJIS K 6726−1994に準拠して求めることができる。
上記塗工液を基材フィルム30に塗工する方法は、ワイヤーバーコーティング法;リバースコーティング、グラビアコーティングのようなロールコーティング法;ダイコート法;カンマコート法;リップコート法;スピンコーティング法;スクリーンコーティング法;ファウンテンコーティング法;ディッピング法;スプレー法等の方法から適宜選択することができる。
塗工層(乾燥前のポリビニルアルコール系樹脂層)の乾燥温度及び乾燥時間は塗工液に含まれる溶媒の種類に応じて設定される。乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。溶媒が水を含む場合、乾燥温度は80℃以上であることが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂層6は、基材フィルム30の一方の面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
積層フィルム100におけるポリビニルアルコール系樹脂層6の厚みは、好ましくは3〜30μmであり、より好ましくは5〜20μmである。この範囲内の厚みを有するポリビニルアルコール系樹脂層6であれば、後述する第1延伸工程S20、染色工程S30及び第2延伸工程S40を経て、二色性色素の染色性が良好で偏光性能に優れ、かつ十分に薄い(例えば厚み10μm以下の)偏光子層5を得ることができる。
塗工液の塗工に先立ち、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との密着性を向上させるために、少なくともポリビニルアルコール系樹脂層6が形成される側の基材フィルム30の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム(火炎)処理等を施してもよい。また同様の理由で、基材フィルム30上にプライマー層等を介してポリビニルアルコール系樹脂層6を形成してもよい。
プライマー層は、プライマー層形成用塗工液を基材フィルム30の表面に塗工した後、乾燥させることにより形成することができる。この塗工液は、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との両方にある程度強い密着力を発揮する成分を含み、通常は、このような密着力を付与する樹脂成分と溶媒とを含む。樹脂成分としては、好ましくは透明性、熱安定性、延伸性等に優れる熱可塑樹脂が用いられ、例えば(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。中でも、良好な密着力を与えるポリビニルアルコール系樹脂が好ましく用いられる。より好ましくは、ポリビニルアルコール樹脂である。溶媒としては通常、上記樹脂成分を溶解できる一般的な有機溶媒や水系溶媒が用いられるが、水を溶媒とする塗工液からプライマー層を形成することが好ましい。
プライマー層の強度を上げるために、プライマー層形成用塗工液に架橋剤を添加してもよい。架橋剤の具体例は、エポキシ系、イソシアネート系、ジアルデヒド系、金属系(例えば、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、有機金属化合物)、高分子系の架橋剤を含む。プライマー層を形成する樹脂成分としてポリビニルアルコール系樹脂を使用する場合は、ポリアミドエポキシ樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ジアルデヒド系架橋剤、金属キレート化合物系架橋剤等が好適に用いられる。
プライマー層の厚みは、0.05〜1μm程度であることが好ましく、0.1〜0.4μmであることがより好ましい。0.05μmより薄くなると、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との密着力向上の効果が小さい。
プライマー層形成用塗工液を基材フィルム30に塗工する方法は、ポリビニルアルコール系樹脂層形成用の塗工液と同様であることができる。プライマー層形成用塗工液からなる塗工層の乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。溶媒が水を含む場合、乾燥温度は80℃以上であることが好ましい。
(3)第1延伸工程S20
図6を参照して本工程は、積層フィルム100を乾式延伸(空中延伸)して、延伸された基材フィルム30’及びポリビニルアルコール系樹脂層6’からなる延伸フィルム200を得る工程である。延伸は通常、一軸延伸である。
乾式延伸の温度は、120℃以上であり、好ましくは160℃以下である。延伸温度が120℃以上であることにより、染色工程S30において処理浴に浸漬したときのポリビニルアルコール系樹脂の溶出を効果的に抑制することができる。また延伸温度が160℃以下であると、延伸フィルムの結晶化度が過度に高くなることを防止できるので、二色性色素の染色性及び染色速度を良好にすることができる。
乾式延伸の延伸倍率(積層フィルム100基準)は、好ましくは1.2倍以上3倍未満、より好ましくは1.5倍以上3倍未満である。延伸倍率があまりに小さいと、ポリビニルアルコール系樹脂の結晶化が不十分となり、溶出の問題が生じやすい。フィルムの延伸可能な倍率は、延伸時の温度に依存している。温度が高い方が延伸性は良くなり、延伸できる倍率は高くなる。このため、乾式延伸では120℃以上の高温にすることで5倍を超える領域まで延伸が可能である。ただし、折り畳み型結晶構造部をほどきながら延伸された樹脂フィルムは、そのほどけて配向したポリマー鎖部分が部分的に配向結晶化することで固定化されていくこととなる。このため、第1延伸工程S20で延伸倍率を上げれば上げるほど折り畳み型結晶構造部の割合が減り、配向結晶化部が増えていくこととなる。加えて、本発明における第2延伸工程S40では、高くともその延伸温度が85℃までに限られる。このため、1段目の乾式延伸での延伸倍率をあまり高くしてしまうと、すでに倍率が上がっていることに加えて、上述のように配向結晶化部の割合が多くなっていることなどにより、低温の第2延伸工程S40での延伸性は著しく悪くなってしまい、場合によっては第2延伸工程S40において積層フィルムが割れたり破断したりする等の不具合を生じることがある。また、乾式延伸での延伸倍率をあまり高くすると、ポリビニルアルコール系樹脂層の結晶化度及び配向性が高くなりすぎ、後の染色工程S30における二色性色素による染色性及び染色速度を低下させることがある。
乾式延伸は、積層フィルム100の長手方向(フィルム搬送方向)に延伸する縦延伸であることができるほか、フィルム幅方向に延伸する横延伸又は斜め延伸等であってもよい。縦延伸方式としては、ロールを用いて延伸するロール間延伸、圧縮延伸、チャック(クリップ)を用いた延伸等が挙げられ、横延伸方式としては、テンター法等が挙げられる。
乾式延伸における積層フィルム100の加熱方法としては、ゾーン加熱法(例えば、熱風を吹き込み所定の温度に調整した加熱炉のような延伸ゾーン内で加熱する方法。);ロールを用いて延伸する場合において、ロール自体を加熱する方法;ヒーター加熱法(赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーター等を積層フィルム100の上下に設置し輻射熱で加熱する方法)等がある。ロール間延伸方式においては、延伸温度の均一性の観点からゾーン加熱法が好ましい。
第1延伸工程S20に先立ち、積層フィルム100を予熱する予熱処理工程を設けてもよい。予熱方法としては乾式延伸処理における加熱方法と同様の方法を用いることができる。予熱温度は延伸温度の−50℃から±0℃の範囲であることが好ましく、延伸温度の−40℃から−10℃の範囲であることがより好ましい。
また延伸工程S20における延伸処理の後に、熱固定処理工程を設けてもよい。熱固定処理は、延伸フィルム200の端部をクリップにより把持した状態で緊張状態に維持しながら、ポリビニルアルコール系樹脂の結晶化温度以上で熱処理を行う処理である。この熱固定処理によってポリビニルアルコール系樹脂層6’の結晶化が促進される。熱固定処理の温度は、延伸温度の−0℃〜−80℃の範囲であることが好ましく、延伸温度の−0℃〜−50℃の範囲であることがより好ましい。
(4)染色工程S30及び第2延伸工程S40
図7を参照して本工程は、延伸フィルム200のポリビニルアルコール系樹脂層6’を二色性色素で染色してこれを吸着配向させ、偏光子層5とする工程である。本工程を経て基材フィルム30’の片面又は両面に偏光子層5が積層された偏光性積層フィルム300が得られる。
二色性色素としては、具体的にはヨウ素又は二色性有機染料が挙げられる。二色性有機染料の具体例は、例えば、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラックを含む。二色性色素は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
染色工程S30は通常、二色性色素を含有する液(染色浴)に延伸フィルム200を浸漬する色素吸着工程を含む。染色浴としては、上記二色性色素を溶媒に溶解した溶液を使用できる。染色溶液の溶媒としては、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。染色浴における二色性色素の濃度は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.02〜7重量%であることがより好ましい。
二色性色素としてヨウ素を使用する場合、染色効率を向上できることから、ヨウ素を含有する染色浴にヨウ化物をさらに添加することが好ましい。ヨウ化物としては、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。染色浴におけるヨウ化物の濃度は、好ましくは0.01〜20重量%である。ヨウ化物の中でも、ヨウ化カリウムを添加することが好ましい。ヨウ化カリウムを添加する場合、ヨウ素とヨウ化カリウムとの割合は重量比で、好ましくは1:5〜1:100であり、より好ましくは1:6〜1:80である。染色浴の温度は、好ましくは10〜60℃であり、より好ましくは20〜40℃である。
染色工程S30は、色素吸着工程に引き続いて実施される色素固定化工程を含むことができる。色素固定化工程は、架橋剤を含有する液(架橋浴)に色素吸着工程後の延伸フィルムを浸漬することにより行うことができる。架橋剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂のようなホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等が挙げられる。架橋剤は1種のみを使用してもよいし2種以上を併用してもよい。架橋浴としては、架橋剤を溶媒に溶解した溶液を使用できる。溶媒としては、水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒をさらに含んでもよい。架橋浴における架橋剤の濃度は、好ましくは1〜20重量%であり、より好ましくは6〜15重量%である。
架橋浴はヨウ化物をさらに含むことができる。ヨウ化物の添加により、偏光子層5の面内における偏光特性をより均一化させることができる。ヨウ化物の具体例は上記と同様である。架橋浴におけるヨウ化物の濃度は、好ましくは0.05〜15重量%であり、より好ましくは0.5〜8重量%である。架橋浴の温度は、好ましくは10〜90℃である。
なお色素固定化処理は、架橋剤を染色浴中に配合することにより、色素吸着処理と同時に行うこともできる。また、組成の異なる2種以上の架橋浴を用いて、架橋浴に浸漬する処理を2回以上行ってもよい。
染色工程S30中に第2延伸工程S40を実施する。第2延伸工程S40は湿式延伸であり、染色液に浸漬しながら行う一軸延伸処理や、架橋浴に浸漬しながら行う一軸延伸処理であることができる。これら双方の延伸処理を行ってもよい。湿式延伸を行う処理浴(染色浴及び/又は架橋浴)の温度は、延伸を均一に行う観点から、好ましくは60℃以上であり、より好ましくは70℃以上である。
第2延伸工程S40におけるフィルムの延伸倍率は1.5倍以上であり、好ましくは1.8倍以上、より好ましくは2.0倍以上である。これにより偏光特性に優れた偏光性積層フィルム300が得られ得る。偏光性積層フィルム300の偏光特性を良好なものとするために、積層フィルム100に対してなされる延伸の総延伸倍率、すなわち第1延伸工程S20と第2延伸工程S40との累積延伸倍率が4倍以上となるように第2延伸工程S40での延伸倍率を調整することが好ましい。総延伸倍率は、より好ましくは4.3倍以上である。
染色工程S30の後、洗浄工程及び乾燥工程を行うことが好ましい。洗浄工程は通常、水洗浄工程を含む。水洗浄処理は、イオン交換水、蒸留水のような純水に色素吸着処理後の又は色素固定化処理後のフィルムを浸漬することにより行うことができる。水洗浄温度は、通常3〜50℃、好ましくは4〜20℃である。洗浄工程は、水洗浄工程とヨウ化物溶液による洗浄工程との組み合わせであってもよい。洗浄工程の後に行われる乾燥工程としては、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥等の任意の適切な方法を採用し得る。例えば加熱乾燥の場合、乾燥温度は通常20〜95℃である。
偏光性積層フィルム300が有する偏光子層5の厚みは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは7μm以下である。偏光子層5の厚みを10μm以下とすることにより、薄型の偏光性積層フィルム300を構成することができる。偏光子層5の厚みは通常、2μm以上である。
<偏光板及びその製造方法>
上述の偏光性積層フィルム300は、そのまま偏光素子(偏光板)として使用することもできるが、基材フィルム30’とは異なる少なくとも1つのフィルムを偏光子層5の保護フィルムとして備える偏光板の中間体としても利用することができる。
保護フィルムを備える偏光板は、
偏光性積層フィルムの偏光子層上に第1接着剤層を介して第1保護フィルムを貼合して多層フィルムを得る第1貼合工程、あるいはさらに、
多層フィルムから基材フィルムを剥離除去して片面保護フィルム付偏光板を得る剥離工程、あるいはさらに、
片面保護フィルム付偏光板における偏光子層上に第2接着剤層を介して第2保護フィルムを貼合して、両面保護フィルム付偏光板を得る第2貼合工程
を含む方法によって製造することができる。
図8を参照して第1貼合工程は、偏光性積層フィルム300の偏光子層5上、すなわち、偏光子層5の基材フィルム30’とは反対側の面に第1接着剤層15を介して第1保護フィルム10を貼合することで多層フィルム400を得る工程である。
なお、偏光性積層フィルム300が基材フィルム30’の両面に偏光子層5を有する場合は通常、両面の偏光子層5上にそれぞれ第1保護フィルム10が貼合される。この場合、これらの第1保護フィルム10は同種の保護フィルムであってもよいし、異種の保護フィルムであってもよい。
第1接着剤層15を形成する接着剤は、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含有する活性エネルギー線硬化性接着剤(好ましくは紫外線硬化性接着剤)や、ポリビニルアルコール系樹脂のような接着剤成分を水に溶解又は分散させた水系接着剤であることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて第1保護フィルム10を貼合する場合、第1接着剤層15となる活性エネルギー線硬化性接着剤を介して第1保護フィルム10を偏光子層5上に積層した後、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線を照射して接着剤層を硬化させる。中でも紫外線が好適であり、この場合の光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。水系接着剤を用いる場合は、水系接着剤を介して第1保護フィルム10を偏光子層5上に積層した後、加熱乾燥させればよい。
偏光子層5に第1保護フィルム10を貼合するにあたり、第1保護フィルム10及び/又は偏光子層5の貼合面には、偏光子層5との接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理のような表面処理(易接着処理)を行うことができ、中でも、プラズマ処理、コロナ処理又はケン化処理を行うことが好ましい。
第1保護フィルム10は、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂等からなるフィルムであることができる。
第1保護フィルム10は、位相差フィルム、輝度向上フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
第1保護フィルム10における偏光子層5とは反対側の表面には、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を形成することもできる。第1保護フィルム10は、滑剤、可塑剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤のような添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
第1保護フィルム10の厚みは、偏光板の薄型化の観点から、好ましくは90μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。第1保護フィルム10の厚みは、強度及び取扱性の観点から、通常5μm以上である。
図9を参照して上記剥離工程は、多層フィルム400から基材フィルム30’を剥離除去して片面保護フィルム付偏光板500を得る工程である。偏光性積層フィルム300が基材フィルム30’の両面に偏光子層5を有し、これら両方の偏光子層5に第1保護フィルム10を貼合した場合には、この剥離工程により、1枚の偏光性積層フィルム300から2枚の片面保護フィルム付偏光板500が得られる。
基材フィルム30’を剥離除去する方法は特に限定されるものでなく、通常の粘着剤付偏光板で行われるセパレータ(剥離フィルム)の剥離工程と同様の方法で剥離できる。
図10を参照して上記第2貼合工程は、片面保護フィルム付偏光板500における偏光子層5上に第2接着剤層25を介して第2保護フィルム20を貼合して、両面保護フィルム付偏光板600を得る工程である。第2保護フィルム20及び第2接着剤層25の構成や材質については、それぞれ第1保護フィルム10及び第1接着剤層15についての記載が引用される。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<実施例1>
(1)基材フィルムの作製
エチレンユニットを約5重量%含むプロピレン/エチレンのランダム共重合体(住友化学(株)製の「住友ノーブレン W151」、結晶セグメントの融点Tm=138℃)からなる樹脂層の両面にプロピレンの単独重合体(住友化学(株)製の「住友ノーブレンFLX80E4」、結晶セグメントの融点Tm=163℃)からなる樹脂層を配置した3層構造の基材フィルムを、多層押出成形機を用いた共押出成形により作製した。基材フィルムの合計厚みは100μmであり、各層の厚み比(FLX80E4/W151/FLX80E4)は3/4/3であった。
上述の測定方法及び定義に従う基材フィルムの結晶化度は、67%であった。ディフラクトメーターには、スペクトリス社製の「X’Pert PRO MPD」を用いた。また、波長590nmでの面内位相差値を王子計測機器(株)製の「KOBRA−WPR」で、また、測定部の厚みを接触式膜厚計で測定することで、得られた基材フィルムの単位厚み(1μm)あたりの面内位相差値を求めた。これによると、単位厚みあたりの面内位相差値は1.0〜1.2nmであり、特定方向への配向はみられず、結晶セグメントが(押出時のシェアによる配向結晶ではなく)ランダム方向の折り畳み型結晶からなることが分かる。
(2)プライマー層形成工程
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業(株)製の「Z−200」、平均重合度1100、ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(田岡化学工業(株)製の「スミレーズレジン650」)をポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部の割合で混合して、プライマー層形成用塗工液を得た。
次に、上記(1)で作製した基材フィルムの片面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面に小径グラビアコーターを用いて上記プライマー層形成用塗工液を塗工し、80℃で10分間乾燥させることにより、厚み0.2μmのプライマー層を形成した。
(3)積層フィルムの作製(樹脂層形成工程)
ポリビニルアルコール粉末((株)クラレ製の「PVA124」、平均重合度2400、ケン化度98.0〜99.0モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製し、これをポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液とした。
上記(2)で作製したプライマー層を有する基材フィルムのプライマー層表面にダイコーターを用いて上記ポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液を塗工した後、80℃で20分間乾燥させることにより、プライマー層上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して、基材フィルム/プライマー層/ポリビニルアルコール系樹脂層からなる積層フィルムを得た。
(4)延伸フィルムの作製(第1延伸工程)
上記(3)で作製した積層フィルムに対し、フローティングの縦一軸延伸装置を用いて130℃で1.5倍の自由端一軸延伸を乾式で実施し、延伸フィルムを得た。延伸後のポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは8.0μmであった。
(5)偏光性積層フィルムの作製(染色工程及び第2延伸工程)
上記(4)で作製した延伸フィルムを、ヨウ素とヨウ化カリウムとを含む30℃の染色浴(水100重量部あたりヨウ素を0.6重量部、ヨウ化カリウムを10重量部含む)に約180秒間浸漬してポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素を吸着させた後(色素吸着工程)、10℃の純水で余分な浴を洗い流した。
次に、ホウ酸を含む78℃の第1架橋浴(水100重量部あたりホウ酸を10.4重量部含む)に120秒間浸漬した(色素固定化工程)。このとき、第1架橋浴にフィルムを浸漬しながら、3.5倍の縦一軸延伸を行った(第2延伸工程)。フィルム破断等の不具合はなく、延伸性は良好であった。第1及び第2延伸工程での延伸の累積延伸倍率(積層フィルムに対する延伸の総延伸倍率)は5.3倍である。
次いで、ホウ酸及びヨウ化カリウムを含む70℃の第2架橋浴(水100重量部あたりホウ酸を5.7重量部、ヨウ化カリウムを12重量部含む)に60秒間浸漬した(色素固定化工程)。その後、10℃の純水で10秒間洗浄した。最後に80℃で300秒間乾燥させることにより、基材フィルム/偏光子層からなる偏光性積層フィルムを得た。偏光子層の厚みは5.4μmであった。
<実施例2〜4、比較例1〜3>
第1延伸工程での延伸倍率及び延伸温度、並びに第2延伸工程での延伸倍率及び延伸温度を表1のとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを作製した。ただし、比較例3においては、第1架橋浴での湿式延伸(第2延伸工程)中にフィルムが破断してしまい、偏光性積層フィルムを得ることができなかった。実施例2〜4の第2延伸工程においてフィルム破断等の不具合はなく、延伸性は良好であった。
〔製造工程及び得られた偏光性積層フィルムの評価〕
(1)染色工程におけるポリビニルアルコール系樹脂の溶出
第1延伸工程後のフィルムを染色浴及び架橋浴に浸漬したときのポリビニルアルコール系樹脂層(表1では「PVA」と省略して記載している)の溶出の程度を目視で確認し、下記の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。
A:ポリビニルアルコール系樹脂層の溶出が認められない、
B:ポリビニルアルコール系樹脂層の溶出が認められる。
比較例1では、染色液浸漬時及び架橋浴浸漬時の双方で溶出が認められた。比較例1においては、溶出せずに残存したポリビニルアルコール系樹脂層の青抜けによるムラが著しかった。比較例2においても、染色液浸漬時及び架橋浴浸漬時の双方で溶出が認められ、残存したポリビニルアルコール系樹脂層に青抜けによるムラが発生していた。
ここでいう青抜けとは、偏光子の色相が青くなってしまう状態をいう。結晶化が十分に行われないポリビニルアルコール鎖の場合、水による膨潤緩和及び部分的な溶出が起こるため、ポリビニルアルコール鎖が安定な錯体を形成するのに十分な配向を有していない。この状態では、耐水性の低いI3錯体は安定な錯体を形成できずに溶出してしまい、比較的相互作用が強く耐水性の高いI5錯体が相対的に多く残存する。すなわち、I3錯体に比べてより長波長側に吸収帯を有するI5錯体が相対的に多く残存する偏光子は、短波長側の光が多く抜けるために青色を呈する。
また、ムラとは、上記のようにI3錯体の溶出によりI5錯体が相対的に多く残存する部分と、I3錯体及びI5錯体が通常のバランスで存在している部分とが偏光子中に混在して、偏光子に色ムラが生じている状態をいう。なお、これらの錯体のおよその存在比(含有比)は、紫外可視吸収スペクトル測定等によって得られるスペクトルの吸収帯強度から求めることができる。
(2)偏光性積層フィルムの偏光度
得られた偏光性積層フィルムについて、吸光光度計(日本分光(株)製の「V7100」)を用いて視感度補正偏光度を測定した。結果を表1に示す。測定にあたっては、偏光子層側に入射光が照射されるように偏光性積層フィルムサンプルをセットした。
Figure 0006645727
5 偏光子層、6 ポリビニルアルコール系樹脂層、6’ 延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層、10 第1保護フィルム、15 第1接着剤層、20 第2保護フィルム、25 第2接着剤層、30 基材フィルム、30’ 延伸された基材フィルム、100 積層フィルム、200 延伸フィルム、300 偏光性積層フィルム、400 多層フィルム、500 片面保護フィルム付偏光板、600 両面保護フィルム付偏光板。

Claims (4)

  1. 結晶性樹脂で構成され、折り畳み型結晶構造部を含有する基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程と、
    前記積層フィルムを120℃以上の温度で乾式延伸して延伸フィルムを得る第1延伸工程と、
    前記延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色して偏光子層を形成することにより偏光性積層フィルムを得る染色工程と、
    を含み、
    前記染色工程は、延伸フィルムを1.5倍以上の倍率で湿式延伸する第2延伸工程を含み、
    前記染色工程は、
    二色性色素を含有する液に延伸フィルムを浸漬する色素吸着工程と、
    架橋剤を含有する第1液に色素吸着工程後の延伸フィルムを浸漬する第1色素固定化工程と、
    架橋剤を含有する第2液に第1色素固定化工程後の延伸フィルムを浸漬する第2色素固定化工程と、
    を含み、
    二色性色素を含有する液及び/又は架橋剤を含有する第1液に浸漬しながら前記第2延伸工程を実施し、
    前記積層フィルムに対してなされる延伸の総延伸倍率が4倍以上4.8倍以下である、偏光性積層フィルムの製造方法。
  2. 前記結晶性樹脂は、鎖状ポリオレフィン系樹脂又はポリアミド系樹脂である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記基材フィルムは、結晶化度が20〜90%である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記第1延伸工程において前記積層フィルムに対してなされる延伸の倍率が、1.5倍以上3倍未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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